JP2013163042A - 筋肉増強具 - Google Patents

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Abstract

【課題】脚部や腕部の筋肉を増強させ得る筋肉増強具を提供すること。
【解決手段】筋肉増強具100は、被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部51を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具50と、蒸気温熱具50を着用者の脚部又は腕部に固定可能な装着具10を備える。装着具10は、幅方向Xと、幅方向Xと直交しかつ幅方向Xよりも長さの大きい長手方向Yとを有する略矩形状のものであり、長手方向Yを巻き付け方向として脚部又は腕部に巻き付け固定して使用される。装着具10は、幅方向Xに沿って複数個の蒸気温熱具50が固定可能な構造を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、脚部又は腕部の筋肉を増強するために用いられる筋肉増強具に関する。
本出願人は先に、所定温度に加熱された水蒸気の発生が可能な蒸気温熱具を、身体に装着するための身体装着用具と組み合わせて用いることを種々提案している。例えば特許文献1においては、蒸気温熱具を、両脚を通して着用するズボンタイプの身体装着用具と組み合わせて用い、身体を効率的に温めることを提案した。
特許文献2においては、展開状態において縦長の形状を有し、長手方向の中央部にネックホールが設けられており、該ネックホールから長手方向の前後端縁までの間がそれぞれ前身頃及び後身頃となされている身体装着用具を、蒸気温熱具と組み合わせて用いることが提案されている。この技術によれば、着用者の体から生じた汗が身体装着用具に吸収され、汗に起因して身体が冷えることを防止しつつ、心地よく汗をかいたという実感を与えることができる。
特許文献3においては、両端が開口した筒状に形成されたサポータからなる身体装着用具を、蒸気温熱具と組み合わせて用いることが記載されている。この技術によれば、変形性膝関節症を始めとする膝痛を手軽にかつ安全に緩和できる。
しかし、上述したいずれの技術においても、蒸気温熱具を特定の身体装着用具と組み合わせて用いることで、筋肉が増強することについては何ら言及されていない。
特開2006−348437号公報 特開2007−307087号公報 特開2008−18174号公報
本発明の目的は、脚部や腕部の筋肉を増強するための新規な手段を提供することにある。
本発明は、被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具と、該蒸気温熱具を着用者の脚部又は腕部に固定可能な装着具とを備えた筋肉増強具であって、
前記装着具は、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する略矩形状のものであり、該長手方向を巻き付け方向として脚部又は腕部に巻き付け固定して使用され、
前記装着具は、前記幅方向に沿って複数個の前記蒸気温熱具が固定可能な構造を有している筋肉増強具を提供するものである。
また本発明は、被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具と、該蒸気温熱具を着用者の脚部又は腕部に固定可能な装着具とを備えた筋肉増強具の装着方法であって、
前記装着具は、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する略矩形状のものであり、かつ該幅方向に沿って複数個の前記蒸気温熱具が固定されており、
該長手方向を巻き付け方向として該筋肉増強具を脚部又は腕部に巻き付け固定する筋肉増強具の装着方法を提供するものである。
更に本発明は、被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具から生じる水蒸気によって脚部又は腕部を加温して筋肉を増強させることによる筋肉増強効果の評価方法であって、
対象となる脚部又は腕部の筋量又は筋力を測定する第1の工程、
前記蒸気温熱具と、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する略矩形状の装着具とを備えた筋肉増強具を、該長手方向を巻き付け方向として対象となる前記脚部又は前記腕部に巻き付け固定し、所定時間加温する操作を所定期間繰り返す第2の工程、
前記所定期間後に、対象となる前記脚部又は前記腕部の筋量又は筋力を測定する第3の工程、及び
第1の工程における測定値と第3の工程における測定値との比較から筋肉増強の有無又は程度を判定する第4の工程
を含む筋肉増強効果の評価方法を提供するものである。
本発明の筋肉増強具は、脚部や腕部の筋肉の増強に非常に効果の高いものである。
