JP2013161918A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイオード領域内に無効領域を設けることなく、ダイオード領域とIGBT領域の境界領域近傍に電界が集中することを抑制することができる半導体装置を開示する。
【解決手段】半導体装置10は、ダイオード領域20とIGBT領域30とを備える。IGBT領域30はトレンチトレンチゲート電極46を有している。ダイオード領域20とIGBT領域30との境界には、分離トレンチ60が形成されている。分離トレンチ60の下端部は、トレンチゲート電極46の下端部よりも深い位置に形成される。分離トレンチ60内には、分離絶縁層62と、埋め込み電極64が形成されている。埋め込み電極64の下端部は、半導体装置10をオフされたときに、ダイオード領域20に広がる空乏層の上端部70とトレンチトレンチゲート電極46の下端部との間の深さに形成されている。埋め込み電極64の電位は、アノード電極、エミッタ電極と同電位である。
【選択図】図2

Description

本明細書で開示する技術は、同一の半導体基板にダイオード領域とIGBT領域が形成されている半導体装置に関する。
例えば、特許文献1には、同一の半導体基板にダイオード領域とIGBT領域が形成されている半導体装置が開示されている。この半導体装置では、IGBT領域とダイオード領域の両者にトレンチ電極が形成され、ダイオード領域とIGBT領域との境界にもトレンチ電極が形成されている。これにより、逆回復動作時にダイオード領域からIGBT領域へのキャリアの移動が抑制されている。また、半導体装置のオフ時に、IGBT領域とダイオード領域の境界に生じる電位分布の歪みが抑制され、耐圧の向上が図られている。
特開2010−67901号公報
特許文献1の半導体装置では、ダイオード領域内にトレンチ電極が形成されているため、トレンチ電極が形成されている部分が、ダイオードとして利用できない無効領域となる。そのため、特許文献1の半導体装置では、半導体装置のオフ時における電位分布の歪みは抑制できるものの、ダイオード領域の導通抵抗が大きくなるという問題がある。
本明細書では、ダイオード領域内に無効領域を設けることなく、ダイオード領域とIGBT領域の境界に生じる電位分布の歪みを抑制することができる半導体装置を開示する。
本明細書で開示する半導体装置は、ダイオード領域とIGBT領域とが形成されている半導体基板を備える半導体装置である。IGBT領域は、半導体基板の表面に形成されたゲートトレンチの内壁を被覆する絶縁層と、その絶縁層内に配置されたトレンチゲート電極とを有している。ダイオード領域とIGBT領域との境界には、分離トレンチが形成されている。分離トレンチは、その下端部が、半導体基板の表面からの深さ方向において、IGBT領域のトレンチゲート電極の下端部と同じ深さの位置又はそれよりも深い位置に形成されている。分離トレンチ内には、分離トレンチの内壁を被覆する分離絶縁層と、分離絶縁層の内側に配置された埋め込み電極とが形成されている。埋め込み電極は、その下端部が、半導体基板の表面からの深さ方向において、半導体装置がオフされたときにダイオード領域に広がる空乏層の上端部と、トレンチゲート電極の下端部との間に形成されており、半導体装置がオフされたときに、半導体基板の表面に形成されると共にIGBT領域とダイオード領域の少なくとも一方に接続される表面電極、又は、トレンチゲート電極と同電位が印加されるようになっている。
この半導体装置では、ダイオード領域内にトレンチ及び埋め込み電極を設けていない。そのため、ダイオード領域内に無効領域が形成されず、ダイオード領域の導通抵抗が大きくなることを抑制することができる。また、IGBT領域とダイオード領域の境界に設けられる分離トレンチ内の埋め込み電極は、その下端部が、半導体基板の表面からの深さ方向において、半導体装置がオフされたときにダイオード領域に広がる空乏層の上端部と、トレンチ型ゲート電極の下端部との間に形成されている。ここで、「半導体装置がオフされる」状態とは、トレンチゲート電極にオフ電位を印加し、かつ、半導体装置のIGBT領域に対して順方向の定格電圧を印加することにより、ダイオード領域とIGBT領域のいずれも動作しない状態を含む意味である。また、埋め込み電極には、半導体装置がオフされたときに、表面電極と同一の電位、又は、トレンチゲート電極と同一の電位が印加される。そのため、この半導体装置によると、ダイオード領域とIGBT領域の境界に、滑らかな電位分布が形成される。その結果、ダイオード領域とIGBT領域との境界に生じる電位分布の歪みを抑制することができる。
本明細書で開示する他の半導体装置は、ダイオード領域とIGBT領域とが形成されている半導体基板を備える半導体装置である。IGBT領域は、半導体基板の表面に絶縁層を介して配置されたプレーナ型のゲート電極と、半導体基板の表面側に形成されたボディ層と、を有している。ダイオード領域とIGBT領域との境界には、分離トレンチが形成されている。分離トレンチの下端部は、半導体基板の表面からの深さ方向において、ボディ層の下端部と同じ深さの位置又はそれよりも深い位置に形成されている。分離トレンチ内には、分離トレンチの内壁を被覆する分離絶縁層と、分離絶縁層の内側に配置された埋め込み電極とが形成されている。埋め込み電極は、その下端部が、半導体基板の表面からの深さ方向において、半導体装置がオフされたときにダイオード領域に広がる空乏層の上端部と、IGBT領域に広がる空乏層の下端部との間の位置に形成されており、半導体装置がオフされたときに、半導体基板の表面に形成されると共にIGBT領域とダイオード領域の少なくとも一方に接続される表面電極、又は、ゲート電極と同電位が印加されるようになっている。
