JP2015045795A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】追従ずれを低減可能なレンズ駆動装置を提供する。【解決手段】レンズ駆動装置1は、ベース部材2と、ベース部材2に配置され、光軸Cに対して直交する平面内で移動する可動部材12と、ベース部材2と可動部材12とに配置され、光軸Cに対して直交する方向に可動部材12を移動させる可動部材用駆動手段14と、ベース部材2に対して可動部材12を平面内で移動可能に支持する第1〜第3の支持部23A〜23Cと、を備える。第1〜第3の支持部23A〜23Cは、可動部材12を支持する球状体26と、ベース部材2に配置され、球状体26を取り囲んで、球状体26の移動を規制する筒状部材27と、を有し、筒状部材27の内周面27aには、潤滑めっき層M2が形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、光軸に対して直交する方向に撮像光学系を移動させて像振れを補正するレンズ駆動装置に関する。
従来、このような分野の技術として特許文献1がある。特許文献1には、コンパクトデジタルスチルカメラといったレンズ一体型の撮像装置などに適用可能な光学防振装置が開示されている。この光学防振装置は、防振レンズを保持するレンズ保持枠と、レンズ保持枠を光軸に直交する方向へ移動可能に支持するベース部材と、を備えている。レンズ保持枠とベース部材とにはそれぞれ、凹部としてのボール受け部が形成され、この凹部内にはレンズ保持枠の移動に伴って転動するボールが配置されている。
特許文献1のようにボールでレンズ保持枠を支持する光学防振装置では、レンズ保持枠が中立位置にあるとき、ボールは凹部の略中央に位置している。このボールの中立位置は、ボールとベース部材又はボールとレンズ保持枠の間に生じる滑りや、光学防振装置の外部から加わる振動や衝撃などによりずれることがある。そして、ボールの中立位置がずれた状態でレンズ保持枠が移動すると、ボール保持部の内壁にボールが当接する場合がある。
内壁にボールが接触した状態では、内壁とボールと間の摩擦力が大きくなる。摩擦力が大きくなるとレンズ保持枠を滑らかに動かすためには大きい駆動力を必要とするが、小型化された光学防振装置では、駆動力が小さく目標移動量に対して実際の移動量が相違することがある。従って、追従ずれが大きくなるおそれがある。
そこで、本発明は、追従ずれを低減可能なレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明に係るレンズ駆動装置は、枠体と、枠体に配置され、光軸に対して直交する平面内で移動する可動部材と、枠体と可動部材とに配置され、光軸に対して直交する方向に可動部材を移動させる可動部材用駆動手段と、枠体に対して可動部材を平面内で移動可能に支持する支持手段と、を備え、支持手段は、可動部材を支持する球状体と、枠体又は可動部材に配置され、球状体を取り囲んで、平面内での球状体の移動を規制する筒状部材と、を有し、筒状部材の内周面には、潤滑めっき層が形成されている。
本発明に係るレンズ駆動装置では、可動部材を支持する球状体が筒状部材に取り囲まれ、可動部材の移動に伴って転動した球状体が筒状部材の内周面に当接することにより、球状体の移動が規制される。
球状体が当接する筒状部材は、枠体及び可動部材とは別体であるため、枠体及び可動部材の構成材料とは別の特性を有する材料を選択して筒状部材を構成することができる。これによって、より硬質な樹脂材や金属材を選択することができ、衝撃等により球状体が筒状部材に衝突したとき、筒状部材の内周面に凹みが発生することを抑制できる。これにより、内周面の状態が平滑に保たれるため、内周面上における球状体の転がり抵抗の増加を抑制できる。従って、目標移動量に対して実際の移動量の減少が抑制され、追従ずれを低減することができる。
また、球状体が当接する筒状部材の内周面には、潤滑めっき層が形成されている。この潤滑めっき層によれば、内周面の摩擦係数が小さくなるため、球状体が筒状部材の内周面に対して滑るように転動する状態において、すべり抵抗の増加を抑制できる。従って、目標移動量に対する実際の移動量の減少が抑制され、追従ずれを低減することができる。
