JP4262769B1 - アクチュエータ、撮像機器、及び電子機器 - Google Patents

アクチュエータ、撮像機器、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐衝撃性と撮像機器の小型化・薄型化とを実現する。
【解決手段】本発明のアクチュエータは、撮像対象となる物体を結像する光学部材16と、光学部材16を保持するホルダ15と、光学部材16を光軸方向に移動するための磁気回路と、磁気回路を支持するベース18とを備えている。磁気回路は、コイル14及びマグネット12を備え、コイル14及びマグネット12のうち一方がホルダ15に取り付けられ、他方がベース18に取り付けられている。ホルダ15とベース18との間隙には、球状体17が配されており、球状体17は、ホルダ15の光軸方向の移動により、回転自在になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネット、コイル、及び磁性体から構成される磁気回路を備えたアクチュエータ、撮像機器、及び電子機器に関するものである。
近年、携帯電子機器に内蔵されるカメラは高画質化が図られており、撮像素子の高画素化が進んでいる。そして、このような携帯電子機器においては、撮像機器(カメラ)に画質向上のために必要なオートフォーカス機能を搭載する傾向が多く見受けられる。オートフォーカスを行うためには、一般的には内部の光学系を移動させる必要がある。ここで、光学系を駆動するためのアクチュエータとしては、マグネットとコイルとを用いた磁気回路が利用されている。そして、光学系を駆動する方式としては、磁気回路による電磁誘導現象により、コイル、若しくはマグネットを駆動するボイスコイル方式が広く用いられている。
また、ボイスコイル方式のアクチュエータにおいて、光学系を保持するホルダを支持する方法としては、ホルダに2枚の板バネを取り付けることで平行板バネを形成する方法が一般的に用いられている。そして、この平行板バネは、コイルに電流を印加した際の電磁誘導現象により発生した推力によって変形し、ホルダを光軸方向に変位させている。
例えば特許文献1には、このような平行板バネを用いた光学系のオートフォーカス機構における部品配置が開示されている。特許文献1では、光軸方向に撮像レンズを移動可能に支持しているオートフォーカスアクチュエータが提案されている。
特開2006−50693号公報(平成18年2月16日公開)
しかしながら、上記特許文献1に開示された、従来の平行板バネを用いたアクチュエータを投影面積縮小化、薄型化(光軸方向の高さを小さくする)した場合、以下の問題を生じる。
すなわち、従来のアクチュエータでは、光学系を保持するホルダが平行板バネにより保持されているので、アクチュエータを小型化していくと、平行板バネの強度が低下してしまうという問題が生じる。以下、平行板バネの強度の低下について、さらに詳述する。
まず、従来の平行板バネを用いたボイスコイル型アクチュエータの構成について、図12を参照して、説明する。図12は、従来のアクチュエータの要部構成を示す断面図である。
図12に示されたアクチュエータは、一般的な携帯電子機器に搭載された撮像機器のオートフォーカスに用いられている。図12に示されるように、従来のアクチュエータは、一対の板バネ10と、円筒型のマグネット12と、円筒型のヨーク13と、コイル14と、光学部材16を保持する円筒型のホルダ15とを備えている。円筒型のヨーク13の内部には、マグネット12及びコイル14が設けられている。そして、コイル14の内部に、ホルダ15が固定されている。ホルダ15の光軸方向両側には、一対の板バネ10が設けられている。そして、ホルダ15は、この板バネ10により固定支持されており、板バネ10が変形することで光軸方向に移動可能になる。ここで、コイル14に電流が印加されると、マグネット12とコイル14との間に電磁誘導現象が起きて、図12に示された矢印方向(光軸方向)にホルダ15が移動するようになっている。
最近の携帯電子機器用の撮像機器の小型化・薄型化の進展に伴い、オートフォーカスアクチュエータ自体の小型化・薄型化が要求されてきている。この要求を満たすために、アクチュエータにおける磁気回路部分の体積を小さくせざるを得ない。それゆえ、アクチュエータを小型化・薄型化すると、磁気回路の効率が低下するという問題がある。その結果、磁気回路における電流あたりの推力が低下してしまう。そして、この推力の低下に対応するため、図12に示されたボイスコイル型アクチュエータにおいては、ホルダ15を支持する一対の板バネ10のバネ定数を小さくする必要がある。
ここで、一般的に、板バネ10のバネ定数を小さくする手法としては、(i) バネ部分の長さを長くする、(ii)バネ幅を細くする、または(iii) 板バネ10の板厚を薄くするという手法が挙げられる。
(i) バネ部分の長さを長くする手法では、アクチュエータの投影面積が大きくなるという問題がある。それゆえ、上記(i) の手法を採用することは、アクチュエータサイズの制約上、困難である。
また、(ii)バネ幅を細くする手法、または(iii) 板バネ10の板厚を薄くする手法では、板バネ10の強度低下につながる。その結果、上記(ii)または(iii) の手法を採用した場合、携帯電子機器用撮像機器の落下時に発生する衝撃によりホルダ15が光軸方向以外の方向に振動したとき、ホルダ15に取り付けられた板バネ10が塑性変形するという懸念がある。そして、板バネ10が塑性変形することにより、アクチュエータの動作異常が起きるおそれがある。また、光学系の撮像素子に対するチルトが増大し、撮像画像が劣化するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐衝撃性に優れ、かつ撮像機器の小型化・薄型化を実現できるアクチュエータ、撮像機器、及び電子機器を提供することにある。
