JP4362649B2 - 切創防止手袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋭利な縁やバリのある鉄板・ガラス等を取り扱う作業および精肉加工や大型魚の解体作業等で包丁やナイフ等の刃物を用いる危険な作業で着用するのに適した切創防止手袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
精肉加工業等で使用される安全作業用の手袋として、切断抵抗に優れた編糸を用いて編成したものは公知である。例えば、米国特許第3,883,896 号には、アラミド繊維などの高強度繊維が精肉加工業の作業用手袋に使用される旨が記載されている。また、米国特許第4,384,449 号および米国特許第4,470,251 号には、アラミド繊維と金属ワイヤーとを組合せて使用することが示唆されている。しかしながら、高強度繊維を使用したものは、通常の繊維を使用したものに比べれば耐切創性に優れているが、鋭利な縁等に触れると、比較的容易に切断される。また、アラミド繊維と金属ワイヤーを併用したものは、耐切創性が向上する反面、可撓性に乏しくて編み加工性に欠け、また導電性を有するため、用途が限定されていた。
【0003】
また、米国特許第5,119,512 号には、高強度ポリエチレン繊維のように切断抵抗性を有する高強度繊維と、ガラス繊維のような硬質繊維とを複合して、詳しくは上記の高強度繊維フィラメントおよびガラス繊維フィラメントを引揃えて芯糸とし、この芯糸に上記の高強度繊維フィラメントを二重に巻付けることにより複合して切断抵抗性糸条を作り、この切断抵抗性糸条を用いて作業用手袋を編成すること、並びに上記のガラス繊維をエラストマー被膜で被覆すること等が開示されている。
【0004】
この高強度繊維およびガラス繊維の複合糸を用いた作業用手袋は、高強度繊維の引張り強度とガラス繊維の硬度とが共同することにより上記複合糸の切断抵抗性が向上し、かつ金属繊維を使用しないため、導電性を有しない利点を備えているが、比較的柔軟な高強度繊維および比較的硬いガラス繊維を平行に収束して芯糸とし、その上に高強度繊維フィラメントを二重に巻付けて1本の複合糸に形成しているため、複合に際して芯糸の円滑供給が難しく、不均一な収束部を生じたり、しごきによる撚の移動が生じ易く、撚り斑が生じたりして複合作業が困難になり、また1本の複合糸にしたものを編糸とするため、編糸が太く、硬くなって編成が困難になり、また編糸が太くなるため収束力が弱まり、バラケ現象により切断抵抗が低下し、また糸の構成、厚み等が異なる種々の手袋を作ろうとする場合、その度に別な複合工程が必要になり、多種類の在庫が増えたり在庫管理が煩雑になったりしてコストアップの原因になる等の問題があった。
【0005】
また、高強度繊維およびガラス繊維が平行に収束されて1本の複合糸を形成しているため、手袋の編成時に高強度繊維とガラス繊維とが編地の外面および内面に不均一に出没し、高強度繊維が外面に位置する部分では、刃物が高強度繊維に接した後にガラス繊維に接して複合糸が切断され易くなり、かつガラス繊維が折れた場合にガラス繊維の端部が内面に突出して人体に刺さる等の問題が生じた。
【0006】
そして、折れたガラス繊維の端部の突出を防ぐため、編成前のガラス繊維をエラストマー被膜等で被覆した場合は、高強度繊維と複合したり、複合糸を用いて編成したりする際に、糸条の走行摩擦が大きくなり、運転が不円滑になると共に、編地を形成する編糸間に隙間が残るため、用途によっては防水性に欠け、上記の隙間に細菌が繁殖したりして非衛生的になり易く、また用途によっては不要部分にもエラストマー被膜が存在し、通気性に乏しくなる等の問題があった。また、上記の複合糸からなる作業用手袋は、編糸が高強度繊維およびガラス繊維の複合糸であるため、編糸自体には伸縮性が無く、手袋の編地の伸縮性は編み組織による伸縮性のみとなり、用途によっては伸縮性が不足し、手袋の着脱性や密着性に欠けることがあった。また、上記の複合糸で編成された手袋を合成樹脂やゴム等の被覆材で被覆するために上記手袋を製造型に被せる際、この製造型に手袋がフィットせず、手袋の大きさが不均一になったり、皺や浮きが発生して被覆加工が困難になる等の不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の第一の課題は、硬質繊維および高強度繊維を併用した耐切創性の高い切創防止手袋において、硬質繊維および高強度繊維を別個の編糸として用いることにより、硬度の異なる硬質繊維および高強度繊維を1本の編糸にまとめるという困難な複合工程を無くし、編糸1本当たりの太さを細く、剛性を低くして編成を容易にし、ロット変更を容易にすると共に、上記の硬質繊維および高強度繊維の各収束性を向上し、その切断抵抗を一層上げることである。