JP2013160064A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダボアの摩耗を低減することができるとともに、ブローバイガスの流量を抑えることができる可変容量型斜板式圧縮機を提供すること。
【解決手段】可変容量型斜板式圧縮機において、ピストン36は、ピストン本体37における圧縮室側の先端部分に、テーパ部37fと、このテーパ部37fにおける圧縮室側の端部に連続する円弧部37gとを備える。テーパ部37f及び円弧部37gは、首部36a側に向けて拡径している。テーパ部37fのテーパ角度は0.45度〜1.5度に設定されるとともに、ピストン本体37の先端とテーパ部37fにおける首部36a側の起点Tとの間の距離Eが1.5mm〜5.0mmに設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、クランク室の圧力を制御することで斜板の傾斜角度を制御することにより吐出容量を制御可能にした可変容量型斜板式圧縮機に関する。
傾斜角可変に斜板を収容するクランク室を備えた可変容量型斜板式圧縮機においては、クランク室内の圧力が高くなると斜板の傾斜角が小さくなり、シリンダボア内におけるピストンのストロークが小さくなって吐出容量が小さくなる。一方、クランク室内の圧力が低くなると斜板の傾斜角が大きくなり、シリンダボア内におけるピストンのストロークが大きくなって吐出容量が大きくなる。そして、可変容量型斜板式圧縮機においては、クランク室に高圧の制御ガスを供給しつつ、その供給量を制御することでクランク室の圧力を制御し、吐出容量を制御している。
しかし、クランク室内には、圧縮室で圧縮された高圧の冷媒ガスが、ピストンとシリンダボアとの間(サイドクリアランス)を通ってブローバイガスとして流入する。ブローバイガスのクランク室への流入は、クランク室の圧力を制御目標とされた値から異ならせてしまい、斜板の傾斜角が所望する角度からずれて、所望する吐出容量を得られなくなってしまう。
また、可変容量型斜板式圧縮機は、車両空調装置の冷媒回路(外部冷媒回路)に組み込まれるが、冷房効率を向上させるには冷媒回路を循環する潤滑油の量を抑えることが好ましい。しかし、冷媒回路を循環する潤滑油量を減少させると、ピストンとシリンダボアとの間の潤滑状態が悪化し、シリンダボアの摩耗が大きくなってしまう。その結果として、上述のブローバイガスのクランク室への流入量が増大してしまい好ましくない。
そこで、シリンダボアの摩耗低減を目的とした技術として、例えば、特許文献1が挙げられる。図6に示すように、特許文献1に記載のピストン90において、円柱状部分91の外周面は、その先端側にテーパ面92が形成されるとともに、テーパ面92に繋がる面取り部93が形成されており、先端に向かうに従い縮径するようになっている。この構成により、ピストン90の外周面にコーティングを施した際に、円柱状部分91の先端部に、コーティングが溜まって形成される環状膨出部が発生することが防止できる。その結果として、環状膨出部によってシリンダボアが削られることが防止されるとともに、シリンダボアの摩耗が低減されるとされている。また、特許文献1においては、ピストン90にテーパ面92と面取り部93を形成し、ピストン90の先端側ほど縮径させることで、ピストン90とシリンダボアとの間に潤滑油を入り込ませようとしている。
特開2003−206856号公報
ところが、特許文献1においては、ピストン90の先端から基端に向かうに連れて面取り部93からテーパ面92へと急激に形状変化している。すなわち、面取り部93からテーパ面92に変化すると、シリンダボアとの間に形成されるサイドクリアランスが急激に狭くなっており、ピストン90とシリンダボアとの間に潤滑油が入り込みにくくなってしまっている。このため、ピストン90とシリンダボアとの間の潤滑状態が悪化し、シリンダボアの摩耗が大きくなってしまい、結果としてブローバイガスの流入量も増大してしまう。
本発明は、シリンダボアの摩耗を低減することができるとともに、ブローバイガスの流量を抑えることができる可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、シリンダブロックに形成された複数のシリンダボア内に片頭ピストンが収容されるとともに、クランク室に駆動軸と一体回転する斜板が収容され、該斜板には前記片頭ピストンの首部が係留されるとともに、前記片頭ピストンのピストン本体によって前記シリンダボア内に圧縮室が区画され、前記クランク室の圧力を制御することで前記斜板の傾斜角度を制御することにより吐出容量を制御可能にした可変容量型斜板式圧縮機に関する。前記ピストン本体における前記圧縮室側の先端部分に、テーパ部と、該テーパ部における前記圧縮室側の端部に連続する円弧部とを備え、前記テーパ部及び前記円弧部は、前記首部側に向けて拡径しており、前記テーパ部のテーパ角度が0.45度〜1.5度に設定されるとともに、前記ピストン本体の先端と前記テーパ部における前記首部側の起点との間の距離が1.5mm〜5.0mmに設定されている。
そして、前記テーパ角度が0.5度〜1.3度に設定されるのが好ましく、前記距離が2.8mm〜3.4mmに設定されているのが好ましい。