球状体が当接する筒状部材は、枠体及び可動部材とは別体であるため、枠体及び可動部材の構成材料とは別の特性を有する材料を選択して筒状部材を構成することができる。これによって、より硬質な樹脂材や金属材を選択することができ、衝撃等により球状体が筒状部材に衝突したとき、筒状部材の内周面に凹みが発生することを抑制できる。これにより、内周面の状態が平滑に保たれるため、内周面上における球状体の転がり抵抗の増加を抑制できる。従って、目標移動量に対して実際の移動量の減少が抑制され、追従ずれを低減することができる。
また、球状体が当接する筒状部材の内周面には、潤滑めっき層が形成されている。この潤滑めっき層によれば、内周面の摩擦係数が小さくなるため、球状体が筒状部材の内周面に対して滑るように転動する状態において、すべり抵抗の増加を抑制できる。従って、目標移動量に対する実際の移動量の減少が抑制され、追従ずれを低減することができる。
また、球状体と筒状部材とは、非磁性材料からなる。
この構成によれば、可動部材駆動手段の影響を受け難くなり、可動部材及び球状体をより滑らかに動かすことが可能となる。従って、追従ずれを一層低減することができる。
この構成によれば、可動部材駆動手段の影響を受け難くなり、可動部材及び球状体をより滑らかに動かすことが可能となる。従って、追従ずれを一層低減することができる。
また、筒状部材の外周面には、周方向に凹状の抜け止め部が形成されている。
この構成によれば、抜け止め部に接着剤あるいは樹脂材料を保持できるため、枠体又は可動部材に対する筒状部材の取付強度を高めることができる。
この構成によれば、抜け止め部に接着剤あるいは樹脂材料を保持できるため、枠体又は可動部材に対する筒状部材の取付強度を高めることができる。
本発明によれば、レンズ駆動装置の追従ずれを低減することができる。
レンズ駆動装置は、デジタルスチルカメラや携帯電話機或いはスマートフォン等に適用される装置であり、レンズを有する撮像光学系と光が結像される撮像素子との間の相対位置を変化させて手振れを補正する。以下の説明では、固定された撮像素子に対して撮像光学系を移動させる方式を採用したレンズ駆動装置を例に説明する。
図1に示されるように、レンズ駆動装置1は、撮像素子(不図示)であるCCD[Charge Coupled Device]イメージセンサや、CMOS[Complementary Metal Oxide Semiconductor]イメージセンサの前方に配置されて利用される。手振れ補正機能を有するレンズ駆動装置1は、枠体をなすボックス状のベース部材2と、レンズ(不図示)の焦点調整を行う撮像光学系3と、撮像光学系3を収容したベース部材2を閉鎖させる蓋部材4と、を備えている。
ベース部材2は、直方体箱状の部材であり、レンズの光軸Cを中心とする矩形の開口部2aと、光軸Cに直交して延在する支持面2bとを有している。この支持面2bには、レンズを透過した光が通過する開口部2cが光軸Cを中心にして設けられている。
撮像光学系3は、レンズを光軸Cの方向に移動させる焦点調整機構6と、焦点調整機構6を光軸Cと直交する平面内で移動させる手振れ補正機構7とを有している。焦点調整機構6は、単一又は複数のレンズ群(不図示)を保持するためのレンズ保持枠8と、レンズ保持枠8を光軸Cの方向に付勢する板バネ(不図示)と、レンズ保持枠8を光軸Cの方向に駆動する4個のレンズ枠用駆動手段11とを有している。焦点調整機構6は、レンズ枠用駆動手段11によりレンズ保持枠8を光軸Cの方向に移動させて、レンズの焦点を調整する。なお、焦点調整機構6は、画角を決定するズーム機構とすることもできる。
手振れ補正機構7は、焦点調整機構6を保持して光軸Cに対して直交する平面内で移動する可動部材12と、ベース部材2内における可動部材12の移動を規制する規制手段13(図2参照)と、可動部材12を移動させる可動部材用駆動手段14と、ベース部材2に対して可動部材12を移動可能に支持する支持手段16と、を有している。手振れ補正機構7は、可動部材用駆動手段14により焦点調整機構6を光軸Cと直交する平面内で移動させて手振れを補正する。
図3に示されるように、可動部材12は、焦点調整機構6を保持するものであり、支持手段16により支持された状態でベース部材2の内部に収容されている。可動部材12は、光軸Cを中心とする円形の開口部12aを有する直方体状の部材である。