本発明に係るアクチュエータは、上記の課題を解決するために、撮像対象となる物体を結像する光学部材と、上記光学部材を保持するホルダと、上記光学部材を光軸方向に移動するための磁気回路と、上記磁気回路を支持する支持体とを備えたアクチュエータであって、上記磁気回路は、コイル及びマグネットを備え、コイル及びマグネットのうち一方が上記ホルダに取り付けられ、他方が上記支持体により支持されており、上記ホルダと上記支持体との間隙には、球状体が配されており、上記球状体は、上記ホルダの光軸方向の移動により、回転するようになっているとともに、光軸方向に移動するホルダの物体側の面に接触し、かつ、ホルダに対し、該ホルダの光軸方向の移動量に比例した弾性力を与える1つの弾性部材がホルダに取り付けられており、上記球状体と上記1つの弾性部材との両方により、上記ホルダの光軸方向移動が支持されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記ホルダと上記支持体との間隙には、球状体が配されており、上記球状体は、上記ホルダの光軸方向の移動により、回転するようになっている。本発明に係るアクチュエータは、従来のアクチュエータのような、ホルダが一対の板バネに固定支持され、この一対の板バネによりホルダの光軸方向の移動が支持された構成になっていない。それゆえ、上記の構成では、従来のアクチュエータのような「ホルダを固定保持する一対の板バネの強度低下」という問題は招来しない。
従って、上記の構成によれば、アクチュエータを小型化しても、従来のように板バネのバネ定数を小さくする必要がなく、耐衝撃性に優れたアクチュエータを実現することが可能になる。つまり、耐衝撃性に優れ、かつ撮像機器の小型化・薄型化を実現できるアクチュエータを提供することができる。
また、本発明に係るアクチュエータは、上記支持体には、ホルダが挿通する挿通溝が形成されており、上記ホルダの側面と上記挿通溝の内壁面との両方に接するように、上記球状体が配されている構成であってもよい。
上記の構成によれば、上記ホルダの側面と上記挿通溝の内壁面との両方に接するように、上記球状体が配されているので、ホルダが光軸方向に移動すると、ホルダの側面との摩擦により球状体が回転する。そして、光軸方向の移動に対しては、この球状体の回転による摩擦力でホルダを支持することが可能になる。一方、ホルダの光軸方向に垂直な方向の変位は、該ホルダの側面に接する球状体により規制されることになる。
従来のアクチュエータでは、一対の板バネは、ホルダの光軸方向の移動のみを支持しており、光軸方向以外の方向の変位に対しては、支持する(規制する)部材が設けられていなかった。これに対し、上記の構成によれば、球状体が、ホルダの光軸方向以外の方向の変位を規制している。それゆえ、従来のアクチュエータと比較して、携帯電子機器用撮像機器の落下時に発生する衝撃により、ホルダが光軸方向以外の方向に振動することがなくなる。
また、本発明に係るアクチュエータでは、上記球状体が複数配されており、各球状体同士は、光軸方向から見て、ホルダを挟むように離間した位置関係になっていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記球状体が複数配されているので、球状体とホルダ側面との接触面積が大きくなり、ホルダ側面に生じる摩擦力が大きくなる。また、各球状体同士は、光軸方向から見て、ホルダを挟むように離間した位置関係になっているので、球状体とホルダ側面との接触面が、ホルダの光軸(中心軸)に対し対称な位置に配され、光軸方向に垂直な方向において支持が偏ることがなく、より正確な光軸方向の移動支持が可能になる。
特に、各球状体同士は、上記光軸方向に対し垂直な同一面上に配されていることが好ましい。これにより、さらに正確な光軸方向の移動支持が可能になる。
また、本発明に係るアクチュエータでは、上記ホルダの側面には、窪み部が形成されており、上記窪み部の内壁面と上記支持体とにより、上記球状体を収容可能な空間が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記窪み部の内壁面と上記支持体とにより、上記球状体を収容可能な空間が形成されているので、ホルダが光軸方向に移動する際に、球状体がホルダ側面から離れることなく、ホルダ側面と球状体との接触がより確実になる。また、アクチュエータの小型化が可能になる。
また、本発明に係るアクチュエータでは、光軸方向に移動するホルダの物体側の面に接触し、かつ、ホルダに対し、該ホルダの光軸方向の移動量に比例した弾性力を与える弾性部材が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、弾性部材が光軸方向に移動するホルダの物体側の面に接触すると、光軸方向移動するホルダに対し、その移動量に比例した弾性力が発生する。上記の構成では、上記磁気回路による電磁誘導でホルダに発生した推力と、弾性部材に発生した弾性力とが釣り合いにより、ホルダの位置が保持されるようになっている。それゆえ、ホルダの位置とコイルに印加される電流値とは比例関係になり、この比例関係は、従来のアクチュエータと同様になる。従って、上記の構成によれば、従来と異なる特別な位置制御(例えば、別途位置センサーを設ける)を行う必要がなく、従来採用されてきた位置制御方法を転用することができる。それゆえ、撮像機器の低コスト化及び小型化を実現することができる。
また、弾性部材は、光軸方向に移動するホルダの物体側の面に接触し、かつ、ホルダに対し、該ホルダの光軸方向の移動量に比例した弾性力を与えるようになっていればよい。ホルダは球状体により支持されているので、従来のアクチュエータのように、ホルダが板バネに固定支持された構成である必要がない。
例えば、上記弾性部材は、光軸方向移動するホルダに対し、滑り可能に接触していることが好ましい。これにより、ホルダが板バネに固定支持された従来の構成と比較して、携帯電子機器用撮像機器の落下時のホルダの振動による、弾性部材の塑性変形が低減される。
また、本発明に係るアクチュエータでは、上記球状体が複数配されており、各球状体同士は、上記光軸方向に対し垂直な同一面上に配されており、上記弾性部材は、上記平面に対し光軸方向に離間して配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、磁気回路による上記ホルダの光軸方向移動を円滑にするために、各球状体同士は、上記光軸方向に対し垂直な同一面上に配されており、ただ1つの上記弾性部材が上記平面に対し光軸方向に離間して配置されている。
従来のアクチュエータでは、ホルダが一対の板バネ、すなわち2つの板バネに固定支持されているので、ホルダの光軸方向移動支持に必要なバネ定数は、2つの板バネにより合成されるバネ定数になる。それゆえ、従来の構成では、ホルダの光軸方向移動支持のために、個々の板バネの強度が弱くなってしまう。一方、上記の構成によれば、弾性部材がただ1つ配置されているので、ホルダの光軸方向移動支持に必要なバネ定数を1つの弾性部材のバネ定数で設計することができる。このため、従来の構成と比較して、上記の構成によれば、弾性部材のバネ定数を大きく設計し、弾性部材の強度を大きくすることができるので、従来のアクチュエータのような「ホルダを固定保持する一対の板バネの強度低下」という問題は招来しない。