これによれば、テーパ部のテーパ角度が0.45度〜1.5度(好ましくは0.5度〜1.3度)の範囲内に設定されている。このため、テーパ部を形成しつつも、シリンダボアとピストン本体の間に潤滑油による油膜を好適に形成することができ、ピストン本体のシリンダボアに対する接触面圧が所定の接触面圧に達することを防止することができる。
さらに、テーパ部のくさび効果によって、油膜の圧力を高め、油膜の圧力の反発力によってピストン本体をシリンダボアから離間する方向へ付勢することができる。よって、シリンダボアに対するピストン本体の接触面圧を低下させることができる。
加えて、ピストン本体の先端とテーパ部における首部側の起点との間の距離が1.5mm〜5.0mm(好ましくは2.8mm〜3.4mm)に設定されている。このため、ピストン本体にテーパ部と円弧部を形成しつつも、クランク室に流れるブローバイガスの量を抑えることができるとともに、ピストン本体のシリンダボアに対する接触面圧が所定の接触面圧に達することを防止することができる。したがって、シリンダボアの摩耗を低減することができるとともに、ブローバイガスの流量を抑えることができる。
また、前記ピストン本体における前記円弧部より前記圧縮室側に、前記円弧部に連続する面だらし部が形成されていてもよい。
これによれば、テーパ部のテーパ角度は0.45度〜1.5度と小さく設定されており、円弧部及び面だらし部は、シリンダボアとピストン本体の間に所定の空間を形成し、テーパ部に確実に適量の潤滑油を供給する。また、片頭ピストンをシリンダボアに組み付ける際に、テーパ部の角がシリンダボアに傷を付け、シリンダボアに凹部を形成してしまうことを面だらし部により防止できる。よって、シリンダボアに形成された凹部をブローバイガスが通過することによるブローバイガス量の増加を防止することができ、プローバイガス量の管理を適切に行うことが可能になる。
また、前記ピストン本体における前記テーパ部より前記首部側の外周面には、該外周面の周方向の全体に延びる導入溝が形成されていてもよい。
これによれば、導入溝によって潤滑油をピストン本体の周面に留め、さらに、導入溝によってピストン本体の周方向全体に潤滑油を至らせることができ、ピストン本体の全体を潤滑油で支持することができる。
また、前記ピストン本体における前記首部側の周縁部がピン角状に形成されていてもよい。
これによれば、ピストン本体の首部側の周縁部とシリンダボアとの間のサイドクリアランスを一定に維持し、かつ広がることがない。よって、ピストン本体の首部側の周縁部から潤滑油が多量に洩れ出ることを抑制することができる。その結果として、ピストン本体とシリンダボアとの間に潤滑油を留め、油膜厚さを確保することができる。
本発明によれば、シリンダボアの摩耗を低減することができるとともに、ブローバイガスの流量を抑えることができる。
実施形態の可変容量型斜板式圧縮機を示す断面図。 ピストンを示す側面図。 (a)は低流量時におけるクラウニング部の長さと、ブローバイガス量との関係を示すグラフ、(b)は最大容量時におけるクラウニング部の長さと、最大接触面圧との関係を示すグラフ、(c)はテーパ角度と最大接触面圧との関係を示すグラフ。 ピストン本体とシリンダボアとの間の潤滑油の流量と、駆動軸の回転角との関係を示すグラフ。 (a)は導入溝の位置とブローバイガスの流量との関係を示すグラフ、(b)は導入溝の位置とシリンダボアに対する接触圧力との関係を示す図。 背景技術のピストンを示す部分断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、車両に搭載される可変容量型斜板式圧縮機10(以下、単に圧縮機10と記載する)のハウジングにおいて、シリンダブロック12の一端には、フロントハウジング11が接合されるとともに、シリンダブロック12の他端には、リヤハウジング13が、弁・ポート形成体14を介して接合されている。フロントハウジング11とシリンダブロック12とに囲まれた空間にはクランク室15が区画形成されている。フロントハウジング11とシリンダブロック12には、駆動軸16がラジアルベアリング30を介して回転可能に支持されるとともに、駆動軸16はクランク室15を貫通するように支持されている。
フロントハウジング11の先端側の外壁面には、プーリ17がアンギュラベアリング18を介して回転可能に支持されるとともに、このプーリ17は駆動軸16の先端に連結されている。プーリ17はベルト19を介して、外部駆動源としての車両エンジン20に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介することなく直結されている。よって、車両エンジン20の駆動時には、動力伝達機構としてのベルト19及びプーリ17を介して駆動力が伝達されることで、駆動軸16が回転される。すなわち、駆動軸16は、クラッチレス方式の動力伝達機構を介して車両エンジン20から回転駆動力を得る。