この半導体装置によっても、上述した半導体装置と同様、ダイオード領域の導通抵抗が大きくなることを抑制することができ、また、ダイオード領域とIGBT領域との境界に生じる電位分布の歪みを抑制することができる。なお、「半導体装置がオフされる」状態とは、ゲート電極にオフ電位を印加し、かつ、半導体装置のIGBT領域に対して順方向の定格電圧を印加することにより、ダイオード領域とIGBT領域のいずれも動作しない状態を含む意味である。
第1実施例の半導体装置の断面図。 第1実施例の半導体装置がオフしているときの等電位線分布を模式的に示す図。 第1実施例の半導体装置の製造工程(1)を示す部分断面図。 第1実施例の半導体装置の製造工程(2)を示す部分断面図。 第1実施例の半導体装置の製造工程(3)を示す部分断面図。 第1実施例の半導体装置の製造工程(4)を示す部分断面図。 第2実施例の半導体装置の断面図。 第2実施例の半導体装置がオフしているときの等電位線分布を模式的に示す図。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1)ダイオード領域は、半導体基板の表面側に形成されたアノード層と、アノード層の下側に形成されたドリフト層を有していてもよい。ドリフト層内には結晶欠陥層が形成されていてもよい。半導体基板を平面視したときに、結晶欠陥層の端部は、分離トレンチ内に位置していてもよい。この構成によると、ダイオード領域の全域に結晶欠陥層を形成し得る。また、ダイオード領域の逆回復動作時に、ドリフト層のキャリアをIGBT領域に逃がし難くなる。そのため、ドリフト層のキャリアの多くを結晶欠陥層により再結合させて消滅させることができる。その結果、逆回復動作時に生じる逆電流が抑制される。
(第1実施例)
図1〜図5を参照して、本実施例の半導体装置について説明する。図1に示すように、半導体装置10は、主にSiからなる半導体基板12と、半導体基板12の表裏面に形成されている絶縁層、電極、金属配線等(図示しない)によって構成されている。半導体基板12には、ダイオード領域20とIGBT領域30が形成されている。本実施例では、IGBT領域30には、トレンチ型のゲート電極(以下「トレンチゲート電極」と呼ぶ)46を有するIGBT(いわゆるトレンチゲート型IGBT)が形成されている。
ダイオード領域20には、アノード層22、ダイオードドリフト層24、ダイオードバッファ層26、及び、カソード層28が形成されている。
アノード層22は、p型であって、ダイオード領域20の半導体基板12の上面に臨む領域の全面に亘って形成されている。アノード層22は、後で説明するIGBT領域30のボディ層34よりも浅い位置まで形成されている。なお、本明細書では、「浅い」、「深い」の各語は、「半導体基板の表面から見て浅い(深い)」という意味で用いている。アノード層22の上面は、アノード電極(図示省略)に対してオーミック接続している。
ダイオードドリフト層24は、アノード層22の下側に形成されている。ダイオードドリフト層24は、n型であり、不純物濃度は低い。
ダイオードバッファ層26は、ダイオードドリフト層24の下側に形成されている。ダイオードバッファ層26は、n型であり、ダイオードドリフト層24よりも不純物濃度が高い。
カソード層28は、ダイオードバッファ層26の下側に形成されている。カソード層28は、半導体基板12の下面に露出する範囲に形成されている。カソード層28は、n型であり、ダイオードバッファ層26よりも不純物濃度が高い。カソード層28の下面は、共用電極(図示省略)に対してオーミック接続されている。
アノード層22、ダイオードドリフト層24、ダイオードバッファ層26、及び、カソード層28によってダイオードが形成されている。
ダイオード領域20では、p型のアノード層22とn型のダイオードドリフト層24とがpn接合されている。そのため、半導体装置10がオフしている場合に、アノード層22とダイオードドリフト層24との間には、空乏層が形成される。なお、本実施例では、「半導体装置10がオフしている場合」の語は、「トレンチゲート電極46にオン電位が印加されておらず(オフ電位が印加され)、かつ、半導体装置10のダイオード領域20に対して逆方向(即ち、IGBT領域30に対して順方向)に定格電圧が印加されている場合」という意味で用いている。即ち、「半導体装置10がオフしている場合」の語は、「ダイオードとIGBTのいずれも動作していない状態」と言い換えてもよい。また、「ダイオード領域20に対して逆方向の電圧」とは、アノード電極の電位より共通電極の電位が高くなる電圧である。図1に示すように、半導体装置10がオフしている場合に形成される空乏層の上端部70は、アノード層22の下端部より少し上側に位置している。また、空乏層の下端部72は、ダイオードドリフト層24の下端近傍に位置している。
IGBT領域30には、エミッタ領域32、ボディ層34、IGBTドリフト層36、IGBTバッファ層38、コレクタ層40、及び、トレンチゲート電極46等が形成されている。