また、第二の課題は、上記の切創防止用手袋の伸縮性を向上させることにより、その着脱性および密着性を改善し、被覆加工用の製造型に着脱する際の作業性を向上させ、製造型への密着性を良くすることである。また、第三の課題は、鋭利なバリ、縁、刃物の刃等にガラス繊維が当たる前に高強度繊維が当たることを少なくし、折れたガラス繊維の端部が手袋の内側を向いて人体を刺すことがないようにすることである。更に第四の課題は、手袋の任意箇所に防水性または耐摩耗性、防滑性等を付与することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第一の課題を解決する本発明の切創防止手袋は、ガラス繊維等の硬質繊維からなるマルチフィラメント糸を芯糸とし、熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸を巻糸としてカバリングしてなる硬質複合糸と、引張強度20g/デニール以上、弾性率5000kg/mm2 以上の高強度合成繊維からなる糸条を芯糸とし、熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸を巻糸としてカバリングしてなる高強度複合糸とを主に用いて交編されており、上記の硬質複合糸および高強度複合糸が編入されて同じ編目を形成していることを特徴とする。
【0009】
上記の硬質繊維は、モース硬度スケール3以上の繊維であり、ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維およびスチール繊維等が例示されるが、ガラス繊維およびセラミックス繊維は、導電性を有しない点で好ましく、特にガラス繊維は、製品化工程での操業性や取扱性、使用銘柄の多様性および価格等の点で最も好ましい。この硬質繊維は、屈曲可能な程度に細いフィラメントを多数本収束したマルチフィラメント糸の形で用いられる。ただし、上記硬質繊維の繊度は、ガラス繊維の場合、線径3〜6μmのフィラメント100〜600本を収束して用いるのが好ましく、デニール換算で合計50〜300デニール、好ましくは50〜150デニールである。線径3μm未満では製造が困難であり、6μmを超えると折れ易くなる。
【0010】
上記の硬質繊維と併用される高強度合成繊維は、引張強度が20g/デニール以上、弾性率が5000kg/mm2 以上の合成繊維であり、高強度延伸ポリエチレン繊維、アラミド繊維およびポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が例示される。特に引張強度が30g/デニール以上、弾性率が8000kg/mm2 以上の高強度延伸ポリエチレン繊維が最も好ましい。
【0011】
上記高強度合成繊維の単繊維繊度は、0.5〜2デニールが好ましく、0.5デニール未満では単繊維切れが生じ易く、2デニールを超えると剛性が増して製品手袋の風合いが硬くなり、いずれも好ましくない。そして、上記の高強度合成繊維は、紡績糸その他の糸条の形で、好ましくはそのフィラメント多数本を収束したマルチフィラメント糸の形で用いられる。ただし、その合計繊度(太さ)は、100〜2500デニール、特に200〜2400デニールが好ましく、300〜2000デニールが最も好ましい。100デニール未満では強さが不足し、2500デニールを超えると太過ぎて手袋用途に不適となる。
【0012】
この発明では、前記硬質繊維のマルチフィラメント糸は、該マルチフィラメント糸を芯糸とし、熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸を巻糸とするカバード糸タイプの硬質複合糸に加工して編成に供される。また、前記高強度合成繊維からなる糸条(高強度繊維糸条)は、該高強度繊維糸条を芯糸とし、熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸を巻糸とするカバード糸タイプの高強度複合糸に加工して編成に供される。すなわち、硬質繊維のマルチフィラメント糸および高強度繊維糸条がそれぞれ個別に熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸でカバリングされ、互いに別個のカバード糸(複合糸)の形で編糸に使用される。
【0013】
