JP2013160995A - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度の良い焦点調整と像振れ補正とを行うことができるレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】
本発明は、ベース部材2と、光軸Cに対して直交する平面内で移動可能な可動部材10と、光軸Cの方向に移動可能なレンズ枠16と、光軸Cに対して直交する平面内で可動部材10の移動を規制する規制手段15と、光軸Cの方向にレンズ枠16を案内するガイド手段40とを備える。可動部材10には、規制手段15の近傍に位置してガイド手段40が配置されている。ガイド手段40は、規制手段15の近傍に配置されているため、レンズ枠16が光軸Cの方向へスムーズに案内されるため、精度の良い焦点調整を行うことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、光軸に対して直交する方向に撮像光学系を移動させて像振れを補正するレンズ駆動装置に関する。
従来、このような分野の技術として、特開2011−39481号公報がある。この公報に記載されたレンズ駆動装置は、レンズを保持するレンズホルダと、レンズの光軸方向にレンズホルダが変位可能に装着される筐体と、レンズホルダを光軸方向に変位させる駆動部とを備えている。駆動部を構成するコイルは、筐体内のそれぞれの角部に設けられた柱状部に配置され、マグネットは、筐体内の柱状部に対向するレンズホルダの外縁部に配置されている。このようなコイルとマグネットとの配置によれば、レンズホルダの外縁部と筐体の角部との間に形成される領域に駆動部が配置される。従って、筐体の幅方向の寸法を小さくすることができるため、レンズ駆動装置が小型化される。
特開2011−39481号公報
携帯通信機器等に搭載される小型のレンズ駆動装置に対して、光軸に直交する方向にレンズを移動させて像振れを補正する像振れ補正機能が要求されている。しかしながら、特許文献1に記載されたレンズ駆動装置に対して、コイルとマグネットとからなる像振れ補正用の駆動部を追加すると、レンズ駆動装置が小型化されているため、レンズホルダ駆動用の駆動部のマグネットと像振れ補正用の駆動部のマグネットとの距離が短くなり、磁気干渉が生じるおそれがある。
また、特許文献1に記載されたレンズ駆動装置におけるレンズホルダの光軸方向への移動精度は、レンズホルダ駆動用の駆動部が発生する駆動力の方向の精度に依存している。従って、磁気干渉が生じた状態で駆動力を発生させると、レンズホルダに対して意図しない方向に駆動力が作用し、レンズホルダが傾いたり意図しない方向へ移動したりするおそれがあるため、レンズホルダ駆動用の駆動部と像振れ補正用の駆動部との駆動力の制御が難しく、焦点調整と像振れ補正との精度が低下する問題点があった。
そこで、本発明は、精度の良い焦点調整と像振れ補正とを行うことができるレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明に係るレンズ駆動装置は、ベース部材と、ベース部材に配置され、光軸に対して直交する平面内で像振れに対応して移動可能な可動部材と、可動部材に取付けられて、光軸の方向に移動可能なレンズ枠と、光軸に対して直交する方向に延在する規制面と、規制面に当接する摺動部とにより、光軸に対して直交する平面内で可動部材の直線移動軌跡を画定する規制手段と、可動部材に対して、光軸の方向にレンズ枠を案内するガイド手段とを備え、可動部材には、規制手段の近傍に位置してガイド手段が配置されている。
上述したレンズ駆動装置によれば、レンズ枠は、ガイド手段により光軸の方向に案内されるため、レンズ枠が光軸に直交する平面に対して傾くことが防止される。そして、可動部材は、規制手段の規制面と摺動部とによって並進の自由度が1つとなるように規制される。また、ガイド手段は、規制手段の近傍に配置されているため、レンズ枠の移動の基準が可動部材の移動の基準から大きく離れることはなくなる。従って、レンズ枠の移動を容易に制御することができ、精度の良い焦点調整と像振れ補正とを行うことができる。