図2に示されるように、規制手段13は、光軸Cに対して直交する平面内で可動部材12の移動を規制するものであり、光軸Cに対して直交する方向に移動する直線移動軌跡T1と、直線移動軌跡T1上の点を回転中心RCとして回転する回転移動軌跡T2との2個の移動軌跡により可動部材12の移動を規制する。
規制手段13は、ベース部材2に固定されたピン17と、可動部材12に設けられた長溝18とを有している。ピン17は、光軸Cの方向に延びる円柱状の部材である。ピン17の基端は、支持面2bの隅部に取り付けられている。
可動部材12の長溝18は、直線移動軌跡T1の方向を設定するものであり、対角線L1に沿って延びた断面矩形状をなす凹部である。長溝18は、ピン17が取り付けられた位置に対応するように形成されている。長溝18の長手方向と直交する方向の幅は、ピン17が長溝18の側面に対して摺動可能な幅に設定されている。また、長溝18は、長溝18の底面にピン17の上端面が接触しない深さになっている。
規制手段13によれば、可動部材12は、直線移動軌跡T1の方向へ案内されて直線移動できると共に、直線移動軌跡T1上に配置されるピン17を回転中心RCとする回転移動軌跡T2に沿って回転できる。つまり、可動部材12の位置は、1個の動径と1個の偏角とに基づく円座標系で表現されていることに相当する。この直線移動と回転との組み合わせによれば、支持面2b上の意図しない点を回転中心RCとした不要な回転の発生を抑制できるので、精度のよい手振れ補正を行うことができる。更に、規制手段13によれば、不要な回転による可動部材12の移動を補正するためのアクチュエータなどが不要であるため、レンズ駆動装置1の部品点数を増やすことなく小型化に寄与する。
なお、規制手段13の長溝18の断面は矩形状であるが、V字状であってもよい。また、ピン17が挿入される部分は溝に限定されず、断面矩形状をなす貫通穴であってもよい。さらに、ピン17は、ベース部材2と一体に成形されてもよく、ピン17に代えてベース部材2の支持面2bに設けられた断面半球状の凸部であってもよい。
可動部材用駆動手段14は、光軸Cと直交する方向に可動部材12を駆動するための第1〜第3のアクチュエータ19A〜19Cを有している。第1のアクチュエータ19Aは、対角線L1上において、長溝18に対して光軸Cを挟んで対向するように配置されている。第1のアクチュエータ19Aは、対角線L1に沿った方向成分を有する駆動力を可動部材12に印加している。
第2のアクチュエータ19Bと第3のアクチュエータ19Cとは、対角線L1と直交する別の対角線L2上に配置されている。第2のアクチュエータ19Bと第3のアクチュエータ19Cとは、光軸Cを挟んで互いに対向して配置されている。第2のアクチュエータ19Bと第3のアクチュエータ19Cとは、対角線L2に沿った方向成分を有する駆動力を可動部材12に印加している。
第1〜第3のアクチュエータ19A〜19Cは、それぞれ同様の構成を有するため、以下、第1のアクチュエータ19Aの構成を例に説明する。第1のアクチュエータ19Aは、可動部材12に配置されたマグネット21と、ベース部材2に配置されたコイル22とを有している。マグネット21とコイル22とは、互いに対面するように配置されている。
なお、第1のアクチュエータ19Aは、一方がマグネット21側に配置され、他方がコイル22側に配置された一対のヨーク板(不図示)を有していてもよい。このような構成によれば、マグネット21及びコイル22の磁路が確保される。また、コイル22が無通電状態であっても、マグネット21とヨーク板との間で磁気的引力が作用するため、可動部材12の位置が定位置に維持される。
支持手段16は、光軸Cと直交する方向に可動部材12を移動可能に支持するための3個の第1〜第3の支持部23A〜23Cを有している。第1〜第3の支持部23A〜23Cは、ベース部材2の開口部2cを囲むように90°以上の位相角をもって配置され、可動部材12を三点支持している。より詳細には、第1及び第2の支持部23A,23Bは、対角線L1を挟んで略線対称となるように、第1の支持部23Aが第1のアクチュエータ19Aと第3のアクチュエータ19Cとの間に配置され、第2の支持部23Bが第1のアクチュエータ19Aと第2のアクチュエータ19Bとの間に配置されている。また、第3の支持部23Cは、対角線L1上において、開口部12aと規制手段13との間に配置されている。
