JP2013159904A - 洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を有する水洗便器 - Google Patents

洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を有する水洗便器 Download PDF

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Abstract

【課題】便器の洗浄に必要な洗浄水量が洗浄水タンク内に貯水されていない状態で不用意に便器に洗浄水が供給されて洗浄が行われてしまう、いわゆる、「貯水前洗浄」を簡易な構造により未然に防ぐことができる洗浄水タンク装置を提供する。
【解決手段】本発明の洗浄水タンク装置18は、貯水タンク22の排水口22aを開閉する排水弁60,62と、この排水弁を開弁操作する操作部46,48と、この操作部と排水弁とを連結解除可能に連結する連結部と、を有し、この連結部72は、貯水タンク内の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位WL1以上であるときには、操作部と排水弁とを連結して操作部による排水弁の開弁操作が可能な状態にし、貯水タンク内の水位が規定水位WL1未満であるときには、操作部と排水弁との連結を解除して操作部による排水弁の開弁操作が不能な状態になるように切り替える連結切替手段90,92,94,96を備えている。
【選択図】図6

Description

本発明は、洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を有する水洗便器に係り、特に、便器に洗浄水を供給する洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を有する水洗便器に関する。
従来、便器に洗浄水を供給する洗浄水タンク装置においては、洗浄水タンク内に貯水されている洗浄水の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位を満たしているか否かにかかわらず、使用者が洗浄操作用のレバーを操作する毎に、洗浄水タンク内の洗浄水が便器に供給されるようになっている。
しかしながら、洗浄水タンクから洗浄水が供給される側の便器については、便器洗浄に必要な規定の洗浄水量の洗浄水が供給されることを前提として設計されている。したがって、洗浄水タンク内に貯水されている洗浄水の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位を満たしていない状態であるにもかかわらず、洗浄水タンクから便器へ不用意に洗浄水が供給されて洗浄が行われる、いわゆる、「貯水前洗浄」が行われると、洗浄水量の不足による便器の洗浄不良を生じさせたり、便器の下流側の床下側又は壁裏側に設けられた排水管の詰まりを生じさせるという問題がある。
そこで、従来の洗浄水タンク装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、洗浄水タンク内に水位センサーを設け、この水位センサーが洗浄水タンク内に規定量の洗浄水が貯留されているのを検知しない状態では、使用者が洗浄操作ボタンを押しても排水弁が開かないようになっているものが知られている。さらに、洗浄水タンク内に水位センサーを設ける代わりに、洗浄操作部にタイマー回路を設けることにより、洗浄操作ボタンを押してから一定時間が経過するまでの期間について、さらに洗浄操作ボタンを押しても排水弁が開かないようになっているものが知られている。
また、従来の洗浄水タンク装置として、例えば、特許文献2に記載されているように、洗浄水タンク内にフロートを設け、このフロートは、洗浄水タンク内の水位によって上下動することにより、洗浄操作用の押しボタンと空気弁とを連結した状態又は連結解除した状態に切り替えることができるようになっている。このフロートが所定の高さ位置まで上昇した状態では、押しボタンと空気弁とが連結した状態となり、この状態で押しボタンを押すと、空気弁が開弁して排水動作が開始するようになっている。
一方、フロートが所定の高さ位置まで上昇しない状態では、押しボタンと空気弁とが連結解除した状態となり、この状態で押しボタンを押しても、排水動作が行われないようになっている。
実開平4−57572号公報 特開昭59−213831号公報
しかしながら、上述した特許文献2に記載されている従来の洗浄水タンク装置においては、洗浄水タンク内の水位によって上下動するフロートのみによって排水動作のオンオフが制御されているが、フロートを作動させるための洗浄水タンク内の規定水位の設定が難しく、バラツキが多いという問題がある。
また、排水動作が完了した後の洗浄水タンク内の洗浄水の水位については比較的遅い速度で上昇し、フロートも水位と共に比較的遅い速度で上昇するため、押しボタンと空気弁とが連結解除状態から連結状態へと切り替わるのが遅く、両者の連結が確実に行われないおそれもあるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、便器の洗浄に必要な洗浄水量が洗浄水タンク内に貯水されていない状態で不用意に便器に洗浄水が供給されて洗浄が行われてしまう、いわゆる、「貯水前洗浄」を簡易な構造により未然に防ぐことができ、便器に供給される洗浄水量の不足による便器の洗浄不良や便器下流側の排水管の詰まりを防ぐことができる洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を有する水洗便器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、便器に洗浄水を供給する洗浄水タンク装置であって、便器に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンクと、この洗浄水タンクの底面に形成された排水口を開閉する排水弁と、この排水弁を開弁操作する操作部と、この操作部と上記排水弁とを連結解除可能に連結する連結部と、を有し、この連結部は、上記洗浄水タンク内の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位以上であるときには、上記操作部と上記排水弁とを連結して上記操作部による上記排水弁の開弁操作が可能な状態にし、上記洗浄水タンク内の水位が上記規定水位未満であるときには、上記操作部と上記排水弁との連結を解除して上記操作部による上記排水弁の開弁操作が不能な状態になるように切り替える連結切替手段を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、例えば、排水弁が排水口を開放して洗浄水タンクから便器に洗浄水を供給している状態から排水口を閉鎖した後、洗浄水タンク内の水位が便器の洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位に達する前の状態において、仮に操作部を操作したとしても、連結部の連結切替手段により、操作部と排水弁との連結を解除した状態で操作部による排水弁の開弁操作が不能な状態にすることができる一方、洗浄水タンク内の水位が上昇して便器の洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位以上に達しているときには、操作部と排水弁とを連結して操作部による排水弁の開弁操作が可能な状態にすることができる。したがって、便器の洗浄に必要な洗浄水量が洗浄水タンク内に貯水されていない状態で不用意に便器に洗浄水が供給されて洗浄が行われてしまう、いわゆる、「貯水前洗浄」を簡易な構造により未然に防ぐことができ、便器に供給される洗浄水量の不足による便器の洗浄不良や便器下流側の排水管の詰まりを防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記排水弁は、上記排水口を開閉する弁体と、この弁体に結合されて上方に延びて上記弁体と共に引き上げられることにより上記弁体を開弁させる管部材と、この管部材に設けられたフロートと、を備え、上記連結部の連結切替手段は、上記操作部に連結されて上記操作部による上記排水弁の開弁操作時に上記管部材を引き上げ可能な引き上げ部材と、上記管部材に設けられて上記引き上げ部材に係合解除可能に係合する係合部材と、を備え、この係合部材は、上記洗浄水タンク内の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位以上であるときに上記操作部による上記排水弁の開弁操作が開始されると、上記引き上げ部材と係合して上記引き上げ部材により所定の引き上げ距離だけ引き上げられた後、上記フロートの浮力により最大高さ位置まで上昇して上記引き上げ部材との係合を解除し、上記引き上げ距離は、上記係合部材が上記排水弁の開弁操作開始前の高さ位置から上記最大高さ位置まで移動する距離よりも小さく設定されている。
