JP2014196649A - 洗浄水タンク装置 - Google Patents

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幸司 渋谷
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Abstract

【課題】排水口を囲むように設けられた筒体の側面に形成された開口部を筒体の外側から開閉する第1切替弁および第2切替弁を備える構成において、第2切替弁の開閉動作に起因する洗浄水の排出量のばらつきを抑制する。
【解決手段】洗浄水タンク装置において、便器に供給する洗浄水を貯水し、排水口14が底部に形成された洗浄水タンクと、排水口14を開閉する排水弁51と、排水口14を取り囲むように洗浄水タンクの底部上に立設され、上方が開放されるとともに側面部61に開口部62を有する小タンク60と、開口部62の開口面積を減少させる第1切替弁71と、第1切替弁71により減少した開口面積をさらに減少させる第2切替弁72とを備え、第2切替弁72は、閉塞状態で、鉛直方向に対して開弁側に所定角度傾いた状態となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、便器等を洗浄する洗浄水の貯水および排水を行う洗浄水タンク装置に関する。
従来、便器を洗浄する洗浄水の貯水および排水を行う洗浄水タンク装置には、使用者等による操作によって便器に対する洗浄水の排出量が切り替わる構成を備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。この種の洗浄水タンク装置は、洗浄水を貯水する洗浄水タンク内に、洗浄水を排出させるための排水弁装置を備える。排水弁装置は、洗浄水タンクの底部に設けられ洗浄水を排出する排水口をフロートによる浮力を用いて開閉する排水弁と、フロートに浮力を与えるための洗浄水を収容する貯水部分を構成して排水弁の弁体を制御する制御筒と、制御筒を収容して排水口を囲むように設けられる筒体とを有する。そして、洗浄水の排出量を切り替えるための構成として、筒体の側面に形成された開口部を筒体の外側から開閉する切替弁が設けられる。
特許文献1には、筒体に設けられる切替弁として、第1切替弁と、筒体に対して第1切替弁の外側に設けられる第2切替弁とを備える構成が開示されている。第1切替弁は、閉じた状態となることで、筒体の開口部の開口面積を減少させる。第2切替弁は、閉じた状態となることで、第1切替弁が閉じた状態からさらに筒体の開口部の開口面積を減少させる。これらの切替弁の開閉動作により、筒体側面の開口部の開口面積が段階的に変化させられ、洗浄水の排出量が大洗浄モード・小洗浄モード・エコ小洗浄モードの3つのモードにより3段階に切り替えられる。具体的には次のとおりである。
大洗浄モードの場合は、第1切替弁および第2切替弁の両方が開いた状態、つまり筒体側面の開口部が開放された状態のまま、洗浄水の排出動作が行われる。大洗浄モードでは、開放された状態の開口部から筒体内に洗浄水が流れ込むことにより、比較的多量の洗浄水が排出される。これに対し、小洗浄モードの場合は、洗浄水の排出動作の開始にともなって第1切替弁および第2切替弁によって一旦筒体側面の開口部が閉じられた後、第2切替弁のみが自重によって初期位置に戻り開いた状態となる。なお、第1切替弁については、筒体の内外の水圧の差によって閉じた状態が保持される。小洗浄モードでは、大洗浄モードの場合と比べて、筒体側面の開口部から筒体内に流れ込む洗浄水の量が減り、洗浄水の排出量が少なくなる。また、エコ小洗浄モードの場合は、小洗浄モードの場合と同様に排水開始にともなって第1切替弁および第2切替弁が一旦閉じられ、その後、第2切替弁が自重によって開くまでの間に、第2切替弁の閉状態が所定の時間保持される。これにより、筒体側面の開口部から筒体内に流れ込む洗浄水の量がより減少し、小洗浄モードの場合と比べて洗浄水の排出量が少なくなる。
特開2011−241554号公報
上述したように筒体の開口部に対して設けられた第1切替弁および第2切替弁によって洗浄水の排出量が3段階に切り替えられる構成においては、何らかの原因によって切替弁が所望のタイミングで開かない等、切替弁の開閉動作が不安定となる場合がある。切替弁の開閉動作が不安定となることは、洗浄水の排出量がばらつく原因となる。