IGBT領域30内の半導体基板12の上面には、複数のゲートトレンチ42が形成されている。各ゲートトレンチ42は、図1の紙面に直交する方向に伸び、かつ、図1の横方向に等間隔に形成されている。各ゲートトレンチ42には、ゲートトレンチ42の内壁を被覆するゲート絶縁層44が形成されている。ゲート絶縁層44の内側には、トレンチゲート電極46が形成されている。トレンチゲート電極46の上面は、絶縁層(図示省略)によって覆われている。トレンチゲート電極46は、エミッタ電極(図示省略)から絶縁されている。
エミッタ領域32は、半導体基板12の上面に露出する範囲に、島状に形成されている。エミッタ領域32は、ゲート絶縁層44に接する範囲に形成されている。エミッタ領域32は、n型であり、不純物濃度が高い。エミッタ領域32の上面は、エミッタ電極(図示省略)に対してオーミック接続されている。
ボディ層34は、p型である。ボディ層34は、ダイオード領域20のアノード層22よりも深い位置まで形成されている。ボディ層34は、ボディコンタクト領域34aと低濃度ボディ層34bを備えている。ボディコンタクト領域34aは、半導体基板12の上面に露出する範囲に、島状に形成されている。ボディコンタクト領域34aは、2つのエミッタ領域32の間に形成されている。ボディコンタクト領域34aは、不純物濃度が高い。ボディコンタクト領域34aは、エミッタ電極(図示省略)に対してオーミック接続されている。低濃度ボディ層34bは、エミッタ領域32及びボディコンタクト領域34aの下側に形成されている。低濃度ボディ層34bは、トレンチゲート電極46の下端部より浅い範囲に形成されている。低濃度ボディ層34bの不純物濃度は、ボディコンタクト領域34aよりも低い。低濃度ボディ層34bによって、エミッタ領域32がIGBTドリフト層36から分離されている。トレンチゲート電極46は、エミッタ領域32とIGBTドリフト層36を分離している範囲の低濃度ボディ層34bにゲート絶縁層44を介して対向している。
IGBTドリフト層36は、ボディ層34の下側に形成されている。IGBTドリフト層36は、n型である。IGBTドリフト層36は、ボディ層34の下側に形成されている。IGBTドリフト層36は、不純物濃度が低い。IGBTドリフト層36は、ダイオードドリフト層24と略同じ不純物濃度を有しており、ダイオードドリフト層24と連続する層である。
IGBTバッファ層38は、IGBTドリフト層36の下側に形成されている。IGBTバッファ層38は、n型であり、IGBTドリフト層36よりも不純物濃度が高い。IGBTバッファ層38は、ダイオードバッファ層26と略同じ不純物濃度を有しており、ダイオードバッファ層26と連続する層である。
コレクタ層40は、IGBTバッファ層38の下側に形成されている。コレクタ層40は、半導体基板12の下面に露出する範囲に形成されている。コレクタ層40は、p型であり、不純物濃度が高い。コレクタ層40は、共通電極(図示省略)に対してオーミック接続されている。ここで、共通電極は、半導体基板12の下面全面に形成されている電極であり、コレクタ層40とカソード層28の両者に接続されている。
エミッタ領域32、ボディ層34、IGBTドリフト層36、IGBTバッファ層38、コレクタ層40、及び、トレンチゲート電極46によってIGBTが形成されている。
IGBT領域30では、p型のボディ層34とn型のIGBTドリフト層36とがpn接合されている。そのため、半導体装置10がオフしている場合に、ボディ層34とIGBTドリフト層36との間には、空乏層が形成される。上記の通り、半導体装置10がオフしている場合には、トレンチゲート電極46にオン電圧が印加されておらず、かつ、IGBT領域30に対して順方向に定格電圧が印加されている。図1に示すように、半導体装置10がオフしている場合に形成される空乏層の上端部74は、低濃度ボディ層34bの下端部より少し上側に位置している。また、空乏層の下端部76は、IGBTドリフト層36の下端近傍に位置している。IGBT領域30の空乏層の下端部76は、ダイオード領域20の空乏層の下端部72と略同じ深さに位置している。
ダイオード領域20とIGBT領域30との間の境界には、分離トレンチ60が形成されている。分離トレンチ60は、ゲートトレンチ42が伸びる方向(図1の紙面に直交する方向)と平行に伸びている。図1の例では、2個の分離トレンチ60が形成されている。分離トレンチ60は、半導体基板12の上面から下方に伸び、IGBT領域30のゲートトレンチ42よりも深い位置まで形成されている。本実施例では、図1に示すように、分離トレンチ60と、これに隣接するゲートトレンチ42との間の間隔は、ゲートトレンチ42同士の間隔よりも狭く形成されている。分離トレンチ60には、分離トレンチ60の内壁を被覆する分離絶縁層62が形成されている。分離絶縁層62の内側には、埋め込み電極64が形成されている。埋め込み電極64の上面は、絶縁層によって覆われておらず、エミッタ電極(図示省略)又はアノード電極(図示省略)に接続されている。このため、埋め込み電極64は、エミッタ電極及びアノード電極と同電位を有する。
埋め込み電極64の下端部は、半導体装置10がオフしている場合にダイオード領域20に形成される空乏層の上端部70より深く、IGBT領域30のトレンチゲート電極46の下端部より浅い位置に形成される。また、分離トレンチ60の下端部と埋め込み電極64の下端部との間には絶縁体(分離絶縁層62)が充填されている。従って、埋め込み電極64の下側に形成される分離絶縁層62は、トレンチゲート電極46の下側に形成されるゲート絶縁層44よりも厚く形成される。また、分離トレンチ60の側壁と埋め込み電極64の間に配置される分離絶縁層62の厚みは、ゲートトレンチ42の側壁に形成されるゲート絶縁層44の厚みより厚くされている。