また、規制面は、可動部材に設けられ、摺動部は、ベース部材に装着され、ガイド手段は、直線移動軌跡の延長線上に固定される。このような構成により、可動部材が像振れ補正によって移動してもレンズ枠の移動の基準が可動部材の直線移動軌跡と一致するので、レンズ枠の移動をより一層容易に制御することができ、精度のよい焦点調整と像振れ補正とを行うことができる。
また、可動部材とレンズ枠の一方に設けられるマグネットと、可動部材とレンズ枠の他方に設けられるコイルとからなると共に、レンズ枠を光軸の方向に移動させる複数のアクチュエータと、レンズ枠を可動部材側に付勢するための付勢手段とを更に備え、複数のアクチュエータは、平面視において、光軸を中心とした円周上で不均等に配置されると共に、光軸を含む基準線に対して鏡面対称の関係をもって配置され、付勢手段とガイド手段とは、平面視において、基準線上に配置されている。
このように、アクチュエータが不均等に配置されるので、アクチュエータの配置に対する設計自由度が高まり、レンズ駆動装置を小型化することができる。また、光軸を中心とした円周上に不均等に配置されたアクチュエータにより、レンズ枠には、光軸方向にレンズ枠を移動させる駆動力と、光軸に直交する平面に対してレンズ枠を傾ける駆動力とが印加されることになる。一方、付勢手段が光軸を含む基準線上に配置されているため、レンズ枠を傾ける駆動力を打ち消す方向に付勢力をレンズ枠に印加させることができる。よって、基準線上に配置されたガイド手段により光軸方向に正確にレンズ枠を移動させることができ、精度の良い焦点調整を行うことができる。
本発明によれば、精度の良い焦点調整と像振れ補正とを行うことができる。
本発明に係るレンズ駆動装置の第1の実施形態を示す分解図である。 蓋部材が外されたレンズ駆動装置の平面図である。 レンズ駆動装置の内部構造を示す断面図である。 レンズ駆動装置のベース部材の平面図である。 レンズ駆動装置の可動部材の底面図である。 第2の実施形態に係るレンズ駆動装置の焦点調整機構を示す斜視図である。 図6のVII―VII線に沿う断面図である。 第3の実施形態に係るレンズ駆動装置の焦点調整機構を示す斜視図である。 図8のIX―IX線に沿う断面図である。 第4の実施形態に係るレンズ駆動装置の焦点調整機構を示す斜視図である。 図10のXI―XI線に沿う断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るレンズ駆動装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1に示されるように、手振れ補正機能を有するレンズ駆動装置1は、手振れ補正機構3及び焦点調整機構4を収容するボックス状のベース部材2と、焦点調整機構4を光軸Cと直交する平面内で移動させて手振れを補正する手振れ補正機構3と、レンズ(不図示)を有すると共に、レンズを光軸Cの方向に移動させる焦点調整機構4と、ベース部材2を閉鎖させるための蓋部材5とを備えている。レンズ駆動装置1は、撮像素子であるCCD[Charge Coupled Device]イメージセンサやCMOS[Complementary Metal Oxide Semiconductor]イメージセンサ(不図示)の前方に配置されて利用される。
上述したベース部材2と、手振れ補正機構3とにより手振れ補正装置30が構成され、手振れ補正は、像の振れを補正するための像振れ補正の一態様である。
ベース部材2は、光軸Cを中心とする矩形の開口部2aを有する直方体箱状の部材である。ベース部材2の内部には、光軸Cに対して直交して延在する支持面2bが設けられている。支持面2bには凹部2c,2gが設けられ、凹部2cは、光軸Cを中心とする円形の開口部2dの周囲に配置され、凹部2gは、角部2hの近傍で、開口部2dと角部2hとの間に配置されている(図4参照)。
手振れ補正機構3は、可動部材10に取付けられた焦点調整機構4を光軸Cと直交する平面内で移動させて手振れを補正するためのものである。手振れ補正機構3は、枠形状を有する可動部材10を支持するためのボールをなす支持手段8と、焦点調整機構4が取付けられる可動部材10と、可動部材10を光軸Cと直交する方向に駆動させる可動部材用駆動手段11と、ベース部材2内で可動部材10の移動を規制する規制手段15(図5参照)と、を備えている。
光軸Cと直交する平面内で可動部材10を移動可能に支持するための支持手段8は、3つの金属製の球状体9a,9b,9cを備えている。球状体9aは、ベース部材2の凹部2gに配置され、球状体9b,9cは凹部2cに配置されている(図4参照)。