特に、小洗浄モードの場合において、本来であれば洗浄水の排出動作の開始にともなって第1切替弁とともに一旦閉じられた後に比較的すぐに自重によって開いた状態となる第2切替弁が、水圧によって閉じたままの状態で保持され、第2切替弁の開弁タイミングが遅れるといった現象が発生するときがある。このような現象が発生すると、小洗浄モードの場合であっても、エコ小洗浄モードの場合のように第2切替弁の閉状態が保持される状態が意図せずに発生し、洗浄水の排出量が規定の量よりも少なくなってしまう。このように第2切替弁の開弁タイミングが遅れるという現象は、洗浄水タンク装置の排水口から排出される洗浄水を受け入れる便器側の流路における圧損が比較的小さい場合に発生しやすい。すなわち、便器側の流路における圧損が小さいと、排水口からの洗浄水の排出抵抗が小さくなるので、排水口を囲むように設けられる筒体内における排水の勢いが強くなり、これにより、筒体の内外の水圧の差によって第2切替弁に対して閉弁方向に作用する水圧が大きくなり、第2切替弁が開きにくくなる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、洗浄水の排出量を切り替えるための構成として、排水口を囲むように設けられた筒体の側面に形成された開口部を筒体の外側から開閉する第1切替弁および第2切替弁を備える構成において、第2切替弁が開くタイミングが遅れることを防止することができ、洗浄水の排出量のばらつきを抑制することができる洗浄水タンク装置を提供することを目的とする。
本発明のうち第1の態様に係る洗浄水タンク装置は、便器を洗浄する洗浄水の貯水および排水を行う洗浄水タンク装置であって、便器に供給する洗浄水を貯水し、洗浄水を排出する排水口が底部に形成された洗浄水タンクと、前記排水口を開閉する排水弁と、前記排水口を取り囲むように前記洗浄水タンクの底部上に立設され、上方が開放されるとともに側面部に開口部を有する筒体と、閉弁状態となることで前記開口部の開口面積を減少させる第1切替弁と、前記筒体に対して前記第1切替弁の外側にて閉弁状態の前記第1切替弁に重なり前記開口部に最も近接した位置にある閉塞状態から自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられ、閉弁状態となることで前記第1切替弁により減少した前記開口面積をさらに減少させる第2切替弁と、を備え、前記第2切替弁は、前記閉塞状態で、鉛直方向に対して開弁側に所定角度傾いた状態となることを特徴とするものである。このような構成の洗浄水タンク装置によれば、洗浄水の排出量を切り替えるための構成として、排水口を囲むように設けられた筒体の側面に形成された開口部を筒体の外側から開閉する第1切替弁および第2切替弁を備える構成において、第2切替弁が開くタイミングが遅れることを防止することができ、洗浄水の排出量のばらつきを抑制することができる。
本発明のうち第2の態様に係る洗浄水タンク装置は、第1の態様に係る洗浄水タンク装置であって、前記第1切替弁は、閉弁状態から自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられ、閉弁状態で、鉛直方向に対して開弁側に所定角度傾いた状態となることを特徴とするものである。このような構成の洗浄水タンク装置によれば、第1切替弁を確実に開かせることができ、第1切替弁の開弁動作について正常な動作を得ることができる。
本発明のうち第3の態様に係る洗浄水タンク装置は、第1の態様または第2の態様に係る洗浄水タンク装置であって、前記開口部は、前記筒体の鉛直方向の中央位置より上側に設けられていることを特徴とするものである。このような構成の洗浄水タンク装置によれば、開口部が開放された状態で洗浄水の排出が行われる洗浄モードにおいて、排水弁の閉弁後における最終的な水位を、開口部の開口の下端位置とすることができ、その洗浄モードにおいて洗浄水の排出量のばらつきを抑制することができる。
本発明のうち第4の態様に係る洗浄水タンク装置は、第1〜3のいずれか1つの態様に係る洗浄水タンク装置であって、前記筒体の側面部の前記開口部の開口の下端位置よりも下側に、開閉可能な第2の開口部が設けられていることを特徴とするものである。このような構成の洗浄水タンク装置によれば、筒体に設けられた開口部に対する第1切替弁および第2切替弁の開閉動作によって洗浄水の排出量を互いに異ならせる各洗浄モードにおいて、第2の開口部の開閉によってさらに洗浄水の排出量を調整することが可能となる。