図1は、本発明の筋肉増強具における装着具の一実施形態を示す正面図である。 図2は、本発明の筋肉増強具における装着具の一実施形態を示す背面図である。 図3は、図1におけるIII−III線断面図である。 図4は、図1におけるIV−IV線断面図断面図である。 図5(a)は、図1に示す装着具に配置固定される蒸気温熱具の一実施形態を示す正面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるb−b線断面図である。 図6(a)ないし(c)は、本発明の筋肉増強具の使用方法を順次示す説明図である。 図7は、本発明の筋肉増強具を装着した状態での大腿の筋温を示すグラフである。 図8は、本発明の筋肉増強具を装着した場合と装着しない場合とでの大腿直筋の断面積の変化を示すグラフである。 図9は、本発明の筋肉増強具を装着した場合と装着しない場合とでの外側広筋の断面積の変化を示すグラフである。 図10は、本発明の筋肉増強具を装着した場合と装着しない場合とでの大腿四頭筋の断面積の変化を示すグラフである。 図11(a)及び(b)は、本発明の筋肉増強具を装着した場合と装着しない場合とでの大腿の筋肉及び皮下脂肪の断面積の変化を示すグラフである。 図12(a)及び(b)は、本発明の筋肉増強具を装着する前、及び装着して10週間経過後での大腿四頭筋の断面積のMRI画像である。 図13は、本発明の筋肉増強具を装着した場合と装着しない場合とでの膝伸展筋力の変化を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の筋肉増強具は、蒸気温熱具と装着具とを構成要素として具備している。図1には、本発明の筋肉増強具における装着具の一実施形態の正面図が示されている。図2は、図1に示す装着具の背面図である。また、図3及び図4はそれぞれ図1におけるIII−III線断面図及びIV−IV線断面図である。装着具10は、着用者の脚部又は腕部に固定可能なものである。装着具10は、その正面視及び背面視において、幅方向Xと、該幅方向Xと直交しかつ該幅方向Xよりも長さの大きい長手方向Yとを有する略矩形状のものである。更に詳しくは、装着具10は、大別して蒸気温熱具(図示せず)の収容部20と、舌片部30とを有している。以下、それぞれの部位について説明する。
収容部20は、幅方向Xに沿って複数個の蒸気温熱具(図示せず)が固定可能な構造を有している。詳細には、以下のとおりである。図3及び図4に示すように、収容部20は、装着具10を着用者に装着した場合に、着用者の肌に対向する肌側シート21と、肌側シート21よりも外側に位置する外側シート22とを有している。肌側シート21及び外側シート22はいずれも矩形状であり、ほぼ同形をしている。肌側シート21及び外側シート22は、基本的には単層のシートであるが、これに限られるものではなく、2層以上の層からなる多層構造体や、2枚以上のシートを重ね合わせたマルチプライの重ね合わせ体であってもよい。
図1及び図2に示すように、肌側シート21と外側シート22とは、長手方向Yに延びる上辺23a及び下辺23bの位置において接合されている(図1及び図2中、接合部を点線で示す)。また、肌側シート21と外側シート22とは、幅方向Xに延びる2つの側辺のうち、上述した舌片部30が配置されている側と反対側の側辺24の位置においても接合されている(図1及び図2中、接合部を点線で示す)。更に、肌側シート21と外側シート22とは、これらを幅方向Xに沿って上下に二分する位置25において、長手方向Yに延びる接合部によって接合されている(図1及び図2中、接合部を点線で示す)。その結果、収容部20には、図3及び図4に示すように、長手方向Yの一端に開口部27を有し、かつ肌側シート21と外側シート22とによって画定されるポケット状の収容空間26が、幅方向Xに沿って上下2個形成される。この収容空間26内に蒸気温熱具(図示せず)を挿入することで、該蒸気温熱具は肌側シート21と外側シート22との間に配置固定される。各収容空間26は、長手方向Yの長さが、幅方向Xの長さよりも長いものになっている。
肌側シート21と外側シート22との接合には、これらのシートの材質に応じて種々の手段を採用することができる。例えば糸を用いた縫合、熱による融着、接着剤を用いた接着、超音波を用いた接合などの手段を採用することができる。これらの手段のうち、本実施形態の装着具10が着用者の身体に装着されるものであることを考慮すると、肌触り等の風合いが良好な接合手段である縫合を用いることが好ましい。
本実施形態の装着具10のように、蒸気温熱具の収容空間26が幅方向Xに沿って複数個形成されていることで、蒸気温熱具が固定された該装着具10を着用者の脚部や腕部に巻き付けて固定した場合に、筋肉の収縮(脚や腕の曲げ伸ばし)に対して装着具10が十分に追従できるようになる。その結果、蒸気温熱具と着用者の脚や腕との間に無用の空間が生じることが防止され、蒸気温熱具から発生した蒸気温熱が効果的に着用者の脚や腕に付与される。特に、各収容空間26における長手方向Yの長さが幅方向Xの長さよりも長くなっていることで、蒸気温熱具が固定された装着具10のフレキシビリティが高まるという利点がある。
上述の利点を一層顕著なものとする観点から、肌側シート21及び外側シート22はいずれも伸縮性を有していることが好ましい。この場合、肌側シート21及び外側シート22はいずれも、少なくとも長手方向Yに伸縮性を有していることが好ましい。更に好ましくは、肌側シート21及び外側シート22はいずれも、長手方向Y及び幅方向Xの二方向に伸縮性を有する、いわゆるツーウエイの伸縮布地からなる。
肌側シート21及び外側シート22はいずれも伸縮性を有する場合、少なくとも長手方向Yにおいて、肌側シート21の伸縮性よりも外側シート22の伸縮性の方が高くなっていることが好ましい。蒸気温熱具が固定された装着具10を着用者の脚部や腕部に巻き付けて固定した場合に、筋肉の収縮(脚や腕の曲げ伸ばし)に対して更に十分に追従できるようになるからである。伸縮性が高いとは、同じ荷重で比較した場合に、伸度が高くなることをいう。この観点から、肌側シート21の長手方向Yの伸縮性の程度は、2.25kg荷重時の伸度が100〜300%、特に180〜220%であることが好ましく、外側シート22の長手方向Yの伸縮性の程度は、2.25kg荷重時の伸度が100〜400%、特に210〜290%であることが好ましい。この伸度は定速伸長引張試験機を用いて測定される。試験片は長さ25mm、幅16mmの矩形とする。引張速度は30±2mm/min、チャック間距離は100mmとする。