光軸Cと直交する方向に焦点調整機構4を移動させるための可動部材10は、支持手段8により支持された状態で、ベース部材2の内部に収容されている。可動部材10は、光軸Cを中心とする円形の開口部10aを有する。可動部材10は、ベース部材2の支持面2bに対面する底面10cを有している。
可動部材10の底面10cにおいて、ベース部材2の凹部2cに対応する位置には凹部10dが設けられている(図5参照)。凹部2c,10dの内径は、球状体9b,9cの外径よりも大きく形成されている。このため、球状体9b,9cは凹部2c,10dの範囲内で転動できる。
光軸Cと直交する方向に可動部材10を駆動させるための可動部材用駆動手段11は、3つのアクチュエータ12,13,14を備えている。図5に示されるように、対角線L1上には、アクチュエータ12と後述する溝10bとが配置されている。アクチュエータ12と溝10bとは、対角線L1と対角線L2との交点を挟んで対向して設けられている。このアクチュエータ12は、対角線L1に沿った方向成分を有する駆動力F1を可動部材10に印加している。
また、対角線L1と直交する別の対角線L2上には、アクチュエータ13,14が配置されている。アクチュエータ13,14は、対角線L1と対角線L2との交点を挟んで対向して設けられている。アクチュエータ13,14は、対角線L2に沿った方向成分を有する駆動力F2を可動部材10に印加している。
アクチュエータ12,13,14は、それぞれ同様の構成を有する。ここでは、アクチュエータ12の構成を例に説明する。図1に示されるように、アクチュエータ12は、マグネット12aと、コイル12bとを備えている。マグネット12aは可動部材10の底面10cの凹部10r内に配置され(図5参照)、コイル12bはベース部材2の支持面2bに形成された凹部2p内に配置されている(図4参照)。マグネット12aは、コイル12bと対面するように配置されている。
図3、図4及び図5に示されるように、可動部材10の移動を規制するための規制手段15は、支持手段8を構成する球状体(摺動部)9aと、可動部材10に設けられた溝10bとにより構成されている。球状体9aは、ベース部材2の支持面2bに設けられた凹部2gと、可動部材10の底面10cに設けられた溝10bとの間に配置され、溝10bの側壁面(規制面)10tに当接する。
溝10bは、可動部材10における対角線L1に沿って延びた長溝である。溝10bは、底面10c上において、球状体9aが配置されたベース部材2の凹部2gの位置に対応する位置に設けられている。溝10bの長手方向と直交する方向の幅は、球状体9aが溝10bの側壁面10tに対して摺動が可能な幅に設定されている。
このような構成を有する規制手段15によれば、可動部材10は、溝10bの側壁面10tが延びた方向に設定される直線移動軌跡T1の方向へ案内されて直線移動することができると共に、直線移動軌跡T1上に配置される球状体9aを回転中心RCとする回転移動軌跡T2に沿って回転することができる。つまり、可動部材10の位置は、1つの動径と1つの偏角とに基づく円座標系で表現されていることに相当する。この直線移動と回転との組み合わせによれば、所望の位置に光軸Cの位置を精度良く移動させることができる。また、溝10bに球状体9aが挿入されることにより、可動部材10は直線移動軌跡T1の方向へスムーズに案内される共に、球状体9aを中心として回転する。従って、可動部材10の移動を高精度にすることができる。
光軸Cの移動可能な範囲Sは、直線移動が可能な距離と回転が可能な角度とに基づいている。可動部材10の直線移動が可能な距離と、回転が可能な角度とは、ベース部材2の内壁面2sと、可動部材10の外周面10sとの間の隙間により決定される(図2参照)。なお、可動部材10の直線移動が可能な距離は、溝10bの長手方向の長さにより決定されてもよい。また、可動部材10の回転可能な角度は、光軸Cに対して直交する方向に、凹部2cの壁面と凹部10dの壁面とで球状体9b,9cが挟まれることにより規制されてもよい。
図1に示されるように、可動部材10に取付けられる焦点調整機構4は、レンズ(不図示)を保持するレンズ枠16と、レンズ枠16を光軸Cの方向に駆動させるレンズ枠用駆動手段19とを備えている。
