JP2017044058A - 洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器 - Google Patents

洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器 Download PDF

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Abstract

【課題】排水口を閉止した状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力を低下させることを効果的に防ぐことができる洗浄水タンク装置を提供する。【解決手段】本発明の洗浄水タンク装置18は、貯水タンク22の排水口22aを開閉して水洗大便器1への洗浄水の供給を行う排水弁装置28を有し、この排水弁装置は、排水口を取り囲むように貯水タンクの底面から鉛直方向上方に延びる筒体72と、この筒体の内方に配置された制御筒46と、この制御筒内に配置されるフロート74と、このフロートの下降に連動して下降して排水口を閉止するように構成された排水弁体68と、この排水弁体が排水口を閉止している状態でフロートの浮力が排水弁体に作用して排水弁体の閉止力を低下させないようにフロートを制御筒に係止し、排水弁体が開弁すると制御筒に対するフロートの係止を解除する係止/係止解除機構部82と、を備えている。【選択図】図6

Description

本発明は、洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器に係り、特に、水洗大便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器に関する。
従来、水洗大便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、貯水タンクの底部に形成された排水口を囲むように設けられた筒体と、この筒体の内方に配置された制御筒と、この制御筒内に配置されて制御筒内の水位に応じた浮力により上下動するフロートと、このフロートに一体的に上下動することにより排水口を開閉する排水弁体とを備えた洗浄水タンク装置が知られている。
特許4968554号公報(特開2011−241554号公報)
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている従来の洗浄水タンク装置においては、排水弁体が下降して排水口を閉止した状態では、貯水タンク内の水圧や排水弁体の自重等によって排水弁体が排水口を閉止しているときの力(以下「閉止力」と呼ぶ。)が作用しているが、制御筒内の水位によるフロート自体の浮力も排水弁体を開弁させる方向に作用しているため、このようなフロートの浮力が排水弁体の閉止力を低下させて、貯水タンクの排水口の止水不良等の不具合の要因にもなるという問題がある。
したがって、このようなフロートの浮力による排水弁体の閉止力の低下をいかに抑制するかが従来から要請された課題となっている。
また、特に、例えば、貯水タンクの満水水位の設定高さや排水終了時に最終的に得られる貯水タンク内の最低水位の設定高さが比較的低く、洗浄水の水頭圧(ヘッド圧)が比較的低い仕様の貯水タンクに適用した場合には、排水弁体が閉止した状態の貯水タンク内の洗浄水の水位も低くなるため、その分、貯水タンク内の洗浄水全体が及ぼす排水弁体の閉止力も小さくなり、排水弁体の閉止力も低下するという問題もある。
そこで、本発明は、上述した従来から要請された課題や従来技術の問題を解決するためになされたものであり、排水口を閉止した状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力を低下させることを効果的に防ぐことができる洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、水洗大便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、洗浄水が貯水され、底面に排水口が形成された貯水タンクと、上記排水口を開閉して水洗大便器への洗浄水の供給を行う排水弁装置部と、を有し、この排水弁装置部は、上記排水口を取り囲むように上記貯水タンクの底面から鉛直方向上方に延びる筒体と、この筒体の内方に配置された制御筒と、この制御筒内に配置されるフロートと、このフロートの下降に連動して下降して上記排水口を閉止するように構成された排水弁体と、この排水弁体が上記排水口を閉止している状態で上記フロートの浮力が上記排水弁体に作用して上記排水弁体の閉止力を低下させないように上記フロートを上記制御筒に係止し、上記排水弁体が開弁すると上記制御筒に対する上記フロートの係止を解除する係止/係止解除機構部と、を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、排水弁装置部の係止/係止解除機構部により、排水弁体が排水口を閉止している状態でフロートの浮力が排水弁体の閉止力を低下させないようにフロートを制御筒に係止することができ、排水弁体が開弁すると制御筒に対するフロートの係止を解除することができる。したがって、例えば、貯水タンクの満水水位の設定高さや排水終了時に最終的に得られる貯水タンク内の最低水位の設定高さが比較的低く、洗浄水の水頭圧が比較的低い仕様の貯水タンクに適用した場合に、貯水タンク内の洗浄水の水位が低く、排水口を閉止している排水弁体に作用する閉止力が比較的小さい状態であっても、フロートの浮力が排水弁体に作用して排水弁体の閉止力を低下させることを効果的に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記係止/係止解除機構部は、上記フロートが上記排水弁体に干渉しないように上記制御筒の一部に設けられている。
このように構成された本発明においては、係止/係止解除機構部が、フロートが排水弁体に干渉しないように制御筒の一部に設けられていることにより、フロートが排水弁体に干渉することなく、係止/係止解除機構部がフロートを制御筒に効果的に係止したり、制御筒に対するフロートの係止を効果的に解除したりすることができる。したがって、閉止状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記係止/係止解除機構部は、上記フロートが上記排水弁体に干渉しないように上記フロートの一部に設けられている。
このように構成された本発明においては、係止/係止解除機構部が、フロートが排水弁体に干渉しないようにフロートの一部に設けられていることにより、フロートが排水弁体に干渉することなく、係止/係止解除機構部がフロートを制御筒に効果的に係止したり、制御筒に対するフロートの係止を効果的に解除したりすることができる。したがって、閉止状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記制御筒は、洗浄水が貯水されて上記フロートが配置される貯水部を備え、この貯水部の底面には、上記排水弁体が閉止状態であるときに上記フロートが上記貯水部の底面まで下降可能に上記貯水部内の洗浄水を排水するため排水手段が設けられている。
このように構成された本発明においては、制御筒の底面には、排水弁体が閉止状態であるときにフロートが制御筒の貯水部の底面まで下降可能に制御筒の貯水部内の洗浄水を排水するため排水手段が設けられているため、排水弁体が閉止状態であるときに、制御筒の貯水部内の洗浄水を排水手段により十分に排水することができ、制御筒の貯水部内の洗浄水によりフロートに浮力が生じることを防ぐことができる。したがって、閉止状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記排水手段は、上記制御筒の貯水部の底面を貫くように形成された貫通穴部と、この貫通穴部に開閉可能に設けられて上記フロートが上記貯水部の底面付近まで下降した際に上記貫通穴部を開放する開閉弁と、を備えている。
このように構成された本発明においては、排水手段は、制御筒の貯水部の底面を貫くように形成された貫通穴部と、この貫通穴部に開閉可能に設けられてフロートが制御筒の貯水部の底面付近まで下降した際に貫通穴部を開放する開閉弁とを備えていることにより、排水弁体が閉止状態であるときに、開閉弁が貫通穴部を開放し、制御筒の貯水部内の洗浄水を十分に排水することができ、制御筒の貯水部内の洗浄水によりフロートに浮力が生じることを防ぐことができる。したがって、閉止状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記排水弁装置部は、更に、上記排水弁体から上方に延びて上記制御筒に対して上下方向に摺動可能な摺動部材を備え、この摺動部材は、その周面から外側に突出して軸方向に延びるように形成された突出部を備え、上記係止/係止解除機構部は、上記制御筒又は上記フロートに回動可能に設けられたカム部材を備え、このカム部材は、上記排水弁体が上記排水口を閉止している状態では第1回動方向に回動して上記フロートを上記制御筒に係止し、上記排水弁体が開弁すると上記摺動部材の突出部に係合することにより上記第1回動方向とは反対方向の第2回動方向に回動して上記制御筒と上記フロートとの係止を解除し、その後、上記フロート及び上記排水弁体が上記貯水タンク内の水位の低下と共に下降して上記排水弁体が閉弁すると、上記第1回動方向に回動して上記フロートを再び上記制御筒に係止する。
このように構成された本発明においては、排水弁体が排水口を閉止している状態では係止/係止解除機構部のカム部材が第1回動方向に回動してフロートを制御筒に係止することができる。さらに、排水弁体が開弁すると係止/係止解除機構部のカム部材が排水弁装置部の摺動部材の突出部に係合することにより第1回動方向とは反対方向の第2回動方向に回動して制御筒とフロートとの係止を解除することができ、その後、フロート及び排水弁体が貯水タンク内の水位の低下と共に下降して排水弁体が閉弁すると、係止/係止解除機構部のカム部材が第1回動方向に回動してフロートを再び制御筒に係止することができる。したがって、排水弁体及び摺動部材の上下動に応じて、摺動部材の突出部とカム部材との係合や係合解除を適宜行うことにより、制御筒とフロートとの係止や係止解除を適宜行うことができる。よって、閉止状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記係止/係止解除機構部は、更に、上記カム部材を上記第1回動方向に付勢する付勢手段を備えている。
このように構成された本発明においては、排水弁体が排水口を閉止している状態では、係止/係止解除機構部の付勢手段により係止/係止解除機構部のカム部材が第1回動方向に回動するように付勢され、フロートを制御筒に確実に係止することができる。さらに、フロート及び排水弁体が貯水タンク内の水位の低下と共に下降して排水弁体が閉弁すると、係止/係止解除機構部のカム部材が第2回動方向に回動して制御筒とフロートとの係止を解除している状態から係止/係止解除機構部の付勢手段により第1回動方向に回動するように付勢され、フロートを再び制御筒に係止することができる。したがって、閉止状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記排水弁装置部は、更に、上記排水弁体から上方に延びて上記制御筒に対して上下方向に摺動可能な摺動部材を備え、上記係止/係止解除機構部は、上記制御筒に回動可能に設けられて一端が上記摺動部材に係合/係合解除可能であると共に他端が上記フロートに係止/係止解除可能なカム部材と、このカム部材を所定の回動方向に付勢する付勢部材と、を備え、上記係止/係止解除機構部には、上記制御筒に対する上記フロートの係止が解除されている状態で上下方向に摺動している上記摺動部材と上記カム部材との係合を解除して非接触状態を維持する非接触状態維持手段が設けられている。
このように構成された本発明においては、非接触状態維持手段により制御筒に対するフロートの係止が解除されている状態で上下方向に摺動している摺動部材とカム部材との係合を解除して非接触状態を維持することができるため、開弁時の制御筒とフロートとの係止解除後から閉弁時の制御筒とフロートとの再係止までの間、カム部材と摺動部材の突出部とが係合した状態を維持させておく必要がなく、カム部材に対する摺動部材の摺動抵抗を抑制することができる。したがって、閉弁時の排水弁体が閉弁しきれないという不具合を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記非接触状態維持手段は、上記摺動部材の周面に形成された突起部、上記制御筒に設けられて互いに同一の回動軸線を中心に回動可能である第1カム部材及び第2カム部材からなる上記カム部材、並びに、上記第1カム部材及び上記第2カム部材を互いに連結する上記付勢部材からなり、上記第1カム部材は、上記摺動部材の突起部に係合/係合解除可能な第1係合部と、上記第2カム部材に係合/係合解除可能である第2係合部と、を備え、上記第2カム部材は、上記第1カム部材の第2係合部に係合/係合解除可能である第3係合部と、上記フロートに係止/係止解除可能である第4係合部と、を備え、上記排水弁体が上記排水口を閉止している状態では、上記付勢部材により上記第1カム部材が第2回動方向に付勢されると共に上記第2カム部材が上記第2回動方向とは反対の第1回動方向に付勢されて、上記第1カム部材の第1係合部と上記摺動部材の突起部との係合が解除されると共に上記第2カム部材の第4係合部と上記フロートとが係止された上記係止/係止解除機構部の第1状態にあり、この第1状態後、上記摺動部材が上昇して上記排水弁体が開弁する状態では、上記摺動部材の突起部が上記第1カム部材の第1係合部に係合して上記第1カム部材及び上記第2カム部材が上記第2回動方向に連結して回動することにより、上記第2カム部材の第4係合部と上記フロートとの係止が解除された上記係止/係止解除機構部の第2状態にあり、この第2状態後、さらに、上記摺動部材及び上記フロートが上昇した状態では、上記第1カム部材及び上記第2カム部材は、上記付勢部材の付勢力により復元されて上記第1状態と同一である上記係止/係止解除機構部の第3状態にあり、この第3状態後、上記フロート及び上記排水弁体が上記貯水タンク内の水位の低下と共に下降して上記排水弁体が閉弁する前の状態では、上記摺動部材の突起部が上記第1カム部材の第1係合部に係合して上記第1カム部材のみが上記第2カム部材に対して独立に上記第1回動方向に回動した上記係止/係止解除機構部の第4状態にあり、この第4状態後、さらに下降する上記フロートが上記第2カム部材の第4係合部に係合することにより上記第2カム部材が上記第2回動方向に回動した後、上記第1カム部材及び上記第2カム部材が上記付勢部材の付勢力により上記第1状態に復元されて、上記フロートが再び上記制御筒に係止されるものであり、上記非接触状態維持手段は、上記第2状態の後から上記第4状態の前までの間に上記摺動部材の突起部と上記第1カム部材の第1係合部との係合を解除して互いの非接触状態を維持するものである。
このように構成された本発明においては、非接触状態維持手段が、第2状態の後から第4状態の前までの間に摺動部材の突起部と第1カム部材の第1係合部との係合を解除して非接触状態を維持するものであることにより、開弁時の制御筒とフロートとの係止解除後から閉弁時の制御筒とフロートとの再係止までの間、第1カム部材の第1係合部と摺動部材の突起部とが係合した状態を維持させておく必要がなく、第1カム部材に対する摺動部材の摺動抵抗を抑制することができる。したがって、閉弁時の排水弁体が閉弁しきれないという不具合を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記付勢部材は、上記第1カム部材及び上記第2カム部材を互いに同一の回動軸線を中心に回動可能に連結するねじりばねである。