このように構成された本発明においては、上記洗浄水タンク内の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位以上であるときに操作部による排水弁の開弁操作が開始されると、係合部材が引き上げ部材と係合してこの引き上げ部材により所定の引き上げ距離だけ引き上げられ、さらに、排水弁のフロートの浮力により最大高さ位置まで上昇して引き上げ部材と係合部材との係合を容易に解除することができるため、貯水前洗浄を簡易な構造により確実に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記連結部の連結切替手段は、更に、上記洗浄水タンク内に設けられ且つ上端部が開放されて上記上端部以外に上記洗浄水タンクと連通する連通孔が形成された小タンクと、この小タンク内に設けられ且つ上記小タンク内の水位の変動に伴って上下動することにより上記操作部と上記排水弁とを連結又は連結解除させて上記操作部による上記排水弁の開弁操作を可能な状態又は不能な状態に切り替える小フロートと、を備えている。
このように構成された本発明においては、洗浄水タンク内の洗浄水が連結部の連結切替手段の小タンクの上端部から小タンク内に流入したり、小タンク内の洗浄水が連通孔から洗浄水タンクへ流出したりすることにより、小タンク内の水位が変動して小フロートが上下動すると、操作部と排水弁とが連結又は連結解除されて操作部による排水弁の開弁操作が可能な状態又は不能な状態に適切に切り替えることができるため、貯水前洗浄を効果的に禁止することができる。また、小タンクは、洗浄水タンクよりも容量が小さく、小タンクの水位上昇も洗浄水タンクの水位上昇よりも早く、小フロートの上下動により操作部と排水弁とを連結解除状態から連結状態に迅速に切り替えることができるため、操作部と排水弁とを連結解除状態から連結状態に切り替え中に、不用意に洗浄水タンクから便器に洗浄水が供給されることを抑制することができ、排水弁の開閉動作を適切に実行することができる。
本発明において、好ましくは、上記洗浄水タンク内の便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位は、上記小タンクの上縁の高さとほぼ等しい第1の所定水位であり、上記小タンクは、上記連通孔に開閉可能に設けられて上記洗浄水タンク内の水位が上記第1の所定水位よりも低い第2の所定水位未満であるときには、上記小タンク内の洗浄水を上記連通孔から上記洗浄水タンクへ流出させ、上記洗浄水タンク内の水位が上記第2の所定水位以上であるときには、上記洗浄水タンク内の水位が上記第1の所定水位に上昇するまで上記洗浄水タンク内の洗浄水が上記連通孔から上記小タンク内へ流入することを阻止する逆止弁を備えている。
このように構成された本発明においては、排水弁の閉弁後、洗浄水タンク内に洗浄水を貯水しているときに、洗浄水タンク内の水位が、小タンクの上縁の高さとほぼ等しい第1の所定水位よりも低く、第2の所定水位以上であるときには、逆止弁により、洗浄水タンク内の水位が第1の所定水位に上昇するまで、洗浄水タンク内の洗浄水が連通孔から小タンク内へ流入することを阻止することができ、小フロートの上昇を防ぐことができるため、貯水前洗浄をより効果的に禁止することができる。
本発明において、好ましくは、上記小タンクは、更に、上記小タンク内の貯水が開始する水位を変更可能な水位変更手段を備えている。
このように構成された本発明においては、小タンク内の貯水が開始する水位を変更可能な水位変更手段により、小フロートの上下動によって操作部と排水弁とを連結状態又は連結解除状態に切り替えるタイミング(例えば、小タンク内の貯水水位)を現場に応じて調整することができる。
本発明において、好ましくは、上記連結部は、更に、上記連結切替手段による切り替えにより上記操作部による上記排水弁の開弁操作が不能な状態になることを禁止する連結切替禁止手段を備えている。
このように構成された本発明においては、例えば、便器の清掃や洗浄水タンクのメンテナンスを行うために、操作部による排水弁の開弁操作を不能な状態にさせずに常時操作部と排水弁とを連結させて操作部による排水弁の開弁操作を可能にしたい場合には、連結部の連結切替禁止手段により、連結切替手段が操作部による排水弁の開弁操作が不能な状態に切り替えることを禁止することができ、適切に対応することができる。
また、本発明は、上記洗浄水タンク装置を有する水洗便器である。
このように構成された本発明においては、貯水前洗浄を未然に防ぐことができ、便器に供給される洗浄水量の不足による便器の洗浄不良や便器下流側の排水管の詰まりを防ぐ水洗便器を提供することができる。
本発明の洗浄水タンク装置によれば、便器の洗浄に必要な洗浄水量が洗浄水タンク内に貯水されていない状態で不用意に便器に洗浄水が供給されて洗浄が行われてしまう、いわゆる、「貯水前洗浄」を簡易な構造により未然に防ぐことができ、便器に供給される洗浄水量の不足による便器の洗浄不良や便器下流側の排水管の詰まりを防ぐことができる。
本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器の断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水開始前の状態の内部構造を示す正面断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水開始前の状態の排水装置について部分的に破断した正面断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置における切替機構部分を斜め上方から見た斜視図である。 図4に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における支持台部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における引き上げ部材の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における係合部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における揺動カム部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における小フロートの斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における逆止弁の斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水が開始されて排水装置の排水弁が引き上げ部材により所定の引き上げ距離だけ引き上げられたときの状態を示す概略断面図である。 図13に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水装置の排水弁が所定の引き上げ距離だけ引き上げられた後、浮力により最大高さ位置まで上昇したときの状態を示す概略断面図である。 図15に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水装置の排水弁が最大高さ位置まで上昇後、洗浄水タンク内の水位がさらに低下して小フロートが最低位置まで下降したときの状態を示す概略断面図である。 図17に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水装置の排水終了後の状態を示す概略断面図である。 図19に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の内部構造を斜め上方から見た斜視図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の部分を斜め上方から見た斜視図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替禁止装置の非作動状態を示す概略図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替禁止装置の作動状態を示す概略図である。
つぎに、添付図面により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を説明する。
まず、図1により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗便器の断面図である。
図1に示すように、符号1は洗落し式の水洗便器を示し、この便器1は、便器本体2を備え、この便器本体2にはボウル部4と、導水路6と、ボウル部4の下部と連通するトラップ管路8がそれぞれ形成されている。
便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム10と、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口12が形成され、この第1吐水口12から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部を洗浄するようになっている。
ボウル部4の下方には、一点鎖線で貯留面W0が示された溜水部14が形成されている。この溜水部14の下方には、排水トラップ管路8の入口8aが開口し、この入口8aから上昇路8bが後方に延びている。この上昇路8bには下降路8cが連続し、下降路8cの下端は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。また、ボウル部4の貯留面W0の上方位置には、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口16が形成され、この第2吐水口16から吐水される洗浄水が溜水部14の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