単一のレンズ又は複数のレンズを有するレンズ群(不図示)を保持するためのレンズ枠16は、レンズが嵌め込まれる孔16aを有する円筒状の部材である。光軸Cは、レンズ枠16に配置されるレンズの光軸である。
図1及び図2に示されるように、レンズ枠16を光軸Cの方向に駆動するためのレンズ枠用駆動手段19は、2つのアクチュエータ22を備えている。それぞれのアクチュエータ22は、光軸Cを中心とした円周上で、光軸Cの周りに90度の位相角をもって配置されると共に、光軸Cを含む基準線L3に対して鏡面対称の関係をもって配置されている。なお、基準線L3は、光軸Cを通って、後述するガイドシャフト18aの中心とガイドシャフト18bの中心とを結ぶ線でもある。
それぞれ同様の構成を有するアクチュエータ22は、マグネット22aとコイル22bとを備えている。それぞれのマグネット22aは、可動部材10の立設部10uに固定されている。立設部10uは、光軸Cを中心とした円周上で、光軸Cの周りに90度の位相角をもって形成されているため、それぞれのマグネット22aは、光軸Cを中心とした円周上で、光軸Cの周りに90度の位相角をもって配置されることになる。
また、それぞれのコイル22bは、マグネット22aと対面するように、レンズ枠16の外周に設けられた平面部16hに固定されている。平面部16hは、光軸Cを中心とした円周上で、光軸Cの周りに90度の位相角をもって形成されているため、それぞれのコイル22bは、光軸Cを中心とした円周上で、光軸Cの周りに90度の位相角をもって配置されることになる。
ベース部材2における開口側の縁部2fに配置される板状の蓋部材5は、光軸Cを中心とする円形の開口部5aを有する。光軸Cを挟んで対向して配置された貫通孔5bに挿入されたネジ28がベース部材2に設けられたネジ孔2tに螺合することで、蓋部材5がベース部材2に固定されている。
蓋部材5には、磁場検出素子であるホール素子27が2個配置されている。ホール素子27は、可動部材10に配置されたマグネット22aの磁界を検知する。ホール素子27は、光軸Cに対して直交する平面内において、光軸Cの周りに90度の位相角をもって配置されている。よって、光軸Cと直交する平面内における可動部材10の位置を検出でき、更に可動部材10の位置を直交座標系に基づいて制御することができる。
図2及び図3に示されるように、レンズ枠16を光軸Cの方向に案内するガイド手段40は、可動部材10上における規制手段15の近傍に配置されている。ガイド手段40は、可動部材10に立設されて、光軸Cの方向に延びるガイドシャフト18aと、レンズ枠16の周縁から径方向に突出すると共に、ガイドシャフト18aが挿入される貫通孔16cを有する突出部16eと、により構成されている。
ガイドシャフト18aは、平面視(図2参照)において、基準線L3と一致する直線移動軌跡T1の延長線上に設けられた可動部材10の穴10yに挿入して固定されている。また、ガイドシャフト18aの直径は、貫通孔16cに対して摺動可能な直径に設定されている。よって、ガイド手段40のガイドシャフト18aにより、光軸Cの方向にレンズ枠16を確実に案内することができる。
レンズ枠16は、圧縮コイルバネ(付勢手段)18dにより、可動部材10側に向けて付勢され、圧縮コイルバネ18d内には、突出部16eが挿入され、圧縮コイルバネ18dの中心は貫通孔16cの中心と一致している。よって、圧縮コイルバネ18dも、平面視において、基準線L3上に配置する。
圧縮コイルバネ18dは、可動部材10に立設されたバネ収容部10k内に配置され、バネ収容部10kに設けられた圧縮コイルバネ18dの上端18eは可動部材10のバネ当て片10jに当接し、下端18fはレンズ枠16の座面16jに当接している。このような構成により、圧縮コイルバネ18dはバネ収容部10k内で、光軸Cの方向に圧縮されて、レンズ枠16を可動部材10側に付勢する。
光軸Cを挟んでガイドシャフト18aと対向する位置には、回転規制シャフト18bが配置され、この回転規制シャフト18bは、可動部材10に設けられた穴10zに挿入して固定され、この回転規制シャフト18bは、平面視において、基準線L3と一致する直線移動軌跡T1の延長線上に配置されている。