このように構成された本発明においては、付勢部材が第1カム部材及び第2カム部材を互いに同一の回動軸線を中心に回動可能に連結するねじりばねである簡易な構造によって、第2状態の後から第4状態の前までの間に摺動部材の突起部と第1カム部材の第1係合部との係合を解除して確実に非接触状態を維持することができる。したがって、簡易な構造で第1カム部材に対する摺動部材の摺動抵抗を抑制することができ、閉弁時の排水弁体が閉弁しきれないという不具合を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記非接触状態維持手段は、上記カム部材を第1回動方向に付勢する上記付勢部材である第1付勢部材と、上記摺動部材の外周面の一部に所定の回動角度の範囲内で回動可能に設けられた回動突起部と、この回動突起部を上記第1回動方向とは反対の第2の回動方向に付勢する第2付勢部材と、からなり、上記カム部材は、上記回動突起部に係合/係合解除可能な第1係合部と、上記フロートに係止/係止解除可能である第2係合部と、を備え、上記排水弁体が上記排水口を閉止している状態では、上記第1付勢部材により上記カム部材が第1回動方向に付勢されると共に上記第2付勢部材により上記回動突起部が上記第2回動方向に付勢されて、上記カム部材の第1係合部と上記回動突起部との係合が解除されると共に上記カム部材の第2係合部と上記フロートとが係止されて、上記フロートが上記制御筒に対して係止された第1状態にあり、この第1状態後、上記摺動部材が上昇して上記排水弁体が開弁する状態では、上記回動突起部が上記カム部材の第1係合部に係合して上記カム部材が上記第2回動方向に回動することにより、上記カム部材の第2係合部と上記フロートとの係止が解除された第2状態にあり、この第2状態後、さらに、上記摺動部材及び上記フロートが上昇した状態では、上記カム部材及び上記回動突起部のそれぞれは、上記第1付勢部材及び上記第2付勢部材のそれぞれの付勢力により復元されて上記第1状態と同一である第3状態にあり、この第3状態後、上記フロート及び上記排水弁体が上記貯水タンク内の水位の低下と共に下降して上記排水弁体が閉弁する状態では、上記回動突起部が上記カム部材の第1係合部に係合して上記第1回動方向に回動した第4状態にあり、この第4状態後、さらに下降する上記フロートが上記カム部材の第2係合部に係合することにより上記カム部材が上記第2回動方向に回動した後、上記カム部材が上記第1付勢部材の付勢力により上記第1状態に復元されて、上記フロートが再び上記制御筒に係止されるものであり、上記非接触状態維持手段は、上記第2状態の後から上記第4状態の前までの間に上記回動突起部と上記カム部材の第1係合部との係合を解除して互いの非接触状態を維持するものである。
このように構成された本発明においては、非接触状態維持手段が、第2状態の後から第4状態の前までの間に回動突起部とカム部材の第1係合部との係合を解除して非接触状態を維持するものであることにより、開弁時の制御筒とフロートとの係止解除後から閉弁時の制御筒とフロートとの再係止までの間、カム部材の第1係合部と摺動部材の回動突起部とが係合した状態を維持させておく必要がなく、カム部材に対する摺動部材の摺動抵抗を抑制することができる。したがって、閉弁時の排水弁体が閉弁しきれないという不具合を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記係止/係止解除機構部は、更に、上記カム部材が上記制御筒と上記フロートとの係止を解除している状態における上記排水弁体の閉弁途中で下降している上記摺動部材の摺動抵抗を抑制する摺動抵抗抑制手段を備えている。
このように構成された本発明においては、係止/係止解除機構部が摺動抵抗抑制手段を備えていることにより、カム部材が制御筒とフロートとの係止を解除している状態における排水弁体の閉弁途中で下降している摺動部材の摺動抵抗を抑制することができるため、閉弁時の排水弁体が閉弁しきれないという不具合を防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記摺動抵抗抑制手段は、上記カム部材の上記摺動部材側の端部に回転可能に設けられた回転機構部からなり、この回転機構部は、上記排水弁体の閉弁途中で下降している上記摺動部材の突出部に係合可能な回転部材を備えており、この回転部材は、上記摺動部材の摺動方向と同一方向に回転して上記摺動部材の突出部上に沿って摺動可能である。
このように構成された本発明においては、摺動抵抗抑制手段がカム部材の摺動部材側の端部に回転可能に設けられた回転機構部からなり、この回転機構部が排水弁体の閉弁途中で下降している摺動部材の突出部に係合可能な回転部材を備えており、この回転部材が摺動部材の摺動方向と同一方向に回転して摺動部材の突出部上に沿って摺動可能であるため、排水弁体の閉弁途中で下降している摺動部材における回転機構部の回転部材に対する摺動抵抗を抑制することができるため、閉弁時の排水弁体が閉弁しきれないという不具合を防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記カム部材は、カム本体部と、このカム本体部から上記摺動部材の突出部の両側を挟み込むように延びる一対のアーム部と、これらのアーム部の各先端部付近に設けられて上記制御筒の一部に回動可能に連結されるヒンジ部と、上記カム本体部の上記一対のアーム部同士の間から上記摺動部材に向かって突出して上記排水弁体の閉弁途中の上記摺動部材の突出部に係合可能な第1係合部と、上記カム本体部の下端に設けられて上記フロートに係止/係止解除可能な第2係合部と、を備えており、上記摺動抵抗抑制手段は、上記排水弁体の閉弁途中で上記摺動部材の突出部が上記カム部材の第1係合部に係合して下方に摺動しているときに、上記カム部材の第1係合部が上記摺動部材の突出部から離間する方向に上記カム部材が上記ヒンジ部を中心に回動可能となるように、上記カム部材の第1係合部と上記摺動部材の突出部との接触位置について、上記カム部材のヒンジ部よりも上記摺動部材の中心軸線に対して遠位側に位置決めするものである。
このように構成された本発明においては、カム部材の第1係合部と摺動部材の突出部との接触位置について摺動部材に対してカム部材のヒンジ部よりも遠位側に位置決めする摺動抵抗抑制手段により、排水弁体の閉弁途中で摺動部材の突出部がカム部材の第1係合部に係合して下方に摺動しているときに、カム部材の第1係合部が摺動部材の突出部から離間する方向にカム部材がヒンジ部を中心に回動可能となる。したがって、排水弁体の閉弁途中で下降している摺動部材におけるカム部材の第1係合部に対する摺動抵抗を抑制することができ、閉弁時の排水弁体が閉弁しきれないという不具合を防ぐことができる。
また、本発明は、上記洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器を特徴としている。
このように構成された本発明においては、例えば、貯水タンクの満水水位の設定高さや排水終了時に最終的に得られる貯水タンク内の最低水位の設定高さが比較的低く、洗浄水の水頭圧が比較的低い仕様の貯水タンクに適用した場合に、貯水タンク内の洗浄水の水位が低く、排水口を閉止している排水弁体に作用する閉止力が比較的小さい状態であっても、フロートの浮力が排水弁体に作用して排水弁体の閉止力を低下させることを効果的に防ぐことができる洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器を提供することができる。
本発明の洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器によれば、排水口を閉止した状態の排水弁体にフロートの浮力が作用して排水弁体の閉止力を低下させることを効果的に防ぐことができる。
本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器の断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の概略構造を示す正面断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止している状態を示す。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置を示す正面断面図であり、図4に示す正面中央断面よりも正面側に位置する断面で見た断面図である。 図4に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態を示す。 図7Aに示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置を示す正面断面図であり、図7Aに示す正面中央断面よりも正面側に位置する断面で見た断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態から閉弁する途中の状態を示す。 図8Aに示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置における貯水タンク内の水位と排水弁体のシール線圧と関係の実験結果を定性的に示す線図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止している状態を示す。 図12Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態で且つ制御筒内のフロートが途中位置まで上昇した状態を示す。 図13Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態で且つ制御筒内のフロートが最高位置まで上昇した状態を示す。 図14Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態から閉弁する途中の状態を示す。 図15Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。 本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止しているときの係止/係止解除機構部の状態を示す。 本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の係止/係止解除機構部を斜め上方から見た斜視図である。 図17のXVIII−XVIII線に沿った斜視断面図である。 本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が閉止している状態から引き上げられるときの係止/係止解除機構部の状態を示す。 本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、大洗浄モードで排水弁体及びフロートが最高位置まで上昇したときの係止/係止解除機構部の状態を示す。 本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、排水弁体が下降している閉弁途中の係止/係止解除機構部の状態を示す。 本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、排水弁体が閉弁したときの係止/係止解除機構部の状態を示す。 本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止しているときの係止/係止解除機構部の状態を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、大洗浄モードで排水弁体が閉止している状態から引き上げられるときの係止/係止解除機構部の状態を示す。 本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水弁体及びフロートが最高位置まで上昇したときの係止/係止解除機構部の状態を示す概略図である。 本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水弁体が下降している閉弁途中の係止/係止解除機構部の状態を示す概略図である。 本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水弁体が上昇又は下降している途中の係止/係止解除機構部の状態を示す概略断面図である。 本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の係止/係止解除機構部を斜め上方から見た斜視図である。 本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、オーバーフロー管の突起部に対して接触状態となっている係止/係止解除機構部を部分的に拡大した部分正面概略図である。 本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の係止/係止解除機構部を斜め上方から見た斜視図である。
つぎに、添付図面により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置を説明する。
まず、図1により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置が適用された水洗大便器の断面図である。
図1に示すように、符号1は、洗い落とし式の水洗大便器を示し、この便器1は、便器本体2を備え、この便器本体2にはボウル部4と、導水路6と、ボウル部4の下部と連通するトラップ管路8がそれぞれ形成されている。便器本体2のボウル部4の上縁部には、内側にオーバーハングしたリム10と、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第1吐水口12が形成され、この第1吐水口12から吐水された洗浄水は、旋回しながら下降してボウル部を洗浄するようになっている。
ボウル部4の下方には、一点鎖線で貯留面W0が示された溜水部14が形成されている。この溜水部14の下方には、排水トラップ管路8の入口8aが開口し、この入口8aから上昇路8bが後方に延びている。この上昇路8bには下降路8cが連続し、下降路8cの下端は排水ソケット(図示せず)を介して床下の排出管(図示せず)に接続されている。また、ボウル部4の貯留面W0の上方位置には、導水路6から供給される洗浄水を吐水する第2吐水口16が形成され、この第2吐水口16から吐水される洗浄水が溜水部14の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるようになっている。
便器本体2の導水路6の上方には、便器本体2に供給する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置18が設けられている。後述するように、洗浄水タンク装置18の貯水タンク22の底部には、便器本体2の導水路6と連通する排水口22aが形成され、貯水タンク22内の洗浄水が導水路6へと排水されるようになっている。
なお、本実施形態では、洗浄水タンク装置18が適用される水洗大便器1として、ボウル部8内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器1の例について説明するが、このような洗い落し式の水洗大便器に限定されず、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式の水洗大便器等の他のタイプの水洗大便器にも適用可能である。
つぎに、図2により、洗浄水タンク装置18の概略構造について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の概略構造を示す正面断面図である。
図2に示すように、洗浄水タンク装置18は、陶器製の外装タンク20と、この外装タンク20内に取り付けられて洗浄水が貯水される貯水タンク22と、外装タンク20に載せられる蓋体24と、を備えている。
また、貯水タンク22の底面には、上述した便器本体の導水路6に連通する排水口22aが形成されている。
つぎに、洗浄水タンク装置18は、外部の水道管などの給水源(図示せず)から供給される洗浄水を貯水タンク22内に給水する給水装置26と、排水口22aを開閉する排水弁装置28と、この排水弁装置28を操作する操作装置30とを備えている。
給水装置26は、排水弁装置28による排水開始の所定時間後、給水を開始するようになっており、貯水タンク22の満水時の止水水位は、図2に示す位置(WL0)で一定になるようにしている。
また、給水装置26は、従来のものと同様のものであり、外部の水道管などの給水源(図示せず)に接続される給水管32と、給水装置用のフロート34と、給水管32と連通して貯水タンク22に洗浄水を吐水する吐水管36と、フロート34にレバー38を介して連結される給水バルブ40とを備えている。
さらに、給水装置26は、手洗い給水管42を備えており、この手洗い給水管42は、蓋体24の上面に設けられた手洗いカラン44に給水可能となっており、便器への洗浄水の供給開始時(排水開始時)には、手洗いカラン44は、蓋体24の上面に形成された手洗い鉢24aに手洗い用の水を吐水することができるようになっている。
また、手洗いカラン44から吐水された手洗い鉢24aの水は、手洗い鉢24aに形成された吐水口(流入口)24bにより、貯水タンク22に流入するようになっている。
さらに、蓋体24の下方には、吐水口24bから流入する水を、排水弁装置28の制御筒46の外方に導く導水部材48が設けられている。
つぎに、洗浄水タンク装置18は、操作装置30及びこの操作装置30の操作により作動される排水弁装置28を備えている。