便器本体2の導水路6の上方には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置18が設けられている。
なお、本実施形態による洗浄水タンク装置18は、上述した洗落し式以外の他のタイプの水洗便器(例えば、サイホン式水洗便器など)にも適用可能である。
つぎに、図2により、洗浄水タンク装置18について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水開始前の状態の内部構造を示す正面断面図である。
図2に示すように、洗浄水タンク装置18は、便器本体2の後方側の上面に取り付けられる陶器製の外装タンク20と、その内方に配置され、洗浄水が貯水される貯水タンク22と、外装タンク20に載せられる蓋体24と、を備えている。洗浄水タンク装置18の貯水タンク22の底部には、便器本体2の導水路6と連通する排水口22aが形成され、貯水タンク22内の洗浄水が導水路6(図1参照)へと排水されるようになっている。
貯水タンク22は、それを取り囲むように断熱体26が設けられ、この断熱体26を介して、貯水タンク22が外装タンク20に取り付けられている。
また、貯水タンク22の底面には、上述した便器本体2の導水路6に連通する排水口22aを形成する排水口形成部材28が形成されている。この排水口形成部材28は、上下方向に延びるように形成され、その下端部が外装タンク20の下側まで延びて締結部材30により固定されている。
また、蓋体24には、蓋体24に形成された手洗い鉢24aに手洗い用の水を吐水する手洗いカラン32が設けられている。この手洗いカラン32から吐水された手洗い鉢24aの水は、手洗い鉢24aに形成された吐水口(流入口)24bにより、貯水タンク22内に流入するようになっている。
つぎに、洗浄水タンク装置18は、洗浄水給水装置34を備えている。この洗浄水給水装置34は、従来のものと同様のものであり、外部の水道管などの給水源(図示せず)に接続される給水管36と、給水装置用フロート38と、給水管36と連通して貯水タンク22に洗浄水を吐水する吐水管40と、給水装置用フロート38にレバー42を介して連結される給水バルブ(図示せず)とを備えている。
また、洗浄水給水装置34は、詳細は後述する排水装置44による排水が開始されてから所定時間後、給水を開始するようになっている。
ここで、本実施形態では、貯水タンク22の満水時の止水水位は、図2に示す位置(WL0)で一定になるようにしている。
さらに、本実施形態では、貯水タンク22の満水時の止水水位WL0は、詳細は後述する小タンク94の上縁94bの高さ位置と等しい所定水位WL1よりも上方に位置している。
また、この貯水タンク22の所定水位WL1(<WL0)は、便器洗浄に最低限必要な洗浄水量に相当する規定水位と等しい、或いはこの規定水位を上回る水位となっている。すなわち、この貯水タンク22の水位WL1に相当する洗浄水量は、便器洗浄に最低限必要な洗浄水量以上に設定されている。
また、この洗浄水給水装置34は、手洗いカラン32に水を供給する手洗い給水管45を備え、便器への洗浄水の供給開始時(排水開始時)、上述した蓋体24の手洗いカラン32に水の供給を開始するようにしている。
つぎに、洗浄水タンク装置18は、貯水タンク22の排水口22aに開閉可能に取り付けられて排水口22aが開放されているときに貯水タンク22内の洗浄水を便器本体2の導水路6に供給する排水装置44と、この排水装置44の作動を操作する操作部の一部である操作レバー46とを備えている。
操作レバー46は、一方(本実施形態では、手前側)に(90度)回動させると、後述する大洗浄が開始され、他方(本実施形態では、奥側)に(90度)回動させると、後述する小洗浄が開始されるように、排水装置44を作動させる手動式の操作レバーである。
これらの操作レバー46には、ユニバーサルジョイント等により構成され且つ排水装置44の作動を操作する操作部の一部である回転伝達部材48の一端部が連結されている。
一方、回転伝達部材48の他端部には、その回転に伴って、回転伝達部材48を中心に揺動することにより排水装置44の開弁操作を行う開弁操作用の揺動部材50と、回転伝達部材48を中心に揺動する方向に応じて洗浄モードを大洗浄モード又は小洗浄モードに切り替える洗浄モード切替用の揺動部材52がそれぞれ取り付けられている。
また、開弁操作用の揺動部材50の先端部には、アーム部材54が連結され、洗浄モード切替用の揺動部材52の先端部52aには、玉鎖56が取り付けられている。
これらの開弁操作用の揺動部材50及び洗浄モード切替用の揺動部材52については、回転伝達部材48を一方側(大洗浄時)に回転させると、開弁操作用の揺動部材50のみが、その一方側に揺動してアーム部材54を引き上げ、このアーム部材54の下端部に連結されたフック部材58を引き上げるようになっている。
一方、回転伝達部材48を他方側(小洗浄時)に回転させると、開弁操作用の揺動部材50及び洗浄モード切替用の揺動部材52のそれぞれが、その他方側に揺動してアーム部材54及び玉鎖56の双方を引き上げるような機構になっている。
つぎに、図2〜図4により、排水装置44について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の分解斜視図であり、図4は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水開始前の状態の排水装置について部分的に破断した正面断面図である。
まず、図3に示すように、本実施形態による洗浄水タンク装置18の排水装置44は、貯水タンク22の排水口22aを開閉する排水弁として機能する弁体60及び樹脂製のオーバーフロー管62と、外側制御筒64と、内側制御筒66と、樹脂製のフロート68と、外側制御筒64の片側側面に形成された開口部64aを開閉する切替弁70と、弁体60の開弁操作を可能な状態又は不能な状態に切り替える切替機構72とを備えている。
弁体60は、図3及び図4に示すように、オーバーフロー管62の下端部に形成された断面コ字状の弁体保持部62aにはめ込まれ、オーバーフロー管62と共に上下動して、排水口22aを開閉する排水弁として機能するようになっている。
つぎに、図3及び図4に示すように、内側制御筒66には、ほぼ円筒状の外側壁66aと、オーバーフロー管62の上下動をガイドする円筒状の内側壁66bが形成されている。
また、図3及び図4に示すように、内側制御筒66には、これらの側壁66a,66bと共に洗浄水を貯水可能にする中間水平壁66cが形成され、これらの側壁66a,66b及び中間水平壁66cにより貯水筒66dが形成されている。
また、貯水筒66dの外側壁66aには、貯水筒66d内に貯水された洗浄水を所定の流量で流出させるための2つの小穴66e,66fが外側制御筒64の開口部64aの反対側に位置するように形成されている。これらのうちの一方の小穴66eについては、上下方向にスライド可能なスライド部材74が取り付けられており、このスライド部材74を上下方向にスライドさせることにより、小穴66eの開口面積を調節し、貯水筒66d内から流出させる洗浄水の流量を調節することができるようになっている。
また、内側制御筒66の外側壁66aにおけて、貯水筒66dよりも下方部分には、排水時に、内側制御筒66の外方側の洗浄水を排水口22aに流入させるための流入口66gが形成されている。
つぎに、図4に示すように、貯水筒66dの内方には、フロート68が配置されている。このフロート68の上方には、オーバーフロー管62の凹部62b内に側方からはめ込まれた固定部材76が設けられ、この固定部材76は、満水時には、フロート68の上昇を抑えるストッパとしての機能するようになっている。また、固定部材76は、排水時には、オーバーフロー管62及び弁体60がフロート68の下降と連動して下降するように、オーバーフロー管62とフロート68とを接続している。
ここで、フロート68の浮力は、満水時、弁体60にかかる水圧によりオーバーフロー管62及び弁体60を上昇させないような浮力に設定され、排水時には、オーバーフロー管62及び弁体60に作用する下方向きの力よりやや大きい浮力に設定されている。
つぎに、図3及び図4に示すように、外側制御筒64は、その横断面形状がほぼ矩形状に形成され、4辺の上縁部64bを備え、上方が開放されている。また、外側制御筒64は、矩形状に形成された外側制御筒64の4つの側面のうち、1つの側面64cにのみ、矩形状の開口部64aが1つだけ形成されている。
また、外側制御筒64の開口部64aを開閉する切替弁70は、図3及び図4に示すように、第1切替弁78及びその外方側に設けられる第2切替弁80が設けられている。
図3に示すように、外側制御筒64は、開口部64aの下方且つ側方の両側に軸64dを備え、第1切替弁78は、それらの軸64dにより揺動自在に嵌められる受部78aを備え、第2切替弁80には、その受部78aに揺動自在に嵌められる孔部80aが形成されている。
第1切替弁78は、外側制御筒64の軸64dを中心に下方位置から開口部64aを閉じる位置まで揺動可能であり、第2切替弁80は、外側制御筒64の軸64dを中心に下方位置から開口部64aを閉じた第1切替弁78に隣接する位置まで揺動可能になっている。