レンズ枠16には、外周面から径方向に突出する突出部16eが設けられ、回転規制シャフト18bは、突出部16eと光軸Cを挟んで対向する位置に設けられた突出部16bの溝16dに挿入されている。溝16dは、基準線L3の方向に延びた長溝であり、溝16dの幅は、シャフト18bが溝16dに沿って摺動可能な幅に設定されている。
シャフト18bと溝16dとにより、光軸Cを中心とするレンズ枠16の回転を規制することができる。よって、レンズ枠16の光軸Cの方向への移動は、ガイドシャフト18aと貫通孔16cとの協働により規定されるため、レンズ枠16を光軸Cの方向に容易且つ確実に案内させることができる。
次に、手振れ補正機構3の動作について説明する。レンズ駆動装置1が組み込まれた機器(例えばカメラ)で撮影しているときに手振れが発生すると、光軸Cの位置が変化することがある。この場合、ジャイロセンサなどの手振れを検出するセンサが手振れを検知し、制御手段(不図示)は、撮像素子上における光軸Cの位置が所定の位置に維持されるように手振れ補正機構3を駆動させるための制御信号をアクチュエータ12,13,14のコイル12bに出力する。
この場合、図5に示されるように、アクチュエータ12は、制御信号を受信すると駆動力F1を発生させ、可動部材10を直線移動軌跡T1の方向に直線移動させる。アクチュエータ13,14は、制御信号を受信すると駆動力F2を発生させ、可動部材10を回転移動軌跡T2の方向に回転させる。この直線移動及び回転により、光軸Cの位置が所定の位置に移動される。このとき、可動部材10は、規制手段15により移動が規制されるため、直線移動による1つの自由度と、回転による1つの自由度を合計した2つの自由度を有している。このため、可動部材10は、光軸Cの位置を範囲S内の所望の位置に移動させることができる。この移動により、撮像素子(例えばCMOS)上における光軸Cの位置が所定の位置に維持され、手振れが補正される。
このような構成を有するレンズ駆動装置1では、レンズ枠16は、規制手段15の近傍に配置されたガイドシャフト18a及び貫通孔16cからなるガイド手段40により光軸Cの方向に案内されるため、レンズ枠16が光軸Cに直交する平面に対して傾くことが防止される。そして、可動部材10は、側壁面10tと、球状体9aとによって並進の自由度が1つとなるように規制される。また、ガイド手段40は、規制手段15の近傍に配置されているため、レンズ枠16の移動の基準が可動部材10の移動の基準から大きく離れることはなくなる。従って、レンズ枠16の移動を容易に制御することができ、精度の良い焦点調整と像振れ補正とを行うことができる。
また、手振れ補正機構3が規制手段15を有しているので、可動部材10の移動は、光軸Cと直交する直線移動軌跡T1に沿った直線移動に規制される。従って、精度の良い手振れ補正を行うことができる。
また、レンズ駆動装置1では、不要な回転による可動部材10の移動を補正するためのアクチュエータなどが不要であるため、レンズ駆動装置1を構成する部品点数を増やすことなく、レンズ駆動装置1の小型化に寄与する。
また、規制面10tは、可動部材10に設けられ、摺動部9aは、ベース部材2に装着され、ガイド手段40は、直線移動軌跡T1の延長線上に固定される。このような構成により、可動部材10が像振れ補正によって移動してもレンズ枠16の移動の基準が可動部材10の直線移動軌跡T1と一致するので、レンズ枠16の移動をより一層容易に制御することができ、精度のよい焦点調整と像振れ補正とを行うことができる。
そして、アクチュエータ22が光軸Cを中心とした円周上で不均等に配置されるので、アクチュエータ22の配置に対する設計自由度が高まり、レンズ駆動装置1を小型化することができる。また、このようなアクチュエータ22の配置により、レンズ枠16には、光軸Cの方向にレンズ枠16を移動させる駆動力と、光軸Cに直交する平面に対してレンズ枠16を傾ける駆動力とが印加されることになる。一方、圧縮コイルバネ18dが基準線L3上に配置されているため、レンズ枠16を傾ける駆動力を打ち消す方向に付勢力をレンズ枠16に印加させることができる。よって、基準線L3に配置されたガイド手段40により光軸Cの方向に正確にレンズ枠16を移動させることができ、精度の良い焦点調整を行うことができる。
[第2の実施形態]