操作装置30は、操作レバー50と、モータ52と、このモータ52に接続される操作ボタン54(図2にのみ図示)と、を備えている。
また、操作ボタン54は、後述する大洗浄用、小洗浄用、エコ小洗浄用の3つの操作ボタンを備えている。
操作レバー50は、一方(本実施形態では、手前側)に(90度)回動させると、後述する大洗浄が開始され、他方(本実施形態では、奥側)に(90度)回動させると、後述する小洗浄が開始されるように、排水弁装置28を作動させる手動式の操作レバーである。
また、モータ52は、大洗浄のボタンが押されると、操作レバー50と同一の一方(手前側)の方向に回転し、小洗浄のボタンが押されると、操作レバー50と同一の他方(奥側)の方向に回転して、それぞれ、大洗浄或いは小洗浄が開始されるように排水弁装置28を作動させるようになっている。
このように、本実施形態では、使用者は、大洗浄及び小洗浄については、操作レバー50を操作しても良いし、操作ボタン54を押しても良い。エコ小洗浄については、モータ52によってのみ、即ち、使用者が操作ボタンを押すことによって、排水弁装置28が作動される。
これらの操作レバー50及びモータ52には、ワイヤ部材やユニバーサルジョイントなどにより構成される回転伝達部材56が連結されている。この回転伝達部材56の他端側には、その回転に伴って、回転伝達部材56を中心に揺動する第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60が取り付けられ、これらの第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60の先端部には、それぞれ、第1玉鎖62の上端部分及び第2玉鎖64の上端部分が取り付けられている。
これらの第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60は、回転伝達部材56を一方側(大洗浄時)に回転させると、第1の引き上げ部材58のみが、その一方側に揺動して第1玉鎖62のみを引き上げ、一方、回転伝達部材56を他方側(小洗浄時、エコ小洗浄時)に回転させると、第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60の両方が、その他方側に揺動して第1玉鎖62及び第2玉鎖64の両方を引き上げるような機械的な機構とされている。
つぎに、図2〜図6により、排水弁装置28について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の分解斜視図である。また、図4は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止している状態を示す。
まず、図3及び図4に示すように、本実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28は、排水口22aの上縁に沿って形成される弁座66と、この弁座66の上端面に上方から接触することにより排水口22aを閉止する排水弁体68と、上下方向に延びるように形成されて下端側に排水弁体68が取り付けられているオーバーフロー管70とを備えている。このオーバーフロー管70は、排水弁体68が保持されている弁体保持部70aから上方に延びて制御筒46に対して上下方向に摺動可能な摺動部材である。また、オーバーフロー管70は、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態で貯水タンク22内の水位がオーバーフロー管70の上端を上回った場合に、この上回った洗浄水について、オーバーフロー管70内を通過させて排水口22aに流出させることができるようになっている。
つぎに、図3及び図4に示すように、排水弁装置28は、貯水タンク22の底部に接続されて排水口22aを形成する排水口形成部材71と、この排水口形成部材71の上端部に下端部が接続されて固定される制御筒46と、排水口形成部材71の上端部に下端部が接続されて制御筒46を内方に配置する筒体72と、制御筒46内に配置されて制御筒46内の水位に応じて上下動するフロート74とを備えている。
また、図3及び図4に示すように、排水弁装置28は、オーバーフロー管70と第1玉鎖62とを接続する接続部材76と、筒体72の側面に形成される開口部78を開閉する切替弁80とを備えている。
さらに、図3及び図4に示すように、排水弁装置28は、フロート74を制御筒46に対して係止したり、互いの係止を解除したりする係止/係止解除機構部82を備えており、この係止解除機構部82は、フロート74が排水弁体68に干渉しないように制御筒46の一部に設けられている。
また、この係止解除機構部82は、その具体的な構造については後述するが、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態において、フロート74の浮力が排水弁体68の閉止力を低下させないようにフロート74を制御筒46に係止し、排水弁体68が所定の開弁位置よりも上方に位置している状態で制御筒46に対するフロート74の係止を解除することができるようになっている。
まず、図3及び図4に示すように、排水弁体68は、オーバーフロー管70の下端部に形成された断面コ字状の弁体保持部70aに嵌め込まれ、オーバーフロー管70と共に上下動して、排水口22aを開閉するようになっている。
また、図3及び図4に示すように、オーバーフロー管70の上下方向の中間部よりも上端寄りの側面には、接続部材76が嵌合されて保持される嵌合凹部70bが全周に亘って形成されている。
さらに、図3及び図4に示すように、オーバーフロー管70の弁体保持部70aと嵌合凹部70bとの間の下端寄りの側面には、オーバーフロー管70の径方向外側に突出して且つ上下方向に延びる複数の縦長のリブ70cが周方向に間隔を置いて形成されている。同様に、オーバーフロー管70の弁体保持部70aと嵌合凹部70bとの間における第1リブ70cよりも上方の側面には、オーバーフロー管70の径方向外側に突出して且つ上下方向に延びる複数の縦長のリブ70dが周方向に間隔を置いて形成されている。
つぎに、図5は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置を示す正面断面図であり、図4に示す正面中央断面よりも正面側に位置する断面で見た断面図である。
図3〜図5に示すように、制御筒46は、ほぼ円筒状に形成された外側壁46aと、オーバーフロー管70の上下動をガイドする可能にほぼ円筒状に形成された内側壁46bとを備えている。また、オーバーフロー管70が内側壁46b内を上下動した際に、オーバーフロー管70が軸方向に対してずれたとしても、オーバーフロー管70のリブ70c,70dが制御筒46の内側壁46bの壁面に当接することにより、オーバーフロー管70が鉛直方向に直動するように矯正されるようになっている。
さらに、制御筒46は、これらの外側壁46a及び内側壁46bと共に洗浄水を貯水可能にする中間水平壁46cとを備えている。これらの外側壁46a、内側壁46b及び中間水平壁46cは、制御筒46内の貯水部46dを形成しており、特に、中間水平壁46cは、貯水部46dの底面を形成している。
つぎに、図3〜図5に示すように、貯水部46dの外側壁46aには、貯水部46d内に貯水された洗浄水を所定の流量で流出させるための小穴46eが貫くように形成されている。
また、図3及び図4に示すように、小穴46eは、スライド部材(切替部材)84によりスライドして開閉可能となっており、貯水部46d内から流出させる洗浄水の流量を調節することができるようになっている。
つぎに、図5に示すように、貯水部46dの底面を形成する中間水平壁46には、貯水部46d内に貯水された洗浄水を所定の流量で流出させるための小穴46fが貫くように形成されている。
また、図5に示すように、中間水平壁46cには、小穴46fを開閉する開閉弁86が設けられている。この開閉弁86は、小穴46fを開閉する弁部86aと、支点部86bと、力点部86cとを備えており、弁部86aから支点部86bまで延びた後、支点部86bで力点部86cに向かって折れ曲がった正面視で概ねV字形形状の薄板部材からなる。
さらに、開閉弁86の支点部86bについては、中間水平壁46cに設けられた開閉弁保持部46gに保持されている。
また、排水弁体68が排水口22aを閉止した状態となり、フロート74の下端が制御筒46の底面(中間水平壁46)付近まで下降した際、フロート74の下端が開閉弁86の力点部86cに接触して下方に押圧することにより、開閉弁86の弁部86aが小穴46fを開放する方向に支点部86bを中心に回動可能となっている。これにより、フロート74の下端が制御筒46の貯水部46dの底面(中間水平壁46)付近まで下降した際に小穴46fを開放し、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水を十分に排水することができ、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水によりフロート74に浮力が生じることを防ぐことができるようになっている。
すなわち、これらの小穴46f及び開閉弁86は、排水弁体68が閉止状態であるときにフロート74の下端が制御筒46の底面(中間水平壁46)まで下降可能に制御筒46の貯水部46d内の洗浄水を排水するため排水手段として機能するようになっている。
また、図3に示すように、制御筒46の外側壁46aには、上述した貯水部46dより下方部分に、排水時に、制御筒46の外方側の洗浄水を排水口22aに流入させるための流入口46hが形成されている。
さらに、図3〜図5に示すように、上述した貯水部46dの内方にフロート74が配置されている。このフロート74の上方には、接続部材76がオーバーフロー管70の嵌合凹部70b内に側方からはめ込まれることにより、接続部材76は、オーバーフロー管70に対して水平方向に回転できるように取り付けられる一方、オーバーフロー管70に対しては上下方向には移動できないよう固定されている。
また、接続部材76には、上述した第1の引き上げ部材58に取り付けられた第1玉鎖62の下端部分が取り付けられ、排水時に、オーバーフロー管70を引き上げるために使用される。
使用者が操作レバー50を回転させ、或いは、洗浄のボタンが押されモータ52が作動されると、第1玉鎖62が引き上げられるが、その際に、オーバーフロー管70及び排水弁体68は、貯水タンク22内に貯水されている洗浄水のヘッド圧により鉛直下方向に抑えられているため、まず、接続部材76がオーバーフロー管70に対して水平方向に回転し、その後、オーバーフロー管70が鉛直上方に移動することになる。
このような構成により、オーバーフロー管70が回転しながら鉛直方向上方に移動することを防ぐことができ、排水弁装置28の開弁動作を安定させることができるようになっている。
さらに、接続部材76は、満水時には、フロート74の上昇を抑えるストッパとしての機能を有し、排水時には、接続部材76がフロート74の上面に当接して、オーバーフロー管70及び排水弁体68がフロート74と共に下降するようになっている。
つぎに、図3及び図4により、筒体72及び切替弁80等により構成される流量調節機構について説明する。
まず、図3及び図4に示すように、筒体72は、その横断面形状がほぼ矩形状に形成され、4辺の上縁部72aを有し、上方が開放されている。
また、筒体72は、矩形状に形成された筒体72の4つの側面のうち、1つの側面72bにのみ、矩形状の開口部78が1つだけ形成されている。
そして、この開口部78を開閉可能な切替弁80として、図3及び図4に示すように、第1切替弁88及びその外方側に設けられる第2切替弁90が設けられている。
図3に示すように、筒体72は、開口部78の下方且つ側方の両側に軸72cを備えており、第1切替弁88は、これらの軸72cにより揺動自在に嵌められる受部88aを備えている。
また、図3に示すように、第2切替弁90には、第1切替弁88の受部88aに揺動自在に嵌められる孔部90aが形成されている。
これらにより、第1切替弁88は、軸体72cを中心に、下方位置から開口部78を閉じる位置まで揺動可能になり、第2切替弁90は、下方位置から開口部78を閉じた第1切替弁88に隣接する位置まで揺動可能になっている。
つぎに、図3に示すように、第1切替弁88には、第1切替弁88が開口部78を閉じたとき、筒体72の外方と内方とを連通させる連通口88bが形成されている。この連通口88bの開口断面積は、開口部78の開口断面積よりも小さく、その大きさは、開口部78を全開にしたときより、洗浄水の流量が所定量少なくなるような大きさに形成されている。このように、第1切替弁88は、筒体72の開口部78の開口断面積を調節(減少)することができるようになっている。
つぎに、第2切替弁90には、第1切替弁88側に向けて延びる突出部90bが形成されている。この突出部90bは、第2切替弁90が第1切替弁88に近接され或いは隣接されたとき、第1切替弁88の連通口88bに挿入可能な位置及び角度に形成されている。
また、この第2切替弁90には、上述した第2の引き上げ部材60に取り付けられた第2玉鎖64の下端部分が取り付けられている。
さらに、第1切替弁88及び第2切替弁90のそれぞれには、錘92,94がそれぞれ取り付けられている。
なお、図4に示す本実施形態では、第1切替弁88及び第2切替弁90の双方が開弁し、開口部78が全開しており、3種類の洗浄モードのうち大洗浄モードが実行可能となっている。
ちなみに、第1切替弁88が閉弁して、第2切替弁90が開弁して、開口部78が第1切替弁88の連通口88bによって開放されている状態では、大洗浄モードよりも少ない洗浄水量である小洗浄モード(後述する図9参照)が実行可能となっている。
さらに、第1切替弁88及び第2切替弁90の双方が閉弁し、開口部78が全開している状態では、小洗浄モードよりもさらに少ない洗浄水量であるエコ小洗浄モード(後述する図10参照)が実行可能となっている。
つぎに、図3、図4及び図6を参照して、排水弁装置28の係止/係止解除機構部82の構造について具体的に説明する。
図6は、図4に示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。
まず、図3、図4及び図6に示すように、係止/係止解除機構部82は、支持部材96を備えており、この支持部材96は、制御筒46の内側壁46bの外側且つ上端の取付穴46iに挿入されて固定される固定部96bを備えている。
また、図3、図4及び図6に示すように、係止/係止解除機構部82は、支持部材96の一対のヒンジ軸部96bに回動可能に取り付けられたカム部材98を備えている。
図6に示すように、カム部材98は、ヒンジ軸部96bに挿入して取り付けられる取付穴部98aと、この取付穴部98aから斜め下方に延びるように形成される第1アーム部98bと、取付穴部98aからほぼ水平方向に延びるように形成される第2アーム部98cとを備えている。
さらに、図3、図4及び図6に示すように、係止/係止解除機構部82は、このカム部材98の第1アーム部98bと支持部材96との間に介在させて設けられた圧縮コイルばね100を備えている。この圧縮コイルばね100は、カム部材98をヒンジ軸部96bの軸回りに第1回動方向R1(図6参照)に回動させるように付勢力F1で付勢している。
すなわち、「第1回動方向R1」は、フロート74を制御筒46に係止するときのカム部材98の回動方向を意味しており、本実施形態以外の後述する第2〜第6実施形態においても同様とする。
また、図3に示すように、フロート74は、概ね円筒状であるが、その一部が中央部から径方向外側に向かって切り欠いた形状になっており、その周方向に所定間隔の隙間74aが形成されている。
さらに、フロート74の隙間74aを形成して互いに対向する周方向端部74b,74cには、これらの両者74b,74cの一部同士を架橋してフロート74の外周面よりも外側に突出する突出部74dが形成されている。
図6に示すように、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態のときのフロート74においては、カム部材98の第1アーム部98bの先端部(下端部)に突出部74dが当接することにより、フロート74が上昇することができないようになっている。これにより、フロート74は、係止/係止解除機構部82を介して、制御筒46に係止されるようになっている。
図6に示すように、オーバーフロー管70においての周面から外側に突出して軸方向に延びるように形成された突出部である第2リブ70dの上端部70eは、排水時に、オーバーフロー管70を引き上げると、係止/係止解除機構部82のカム部材98の第2アーム部98cの先端部に当接するようになっている。