本発明によれば、洗浄水の排出量を切り替えるための構成として、排水口を囲むように設けられた筒体の側面に形成された開口部を筒体の外側から開閉する第1切替弁および第2切替弁を備える構成において、第2切替弁が開くタイミングが遅れることを防止することができ、洗浄水の排出量のばらつきを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る洗浄水タンク装置の適用例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る洗浄水タンク装置の構成を示す正面断面図である。 本発明の一実施形態に係る排水弁装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る排水弁装置の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る排水弁装置の構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る制御筒の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る排水弁装置の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る洗浄水タンク装置の大洗浄モードの場合の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る洗浄水タンク装置の小洗浄モードの場合の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る洗浄水タンク装置のエコ小洗浄モードの場合の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る排水弁装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排水弁装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る排水弁装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る筒体を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る筒体を示す斜視図である。
本発明は、洗浄水の排出量を切り替えるための構成として、排水口を囲むように設けられた筒体の側面に形成された開口部を筒体の外側から開閉する第1切替弁および第2切替弁を備える構成において、切替弁が筒体の開口部に最も近接した状態における切替弁の態様を工夫することにより、切替弁の動作を安定させ、洗浄水の排出量のばらつきを抑制しようとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本実施形態に係る洗浄水タンク装置の適用例について、図1を用いて説明する。なお、図1は、本実施形態に係る洗浄水タンク装置が適用された水栓便器の一部断面図を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る洗浄水タンク装置1は、水洗便器2に対して設けられ、水洗便器2を洗浄する洗浄水の貯水、および水洗便器2に対する洗浄水の排水を行う。水洗便器2は、洗浄水タンク装置1から供給される洗浄水を受けるボウル部3と、ボウル部3の上縁部に形成されたリム部4と、洗浄水タンク装置1から排出された洗浄水をボウル部3へと導く導水路5とを有する。ボウル部3の上端部の内壁面には、導水路5から供給される洗浄水を吐水する吐水口6が開口している。吐水口6から吐水された洗浄水は、ボウル部3の壁面に沿って旋回しながら下降してボウル部3を洗浄する。なお、図示は省略するが、水洗便器2においては、ボウル部3の下方の溜水部に連通する排水トラップ管路や、溜水部の溜水を上下方向に旋回させる旋回流を生じさせるために導水路5からの洗浄水を溜水部の上方の位置にて吐水する吐水口等が形成されている。
このような水洗便器2において、洗浄水タンク装置1は、水洗便器2の導水路5の流入側の開口部が位置する後部上面に載置固定された状態で設けられる。すなわち、洗浄水タンク装置1は、その洗浄水タンク12の底部12a(図2参照)に設けられた排水口14が導水路5に対して上側から臨むように設けられる。そして、洗浄水タンク12から排出される洗浄水が、排水口14を介して導水路5へと排水され、ボウル部3へと供給される。なお、本実施形態に係る洗浄水タンク装置1は、図1に示すような水の落差による流水作用で汚物を押し出す先落とし式の水洗便器2のほか、他のタイプの水洗便器(例えば、サイホン作用で汚物を吸い込むように排出するサイホン式の便器等)であっても適用可能である。
本実施形態に係る洗浄水タンク装置1は、水洗便器2に対する洗浄水の排出量に関し、使用者等による操作によって水洗便器2に対する洗浄水の排出量が3段階に切り替わる構成を備える。具体的には、本実施形態の洗浄水タンク装置1は、洗浄水の排出量が多い順に、大洗浄を行う大洗浄モード・小洗浄を行う小洗浄モード・エコ小洗浄を行うエコ小洗浄モードの3つのモードを有する。洗浄水タンク装置1の各洗浄モードでの動作については後述する。