また、本発明に係るアクチュエータでは、上記支持体は、上記磁気回路における光軸方向の一端を支持する第1の支持体と、他端を支持する第2の支持体とを備え、上記球状体は、上記ホルダと上記第1の支持体との間隙、及び上記ホルダと上記第2の支持体との間隙の何れかの間隙に配されていることが好ましい。このような構成においても、弾性部材のバネ定数を大きく設計し、弾性部材の強度を大きくすることができるので、従来のアクチュエータのような「ホルダを固定保持する一対の板バネの強度低下」という問題は招来しない。
また、本発明に係るアクチュエータでは、上記磁気回路は、さらに強磁性を有する磁性体を備え、上記磁性体は、上記支持体に取り付けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記磁気回路は、さらに強磁性を有する磁性体を備え、上記磁性体は、上記支持体に取り付けられているので、アクチュエータ外部に発生するマグネットの漏洩磁束を小さくすることができる。また、アクチュエータの磁気回路の効率を向上することもできるため、電流あたりの推力を向上させることができる。
上記のように、強磁性を有する磁性体を備えた磁気回路の構成としては、例えば、以下の構成が挙げられる。
すなわち、本発明に係るアクチュエータでは、上記磁気回路は、上記ホルダ外周に設けられたコイル、上記コイルの周囲に配された上記マグネット及び上記磁性体とで構成されていてもよい。この構成により、アクチュエータ外部に発生するマグネットの漏洩磁束を小さくすることができる。
また、本発明に係るアクチュエータでは、上記磁気回路は、上記ホルダ外周に設けられたマグネット、上記マグネットの周囲に配された上記コイル及び上記磁性体とで構成されていてもよい。
特に、上記の構成では、マグネットがホルダ外周に設けられ、コイルが上記マグネットの周囲に配されているので、可動部としてのホルダに給電用のワイヤを設ける必要がなく、構造を簡素化することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るアクチュエータでは、上記球状体は非磁性材料からなることが好ましい。
このように上記球状体は非磁性材料からなるので、球状体は、アクチュエータ内部の磁気回路による磁束分布に対し影響を与えなくなる。また、上記の構成によれば、アクチュエータ組立に際し、球状体がマグネットに吸着することがなく、組立作業性の向上を図ることができる。
また、本発明に係るアクチュエータでは、マグネット、及びコイルを光軸方向に挟んで、2つの上記支持体が設けられており、2つの支持体と、マグネットとにより、コイルの光軸方向の移動を制限する空間が形成されていることが好ましい。
このように、2つの支持体と、マグネットとにより、コイルの光軸方向の移動を制限する空間が形成され、コイルが移動する空間が確保されているので、アクチュエータをより小型化することが可能になる。
また、本発明に係る撮像機器は、上記の課題を解決するために、上述のアクチュエータと、光学部材により結像された画像を電気信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴としている。これにより、耐衝撃性に優れ、かつ小型化・薄型化した撮像機器を実現することが可能になる。
本発明に係る電子機器は、上記の課題を解決するために、上記撮像機器を備えたことを特徴している。これにより、耐衝撃性に優れ、かつ小型化・薄型化した撮像機器を備えた電子機器を実現することが可能になる。
本発明に係るアクチュエータは、以上のように、上記ホルダと上記支持体との間隙には、非磁性材料からなる球状体が配されており、上記球状体は、上記ホルダの光軸方向の移動により、回転するようになっているとともに、光軸方向に移動するホルダの物体側の面に接触し、かつ、ホルダに対し、該ホルダの光軸方向の移動量に比例した弾性力を与える1つの弾性部材がホルダに取り付けられており、上記球状体と上記1つの弾性部材との両方により、上記ホルダの光軸方向移動が支持されている構成である。
また、本発明に係る撮像機器は、以上のように、上記アクチュエータを備えた構成である。
また、本発明に係る電子機器は、以上のように、上記撮像機器を備えた構成である。
それゆえ、従来のアクチュエータのような「ホルダを固定保持する一対の板バネの強度低下」という問題は招来しない。
従って、アクチュエータを小型化しても、従来のように板バネのバネ定数を小さくする必要がなく、耐衝撃性に優れたアクチュエータを実現することが可能になる。つまり、耐衝撃性に優れ、かつ撮像機器の小型化・薄型化を実現できる。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図3に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
図1〜図3は、本実施形態のアクチュエータ(以下、本アクチュエータと記す)の要部構成を示し、図1は分解斜視図であり、図2は斜視図であり、図3は断面図である。
図1〜図3に示されるように、本アクチュエータは、上側ガイド(支持体;第1の支持体)9、板バネ(弾性部材)11、マグネット12、ヨーク(磁性体)13、コイル14、光学部材16を保持するホルダ15、球状体17、及びベース(支持体;第2の支持体)18を備えている。
本アクチュエータは、例えば携帯電話等の携帯電子機器に搭載された撮像機器のオートフォーカスに用いられている。すなわち、本アクチュエータは、撮像機器の撮像対象となる物体を光学部材16により結像するようになっている。そして、撮像素子19にて、光学部材16にて結像された画像を、電気信号に変換するようになっている。なお、本明細書では、光学部材16が物体を結像する方向(光学部材16と物体とを結ぶ直線の方向)を「光軸方向」とする。そして、この「光軸方向」において、撮像対象となる物体側を単に「物体側」とし、物体側と反対側を「像面側」とする。
ヨーク13は円筒形状になっている。このヨーク13の円筒形状内に収容されるように、ホルダ15が配置されている。すなわち、ヨーク13は、ホルダ15の周囲に配置されている。そして、円筒形状のヨーク13の内壁には、円筒形状のマグネット12が接着剤により固定されている。また、光学部材16を保持するホルダ15は、コイル14内に収容されるように、コイル14と一体的に固定されている。