そして、さらに、オーバーフロー管70を引き上げると、カム部材98は、圧縮コイルばね100の付勢力F1に抗して、第1回動方向R1とは反対方向の第2回動方向R2に回動し、フロート74の突出部74dとカム部材98の第1アーム部98bの先端部との係止が解除されて、カム部材98の全体がフロート74の突出部74dよりも内側に位置するようになり、フロート74は、カム部材98を通過して上昇することができるようになっている。
すなわち、「第2回動方向R2」は、フロート74と制御筒46との係止を解除させるときのカム部材98の回動方向を意味しており、本実施形態以外の後述する第2〜第6実施形態においても同様とする。
つぎに、図1〜11を参照して、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の動作(作用)について説明する。
まず、図1〜図8Bにより、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される3種類の洗浄モードのうち、大洗浄モードを説明する。
ここで、図7Aは、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態を示し、図7Bは、図7Aに示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図であり、図7Cは、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置を示す正面断面図であり、図7Aに示す正面中央断面よりも正面側に位置する断面で見た断面図である。
なお、以下で説明する大洗浄、小洗浄、エコ小洗浄の各洗浄モードは、いずれも、上述した貯水部46dの小穴46eが開かれている状態(スライド部材84で小穴46eを閉じない状態)での例である。
まず、図2に示すように、大洗浄モードの開始時、使用者が操作レバー50を手前側に90度回転させ、或いは、大洗浄のボタンが押されモータ52が作動(駆動)されると、第1の引き上げ部材58のみが揺動され、第1玉鎖62を介してオーバーフロー管70及び排水弁体68が、図4及び図6に示す閉弁位置から図7Aに示す距離H1だけ上方の最高開弁位置まで引き上げられ、これにより、排水口22aが開いて、排水が開始される。
このとき、第2の引き上げ部材60(図2参照)は揺動されないので、筒体72の開口部78を開閉する各切替弁88,90は、図7Aに示すように、開口部78から離間した位置のままである。よって、筒体72の開口部78は全開であり、その開口断面積も変わらない。
また、図7A及び図7Bに示すように、オーバーフロー管70及び排水弁体68が距離H1だけ引き上げられている際に、オーバーフロー管70の第2リブ70dが係止/係止解除機構部82のカム部材98の第2アーム部98cの先端部に当接したままの状態が維持される。
このとき、カム部材98は、圧縮コイルばね100の付勢力F1に抗して、第1回動方向R1とは反対方向の第2回動方向R2に所定角度回動した状態となり、フロート74の突出部74dとカム部材98の第1アーム部98bの先端部との係止が解除された状態となっているため、フロート74は、オーバーフロー管70が引き上げられた後、速やかに接続部材76の下端に当接するまで上昇する。また、フロート74が上昇しているときは、フロート74の突出部74dは、カム部材98に接触することなく、カム部材98の外側を通過することができる。
さらに、図7Cに示すように、フロート74が上昇した状態では、開閉弁86の弁部86aが貯水部46d内の洗浄水により下方に押圧されて、小穴46fを閉鎖している。
つぎに、図8Aは、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態から閉弁する途中の状態を示し、図8Bは、図8Aに示す本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。
図7A〜図7Cに示すように、オーバーフロー管70及び排水弁体68が最高位置まで引き上げられて、フロート74が最高位置まで上昇した後、図8A及び図8Bに示すように、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位WLが時間と共に低下し、オーバーフロー管70及び排水弁体68が下降する。これにより、接続部材76の下端に当接しているフロート74についても、オーバーフロー管70及び排水弁体68と共に下降する。
また、図8Aに示すように、貯水タンク22内の水位WLは、制御筒46の上縁部よりも下降すると、制御筒46の貯水部46d内の水位wlよりも低い位置となる。
さらに、図8Bに示すように、フロート74が下降している状態では、オーバーフロー管70の第2リブ70dの側面が係止/係止解除機構部82のカム部材98の第2アーム部98cの先端部に当接したままの状態となるため、カム部材98が圧縮コイルばね100の付勢力F1に抗して、第2回動方向R2に所定角度回動した状態で維持され、フロート74の突出部74dとカム部材98の第1アーム部98bの先端部との係止が解除された状態が維持されている。よって、フロート74の突出部74dは、カム部材98の外側を通過することができる。
また、図8Bに示すように、フロート74の突出部74dがカム部材98の外側を通過する際に、貯水タンク22内の水位WLがさらに下降することによりオーバーフロー管70がさらに下降し、第2リブ70dの上端部70eがカム部材98の第2アーム部98cよりも下方となった際、カム部材98は、一時的に第1回動方向R1に回動しようとするが、フロート74が下降することにより、このフロート74の突出部74dの内側がカム部材98の第1アーム部98bに当接して、この第1アーム部98bを押し下げることになる。これにより、その後、図6に示すように、フロート74は、その突出部74dがカム部材98の第1アーム部98bの下方側に位置するように下降することができる。
そして、図8Aに示すように、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位(WL)が時間と共にさらに低下し、水位が筒体72の上縁部72a付近まで低下した時点で、筒体72内の洗浄水が急激に排水口22aから排出され、最終的には、図4〜図6に示すように、排水弁体68が弁座66に接触して排水口22aを閉止した状態になり、貯水タンク22内の水位が最低水位DWLとなって、排水が終了する。
また、貯水タンク22及び筒体72内の水位WLは、制御筒46の小穴e付近を下降して通過した際に、制御筒46の貯水部46d内の水位wlは、貯水タンク22及び筒体72内の水位WLよりも高い位置にあるが、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水が開放されている小穴46eから流出することにより制御筒46の貯水部46d内の水位wlが低下するため、フロート74についても、制御筒46の貯水部46d内の水位wlの低下と共に低下する。
さらに、図5に示すように、フロート74が低下することにより、フロート74の下端が制御筒46の底面(中間水平壁46)付近まで下降した際、フロート74の下端が開閉弁86の力点部86cに接触して下方に押圧することにより、開閉弁86の弁部86aが小穴46fを開放する方向に支点部86bを中心に回動する。これにより、小穴46fが開放され、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水が排出される。そして、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水が空の状態となり、フロート74は最も下降した状態となり、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水によるフロート74の浮力も生じなくなる。
また、図6に示すように、排水弁体68が排水口22aを閉止した状態で且つフロート74が最も下降した状態では、フロート74の突出部74dがカム部材98の第1アーム98bの先端部よりも下方に位置することにより、カム部材98は、圧縮コイルばね100の付勢力F1により、ヒンジ軸部96bの軸回りに第1回動方向R1に回動した状態となる。これにより、フロート74の突出部74dがカム部材98の第1アーム98bの先端部に当接すると共に、カム部材98の第2アーム98cがオーバーフロー管70の第2リブ70dの上端部70eよりも上方に位置しているため、排水弁体68が閉止状態でフロート74が上昇しようとしたとしても、オーバーフロー管70の第2リブ70dが上昇しない限り、フロート74が係止/係止解除機構部82のカム部材98を介して制御筒46に係止されることになる。したがって、フロート74を上昇させる浮力が閉止状態の排水弁体68の閉止力に作用しなくなる。
つぎに、図3及び図9により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行される小洗浄モードを説明する。
図9は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置の小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。
まず、図9に示すように、小洗浄モードの開始時、使用者が操作レバー50を奥側に90度回転させ、或いは、小洗浄のボタン54が押され、モータ52が作動されると、第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60の両方が揺動して、第1玉鎖62を介してオーバーフロー管70及び排水弁体68が引き上げられて、排水口22aが開いて、排水が開始される。
同時に、第2玉鎖64を介して第2切替弁90が引き上げられる。この第2切替弁90の内方側には第1切替弁88が設けられているので、第1切替弁88も第2切替弁90により引き上げられ、開口部78を閉じる位置まで引き上げられる。
このような引き上げの完了の直後に操作レバー50は初期位置に戻されて、第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60は初期位置に戻され、或いは、モータ52の作動により引き上げが行われたときは、引き上げの完了の直後に第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60が初期位置に戻るようにモータ52が作動される。
そして、第2の引き上げ部材60が初期位置に戻されると、第2切替弁90は、その自重により、図3及び図9に示すような初期の位置に戻る。また、錘94により、より確実に、このような初期の位置に戻るようになっている。
一方、図3及び図9に示すように、第1切替弁88は、開口部78を閉じる位置に保持されたままである。すなわち、排水開始後、筒体72の内方を流れる洗浄水の流速が、筒体72の外方を流れる洗浄水の流速より相対的に大きくなる。これは、筒体72の内方の流路面積が、第1切替弁88の連通口88bの流路面積より大きいためである。そして、筒体72の内方を流れる洗浄水の流速が、筒体72の外方を流れる洗浄水の流速より相対的に大きくなると、第1切替弁88の内外で差圧が生じ、第1切替弁88には、開口部78を閉じる力が加わるため、第1切替弁88は、閉じた状態に保持される。
このように、第1切替弁88は、開口部78を閉じた状態に保持され、これにより、筒体72の開口部78の開口断面積は、第1切替弁88の連通口88bの開口断面積まで減少される。したがって、開口部78を介して、筒体72の外方から内方へ流入する洗浄水の流量は、その開口断面積の減少分、少なくなる。
つぎに、図9に示すように、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位(WL)が時間と共に低下し、その後、上述した大洗浄モードと同様に、水位が筒体72の上縁部72a付近まで低下した時点で、筒体72内の洗浄水が急激に排水口22aから排出されるようになる。
また、これに伴い、貯水部46d内の洗浄水も、上述した大洗浄モードと同様に、小穴46e、46fから流出し、貯水部46d内の水位の低下に伴ってフロート74も下降し、貯水部46d内の洗浄水の水位がフロート74に浮力を与えない状態で、排水弁体68が排水口22aを閉じ、排水が終了する。
なお、図9に示すように、小洗浄モードの場合の排水終了後の状態の貯水タンク22内の最低水位DWLは、大洗浄モードの場合の最低水位よりも高い水位となる。
つぎに、図3及び図10により、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置により実行されるエコ小洗浄モードを説明する。
図10は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードにおける排水途中の状態を示す概略断面図である。
まず、図10に示すように、エコ小洗浄モードの開始時、使用者がエコ小洗浄のボタン54が押され、モータ52が作動されると、第1の引き上げ部材58及び第2の引き上げ部材60の両方が揺動して、第1玉鎖62を介してオーバーフロー管70及び排水弁体68が引き上げられて、排水口22aが開いて、排水が開始される。
同時に、第2玉鎖64を介して第2切替弁90が引き上げられる。この第2切替弁90の内方側には第1切替弁88が設けられているので、第1切替弁88も第2切替弁90により引き上げられ、第1切替弁88及び第2切替弁90は、開口部78に所定距離近接される。
一方、第1切替弁88は、筒体72の内方を流れる洗浄水の流速による負圧により、開口部78側に引きつけられ、その後、上述したように、筒体72の内外の流速差により生じる差圧により、開口部78を閉じる位置に保持される。
図3及び図10に示すように、第2切替弁90が保持される角度位置は、第1切替弁88が開口部78を閉じる位置に保持されているとき、第2切替弁90に形成された突出部90bが、第1切替弁88の連通口88bに挿入されているように設定されている。
このように、エコ小洗浄モードでは、第1切替弁88は、開口部78を閉じた状態に保持され、第2切替弁90は、第2の引き上げ部材60、玉鎖62などを介してモータ52により所定位置に保持される。また、この所定位置では、第2切替弁90に形成された突出部90bが、第1切替弁88の連通口88bに挿入されているので、第1切替弁88の連通口88bの開口断面積を減少させる。したがって、筒体72の開口部78の開口断面積は、小洗浄モードのときよりさらに減少し、これにより、開口部78を介して、筒体72の外方から内方へ流入する洗浄水の流量は、小洗浄モードのときより、さらに少なくなる。
つぎに、図10に示すように、上述した大洗浄時及び小洗浄時と同様に、水位が筒体72の上縁部72a付近まで低下した時点で、筒体72内の洗浄水が急激に排水口22aから排出されるようになる。
また、これに伴い、貯水部46d内の洗浄水も、小穴46e、46fから流出する。ここで、このエコ洗浄モードでは、オーバーフロー管70及び排水弁体68が保持(ホールド)されているので、大洗浄モード及び小洗浄モードと異なり、貯水部46d内の水位の低下に伴ってフロート74のみが下降する。
そして、所定時間経過後、オーバーフロー管70及び排水弁体68の保持及び第2切替弁90の保持を解除し、オーバーフロー管70及び排水弁体68を下降させて、排水弁体68が排水口22aを閉じ、排水が終了する。
なお、図10に示すように、エコ小洗浄モードの場合の排水終了後の状態の貯水タンク22内の最低水位DWLは、小洗浄モードの場合の最低水位よりも高い水位となる。
つぎに、図11は、本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置における貯水タンク内の水位と排水弁体のシール線圧と関係の実験結果を定性的に示す線図である。
ここで、図11の縦軸は、貯水タンク内の水位WL[mm]を示し、図11の横軸は、排水弁体のシール線圧p[N/mm]を示している。
なお、図11における「シール線圧」とは、本実施形態における洗浄水タンク装置18の排水弁体68が弁座66に接触して排水口22aを閉止している状態において、排水弁体68全体に作用している貯水タンク22内の洗浄水の水圧や排水弁体の自重等による排水弁体68の閉止力[N]を、排水弁体68が弁座66に線接触してシールしている部分の全周長さ[mm]で除したものである。
また、図11では、本実施形態の特性を実線で示し、比較例として、係止/係止解除機構部を備えておらず、フロートの浮力が常時排水弁体の閉止力に影響する形態の特性を破線で示している。