本実施例では、ダイオード領域20内には、ライフタイム制御用の結晶欠陥層78が形成されている。結晶欠陥層78は、その周囲のダイオードドリフト層24と比較して多数の結晶欠陥が存在する層である。結晶欠陥層78は、ダイオードドリフト層24内に形成されている。結晶欠陥層78は、半導体基板12の表面と略並行な平面に沿って形成されている。結晶欠陥層78の端部は、分離絶縁層62内に達している。
以上、本実施例の半導体装置10の構成を説明した。次いで、図2を参照して、半導体装置10がオフしている場合の半導体装置10における電位分布について説明する。図2には、オフ状態の半導体装置10の空乏層内に形成される等電位線80、82、84、86が示されている。等電位線80〜86は、空乏層の上端部70、74付近における、等電位領域を示す。図2では、空乏層の下端部72、76付近の等電位線は、図示を省略している。
等電位線80〜86は、空乏層内に形成される電位分布を示す。そのため、等電位線80〜86は、埋め込み電極64及びトレンチゲート電極46の下側に示される。上記の通り、埋め込み電極64は、その下端部が、ダイオード領域20に形成される空乏層の上端部70より深く、IGBT領域30のトレンチゲート電極46の下端部より浅い位置に形成されている。また、分離トレンチ60と、その隣のゲートトレンチ42との間の間隔は、ゲートトレンチ42同士の間隔よりも狭く形成されている。また、埋め込み電極64は、エミッタ電極及びアノード電極と同電位を有する。そのため、等電位線80〜86が示すように、埋め込み電極64の下側と、その隣のトレンチゲート電極46の下側の間では、電位分布が大きく変動しない。
また、埋め込み電極64の下側には、トレンチゲート電極46の下側に形成されるゲート絶縁層44よりも厚い分離絶縁層62が形成されている。一般的に、分離絶縁層62内では、電界の分布が一様になるため、等電位線80〜86同士の間隔も一様になる(電位が一定間隔で分布する)。そのため、等電位線80〜86が示すように、分離絶縁層62近傍で、電位分布が大きく変動することもない。
従って、本実施例の半導体装置10では、等電位線80〜86が示すように、ダイオード領域20、埋め込み電極64の下側、IGBT領域30の領域に亘る電位分布に極端な凹凸が形成されず、滑らかな電位分布が形成される。そのため、ダイオード領域20とIGBT領域30との境界にも滑らかな電位分布が形成される。その結果、ダイオード領域20とIGBT領域30との境界に生じる電位分布の歪みを抑制し、境界近傍に電界が集中することを抑制することができる。
また、本実施例では、埋め込み電極64の下側に、厚い分離絶縁層62を備えることにより、絶縁破壊も起こり難くなる。そのため、分離絶縁層62近傍で電界が大きくなったとしても、耐圧や耐量の低下を防ぐことができる。
次いで、ダイオードが動作する場合の半導体装置10の動作について説明する。アノード電極と共通電極の間に、アノード電極がプラスとなる電圧(すなわち、ダイオード領域20に対する順電圧(IGBT領域30に対する逆電圧))を印加すると、ダイオードがオンする。なお、この場合、トレンチゲート電極46にはオン電圧は印加されていない。ダイオードがオンすると、アノード電極から、アノード層22、ダイオードドリフト層24、ダイオードバッファ層26、及び、カソード層28を経由して、共通電極に電流が流れる。ダイオードに印加される電圧を順電圧から逆電圧に切り換えると、ダイオードが逆回復動作を行う。すなわち、順電圧印加時にダイオードドリフト層24内に存在していたホールがアノード電極に排出され、順電圧印加時にダイオードドリフト層24内に存在していた電子が共通電極に排出される。これによって、ダイオードに逆電流が流れる。逆電流は、短時間で減衰し、その後は、ダイオードに流れる電流は略ゼロとなる。ダイオードドリフト層24内に形成されている結晶欠陥層78は、キャリアの再結合中心として機能する。従って、逆回復動作時に、ダイオードドリフト層24内のキャリアの多くが、結晶欠陥層78内で再結合により消滅する。従って、半導体装置10では、逆回復動作時に生じる逆電流が抑制される。本実施例では、結晶欠陥層78の端部が分離絶縁層62内に達している。さらに、本実施例では、分離トレンチ60が、IGBT領域30のゲートトレンチ42よりも深い位置まで形成されている。そのため、逆回復動作時に、キャリアをIGBT領域30に逃がし難い。従って、ダイオードドリフト層24内のキャリアの多くを、効率良く結晶欠陥層78内で再結合により消滅させることができる。また、結晶欠陥層78の端部は、IGBT領域30内まで突出していないため、IGBTのオン電圧を上昇させることもない。
次いで、IGBTが動作する場合の半導体装置10の動作について説明する。エミッタ電極と共通電極の間に、共通電極がプラスとなる電圧(すなわち、IGBT領域30に対する順電圧(ダイオード領域20に対する逆電圧))を印加し、トレンチゲート電極46にオン電位(チャネルが形成されるのに必要な電位以上の電位)を印加すると、IGBTがオンする。すなわち、トレンチゲート電極46へのオン電位の印加により、ゲート絶縁層44に接する範囲の低濃度ボディ層34bにチャネルが形成される。すると、電子が、エミッタ電極から、エミッタ領域32、チャネル、IGBTドリフト層36、IGBTバッファ層38、及び、コレクタ層40を介して、共通電極に流れる。また、ホールが、共通電極から、コレクタ層40、IGBTバッファ層38、IGBTドリフト層36、低濃度ボディ層34b、及び、ボディコンタクト領域34aを介して、エミッタ電極に流れる。すなわち、共通電極からエミッタ電極に電流が流れる。トレンチゲート電極46に印加する電位を、オン電位からオフ電位に切り換えると、チャネルが消失する。しかしながら、IGBTドリフト層36内に残留しているキャリアによって、短時間の間はIGBTに電流(テール電流と呼ばれる)が流れ続ける。テール電流は、短時間で減衰し、その後は、IGBTに流れる電流は略ゼロとなる。本実施例では、IGBT領域30内には結晶欠陥層が形成されていない。そのため、IGBTのオン電圧が低い。即ち、IGBTでは高い電力損失が生じない。