本アクチュエータにおいては、マグネット12、ヨーク13、及びコイル14が磁気回路を構成している。すなわち、コイル14に電流が印加されると、マグネット12とコイル14との間に電磁誘導現象が起きる。そして、この電磁誘導現象により、コイル14に一体的に固定されているホルダ15に対して光軸方向の推力が発生する。そして、この推力により、ホルダ15が光軸方向に移動するようになる。また、ホルダ15に発生する推力は、コイル14に印加される電流量に比例する。
また、マグネット12、ヨーク13、及びコイル14を光軸方向に挟んで、上側ガイド9及びベース18が設けられている。上側ガイド9は、物体側に配されており、ベース18は、像面側に配されている。上側ガイド9及びベース18にはそれぞれ、コイル14と一体的に固定されたホルダ15が光軸方向に移動可能になるように、挿通溝9a及び18aが形成されている。また、ベース18は、物体側にヨーク13を固定し、像面側に撮像素子19を固定している。上側ガイド9は、ベース18及びヨーク13に固定されている。
また、図3に示されるように、本アクチュエータでは、上側ガイド9と、マグネット12と、ベース18とにより空間が形成されており、この空間内にコイル14が収容されるようになっている。それゆえ、ホルダ15が光軸方向に移動するとき、該ホルダ15に固定されたコイル14は、上側ガイド9の像面側の面に当接することで、光軸方向物体側の移動が制限される。また、コイル14は、ベース18の物体側の面に当接することで、光軸方向像面側の移動が制限される。すなわち、上側ガイド9及びベース18は、コイル14の光軸方向の移動を制限するという機能を備えている。
また、図3に示された構成では、コイル14が上側ガイド9及びベース18に当接することでホルダ15の光軸方向の移動が制限されていたが、ホルダ15の光軸方向の移動を制限する構成は、図3に示された構成に限定されない。例えば、ホルダ15の一部が上側ガイド9及びベース18に当接する構成であってもよい。具体的には、ホルダ15の側面に上側ガイド9及びベース18と当接可能なストッパ部が設けられ、このストッパ部によりホルダ15の光軸方向の移動が制限された構成である。この構成では、コイル14が上側ガイド9及びベース18と直接当接することがなく、コイル14の変形やコイル線の被膜破れを防止することができる。
その一方で、本アクチュエータは、光学部材16を保持するホルダ15の光軸方向の移動が、上側ガイド9及びベース18双方に形成された挿通溝により案内されるような構造になっている。それゆえ、ホルダ15に対して、上側ガイド9及びベース18(双方に形成された挿通溝)は、ホルダ15の光軸方向の移動を案内するガイド部としての機能を備えている。
本アクチュエータは、ホルダ15の側面(光軸方向に並んだ面を上面・下面とした場合)に接するように球状体17が配されていることを特徴としている。この球状体17は、ホルダ15が光軸方向に移動すると、ホルダ15の側面との摩擦により回転する。そして、光軸方向の移動に対しては、この球状体17の回転による摩擦力でホルダ15を支持することが可能になる。一方、ホルダ15の光軸方向に垂直な方向の変位は、該ホルダ15の側面に接する球状体17により規制されることになる。
本アクチュエータは、このようにホルダ15の光軸方向における支持のために、ホルダ15の側面に接する球状体17が用いられている。それゆえ、従来のアクチュエータのような「ホルダを固定保持する一対の板バネの強度低下」という問題は招来しない。
つまり、従来のアクチュエータでは、ホルダは、一対の板バネに固定支持されており、この一対の板バネによりホルダの光軸方向の移動が支持されていた。それゆえ、アクチュエータを小型化していくと、(磁気回路部分の体積を小さくし)板バネのバネ定数を小さくしなければならなかった。従って、従来のアクチュエータでは、小型化していくと板バネの強度が低下し、携帯電子機器用撮像機器の落下に対する耐衝撃性が小さくなるという問題が生じる。
一方、本アクチュエータでは、ホルダ15は、その側面で接する球状体17により、光軸方向の移動が支持されており、従来のように一対の板バネに固定支持されていない(ホルダに固定支持された一対の板バネそのものが設けられていない)。それゆえ、アクチュエータを小型化しても、従来のように板バネのバネ定数を小さくする必要がなく、耐衝撃性に優れたアクチュエータを実現することが可能になる。
また、従来のアクチュエータでは、一対の板バネは、ホルダの光軸方向の移動のみを支持しており、光軸方向以外の方向の変位に対しては、支持する(規制する)部材が設けられていなかった。これに対し、本アクチュエータでは、球状体17が、ホルダ15の光軸方向以外の方向の変位を規制している。それゆえ、従来のアクチュエータと比較して、携帯電子機器用撮像機器の落下時に発生する衝撃により、ホルダ15が光軸方向以外の方向に振動することがなくなる。
本アクチュエータにおいては、この球状体17がホルダ15の側面に接するように配されていれば、ホルダ15が光軸方向に移動したときに、球状体17とホルダ15側面との間に摩擦力が生じる。それゆえ、本アクチュエータは、球状体17がホルダ15の側面に接するように配されている構成であれば、特に限定されない。
また、本アクチュエータに備えられる球状体は、磁気回路部分の体積、磁気回路に印加される電流量等に応じて適宜設定可能である。例えば、この球状体の数としては、ホルダ側面において、物体側と像面側との両側にそれぞれ、少なくとも3個球状体が配されていればよい。物体側と像面側との両側にそれぞれ、球状体が2個配された構成では、ホルダが光軸方向に移動する際に、ホルダの位置が不安定になるため好ましくない。
また、球状体17とホルダ15側面との接触面積が大きくなると、ホルダ15側面に生じる摩擦力が大きくなる。つまり、本アクチュエータでは、ホルダ15の光軸方向の移動支持の強さは、球状体17とホルダ15側面との間で発生する摩擦力(接触面積)に比例している。それゆえ、球状体17とホルダ15側面との接触面積を適宜設定することで、アクチュエータの磁気回路部分の体積、磁気回路に印加される電流量に対応した構成を実現できる。