上記硬質繊維のマルチフィラメント糸からなる芯糸をカバリングする巻糸は、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の通常の衣料用繊維のマルチフィラメント糸が好ましく、特にポリエステルは、水分率が低く、耐薬品性が高く、合成樹脂やゴム等の種々の被覆材料に対する接着性が良く、また仮撚加工等の捲縮加工が可能で、得られた捲縮が堅牢で、収束力が向上する点で好ましい。そして、ポリエステル繊維のマルチフィラメント糸に仮撚加工を施して得られる仮撚加工糸は、未加工のマルチフィラメント糸よりも嵩高性になって被覆性が更に向上する点で好ましい。なお、上記のマルチフィラメント糸は、太さ50〜150デニール、フィラメント数24〜72本が好ましい。
【0014】
前記の硬質繊維からなる芯糸に対するカバリング方式は、上記の熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸を巻糸に用い、これを芯糸に対し一方向に巻き付けるシングルカバリング方式、および一方向に巻き付けた後、更に逆方向に巻き付けるダブルカバリング方式のいずれでもよい。ただし、巻糸を500回/m以上の巻き回数で巻き付けて被覆度を高めた場合は、得られたカバード糸(硬質複合糸)に強い旋回性(トルク)が生じ、編成時にトラブルが発生するので、旋回性の打消されるダブルカバリング方式が好ましい。この場合の巻き回数は、200〜800回/m、特に300〜500回/mが好ましく、200回/m未満では収束が不十分で、ばらけ易く、800回/mを超えると、締付けが強くなって硬質複合糸としての柔軟性が乏しくなり、編成困難になる。
【0015】
上記の高強度繊維糸条からなる芯糸をカバリングする巻糸は、前記の硬質繊維と同様に熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸、特に好ましくは仮撚加工糸である。この熱可塑性合成繊維は、前記同様にポリエステル、ナイロンおよびアクリル等の衣料用繊維が例示されるが、硬質繊維のカバリングに用いたものと同じ繊維を使用することは、編成後の手袋表面が同じ繊維で覆われて均質になる点で好ましく、また経済的にも有利である。そして、この巻糸用マルチフィラメント糸の太さは、高強度繊維糸条の1/8〜1/2が好ましい。
【0016】
上記高強度繊維糸条の衣料用熱可塑性合成繊維によるカバリング方式は、硬質繊維におけると同様にシングルカバリングまたはダブルカバリングのいずれでもよい。ただし、高強度繊維糸条を構成する高強度合成繊維は硬質繊維に比べて柔軟であるため、シングルカバリング方式でも、得られた高強度複合糸のトルクが比較的小さくなり、後工程での取扱いが容易になる。そして、カバリング時の巻き回数は、200〜800回/m、特に300〜500回/mが好ましく、200回/m未満では高強度合成繊維の収束が不十分となり、800回/mを超えると、締付けにより上記高強度複合糸の硬さが増して編成困難になる。
【0017】
この発明の手袋は、上記の硬質複合糸と高強度複合糸とを主に用いて交編されている。すなわち、上記の硬質複合糸および高強度複合糸の双方を編糸に用いて交編されるが、後記するように弾性複合糸や通常の合成繊維糸条(好ましくは仮撚加工糸)を編糸に添加して伸縮性や編地の風合い、厚み等を調整することが可能である。そして、この発明では、上記の硬質複合糸および高強度複合糸が編入されて同じ編目を形成し、弾性複合糸や通常の合成繊維糸条を添加した場合は、これらも同じ編目を形成している。すなわち、硬質複合糸および高強度複合糸が少なくとも1本ずつ合わされて同一の編み針に供給され、また上記の弾性複合糸や通常の合成繊維糸条を添加する場合は、これらも硬質複合糸および高強度複合糸と同一の編み針に供給されて交編される。この交編は、上記の硬質複合糸および高強度複合糸の単なる引揃え編みでもよく、また硬質複合糸および高強度複合糸の一方が比較的多く表にでるようにした添え糸編みでもよい。
【0018】
単なる引揃え編みは、硬質複合糸および高強度複合糸が交互に、かつランダムに表に出たり、裏に隠れたりする反面、編み糸のガイド孔を1個有する一般型給糸口を用いて編成することができ、特殊な給糸口を必要としない。そして、硬質複合糸および高強度複合糸の硬度や太さ等に応じて交編時の給糸張力に差をつけること(テンション編み)により、後記する添え糸編みとほぼ同様に、一方の編糸を表面側に比較的多く出すことができる。
【0019】
一方、添え糸編みは、円形のガイド孔(主糸孔)と円弧型のガイド孔(添え糸孔)を並設した二重給糸口(通称:二重臼)および上記の一般型給糸口を2個、編成方向に対して前後に並べ、位置を交換できるようにしたプレーティング給糸口等の特殊な給糸口を必要とする反面、硬質複合糸を表面側に多く出し、高強度複合糸を裏面側に多く配置することができるため、鋭利な縁や刃物の刃に先ず硬質複合糸を接触させ、次に高強度複合糸を接触させて手袋の耐切創性を一層向上させることができる。また、ガラス繊維が折れた場合にガラス繊維の端部が内面に突出して人体に刺さるのを避けることができる。