クランク室15において、駆動軸16には回転支持体22が一体回転可能に止着されるとともに、回転支持体22はスラストベアリング44を介してフロントハウジング11に支持されている。また、駆動軸16には、斜板23が、駆動軸16に対してその中心軸N方向へスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。回転支持体22と斜板23との間には、ヒンジ機構24が介在されている。そして、斜板23は、回転支持体22との間でのヒンジ機構24の介在により、駆動軸16の中心軸Nに対して傾動可能でかつ駆動軸16と一体的に回転可能となっている。
回転支持体22と斜板23との間には、バネ26が駆動軸16周りを囲むように装着されるとともに、このバネ26は、斜板23がシリンダブロック12側に傾動するように付勢する。また、駆動軸16において、斜板23よりシリンダブロック12側には規制リング28が止着されるとともに、この規制リング28と斜板23の間にはバネ28aが駆動軸16周りに装着されている。このバネ28aは、斜板23が回転支持体22側に傾動するように付勢する。
そして、斜板23が回転支持体22側へ傾動し、斜板23の半径方向中央が回転支持体22に当接した状態では、斜板23のそれ以上の傾動が規制され、この規制された状態では斜板23は最大傾斜角となる。一方、斜板23がシリンダブロック12側へ傾動するとともにバネ28aに当接した状態では、斜板23のそれ以上の傾動が規制され、この規制された状態では斜板23は最小傾斜角となり、斜板23は0°よりも僅かに大きな傾斜角となる。
シリンダブロック12には複数のシリンダボア12aが駆動軸16の周囲に配列されるとともに、各シリンダボア12aには片頭ピストンであるピストン36が往復動可能に収容され、このピストン36の径はφ28〜40である。ピストン36は、シュー23aを介して斜板23の外周部に係留されるとともに、ピストン36は、斜板23の回転運動によりシリンダボア12a内で往復運動される。そして、ピストン36によってシリンダボア12a内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮室12bが区画されている。
リヤハウジング13と弁・ポート形成体14の間には、吐出室39が環状に区画形成されるとともに、この吐出室39の内側に、吐出室39より低圧の領域である吸入室38が区画形成されている。また、弁・ポート形成体14には、吸入室38に連通する吸入ポート40、及び吸入ポート40を開閉する吸入弁41が形成されるとともに、吐出室39に連通する吐出ポート42、及び吐出ポート42を開閉する吐出弁43が形成されている。
そして、吸入室38の冷媒ガスは、ピストン36の上死点から下死点への移動により、吸入ポート40及び吸入弁41を介してシリンダボア12aに吸入される。シリンダボア12aに吸入された冷媒ガスは、ピストン36の下死点から上死点への移動により所定の圧力にまで圧縮されるとともに、吐出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室39に吐出される。
リヤハウジング13には、吐出室39に連通する吐出通路50が形成されている。また、リヤハウジング13には、吸入室38に連通する吸入通路32が形成されている。吐出通路50と、吸入通路32とは外部冷媒回路75により接続されている。外部冷媒回路75は、吐出通路50を介して吐出室39に接続された凝縮器76、この凝縮器76に接続された膨張弁77、及び膨張弁77に接続された蒸発器78を備えるとともに、蒸発器78には吸入通路32が接続されている。そして、圧縮機10は、冷凍サイクルに組み込まれている。
シリンダブロック12及びリヤハウジング13には、吸入室38とクランク室15を接続する抽気通路34が形成されている。また、シリンダブロック12及びリヤハウジング13には、吐出室39とクランク室15を接続する給気通路48が形成されるとともに、この給気通路48には流量制御弁49が配設されている。流量制御弁49は電磁弁よりなり、ソレノイド(図示せず)への通電及び非通電によって給気通路48を開閉する。
そして、流量制御弁49が給気通路48を開閉することで、吐出室39からクランク室15への高圧冷媒ガスの供給量が変更され、抽気通路34を介したクランク室15から吸入室38への冷媒ガスの排出量との関係から、クランク室15の圧力が変更される。その結果、クランク室15とシリンダボア12aとのピストン36を介した圧力差が変更され、斜板23の傾斜角が変更されて吐出容量が調節される。
具体的には、流量制御弁49が非通電状態とされると、流量制御弁49によって給気通路48が全開状態になり、吐出室39とクランク室15とが連通される。したがって、吐出室39の高圧な冷媒ガスが給気通路48を介してクランク室15へ供給される。さらに、クランク室15の圧力が抽気通路34を介して吸入室38に抜ける。その結果、クランク室15の圧力とシリンダボア12aの圧力とのピストン36を介した差が変更され、斜板23の傾斜角が最小となって吐出容量が最小となる。
一方、流量制御弁49が通電されると、その供給電流値に応じて給気通路48の開度が全開状態より小さくなり、クランク室15の圧力が抽気通路34を介した吸入室38への放圧に基づいて低下していく。この減圧により、斜板23が最小傾斜角から離脱されて傾斜角が大きくなり、圧縮機10では、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われる。