また、本アクチュエータは、光軸方向から見て、各球状体同士がホルダ15を挟むように離間した構成であることが好ましい。このような構成とすることで、球状体17とホルダ15側面との接触面が、ホルダ15の光軸(中心軸)に対し対称な位置に配され、光軸方向に垂直な方向において支持が偏ることがなく、より正確な光軸方向の移動支持が可能になる。
また、本アクチュエータにおける球状体17は、強磁界中でその配置が影響せず、磁気回路による磁束分布に対し影響を与えない材料、すなわち非磁性材料からなることが好ましい。球状体17の材料としては、例えば、セラミック、真鍮、ガラス、非磁性ステンレス鋼等が挙げられる。
本アクチュエータにおける、球状体17の数及び配置の一例が図1〜図3に示されている。図3に示されるように、球状体17は、物体側にヨーク13が固定されたベース18とホルダ15との間隙に配されている。そして、この球状体17は3個配置されており、図1に示されるように、光軸方向において、これら3個の球状体17でホルダ15を挟むように配されている。すなわち、3個の球状体17はそれぞれ、光軸方向において、ホルダ15の中心から略120°の位置に配されている(3個の球状体17を結んで形成される図形が正三角形になっている)。
また、球状体17は、上側ガイド9とホルダ15との間隙にも配されている。そして、ベース18とホルダ15との間隙における球状体17の配置と同様に、3個の球状体17がそれぞれ、光軸方向において、ホルダ15の中心から略120°の位置に配されている。
さらに、ホルダ15側面における、上側ガイド9及びベース18と対向する位置にはそれぞれ、窪み部15aが形成されている。そして、この窪み部15a内壁と、上側ガイド9の挿通溝9a内壁とにより形成される空間内に球状体17が収容されている。同様に、窪み部15a内壁と、ベース18の挿通溝18a内壁とにより形成される空間内に球状体17が収容されている。それゆえ、ホルダ15が光軸方向に移動するときには、球状体17は、これら空間内で回転することになり、窪み部15a内壁との摩擦力により支持されることになる。このようにホルダ15側面に窪み部15aが形成されていることにより、ホルダ15が光軸方向に移動する際に、球状体17がホルダ15側面から離れることなく、ホルダ15側面と球状体17との接触がより確実になる。また、アクチュエータの小型化が可能になる。
本アクチュエータにおいては、球状体17が配置されることにより、ホルダ15側面と挿通溝9a・18a内壁とが互いに接触しないようになっている。ホルダ15側面と挿通溝9a・18aが互いに接触した状態では、両者の間で摩擦力が生じ、ホルダ15の光軸方向移動が妨げられるおそれがある。この意味では、本アクチュエータにおける球状体17は、挿通溝9a・18a内でのホルダ15の光軸方向移動を円滑にするガイド部材として機能するといえる。
本アクチュエータでは、ホルダ15の物体側に、板バネ11が配されている。この板バネ11は、上側ガイド9により支持・固定されている。そして、板バネ11は、光軸方向移動するホルダ15の物体側の面に接触している。板バネ11は、ホルダ15の光軸方向の移動量(変位)に比例した予圧を与えるようになっている。すなわち、板バネ11は、光軸方向移動するホルダ15に対し、その移動量に比例した弾性力が発生させる。本アクチュエータでは、電磁誘導によりホルダ15に発生した推力と、板バネ11に発生した弾性力とが釣り合いにより、ホルダ15の位置が保持されるようになっている。それゆえ、ホルダ15の位置とコイル14に印加される電流値とは比例関係になり、この比例関係は、従来のアクチュエータと同様になる。従って、本アクチュエータでは、球状体17を配した構成により、従来と異なる特別な位置制御(例えば、別途位置センサーを設ける)を行う必要がない。すなわち、本アクチュエータでは、従来のアクチュエータで採用されたホルダの位置制御と同様の方法でホルダ15の位置制御が可能になる。それゆえ、撮像機器の低コスト化及び小型化を実現することができる。
なお、上記のように、本アクチュエータでは、電磁誘導によりホルダ15に発生した推力と、板バネ11に発生した弾性力とが釣り合いにより、ホルダ15の位置が保持されるようになっている。それゆえ、ホルダ15にて保持されている光学部材16(具体的にはレンズ)の焦点位置に応じて、板バネ11の形状は変化する。つまり、本アクチュエータは、撮像機器の撮像対象となる物体の位置に応じて、光学部材16の位置が設定される。ここでは、一例として、撮像対象となる物体が、比較的アクチュエータに遠い場合、光学部材16は、光軸方向像面側に移動する(いわゆるInf状態;無限遠状態)構成としている。一方、撮像対象となる物体が、比較的アクチュエータに近い場合、光学部材16は、光軸方向物体側に移動する(いわゆるマクロ状態;近接撮影状態)構成としている。図3に示された構成は、一例として、光学部材16がInf状態とマクロ状態とで変化したときの、板バネ11の形状変化を示したものである。
図3に示された板バネ11は、本アクチュエータにおける板バネ11の変化を確認するために、ホルダ15に固定されている状態から、板バネ11のみを変形させた状態としたときの変形である。
なお、光学部材16のどの位置をInf状態あるいはマクロ状態とするかは、アクチュエータの光学設計に応じて適宜決定される。
また、板バネ11は、ホルダ15の物体側の面に接触し、ホルダ15の光軸方向の移動量(変位)に比例した予圧を与えるようになっていればよい。本アクチュエータでは、ホルダ15は球状体17により支持されているので、従来のアクチュエータのように、ホルダ15が板バネ11に固定支持された構成である必要がない。それゆえ、板バネ11は、光軸方向移動するホルダ15に対し、滑り可能に接触していてもよい(ホルダ15が物体側へ光軸方向移動するに従い、ホルダ15と板バネ11との接触部分が変動する)。このような場合、ホルダ15が板バネ11に固定支持された構成と比較して、携帯電子機器用撮像機器の落下時のホルダ15の振動による、板バネ11の塑性変形がさらに低減される。
本アクチュエータは、ホルダ15が球状体17と接触した状態で保持されているので、以下の効果を奏する。すなわち、本アクチュエータは、従来のアクチュエータと比較して、ホルダ15の振動振幅を小さくさせるとともに、振動収束時間を短くするという効果を奏する。