図6及び図7に示されるように、第2の実施形態に係るレンズ駆動装置の焦点調整機構50は、第1の実施形態に係るレンズ駆動装置1の焦点調整機構4と比べて、付勢手段が引張コイルバネ51で構成されている点が相違している。なお、第1の実施形態と同一又は同等な構成部分については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
ガイド手段40の近傍に配置された引張コイルバネ51は、ガイドシャフト18aと可動部材10の角部10hとの間に配置され、基準線L3上と引張コイルバネ51の中心軸線とは交差している。引張コイルバネ51の一方のフック部51aは、可動部材10に立設された引掛部10gに引っ掛けられ、他方のフック部51bは、レンズ枠16に設けられた引掛部16gに引っ掛けられている。このような構成により、引張コイルバネ51が光軸Cの方向に伸張されて、レンズ枠16を可動部材10側に付勢する付勢力をレンズ枠16に作用させることができる。
このような構成を有する焦点調整機構50を備えるレンズ駆動装置においても、第1の実施形態に係るレンズ駆動装置1と同様の効果を得ることができる。
[第3の実施形態]
図8及び図9に示されるように、第3の実施形態に係るレンズ駆動装置の焦点調整機構60は、第1の実施形態に係るレンズ駆動装置1の焦点調整機構4と比べて、付勢手段が板バネ61で構成されている点が相違している。なお、第1の実施形態と同一又は同等な構成部分については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
板バネ61は、光軸Cに対して直交する平面においてS字形状をなす弾性変形部63a,63bと、弾性変形部63aの先端と弾性変形部63bの先端とを架け渡してレンズ枠16の突出部16eの上面に当接させられる付勢部63cと、弾性変形部63aの基端と弾性変形部63bの基端とを架け渡して可動部材10の角部10hに固定される基部63dと、を有している。このような構成の板バネ61は、中空形状をなし、中空部63e(図9参照)からガイドシャフト18aの先端を突出させている。そして、ガイド手段40の近傍に配置された板バネ61は、その中心線が基準線L3に重なるように、角部10hに配置されている。
板バネ61は、ガイドシャフト18a,18bの中心を結ぶ基準線L3を中心に対称に形成されている。そして、弾性部63a,63bを、基準線L3を中心として対称に配置させることにより、付勢力が作用する力点を基準線L3上に設定でき、レンズ枠16を可動部材10側に付勢する付勢力をレンズ枠16に確実に作用させることができる。
このような構成を有する焦点調整機構60を備えるレンズ駆動装置においても、第1の実施形態に係るレンズ駆動装置1と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施形態]
図10及び図11に示されるように、第4の実施形態に係るレンズ駆動装置の焦点調整機構70は、第1の実施形態に係るレンズ駆動装置1の焦点調整機構4と比べて、付勢手段がマグネットで構成されている点が相違している。なお、第1の実施形態と同一又は同等な構成部分については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
この焦点調整機構70には、光軸Cの方向で対向して配置した2個のブロック状のマグネット71,72を一対とした付勢手段73が用いられている。ガイド手段40の近傍に配置されたマグネット71,72は、一方のマグネット71は、レンズ枠16に固定され、他方のマグネット72は、可動部材10に固定され、マグネット71とマグネット72とは、その間に光軸Cの方向に磁気吸引力が作用するように配置されている。この磁気吸引力は、レンズ枠用駆動手段19(図1参照)の駆動力と逆の方向へレンズ枠16を付勢する。そして、平面視において、付勢手段73の中心は基準線L3上に位置する。
このような構成を有する焦点調整機構70を備えるレンズ駆動装置においても、第1の実施形態に係るレンズ駆動装置1と同様の効果を得ることができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。