外側シート22は、風合いの良好な布地から構成されていることが好ましい。また外側シート22は、十分な通気性を有することが好ましい。外側シート22は、例えばトリコット編み等の編地から構成することができる。同様に、肌側シート21も、風合いの良好な布地から構成されていることが好ましい。装着具10に固定される蒸気温熱具から発生する蒸気温熱を効率よく着用者の肌へ付与する観点から、肌側シート21は、十分な水蒸気透過性を有する素材から構成されていることが好ましい。そのような素材としては、例えばメッシュ状の編地が好ましく用いられる。
装着具10における収容部20の寸法は、装着具10を身体のどの部位に装着させるかに応じて適切に決定すればよい。装着具10を例えば大腿部に装着させる場合には、幅方向Xの寸法は80〜350mm、特に150〜250mmであることが好ましく、舌片部を含む長手方向Yの寸法は350〜600mm、特に400〜550mmであることが好ましい。
図2に示すように、装着具10は、その長手方向Yに沿う端部域の一方の面に止着部40を有している。止着部40は、外側シート22上に位置している。また止着部40は、図4に示すように、装着具10の長手方向Yにおいて、上述した開口部27が形成されている側と反対側の端部域に位置している。更に、装着具10は、図1、図2及び図4に示すように、長手方向Yにおいて、止着部40が設けられている端部域と反対側に位置する他方の端部に、幅方向Xに沿って舌片部30を有している。舌片部30は複数個から構成されている。本実施形態の装着具10は第1舌片部31及び第2舌片部32の2個の舌片部を有している。各舌片部31,32は、装着具30の幅方向Xに沿って上下に配置されている。
図2及び図4に示すように、各舌片部31,32は、装着具10における収容部20とは別体になっている。そして各舌片部31,32は、収容部20における開口部27が形成されている側の側縁部から、長手方向Yに沿って張り出している。各舌片部31,32と収容部20とは、縫合、融着、接着等の各種の手段で接合されている。
図1及び図2に示すように、各舌片部31,32は、長手方向Yにおける張り出し長さが、幅方向Xに沿って漸減している。具体的には、第1舌片部31の張り出し長さL1の方が、第2舌片部32の張り出し長さL2よりも大きくなっている。なお、本実施形態の装着具10は、舌片部を2個しか有していないが、3個以上の舌片部を有する場合、例えば幅方向Xに沿って第1、第2、第3舌片部を有する場合には、第1舌片部、第2舌片部及び第3舌片部の順に張り出し長さが小さくなるようにする。
各舌片部31,32の張り出し長さの程度は、L2/L1の比が0.6〜0.8、特に0.65〜0.75であることが、大腿最小囲と大腿最大囲の比や、上腕最小囲と上腕最大囲の比の観点、及び人間工学的な観点から好ましい。L1の長さそれ自体に関しては、例えば脚部装着の場合は50〜150mm、特に80〜120mm、腕部装着の場合は30mm〜150mm、特に50mm〜80mmであることが好ましい。
各舌片部31,32は、例えば各種の布地から構成することができる。使用される布地は伸縮性を有することが、蒸気温熱具が配置固定された装着具10を着用者の身体に装着するときの操作性が良好になる点や、装着状態での身体への追従性が良好になる点から好ましい。この場合、使用される布地は少なくとも長手方向Yに伸縮性を有することが好ましい。この布地は、更に好ましくは長手方向Y及び幅方向Xの二方向に伸縮性を有する、いわゆるツーウエイの伸縮布地からなる。伸縮性の程度は、上述した肌側シート21及び外側シート22の伸縮性の程度と同様にすることができる。また、図1及び2bに示す実施形態では、各舌片部31,32は収容部20と別体になっているが、これに代えて、両者は連なった同一体であってもよい。各舌片部31,32が収容部20から連なった形態である場合には、収容部20と各舌片部31,32との境を接合することが好ましい。
図1及び図4に示すように、各舌片部31,32は、上述の止着部40が設けられた面である外側シート22の面と反対の面側、即ち肌側シート21の面側における先端部に、止着部40への止着が可能な被着部31a,32aを有している。各被着部31a,32aは、各舌片部31,32の幅方向Xのほぼ全域にわたって延びている。各被着部31a,32aは、上述の止着部40へ着脱可能に止着できる材料から構成されている。例えば各被着部31a,32aを、面ファスナのループ部材又はフック部材から構成することができる。この場合には、止着部40は、面ファスナのフック部材又はループ部材から構成される。あるいは、各被着部31a,32aを、面ファスナのフック部材から構成し、止着部40を立体編みされた目の粗い編物地や不織布から構成することもできる。
図2に示すように、装着具10における止着部40が設けられている面、すなわち外側シート22の面には、ずれ落ち防止部41が設けられている。ずれ落ち防止部41は、少なくとも装着具10における幅方向Xに沿う一方の側縁部寄りの位置、具体的には上辺23寄りの位置に配置されている。この位置は、2つの舌片部31,32のうち、張り出し長さが最も大きい舌片部である第1舌片部31寄りの位置でもある。更にずれ落ち防止部41は、少なくとも装着具10における長手方向Yのほぼ中心部の位置に配置されている。ずれ落ち防止部41は、蒸気温熱具が配置固定された装着具10を着用者の身体に装着した場合に、該装着具10のずれ落ちを防止する機能を有する。ずれ落ち防止部41は高摩擦材からなる。ここで言う高摩擦材とは、蒸気温熱具が配置固定された装着具10を着用者の身体に装着し、その上から着用する衣類(例えばズボンやスパッツ等)との摩擦力が大きい材料のことである。また、摩擦力とは、物体どうしがこすれ合って生ずる狭義の摩擦力のみならず、係合等によって生じる剪断力を含む広い概念である。高摩擦材として使用可能な材料の例としては、面ファスナのフック部材、粘着部材、エラストマー部材、ゴム部材、剣山状の樹脂成形部材等が挙げられる。