つぎに、図3及び図4に示すように、第1切替弁78には、この第1切替弁78が開口部64aを閉じたとき、外側制御筒64の外方と内方とを連通させる連通口78bが形成されている。この連通口78bの開口断面積は、開口部64aの開口断面積よりも小さく、その大きさは、開口部64aを全開にしたときより、洗浄水の流量が所定量少なくなるような大きさに形成されており、この第1切替弁78により、外側制御筒64の開口部64aの開口断面積を調節(減少)することができるようになっている。
つぎに、第2切替弁80には、第1切替弁78側に向けて延びる突出部80bが形成されている。この突出部80bは、第2切替弁80が第1切替弁78に近接した状態或いは隣接した状態のときに、第1切替弁78の連通口78bに挿入可能な位置及び角度に形成されている。
また、第2切替弁80の上縁部には、洗浄モード切替用の揺動部材52に取り付けられた玉鎖56の下端部分が取り付けられる玉鎖取付部80cを備えている。
さらに、第1切替弁78と第2切替弁80のそれぞれには、錘82,84がそれぞれ取り付けられている。
図3及び図4に示すように、外側制御筒64の内方には内側制御筒66が取り付けられ、外側制御筒64及び内側制御筒66は、排水口22aを取り囲むように貯水タンク22の底部に取り付けられ、オーバーフロー管62が上下動することにより、弁体60が排水口22aを開閉するようになっている。
つぎに、図2〜図12により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の排水装置44における弁体60の開弁操作を可能な状態又は不能な状態に切り替える切替機構72について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置における切替機構部分を斜め上方から見た斜視図であり、図6は、図4に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。
まず、図3〜図6に示すように、切替機構72は、内側制御筒66の上方に設けられて開弁操作用の揺動部材50及び洗浄モード切替用の揺動部材52を揺動可能に支持する支持台部材86と、操作レバー46の回動操作により引き上げられる引き上げ部材88と、オーバーフロー管62の上方外周部の両側に設けられた軸62cを中心に回動可能に取り付けられて引き上げ部材88と連結解除可能に連結する係合部材90と、この係合部材90に連結解除可能に連結する揺動カム部材92と、支持台部材86の内周側の一部に形成されて貯水タンク22よりも容量が小さい小タンク94と、この小タンク94内に設けられて揺動カム部材92に連結する小フロート96と、小タンク96の下方に設けられた逆止弁98と、を備えている。
つぎに、図7は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における支持台部材の斜視図である。
図3〜図7に示すように、切替機構72の支持台部材86は、上方及び下方が開放されて概ね円筒状の本体部86aと、この本体部86aの外周部下方の四隅から下方に延びる4つの脚部86bとを備え、これらの脚部86bのそれぞれは、それぞれに対向する下方の内側制御筒66の上縁の四隅から上方に延びる取付支持部66h(図3及び図5参照)に取り付けられて固定されている。
また、図3及び図7に示すように、支持台部材86は、本体部86aの上端の前後方向に対向する両側から上方に延びる一対の支柱部86cを備えている。これらの両支柱部86cの上方には、後述する引き上げ部材88の開弁操作用の揺動部材50の円筒部50aが挿入されて取り付けられた状態で揺動部材50を揺動可能に支持する取付穴86dが形成されている。
さらに、図3及び図7に示すように、支持台部材86の本体部86aの内周側の一部には、後述する小フロート96が上下動可能に挿入される小タンク94が形成されている。
また、図6に示すように、小タンク94の底部には、貯水タンク22内と連通する連通孔94aが形成され、この連通孔94aに逆止弁98が設けられている。
なお、連通孔94aについては、小タンク94の底部に形成された形態に限定されず、小タンク94の側部に連通孔を形成し、この連通孔に逆止弁を取り付けてもよい。
さらに、小タンク94の上縁94bは、支持台部材86の本体部86aの上面と面一となっている。
また、図7に示すように、支持台部材86の本体部86aの正面、及び小タンク94が形成された側面と対向する側面には、貯水タンク22内と連通する連通口86eが形成されている。
つぎに、図8は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における引き上げ部材の分解斜視図である。
図3〜図8に示すように、切替機構72の引き上げ部材88は、支持台部材86の取付穴86dに取り付けられる円筒部50aを備えた開弁操作用の揺動部材50と、この揺動部材50の連結軸50bに連結される連結孔54aが上端部に形成されたアーム部材54と、このアーム部材54の下端部に形成された連結孔54bに連結される連結軸58aが上端部に形成されたフック部材58とを備えている。
図3、図5及び図8に示すように、揺動部材50の円筒部50aは、支持台部材86の取付穴86dに挿入された状態で、洗浄モード切替用の揺動部材52の円環部52bが揺動部材50の円筒部50aの外周側に取り付けられた後、C形状の固定部材100が揺動部材50の円筒部50aに取り付けられている。
例えば、操作レバー46を一方側(大洗浄時)に回転させることにより、回転伝達部材48を一方側に回転させると、開弁操作用の揺動部材50のみが、その一方側に揺動してアーム部材54を引き上げ、このアーム部材54の下端部に連結されたフック部材58を引き上げるようになっている。
一方、操作レバー46を他方側(小洗浄時)に回転させることにより、回転伝達部材48を他方側に回転させると、開弁操作用の揺動部材50が他方側に揺動してアーム部材54を引き上げると共に、摺動部材50の円筒部50aの外周面から外側に突出するように形成された突起50c(図6参照)がその裏側(後側)に位置する洗浄モード切替用の揺動部材52の突起(図示せず)と当接し、この洗浄モード切替用の摺動部材52が摺動部材50と一体的に他方側に揺動して玉鎖56を引き上げるような機構になっている。
また、引き上げ部材88のフック部材58は、上方から見てほぼU字形に形成されて且つ後述する係合部材90に係合又は係合解除可能な一対のフック部58bを備えている。
さらに、図9は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における係合部材の斜視図である。
図3〜図9に示すように、切替機構72の係合部材90は、オーバーフロー管62の軸62に取り付けられる取付穴90aのぞれぞれから下方に直線状に延びる一対の直線フレーム部90bと、これらの直線フレーム部90bの上端の双方を結ぶようにオーバーフロー管62の外周面をほぼ半円弧状に取り囲む湾曲フレーム部90cとを備えている。また、直線フレーム部90bの下端部は、ほぼ水平方向に湾曲しており、その外側側面から外方に突出する係合突起90dが形成されている。
また、フック部材58の一対のフック部58bの内側同士の間隔は、係合部材90の一対の直線フレーム部90bの外側同士の間隔よりもわずかに大きくなっている。
さらに、貯水タンク22内の水位が、満水時の止水水位WL0よりも低く且つ小タンク94の上縁94bの高さ位置と等しい水位WL1以上になったときに、操作レバー46を回転して引き上げ部材88のフック部材58が引き上げられると、フック部58bの先端部上面58cが係合部材90の係合突起90dの下端に係合し、係合部材90を引き上げることができるようになっている。
さらに、フック部材58により係合部材90が引き上げられると、弁体60がオーバーフロー管62と共に引き上げられ、排水口22aが開放されるようになっている。
また、詳細は、図15及び図16を参照した排水装置44の動作において説明するが、本実施形態では、貯水タンク22内の水位が、止水水位WL0よりも低く且つ小タンク94の上縁94bの高さ位置と等しい水位WL1以上であるときに操作レバー46による弁体60の開弁操作が開始されると、係合部材90の係合突起90dが引き上げ部材88のフック部材58のフック部58bの先端部上面58cと係合し、この引き上げ部材88により所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられるようになっている。そして、この引き上げ後、貯水タンク22内の洗浄水によるオーバーフロー管62及びフロート70に作用する浮力により、係合部材90がオーバーフロー管62と共に最大高さ位置までさらに距離h2だけ上昇するようになっている。
すなわち、係合部材90が引き上げ部材88により引き上げられる引き上げ距離h1は、係合部材90が弁体60の開弁操作開始前の高さ位置から最大高さ位置まで移動する距離h3よりも小さく設定されている。