第1〜第3の支持部23A〜23Cは、互いに同様の構成を有するため、第1の支持部23Aを例に具体的な構成を説明する。
図3に示されるように、第1の支持部23Aは、一方が可動部材12に取り付けられ他方がベース部材2に取り付けられた一対の滑り板24と、一対の滑り板24に挟み込まれた球状体26と、球状体26を取り囲む断面円形の筒状部材27とを有している。
滑り板24は、オーステナイト系ステンレス鋼といった非磁性の金属製の板状部材である。滑り板24は、可動部材12又はベース部材2に接着固定される取付面24aと、取付面24aの反対側であり球状体26と接触する接触面24bとを有している。この接触面24bには、摩擦係数を低減し、且つ帯電を防止するためのフッ素を含む潤滑めっき層M1が形成されている。接触面24bの表面粗さは、算術平均粗さで0.15μm未満である。この接触面24bの表面粗さと球状体26の表面粗さとを比較すると、球状体26の表面粗さが接触面24bの表面粗さよりも小さくなっている。
球状体26は、タングステンといった非磁性の金属製の球体である。球状体26は、JIS B 1501に規定されている等級G20に対応し、真球度が0.5μmである。球状体26の表面粗さは、算術平均粗さで0.1μm以下であり、より好ましくは0.01μm以下である。
図3及び図4に示されるように、筒状部材27は、球状体26を取り囲んで、光軸Cに直交する平面内での球状体26の移動を規制するものである。筒状部材27は、ベース部材2の支持面2bに形成された凹部2dにはめ込まれて、ベース部材2に対して接着剤AHにより接着固定されている。筒状部材27は、内径が球状体26の直径よりも大きくなっており、軸方向の長さが球状体26の直径よりも短くなっているため、筒状部材27内において球状体26が滑り板24上で転動可能になっている。また、筒状部材27は、初期状態において、光軸Cの方向における筒状部材27の中央が、光軸Cの方向における球状体26の中央と略一致するように配置されている。
筒状部材27は、タングステンといった非磁性でありベース部材2を構成する樹脂材料よりも硬質な金属製の部材である。この筒状部材27の内周面27a及び外周面27bには、滑り板24と同様に、摩擦係数を低減し且つ帯電を防止するためのフッ素を含む潤滑めっき層M2が形成されている。また、筒状部材27の外周面27bには、接着剤AHを保持するための溝状の接着剤溜まり(抜け止め部)ACが形成されている。筒状部材27は、凹部2dへのはめ込みと、接着剤溜まりACに保持された接着剤AHとによりベース部材2に対して固定されている。
図1に示されるように、蓋部材4は、ベース部材2の開口側の縁部に固定され、光軸Cを中心とする円形の開口部を有する板状の部材である。蓋部材4には、磁場検出素子であるホール素子28が配置されている。ホール素子28は、可動部材12に配置されたレンズ枠用駆動手段11のマグネットの磁界を検知する。これらのホール素子28は互いに90度の位相角をもって配置されているので、光軸Cと直交する平面内における可動部材12の位置を検出できる。
次に、レンズ駆動装置1の動作について説明する。レンズ駆動装置1が組み込まれた機器(例えば携帯電話機のカメラ)で撮影しているときに手振れが発生すると、光軸Cの位置が変化することがある。
この場合、ジャイロセンサなどのセンサが手振れを検知し、制御手段(不図示)は、撮像素子上における光軸Cの位置が所定の位置に維持されるように手振れ補正機構7を駆動させるための制御信号を第1〜第3のアクチュエータ19A〜19Cに出力する。この場合、図2に示されるように、第1のアクチュエータ19Aは、制御信号を受信すると駆動力を発生させ、可動部材12を直線移動軌跡T1の方向に直線移動させる。第2のアクチュエータ19Bと第3のアクチュエータ19Cは、制御信号を受信すると駆動力を発生させ、可動部材12を回転移動軌跡T2の方向に回転させる。