図4は、従来のアクチュエータにおけるホルダの挙動(電流−変位特性)を示すグラフである。図5は、本アクチュエータにおけるホルダの挙動(電流−変位特性)を示すグラフである。図4及び図5のグラフは、アクチュエータの磁気回路に10mA毎の電流ステップ(30mA,40mA,…,80mAの電流ステップ)を印加したときのホルダの挙動を示している。そして、グラフの横軸は時間であり、電流ステップの各ステップの電流を印加したタイミング・印加時間がわかる。グラフの縦軸は、電流ステップの各ステップの電流を印加したときの、ホルダの光軸方向の変位を示す。図4及び図5から、アクチュエータに電流ステップの各ステップの電流を印加したとき、ホルダは、光軸方向に振動することがわかる。
従来のアクチュエータでは、電流ステップを印加したとき、ホルダが振動してしまい、その振動が収束するのに時間がかかる。図4に示されたグラフでは、10mAごとの電流ステップを印加したとき、ホルダの振動振幅が30μmであり、その振動振幅が収束する振動収束時間が約90msであった。つまり、従来のアクチュエータでは、ホルダの光軸方向の振動を収束させるのに、約90ms必要になる。
一方、本アクチュエータは、ホルダ15が球状体17と接触した状態で保持されているため、従来のアクチュエータにみられたホルダの振動を抑え、振動収束時間を短縮することができる。図5に示されたグラフでは、ホルダの振動振幅が16μmであり、その振動振幅が収束する振動収束時間が約15msであった。本アクチュエータでは、従来のアクチュエータと比較して、振動収束時間が約1/6になっており、振動振幅も約1/2になっている。
それゆえ、本アクチュエータは、従来のアクチュエータと比較して、ホルダの位置静定にかかる時間を短縮することができる。そして、このようなホルダの位置静定時間の短縮は、例えば、オートフォーカス動作の高速化に寄与する。
また、本アクチュエータは、ホルダ15の光軸方向移動に対し球状体17のみが支持する構成に限定されるものではない。球状体17と板バネ11との両方により、ホルダ15の光軸方向移動が支持された構成であってもよい。すなわち、ホルダ15が板バネ11に固定支持された構成であってもよい。従来のアクチュエータでは、ホルダ15を固定支持するために2つの板バネ10が必要であった。これに対し、ホルダ15の光軸方向移動支持に球状体17が用いられているので、ホルダ15を固定支持する板バネ11は、ただ1つだけでよい。それゆえ、板バネ11に対し同じバネ定数を設定したとしても、従来の2つの板バネを用いているアクチュエータと比較して、1つ当たりの板バネ11の強度が増し、携帯電子機器用撮像機器の落下時における板バネ11の耐性を高めることができる。この場合は、板バネ11とホルダ15を固定している物体側に近い球状体17は無くてもよい。
なお、本アクチュエータは、以下の構成を備えたものであると表現することができる。すなわち、撮像素子と、前記撮像素子に映像信号を入力する光学部材と、前記光学部材を保持しているホルダと、前記ホルダの外周に設けられたコイルと、前記コイルの周囲に設けられたマグネット及び磁性体が前記撮像素子を固定しているベースに固定されているアクチュエータにおいて、前記ホルダと前記ベースの間隙に非磁性材料からなる球を介して、前記ホルダが光軸方向に移動可能に接続されている構成であると表現することができる。
さらには、本アクチュエータは、上記ベースに強磁性を有している磁性体が取り付けられ、前記磁性体の片方の面にマグネットが設けられている構成と表現することができる。
(変形例1)
本アクチュエータの構成において、図1〜図3に示す構成の変形例について説明する。図6は、この変形例1としての本アクチュエータの要部構成を示す断面図である。図1〜図3に示す構成は、ヨーク13の内壁に円筒形状のマグネット12が接着剤により固定されている構成であった。しかしなから、本アクチュエータは、図6に示される変形例1のように、ヨーク13を備えていない構成であってもよい。
図6に示されるように、変形例1のアクチュエータにおける磁気回路は、マグネット12とコイル14とで構成されている。光学部材を保持するホルダ15は、コイル14内に収容されるように、コイル14と一体的に固定されている。そして、コイル14の外周を取り囲むように、円筒形状のマグネット12が配されている。そして、変形例1のアクチュエータの磁気回路では、最外周に配された部材がマグネット12になっている。
(変形例2)
本アクチュエータの構成において、図1〜図3に示す構成の変形例について説明する。図7は、この変形例2としての本アクチュエータの要部構成を示す断面図である。図1〜図3に示す構成は、ホルダ15がコイル14と一体的に固定された構成であった。しかしなから、本アクチュエータは、図7に示される変形例2のように、ホルダ15がマグネット12と一体的に固定された、いわゆるムービングマグネット方式の構成であってもよい。
図7に示されるように、変形例2のアクチュエータにおける磁気回路は、マグネット12、ヨーク13、及びコイル14を備えている。そして、マグネット12は、光学部材を保持するホルダ15と一体的に保持されている。コイル14は、マグネット12の周囲に配されている。すなわち、コイル14は、マグネット12及びホルダ15を収容するように、配されている。そして、コイル14は、ヨーク13の内壁に固定されている。
変形例2のアクチュエータにおいては、コイル14に電流が印加されると、マグネット12とコイル14との間に電磁誘導現象が起き、マグネット12に一体的に固定されているホルダ15に対し光軸方向の推力が発生する。
変形例2のアクチュエータは、図1〜図3に示された構成と比較して、可動部としてのホルダ15に給電用のワイヤを設ける必要がないため、構造を簡素化することができるという効果を奏する。
上記変形例1及び2の構成を考慮すると、本アクチュエータは、以下の構成を備えたものであると表現することができる。すなわち、撮像対象となる物体を結像する光学部材と、該光学部材を光軸方向に移動するのに用いられるコイル及びマグネットのうちの一方が取り付けられていると共に、上記光学部材を保持するホルダと、上記コイル及びマグネットのうちの他方を支持する支持体と、上記ホルダと上記支持体との間に配され、回転することにより上記支持体に対して上記ホルダを光軸方向に移動可能とする球状体とを備えた構成であると表現することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図8ないし図10に基づいて説明すると以下の通りである。本実施の形態では、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図8及び図9は、本実施形態のアクチュエータ(以下、本アクチュエータと記す)の要部構成を示し、図8は分解斜視図であり、図9は断面図である。