図2及び後述する図6に示す実施形態において、ずれ落ち防止部41は上辺23寄りの長手方向Yのほぼ中心部に配置されているが、これに代えて長手方向Yの舌片部側又は止着部側にずれて配置されていてもよく、止着部の一部と共有することも可能である。更に、舌片部の上に設けることもできる。また、複数個であってもかまわない。ずれ落ち防止部41の大きさは、図6(c)において装着具10の幅方向Xを長くすることもできる。要するに、装着具10における長手方向Yのほぼ中心部の位置を含む部位に配置されていればよい。本発明において、ずれ落ち防止部41は着用する衣類(例えばズボンやスパッツ等)と一緒になって機能するため、幅方向Xの上方側に位置することが好ましく、更に着用者の動きを阻害しない程度の大きさであることが好ましい。
図5(a)には、以上の構成を有する装着具10とともに用いられる蒸気温熱具50の正面図が示されている。図5(b)は、図5(a)におけるb−b線断面図である。蒸気温熱具50は、正面視して、幅方向Xに延びる一対の第1の縁部50a、及びそれと直交する方向である長手方向Y方向に延びる一対の第2の縁部50bとで画定される矩形をしている扁平なものである。第2の縁部50bの長さは、第1の縁部50aの長さよりも大きくなっている。また、第2の縁部50bの長さは、上述した装着具10における収容空間26の長手方向Yの長さよりも小さくなっている。同様に、第1の縁部50aの長さは、収容空間26の幅方向Xの長さよりも小さくなっている。
蒸気温熱具50における第1の縁部50aと第2の縁部50bとの長さの比に関し、第1の縁部50aの長さ:第2の縁部50bの長さが1:1.5〜1:7の範囲、特に1:2〜1:5の範囲であることが、筋肉を効果的に加温しながら、違和感少なく脚部や腕部に装着できる点から好ましい。
蒸気温熱具50は、水蒸気発生部51及び該水蒸気発生部51を収容する収容体52を備えている。収容体52は扁平であり、互いに同形である複数のシート材から構成されている。収容体52は、水蒸気発生部51を収容する収容部を1つのみ有していてもよく、あるいは2以上の収容部を有していてもよい。収容部が2以上ある場合、各収容部は互いに連通部分を有することもできる。本実施形態においては、収容体52は2個の収容部を有している。2個の収容部は、長手方向Yに沿って配置されている。2個の収容部は連通部分を有していない。
図5(b)に示すように、収容体52においては、透湿性シート52aと、非透湿性シート又は難透湿性シート(以下、「非透湿性シート」及び「難透湿性シート」とを総称して「難透湿性シート等」という。)52bとが長手方向Yの両側部に位置する一対の第1接合部53Aにおいて互いに接合されている。またシート52a,52bは、幅方向Xの上下端部に位置する一対の第2接合部53Bにおいても互いに接合されている。接合部53A,53Bは、シート52a,52bの周縁部において閉じた環状となるように形成されている。これに加え、シート52a,52bは、長手方向Yの中央部において、幅方向Xに延びる第3接合部53Cにおいても互いに接合されている。第3接合部53Cの両端はそれぞれ各第2接合部53Bと連結している。すなわち、接合部53A,53B,53Cによって、収容体52には2つの閉じた空間が形成される。この閉じた空間が水蒸気発生部51の収容部になっている。
蒸気温熱具50の装着感を高める観点から、図5(b)に示すように、難透湿性シート等52bの外面には風合いの良好なシート材料である不織布52cが配されている。同様の観点から、透湿シート52aの外面には不織布52dが配されている。透湿シート52aと不織布52d、難透湿性シート等52bと不織布52cは、接合部53A,53B,53Cでのみ接合されていても良いし、シート面内で部分的に接合されていても良い。透湿性シート52aと不織布52dについても同様である。
透湿性シート52a及び不織布52dは、蒸気温熱具50の使用時に、着用者の肌に近い側に位置する通気層60aとして作用するものである。一方、難透湿性シート等52b及び不織布52cは、着用者の肌から遠い側に位置する難通気層60bとして作用するものである。つまり、蒸気温熱具50は、片面(通気層60a)が通気性で、もう片面(難通気層60b)が難通気性又は非通気性であり、不織布52d側が肌と対向するように、装着具10に配置固定される。なお、本実施形態においては、通気層60aは透湿性シート52a及び不織布52dからなり、難通気層60bは難透湿性シート等52b及び不織布52cからなるが、通気層60a及び難通気層60bはそれぞれ透湿性シート52a及び難透湿性シート52bのみで構成されていてもよい。
本実施形態の蒸気温熱具50においては、水蒸気発生部51が収容体52内に収容されており、その水蒸気発生部51に含まれる被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用して、該水蒸気発生部51に含まれている水分を加熱して水蒸気となし、収容体52における通気層60aを通じて水蒸気を外部へ放出可能となしている。通気層60a側の面が着用者の肌に対向するように蒸気温熱具50を装着具10に配置固定し、該装着具10を着用者の身体に装着すると、水蒸気を伴う熱が使用者の肌に直接付与される。