この直線移動及び回転により、光軸Cの位置が所定の位置に移動する。このとき、可動部材12は、規制手段13により移動が規制され、直線移動による1個の自由度と、回転による1個の自由度とを合計した2個の自由度を有している。このため、可動部材12は、光軸Cの位置を所定範囲内の所望の位置に移動させることができる。この移動により、撮像素子(例えばCMOS)上における光軸Cの位置が所定の位置に維持され、手振れが補正される。
手振れ補正中における支持手段16の動作について、第1の支持部23Aを例に説明する。図3に示されるように、初期状態において球状体26は、筒状部材27の略中央に配置され、球状体26と筒状部材27の内周面27aの間には所定の隙間が形成されている。ここで、レンズ駆動装置1の外部から振動や衝撃が印加された場合等に、球状体26が筒状部材27の中央からずれた位置にあり、内周面27aに接触することがある。
図5(a)に示されるように、球状体26が内周面27aに接触した状態からさらに可動部材12が、光軸Cに直交する矢印R1の方向に移動する状態が想定し得る。
図5(a)に示される状態では、可動部材12側の滑り板24上を球状体26が滑らずに移動する場合、換言すると可動部材12側の滑り板24上を球状体26が転がるように移動する場合がある。転がり移動における抵抗力は、球状体26及び滑り板24の表面形状や、表面粗さ及び硬さ等に基づく転がり抵抗による。
また、図5(a)に示される状態では、可動部材12側の滑り板24が球状体26上を滑るように移動する場合がある。滑り移動による抵抗力は、球状体26及び滑り板24の接触面24b表面形状、表面粗さ及び摩擦係数等に基づく球状体26に対する滑り板24の滑り抵抗による。
さらに、別の状態として、図5(b)に示されるように、球状体26が内周面27aに接触した状態において、可動部材12側の滑り板24の移動に伴い、球状体26が内周面27aに沿って円弧状の軌跡を描くように矢印R2の方向へ移動する状態が想定し得る。
この状態では、球状体26が内周面27a上を転がるように移動する場合がある。転がり移動における抵抗力は、球状体26及び内周面27aの表面形状や表面粗さ等に基づく転がり抵抗による。
また、球状体26が内周面27a上を滑るように移動する場合がある。滑り移動における抵抗力は、球状体26及び内周面27aの表面形状、表面粗さ及び摩擦係数等に基づく滑り抵抗による。
上述のレンズ駆動装置1では、可動部材12を支持する球状体26が筒状部材27に取り囲まれ、可動部材12の移動に伴って転動した球状体26が筒状部材27の内周面27aに当接することにより、球状体26の移動が規制される。
球状体26が当接する筒状部材27は、ベース部材2及び可動部材12とは別体であるため、ベース部材2及び可動部材12の構成材料とは別の特性を有する材料を選択して筒状部材27を構成することができる。これによって、より硬質なタングステンといった金属材を選択することができ、衝撃等により球状体26が筒状部材27に衝突したとき、筒状部材27の内周面27aに凹みが発生することを抑制できる。これにより、内周面27aの状態が平滑に保たれるため、内周面27a上における球状体26の転がり抵抗の増加を抑制できる。従って、目標移動量に対する実際の移動量の減少が抑制され、追従ずれを低減することができる。
また、球状体26が当接する筒状部材27の内周面27aには、潤滑めっき層M2が形成されている。この潤滑めっき層M2によれば、内周面27aの摩擦係数が小さくなるため、球状体26が筒状部材27の内周面27aに対して滑るように転動する状態において、すべり抵抗の増加を抑制できる。従って、目標移動量に対する実際の移動量の減少が抑制され、追従ずれを低減することができる。
また、球状体26と筒状部材27とは、非磁性材料であるタングステンからなる。この構成によれば、可動部材用駆動手段14が有するマグネット21の影響を受け難くなり、可動部材12及び球状体26をより滑らかに動かすことが可能となる。従って、追従ずれを一層低減することができる。
また、筒状部材27の外周面27bには、周方向に凹状の接着剤溜まりACが形成されている。フッ素を含む潤滑めっき層M2は接着剤AHとの密着性が低い場合があるが、この構成によれば、接着剤溜まりACに接着剤AHを確実に保持できるため、ベース部材2に対する筒状部材27の取付強度を高めることができる。