実施の形態1のアクチュエータでは、球状体17が、ベース18とホルダ15との間隙、及び上側ガイド9とホルダ15との間隙に配された構成であった。一方、本アクチュエータは、図8及び図9に示されるように、球状体17がベース18とホルダ15との間隙にのみ配された構成になっている。球状体17は、ホルダ15側面に接触して、複数配置されている。そして、個々の球状体17により、光軸方向に垂直な平面が形成された構成になっている。言い換えると、個々の球状体17は、光軸方向に垂直な同一平面上に配されている。
板バネ11は、上側ガイド9に固定・支持されている。上側ガイド9は、板バネ11を固定・支持する弾性部材固定部として機能する。そして、板バネ11は、個々の球状体17により形成される上記平面に対し光軸方向に離間して、ただ1つ配されている。それゆえ、ホルダが一対(複数)の板バネにより固定支持されている従来のアクチュエータと比較して、以下の効果がある。
すなわち、従来の構成では、ホルダの光軸方向移動支持に必要なバネ定数は、2つの板バネにより合成されるバネ定数になる。それゆえ、従来の構成では、ホルダの光軸方向移動支持のために、個々の板バネの強度が弱くなってしまう。
一方、本アクチュエータは、ホルダ15が、1つの板バネ11により支持された構成であり、従来の構成のようなホルダが複数の板バネにより固定支持された構成ではない。それゆえ、ホルダ15の光軸方向移動支持に必要なバネ定数を1つの板バネ11のバネ定数で設計することができる。このため、従来の構成と比較して、板バネ11のバネ定数を大きく設計し、強度を大きくすることができる。そして、アクチュエータを小型化しても、従来のように板バネのバネ定数を小さくする必要がなく、耐衝撃性に優れたアクチュエータを実現することが可能になる。
また、本アクチュエータに備えられる球状体17は、磁気回路部分の体積、磁気回路に印加される電流量等に応じて適宜設定可能である。例えば、この球状体の数としては、ホルダ15側面において、コイル14を挟んで物体側と像面側との何れかに少なくとも3個球状体が配されていればよい。球状体が2個配された構成では、ホルダが光軸方向に移動する際に、ホルダの位置が不安定になるため好ましくない。
さらに、ホルダ15側面における、ベース18と対向する位置には、窪み部15aが形成されている。そして、この窪み部15a内壁と、ベース18の挿通溝18a内壁とにより形成される空間内に球状体17が収容されている。それゆえ、ホルダ15が光軸方向に移動するときには、球状体17は、これら空間内で回転することになり、窪み部15a内壁との摩擦力により支持されることになる。このようにホルダ15側面に窪み部15aが形成されていることにより、ホルダ15が光軸方向に移動する際に、球状体17がホルダ15側面から離れることなく、ホルダ15側面と球状体17との接触がより確実になる。また、アクチュエータの小型化が可能になる。なお、ここでは、窪み部を形成した構成として説明しているが、より生産性を考慮し、上面あるいは下面から簡単に挿入することができる穴部を形成した構成としても構わない。穴部から球状体が脱離することを防止するために、穴部に傾斜等を設けたり、穴部を塞ぐカバーを設けるなどの構成とすればよい。
本アクチュエータにおいては、球状体17が配置されることにより、ホルダ15側面と挿通溝18a内壁とが互いに接触しないようになっている。ホルダ15側面と挿通溝18aが互いに接触した状態では、両者の間で摺動による摩擦力が生じ、この摺動摩擦力は球状体の転がりによる摩擦力よりもはるかに大きい。このため、球状体17が配置された本アクチュエータと比較して、ホルダ15の光軸方向移動が10〜数10倍妨げられるおそれがある。この意味では、本アクチュエータにおける球状体17は、挿通溝18a内でのホルダ15の光軸方向移動を円滑にするガイド部材として機能するといえる。
なお、本アクチュエータは、上記実施の形態1の変形例1及び2の構成を適用することができる。その具体的な変形例を以下に説明する。
(変形例3)
本アクチュエータの構成において、図8及び図9に示す構成の変形例について説明する。図10は、この変形例3としての本アクチュエータの要部構成を示す断面図である。図8及び図9に示す構成は、ヨーク13の内壁に円筒形状のマグネット12が接着剤により固定されている構成であった。しかしなから、本アクチュエータは、図10に示される変形例3のように、ヨーク13を備えていない構成であってもよい。
(変形例4)
本アクチュエータの構成において、図8及び図9に示す構成の変形例について説明する。図11は、この変形例4としての本アクチュエータの要部構成を示す断面図である。図8及び図9に示す構成は、ホルダ15がコイル14と一体的に固定された構成であった。しかしなから、本アクチュエータは、図11に示される変形例4のように、ホルダ15がマグネット12と一体的に固定された、いわゆるムービングマグネット方式の構成であってもよい。
なお、本アクチュエータについて、球状体17がベース18とホルダ15との間隙にのみ配された構成を説明してきた。しかしながら、本アクチュエータは、この構成に限定されず、上側ガイド9とホルダ15との間隙に配された構成であってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明のアクチュエータ及びそれを備えた撮像機器は、携帯電子機器に搭載されるカメラ等の装置全般に適用することが可能であり、アクチュエータの小型化、薄型化、耐衝撃性の向上が可能となる。また、本発明のアクチュエータ及びそれを備えた撮像機器は、携帯電子機器に限らず、例えば、車載用カメラといった衝撃の影響が大きい用途や、その他の電子機器にも適用することが可能である。
本発明の実施の一形態のアクチュエータの要部構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の一形態のアクチュエータの要部構成を示す斜視図である。 本発明の実施の一形態のアクチュエータの要部構成を示す断面図である。 従来のアクチュエータにおけるホルダの過渡特性(電流−変位特性)を示すグラフである。 本発明の実施の一形態のアクチュエータにおけるホルダの過渡特性(電流−変位特性)を示すグラフである。 図1〜図3のアクチュエータの他の変形例の要部構成を示す断面図である。 図1〜図3のアクチュエータのさらに他の変形例の要部構成を示す断面図である。 本発明の実施の他の形態のアクチュエータの要部構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施の他の形態のアクチュエータの要部構成を示す断面図である。 図8及び図9のアクチュエータの他の変形例の要部構成を示す断面図である。 図8及び図9のアクチュエータのさらに他の変形例の要部構成を示す断面図である。 従来のアクチュエータの要部構成を示す断面図である。