次に、本実施形態に係る洗浄水タンク装置1の構成について説明する。洗浄水タンク装置1は、水洗便器2を洗浄する洗浄水の貯水および排水を行うものである。図2に示すように、本実施形態に係る洗浄水タンク装置1は、外装タンク11と、外装タンク11内に設けられ、水洗便器2に供給される洗浄水を貯水する洗浄水タンク12とを備える。外装タンク11は、例えば陶器製の部材により構成され、上側が開口した箱状の部材であって洗浄水タンク12を収容する空間を形成する本体部11aと、この本体部11aの上側の開口部を覆うように取り付けられる蓋体11bとを有する。
外装タンク11を構成する蓋体11bには、その上面側において手洗い鉢11cが形成されている。手洗い鉢11c上には、手洗い鉢11cに向けて吐水する吐水部11dが立設されている。吐水部11dからは、洗浄水タンク12内の水が供給されて吐水される。吐水部11dから吐水された水は、手洗い鉢11cの中央部に設けられた排出口11eから排出され、洗浄水タンク12内に流入する。排出口11eから洗浄水タンク12内に流入する水は、蓋体11bの下方に設けられた導水部材13により、洗浄水タンク12内における所定の場所に導かれる。
洗浄水タンク12は、水洗便器2に供給する洗浄水を貯水し、洗浄水を排出する排水口14が底部12aに形成されたものである。洗浄水タンク12は、外装タンク11を構成する本体部11aの内部において固定された状態で設けられる。洗浄水タンク12の底部12aにおける略中央部には、上述したように導水路5に臨む排水口14が設けられている。排水口14は、洗浄水タンク12の底部12aを開口させるとともに底部12aから下側に向けて突出して下側に開口する筒状の突出部分として設けられる。排水口14は、洗浄水タンク12の貯水空間を導水路5内に連通させる。洗浄水タンク12は、筒状の排水口14を外装タンク11の底部11fに貫通させた状態で、所定の係合部材15によって固定される。洗浄水タンク12は、その底部12aにおいて排水口14の周囲に設けられた複数(図2においては2箇所)の固定部16にて、固定部材17により外装タンク11の底部11fに対して固定される。また、洗浄水タンク12は、その大部分が断熱体18によって被装されている。
洗浄水タンク装置1は、洗浄水タンク12内に水を供給するための洗浄水供給装置20と、使用者等の操作を受けて作動する操作装置30と、操作装置30によって操作され、洗浄水タンク12内を排出するための排水弁装置40とを備える。
洗浄水供給装置20について、図2を用いて説明する。図2に示すように、洗浄水供給装置20は、給水管21と、給水バルブ装置22と、給水装置用フロート24と、手洗い給水管25とを有する。
給水管21は、外装タンク11の外部の水道管等の給水源に接続され、給水源からの給水を受ける。給水バルブ装置22は、給水管21からの給水経路を開閉するバルブ機構を有する。給水バルブ装置22内には、給水バルブを介して給水管21と連通し、給水源から給水された水を洗浄水タンク12内に吐水する吐水管が設けられている。給水装置用フロート24は、上下方向に延びるロッド26aの下端側に設けられ、ロッド26aおよびロッド26aの上端部に設けられた作動アーム26bを介して給水バルブ装置22に連結される。
洗浄水供給装置20においては、洗浄水タンク12内の水位の変動による給水装置用フロート24の上下動にともない、ロッド26aおよび作動アーム26bを介して給水バルブ装置22が開閉動作し、洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が調整される。本実施形態では、排水弁装置40が作動することによる洗浄水タンク12からの排水開始後に、洗浄水供給装置20による給水が開始される。また、本実施形態の洗浄水供給装置20は、洗浄水タンク12の満水時における洗浄水の水位が所定の水位WLで一定となるように構成されている。
また、洗浄水供給装置20においては、手洗い給水管25は、給水源からの給水経路が分岐された配管構成であり、給水源からの給水経路において分配された給水を手洗い鉢11c上の吐水部11dへと供給する。洗浄水供給装置20は、洗浄水タンク装置1から水洗便器2への洗浄水の供給開始時(排水開始時)に、給水管25による吐水部11dへの水の供給を開始する。なお、洗浄水供給装置20としては、周知の構成のものを採用することができるため、洗浄水供給装置20の各部の具体的な構成については説明を省略する。
操作装置30について、図2を用いて説明する。操作装置30は、使用者等による操作を受けることで作動し、排水弁装置40を作動させる。図2に示すように、操作装置30は、操作レバー31と、回動伝達部材32と、第1の引上げ部材33と、第2の引上げ部材34と、第1の玉鎖35と、第2の玉鎖36とを有する。また、操作装置30は、モータ38と、モータ38に無線または有線で接続される操作部39とを有する。操作部39は、大洗浄用・小洗浄用・エコ小洗浄用の各洗浄を実行させるための3つの操作ボタンを有する。