本実施形態の蒸気温熱具50においては、通気層60a及び難通気層60bの通気度を適切に調整することで、通気層60aを通じて水蒸気が優先的に放出されるように構成されている。具体的には、難通気層60bの通気度を、通気層60aの通気度よりも大きくしている。ここで、通気度はJIS P8117によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が645mm2の面積を通過する時間(秒/100ml)で定義される。したがって、通気度が大きいことは空気の通過に時間がかかること、即ち通気性が低いことを意味している。逆に、通気度が小さいことは通気性が高いことを意味している。このように、通気度の大小と通気性の高低とは逆の関係を示す。本実施形態において、通気層60a及び難通気層60bの通気性を比較すると、通気層60aの方が、難通気層60bよりも高くなっている。
難通気層60bが難通気性である場合、該難通気層60bを通じての空気の流入を確保しつつ、該難通気層60bを通じての水蒸気の放出を抑制させる観点から、難通気層60bの通気度を、通気層60aの通気度の5倍以上、特に10倍以上とすることが好ましい。あるいは、通気層60aの通気度と難通気層60bの通気度との比(通気層60a/難通気層60b)を0.5以下、特に0.2以下とすることも好ましい。これによって、難通気層60bを通じての水蒸気の放出を一層減じさせることができ、かつ通気層60aを通じての水蒸気の放出を一層増加させることができる。一方、難通気層60bが非通気性である場合、収容体52内への空気の流入、及び水蒸気の発生は、専ら通気層60aを通じて行われる。
難通気層60bが難通気性である場合、該難通気層60bの通気度を30000秒/100ml以上、特に40000秒/100ml以上、とりわけ50000秒/100ml以上とすることが好ましい。一方、通気層60aの通気度は、難通気層60bが非通気性であるか又は難通気性であるかを問わず、100〜30000秒/100ml、特に1000〜20000秒/100mlであることが好ましい。
蒸気温熱具50における水蒸気発生部51について説明すると、水蒸気発生部51は、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含む。そのような発熱部11は、例えば発熱シート又は発熱粉体からなる。水蒸気発生部51が発熱シートからなる場合には、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含む、含水状態の繊維シートであることが好ましい。すなわち、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されていることが好ましい。発熱シートとしては、湿式抄造により得られたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体等が挙げられる。そのような発熱シートは、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。一方、水蒸気発生部51が発熱粉体からなる場合には、発熱粉体は被酸化性金属、反応促進剤、保水剤、電解質及び水を含んで構成されていることが好ましい。発熱シート及び発熱粉体のうち、どのような姿勢においても水蒸気を均一に適用し得る点から、発熱シートを用いることが好ましい。また、発熱シートは、発熱粉体に比較して、発熱の温度分布を均一化することが容易であり、また、被酸化性金属の担持能力が優れている点からも有利である。
水蒸気発生部51が発熱シートからなる場合、該発熱シートは好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは70〜85重量%の被酸化性金属、好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%の反応促進剤及び好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは8〜20重量%の繊維状物を含む成形シートに、該成形シート100重量部に対して、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%の電解質を含む電解質水溶液が、好ましくは30〜80重量部、更に好ましくは40〜70重量部含有されて構成されている。一方、水蒸気発生部51が発熱粉体からなる場合、該発熱粉体は好ましくは20〜50重量%、更に好ましくは25〜40重量%の被酸化性金属、好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%の反応促進剤及び好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%の保水剤を含む固形分100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%の電解質を含む電解質水溶液が、好ましくは20〜70重量部、更に好ましくは30〜60重量部含有されて構成されている。発熱シートや発熱粉体を構成する各種材料としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。また、先に述べた特開2003−102761号公報に記載の材料を用いることもできる。
蒸気温熱具50は、上述のとおりは扁平な形状をしている。蒸気温熱具50は、その最も厚い部位における厚みが、40Pa荷重下において、0.3〜5mm、特に0.5〜3mmであることが、身体へのフィット性などの点から好ましい。