【0020】
なお、二重臼またはプレーティング給糸口を用いて添え糸編みを行う場合、その主糸孔に硬質複合糸を、添え糸孔に高強度複合糸をそれぞれ導くが、伸縮性付与のための弾性糸や風合い調整その他のための通常の合成繊維糸条を添加する場合は、主糸孔に硬質複合糸および高強度複合糸を導入し、添え糸孔に弾性糸や通常の合成繊維糸条を導入し、かつ硬質複合糸および高強度複合糸の給糸張力を調整して硬質複合糸が表面側に多く出るようにすることが好ましい。
【0021】
この発明の手袋は、上記のように硬質複合糸および高強度複合糸で交編したものであるから、手袋が鋭利な縁等や刃物の刃に触れた場合、硬質複合糸と高強度複合糸との共同作用によって手袋全体の耐切創性が向上する。また、上記の硬質複合糸や高強度複合糸は、目的に応じてその組合せを変えたり、硬質複合糸や高強度複合糸の使用本数を変えたりして任意の手袋を編成することができ、そのためいわゆるロット変更が容易になる。更に、上記の硬質複合糸および高強度複合糸を別個の編糸として用いるので、これら2種の糸条を複合して1本の編糸にして用いる場合に比べ、編糸1本の太さが細くなり、それだけ曲げ易くなり、編成が容易になる。更に、硬質繊維のマルチフィラメント糸および高強度繊維糸条がそれぞれ前記カバード糸タイプの複合糸の形で使用されるため、カバリングされない場合に比べ、編糸の収束性、切断抵抗、手袋の耐切創性、染色性が向上し、また合成樹脂やゴムその他の被覆材の接着性も大幅に向上する。
【0022】
前記第二の課題は、上記の硬質複合糸および高強度複合糸を交編して得られた切創防止手袋において、弾性繊維からなる芯糸を熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸でカバリングして得られた弾性複合糸を上記の硬質複合糸および高強度複合糸と共に編入し、三者で同じ編目を形成することにより解決される。上記の弾性繊維は、ゴム状弾性を有する繊維であり、ポリウレタン弾性糸(スパンデックス繊維糸)が例示される。その繊度は、20〜100デニール、特に30〜70デニールが好ましく、20デニール未満では細過ぎて伸縮力が不足し、100デニールを超えると、弾力が過大になって編成困難になり、かつビリが発生して編地欠点が生じ易くなる。
【0023】
上記の弾性繊維からなる芯糸をカバリングする熱可塑性合成繊維糸(巻糸)は、前記の硬質複合糸および高強度複合糸の巻糸と同様のものであり、ナイロンまたはポリエステルからなるマルチフィラメント糸50〜100デニールの仮撚加工糸が好ましく、50デニール未満では芯糸のカバリングが不完全になり、100デニールを超えると不経済となる。
【0024】
カバリングは、芯糸が伸縮性の弾性繊維糸であるため、シングルカバリング方式が好ましく、ダブルカバリングの必要はない。なお、カバリングする際の芯糸伸長率は2.5〜4.5が好ましく、2.5未満では伸縮力が不足し、4.5を超えるとカバリング時の糸切れが多くなる。また、巻き回数(撚り数)は、300〜500回/mが好ましく、300回/m未満では収束性が不足し、しごきにより巻糸のずれが生じ、また撚り斑ができ易く、500回/mを超えると、複合糸が細くなり過ぎると共に、複合糸に強い旋回性が発生し、取扱い困難になる。
【0025】
前記第三の課題は、前記の切創防止手袋において、手袋表面側では硬質複合糸の方を高強度複合糸よりも多く現わすことにより、すなわち手袋の表面側における硬質複合糸の偏在率(一方の編糸が他方の編糸の上にある部分の長さと編目1個分の編糸長さとの比率)を高強度複合糸の偏在率よりも大きくすることにより、達成される。具体的には、硬質複合糸および高強度複合糸の二者、またはこれに弾性複合糸を加えた三者を交編するに際し、前記の段落「0017」ないし「0020」に記載したテンション編みや添え糸編みにより、またその併用により、硬質複合糸が表面側に多くでるように編成する。または、硬質複合糸が裏面側に多くでるように編成し、しかるのち編地を反転して硬質複合糸を表面側に多くだすこともできる。この場合は、前記のとおり、鋭利な縁や刃物の刃に先ず硬質複合糸が接触し、次に高強度複合糸が接触するため、手袋の耐切創性が向上する。また、ガラス繊維が折れた場合にガラス繊維の端部が内面に突出して人体に刺さるのを避けることができる。
【0026】