次に、半導体装置10の製造方法について説明する。最初に、従来公知の方法によって、図1に示す半導体装置10の構造のうち、分離トレンチ60、分離絶縁層62、埋め込み電極64、及び、結晶欠陥層78以外の構造を形成する。次に、ドライエッチングによって、ダイオード領域20とIGBT領域30との間の境界領域の半導体基板12の上面に、分離トレンチ60を形成する(図3参照)。
次に、図3に示すように、分離トレンチ60内に、絶縁体61(SiO)を充填させる。絶縁体61の充填は、CVD法等の公知の方法によって行う。
次に、図4に示すように、分離トレンチ60内の絶縁体61を、所定の深さまで除去する。絶縁体61の除去は、ドライエッチング等の公知の方法によって行う。本実施例では、分離トレンチ60内の絶縁体61の上端部が、ダイオード領域20に形成される空乏層の上端部70より深く、IGBT領域30のトレンチゲート電極46の下端部より浅い位置(即ち、埋め込み電極64(図1)の下端部の位置)に形成されるように、絶縁体61の除去を行う。
次に、図5に示すように、熱酸化処理によって、分離トレンチ60の内壁のSiを酸化させてSiOとする。この結果、露出していた分離トレンチ60の内壁にも絶縁層が形成され、分離トレンチ60内に分離絶縁層62が形成される。
次に、図6に示すように、分離絶縁層62の内側に、導体(例えば、ポリシリコン)を堆積する。この結果、分離絶縁層62の内側に、埋め込み電極64が形成される。
次に、半導体基板12の裏面側から半導体基板12にレーザ光を照射することで、ダイオードドリフト層24内に結晶欠陥層78を形成する。
その後、半導体基板12の表面にエミッタ電極、アノード電極等の表面構造を形成し、半導体基板12の裏面に共通電極を形成する。さらにその後ダイシングを行うことで、半導体装置10が完成する。
以上、本実施例の半導体装置10の構成とその製造方法を説明した。本実施例では、ダイオード領域20内には、分離トレンチ60及び埋め込み電極64以外に、トレンチ及び埋め込み電極が設けられていない。そのため、ダイオード領域20内に無効領域が形成されず、ダイオードの導通抵抗が小さく済む。
また、本実施例では、埋め込み電極64は、その下端部が、半導体装置10がオフしている場合にダイオード領域20に形成される空乏層の上端部70より深く、IGBT領域30のトレンチゲート電極46の下端部より浅い位置に形成されている。また、分離トレンチ60と、その隣のゲートトレンチ42との間の間隔は、ゲートトレンチ42同士の間隔よりも狭く形成されている。そのため、等電位線80〜86が示すように、埋め込み電極64の下側と、その隣のトレンチゲート電極46の下側の間では、電位分布が大きく変動しない。また、埋め込み電極64の下端部の下側には、トレンチゲート電極46の下側に形成されるゲート絶縁層44よりも厚い分離絶縁層62が形成されているため、分離絶縁層62近傍で、電位分布が大きく変動することもない。従って、本実施例の半導体装置10では、等電位線80〜86が示すように、ダイオード領域20、埋め込み電極64の下側、IGBT領域30の領域に亘る電位分布に極端な凹凸が形成されず、滑らかな電位分布が形成される。そのため、ダイオード領域20とIGBT領域30との境界にも滑らかな電位分布が形成される。その結果、ダイオード領域20とIGBT領域30との境界に生じる電位分布の歪みを抑制し、境界近傍に電界が集中することを抑制することができる。
また、本実施例では、ダイオードドリフト層24内に、キャリアの再結合中心として機能する結晶欠陥層78が形成されている。そのため、ダイオードの逆回復動作時に、ダイオードドリフト層24内のキャリアの多くが、結晶欠陥層78内で再結合により消滅する。その結果、半導体装置10では、逆回復動作時に生じる逆電流が抑制される。また、本実施例では、結晶欠陥層78の端部が分離絶縁層62内に達している。さらに、本実施例では、分離トレンチ60が、IGBT領域30のゲートトレンチ42よりも深い位置まで形成されている。そのため、逆回復動作時に、キャリアをIGBT領域30に逃がし難い。従って、ダイオードドリフト層24内のキャリアの多くを、効率良く結晶欠陥層78内で再結合により消滅させることができる。また、結晶欠陥層78の端部は、IGBT領域30内まで突出していないため、IGBTのオン電圧を上昇させることもない。
さらに、本実施例では、埋め込み電極64の下側に、厚い分離絶縁層62を備えることにより、分離絶縁層62の絶縁破壊も起こり難くなる。そのため、分離絶縁層62近傍で電界が大きくなったとしても、耐圧や耐量の低下を防ぐことができる。
(第2実施例)