符号の説明
9 上側ガイド(支持体)
9a 挿通溝
10 板バネ
11 板バネ(弾性部材)
12 マグネット
13 ヨーク(磁性体)
14 コイル
15 ホルダ
15a 窪み部
16 光学部材
17 球
18 ベース(支持体)
18a 挿通溝
19 撮像素子

Claims (16)

  1. 撮像対象となる物体を結像する光学部材と、
    上記光学部材を保持するホルダと、
    上記光学部材を光軸方向に移動するための磁気回路と、
    上記磁気回路を支持する支持体とを備えたアクチュエータであって、
    上記磁気回路は、コイル及びマグネットを備え、コイル及びマグネットのうち一方が上記ホルダに取り付けられ、他方が上記支持体により支持されており、
    上記ホルダと上記支持体との間隙には、球状体が配されており、
    上記球状体は、上記ホルダの光軸方向の移動により、回転するようになっているとともに、
    光軸方向に移動するホルダの物体側の面に接触し、かつ、ホルダに対し、該ホルダの光軸方向の移動量に比例した弾性力を与える1つの弾性部材がホルダに取り付けられており
    上記球状体と上記1つの弾性部材との両方により、上記ホルダの光軸方向移動が支持されていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 上記支持体には、ホルダが挿通する挿通溝が形成されており、
    上記ホルダの側面と上記挿通溝の内壁面との両方に接するように、上記球状体が配されていることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 上記球状体が複数配されており、各球状体同士は、光軸方向から見て、ホルダを挟むように離間した位置関係になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 各球状体同士は、上記光軸方向に対し垂直な同一面上に配されていることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 上記ホルダの側面には、窪み部が形成されており、
    上記窪み部の内壁面と上記支持体とにより、上記球状体を収容可能な空間が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  6. 撮像対象となる物体を結像する光学部材と、
    上記光学部材を保持するホルダと、
    上記光学部材を光軸方向に移動するための磁気回路と、
    上記磁気回路を支持する支持体とを備えたアクチュエータであって、
    上記磁気回路は、コイル及びマグネットを備え、コイル及びマグネットのうち一方が上記ホルダに取り付けられ、他方が上記支持体により支持されており、
    上記ホルダと上記支持体との間隙には、球状体が配されており、
    上記球状体は、上記ホルダの光軸方向の移動により、回転するようになっているとともに、
    光軸方向に移動するホルダの物体側の面に接触し、かつ、ホルダに対し、該ホルダの光軸方向の移動量に比例した弾性力を与える弾性部材が設けられており、
    上記弾性部材は、光軸方向移動するホルダに対し、滑り可能に接触していることを特徴とするアクチュエータ。
  7. 上記弾性部材は、光軸方向移動するホルダに対し、滑り可能に接触していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  8. 上記球状体が複数配されており、各球状体同士は、上記光軸方向に対し垂直な同一面上に配されており、
    上記弾性部材は、上記平面に対し光軸方向に離間して配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  9. 上記支持体は、上記磁気回路における光軸方向の一端を支持する第1の支持体と、他端を支持する第2の支持体とを備え、
    上記球状体は、上記ホルダと上記第1の支持体との間隙、及び上記ホルダと上記第2の支持体との間隙の何れかの間隙に配されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  10. 上記磁気回路は、さらに強磁性を有する磁性体を備え、上記磁性体は、上記支持体に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  11. 上記磁気回路は、上記ホルダを収容するように設けられたコイル、上記コイルの周囲に配された上記マグネット及び上記磁性体とで構成されていることを特徴とする請求項10に記載のアクチュエータ。
  12. 上記磁気回路は、上記ホルダ外周に設けられたマグネット、上記マグネットの周囲に配された上記コイル及び上記磁性体とで構成されていることを特徴とする請求項10に記載のアクチュエータ。
  13. 上記球状体は非磁性材料からなることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  14. 上記支持体は、上記磁気回路における光軸方向の一端を支持する第1の支持体と、他端を支持する第2の支持体とを備え、
    第1及び第2の支持体と、マグネットとにより、コイルの光軸方向の移動を制限する空間が形成されていることを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載のアクチュエータ。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載のアクチュエータと、
    光学部材により結像された画像を電気信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像機器。
  16. 請求項15に記載の撮像機器を備えたことを特徴とする電子機器。
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