操作レバー31は、外装タンク11の外側に設けられ、使用者等によって回動操作される手動式の操作部である。図2に示す例では、操作レバー31は、本体部11aの一側(図2において右側)の側壁から突出するように設けられている。操作レバー31の操作としては、操作レバー31が回動する方向によって、大洗浄用の操作または小洗浄用の操作が行われる。操作装置30は、操作レバー31が一方向(例えば図2において手前側)に約90°回動操作されると、排水弁装置40に対して大洗浄用の動作を行い、操作レバー31が他方向(例えば図2において奥側)に約90°回動操作されると、排水弁装置40に対して小洗浄用の動作を行う。
また、モータ38は、操作部39において大洗浄用の操作ボタンが押されることにより、操作レバー31が一方向に約90°回動操作された場合と同様の排水弁装置40に対する大洗浄用の動作が操作装置30において行われるように回転して回動伝達部材32に作用する。モータ38は、操作部39において小洗浄用の操作ボタンが押されることにより、操作レバー31が他方向に約90°回動操作された場合と同様の排水弁装置40に対する大洗浄用の動作が操作装置30において行われるように回転して回動伝達部材32に作用する。このように、本実施形態では、大洗浄および小洗浄については、操作装置30は、操作レバー31の操作および操作部39の操作のいずれの操作によっても動作する。これに対し、エコ小洗浄については、操作装置30は、操作部39の操作によってのみ、つまりモータ38によってのみ動作する。
回動伝達部材32は、軸体やワイヤ部材やユニバーサルジョイント等により構成され、操作レバー31の回動操作に連動して回動する軸状の構造である。回動伝達部材32は、外装タンク11の外側に設けられる操作レバー31に対して連結機構37を介して連結され、外装タンク11の内部において略水平方向に延設される。回動伝達部材32の、操作レバー31と連結される側(図2において右側)と反対側に、第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34が設けられる。
第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34は、外装タンク11の幅方向(図2において左右方向)の略中央部に配置され、いずれも回動伝達部材32に外嵌された状態で回動伝達部材32から下側に延設されるように設けられたアーム状の部材である。第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34は、いずれも回動伝達部材32の回動動作にともなって揺動する。第1の引上げ部材33の先端部には、第1の玉鎖35の一端(上端)が連結され、第2の引上げ部材34の先端部には、第2の玉鎖36の一端(上端)が連結される。第1の玉鎖35および第2の玉鎖36の他端は、それぞれ排水弁装置40における所定の場所に連結される。
第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34は、回動伝達部材32に対して、次のような動作が行われるように設けられる。回動伝達部材32が大洗浄用の操作として一方向に回動されると、その回動にともなって第1の引上げ部材33のみが一方向に揺動して第1の玉鎖35を引き上げる。また、回動伝達部材32が小洗浄用またはエコ小洗浄用の操作として他方向に回動されると、その回動にともなって第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34の両方が他方向に揺動して第1の玉鎖35および第2の玉鎖36を引き上げる。
排水弁装置40について、図2から図7を用いて説明する。排水弁装置40は、水洗便器2に供給される洗浄水を貯水する洗浄水タンク12に設けられ、洗浄水タンク12内を排出するための構成である。排水弁装置40は、弁体41と、作動杆としてのオーバーフロー管42と、貯水筒43と、フロート50と、筒体としての小タンク60とを備える。
弁体41は、洗浄水タンク12の底部12aに設けられた排水口14を開閉する。弁体41は、ゴム等の合成樹脂材料からなる弾性部材であって、円環状の形状を有し、オーバーフロー管42の下端部においてオーバーフロー管42の外周面から鍔状に突出するような態様で設けられる。本実施形態では、弁体41は、オーバーフロー管42の下端部において上下方向に所定の隙間をもって設けられた上下2段の鍔状の挟持片部42a間に嵌め込まれた状態で、オーバーフロー管42と一体的に設けられる。