次いで、図7、図8を参照して、第2実施例の半導体装置100とその製造方法について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。図7に示すように、本実施例の半導体装置100も、主にSiからなる半導体基板112と、半導体基板112の表裏面に形成されている絶縁層、金属配線等によって構成されている。半導体基板112にも、ダイオード領域120とIGBT領域130が形成されている。本実施例では、IGBT領域130には、プレーナ型のゲート電極146を有するIGBT(いわゆるプレーナゲート型IGBT)が形成されている。
ダイオード領域120には、第1実施例のダイオード領域20と同様に、アノード層122、ダイオードドリフト層124、ダイオードバッファ層126、及び、カソード層128が形成されている。各層122〜128の構成は、第1実施例と同様である。ただし、本実施例では、ダイオードドリフト層124内に結晶欠陥層を形成していない点で、第1実施例と異なる。もっとも、他の例では、ダイオードドリフト層124内に結晶欠陥層を形成してもよい。
本実施例でも、半導体装置100がオフしている場合には、アノード層22とダイオードドリフト層24との間に空乏層が形成される。本実施例でも、「半導体装置100がオフしている場合」の語は、「ゲート電極146にオン電位が印加されておらず(オフ電位が印加され)、かつ、半導体装置100のダイオード領域120に対して逆方向(即ち、IGBT領域130に対して順方向)に定格電圧が印加されている場合」という意味で用いている。図7に示すように、本実施例でも、空乏層の上端部170は、アノード層122の下端部より少し上側に位置している。また、空乏層の下端部172は、ダイオードドリフト層24の下端近傍に位置している。
IGBT領域30には、エミッタ領域132、ボディ層134、IGBTドリフト層136、IGBTバッファ層138、コレクタ層140、及び、ゲート電極146等が形成されている。
エミッタ領域132は、半導体基板112の上面に露出する範囲に、島状に形成されている。エミッタ領域32は、n型であり、不純物濃度が高い。
ボディ層134は、p型である。ボディ層134は、半導体基板112の上面に露出する範囲に、島状に形成されている。ボディ層134は、ダイオード領域120のアノード層122よりも深い位置まで形成されている。ボディ層134は、ボディコンタクト領域134aと低濃度ボディ層134bを備えている。ボディコンタクト領域134aは、半導体基板112の上面に露出する範囲に、島状に形成されている。ボディコンタクト領域134aは、2つのエミッタ領域132の間に形成されている。ボディコンタクト領域134aは、不純物濃度が高い。低濃度ボディ層134bは、2つのエミッタ領域132とボディコンタクト領域134aを取り囲んで形成されている。即ち、低濃度ボディ層134bは、2つのエミッタ領域132とボディコンタクト領域134aの下側に形成されている。低濃度ボディ層134bの不純物濃度は、ボディコンタクト領域134aよりも低い。低濃度ボディ層134bによって、エミッタ領域132がIGBTドリフト層136から分離されている。
IGBTドリフト層136は、各ボディ層134の間、及び、各ボディ層134の下側に形成されている。IGBTドリフト層136の一部は、半導体基板112の上面に露出する。IGBTドリフト層136は、n型である。IGBTドリフト層136は、不純物濃度が低い。IGBTドリフト層136は、ダイオードドリフト層124と略同じ不純物濃度を有しており、ダイオードドリフト層124と連続する層である。
IGBTバッファ層138、及び、コレクタ層140は、第1実施例のIGBTドリフト層36、IGBTバッファ層38、コレクタ層40(図1参照)と同様の構成を有するため、詳しい説明を省略する。
本実施例では、半導体基板112の上面には、エミッタ電極(図示しない)及びゲート電極146が備えられている。エミッタ電極は、エミッタ領域132の一部とボディコンタクト領域134aの上面とオーミック接続されている。ゲート電極146は、ゲート絶縁層148を介して、エミッタ領域132のうち、エミッタ電極と接続していない部分と、2つのエミッタ領域132の間の低濃度ボディ層134b及びIGBTドリフト層136と対向している。
半導体基板112の下面には、共通電極(図示しない)が備えられている。共通電極は、半導体基板112の下面全面に対して接続されている電極であり、コレクタ層140とカソード層128の両方と接続されている。
本実施例でも、半導体装置100がオフしている場合には、ボディ層134とIGBTドリフト層136との間に空乏層が形成される。図7に示すように、空乏層の上端部174は、低濃度ボディ層134b内では、低濃度ボディ層134bの下端部より少し上側に位置している。また、空乏層の上端部174は、ボディ層134の間のIGBTドリフト層136内では、低濃度ボディ層134b内の位置よりも少し上側に位置している。また、空乏層の下端部176は、IGBTドリフト層136の下端近傍に位置している。IGBT領域130の空乏層の下端部176は、ダイオード領域120の空乏層の下端部172と略同じ深さに位置している。
ダイオード領域120とIGBT領域130との間の境界には、分離トレンチ160が形成されている。分離トレンチ160は、図7の紙面に直交する方向と平行に伸びている。分離トレンチ60は、半導体基板112の上面から下方に伸び、IGBT領域130のボディ層134よりも深く形成される。分離トレンチ160には、分離トレンチ160の内壁を被覆する分離絶縁層162が形成されている。分離絶縁層162の内側には、埋め込み電極164が形成されている。埋め込み電極164の上面は、絶縁層(図示省略)によって覆われておらず、エミッタ電極(図示省略)又はアノード電極(図示省略)に接続されている。このため、埋め込み電極164は、エミッタ電極及びアノード電極と同電位を有する。