次に、ピストン36について詳細に説明する。
図2に示すように、ピストン36は、斜板23に係留される首部36aと、この首部36aに一体の円柱状をなすピストン本体37とから形成されている。ピストン本体37における首部36a側(基端側)の端面には首部側端面37aが形成されるとともに、ピストン本体37における首部36aと反対側(先端側)の端面には圧縮室側端面37bが形成されている。首部側端面37a及び圧縮室側端面37bはそれぞれ平坦面状をなすとともに、首部側端面37aと圧縮室側端面37bの間の距離を、ピストン本体37の全長であるピストン長Lとする。
ピストン本体37の首部側端面37aの周縁には、首部側周縁部37cが形成されるとともに、この首部側周縁部37cは直角状(ピン角状)に形成されている。また、ピストン本体37の圧縮室側端面37bの周縁には、圧縮室側周縁部37dが形成されるとともに、この圧縮室側周縁部37dは直角状とは異なる形状に形成されている。
また、ピストン本体37の先端外周面には、面だらし部37hが形成されている。また、ピストン本体37の外周面には、面だらし部37hに繋がり、かつピストン本体37の先端側(圧縮室側端面37b側)から基端側(首部36a側)に向かうに従い円弧状に拡径する円弧部37gが形成されている。さらに、ピストン本体37の外周面には、円弧部37gに繋がり、かつピストン本体37の先端側(圧縮室側端面37b側)から基端側(首部36a側)に向かうに従い拡径するテーパ部37fが形成されている。すなわち、ピストン本体37の外周面には、その先端側から基端側に向かって、面だらし部37h、円弧部37g、及びテーパ部37fが連続して形成されるとともに、これら面だらし部37h、円弧部37g、及びテーパ部37fとからクラウニング部Pが形成されている。なお、面だらし部37hとは、外周面がピストン本体37の先端に向かって次第に先細りする形状を有する部位のことである。
ここで、ピストン本体37の外周面におけるテーパ部37fの起点Tと、ピストン本体37の先端(圧縮室側端面37b)との間の距離をクラウニング部Pの長さEとする。この場合、クラウニング部Pの長さEは、1.5mm〜5.0mmに設定されている。
可変容量型斜板式圧縮機10の低流量時、クランク室15の圧力制御に影響を及ぼさないブローバイガス量の中での限界値(許容されるブローバイガス量の限界値)を、ブローバイガス量の限界値Bxとし、この限界値Bxよりも少ないブローバイガス量であり、より好ましい限界値をBy(図3(a)のグラフ参照)とする。低流量時には、圧縮によってピストン本体37にかかる荷重が小さく、サイドフォースも小さいため、サイドフォースは、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間の油膜だけで受承され、ピストン本体37はシリンダボア12aの軸線に対してほとんど傾斜していない状態にある(偏芯抑制効果)。このため、低流量時は、ピストン本体37とシリンダボア12aとのサイドクリアランスの偏りも小さく、ブローバイガスが最も洩れにくくなる。
図3(a)のグラフは、ブローバイガスが最も洩れにくい低流量時でのブローバイガス量を示しており、クラウニング部Pの長さEは長いほどブローバイガス量が多くなることが示されている。よって、クラウニング部Pの設定によって上記ブローバイガス量の限界値Bxを大きく越えないようにするために、クラウニング部Pの長さEは、5.0mm以下に設定されるのが好ましい。さらに、可変容量型斜板式圧縮機10の容量制御をより正確に行うために、ブローバイガス量は限界値Bxより低い限界値Byの方がより好ましく、ブローバイガス量を限界値Byに近づけるため、クラウニング部Pの長さEは、3.4mm以下に設定されるの好ましい。そして、ブローバイガス量の限界値Bx、Byからクラウニング部Pの長さEの上限値が設定される。
また、シリンダボア12aに対するピストン本体37の接触面圧において、ピストン本体37及びシリンダボア12aに影響を及ぼさない値の中での最大値(許容される接触面圧の最大値)を、最大接触面圧Paとする。さらに、最大接触面圧Paより若干低い最大接触面圧をPbとする。
図3(b)のグラフは、最大容量時の最大接触面圧Paとクラウニング部Pの長さEの関係を示している。最大容量時は、圧縮によってピストン本体37にかかる荷重が大きく、サイドフォースも大きいため、ピストン本体37はシリンダボア12aの軸線に対して傾斜してしまい、クラウニング部Pを設ける効果が発揮される状態のときである。また、最大接触面圧Paは、ピストン本体37とシリンダボア12aの固体接触によって発生する面圧であり、ピストン本体37とシリンダボア12aの間に油膜が形成されていれば、発生しない。
クラウニング部Pの長さEが1.5mm以上あれば、テーパ部37fに油膜が形成され、サイドフォースを油膜で受承することができ、最大接触面圧Paを越えることがなくなる。よって、最大接触面圧Paを越えないようにするために、クラウニング部Pの長さEは、1.5mm以上に設定されるのが好ましい。したがって、ブローバイガス量を抑え、かつ最大接触面圧Paを越えないようにするために、クラウニング部Pの長さEは、1.5mm〜5.0mmに設定されるのが好ましい。