さらに、図11では、満水水位が異なる2種類の貯水タンクを用いており、水頭圧が低い貯水タンクの満水水位をWL0で示し、また、水頭圧が高い貯水タンクの満水水位をWL0’で示している。
まず、図11に示すように、貯水タンク内の水位WL1は、フロートの水没が開始するときの水位であり、このとき、本実施形態及び比較例共に、シール線圧pはp1となる。
つぎに、図11に示すように、貯水タンク内の水位WL2は、フロート全体が水没したときの水位であり、このとき、本実施形態のシール線圧p2は、比較例のシール線圧p2’よりも大幅に大きくなっている。
また、比較例では、フロートの浮力が排水弁体の閉止力の低下に影響しているため、フロート全体が水没したときのシール線圧p2’が、フロートの水没が開始するときのシール線圧p1よりも低下している。
さらに、図11に示すように、貯水タンク内の水位WLが満水水位WL0(例えば、WL0=173mm)のときにも、本実施形態のシール線圧p3は、比較例のシール線圧p3’よりも大幅に大きくなっている。また、この本実施形態のシール線圧p3は、比較例における貯水タンク内の水位WLが満水水位WL0’(例えば、WL0’=238mm)のときのシール線圧に相当している。
これらの結果から、比較例では、係止/係止解除機構部を備えていないため、フロートの浮力が排水弁体の閉止力の低下に影響していることがわかる。
一方、本実施形態では、係止/係止解除機構部82によりフロート74の浮力が排水弁体68の閉止力に影響しないため、排水弁体68の閉止力の低下を防ぐことができることがわかった。
上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、排水弁装置28の係止/係止解除機構部82により、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態でフロート74の浮力が排水弁体68に作用して排水弁体68の閉止力を低下させないようにフロート74を制御筒46に係止することができ、排水弁体68が開弁すると制御筒46に対するフロート74の係止を解除することができる。
したがって、例えば、貯水タンク22の満水水位WL0の設定高さや排水終了時に最終的に得られる貯水タンク22内の最低水位DWLの設定高さが比較的低く、洗浄水の水頭圧が比較的低い仕様の貯水タンクに適用した場合に、貯水タンク22内の洗浄水の水位が低く、排水口22aを閉止している排水弁体68に作用する閉止力が比較的小さい状態であっても、フロート74の浮力が排水弁体68に作用して排水弁体68の閉止力を低下させることを効果的に防ぐことができる。
また、本実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、係止/係止解除機構部82について、フロート74が排水弁体68に干渉しないように制御筒46の一部に設けられていることにより、フロート74が排水弁体68に干渉することなく、係止/係止解除機構部82がフロート74を制御筒46に効果的に係止したり、制御筒46に対するフロート74の係止を効果的に解除したりすることができる。
したがって、閉止状態の排水弁体68にフロート74の浮力が作用して排水弁体68の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
さらに、本実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、制御筒46の貯水部46dの底面を形成する中間水平壁46cには、排水弁体68が閉止状態であるときにフロート74が制御筒46の貯水部46dの底面まで下降可能に制御筒46内の洗浄水を排水するため排水手段として、中間水平壁46cを貫くように形成された小穴46fと、この小穴46fを開閉する開閉弁86が設けられている。
これにより、排水弁体68が閉止状態であるときに、フロート74が制御筒46の貯水部4dの底面付近まで下降した際に、開閉弁86が小穴46fを開放し、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水を十分に排水することができ、制御筒46の貯水部46d内の洗浄水によりフロート74に浮力が生じることを防ぐことができる。
したがって、閉止状態の排水弁体68にフロート74の浮力が作用して排水弁体68の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
さらに、本実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態では、係止/係止解除機構部82のカム部材98が第1回動方向R1に回動してフロート74を制御筒46に係止することができる。
さらに、排水弁体68が開弁すると係止/係止解除機構部82のカム部材98がオーバーフロー管70の第2リブ70dに係合することにより第1回動方向R1とは反対方向の第2回動方向R2に回動して制御筒46とフロート74との係止を解除することができ、その後、フロート74及び排水弁体68が貯水タンク22内の水位の低下と共に下降して排水弁体68が閉弁すると、係止/係止解除機構部82のカム部材98が第1回動方向R1に回動してフロート74を再び制御筒46に係止することができる。
したがって、排水弁体68及びオーバーフロー管70の上下動に応じて、オーバーフロー管70の第2リブ70dとカム部材98との係合や係合解除を適宜行うことにより、制御筒とフロートとの係止や係止解除を適宜行うことができる。
よって、閉止状態の排水弁体68にフロート74の浮力が作用して排水弁体68の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
また、本実施形態による洗浄水タンク装置18によれば、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態では、係止/係止解除機構部82の付勢手段である圧縮コイルばね100によりカム部材98が第1回動方向R1に回動するように付勢され、フロート74を制御筒46に確実に係止することができる。
さらに、フロート74及び排水弁体68が貯水タンク22内の水位の低下と共に下降して排水弁体68が閉弁すると、係止/係止解除機構部82のカム部材98が第2回動方向R2に回動して制御筒46とフロート74との係止を解除している状態から圧縮コイルばね100により第1回動方向R1に回動するように付勢され、フロート74を再び制御筒46に係止することができる。
したがって、閉止状態の排水弁体68にフロート74の浮力が作用して排水弁体68の閉止力が低下することをより効果的に防ぐことができる。
なお、上述した本実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28の係止/係止解除機構部82においては、カム部材98を付勢手段として圧縮コイルばね100を採用した形態について説明したが、このような形態に限定されず、圧縮コイルばね100以外の他の付勢手段を採用してもよい。例えば、他の付勢手段として、圧縮コイルばね100の代わりに薄板ばねやねじりコイルばねを採用してもよい。また、付勢手段の代わりに、カム部材自体を可撓性の材料で形成したり、カム部材の重心位置を工夫したりすることによって、カム部材をフロートの位置や状況に応じて適宜回動させて、フロートと制御筒との係止や係止解除を適宜行うようにしてもよい。
また、上述した本実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28では、排水弁体68が、制御筒46に対して上下方向に摺動可能な摺動部材であるオーバーフロー管70の下端部の弁体保持部70aに設けられた形態について説明したが、このような形態に限られず、排水弁体68が設けられる摺動部材として、オーバーフロー管70の代わりに中実の棒部材を採用し、別途のオーバーフロー管を排水弁装置に隣接して設けてもよい。
つぎに、図12A〜図15Bを参照して、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置について説明する。
まず、図12Aは、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止している状態を示し、図12Bは、図12Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。
つぎに、図13Aは、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態で且つ制御筒内のフロートが途中位置まで上昇した状態を示し、図13Bは、図13Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。
また、図14Aは、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態で且つ制御筒内のフロートが最高位置まで上昇した状態を示し、図14Bは、図14Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。
さらに、図15Aは、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が最高開弁位置まで上昇した状態から閉弁する途中の状態を示し、図15Bは、図15Aに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置のA部拡大断面図である。
ここで、図12A〜図15Bに示す本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置218において、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
まず、図12A〜図15Bに示すように、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置218では、排水弁装置228の係止/係止解除機構部282の構造部分が、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28の係止/係止解除機構部82の構造部分と異なっている。
したがって、以下、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置218については、排水弁装置228の係止/係止解除機構部282の異なる構造部分のみについて具体的に説明し、その他の部分については説明を省略する。
図12A及び図12Bに示すように、本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置218の排水弁装置228の係止/係止解除機構部282は、フロート274が排水弁体68に干渉しないようにフロート274の上方部分の一部に設けられており、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態において、フロート274の浮力が排水弁体68の閉止力を低下させないようにフロート274を制御筒246に係止し、図13A〜図15Bに示すように排水弁体68が所定の開弁位置よりも上方に位置している状態で制御筒246に対するフロート274の係止を解除することができるようになっている。
より具体的に説明すると、図12A及び図12Bに示すように、係止/係止解除機構部282は、フロート274の上方部分に形成されたヒンジ軸部274aに回動可能に取り付けられたカム部材298を備えている。
図12Bに示すように、カム部材298は、ヒンジ軸部274aに挿入して取り付けられる取付穴部298aと、この取付穴部298aから鉛直方向下方に延びるように形成される第1アーム部298bと、取付穴部298aからほぼ水平方向に延びるように形成されて第1アーム部298bに対してほぼ直交する第2アーム部298cとを備えている。
また、図12A及び図12Bに示すように、カム部材298の第1アーム部298bの先端部は、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態で、制御筒246の係止穴246jに挿入されて係止されるフック部298dを備えている。このフック部298dが係止穴246jに係止された状態では、フロート274は、上昇することができず、係止/係止解除機構部282を介して、制御筒246に係止されるようになっている(図12A参照)。
さらに、図12A及び図12Bに示すオーバーフロー管70を第1玉鎖62及び接続部材76により引き上げると、オーバーフロー管70の第2リブ70dの上端部70eがカム部材298の第2アーム部298cの下端に当接するようになっている。
つぎに、オーバーフロー管70の第2リブ70dの上端部70eがカム部材298の第2アーム部298cの下端に当接した後、図13A及び図13Bに示すように、さらにオーバーフロー管70を引き上げて、排水弁体68が、図12Aに示す閉弁位置から図13Aに示す距離H1だけ上方の最高開弁位置まで引き上げられると、第2アーム部298cがオーバーフロー管70の第2リブ70dによって押し上げられて、第2回動方向R2に回動するようになっている(図13B参照)。これにより、カム部材298のフック部298dと制御筒246の係止穴246jとの係止が解除されて、フロート274が上昇することができるようになっている。
すなわち、「第2回動方向R2」は、フロート274と制御筒246との係止を解除させるときのカム部材298の回動方向を意味している。
つぎに、図14A及び図14Bに示すように、オーバーフロー管70及び排水弁体68が最高開弁位置まで引き上げられた状態では、係止/係止解除機構部282のカム部材298のフック部298dと制御筒246の係止穴246jとの係止が解除されているため、フロート274は、貯水タンク22内の水位WL及び制御筒246の貯水部246d内の洗浄水の浮力により速やかに接続部材76の下端に当接するまで上昇するようになっている。
このとき、カム部材298のフック部298dは、制御筒246の制御筒246の外側壁246aの上縁部を通過した時点で、制御筒246の外側壁246aと接触して状態から解放され、カム部材298が第2回動方向R2とは反対の第1回動方向R1(図14B参照)に回動する。そして、カム部材298の第2アーム部298cは、フロート274の上端部付近に設けられたストッパ部274bに当接して停止した状態となり、第2アーム部298cの先端部は、オーバーフロー管70の第2リブ70dの上端部70eよりも上方に位置している。
すなわち、「第1回動方向R1」は、フロート274を制御筒246に係止するときのカム部材298の回動方向を意味している。
つぎに、図14A及び図14Bに示すように、オーバーフロー管70及び排水弁体68が最高位置まで引き上げられて、フロート274が最高位置まで上昇した後、図15A及び図15Bに示すように、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位(WL)が時間と共に低下し、オーバーフロー管70及び排水弁体68が下降する。これにより、接続部材76の下端に当接しているフロート274についても、オーバーフロー管70及び排水弁体68と共に下降する。
また、図15Aに示すように、貯水タンク22内の水位WLは、制御筒246の上縁部よりも下降すると、制御筒246の貯水部246d内の水位wlよりも低い位置となる。
そして、図15A及び図15Bに示すように、貯水タンク22内の洗浄水の全体の水位(WL)が時間と共にさらに低下し、水位が筒体72の上縁部72a付近まで低下した時点で、筒体72内の洗浄水が急激に排水口22aから排出され、最終的には、図12A及び図12Bに示すように、排水弁体68が弁座66に接触して排水口22aを閉止した状態になり、貯水タンク22内の水位が最低水位DWLとなって、排水が終了する。
ここで、図15Bに示すように、フロート274が下降している状態では、カム部材298のフック部298dは、制御筒246の制御筒246の外側壁246aの上縁部を通過した時点で、制御筒246の外側壁246aの内面246kに接触する。
また、制御筒246の外側壁246aの内側壁面における上縁付近は、上方から下方に向かって内方にわずかに窄まる湾曲面246k(図15B)を形成しているため、制御筒246の外側壁246aの上縁部と係止穴246jとの間に位置するときのカム部材298のフック部298dは、フロート274が下降して、先端部が湾曲面246kに沿って接触しながら下降することにより、わずかに第2回動方向R2に回動する。そして、カム部材298のフック部298dは、制御筒246の係止穴246jに到達すると、カム部材298のフック部298dが係止穴246jに嵌り込むように、カム部材298が第1回動方向R1に反転し、再び図12Bに示すように、フロート274が制御筒246に係止された状態となる。