埋め込み電極164の下端部は、半導体装置100がオフしている場合にダイオード領域20に形成される空乏層の上端部170より深く、半導体装置100がオフしている場合にIGBT領域30に形成される空乏層の上端部174より浅い位置に形成される。また、分離トレンチ160は、IGBT領域130のボディ層134よりも深く形成されており、分離トレンチ160の下端部と埋め込み電極164の下端部との間には絶縁体(分離絶縁層162)が充填されている。埋め込み電極164の下側に形成される分離絶縁層62は厚く形成されている。また、分離トレンチ160の側壁と埋め込み電極164の間に配置される分離絶縁層162の厚みも、厚くされている。
以上、本実施例の半導体装置100の構成を説明した。次いで、図8を参照して、半導体装置100がオフしている場合の半導体装置100における電位分布について説明する。図8には、オフ状態の半導体装置100の空乏層内に形成される等電位線180、182、184、186が示されている。等電位線180〜186は、空乏層の上端部170、174付近における、等電位領域を示す。図8では、空乏層の下端部172、176付近の等電位線は、図示を省略している。
等電位線180〜186は、空乏層内に形成される電位分布を示す。そのため、等電位線180〜186は、埋め込み電極164の下側に示される。上記の通り、埋め込み電極164は、その下端部が、ダイオード領域20に形成される空乏層の上端部170より深く、IGBT領域30に形成される空乏層の上端部174より浅い位置に形成されている。また、埋め込み電極164は、エミッタ領域132及びアノード層122と同電位を有する。さらに、埋め込み電極164の下側には、厚い分離絶縁層62が形成されている。分離絶縁層62内では、電界の分布が一様になるため、等電位線180〜186同士の間隔も一様になる(電位が一定間隔で分布する)。そのため、等電位線180〜186が示すように、ダイオード領域20とIGBT領域30との境界領域近傍で電位分布が大きく変動することがない。
従って、本実施例の半導体装置100でも、等電位線180〜186が示すように、ダイオード領域120、埋め込み電極164の下側、IGBT領域130の領域に亘る電位分布に極端な凹凸が形成されず、滑らかな電位分布が形成される。そのため、ダイオード領域120とIGBT領域130との境界にも滑らかな電位分布が形成される。その結果、ダイオード領域120とIGBT領域130との境界に生じる電位分布の歪みを抑制し、境界近傍に電界が集中することを抑制することができる。
また、本実施例でも、埋め込み電極164の下側に、厚い分離絶縁層162を備えることにより、絶縁破壊が起こり難くなる。そのため、分離絶縁層162近傍で電界が大きくなったとしても、耐圧や耐量の低下を防ぐことができる。
ダイオードが動作する場合の半導体装置100の動作は、上記の第1実施例とほぼ同様である。また、IGBTが動作する場合の半導体装置100の動作は、公知のプレーナゲート型IGBTを動作させる場合とほぼ同様である。そのため、ここでは詳しい説明は省略する。
次に、半導体装置100の製造方法について説明する。本実施例でも、まず、半導体装置100のうち、分離トレンチ160、分離絶縁層162、及び、埋め込み電極164以外の構造は、従来公知の方法によって形成する。次いで、分離トレンチ160、分離絶縁層162、及び、埋め込み電極164を形成する。分離トレンチ160、分離絶縁層162、埋め込み電極164の形成方法は、第1実施例の分離トレンチ60、分離絶縁層62、埋め込み電極64の形成方法と同様である(図3〜図6参照)。その後、半導体基板112の表裏面に必要な構造を形成し、さらにその後ダイシングを行うことで、半導体装置100が完成する。
以上、本実施例の半導体装置10の構成とその製造方法を説明した。本実施例でも、ダイオード領域120内には、分離トレンチ160及び埋め込み電極164以外に、トレンチ及び埋め込み電極が設けられていない。そのため、ダイオード領域120内に無効領域が形成されず、ダイオードの導通抵抗が小さく済む。
また、本実施例では、埋め込み電極164は、その下端部が、半導体装置100がオフしている場合にダイオード領域20に形成される空乏層の上端部170より深く、半導体装置100がオフしている場合にIGBT領域130に形成される空乏層の上端部174より浅い位置に形成されている。また、埋め込み電極164の下側には、厚い分離絶縁層162が形成されている。そのため、等電位線180〜186が示すように、ダイオード領域120とIGBT領域130との境界領域近傍で電位分布が大きく変動することがない。本実施例でも、ダイオード領域120、埋め込み電極164の下側、IGBT領域130の領域に亘る電位分布に極端な凹凸が形成されず、滑らかな電位分布が形成される。そのため、ダイオード領域120とIGBT領域130との境界領域近傍に電界が集中することを抑制することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
(変形例1)上記の第1実施例では、分離トレンチ60の下端部は、トレンチゲート電極46の下端部よりも深い位置に形成されているが、分離トレンチ60の下端部は、トレンチゲート電極46の下端部と同じ深さの位置に形成されていてもよい。