また、係合部材90は、オーバーフロー管62の軸62cを中心に揺動可能であり、オーバーフロー管62の外周の一部には、係合部材90の揺動範囲を規制するための突起62d(図6参照)が形成されている。この突起62dは、図6及び図9に示すように、係合部材90が、その直線フレーム部90bが垂直方向に延びるような位置にあるときに、係合部材90の直線フレーム部90bの一方側の端面90eに当接し、係合部材90の突起62d側への更なる回動が規制されるようになっている。
つぎに、図10は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における揺動カム部材の斜視図であり、図11は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における小フロートの斜視図である。
図3〜図11に示すように、切替機構72の揺動カム部材92は、支持台部材86の本体部86aの上面に前後方向に所定間隔を置いて設けられた一対の軸受け部材102にその軸回りに回動可能に取り付けられる回動軸部92aと、この回動軸部92aの側面の一部に軸方向に対向するように一体に形成され且つ回動軸部92aの回動(揺動)により係合部材90の直線フレーム部90bの他方側の端面90fのそれぞれと係合又は係合解除可能な一対のカム突起部92bと、回動軸部92aの外周面に沿って一体に形成され且つ小フロート96の連結軸部96aがその軸回りに回動可能に連結される一対の連結突起部92cとを備えている。
また、図11に示すように、切替機構72の小フロート96は、連結軸部96aと、内部が中空に形成されて小タンク94(図6及び図7参照)内に配置される本体部96bと、この本体部96bの上面に一体に形成されて本体部96bの上面から所定間隔置いた上方に連結軸部96aを保持する保持部96cとを備えている。
さらに、小フロート96の本体部96bは、その外周と小タンク94の内周面との間に所定間隔の隙間が形成されている。
また、小フロート96の本体部96bは、小タンク94内の水位の上下動と連動し、小フロート96が小フロート96に対して上下動することができるようになっている。
つぎに、図12は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構における逆止弁の斜視図である。
図3〜図12に示すように、小タンク94の連通孔94aに開閉可能に設けられた逆止弁98は、本体部98aと、この本体部98aの上面98bから上方に延びるように形成された4つの指部98cとを備えている。
また、これらの指部98cの外面98d(図12参照)を互いに円周方向に結ぶ外周円の直径D1(図6参照)は、連通孔94aの直径とほぼ等しく、それぞれの指部98cが小タンク94の連通孔94aを通過することができるようになっているが、各指部98cの上端部98eは、小タンク94の連通孔94aの周縁部よりも外方に突出している。
したがって、貯水タンク22内の水位が小タンク94の連通孔94aの上下方向の高さ位置と等しい又はこの高さ位置よりも上方に位置しているときには、貯水タンク22内の洗浄水により、逆止弁98に作用する上向きの浮力が逆止弁98の自重を上回るため、逆止弁98の本体部98aが小タンク94に対して最も上昇し、小タンク94の連通孔94aが逆止弁98の本体部98aの上面98bの中央部により閉鎖されるようになっている。
また、貯水タンク22内の水位が小タンク94の連通孔94aの上下方向の高さ位置未満にあるときには、水位が下がる程、逆止弁98に作用する上向きの浮力が小さくなり、逆止弁98が小タンク94に対して下降し、小タンク94の連通孔94aが開放されるようになっている。
さらに、小タンク94内の洗浄水のすべてが連通孔94aから貯水タンク22内へ流出すると、逆止弁98が小タンク94に対して最も下方の位置まで下降し、指部98bの上端部98eの下面98fが連通孔94aに当接し、逆止弁98が小タンク94に対して脱落しないようになっている。
以上より、上述した本実施形態の洗浄水タンク装置18の構成では、弁体60、この弁体60を弁体保持部62aで保持するオーバーフロー管62、及びフロート68が貯水タンク22の排水口22aを開閉する排水弁として機能するようになっている。
また、操作レバー46と回転伝達部材48がこの排水弁を開弁操作する操作部として機能するようになっている。
さらに、切替機構72の支持台部材86、引き上げ部材88、係合部材90、揺動カム部材92、小タンク94、及び小フロート96がこれらの操作部と排水弁とを連結解除可能に連結する連結部として機能するようになっている。
特に、切替機構72の係合部材90、揺動カム部材92、小タンク94、及び小フロート96が、貯水タンク22内の水位が止水水位WL0よりも低く且つ小タンク94の上縁94bの高さ位置と等しい所定水位WL1であるときには、操作部と排水弁とを連結して操作部による排水弁の開弁操作が可能な状態にし、貯水タンク22内の水位が所定水位WL1未満であるときには、操作部と排水弁との連結を解除して操作部による排水弁の開弁操作が不能な状態になるように切り替える連結切替手段として機能するようになっている。
つぎに、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の動作について説明する。
まず、図2、図4、図6及び図13〜図20により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される大洗浄モード及び小洗浄モードの2種類の洗浄モードのうち、大洗浄モードについて説明する。
なお、以下で説明する大洗浄モードは、上述した貯水筒66dに形成した小穴66e、66fが2つとも開かれている状態(スライド部材74で小穴66eを閉じない状態)についての例である。
まず、図2、図4及び図6に示すように、大洗浄モードが開始される前の状態では、貯水タンク22の排水口22aが弁体60により閉鎖されており、貯水タンク22内の止水水位WL0は、小タンク94の上縁の高さ位置と同一の水位WL1よりも上方となり、便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位を上回る水位となっている。
このとき、図6に示すように、逆止弁98は、貯水タンク22内の止水水位WL0による浮力により最高位置まで上昇して小タンク94の連通孔94aを閉鎖した状態となっており、小タンク94内の水位も満水水位となり、小フロート96についても最高位置まで上昇している状態となっている。
また、図6に示すように、揺動カム部材92については、小フロート96の上昇により、小フロート96の連結軸部96aに連結された連結突起部92cが上昇する方向に回動軸部92aが揺動した状態となっているため、カム突起92bが係合部材90の直線フレーム部90bの端面90fを押圧し、係合部材90の直線フレーム部90bの端面90eがオーバーフロー管62の突起62dに当接し、係合部材90の直線フレーム部90bが垂直方向に延びた姿勢となっている。
このとき、図6に示すように、係合部材90の係合突起90dは、引き上げ部材88におけるフック部材58のフック部58bの先端部上面58cと当接しておらず、フック部58bの先端部上面58cよりも所定の隙間を置いて上方に位置している。
つぎに、図13は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水が開始されて排水装置の排水弁が引き上げ部材により所定の引き上げ距離だけ引き上げられたときの状態を示す概略断面図であり、図14は、図13に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。
図13及び図14に示すように、大洗浄モードの開始時、使用者が操作レバー46を初期位置から手前側に90度回転させると、開弁操作用の揺動部材50のみが揺動することにより、この揺動部材50に連結する引き上げ部材88のアーム部材54と、このアーム部材54に連結するフック部材58が所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられる。
このとき、図13及び図14に示すように、フック部58bの先端部上面58cと係合部材90の係合突起90dの下端は係合した状態となっており、フック部材58が所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられたことにより、係合部材90が所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられ、係合部材90が取り付けられているオーバーフロー管62も所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられる。そして、このオーバーフロー管62の引き上げにより、弁体60が、所定距離h1だけ引き上げられ、排水口22aが開いて排水が開始され、貯水タンク22内の水位が止水水位WL0から低下し始め、所定水位WL1未満の水位WL2となる。
また、図14に示すように、貯水タンク22内の水位WL2が小タンク94の連通孔94aの高さ位置よりも上方に位置しているときには、逆止弁98は、貯水タンク22の水位WL2による浮力により、最高位置まで上昇して小タンク94の連通孔94aを閉鎖した状態を維持している。このとき、小タンク94内の水位は、その上縁94bの高さとほぼ等しい満水水位w0を維持し、小フロート96についても最高位置まで上昇している状態を維持している。