前記第四の課題は、上記の切創防止手袋において、手袋表面の所要箇所に合成樹脂またはゴム等からなる被覆層を設けることにより解決される。合成樹脂としては、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂等を、またゴムとしては天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等が例示され、目的に応じて選択され、コーティング用、ラミネート用、含浸用等の被覆液やフィルム、シート等の被覆材に加工される。なお、上記の合成樹脂およびゴム以外の被覆材としては、合成皮革、皮革および織布等が例示される。そして、前記の硬質複合糸、高強度複合糸、弾性複合糸および風合い等調整用糸条の中の少なくとも硬質複合糸と高強度複合糸とを用いて交編された手袋を製造型に被せ、その指先部、掌部全面その他の任意部分または掌部から甲部にまたがる全面等の所要箇所に表側から上記の被覆液を浸漬、垂らしかけ、塗布、噴霧等で付与し、または上記の合成樹脂、ゴム等からなるフィルム、シート類を貼り付け、次いで乾燥、型抜きする。
【0027】
得られた手袋は、所要箇所の編目および繊維間空隙が上記の合成樹脂やゴム等からなる被膜で塞がれ、該部が被膜の種類に応じて通気性を調整され、また防水性となり、また表面の摩擦係数が増大する。しかも、上記の硬質繊維および高強度繊維自体はゴム等に対する接着性が低いにもかかわらず、手袋を構成する硬質複合糸および高強度複合糸は細い繊維の収束体で構成され、かつ熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸でカバリングされているため、上記被膜の剥離強度が大きくなり、容易に剥離することはなく、耐摩耗性および摩擦係数が増大する。
【0028】
したがって、合成樹脂やゴム等、被覆材の種類および被覆箇所や張り付け箇所の選択により、手袋の大部分に通気性を残したまま指先部のみを摩耗し難く、また滑り難くし、また甲部分の通気性を残したまま掌部全面を摩耗し難く、また滑り難くし、また手袋全面の編目を塞いで防水性と防汚性を与え、細菌の繁殖を防ぐことができる。なお、上記の被覆材に抗菌剤や防カビ剤を添加して衛生面での効果を向上させることができ、また被膜部分にエンボス加工等で凹凸を形成して一層滑り難くすることもできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施形態1
硬質繊維として線径3〜6μmのガラスフィラメント100〜600本からなるフィラメント束(合計繊度50〜300デニール、好ましくは50〜150デニール)を用い、このガラスフィラメント束を芯糸とし、その周囲に巻糸としてポリエステルマルチフィラメント糸の仮撚加工糸(太さ50〜150デニール、フィラメント数24〜72本)をカバリングして硬質複合糸とする。このカバリングは、上記の仮撚加工糸を一方向に300〜500回/mの巻き回数で巻き付けるシングルカバリング、この一方向の巻き付けに続いて逆方向に同じ仮撚加工糸を300〜500回/mの巻き回数で巻き付けるダブルカバリングのいずれでもよい。
【0030】
一方、高強度合成繊維として引張強度が30g/デニール以上、弾性率が8000kg/mm2 以上の高強度延伸ポリエチレン繊維のフィラメント(単繊維繊度0.5〜2デニール)の多数本からなる合計繊度200〜400デニールのフィラメント束を用い、これを芯糸とし、その周囲に巻糸として前記同様のポリエステルマルチフィラメント糸の仮撚加工糸(太さ:上記フィラメント束の1/8〜1/2)をシングルカバリング方式又はダブルカバリング方式(巻き付け回数:300〜500回/m)で巻き付けて高強度複合糸とする。
【0031】
前記の一般型給糸口を備えた手袋編機の上記給糸口に上記の硬質複合糸および高強度複合糸を1本ずつ同時に供給し、平編み組織の手袋いわゆる編み軍手を編成する。得られた手袋では、硬質複合糸および高強度複合糸が引揃え状に編入され、硬質複合糸が表面側に出て高強度複合糸が裏面側に隠れたり、硬質複合糸が裏面側に隠れて高強度複合糸が表面側に出たりしながら同じ編目を形成している。なお、編地の風合いや厚み、クッション等の調整用として上記の硬質複合糸および高強度複合糸にナイロン仮撚加工糸(100〜800デニール)を添加することができる。
【0032】
得られた手袋は、フランス国SODEMAT 社製の耐切創性試験機(COUPTEST)を用いた評価方式(CEマーク評価法)でレベル4以上の耐切創性を備えている。上記の試験機は、導電性ゴムマットの上にアルミ箔を敷き、その上に試料の編地を乗せ、この編地に直径45mmの円形刃の刃先を回転状態で当て、5ニュートンの荷重を加えて50mmの距離を往復させ、編地が切断されて刃先がアルミ箔に接触するまでの往復回数を求めるようになっている。ただし、円形刃の回転方向と回転速度は、円形刃が50mm進む間に編地と接する刃先が進行方向と同方向に1回転するように設定されている。