同様に、ブローバイガス量をより好ましい限界値Byとした場合、図3(a)に示すように、クラウニング部Pの長さEの上限値は3.4mm以下に設定される。そして、図3(b)において、より好ましい最大接触面圧をPbとすると、クラウニング部Pの長さEの下限値は2.8mmに設定される。したがって、クラウニング部Pの長さEは、2.8mm〜3.4mmに設定されるのがより好ましい。
ここで、クラウニング部Pの長さEが1.5mmのときに最大接触面圧Paを取るピストン36をサンプルAとし、クラウニング部Pの長さEが5.0mmのときに最大接触面圧を取るピストン36をサンプルBとする。さらに、クラウニング部Pの長さEが2.8mmのときに、より好ましい最大接触面圧Pbを取るピストン36をサンプルCとし、クラウニング部Pの長さEが3.4mmのときに最大接触面圧を取るピストン36をサンプルDとする。また、ピストン本体37において、その中心軸PLと平行に延び、かつピストン本体37の外周面上に位置する接線Fに対する、テーパ部37fのテーパ角度をθ1とする。
この場合、図3(c)に示すように、上記のサンプルAにおいては、テーパ角度θ1が0.45度〜1.5度の範囲内にあると、最大接触面圧Paを越えない。また、サンプルBにおいても、テーパ角度θ1が0.45度〜1.5度の範囲内にあると、最大接触面圧Paを越えない。逆に、テーパ角度θ1が0.45度より小さいと、ピストン本体37やシリンダボア12aの微細な凹凸によって、起点Tよりも圧縮室側端面37b側とシリンダボア12aの間に絞りが形成されてしまい、その絞りより首部側端面37a側では潤滑油が入り込まず、油膜が形成できなくなってしまう。その結果、中心軸PLに沿ったテーパ部37fに形成される油膜の長さが短くなり、油膜の圧力が上がらなくなってしまう。すなわち、ピストン本体37がシリンダボア12aに固体接触し、接触面圧が上昇してしまい好ましくない。
一方、テーパ角度θ1が1.5度より大きい場合は、潤滑油がテーパ部37fに入り込むことはできるものの、ピストン本体37の周方向の隙間が大きくなり、潤滑油が周方向に流れて油膜が形成できにくくなってしまう。その結果、ピストン本体37がシリンダボア12aに固体接触し、接触面圧が上昇してしまい好ましくない。
したがって、ブローバイガス量の限界値Bx、及び最大接触面圧Paを越えないようにクラウニング部Pの長さEが設定された条件において、その設定された条件の範囲内において、テーパ部37fは0.45度〜1.5度に設定されるのが好ましい。
さらに、ブローバイガス量のより好ましい限界値By、及びより好ましい最大接触面圧Pbを越えないようにクラウニング部Pの長さEを設定するには、テーパ部37fは0.5度〜1.3度に設定されるのがより好ましい。
円弧部37gにおいては、緩やかな円弧状に形成されるとともに、面だらし部37hにおいては、円弧部37gよりも緩やかに形状変化するように形成されている。また、ピストン本体37において、その中心軸PLと平行に延び、かつピストン本体37の外周面上に位置する接線Fに対し、面だらし部37hは30度前後の傾斜角度θ2に設定されるのが好ましい。したがって、ピストン本体37は、圧縮室側端面37bに向かうに従い漸次縮径する樽形状に形成されている。
図2に示すように、ピストン本体37の外周面において、テーパ部37fよりも首部側端面37a側には、導入溝37kがピストン本体37の周方向の全体に亘って延びるように形成されている。ここで、首部側端面37aと、導入溝37kとの間の距離を溝端面間距離Xとすると、この溝端面間距離Xに対するピストン長Lの値(X/L)が、0.6<X/L<0.8の範囲内に設定されるように、導入溝37kの位置を設定するのが好ましい。
導入溝37kの深さは0.1mm以上に設定されるのが好ましい。導入溝37kの深さが0.1mmより浅いと、導入溝37kに留める潤滑油の量が少なくなり、導入溝37kを介して潤滑油をピストン本体37の周方向の全体に至らせることが困難になるためである。よって、導入溝37kの深さが0.1mm以上に設定されることにより、導入溝37kによって潤滑油をピストン本体37の周方向全体に至らせ、油膜の圧力のばらつきを抑えることができる。その結果として、油膜によってピストン本体37の傾きを抑え、サイドクリアランスのばらつきをなくして、サイドクリアランスの大小に起因したブローバイガスの流量増大を抑えることができる。
導入溝37kは、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間の潤滑油を、ピストン本体37の周方向全体に亘って供給し、ピストン本体37をシリンダボア12aから離間させる方向へ付勢するために設けられている。ピストン本体37の軸方向に沿った導入溝37kの開口幅が0.5mm未満にあると、導入溝37kの潤滑油量が少なくなり、上記の付勢効果が低減してしまい好ましくない。一方、導入溝37kの開口幅が1.5mm以上になると、導入溝37k内の潤滑油による油膜に伴うシール効果が低減してしまい好ましくない。したがって、ピストン本体37の軸方向に沿った導入溝37kの開口幅は、0.5mm以上、1.5mm未満に設定されるのが好ましい。