一方、図13に示すように、大洗浄モードの開始時、使用者が操作レバー46を手前側に90度回転させても、洗浄モード切替用の揺動部材52は揺動しないため、この揺動部材52に取り付けられている玉鎖56は引き上げられず、切替弁70が外側制御筒64の開口部64aを開放したままの状態が維持される。
つぎに、図15は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水装置の排水弁が所定の引き上げ距離だけ引き上げられた後、浮力により最大高さ位置まで上昇したときの状態を示す概略断面図であり、図16は、図15に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。
図15及び図16に示すように、引き上げ部材88のフック部材58が所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられた後、貯水タンク22内の洗浄水によるオーバーフロー管62及びフロート70に作用する浮力により、オーバーフロー管62、フロート70及び弁体60が所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられた位置から最大の高さ位置まで更に所定距離h2(図16参照)だけ上昇する。
また、オーバーフロー管62の上昇に伴って係合部材90についても上昇するため、係合部材90は、その係合突起90dがフック部材58のフック部58bの先端部上面58cと係合した状態から離間して係合が解除された状態となり、係合部材90の自重により、オーバーフロー管62の軸62cを中心に図16に示す矢印Aの方向に揺動した後、図15及び図16に示す係合部材90の姿勢の状態で静止する。
したがって、係合部材90が引き上げ部材88のフック部材58によって引き上げられた距離h1は、弁体60が排水口22aを閉鎖している排水装置44の開弁操作開始前の
係合部材90、オーバーフロー管62及び弁体60の高さ位置から最大の高さ位置まで移動する距離h3(=h1+h2)よりも小さくなる。
また、図15及び図16に示すように、貯水タンク22内の水位WL3は、排水時間の経過に伴って、図13及び図14に示す水位WL2よりも低下するが、逆止弁98の位置よりも上方に位置するため、逆止弁98は、貯水タンク22内の洗浄水による浮力により、最高位置まで上昇した状態を維持し、小タンク94の連通孔94aを閉鎖している。したがって、小タンク94内の水位も依然として満水水位w0となっており、小フロート96についても最高位置まで上昇している状態で維持されている。
つぎに、図17は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水装置の排水弁が最大高さ位置まで上昇後、洗浄水タンク内の水位がさらに低下して小フロートが最低位置まで下降したときの状態を示す概略断面図であり、図18は、図17に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。
図17及び図18に示すように、操作レバー46が初期位置に戻されると、開弁操作用の引き上げ部材88の開弁操作用の揺動部材50、アーム部材54、及びフック部材58が図2、図4及び図6と同じ初期位置に戻る。
このとき、洗浄モード切替用の揺動部材52は依然として揺動しないので、外側制御筒64の開口部64aを開閉する切替弁70の各切替弁78、80は、開口部64aから離間した位置のままである。したがって、外側制御筒64の開口部64aは全開であり、その開口断面積も変わらない。
また、図17及び図18に示すように、貯水タンク22内の水位WL4は、排水時間の経過に伴って、図15及び図16に示す水位WL3よりも低下し、この低下している洗浄水の水位が、小タンク94の連通孔94aと同一の高さ位置(図18の破線WL4’参照)を通過すると、逆止弁98が浮力を失って最低位置まで一気に下降して小タンク94の連通孔94aを開放する。そして、小タンク94内の洗浄水は、開放された連通孔94aから貯水タンク22内へ流出し、小タンク94内の水位が低下し、小フロート96が最低位置まで下降する。
さらに、図17及び図18に示すように、揺動カム部材92については、小フロート96の下降により、小フロート96の連結軸部96aに連結された連結突起部92cが下降する方向に回動軸部92aが揺動した状態となっているため、カム突起92bが図15及び図16に示すカム突起92bの位置よりも上昇している。
つぎに、図19は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の大洗浄モードにおける排水装置の排水終了後の状態を示す概略断面図であり、図20は、図19に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替機構部分を拡大した拡大図である。
図19に示すように、排水開始後、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位WL5(図19の破線WL5参照)が時間と共に低下し、外側制御筒64の上縁部64b付近まで低下した時点で、外側制御筒64内の洗浄水が急激に排水口22aから排出される。
また、これに伴い、内側制御筒66の貯水筒66d内の洗浄水の水位が、小穴66e、66fから流出する流量に応じて所定の速度で低下し始める。したがって、そのような貯水筒66d内の水位の低下に伴ってフロート68も下降し、そのフロート68の下降に連動してオーバーフロー管62及び弁体60も、フロート68の下降速度と同じ速度で下降する。そして、所定時間経過後、貯水筒66d内の洗浄水の水位がフロート68に浮力を与えない水位まで低下したとき、弁体60が排水口22aを閉鎖し、排水が終了する。
ここで、図19に示す水位DWLは、弁体60が排水口22aを閉鎖した後に、外側制御筒64の外方の洗浄水が、開口部64aを介して外側制御筒64の内方に流入し、最終的に得られる、死水水位である。このように、閉弁後の外側制御筒64の外方の水位DWLが、開口部64aの上縁より上方に位置するようにすることにより、開口部64aへ流入する洗浄水をヘッド圧が高いものとなり、洗浄が終了するまで水勢の強い洗浄水が排水される。すなわち、図19に示すように、大洗浄モードにより、排水が開始される前の貯水タンク22内の止水水位WL0と死水水位DWLとの水位差に相当する洗浄水量が、便器洗浄に必要な洗浄水として、貯水タンク22内から排水口22aを経て便器本体2の導水路6に供給される。
また、図19及び図20に示すように、排水が終了した状態では、オーバーフロー管62及び係合部材90がそれぞれの最低位置まで下降しているが、係合部材90の係合突起90dは、引き上げ部材88のフック部材58のフック部58bと当接しないように離間している。
排水が終了した後、洗浄水給水装置34による給水により、貯水タンク22内の水位が上昇している途中や、貯水タンク22の内の水位が満水時の止水水位WL0よりも低い水位WL1未満のときに、仮に、使用者が操作レバー46を操作することにより、引き上げ部材88を引き上げたとしても、フック部材58のフック部58bの先端部上面58cが係合部材90の係合突起90dに当接することなく引き上げられる。したがって、係合部材90は、引き上げ部材88のフック部材58により引き上げられず、オーバーフロー管62及び弁体60も引き上げられることなく、排水口22aが閉鎖された状態が維持される。
また、図2及び図19に示すように、排水が終了した後、洗浄水給水装置34による給水により、貯水タンク22内の水位が上昇して小タンク94の連通孔94aの位置よりも上昇すると、逆止弁98が連通孔94aを閉鎖する。そして、図2、図4及び図6に示すように、貯水タンク22内の水位が上昇して小タンク94の上縁94bの高さ位置と等しい水位WL1に到達すると、小タンク94の上縁94bから小タンク94内に貯水タンク22内の洗浄水が流入し、小タンク94内の水位が満水水位w0となる。このとき、給水装置用フロート38が、貯水タンク22内の水位により上昇し、レバー42を介して連結される給水バルブ(図示せず)を閉弁し、洗浄水給水装置34による給水を停止する。
一方、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される小洗浄モードにおける引き上げ部材88や切替機構72の一連の動作についても、図13〜図20に示す大洗浄モードの場合の引き上げ部材88や切替機構72の一連の動作と共通しているため、説明を省略する。
ちなみに、小洗浄モードの開始時、使用者が操作レバー46を奥側に90度回転させると、開弁操作用の揺動部材50及び洗浄モード切替用の揺動部材52の双方が揺動し、玉鎖56を介して切替弁70の第1切替弁78及び第2切替弁80が外側制御筒64の開口部64aを閉じる位置まで引き上げられ、外側制御筒64の内外の差圧により、切替弁70が外側制御筒64の開口部64aを閉じた位置に保持される。
したがって、小洗浄モードでは、貯水タンク22の排水口22aから洗浄水を排水しているときに、貯水タンク22内にあり且つ外側制御筒64の外部にある洗浄水が外側制御筒64の開口部64aよりから流入することができない分だけ、排水口22aから便器本体2の導水路6に供給される洗浄水量が大洗浄モードの場合よりも少なくなり、貯水タンク22内の死水水位についても、図19に示す水位DWLよりも高くなる。