さらに、図12Aに示すように、フロート274が低下することにより、フロート274の下端が制御筒246の底面(中間水平壁46)付近まで下降した際、図5に示す第1実施形態と同様に、開閉弁86により小穴46fが開放され、制御筒246の貯水部246d内の洗浄水が排出されるため、制御筒246の貯水部246d内の洗浄水によるフロート274の浮力も生じなくなる。
また、図12A及び図12Bに示すように、排水弁体68が排水口22aを閉止した状態で且つフロート274が最も下降した状態では、カム部材298のフック部298dが制御筒46の係止穴246jに係止されているため、フロート274は、上昇することができず、係止/係止解除機構部282を介して、制御筒246に係止される。したがって、フロート274を上昇させる浮力が閉止状態の排水弁体68の閉止力に作用しなくなる。
上述した本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置218によれば、排水弁装置228の係止/係止解除機構部282により、排水弁体68が排水口22aを閉止している状態でフロート274の浮力が排水弁体68に作用して排水弁体68の閉止力を低下させないようにフロート274を制御筒246に係止することができ、排水弁体68が開弁すると制御筒246に対するフロート274の係止を解除することができる。
したがって、例えば、貯水タンク22の満水水位WL0の設定高さや排水終了時に最終的に得られる貯水タンク22内の最低水位DWLの設定高さが比較的低く、洗浄水の水頭圧が比較的低い仕様の貯水タンクに適用した場合に、貯水タンク22内の洗浄水の水位が低く、排水口22aを閉止している排水弁体68に作用する閉止力が比較的小さい状態であっても、フロート274の浮力が排水弁体68に作用して排水弁体68の閉止力を低下させることを効果的に防ぐことができる。
また、本実施形態による洗浄水タンク装置218によれば、係止/係止解除機構部282について、フロート274が排水弁体68に干渉しないようにフロート274の一部に設けられていることにより、フロート274が排水弁体68に干渉することなく、係止/係止解除機構部282がフロート274を制御筒246に効果的に係止したり、制御筒246に対するフロート274の係止を効果的に解除したりすることができる。
したがって、閉止状態の排水弁体68にフロート274の浮力が作用して排水弁体68の閉止力が低下することを効果的に防ぐことができる。
つぎに、図16〜図22を参照して、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置について説明する。
まず、図16は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止しているときの係止/係止解除機構部の状態を示す。
つぎに、図17は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の係止/係止解除機構部を斜め上方から見た斜視図であり、図18は、図17のXVIII−XVIII線に沿った斜視断面図である。
また、図19は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、大洗浄モードで排水弁体が閉止している状態から引き上げられるときの係止/係止解除機構部の状態を示す。
さらに、図20は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、大洗浄モードで排水弁体及びフロートが最高位置まで上昇したときの係止/係止解除機構部の状態を示す。
また、図21は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、排水弁体が下降している閉弁途中の係止/係止解除機構部の状態を示す。
さらに、図22は、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の正面中央断面におけるオーバーフロー管の側方の部分断面図であり、排水弁体が閉弁したときの係止/係止解除機構部の状態を示す。
ここで、図16〜図22に示す本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置318において、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図16〜図22に示すように、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置318では、排水弁装置328の係止/係止解除機構部382が、制御筒46に取付部材384を介して設けられて同一の回動軸線A1を中心に回動可能なカム部材として第1カム部材386及び第2カム部材388を備えている点で、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28の係止/係止解除機構部82の構造部分と異なっている。
また、図16及び図19〜図22に示すように、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置318では、オーバーフロー管370の弁体保持部70aと嵌合凹部70bとの間における第1リブ70cよりも上方の側面には、係止/係止解除機構部382の第1カム部材386と係合/係合解除可能な突起部370dが外側に突出して形成されており、この突起部370dが縦長のリブ形状ではない点で、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28のオーバーフロー管70の第2リブ70dの構造とは異なっている。
したがって、以下、本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置318については、排水弁装置328の係止/係止解除機構部382の異なる構造部分のみについて具体的に説明し、その他の部分については説明を省略する。
まず、図16〜図19に示すように、係止/係止解除機構部382の第1カム部材386は、オーバーフロー管370の突起部370dに係合/係合解除可能な第1係合部386aと、第2カム部材388に係合/係合解除可能である第2係合部386bとを備えている。
また、図16〜図19に示すように、係止/係止解除機構部382の第2カム部材388は、第1カム部材386の第2係合部386bに係合/係合解除可能である第3係合部388aと、フロート74に係止/係止解除可能である第4係合部388bとを備えている。
さらに、図17及び図18に示すように、係止/係止解除機構部382は、第1カム部材386及び第2カム部材388を互いに同一の回動軸線A1を中心に回動可能に連結する付勢部材であるコイル状のねじりばね390を備えている。
ここで、図18に示すように、これらの第1カム部材386、第2カム部材388、及びねじりばね390のそれぞれは、取付部材384に一体に形成された保持部384aに同一の回動軸線A1を中心に同心状に保持されている。
また、図18に示すように、ねじりばね390は、第1カム部材386の第2係合部386bに当接して第2回動方向R2に付勢する第1アーム部390aと、第2カム部材388の第3係合部388aに当接して第1回動方向R1に付勢する第2アーム部390bとを備えている。
すなわち、「第1回動方向R1」は、フロート74を制御筒46に係止するときのカム部材386の回動方向を意味しており、「第2回動方向R2」は、フロート74と制御筒46との係止を解除させるときのカム部材386の回動方向を意味している。
さらに、図18に示すように、ねじりばね390の第1アーム部390aと第2アーム部390bとの周方向の間には、第1アーム部390aによる第2回動方向R2の回動範囲及び第2アーム部390bによる第1回動方向R1の回動範囲をそれぞれ規制する回動規制部384bが取付部材384の保持部384aの一部として設けられている。
また、これらのオーバーフロー管370の突起部370d、第1カム部材386、第2カム部材388、及びねじりばね390は、制御筒46に対するフロート74の係止が解除されている状態で上下方向に摺動しているオーバーフロー管370の突起部370dと第1カム部材386の第1係合部386aとの係合を解除して非接触状態を維持する手段(以下「非接触状態維持手段」)として機能するようになっている。
つぎに、図16〜図18に示すように、排水弁体68が排水口22aを閉止している排水開始前の待機状態では、ねじりばね390により第1カム部材386が第2回動方向R2に付勢されると共に第2カム部材388が第2回動方向R2とは反対の第1回動方向R1に付勢されている。
また、第1カム部材386の第1係合部386aは、オーバーフロー管370の突起部370dよりも上方に位置しており、両者386a,370dの係合が解除されると共に第1カム部材386の第2係合部386bと第2カム部材388の第3係合部388aとが係合されている。これにより、係止/係止解除機構部382は、第2カム部材388の第4係合部388bとフロート74の突出部74dとが係止された第1状態P1にある。
つぎに、図19に示すように、係止/係止解除機構部382の第1状態P1の後、オーバーフロー管370が引き上げられることにより上昇し、排水弁体68が開弁した状態では、オーバーフロー管370の突起部370dが第1カム部材386の第1係合部386aに下方側から係合することにより、第1カム部材386の第2係合部386bと第2カム部材388の第3係合部388aとが連結した状態となり、第1カム部材386及び第2カム部材388が第2回動方向R2に連結して回動するようになっている。これにより、係止/係止解除機構部382は、第2カム部材388の第4係合部388bとフロート74の突出部74dとの係止が解除された第2状態P2にある。
つぎに、図20に示すように、係止/係止解除機構部382の第2状態P2の後、さらに、オーバーフロー管370及びフロート74が最高位置H1まで上昇した状態では、第1カム部材386及び第2カム部材388は、ねじりばね390の付勢力により復元されて、係止/係止解除機構部382は、第1状態P1(待機状態)と同一である第3状態P3にある。
つぎに、図21に示すように、係止/係止解除機構部382の第3状態P3の後、フロート74及び排水弁体68が貯水タンク22内の水位WLの低下と共に下降して排水弁体68が閉弁する前の状態では、オーバーフロー管370の突起部370dが第1カム部材386の第1係合部386aに上方側から係合するようになっている。これにより、係止/係止解除機構部382は、第2カム部材388が静止した状態で第1カム部材386のみが、ねじりばね390の第1アーム部390aからの付勢力に抗して、第2カム部材388に対して独立に第1回動方向R1に回動する第4状態P4にある。
つぎに、図22に示すように、係止/係止解除機構部382の第4状態P4の後、貯水タンク22内の水位WLのさらなる低下によりフロート74及び排水弁体68がさらに下降することにより、オーバーフロー管370の突起部370dが第1カム部材386の第1係合部386aを乗り越えて下側に移動して、排水弁体68が排水口22aを閉止するようになっている。
このとき、図22に示すように、オーバーフロー管370の突起部370dが第1カム部材386の第1係合部386aの下側に移動したとき、第1カム部材386はねじりばね390の第1アーム部390aの付勢力(復元力)により第2回動方向R2に回動し、係止/係止解除機構部382が第5状態P5にある。
さらに、係止/係止解除機構部382の第5状態P5では、制御筒46内の貯水部46dの水位wlのさらなる低下によりフロート74がさらに下降することにより、フロート74の突出部74dが第2カム部材388の第4係合部388bに係合して、第2カム部材388が第2回動方向R2に回動するようになっている。
また、図22に示す係止/係止解除機構部382の第5状態P5の後、制御筒46内の貯水部46dの水位wlのさらなる低下によりフロート74がさらに下降することにより、フロート74の突出部74dが第2カム部材388の第4係合部388bよりも下側に移動すると、第2カム部材388がねじりばね390の第2アーム部390bの付勢力(復元力)により第1回動方向R1に回動するようになっている。これにより、係止/係止解除機構部382は、図16に示す第1状態P1に復元されて、フロート74が再び制御筒46に係止されるようになっている。最終的には、排水弁体68が弁座66に接触して排水口22aを閉止した状態になり、貯水タンク22内の水位が最低水位DWLとなって、排水が終了する。
要するに、非接触状態維持手段であるオーバーフロー管370の突起部370d、第1カム部材386、第2カム部材388、及びねじりばね390は、図19に示す係止/係止解除機構部382の第2状態P2の後から図21に示す係止/係止解除機構部382の第4状態P4の前までの間に、オーバーフロー管370の突起部370dと第1カム部材386の第1係合部386aとの係合を解除して非接触状態を維持するものである。
上述した本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置318によれば、非接触状態維持手段であるオーバーフロー管370の突起部370d、第1カム部材386、第2カム部材388、及びねじりばね390により、図19に示す係止/係止解除機構部382の第2状態P2の後から図21に示す係止/係止解除機構部382の第4状態P4の前までの間に、オーバーフロー管370の突起部370dと第1カム部材386の第1係合部386aとの係合を解除して非接触状態を維持することができるため、開弁時の制御筒46とフロート74との係止解除後から閉弁時の制御筒46とフロート74との再係止までの間、第1カム部材386の第1係合部386aとオーバーフロー管370の突起部370dとが係合した状態を常時維持させておく必要がない。
したがって、第1カム部材386に対するオーバーフロー管370の上下方向の摺動抵抗を抑制することができる。特に、オーバーフロー管370及び排水弁体68が下降している閉弁時には、第1カム部材386に対するオーバーフロー管370の上下方向の摺動抵抗により排水弁体68が閉弁しきれないという不具合を抑制することができる。
また、本実施形態による洗浄水タンク装置318によれば、第1カム部材386及び第2カム部材388を互いに同一の回動軸線A1を中心に回動可能に連結するねじりばね390を採用したことにより、簡易な構造によって、図19に示す第2状態P2の後から図21に示す第4状態P4の前までの間に、オーバーフロー管370の突起部370dと第1カム部材386の第1係合部386aとの係合を解除して確実に非接触状態を維持することができる。
したがって、簡易な構造で第1カム部材386に対するオーバーフロー管370の上下方向の摺動抵抗を抑制することができる。特に、オーバーフロー管370及び排水弁体68が下降している閉弁時には、排水弁体68が閉弁しきれないという不具合を抑制することができる。
つぎに、図23〜図26を参照して、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置について説明する。
まず、図23は、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水開始前又は排水終了後の排水弁体が排水口を閉止しているときの係止/係止解除機構部の状態を示す概略図である。
つぎに、図24は、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、大洗浄モードで排水弁体が閉止している状態から引き上げられるときの係止/係止解除機構部の状態を示す概略図である。
また、図25は、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水弁体及びフロートが最高位置まで上昇したときの係止/係止解除機構部の状態を示す概略図である。
さらに、図26は、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水弁体が下降している閉弁途中の係止/係止解除機構部の状態を示す概略図である。