次に、圧縮機10の作用について説明する。
さて、車両エンジン20の駆動に伴い、駆動軸16が回転すると、吸入室38の冷媒ガスが、各ピストン36の上死点位置から下死点側への往動により吸入ポート40及び吸入弁41を介してシリンダボア12a内に吸入される。このとき、ピストン本体37の首部側周縁部37cは、シリンダボア12aを摺接するが、首部側周縁部37cはピン角状に形成されているため、シリンダボア12aとピストン本体37との間が狭く維持され、潤滑油がクランク室15に多量に洩れ出ることが抑制される。
図4のグラフにおいて、本実施形態のピストン36を実線で示す。一方、ピストン本体37の首部側周縁部37c、及び圧縮室側周縁部37dのそれぞれが直角状(ピン角状)に形成されたピストン(比較例1)を一点鎖線で示す。図4に示すように、実施形態のピストン36においては、いずれの回転角においても、シリンダボア12aとピストン本体37との間での潤滑油の流量が、比較例1のピストンよりも少ないことが示された。これは、ピストン本体37の首部側周縁部37cでは、潤滑油が多量に洩れ出ることが抑制されていることを示している。その結果として、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間に潤滑油を留めている。
シリンダボア12a内に吸入された冷媒ガスは、ピストン36の下死点位置から上死点側への復動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート42及び吐出弁43を介して吐出室39に吐出される。冷媒ガスの吸入から吐出までの間に、ピストン本体37にはサイドフォースがかかり、ピストン本体37は傾斜しようとする。しかし、クラウニング部Pの長さE及びテーパ角度θ1が所定値に設定されていることから、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間に油膜が形成され、この油膜によってサイドフォースが受承され、ピストン本体37の傾きが抑えられる。
そして、圧縮行程において、ピストン36の上死点位置で圧縮された高圧の冷媒ガスは、ピストン36とシリンダボア12aとの間(サイドクリアランス)を通ってブローバイガスとしてクランク室15に向かって流れる。
このとき、ピストン本体37にはテーパ部37fと円弧部37gが形成されるとともに、クラウニング部Pの長さE及びテーパ角度θ1が所定値に設定されている。このため、圧縮反力等を受けたピストン36は中心軸PLに対し傾くが、ピストン36の圧縮行程の際には、くさび効果によりシリンダボア12aとピストン本体37との間に潤滑油が引き込まれる。その結果、シリンダボア12aとピストン本体37との間に油膜が形成されるとともに、くさび効果によって油膜の圧力が高められる。すると、ピストン本体37及びシリンダボア12aの表面粗さによって、若干の潤滑油の洩れは許容されるが、油膜の圧力の反発力によってピストン本体37はシリンダボア12aから離間する方向へ付勢される。よって、シリンダボア12aに対するピストン本体37の固体接触による接触面圧は低下し、シリンダボア12aの摩耗が低減される。
また、ピストン本体37のクラウニング部Pは、先端から基端に向かうに従い面だらし部37h、円弧部37g、及びテーパ部37fが形成されるとともに、緩やかに形状変化している。このため、ピストン本体37の先端とシリンダボア12aとの間のサイドクリアランスが徐々に狭くなっており、ピストン36が往復動してもサイドクリアランスへは潤滑油が好適に引き込まれる。よって、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間に潤滑油の油膜が形成された状態が維持できる。
さらに、導入溝37kによって、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間の潤滑油がピストン本体37の周方向全体に亘って供給されるとともに、周方向での油膜厚さのばらつきが抑えられ、しかも、油膜による付勢力が好適に発揮される。その結果として、油膜厚さ(油膜の圧力)に起因したピストン本体37の傾きが抑えられ、シリンダボア12aに対するピストン本体37の偏当たりが抑制される結果、ピストン本体37の周方向全体に亘ってサイドクリアランスのばらつきが抑えられる。よって、サイドクリアランスの大小に起因したブローバイガスの流量増大を抑えることができる。
また、導入溝37kの位置を0.6<X/L<0.8の範囲内に設定している。図5(a)に示すように、導入溝37kの形成されていない場合(基準線J)と比べると、ブローバイガスの流量が減少していることが示されている。また、図5(b)に示すように、導入溝37kの位置を0.6<X/L<0.8の範囲内に設定すると、導入溝37kの形成されていない場合(基準線J)と比べると、ピストン本体37と、シリンダボア12aとの接触圧力も減少することが示されている。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ピストン本体37におけるテーパ角度θ1を0.45度〜1.5度の範囲内に設定し、クラウニング部Pの長さEは1.5mm〜5.0mmに設定されている。これら値を、ブローバイガス量と最大接触面圧を分析して設定することにより、シリンダボア12aの摩耗を低減することができるとともに、ブローバイガス量を抑えることができる。