【0033】
耐切創性インデックスIは、次のようにして求められる。先ず、上記の編地試料について5回の試験をして各回の往復回数S1、S2、S3、S4およびS5を求める。ただし、5回の試験の前後および各回の試験の中間にBn (コントロール布、規定基準布)について同様の試験を合計6回行い、各回における円板カッターの往復回数b1、b2、b3、b4、b5およびb6を求める。そして、b1とb2の平均値B1、b2とb3の平均値B2、b3とb4の平均値B3、b4とb5の平均値B4、b5とb6の平均値B5をそれぞれ算出し、更に式「(B1+S1)/B1=I1 、(B2+S2)/B2=I2 、(B3+S3)/B3=I3 、(B4+S4)/B4=I4 、(B5+S5)/B5=I5 」でI1 〜I5 を算出し、このI1 〜I5 の平均値を耐切創性インデックスIとし、そのインデックス値に基づき、下の表1から5段階レベル値を求める。
【0034】
表 1
Figure 0004362649
【0035】
実施形態2
上記実施形態1の硬質複合糸および高強度複合糸に弾性複合糸1本を加えて交編する。弾性複合糸は、芯糸となる弾性繊維糸としてポリウレタン弾性糸(30〜70デニール)を用い、これをカバリングする巻糸としてナイロンマルチフィラメント糸の仮撚加工糸(50〜100デニール)を用い、芯糸に巻糸をシングルカバリング方式で巻き付けて作られる。なお、巻き付けに際し、芯糸(ポリウレタン弾性糸)の伸長率を2.5〜4.5に設定し、巻糸(仮撚加工糸)の巻き回数を300〜500回/mに設定する。
【0036】
実施形態1の手袋編機を用い、その給糸口に実施形態1の硬質複合糸および高強度複合糸と共に上記の弾性複合糸を同時に供給して交編する。ただし、弾性複合糸には、その伸びが250〜350%となる程度の張力を加える。得られた手袋は、硬質複合糸、高強度複合糸および弾性複合糸が引揃え状に編入され、硬質複合糸が表面側に出たり、高強度複合糸が表面側に出たりしながら同じ編目を形成し、かつ弾性複合糸がその収縮により硬質複合糸と高強度複合糸との間に隠れた形となり、この弾性複合糸が手袋のフィット性を良好にする。なお、耐切創性レベルは実施形態1と同じ程度になる。また、前記風合い等の調整用として、上記の硬質複合糸、高強度複合糸および弾性複合糸に対し、ナイロン仮撚加工糸(100〜800デニール)を前記同様に添加することができる。
【0037】
実施形態3
実施形態1の硬質複合糸および高強度複合糸を用い、添え糸編みを行って硬質複合糸を手袋の表面側に多く偏在させる。すなわち、二重臼またはプレーティング編み給糸口を備えた手袋編機を用い、硬質複合糸および高強度複合糸のうち硬質複合糸を主糸孔に、また高強度複合糸を添え糸孔にそれぞれ挿入し、硬質複合糸を給糸口の移動方向に対して常に前に位置させて編成することにより、平編み組織の編地表面側すなわち表目に硬質複合糸を比較的多く出し、高強度複合糸を比較的少なく出し、手袋表面側における硬質複合糸の偏在率を高強度複合糸の偏在率よりも大きくし、これによって手袋の耐切創性を一層向上させる。この場合、耐切創性は、前記評価方式のレベル5となるが、インデックス値は40以上となる。なお、前記風合等の調整用としてナイロン仮撚加工糸(100〜800デニール)を添加できることは、前記同様である。ただし、このナイロン仮撚加工糸は、高強度複合糸と共に添え糸孔に挿入される。
【0038】
実施形態4
上記実施形態3の添え糸編みの可能な手袋編機を用いて添え糸編みを行う。ただし、実施形態3とは反対に高強度複合糸を給糸口の移動方向に対して常に前に位置させて(例えば、主糸孔に高強度複合糸を、添え糸孔に硬質複合糸をそれぞれ挿通して)交編し、編地表面側に高強度複合糸を比較的多く出し、編地裏面側に硬質複合糸を比較的多く出し、編成終了後に編地を反転して裏目を表に出して製品とする。この場合は、手袋の表面が平編み組織の裏目で形成されて硬質複合糸が比較的多く表われ、これによって手袋の耐切創性が実施形態3と同程度となる。この実施形態4は、平編み組織の裏目が表面を形成するが、硬質複合糸が高強度複合糸よりも細い場合、編成が実施形態3よりも容易になる。なお、風合い等の調整を目的としてナイロン仮撚加工糸(100〜800デニール)の添加ができることは、前記同様である。
【0039】
実施形態5