ここで、図23〜図26に示す本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置418において、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の部分及び本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置318の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図23〜図26に示すように、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置418では、排水弁装置428の係止/係止解除機構部482が、第1実施形態と同様に、支持部材96の一対のヒンジ軸部96bに回動可能に取り付けられたカム部材98を備えている。
また、図23〜図26に示すように、カム部材98の第1アーム部98bと支持部材96との間には、カム部材98の第1アーム部98bについてヒンジ軸部96bを中心に第1回動方向R1に付勢する付勢部材(第1付勢部材)である圧縮コイルばね100が介在して設けられている。
しかしながら、図23〜図26に示すように、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置418では、係止/係止解除機構部482が、摺動部材であるオーバーフロー管470の側面の一部に設けられて回動軸線A2を中心に所定の回動角度θの範囲内で回動可能な回動突起部である回動突起484と、この回動突起484を第1回動方向R1とは反対の第2回動方向R2に付勢する第2付勢部材であるねじりばね486とを備えている点で、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28の係止/係止解除機構部82及び本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置318の排水弁装置328の係止/係止解除機構部382のそれぞれの構造部分と異なっている。
したがって、以下、本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置418については、排水弁装置428の係止/係止解除機構部482の異なる構造部分のみについて具体的に説明し、その他の部分については説明を省略する。
まず、図23〜図26に示すように、係止/係止解除機構部482のカム部材98は、回動突起484に係合/係合解除可能な第1係合部である第2アーム部98cと、フロート74の突出部74dに係止/係止解除可能である第2係合部である第1アーム部98bとを備えている。
また、図23〜図26に示すように、回動突起484は、その近傍のオーバーフロー管470の側面に設けられた回動規制部470aによって第2回動方向R2の回動範囲が規制されるようになっている。
ここで、図23〜図26に示すように、これらのカム部材98、圧縮コイルばね100、回動突起484、及びねじりばね486は、制御筒46に対するフロート74の係止が解除されている状態で上下方向に摺動しているオーバーフロー管470の回動突起484とカム部材98の第2アーム部98cとの係合を解除して非接触状態を維持する手段(非接触状態維持手段)として機能するようになっている。
つぎに、図23に示すように、排水弁体(図示せず)が排水口(図示せず)を閉止している排水開始前の待機状態では、圧縮コイルばね100によりカム部材98が第1回動方向R1に付勢されると共に、ねじりばね486により回動突起484が第2回動方向R2に付勢されている。
これにより、係止/係止解除機構部482は、カム部材98の第1係合部であるアーム部98cと回動突起484との係合が解除されると共に、カム部材98の第2係合部であるアーム部98bとフロート74の突出部74dとが係止されて、フロート74が制御筒46に対して係止された第1状態にある。
つぎに、図24に示すように、係止/係止解除機構部482の第1状態P1の後、オーバーフロー管470が引き上げられることにより上昇し、排水弁体68が開弁した状態では、回動突起484がカム部材98の第1係合部であるアーム部98cに下方側から係合して、カム部材98が第2回動方向R2に回動するようになっている。
これにより、係止/係止解除機構部482は、カム部材98の第2係合部であるアーム部98bとフロート74の突出部74dとの係止が解除された第2状態P2にある。
つぎに、図25に示すように、係止/係止解除機構部482の第2状態P2の後、さらに、オーバーフロー管470及びフロート74が最高位置まで上昇した状態では、カム部材98は圧縮コイルばね100の付勢力により第1回動方向R1に回動して復元され、回動突起484は、ねじりばね486の付勢力により第2回動方向R2に回動して復元されるようになっている。これにより、係止/係止解除機構部482は、第1状態P1(待機状態)と同一である第3状態P3にある。
つぎに、図26に示すように、係止/係止解除機構部482の第3状態P3の後、フロート74及び排水弁体(図示せず)が貯水タンク22内の水位の低下と共に下降して排水弁体(図示せず)が閉弁する前の状態では、回動突起484がカム部材98の第1係合部であるアーム部98cに上方側から係合するようになっている。これにより、係止/係止解除機構部482は、回動突起484が第1回動方向R1に回動した第4状態P4にある。
つぎに、図26に示す係止/係止解除機構部482の第4状態P4の後、貯水タンク22内の水位WLのさらなる低下によりフロート74及び排水弁体(図示せず)がさらに下降することにより、オーバーフロー管470の回動突起484がカム部材98の第1係合部(アーム部98c)を乗り越えて下側に移動して、排水弁体(図示せず)が排水口(図示せず)を閉止するようになっている。
このとき、図23及び図26に示すように、オーバーフロー管470の回動突起484がカム部材98の第1係合部(アーム部98c)の下側に移動したとき、回動突起484は、ねじりばね484の付勢力(復元力)により第2回動方向R2に回動し、係止/係止解除機構部482が第5状態P5にある。
さらに、係止/係止解除機構部482の第5状態P5では、制御筒46内の貯水部46dの水位wlのさらなる低下によりフロート74がさらに下降することにより、図23に示すように、フロート74の突出部74dがカム部材98の第2係合部(アーム部98b)に上方側から係合して、カム部材98が第2回動方向R2に回動するようになっている。
その後、図23に示すように、フロート74の突出部74dがカム部材98の第2係合部(アーム部98b)よりも下側に移動すると、カム部材98が圧縮コイルばね100の付勢力により第1回動方向R1に回動するようになっている。これにより、係止/係止解除機構部482は、図23に示す第1状態P1に復元されて、フロート74が再び制御筒46に係止されるようになっている。
要するに、非接触状態維持手段であるカム部材98、圧縮コイルばね100、回動突起484、及びねじりばね486は、図24に示す係止/係止解除機構部482の第2状態P2の後から図26に示す係止/係止解除機構部482の第4状態P4の前までの間に、オーバーフロー管470の回動突起484とカム部材98の第1係合部(アーム部98c)との係合を解除して互いの非接触状態を維持するものである。
上述した本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置418によれば、非接触状態維持手段であるカム部材98、圧縮コイルばね100、回動突起484、及びねじりばね486により、図24に示す係止/係止解除機構部482の第2状態P2の後から図26に示す係止/係止解除機構部482の第4状態P4の前までの間に、オーバーフロー管470の回動突起484とカム部材98の第1係合部(アーム部98c)との係合を解除して互いの非接触状態を維持することができるため、開弁時の制御筒46とフロート74との係止解除後から閉弁時の制御筒46とフロート74との再係止までの間、カム部材98の第1係合部(アーム部98c)とオーバーフロー管470の回動突起484とが係合した状態を常時維持させておく必要がない。
したがって、カム部材98に対するオーバーフロー管470の上下方向の摺動抵抗を抑制することができる。特に、オーバーフロー管470及び排水弁体68が下降している閉弁時には、カム部材98に対するオーバーフロー管470の上下方向の摺動抵抗により排水弁体68が閉弁しきれないという不具合を抑制することができる。
つぎに、図27及び図28を参照して、本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置について説明する。
図27は、本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、排水弁体が上昇又は下降している途中の係止/係止解除機構部の状態を示す概略断面図であり、図28は、本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の係止/係止解除機構部を斜め上方から見た斜視図である。
ここで、図27及び図28に示す本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置518において、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図27及び図28に示すように、本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置518では、排水弁装置528の係止/係止解除機構部582が、制御筒46に取り付けられた取付部材584の一対のカム軸受部584aに回動可能に設けられたカム部材598を備えており、このカム部材598のオーバーフロー管70側の端部には、回転機構部586が設けられている点で、上述した本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置18の排水弁装置28の係止/係止解除機構部82におけるカム部材98と異なっている。
より具体的に説明すると、図27及び図28に示すように、係止/係止解除機構部582の回転機構部586は、排水弁体(図示せず)の閉弁途中で下降しているオーバーフロー管70の第2リム70dに係合可能な回転部材であるローラー588と、カム部材598のオーバーフロー管70側の端部に設けられてローラー588を回転可能に支持するローラー支持部590とからなる。
また、ローラー588は、オーバーフロー管70の第2リム70dに接触した状態で、オーバーフロー管70の第2リム70dの上下方向の摺動方向と同一方向に回転可能となっており、オーバーフロー管70の第2リム70dの上下動に応じて、オーバーフロー管70の第2リム70d上に沿って回転して摺動可能である。
これらにより、係止/係止解除機構部582の回転機構部586については、カム部材598とフロート74の突出部74dとの係合が解除されて、制御筒46とフロート74との係止が解除されている状態において、排水弁体(図示せず)の閉弁途中で下降しているオーバーフロー管70の第2リム70dとローラー588との互いの摺動抵抗を抑制する手段(以下「摺動抵抗抑制手段」)として機能するようになっている。
上述した本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置518によれば、カム部材598が制御筒46とフロートとの係止を解除している状態における排水弁体(図示せず)の閉弁途中で下降している際に、係止/係止解除機構部582の摺動抵抗抑制手段である回転機構部586のローラー588が、オーバーフロー管70の第2リム70dの摺動方向と同一方向に回転して、オーバーフロー管70の第2リム70d上に沿って回転することにより、オーバーフロー管70を滑らかに摺動させることができる。
したがって、排水弁体(図示せず)の閉弁途中で下降しているオーバーフロー管70におけるカム部材598に対する摺動抵抗を抑制することができるため、閉弁時の排水弁体(図示せず)が閉弁しきれないという不具合を防ぐことができる。
つぎに、図29及び図30を参照して、本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置について説明する。
図29は、本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置において、オーバーフロー管の突起部に対して接触状態となっている係止/係止解除機構部を部分的に拡大した部分正面概略図であり、図30は、本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁装置の係止/係止解除機構部を斜め上方から見た斜視図である。
ここで、図29及び図30に示す本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置618において、上述した本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置518の部分と同一部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略する。
図29及び図30に示すように、本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置618では、排水弁装置628の係止/係止解除機構部682の構造部分が、上述した本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置518の排水弁装置528の係止/係止解除機構部582の構造部分と異なっているため、以下、係止/係止解除機構部682の異なる構造部分のみについて具体的に説明し、その他の部分については説明を省略する。
図29及び図30に示すように、本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置618の排水弁装置628の係止/係止解除機構部682においては、制御筒46に取り付けられた取付部材684の一対のヒンジ軸部684aに回動可能に取り付けられたカム部材698を備えている。
このカム部材698は、カム本体部698aを備えている。このカム本体部698aの両側には、オーバーフロー管70の第2リブ70dの両側を挟み込むように一対のアーム部698b,698bが形成されており、各アーム部698b,698bの各先端部付近には、取付部材684の一対のヒンジ軸部684aに回動可能に連結されるヒンジ部であるヒンジ穴698c,698cが形成されている。
また、カム本体部698aの一対のアーム部698b,698b同士の間には、オーバーフロー管70に向かって突出して排水弁体(図示せず)の閉弁途中のオーバーフロー管70の第2リブ70dに係合可能な第1係合部698dが形成されている。
さらに、カム本体部698aの下端には、フロート74の突出部74dに係止/係止解除可能な第2係合部698eが設けられている。
そして、カム部材698の第2係合部698eとフロート74の突出部74dとの係止が解除されて、カム部材698による制御筒46とフロート74との係止が解除されている状態では、係止/係止解除機構部682は、排水弁体(図示せず)の閉弁途中で下降しているときのカム部材698の第1係合部698dに対するオーバーフロー管70の第2リブ70dの摺動抵抗を抑制する手段(摺動抵抗抑制手段)を備えている。この摺動抵抗抑制手段としては、図29に示すように、カム部材698の第1係合部698dとオーバーフロー管70の第2リブ70dとの接触位置C1について、カム部材698のヒンジ穴698c,698c及びヒンジ軸部684aの中心位置C2よりもオーバーフロー管70の中心軸線A3に対して、図29に示す正面視で距離dだけ遠位側に位置決めされている。
上述した本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置618によれば、図29に示すように、排水弁体(図示せず)の閉弁途中でオーバーフロー管70の第2リブ70dがカム部材698の第1係合部698dに係合して下方に摺動しているときには、カム部材698の第1係合部698dとオーバーフロー管70の第2リブ70dとの間に動摩擦が発生しているため、カム部材698の第1係合部698dには、下方に摺動するオーバーフロー管70の第2リブ70dから下向きの力F2が作用している。
このとき、カム部材698の第1係合部698dとオーバーフロー管70の第2リブ70dとの接触位置C1が、カム部材698のヒンジ穴698c,698c及びヒンジ軸部684aの中心位置C2よりもオーバーフロー管70の中心軸線A3に対してオーバーフロー管70の遠位側に位置しているため、カム部材698には、その第1係合部698dがオーバーフロー管70の第2リブ70dから離間する方向の回転力が作用する。
この結果、カム部材698は、その第1係合部698dがオーバーフロー管70の第2リブ70dから離間する方向、すなわち、ヒンジ穴698c及びヒンジ軸部684aの中心回りに第2回動方向R2に回動するようになっている。