上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、例えば、排水装置44の弁体60が排水口22aを開放して貯水タンク22から便器本体2に洗浄水を供給している状態から排水口22aを閉鎖した後、貯水タンク22内の水位が便器の洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位WL1に達する前の状態において、仮に使用者が操作レバー46を回転操作したとしても、切替機構72の引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90との係合(連結)が解除された状態となり、操作レバー46による弁体60の開弁操作が不能な状態にすることができる。一方、貯水タンク22内の水位が死水水位DWLから上昇して便器の洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位WL1以上に達しているときには、切替機構72の引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90とが互いに係合(連結)した状態となり、操作レバー46による弁体60の開弁操作が可能な状態にすることができる。したがって、水洗便器1の洗浄に必要な洗浄水量が貯水タンク22内に貯水されていない状態で不用意に便器本体2に洗浄水が供給されて洗浄が行われてしまう、いわゆる、「貯水前洗浄」を簡易な構造により未然に防ぐことができ、水洗便器1に供給される洗浄水量の不足による水洗便器1の洗浄不良や便器本体2の下流側の排水管(図示せず)の詰まりを防ぐことができる。
また、本実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、係合部材90が引き上げ部材88により引き上げられる引き上げ距離h1が、係合部材90の開弁操作開始前の高さ位置から最大高さ位置まで移動する距離h3よりも小さく設定されているため、貯水タンク22内の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位WL1以上であるときに操作レバー46による弁体60の開弁操作が開始されると、係合部材90の係合突起90dが引き上げ部材88のフック部材58のフック部58bの先端部上面58cと係合し、この引き上げ部材88により所定の引き上げ距離h1だけ引き上げられ、その後、貯水タンク22内の洗浄水によるオーバーフロー管62及びフロート70に作用する浮力により、係合部材90がオーバーフロー管62と共に最大高さ位置までさらに距離h2だけ上昇することができる。したがって、引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90との係合を容易に解除することができ、貯水前洗浄を簡易な構造により確実に防ぐことができる。
さらに、本実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、貯水タンク22内の洗浄水が小タンク94の上縁94bから小タンク94内に流入したり、小タンク94内の洗浄水が連通孔94aから貯水タンク22へ流出したりすることにより、小タンク94内の水位が変動して小フロート96が上下動すると、切替機構72の引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90とが係合(連結)又は係合解除(連結解除)された状態に切り替わり、操作レバー46による弁体60の開弁操作が可能な状態又は不能な状態に適切に切り替えることができるため、貯水前洗浄を効果的に禁止することができる。また、小タンク94は、貯水タンク22よりも容量が小さく、小タンク94の水位上昇も貯水タンク22の水位上昇よりも早く、小フロート96の上下動により、切替機構72の引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90とを係合状態(連結状態)又は係合解除状態(連結解除状態)に迅速に切り替えることができる。したがって、切替機構72の引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90とを連結状態から連結解除状態に切り替え中に、不用意に貯水タンク22から便器本体2に洗浄水が供給されることを抑制することができ、排水装置44の弁体60の開閉動作を適切に実行することができる。
また、本実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、排水装置44の弁体60が閉弁後、貯水タンク22内に洗浄水を貯水しているときに、貯水タンク22内の水位が小タンク94の上縁94bの高さとほぼ等しい所定水位WL1よりも低く且つ小タンク94の連通孔94aの高さと同一の水位WL4’以上の水位であるときには、逆止弁98により、貯水タンク22内の水位が所定水位WL1に上昇するまで、貯水タンク22内の洗浄水が連通孔94aから小タンク94内へ流入することを阻止することができ、小フロート96の上昇を防ぐことができるため、貯水前洗浄をより効果的に禁止することができる。
なお、本実施形態では、例として、大洗浄モード及び小洗浄モードの2種類の洗浄モードを実行する洗浄水タンク装置の形態について説明したが、洗浄モードについては、大洗浄モードのみを実行するモードであってもよいし、エコ小洗浄モード等、大洗浄モード及び小洗浄モード以外の洗浄モードを適宜加えて、3種類以上の洗浄モードを実行可能にして多段階の洗浄水量を便器に供給してもよい。
つぎに、図21〜図24により、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置について説明する。
図21は本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の内部構造を斜め上方から見た斜視図であり、図22は本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の部分を斜め上方から見た斜視図であり、図23は本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替禁止装置の非作動状態を示す概略図であり、図24は本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水装置の切替禁止装置の作動状態を示す概略図である。
なお、第2実施形態による洗浄水タンク装置においては、上述した第1実施形態と基本構造は同じであるが、支持台部材及び小タンクの構造が第1実施形態と異なることに加えて、切替機構の切り替えにより操作レバーによる排水装置の弁体の開弁操作が不能な状態になることを禁止するための切替禁止装置を新たに備えている点が第1実施形態と異なるため、以下、その異なる部分のみについて説明する。また、第1実施形態と同様の構成のものは、同一の符号を使用している。
まず、図21及び図22に示すように、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置218においては、排水装置244の支持台部材286の内周側の一部に形成された小タンク294の側面に、その上縁294bから下方に所定長さ延びる切欠き294cが形成されている。
また、切欠き294cの外側には、スライド部材304が上下方向にスライド可能に取り付けられるガイド部294dが設けられている。このスライド部材304は、上下方向にスライドさせることにより、貯水タンク22と連通する切欠き294cの開口面積Sを変更し、小タンク294内の貯水が開始する水位を変更することができるようになっている。
つぎに、図21及び図22に示すように、洗浄水タンク装置218は、切替機構272の引き上げ部材288のフック部材258と係合部材290とが互いに係合解除した状態になることを禁止して貯水前洗浄を可能にするための切替禁止装置306を備えている。この切替禁止装置306は、外装タンク20の外側に設けられた操作ボタン308と、一端部が操作ボタン308に接続され且つ他端部が支持台部材286のワイヤ取付部286fに接続されて操作ボタン308の押圧操作により先端部310aが押出し可能なプッシュプルワイヤ310とを備えている。
また、図21及び図23に示すように、操作ボタン308による押圧操作が行われず、切替禁止装置306が作動していない状態(非作動状態)であるときには、プッシュプルワイヤ310の先端部310aが押し出されることなく支持台部材286のワイヤ取付部286fまで引き上げられた状態となっている。この状態では、揺動カム部材292の外側カム部292dが、プッシュプルワイヤ310の先端部310aに当接することなく、回動軸部92aと共に所定の回動角度Bの範囲内で回動可能となっている。すなわち、この揺動カム部材292の揺動は、プッシュプルワイヤ310によって規制されることはない。
ちなみに、図23に実線で示す揺動カム部材292の外側カム部292dは、切替機構272における引き上げ部材288のフック部材258のフック部258bの先端部上面258cと係合部材290の係合突起290dが係合解除可能な(連結解除可能な)状態であるときの姿勢を示している。一方、図23に破線で示す揺動カム部材292の外側カム部292dは、切替機構272における引き上げ部材288のフック部材258のフック部258bと係合部材290の係合突起290dが係合可能な(連結可能な)状態であるときの姿勢を示している。