実施形態3の添え糸編みの可能な手袋編機を用い、その給糸口の主糸孔に硬質複合糸および高強度複合糸を合わせて挿入し、添え糸孔に弾性複合糸を挿入し、かつ硬質複合糸および高強度複合糸の給糸張力を調整して編成することにより、編地表面側に硬質複合糸を比較的多く出し、手袋表面側における硬質複合糸の偏在率を高強度複合糸の偏在率よりも大きくし、これによって手袋の耐切創性を一層向上させる。なお、前記風合い等の調整用としてナイロン仮撚加工糸(100〜800デニール)を添加できることは、前記同様である。ただし、このナイロン仮撚加工糸は、弾性複合糸と共に添え糸孔に挿入される。
【0040】
実施形態6
前記の実施形態1で得られた手袋の甲側には通気性を保持したまま、掌側全面に滑り止め、耐摩耗性付与、防水性付与、補強、防汚性付与等の目的で合成樹脂またはゴムの被覆加工を施す。先ず、製造型に装着した上記手袋の掌側全面に合成樹脂またはゴムを塗布し、熱風その他で乾燥し、型抜きして製品とする。なお、実施形態2〜5で得られた手袋に対しても同様に掌側全面に被覆加工を施して上記同様の目的を達成することができる。
【0041】
実施形態7
前記の実施形態1で得られた手袋の掌側から甲側に至る全表面に細菌の付着・繁殖を防ぐことができ、かつ滑り止め、耐摩耗性付与、防水性付与、補強、防汚性付与等を兼ねた被覆層を形成する。すなわち、上記の手袋を製造型に装着し、これを合成樹脂またはゴムの被覆液に浸漬し、引き上げて余分の被覆液を除去し、しかるのち熱風その他で乾燥し、型抜きして製品とする。なお、実施形態2〜5で得られた手袋に対しても同様にして全面被覆加工を行うことができる。
【0042】
【実施例】
硬質複合糸、高強度複合糸、弾性複合糸および風合い等調整用糸条として以下のものを用意し、また編機として10ゲージの一般型給糸口付き手袋編機および二重臼付き手袋編機を用意し、上記糸条の組合せ及び使用本数を変えて種々の手袋を編成し、一部の手袋に樹脂加工を施して実施例1〜5および比較例1、2の手袋を製造し、その性能を試験し、その結果を後記の表2に記載した。
【0043】
硬質複合糸の製造
硬質繊維としてガラスフィラメントのフィラメント束(合計繊度:100デニール、フィラメント数:200本)を1本用い、このガラスフィラメント束を芯糸とし、その周囲に巻糸としてポリエステル仮撚加工糸(75デニール、36フィラメント)を一方向に400回/mの巻き回数で巻き付けてシングルカバード糸を製造し、これを硬質複合糸とした。
【0044】
高強度複合糸の製造
高強度合成繊維として引張強度が30g/デニール以上、弾性率が8000kg/mm2 以上の高強度延伸ポリエチレン繊維のフィラメント束(東洋紡績株式会社製、商品名「ダイニーマ」、合計繊度:400デニール、フィラメント数:390本)を用い、これを芯糸とし、その周囲に巻糸として前記同様のポリエステル仮撚加工糸を一方向に400回/mの巻き回数で巻き付けてシングルルカバード糸を製造し、これを高強度複合糸とした。
【0045】
弾性複合糸の製造
弾性繊維としてスパンデックスのフィラメント糸(70デニール)を芯糸に用い、該芯糸の伸長率を4.0とし、その上に巻糸としてナイロン仮撚加工糸(70デニール、24フィラメント)を一方向に500回/mの巻き回数で巻き付けてシングルカバード糸を製造し、弾性複合糸とした。
【0046】
風合等調整用糸条
ナイロンマルチフィラメント糸(130デニール24フィラメント)の仮撚加工糸の双糸(合計繊度:260デニール)を用意した。
【0047】
給糸張力の設定
編機の張力調整装置として、ボビンから引出された編糸をヤーンガイド、スプリングワッシャーおよび弛み取り用天バネを介して給糸口に編糸を導くようにしたものを使用し、スプリングワッシャーのスプリングの締付け加減および天バネの付勢用スプリングの締付け加減で編糸の給糸張力を調節し、天バネ先端のヤーンガイドから引出された編糸をバネ秤で給糸口の方向に引張り、目盛り8〜10gの低張力、目盛り12〜15gの普通張力、目盛り17〜22gの高張力の3段階に設定した。ただし、弾性複合糸は、伸びが約300%となるように給糸張力を調整した。
【0048】
給糸口
実施例1、2、3および比較例1、2では、一般型給糸口を用い、全編糸を普通張力で挿通した。また、実施例4、5では、二重臼を用い、その主糸孔に硬質複合糸および高強度複合糸を挿通し、添え糸孔に弾性複合糸および風合い等調整用糸条を挿通した。ただし、給糸張力は、硬質複合糸を低張力に、高強度複合糸を高張力にそれぞれ設定した。また、弾性複合糸は、前記のとおり、伸びが約300%となるように給糸張力を調整した。
【0049】
樹脂加工