以上の構成を有する蒸気温熱具50は、水蒸気の発生能が2時間以上、特に2〜12時間、とりわけ3〜8時間という長時間のものとなる。これに加えて、蒸気温熱具50を体表(皮膚)に当接させた状態下で2〜12時間、特に3〜8時間にわたり、体表温度を38℃以上42℃未満、特に38℃以上41℃未満に維持し得る発熱能と水蒸気の発生能を有している。これらの測定方法は、例えば本出願人の先の出願に係る特開2005−199051号公報や特開2006−271963号公報に記載されている。
また、前記の水蒸気発生能を有する蒸気温熱具50は、発熱に起因する最高到達温度が38℃以上であることが好ましい。また、低温やけど等を防止する観点から最高到達温度が60℃以下であることが好ましい。最高到達温度は、JIS S4100に従い通気層60aの側を測定面に合わせ、最高点に到達した温度の値を言う。
図6(a)ないし(c)には、以上の構成を有する蒸気温熱具50と装着具10とを備えた筋肉増強具100の使用方法が示されている。これらの図は、筋肉増強具100を大腿に装着する例を示している。先ず図6(a)に示すように、装着具10に形成された2つの収容空間内に、図5(a)及び(b)に示す蒸気温熱具50を挿入して、該蒸気温熱具50を装着具10に配置固定する。このとき、蒸気温熱具50における通気層60aの側が、装着具10における肌側シート21の側を向くように、該蒸気温熱具50に配置固定される。
次に図6(b)に示すように、装着具10の長手方向Yを巻き付け方向として、筋肉増強具100を着用者の大腿部に巻き付ける。このとき、装着具10における外側シート22が外方を向き、かつ該外側シート22に設けられたずれ落ち防止部41が、着用者の身体のほぼ正面を向くようにする。更に、装着具10における舌片部31,32のうち張り出し長さが最も長い舌片部である第1舌片部31が上側(つまり鼠蹊部側)に位置するように、筋肉増強具100を巻き付ける。そして、巻き付けられた筋肉増強具100における各舌片部の被着部31a,32aを、止着部40に止着する。これによって、図6(c)に示す装着状態となる。同図に示す装着状態においては、装着具10における外側シート22に設けられたずれ落ち防止部41が着用者の身体のほぼ正面を向いている。この状態下に、ズボンやスパッツ等の衣類を着用すると、これらの衣類の布地とずれ落ち防止部41との間に生じる摩擦力によって、筋肉増強具100が大腿からずれ落ちることが効果的に防止される。
図6(c)に示す状態を所定時間維持することで、蒸気温熱具から発生した蒸気温熱が、着用者の脚に付与される。水蒸気を伴う熱で着用者の脚や腕を温めると、水蒸気を伴わない熱で使用者の身体を温めた場合に比べて、脚や腕の筋温を効果的に温めることができることが本発明者らの検討の結果判明した。つまり熱の伝わりが顕著である。この理由は、水蒸気発生部51で生じた水蒸気が肌へ物質移動するという接触伝熱と、皮膚に到達した水蒸気が放出する凝縮熱の作用によって、伝熱効率が高くなるからであると考えられる。これに対し水蒸気を伴わない熱では、熱拡散による伝熱しか起こらないため、熱伝導率が低い。そして、本実施形態の蒸気温熱具50によれば、脚や腕の筋肉が増強することが、本発明者らの検討の結果判明した。ここで、筋肉増強とは、本発明の筋肉増強具を着用する前に比べて、所定時間使用後の筋量・筋力が増加する場合、又は加温しない場合に筋量・筋力の減弱が予測される状況において、減弱化の度合いが低減する場合の両方の意味を含むものである。
本発明は、筋肉増強具を所定時間着用する前後の筋量・筋力の増減を比較することにより、筋肉増強効果の評価方法を含むものである。すなわち、被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具から生じる水蒸気によって脚部又は腕部を加温して筋肉を増強させることによる筋肉増強効果の評価方法であって、対象となる脚部又は腕部の筋量又は筋力を測定する第1の工程と、前記蒸気温熱具と、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する略矩形状の装着具とを備えた筋肉増強具を、該長手方向を巻き付け方向として対象となる前記脚部又は前記腕部に巻き付け固定し、所定時間加温する操作を所定期間繰り返す第2の工程と、前記所定期間後に、前記対象となる前記脚部又は前記腕部の筋量又は筋力を測定する第3の工程と、第1の工程における測定値と第3の工程における測定値との比較から筋肉増強の有無又は程度を判定する第4の工程とを含む筋肉増強効果の評価方法を提供するものである。ここで、1回の着用時間が少なくとも1時間以上、特に1〜20時間、とりわけ2〜12時間が好ましい。また、使用頻度は、少なくとも1日以上、特に1週間以上継続することが好ましい。また、所定期間で連続して使用することもできる。筋量の測定は、例えば後述するように、MRI画像を用いて行うことができる。筋力の測定は、例えば後述する実施例で用いた筋力測定装置によって行うことができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図6(a)ないし(c)の説明は、本発明の筋肉増強具を大腿に適用した例であるが、これに代えて本発明の筋肉増強具を、下腿、上腕、前腕に適用してもよい。
また、前記実施形態における装着具10はポケット状の収容空間26を有し、その収容空間26内に蒸気温熱具50が保持固定可能になっていたが、これに代えて、別の手段によって蒸気温熱具50を装着具10に固定するようにしてもよい。例えば接着剤を用いて蒸気温熱具50を装着具10に着脱可能に固定することができる。