なお、このとき、カム部材698が第2回動方向R2に回動したことによって、カム部材698の第2係合部698eが圧縮コイルばね100を圧縮し、カム部材698には、圧縮コイルばね100の付勢力F3も作用しているが、このカム部材698を付勢する付勢力F3は、カム部材698の第1係合部698dに係合するオーバーフロー管70の第2リブ70dの上下方向の摺動の妨げにならない程度となっている。
したがって、排水弁体(図示せず)の閉弁途中で下降しているオーバーフロー管70の第2リブ70dにおけるカム部材698の第1係合部698dに対する摺動抵抗を抑制することができ、閉弁時の排水弁体(図示せず)が閉弁しきれないという不具合を防ぐことができる。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 ボウル部
6 導水路
8 トラップ管路
8a トラップ管路の入口
8b 上昇路
8c 下降路
10 リム
12 第1吐水口
14 溜水部
16 第2吐水口
18 本発明の第1実施形態による洗浄水タンク装置
20 外装タンク
22 貯水タンク
22a 排水口
24 蓋体
24a 手洗い鉢
24b 吐水口(流入口)
26 給水装置
28 排水弁装置(排水弁装置部)
30 操作装置
32 給水管
34 給水装置用フロート
36 吐水管
38 レバー
40 給水バルブ
42 手洗い給水管
44 手洗いカラン
46 制御筒
46a 外側壁
46b 内側壁
46c 中間水平壁
46d 貯水部
46e 小穴
46f 小穴(貫通穴部)
46g 開閉弁保持部
46h 流入口
46i 支持部材取付用穴
48 導水部材
50 操作レバー
52 モータ
54 操作ボタン
56 回転伝達部材
58 第1の引き上げ部材
60 第2の引き上げ部材
62 第1玉鎖
64 第2玉鎖
66 弁座
68 排水弁体
70 オーバーフロー管(排水弁装置部の摺動部材)
70a 弁体保持部
70b 嵌合凹部
70c 第1リブ
70d 第2リブ(突出部)
70e 第2リブの上端部
71 排水口形成部材
72 筒体
72a 筒体の上縁部
72b 筒体の一側面
72c 軸
74 フロート
74a 隙間
74b 周方向端部
74c 周方向端部
74d 突出部
76 接続部材
78 開口部
80 切替弁
82 係止/係止解除機構部
84 スライド部材
86 開閉弁
86a 弁部
86b 支点部
86c 力点部
88 第1切替弁
88a 受部
88b 連通口
90 第2切替弁
90a 孔部
90b 突出部
92 錘
94 錘
96 支持部材(係止/係止解除機構部)
96a 固定部
96b ヒンジ軸部
98 カム部材(係止/係止解除機構部、非接触状態維持手段)
98a 取付穴部
98b 第1アーム部(第2係合部)
98c 第2アーム部(第1係合部)
100 圧縮コイルばね(係止/係止解除機構部、付勢部材、第1付勢部材、非接触状態維持手段)
218 本発明の第2実施形態による洗浄水タンク装置
228 排水弁装置(排水弁装置部)
246 制御筒
246a 外側壁
246c 中間水平壁
246d 貯水部
246j 係止穴
246k 外側壁の内側壁面の湾曲面
274 フロート
274a ヒンジ軸部
274b ストッパ部
282 係止/係止解除機構部
298 カム部材
298a 取付穴部
298b 第1アーム部
298c 第2アーム部
298d フック部
318 本発明の第3実施形態による洗浄水タンク装置
328 排水弁装置(排水弁装置部)
370 オーバーフロー管(摺動部材)
370d 突起部(摺動部材の突起部、非接触状態維持手段)
382 係止/係止解除機構部
384 取付部材
384a 保持部
384b 回動規制部
386 第1カム部材(カム部材、非接触状態維持手段)
386a 第1係合部
386b 第2係合部
388 第2カム部材(カム部材、非接触状態維持手段)
388a 第3係合部
388b 第4係合部
390 ねじりばね(付勢部材、非接触状態維持手段)
390a 第1アーム部
390b 第2アーム部
418 本発明の第4実施形態による洗浄水タンク装置
428 排水弁装置(排水弁装置部)
470 オーバーフロー管(摺動部材)
470a 回動規制部
482 係止/係止解除機構部
484 回動突起(回動突起部、非接触状態維持手段)
486 ねじりばね(第2付勢部材、非接触状態維持手段)
518 本発明の第5実施形態による洗浄水タンク装置
528 排水弁装置(排水弁装置部)
582 係止/係止解除機構部
584 取付部材
584a カム軸受部
586 回転機構部
588 ローラー(回転部材)
590 ローラー支持部
598 カム部材
618 本発明の第6実施形態による洗浄水タンク装置
628 排水弁装置(排水弁装置部)
682 係止/係止解除機構部
684 取付部材
684a ヒンジ軸部
698 カム部材
698a カム本体部
698b アーム部
698c ヒンジ穴(ヒンジ部)
698d 第1係合部
698e 第2係合部
A1 回動軸線
A2 回動軸線
A3 オーバーフロー管の中心軸線(摺動部材の中心軸線)
C1 カム部材の第1係合部とオーバーフロー管の第2リブとの接触位置
C2 カム部材のヒンジ穴及び取付部材のヒンジ軸部の中心位置
DWL 貯水タンク内の最低水位
F1 付勢力
F2 力
F3 付勢力
H1 距離
P1 第1状態
P2 第2状態
P3 第3状態
P4 第4状態
R1 カム部材の回動方向(第1回動方向)
R2 カム部材の回動方向(第2回動方向)
WL 貯水タンク内の水位
WL0 貯水タンク内の満水水位
WL1 貯水タンク内の水位
WL2 貯水タンク内の水位
wl 制御筒の貯水部内の水位
θ 回動角度

Claims (15)

  1. 水洗大便器を洗浄する洗浄水を貯水する洗浄水タンク装置であって、
    洗浄水が貯水され、底面に排水口が形成された貯水タンクと、
    上記排水口を開閉して水洗大便器への洗浄水の供給を行う排水弁装置部と、を有し、
    この排水弁装置部は、上記排水口を取り囲むように上記貯水タンクの底面から鉛直方向上方に延びる筒体と、この筒体の内方に配置された制御筒と、この制御筒内に配置されるフロートと、このフロートの下降に連動して下降して上記排水口を閉止するように構成された排水弁体と、この排水弁体が上記排水口を閉止している状態で上記フロートの浮力が上記排水弁体に作用して上記排水弁体の閉止力を低下させないように上記フロートを上記制御筒に係止し、上記排水弁体が開弁すると上記制御筒に対する上記フロートの係止を解除する係止/係止解除機構部と、を備えていることを特徴とする洗浄水タンク装置。
  2. 上記係止/係止解除機構部は、上記フロートが上記排水弁体に干渉しないように上記制御筒の一部に設けられている請求項1記載の洗浄水タンク装置。
  3. 上記係止/係止解除機構部は、上記フロートが上記排水弁体に干渉しないように上記フロートの一部に設けられている請求項1記載の洗浄水タンク装置。
  4. 上記制御筒は、洗浄水が貯水されて上記フロートが配置される貯水部を備え、この貯水部の底面には、上記排水弁体が閉止状態であるときに上記フロートが上記貯水部の底面まで下降可能に上記貯水部内の洗浄水を排水するため排水手段が設けられている請求項1乃至3の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
  5. 上記排水手段は、上記制御筒の貯水部の底面を貫くように形成された貫通穴部と、この貫通穴部に開閉可能に設けられて上記フロートが上記貯水部の底面付近まで下降した際に上記貫通穴部を開放する開閉弁と、を備えている請求項4記載の洗浄水タンク装置。
  6. 上記排水弁装置部は、更に、上記排水弁体から上方に延びて上記制御筒に対して上下方向に摺動可能な摺動部材を備え、この摺動部材は、その周面から外側に突出して軸方向に延びるように形成された突出部を備え、
    上記係止/係止解除機構部は、上記制御筒又は上記フロートに回動可能に設けられたカム部材を備え、このカム部材は、上記排水弁体が上記排水口を閉止している状態では第1回動方向に回動して上記フロートを上記制御筒に係止し、上記排水弁体が開弁すると上記摺動部材の突出部に係合することにより上記第1回動方向とは反対の第2回動方向に回動して上記制御筒と上記フロートとの係止を解除し、その後、上記フロート及び上記排水弁体が上記貯水タンク内の水位の低下と共に下降して上記排水弁体が閉弁すると、上記第1回動方向に回動して上記フロートを再び上記制御筒に係止するものである請求項1乃至5の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
  7. 上記係止/係止解除機構部は、更に、上記カム部材を上記第1回動方向に付勢する付勢手段を備えている請求項6記載の洗浄水タンク装置。
  8. 上記排水弁装置部は、更に、上記排水弁体から上方に延びて上記制御筒に対して上下方向に摺動可能な摺動部材を備え、
    上記係止/係止解除機構部は、上記制御筒に回動可能に設けられて一端が上記摺動部材に係合/係合解除可能であると共に他端が上記フロートに係止/係止解除可能なカム部材と、このカム部材を所定の回動方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    上記係止/係止解除機構部には、上記制御筒に対する上記フロートの係止が解除されている状態で上下方向に摺動している上記摺動部材と上記カム部材との係合を解除して非接触状態を維持する非接触状態維持手段が設けられている請求項1乃至5の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
  9. 上記非接触状態維持手段は、上記摺動部材の周面に形成された突起部、上記制御筒に設けられて互いに同一の回動軸線を中心に回動可能である第1カム部材及び第2カム部材からなる上記カム部材、並びに、上記第1カム部材及び上記第2カム部材を互いに連結する上記付勢部材からなり、
    上記第1カム部材は、上記摺動部材の突起部に係合/係合解除可能な第1係合部と、上記第2カム部材に係合/係合解除可能である第2係合部と、を備え、
    上記第2カム部材は、上記第1カム部材の第2係合部に係合/係合解除可能である第3係合部と、上記フロートに係止/係止解除可能である第4係合部と、を備え、
    上記排水弁体が上記排水口を閉止している状態では、上記付勢部材により上記第1カム部材が第2回動方向に付勢されると共に上記第2カム部材が上記第2回動方向とは反対の第1回動方向に付勢されて、上記第1カム部材の第1係合部と上記摺動部材の突起部との係合が解除されると共に上記第2カム部材の第4係合部と上記フロートとが係止された上記係止/係止解除機構部の第1状態にあり、
    この第1状態後、上記摺動部材が上昇して上記排水弁体が開弁する状態では、上記摺動部材の突起部が上記第1カム部材の第1係合部に係合して上記第1カム部材及び上記第2カム部材が上記第2回動方向に連結して回動することにより、上記第2カム部材の第4係合部と上記フロートとの係止が解除された上記係止/係止解除機構部の第2状態にあり、
    この第2状態後、さらに、上記摺動部材及び上記フロートが上昇した状態では、上記第1カム部材及び上記第2カム部材は、上記付勢部材の付勢力により復元されて上記第1状態と同一である上記係止/係止解除機構部の第3状態にあり、
    この第3状態後、上記フロート及び上記排水弁体が上記貯水タンク内の水位の低下と共に下降して上記排水弁体が閉弁する前の状態では、上記摺動部材の突起部が上記第1カム部材の第1係合部に係合して上記第1カム部材のみが上記第2カム部材に対して独立に上記第1回動方向に回動した上記係止/係止解除機構部の第4状態にあり、
    この第4状態後、さらに下降する上記フロートが上記第2カム部材の第4係合部に係合することにより上記第2カム部材が上記第2回動方向に回動した後、上記第1カム部材及び上記第2カム部材が上記付勢部材の付勢力により上記第1状態に復元されて、上記フロートが再び上記制御筒に係止されるものであり、
    上記非接触状態維持手段は、上記第2状態の後から上記第4状態の前までの間に上記摺動部材の突起部と上記第1カム部材の第1係合部との係合を解除して互いの非接触状態を維持するものである請求項8記載の洗浄水タンク装置。
  10. 上記付勢部材は、上記第1カム部材及び上記第2カム部材を互いに同一の回動軸線を中心に回動可能に連結するねじりばねである請求項9記載の洗浄水タンク装置。
  11. 上記非接触状態維持手段は、上記カム部材を第1回動方向に付勢する上記付勢部材である第1付勢部材と、上記摺動部材の外周面の一部に所定の回動角度の範囲内で回動可能に設けられた回動突起部と、この回動突起部を上記第1回動方向とは反対の第2の回動方向に付勢する第2付勢部材と、からなり、
    上記カム部材は、上記回動突起部に係合/係合解除可能な第1係合部と、上記フロートに係止/係止解除可能である第2係合部と、を備え、
    上記排水弁体が上記排水口を閉止している状態では、上記第1付勢部材により上記カム部材が第1回動方向に付勢されると共に上記第2付勢部材により上記回動突起部が上記第2回動方向に付勢されて、上記カム部材の第1係合部と上記回動突起部との係合が解除されると共に上記カム部材の第2係合部と上記フロートとが係止されて、上記フロートが上記制御筒に対して係止された第1状態にあり、
    この第1状態後、上記摺動部材が上昇して上記排水弁体が開弁する状態では、上記回動突起部が上記カム部材の第1係合部に係合して上記カム部材が上記第2回動方向に回動することにより、上記カム部材の第2係合部と上記フロートとの係止が解除された第2状態にあり、
    この第2状態後、さらに、上記摺動部材及び上記フロートが上昇した状態では、上記カム部材及び上記回動突起部のそれぞれは、上記第1付勢部材及び上記第2付勢部材のそれぞれの付勢力により復元されて上記第1状態と同一である第3状態にあり、
    この第3状態後、上記フロート及び上記排水弁体が上記貯水タンク内の水位の低下と共に下降して上記排水弁体が閉弁する状態では、上記回動突起部が上記カム部材の第1係合部に係合して上記第1回動方向に回動した第4状態にあり、
    この第4状態後、さらに下降する上記フロートが上記カム部材の第2係合部に係合することにより上記カム部材が上記第2回動方向に回動した後、上記カム部材が上記第1付勢部材の付勢力により上記第1状態に復元されて、上記フロートが再び上記制御筒に係止されるものであり、
    上記非接触状態維持手段は、上記第2状態の後から上記第4状態の前までの間に上記回動突起部と上記カム部材の第1係合部との係合を解除して互いの非接触状態を維持するものである請求項8記載の洗浄水タンク装置。
  12. 上記係止/係止解除機構部は、更に、上記カム部材が上記制御筒と上記フロートとの係止を解除している状態における上記排水弁体の閉弁途中で下降している上記摺動部材の摺動抵抗を抑制する摺動抵抗抑制手段を備えている請求項6又は7に記載の洗浄水タンク装置。
  13. 上記摺動抵抗抑制手段は、上記カム部材の上記摺動部材側の端部に回転可能に設けられた回転機構部からなり、この回転機構部は、上記排水弁体の閉弁途中で下降している上記摺動部材の突出部に係合可能な回転部材を備えており、この回転部材は、上記摺動部材の摺動方向と同一方向に回転して上記摺動部材の突出部上に沿って摺動可能である請求項12記載の洗浄水タンク装置。
  14. 上記カム部材は、カム本体部と、このカム本体部から上記摺動部材の突出部の両側を挟み込むように延びる一対のアーム部と、これらのアーム部の各先端部付近に設けられて上記制御筒の一部に回動可能に連結されるヒンジ部と、上記カム本体部の上記一対のアーム部同士の間から上記摺動部材に向かって突出して上記排水弁体の閉弁途中の上記摺動部材の突出部に係合可能な第1係合部と、上記カム本体部の下端に設けられて上記フロートに係止/係止解除可能な第2係合部と、を備えており、
    上記摺動抵抗抑制手段は、上記排水弁体の閉弁途中で上記摺動部材の突出部が上記カム部材の第1係合部に係合して下方に摺動しているときに、上記カム部材の第1係合部が上記摺動部材の突出部から離間する方向に上記カム部材が上記ヒンジ部を中心に回動可能となるように、上記カム部材の第1係合部と上記摺動部材の突出部との接触位置について、上記カム部材のヒンジ部よりも上記摺動部材の中心軸線に対して遠位側に位置決めするものである請求項12記載の洗浄水タンク装置。
  15. 請求項1乃至14の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器。
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