(2)ピストン本体37のクラウニング部Pにテーパ部37fを形成するとともに、そのテーパ角度θ1を0.45度〜1.5度の範囲内に設定している。このため、シリンダボア12aとピストン本体37の間に油膜を好適に形成することができ、ピストン本体37とシリンダボア12aとが固体接触を減らして、接触面圧が最大接触面圧Paに達することを防止することができる結果、シリンダボア12aの摩耗を低減することができる。
(3)クラウニング部Pの長さEは1.5mm〜5.0mmに設定されている。低流量時のようにピストン本体37がサイドフォースの影響を大きく受けず傾いていないときであっても、クラウニング部Pの長さEにおける上限値を設定することで、シリンダボア12aとピストン本体37の間に形成される油膜の中心軸PLに沿った長さを長く確保することができる。よって、サイドフォースによるピストン本体37の傾きを抑えることができるとともに、シリンダボア12aとピストン本体37を通過するブローバイガス量が多くなることを防止することができる。また、最大容量時のようにピストン本体37がサイドフォースの影響を大きく受けて傾いてしまったときであっても、クラウニング部Pの長さEを設定することで、潤滑油の油膜を好適に形成して、サイドフォースを油膜で受承することができる。その結果として、ブローバイガス量を抑えつつ、接触面圧が最大接触面圧Paに達することを防止して、シリンダボア12aの摩耗を低減することができる。
(4)ピストン本体37にテーパ部37fを形成し、テーパ部37fによって、くさび効果を発揮させるようにした。このくさび効果によりシリンダボア12aとピストン本体37との間に潤滑油を引き込むとともに、油膜の圧力が高められる。このため、油膜の圧力の反発力によってピストン本体37をシリンダボア12aから離間する方向へ付勢することができる。よって、シリンダボア12aに対するピストン本体37の固体接触による接触面圧を低下させ、シリンダボア12aの摩耗を低減することができる。
(5)導入溝37kを形成する位置を、0.6<X/L<0.8の範囲内に設定した。このため、導入溝37kがピストン本体37の先端に寄りすぎてしまい、潤滑油がピストン本体37の全体に供給されにくくなることを回避することができる。よって、導入溝37kを適正な位置に配置することで、ピストン本体37とシリンダブロック12との間のほぼ全体に油膜を形成して、シリンダボア12aに対するピストン本体37の接触圧力を抑えることができる。
(6)導入溝37kを形成する位置を、0.6<X/L<0.8の範囲内に設定した。このため、導入溝37kがピストン本体37の基端に寄りすぎてしまい、圧縮室12b側から導入溝37kが離れ過ぎてしまうことを回避することができる。よって、導入溝37kを適正な位置に配置することで、ブローバイガスの流れをピストン本体37の圧縮室側端面37b側で抑え、クランク室15へ流れるブローバイガスの量を抑えることができる。
(7)ピストン本体37の首部側周縁部37cをピン角状に形成した。このため、ピストン本体37の首部側周縁部37c側とシリンダボア12aとの間のサイドクリアランスを一定に維持し、かつ広がることがない。よって、ピストン本体37の首部側周縁部37cから潤滑油が多量に洩れ出ることを抑制することができる。その結果として、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間に潤滑油を留め、油膜厚さを確保することによって、ピストン本体37とシリンダボア12aとの固定接触を抑制することができる。
(8)ピストン本体37には、クラウニング部P及び導入溝37kが形成されている。そして、クラウニング部Pにおけるテーパ部37fは所定の位置及び角度に設定されるとともに、導入溝37kの位置も所定の位置に形成される。このように、ピストン本体37に単にクラウニング部Pを形成するのではなく、各種設定を行うことで、シリンダボア12aの摩耗を低減することができるとともに、クランク室15に流れるブローバイガスの量を抑えることができる。
(9)ピストン36において、ピストン本体37の先端に面だらし部37hを形成するとともに、この面だらし部37hに連続して円弧部37gを形成し、さらに、円弧部37gに連続してテーパ部37fを形成した。このため、ピストン本体37は先端側から基端側に向かって緩やかに形状変化している。よって、ピストン本体37の先端側とシリンダボア12aとの間のサイドクリアランスを徐々に狭くすることができ、ピストン36の往復動の際に、サイドクリアランスへ潤滑油を好適に引き込むことができる。その結果として、ピストン本体37とシリンダボア12aとの間の油膜を維持し、この油膜のシールによってクランク室15に洩れるブローバイガスの量を抑えることができる。