つぎに、図21及び図24に示すように、操作ボタン308による押圧操作が行われ、切替禁止装置306が作動している状態(作動状態)であるときには、プッシュプルワイヤ310の先端部310aが支持台部材286のワイヤ取付部286fから下方に所定長さだけ押し出された状態となっている。この状態では、揺動カム部材292の外側カム部292dの一部が、プッシュプルワイヤ310の先端部310aに当接し、揺動カム部材292の揺動がプッシュプルワイヤ310によって規制された状態となっている。
すなわち、図24に示すように、揺動カム部材292の外側カム部292dは、切替機構272における引き上げ部材288のフック部材258のフック部258bと係合部材290の係合突起290dが係合可能な(連結可能な)状態となるように、プッシュプルワイヤ310によって固定され、貯水タンク22内や小タンク294内の水位にかかわらず貯水前洗浄が可能となっている。
上述した本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置218よれば、小タンク294の切欠き294cの開口面積Sを変更することができるスライド部材304により、小タンク294内の貯水が開始する水位を変更することができ、小フロート296の上下動によって切替機構72の引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90とを係合状態(連結状態)又は係合解除状態(連結解除状態)に切り替えるタイミングを現場に応じて調整することができる。
また、本実施形態による洗浄水タンク装置218によれば、例えば、便器本体2の清掃や洗浄水タンク装置218のメンテナンスを行うために、貯水タンク22内や小タンク294内の水位にかかわらず、排水装置244の弁体60の開弁操作を可能にして貯水前洗浄を行う場合には、切替禁止装置306を作動させることにより、操作レバー46による排水装置244の弁体60の開弁操作が不能な状態になることを禁止することができる。したがって、切替機構72の引き上げ部材88のフック部材58と係合部材90とを常時係合可能な(連結可能な)状態にして排水装置244の弁体60の開弁操作を可能な状態にすることができ、適切に対応することができる。
1 水洗便器
2 便器本体
4 ボウル部
6 導水路
8 排水トラップ管路
8a 排水トラップ管路の入口
8b 排水トラップ管路の上昇路
8c 排水トラップ管路の下降路
10 リム
12 第1吐水口
14 溜水部
16 第2吐水口
18 洗浄水タンク装置
20 外装タンク
22 貯水タンク
22a 排水口
24 蓋体
24a 手洗い鉢
24b 吐水口
26 断熱体
28 排水口形成部材
30 締結部材
32 手洗いカラン
34 洗浄水給水装置
36 給水管
38 給水装置用フロート
40 吐水管
42 レバー
44 排水装置
45 手洗い給水管
46 操作レバー(操作部)
48 回転伝達部材(操作部)
50 開弁操作用の揺動部材
50a 開弁操作用の揺動部材の円筒部
50b 開弁操作用の揺動部材の連結軸
50c 開弁操作用の揺動部材の突起
52 洗浄モード切替用の揺動部材
52a 先端部
52b 円環部
54 アーム部材
54a アーム部材の連結孔
54b アーム部材の連結孔
56 玉鎖
58 フック部材
58a フック部材の連結軸
58b フック部材のフック部
58c フック部材のフック部の先端部上面
60 弁体(排水弁)
62 オーバーフロー管(排水弁)
62a オーバーフロー管の弁体保持部
62b オーバーフロー管の凹部
62c オーバーフロー管の軸
62d 突起
64 外側制御筒
64a 外側制御筒の開口部
64b 外側制御筒の上縁部
64c 外側制御筒の一側面
64d 外側制御筒の軸
66 内側制御筒
66a 外側壁
66b 内側壁
66c 中間水平壁
66d 貯水筒
66e 小穴
66f 小穴
66g 流入口
66h 取付支持部
68 フロート
70 切替弁
72 切替機構
74 スライド部材
76 固定部材
78 第1切替弁
78a 第1切替弁の受部
78b 連通口
80 第2切替弁
80a 孔部
80b 突出部
80c 玉鎖取付部
82 錘
84 錘
86 支持台部材
86a 支持台部材の本体部
86b 支持台部材の脚部
86c 支持台部材の支柱部
86d 支持台部材の取付穴
86e 支持台部材の連通口
88 引き上げ部材(連結部)
90 係合部材(連結部の連結切替手段)
90a 取付穴
90b 直線フレーム部
90c 湾曲フレーム部
90d 係合突起
90e 直線フレーム部の一方側の端面
90f 直線フレーム部の他方側の端面
92 揺動カム部材(連結部の連結切替手段)
92a 揺動カム部材の回動軸部
92b カム突起部
92c 連結突起部
94 小タンク(連結部の連結切替手段)
94a 小タンクの連通孔
94b 小タンクの上縁
96 小フロート(連結部の連結切替手段)
96a 小フロートの連結軸部
96b 小フロートの本体部
96c 小フロートの保持部
98 逆止弁
98a 逆止弁の本体部
98b 逆止弁の本体部の上面
98c 逆止弁の指部
98d 逆止弁の指部の外面
98e 指部の上端部
98f 指部の上端部の下面
100 固定部材
102 軸受部材

Claims (7)

  1. 便器に洗浄水を供給する洗浄水タンク装置であって、
    便器に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンクと、
    この洗浄水タンクの底面に形成された排水口を開閉する排水弁と、
    この排水弁を開弁操作する操作部と、
    この操作部と上記排水弁とを連結解除可能に連結する連結部と、を有し、
    この連結部は、上記洗浄水タンク内の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位以上であるときには、上記操作部と上記排水弁とを連結して上記操作部による上記排水弁の開弁操作が可能な状態にし、上記洗浄水タンク内の水位が上記規定水位未満であるときには、上記操作部と上記排水弁との連結を解除して上記操作部による上記排水弁の開弁操作が不能な状態になるように切り替える連結切替手段を備えていることを特徴とする洗浄水タンク装置。
  2. 上記排水弁は、上記排水口を開閉する弁体と、この弁体に結合されて上方に延びて上記弁体と共に引き上げられることにより上記弁体を開弁させる管部材と、この管部材に設けられたフロートと、を備え、
    上記連結部の連結切替手段は、上記操作部に連結されて上記操作部による上記排水弁の開弁操作時に上記管部材を引き上げ可能な引き上げ部材と、上記管部材に設けられて上記引き上げ部材に係合解除可能に係合する係合部材と、を備え、この係合部材は、上記洗浄水タンク内の水位が便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位以上であるときに上記操作部による上記排水弁の開弁操作が開始されると、上記引き上げ部材と係合して上記引き上げ部材により所定の引き上げ距離だけ引き上げられた後、上記フロートの浮力により最大高さ位置まで上昇して上記引き上げ部材との係合を解除し、
    上記引き上げ距離は、上記係合部材が上記排水弁の開弁操作開始前の高さ位置から上記最大高さ位置まで移動する距離よりも小さく設定されている請求項1記載の洗浄水タンク装置。
  3. 上記連結部の連結切替手段は、更に、上記洗浄水タンク内に設けられ且つ上端部が開放されて上記上端部以外に上記洗浄水タンクと連通する連通孔が形成された小タンクと、この小タンク内に設けられ且つ上記小タンク内の水位の変動に伴って上下動することにより上記操作部と上記排水弁とを連結又は連結解除させて上記操作部による上記排水弁の開弁操作を可能な状態又は不能な状態に切り替える小フロートと、を備えている請求項1又は2に記載の洗浄水タンク装置。
  4. 上記洗浄水タンク内の便器洗浄に必要な洗浄水量に相当する規定水位は、上記小タンクの上縁の高さとほぼ等しい第1の所定水位であり、上記小タンクは、上記連通孔に開閉可能に設けられて上記洗浄水タンク内の水位が上記第1の所定水位よりも低い第2の所定水位未満であるときには、上記小タンク内の洗浄水を上記連通孔から上記洗浄水タンクへ流出させ、上記洗浄水タンク内の水位が上記第2の所定水位以上であるときには、上記洗浄水タンク内の水位が上記第1の所定水位に上昇するまで上記洗浄水タンク内の洗浄水が上記連通孔から上記小タンク内へ流入することを阻止する逆止弁を備えている請求項3記載の洗浄水タンク装置。
  5. 上記小タンクは、更に、上記小タンク内の貯水が開始する水位を変更可能な水位変更手段を備えている請求項3又は4に記載の洗浄水タンク装置。
  6. 上記連結部は、更に、上記連結切替手段による切り替えにより上記操作部による上記排水弁の開弁操作が不能な状態になることを禁止する連結切替禁止手段を備えている請求項1乃至5の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置を有する水洗便器。
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