また、前記実施形態における蒸気温熱具50は、水蒸気発生部51を2個有するものであったが、これに代えて、水蒸気発生部を1個のみ有していてもよく、あるいは3個以上有していてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。
(1)水蒸気発生部の製造
<スラリーの配合>
・繊維状物:パルプ繊維(NBKP、製造者:フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名「Mackenzie」、CSF140ml)8%
・被酸化性金属:鉄粉(同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」)83%
・反応促進剤:活性炭(日本エンバイロケミカル(株)製、商品名「カルボラフィン」)9%
原料組成物固形分(繊維状物、被酸化性金属及び反応促進剤の合計)100部に対し、カチオン系凝集剤であるポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.7部及びアニオン系凝集剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名「HE1500F」)0.18部を添加した。更に、水(工業用水)を、固形分濃度が12%となるまで添加した。
<抄紙条件>
原料組成物を用い、抄紙ヘッドの直前で0.3%に水希釈し、傾斜型短網抄紙機によって、ライン速度15m/分にて抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<脱水・乾燥条件>
成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま140℃の加熱ロール間に通し、含水率が5%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さは0.45mmであった。このようにして得られた成形シートの組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄83%、活性炭9%、パルプ8%であった。
<電解質水溶液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:蒸留水
電解液濃度:5%
<電解質水溶液添加条件>
得られた成形シートを10×16.5cmに切り取り、3枚重ね合わせてから、成形シートの重量に対して45%に相当する5%食塩水を含浸させてシート状の水蒸気発生部を作製した。
(2)蒸気温熱具の製造
図5(a)及び(b)に示す構造の収容体52を製造した。通気層60aは、坪量45g/m2の透湿性ポリエチレンシート52aと、坪量30g/m2のポリエチレンスパンボンド不織布52dの積層体から構成した。難通気層60bは、坪量35g/m2の非透湿性ポリエチレンフィルム52bと、坪量30g/m2のポリエチレンスパンボンド不織布52cの積層体から構成した。通気層60aの通気度は16000秒、透湿度は400g/(m2・24hr)であった。収容体52における2つの収容部内に、3枚重ねにしたシート状の水蒸気発生部をそれぞれ収容した。これによって蒸気温熱具50を得た。この蒸気温熱具50の幅方向Xの寸法は115mm、長手方向Yの寸法は360mm、荷重40Pa下での厚みは2.5mmであった。この蒸気温熱具50の平均発熱温度は40℃(発熱開始から1時間後から6時間後まで)であり、38℃以上の発熱温度の持続時間は11時間であった。
(3)装着具の製造
図1ないし図4に示す構造の装着具10を製造した。肌側シート21として、ポリアミド繊維及びポリウレタン繊維からなり、ツーウエイの伸縮性を有するメッシュ状シートを用いた。このシートの生地厚は0.3mmであり、長手方向Yについての伸度は180%(2.25kg荷重)であった。外側シート22及び舌片部31,32としては、ポリアミド繊維及びポリウレタン繊維からなり、ツーウエイの伸縮性を有するシートを用いた。このシートの生地厚は0.64mmであり、長手方向Yについての伸度は250%(2.25kg荷重)であった。装着具10における収容部20の幅方向Xの寸法は240mm、長手方向Yの寸法は390mmとした。止着部40は、面ファスナのループ部材から構成し、その幅方向Xの寸法は230mm、長手方向Yの寸法は150mmとした。第1舌片部31の張り出し長さL1は100mmとし、第2舌片部32の張り出し長さL2は70mmとした。各舌片部31,32の先端部には、面ファスナのフック部材からなる被着部31a,32aを取り付けた。更に、収容部20における第1舌片部31寄りの上辺23aの長手方向Yのほぼ中央部に、面ファスナのフック部材からなるずれ落ち防止部41を取り付けた。ずれ落ち防止部41の幅方向Xの寸法は30mm、長手方向Yの寸法は40mmとした。
(4)被験者への装着
図6(a)に示す手順で蒸気温熱具を装着具に配置固定して筋肉増強具100となし、この筋肉増強具100を図6(b)及び(c)に示す手順で被験者の左脚の大腿に装着した。被験者は健康な成人男性8名とした。1回の装着時間は連続8時間とし、この装着を1週間に4回行い、連続して10週間装着試験を行った。そして以下の評価を行った。
(5)評価
(a)筋温
筋肉増強具を装着した部位における筋温を、装着直後(0時間)、3時間経過後及び6時間経過後において、侵襲的に直接計測した。結果を図7に示す。
(b)筋断面積の変化