(10)テーパ部37fのテーパ角度は0.45度〜1.5度と小さく設定されており、円弧部37g及び面だらし部37hは、シリンダボア12aとピストン本体37の間に所定の空間を形成し、テーパ部37fに確実に適量の潤滑油を供給する。また、ピストン36をシリンダボア12aに組み付ける際に、テーパ部37fの角がシリンダボア12aに傷を付け、シリンダボア12aに凹部を形成してしまうことを面だらし部37hにより防止できる。よって、シリンダボア12aに形成された凹部をブローバイガスが通過することによるブローバイガス量の増加を防止することができ、プローバイガス量の管理を適切に行うことが可能になる。
(11)テーパ部37fのテーパ角度θ1は0.5度〜1.3度に設定されるのがより好ましく、クラウニング部Pの長さEは、2.8mm〜3.4mmに設定されるのがより好ましい。このように設定することで、ブローバイガス量を、低流量時に許容できるブローバイガス量の最大値よりも少なくでき、最大接触面圧を、ピストン本体37及びシリンダボア12aに影響を及ぼさない値の中での最大値よりも小さくすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、面だらし部37hを外周面がピストン本体37の先端に向かって次第に先細りする形状を有するように形成したが、面だらし部37hは、テーパ形状を含んでいてもよく、ピストン本体37の先端に向かって徐々に曲率半径が大きくなる形状としてもよい。
○ 実施形態では、ピストン本体37の首部側周縁部37cをピン角状に形成したが、円弧状やテーパ状に形成されていてもよい。
○ 実施形態では、圧縮機10は、クラッチレス方式の動力伝達機構を介して車両エンジン20から回転駆動力を得るとしたが、これに限らず、クラッチ式の動力伝達機構を介して車両エンジン20から回転駆動力を得るものとしてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記ピストン本体における首部側の端面と、導入溝との間の距離を溝端面間距離Xとすると、この溝端面間距離Xに対するピストン本体の全長であるピストン長Lに対する比率(X/L)が、0.6<X/L<0.8の範囲内に設定されている可変容量型斜板式圧縮機。
(ロ)前記面だらし部は、前記ピストン本体において、その中心軸と平行に延び、かつピストン本体の外周面上に位置する接線に対し30度前後の傾斜角度に設定されている可変容量型斜板式圧縮機。
(ハ)前記環状溝の深さは0.1mm以上であり、開口幅は0.5mm以上である可変容量型斜板式圧縮機。
T…起点、θ1…テーパ角度、10…可変容量型斜板式圧縮機、12…シリンダブロック、12a…シリンダボア、12b…圧縮室、15…クランク室、16…駆動軸、23…斜板、36…片頭ピストンとしてのピストン、36a…首部、37…ピストン本体、37f…テーパ部、37g…円弧部、37h…面だらし部、37k…導入溝。

Claims (6)

  1. シリンダブロックに形成された複数のシリンダボア内に片頭ピストンが収容されるとともに、クランク室に駆動軸と一体回転する斜板が収容され、該斜板には前記片頭ピストンの首部が係留されるとともに、前記片頭ピストンのピストン本体によって前記シリンダボア内に圧縮室が区画され、前記クランク室の圧力を制御することで前記斜板の傾斜角度を制御することにより吐出容量を制御可能にした可変容量型斜板式圧縮機であって、
    前記ピストン本体における前記圧縮室側の先端部分に、テーパ部と、該テーパ部における前記圧縮室側の端部に連続する円弧部とを備え、
    前記テーパ部及び前記円弧部は、前記首部側に向けて拡径しており、
    前記テーパ部のテーパ角度が0.45度〜1.5度に設定されるとともに、
    前記ピストン本体の先端と前記テーパ部における前記首部側の起点との間の距離が1.5mm〜5.0mmに設定されていることを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 前記ピストン本体における前記円弧部より前記圧縮室側に、前記円弧部に連続する面だらし部が形成されている請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  3. 前記ピストン本体における前記テーパ部より前記首部側の外周面には、該外周面の周方向の全体に延びる導入溝が形成されている請求項1又は請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  4. 前記テーパ角度が0.5度〜1.3度に設定されている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  5. 前記距離が2.8mm〜3.4mmに設定されている請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  6. 前記ピストン本体における前記首部側の周縁部がピン角状に形成されている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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