編み手袋を製造型に装着し、この編み手袋の掌側全面をウレタン樹脂とジメチルホルムアミド(DMF)からなる樹脂溶液に含浸させ、引き上げて余分の樹脂溶液を除去し、次いで30〜50℃の温水に浸漬して水に可溶なDMFを溶出させ、しかるのち温水から引き上げて熱風で乾燥、冷却、型抜きしてウレタン樹脂のポーラスな被覆層を備えた編み手袋を得た。
【0050】
手袋の厚さ測定
温度19.1℃、湿度62%RHの雰囲気で、JIS L−1018にしたがって測定した。
【0051】
手袋の作業性評価
手袋を装着した手の指で直径1〜10mmの鉄棒をつまみ、つまむことが可能な最小直径によって作業性を5段階に評価し、最小直径が2mm以上4mm未満のものを作業性「5」とし、4mm以上6mm未満のものを作業性「4」とし、6mm以上8mm未満のものを作業性「3」とし、8mm以上10mm未満のものを作業性「2」とし、10mm以上のもの 作業性「1」とした。
【0052】
偏在率
拡大鏡(倍率6倍)付き繊維編目検査具(増田理化工業株式会社製「リネンテスター1006−SA3」)を用い、縦25mm、横25mmの枠内にある編目の1個ごとに、硬質複合糸が高強度複合糸の上に乗っている部分の長さと編目1個分の編糸長さとの比率(%)を目視で0〜10点の11段階に判定し(上記の長さ比率が4%以下を0点、5〜14%を1点、15〜24%を2点、25〜34%を3点、35〜44%を4点、45〜54%を5点、55〜64%を6点、65〜74%を7点、75〜84%を8点、85〜94%を9点、95〜100%を10点と判定し)、10個の編目の平均値を偏在率とした。
【0053】
表 2
Figure 0004362649
【0054】
上記の表2に示すとおり、実施例1〜5は、いずれも切創防止性に優れ、耐カット値がレベル5であった。特に、添え糸編みとテンション編みの併用により、硬質複合糸を表に偏在させた実施例4、5は、インデックス値が高く、樹脂加工を施した実施例5においてもインデックス値が75に達した。また、実施例1、2、4、5は、弾性複合糸を用いたため、フィット性も良好であった。そして、作業性は、硬質複合糸を用いない比較例とほぼ同程度であった。これに対して比較例1、2は、硬質複合糸を省略したため、切創防止性が著しく低かった。
【0055】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の切創防止手袋は、硬質複合糸と高強度複合糸と弾性複合糸を用いて交編されているので、耐切創性に優れていてCEマーク評価法のレベル4以上を容易に得ることができ、しかも編成その他の作業性が良好で、ロット変更が容易であり、また硬質繊維および高強度繊維の各収束性が向上し、その切断抵抗を一層上げることができ、かつ染色性が改善される。しかも、弾性複合糸は、伸縮性の弾性繊維からなる芯糸を熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸でシングルカバリング方式にてカバリングして得られたものであるため、製造型や手に対する着脱性やフィット性が良好である。さらには、編目表面の所要箇所には合成樹脂またはゴム等からなる被覆層を設けているため、任意箇所に防水性、耐摩耗性、防滑性および防汚性等を付与することができると共に、編成前の編糸に被覆加工した場合のように手袋の編成工程およびその準備工程において糸を滑り難くする等の不都合がなく、操業性を阻害しない。また請求項2に記載の切創防止手袋は、耐切創性が一層向上し、また硬質繊維としてガラス繊維を用い、このガラス繊維が折れた場合にも、その折れ端が人体を刺すことが少ない。

Claims (2)

  1. ガラス繊維等の硬質繊維からなるマルチフィラメント糸を芯糸とし、熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸を巻糸としてカバリングしてなる硬質複合糸と、引張強度20g/デニール以上、弾性率5000kg/mm2 以上の高強度合成繊維からなる糸条を芯糸とし、熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸を巻糸としてカバリングしてなる高強度複合糸と、伸縮率が2.5〜4.5である伸縮性の弾性繊維からなる芯糸を熱可塑性合成繊維のマルチフィラメント糸でシングルカバリング方式にてカバリングして得られた弾性複合糸とが、共に編入されて三者が同じ編目を形成し、
    編目表面の所要箇所には合成樹脂またはゴム等からなる被覆層を設けている切創防止手袋。
  2. 請求項に記載の切創防止手袋において、手袋表面側では硬質複合糸の方が高強度複合糸よりも多く現われている切創防止手袋。
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