また、筒状部材27は円筒形状であるため、球状体26の中心を筒状部材27の中心軸上に合せる原点復帰を容易に実施できる。
より詳細には、例えば、球状体26が筒状部材27の内周面27aに当接するまで可動部材12を所定の方向に移動させた後に、可動部材12を筒状部材27の半径だけ逆の方向に移動させる。続いて、球状体26が筒状部材27の内周面27aに当接するまで可動部材12を所定の方向と直交する別の方向に移動させた後に、可動部材12を筒状部材27の半径だけ逆の方向に移動させる。この場合、筒状部材27が円筒形状であるため、筒状部材27の中心軸から内周面27aまでの距離は、所定の方向と別の方向とのいずれにおいても互いに等しい。従って、上記工程を実施することにより球状体26の中心を筒状部材27の中心軸上に合せることができる。
また、筒状部材27は、より剛性の高いベース部材2に取り付けられているため、筒状部材27に対してレンズ駆動装置1に印加される衝撃や振動により長い減衰振動が作用することを抑制できる。従って、筒状部材27が受ける衝撃や振動の影響を抑制できる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。
支持手段16は、3個の第1〜第3の支持部23A〜23Cを有していたが、4個以上の支持部を有していてもよい。
また、筒状部材27は、円筒形状を有していたが、断面が六角形や八角形といった多角形の筒形状であってもよい。
また、手振れ補正機構7の可動部材12は、ベース部材2に支持されてベース部材2に対して移動するようになっていたが、この構成に限定されることはない。図示しないが、レンズ駆動装置1では、ベース部材2に焦点調整機構6を介して光軸C方向に移動する枠体が保持されていてもよい。この枠体には、支持手段16を介して、可動部材12が光軸Cに対して直交する平面内で移動可能に配置されている。可動部材12には、レンズが取り付けられている。
また、可動部材用駆動手段14は、ベース部材2にコイル22を配置し、可動部材12にマグネット21を配置していたが、ベース部材2にマグネット21を配置し、可動部材12にコイル22を配置してもよい。
また、可動部材12は規制手段13によって移動を規制されていたが、規制手段13による特定の移動軌跡を有することに限定されない。
筒状部材27は、抜け止め部ACに保持された接着剤を用いてベース部材2に取り付けられていたが、ベース部材2と一体成型してもよい。この場合であっても、ベース部材2の樹脂材料が筒状部材27の抜け止め部ACに入り込んで保持できるので、ベース部材2に対する筒状部材27の取付強度を高めることができる。筒状部材27と可動部材12との一体成型であってもよい。
1…レンズ駆動装置、2…ベース部材(枠体)、12…可動部材、14…可動部材用駆動手段、16…支持手段、21…マグネット、22…コイル、23A…第1の支持部、23B…第2の支持部、23C…第3の支持部、26…球状体、27…筒状部材、AC…接着剤溜まり(抜け止め部)、C…光軸、M1,M2…潤滑めっき層。
Claims (3)
- 枠体と、
前記枠体に配置され、光軸に対して直交する平面内で移動する可動部材と、
前記枠体と前記可動部材とに配置され、前記光軸に対して直交する方向に前記可動部材を移動させる可動部材用駆動手段と、
前記枠体に対して前記可動部材を前記平面内で移動可能に支持する支持手段と、
を備え、
前記支持手段は、
前記可動部材を支持する球状体と、
前記枠体又は前記可動部材に配置され、前記球状体を取り囲んで、前記平面内での前記球状体の移動を規制する筒状部材と、
を有し、
前記筒状部材の内周面には、潤滑めっき層が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記球状体と前記筒状部材とは、非磁性材料からなることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
- 前記筒状部材の外周面には、周方向に凹状の抜け止め部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ駆動装置。
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