可動部材10を直線移動軌跡T1に沿った直線移動と、直線移動軌跡T1上の点を回転中心RCとする回転移動軌跡T2に沿った回転とに規制する場合の規制手段15は、光軸C方向の平面視が円形の摺動部と、光軸Cに対して直交する方向に延在して、この摺動部が当接する規制面とが構成されていればよく、この構成を逸脱しない範囲で様々な形態を採用することができる。
規制手段15は、断面台形状をなす溝に球状体9a又はピンが配置されて構成されてもよい。また、V字状をなす一対の斜面を有する溝に球状体9a又はピンが配置されて構成されてもよい。これらの構成によれば、ピン又は球状体9aと、溝とが点接触するため、摩擦抵抗を低減させることができる。
また、規制手段15は、断面矩形状をなす貫通孔にピンが配置されて構成されてもよい。貫通孔の壁面にピンが線接触するため、光軸Cに対して直交する平面に対して可動部材10が傾くことを抑制することができる。また、V字状をなす一対の斜面を有する貫通孔にピンが配置されて構成されてもよい。一対の斜面にピンが点接触するため、摩擦抵抗を低減させることができる。また、断面矩形状をなす貫通孔又はV字状をなす一対の斜面を有する貫通孔に、球状体9aが配置されて構成されてもよい。
また、溝10bには、溝10bと接触する部分が球状に形成された突起部が配置されてもよい。可動部材10に対して突起部が点接触するため、摩擦抵抗を低減させることができる。
また、規制手段15では、可動部材10にピンが固定され、ベース部材2に溝10bが形成されてもよい。更に、ピンは、ベース部材2又は可動部材10と別の部材でなくてもよく、ベース部材2又は可動部材10と一体に成形されていてもよい。
また、焦点調整機構4のレンズ枠16は、ピント調整用の焦点調整用のレンズを有していたが、画角調整用のズームレンズを有していてもよい。
ガイドシャフト18aは、可動部材10と別体であったが、一体であってもよい。また、レンズ枠16を駆動するアクチュエータ22は、光軸Cの周りに90度の位相角をもって配置されていたが、レンズ枠16の外周に巻き回してもよい。
1…レンズ駆動装置、2…ベース部材、3…手振れ補正機構、4…焦点調整機構、5…蓋部材、8…支持手段、9a…球状体(摺動部)、10…可動部材、10b…溝、10t…側壁面(規制面)、15…規制手段、16…レンズ枠、18a…ガイドシャフト、18d…圧縮コイルバネ(付勢手段)、22…アクチュエータ、22a…マグネット、22b…コイル、30…手振れ補正装置、40…ガイド手段、C…光軸、T1…直線移動軌跡、T2…回転移動軌跡、RC…回転中心、L1…対角線、L3…基準線。

Claims (3)

  1. ベース部材と、
    前記ベース部材に配置され、光軸に対して直交する平面内で像振れに対応して移動可能な可動部材と、
    前記可動部材に取付けられて、前記光軸の方向に移動可能なレンズ枠と、
    前記光軸に対して直交する方向に延在する規制面と、前記規制面に当接する摺動部とにより、前記光軸に対して直交する平面内で前記可動部材の直線移動軌跡を画定する規制手段と、
    前記可動部材に対して、前記光軸の方向に前記レンズ枠を案内するガイド手段とを備え、
    前記可動部材には、前記規制手段の近傍に位置して前記ガイド手段が配置されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 前記規制面は、前記可動部材に設けられ、前記摺動部は、前記ベース部材に装着され、
    前記ガイド手段は、前記直線移動軌跡の延長線上に固定されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記可動部材と前記レンズ枠の一方に設けられるマグネットと、前記可動部材と前記レンズ枠の他方に設けられるコイルとからなると共に、前記レンズ枠を前記光軸の方向に移動させる複数のアクチュエータと、
    前記レンズ枠を前記可動部材側に付勢するための付勢手段とを更に備え、
    前記複数のアクチュエータは、平面視において、前記光軸を中心とした円周上で不均等に配置されると共に、前記光軸を通る基準線に対して鏡面対称の関係をもって配置され、前記付勢手段と前記ガイド手段とは、平面視において、前記基準線上に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
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