(変形例2)同様に、上記の第2実施例では、分離トレンチ160の下端部は、ボディ層134の下端部よりも深い位置に形成されているが、分離トレンチ160の下端部は、ボディ層134の下端部と同じ深さの位置に形成されていてもよい。
(変形例3)上記の第1実施例では、埋め込み電極64は、エミッタ電極(図示省略)又はアノード電極(図示省略)に接続されている。これに限られず、埋め込み電極64は、トレンチゲート電極46に接続されていてもよい。この場合、埋め込み電極64は、トレンチゲート電極46と同電位を有する。この場合、半導体装置10がオフしている場合、トレンチゲート電極46及び埋め込み電極64にはオン電位が印加されない。一方、半導体装置10のIGBTを動作させる場合、トレンチゲート電極46にオン電位が印加されると、埋め込み電極64にもオン電位が印加される。しかし、埋め込み電極64と分離トレンチ60との間に配置される分離絶縁層62の厚みが厚いため、埋め込み電極64と接する範囲のボディ層にチャネルは形成されない。従って、上記の第1実施例と同様の動作を行うことができる。本変形例は、第2実施例にも適用することができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10、100:半導体装置
12、112:半導体基板
20、120:ダイオード領域
22、122:アノード層
24、124:ダイオードドリフト層
26、126:ダイオードバッファ層
28、128:カソード層
30、130:IGBT領域
32、132:エミッタ領域
34、134:ボディ層
34a、134a:ボディコンタクト領域
34b、134b:低濃度ボディ層
36、136:IGBTドリフト層
38、138:IGBTバッファ層
40、140:コレクタ層
42:ゲートトレンチ
44、148:ゲート絶縁層
46:トレンチゲート電極
146:ゲート電極
60、160:分離トレンチ
61:絶縁体
62、162:分離絶縁層
64、164:埋め込み電極
70、170:ダイオード領域内の空乏層の上端部
72、172:ダイオード領域内の空乏層の下端部
74、174:IGBT領域内の空乏層の上端部
76、176:IGBT領域内の空乏層の下端部
78:結晶欠陥層
80、82、84、86、180、182、184、186:等電位線

Claims (3)

  1. ダイオード領域とIGBT領域とが形成されている半導体基板を備える半導体装置であって、
    前記IGBT領域は、前記半導体基板の表面に形成されたゲートトレンチの内壁を被覆する絶縁層と、その絶縁層内に配置されたトレンチゲート電極とを有しており、
    前記ダイオード領域と前記IGBT領域との境界には、分離トレンチが形成されており、
    前記分離トレンチは、その下端部が、前記半導体基板の表面からの深さ方向において、前記IGBT領域の前記トレンチゲート電極の下端部と同じ深さの位置又はそれよりも深い位置に形成されており、
    前記分離トレンチ内には、前記分離トレンチの内壁を被覆する分離絶縁層と、前記分離絶縁層の内側に配置された埋め込み電極とが形成されており、
    前記埋め込み電極は、その下端部が、前記半導体基板の表面からの深さ方向において、前記半導体装置がオフされたときに前記ダイオード領域に広がる空乏層の上端部と、前記トレンチゲート電極の下端部との間に形成されており、前記半導体装置がオフされたときに、前記半導体基板の表面に形成されると共に前記IGBT領域と前記ダイオード領域の少なくとも一方に接続される表面電極、又は、前記トレンチゲート電極と同電位が印加されるようになっている、
    半導体装置。
  2. ダイオード領域とIGBT領域とが形成されている半導体基板を備える半導体装置であって、
    前記IGBT領域は、前記半導体基板の表面に絶縁層を介して配置されたプレーナ型のゲート電極と、前記半導体基板の表面側に形成されたボディ層と、を有しており、
    前記ダイオード領域と前記IGBT領域との境界には、分離トレンチが形成されており、
    前記分離トレンチの下端部は、前記半導体基板の表面からの深さ方向において、前記ボディ層の下端部と同じ深さの位置又はそれよりも深い位置に形成されており、
    前記分離トレンチ内には、前記分離トレンチの内壁を被覆する分離絶縁層と、前記分離絶縁層の内側に配置された埋め込み電極とが形成されており、
    前記埋め込み電極は、その下端部が、前記半導体基板の表面からの深さ方向において、前記半導体装置がオフされたときに前記ダイオード領域に広がる空乏層の上端部と、前記IGBT領域に広がる空乏層の下端部との間の位置に形成されており、前記半導体装置がオフされたときに、前記半導体基板の表面に形成されると共に前記IGBT領域と前記ダイオード領域の少なくとも一方に接続される表面電極、又は、前記ゲート電極と同電位が印加されるようになっている、
    半導体装置。
  3. 前記ダイオード領域は、前記半導体基板の表面側に形成されたアノード層と、前記アノード層の下側に形成されたドリフト層を有しており、
    前記ドリフト層内には結晶欠陥層が形成されており、
    前記半導体基板を平面視したときに、前記結晶欠陥層の端部は、前記分離トレンチ内に位置している、
    請求項1又は2に記載の半導体装置。
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