筋肉増強具を装着した脚(左脚)の大腿と、装着していない脚(右脚)の大腿のMRI測定を行い筋断面積の画像を得た。この画像を画像解析して、装着前と10週間経過後の筋断面積を測定した。測定した筋肉は、(イ)大腿直筋、(ロ)外側広筋、(ハ)大腿四頭筋、(ニ)筋肉全体とした。更に、皮下脂肪の断面積についても測定した。それらの結果を図8ないし図11に示す。更に、装着前と10週間経過後の大腿四頭筋のMRI画像を図12(a)及び(b)に示す。なお、(イ)大腿直筋、(ロ)外側広筋及び(ニ)筋肉全体の筋断面積並びに皮下脂肪の断面積は、筋肉増強具を装着した部位のうちの異なる4箇所の断面のMRI画像を平均化して算出した。
(c)膝伸展筋力の変化
装着前と10週間経過後における、筋肉増強具を装着した脚(左脚)と、装着していない脚(右脚)の膝伸展筋力を、アイソフォースGT-330(オージー技研株式会社)を用いて測定した。結果を図13に示す。膝伸展筋力は、大腿四頭筋の筋力の目安となるものである。
(6)考察
図7に示す結果から明らかなように、本発明の筋肉増強具を大腿に装着することで、筋温が上昇することが判る。このことは、本発明の筋肉増強具を用いることで、蒸気温熱が身体の深部にまで及ぶことを意味している。
また、図8ないし図12に示す結果から明らかなように、本発明の筋肉増強具を大腿に装着することで、大腿の筋肉が増強されることが判る。
更に、図13に示す結果から明らかなように、本発明の筋肉増強具を大腿に装着することで、筋力が増加することが判る。
10 装着具
20 収容部
21 肌側シート
22 外側シート
30 舌片部
31 第1舌片部
32 第2舌片部
31a,32a 被着部
40 止着部
41 ずれ落ち防止部
50 蒸気温熱具
51 水蒸気発生部
100 筋肉増強具

Claims (7)

  1. 被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具と、該蒸気温熱具を着用者の脚部又は腕部に固定可能な装着具とを備えた筋肉増強具であって、
    前記装着具は、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する略矩形状のものであり、該長手方向を巻き付け方向として脚部又は腕部に巻き付け固定して使用され、
    前記装着具は、前記幅方向に沿って複数個の前記蒸気温熱具が固定可能な構造を有している筋肉増強具。
  2. 前記装着具が、前記蒸気温熱具を、着用者の肌に対向する肌側シートと、該肌側シートよりも外側に位置する外側シートとの間に配置固定する構造を有しており、
    前記肌側シート及び前記外側シートがいずれも伸縮性を有するとともに、前記肌側シートの伸縮性よりも前記外側シートの伸縮性の方が高くなっている請求項1記載の筋肉増強具。
  3. 前記装着具が、前記長手方向に沿う一方の端部域の一方の面に止着部を有し、また前記長手方向に沿う他方の端部に、前記幅方向に沿って設けられた複数の舌片部を有し、
    各舌片部は、前記止着部が設けられた面と反対の面側における先端部に、前記止着部への止着が可能な被着部を有し、
    各舌片部は、前記装着具の長手方向における張り出し長さが、前記装着具の幅方向に沿って漸減している請求項1ないし3のいずれかに記載の筋肉増強具。
  4. 前記装着具における前記止着部が設けられている面に、高摩擦素材からなるずれ落ち防止部が設けられており、
    前記ずれ落ち防止部は、前記装着具における幅方向に沿う一方の側縁部寄りの位置であって、かつ前記装着具における長手方向のほぼ中心部の位置を含む部位に配置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の筋肉増強具。
  5. 被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具を、着用者の脚部又は腕部に固定するために用いられる装着具であって、
    前記装着具は、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する矩形状のものであり、該長手方向を巻き付け方向として脚部又は腕部に巻き付け固定して使用され、
    前記装着具は、前記幅方向に沿って複数個の前記蒸気温熱具が固定される構造を有している装着具。
  6. 被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具と、該蒸気温熱具を着用者の脚部又は腕部に固定可能な装着具とを備えた筋肉増強具の装着方法であって、
    前記装着具は、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する略矩形状のものであり、かつ該幅方向に沿って複数個の前記蒸気温熱具が固定されており、
    該長手方向を巻き付け方向として該筋肉増強具を脚部又は腕部に巻き付け固定する筋肉増強具の装着方法。
  7. 被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具から生じる水蒸気によって脚部又は腕部を加温して筋肉を増強させることによる筋肉増強効果の評価方法であって、
    対象となる脚部又は腕部の筋量又は筋力を測定する第1の工程、
    前記蒸気温熱具と、幅方向と、該幅方向と直交しかつ該幅方向よりも長さの大きい長手方向とを有する略矩形状の装着具とを備えた筋肉増強具を、該長手方向を巻き付け方向として対象となる前記脚部又は前記腕部に巻き付け固定し、所定時間加温する操作を所定期間繰り返す第2の工程、
    前記所定期間後に、対象となる前記脚部又は前記腕部の筋量又は筋力を測定する第3の工程、及び
    第1の工程における測定値と第3の工程における測定値との比較から筋肉増強の有無又は程度を判定する第4の工程
    を含む筋肉増強効果の評価方法。
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