オーバーフロー管42は、洗浄水タンク装置1の待機状態、つまり洗浄水タンク12の満水状態において上端開口部を洗浄水タンク12の水位WLよりも上方に位置させるとともに、下端開口部を排水口14に連通させる。これにより、洗浄水タンク12内の余剰の洗浄水がオーバーフロー管42によって排水口14へと排出される。
オーバーフロー管42は、弁体41を下端部に有し上下動することで弁体41による排水口14の開閉を行う。すなわち、オーバーフロー管42は、上述したように下端部に設けられる上下2段の挟持片部42a間に挟まれた態様で設けられた弁体41を有し、この弁体41とともに一体的に上下動作を行う。オーバーフロー管42とともに上下動作する弁体41により、排水口14が開閉される。このように、オーバーフロー管42と一体的に動作する弁体41は、排水口14を開閉する排水弁51を構成する。
オーバーフロー管42の中間部には、上述したように一端(上端)が第1の引上げ部材33に連結される第1の玉鎖35の他端(下端)が連結される係止部材44が設けられている。係止部材44は、周方向の一部が切り欠かれた円環状ないしは筒状の本体部44aを有し、この本体部44aの部分を、オーバーフロー管42の中間部に形成された縮径部分である凹部42bに嵌合させた状態で設けられる。係止部材44は、凹部42bに嵌め込まれた状態で、オーバーフロー管42の軸方向(上下方向)については相対的な移動が規制される(位置決めされる)とともに、オーバーフロー管42の軸方向を回転軸方向とする水平方向の相対的な回転が許容された状態で、オーバーフロー管42に保持される。
このような構成により、上述したような操作レバー31の操作に連動した回動伝達部材32の回動にともなう第1の引上げ部材33の揺動によって第1の玉鎖35が引き上げられることで、係止部材44を介して第1の玉鎖35の下端側が連結されたオーバーフロー管42が引き上げられる。これにより、オーバーフロー管42と弁体41とが一体的に上昇して排水口14が開かれた状態となる。ここで、弁体41は、洗浄水タンク12内に貯水されている洗浄水に作用する重力により(ヘッド圧により)、排水口14を閉じる方向(鉛直下方)に押さえられているため、第1の玉鎖35が引き上げられた際、先に係止部材44がオーバーフロー管42に対して回転し、その後、オーバーフロー管42が鉛直上方に引き上げられることになる。
貯水筒43は、オーバーフロー管42を筒軸方向に貫通させるとともに洗浄水を流出させるための小孔43a、43b(図6参照)が周面に形成された筒状の部分である。貯水筒43は、フロート50に浮力を与えるための洗浄水を収容する空間を形成するとともに、排水口14からの洗浄水の排水の過程で、収容した洗浄水を小孔43a、43bから排出する。
貯水筒43は、オーバーフロー管42を筒軸方向に貫通させる制御筒45の一部として構成される。制御筒45は、略円筒状の外筒部47と、外筒部47の内側において外筒部47と同軸心状に設けられる略円筒状の内筒部48とを有し、これらからなる2重筒構造を有する。外筒部47および内筒部48は、いずれも筒軸方向(上下方向)の両端を開口させている。
外筒部47と内筒部48との間には、これらを繋ぐ水平隔壁部49が設けられている。水平隔壁部49は、外筒部47における上下方向の中央よりも下側寄りの位置であって、内筒部48の下端部の位置に設けられている。水平隔壁部49は、制御筒45が有する2重筒構造において、外筒部47の内周面47aと内筒部48の外周面48aとをつなぐ円環板状の部分である。
このような構成により、制御筒45において、外筒部47の内周面47aと、内筒部48の外周面48aと、水平隔壁部49の上面49aとによって、上側に開口する貯水可能な円筒状の空間が形成される。かかる円筒状の空間が、フロート50およびフロート50に浮力を与えるための洗浄水を収容する空間となる。このように制御筒45において円筒状の収容空間を形成する部分が、貯水部としての貯水筒43となる。
貯水筒43においては、内筒部48内に、オーバーフロー管42が貫通する。内筒部48は、オーバーフロー管42の上下動作をガイドする機能を有する。また、貯水筒43においては、外筒部47の周壁に、2つの小孔43a、43bがその周壁を貫通するように形成されている。
小孔43a、43bは、貯水筒43に貯水された洗浄水を貯水筒43内から所定の流量で排出させるための開口部である。2つの小孔43a、43bは、外筒部47の周壁の下端部における略同じ高さ位置にて周方向に所定の間隔を開けて設けられている(図6参照)。ここで、2つの小孔43a、43bのうち、一方の小孔43aは、外筒部47の外周側に上下スライド可能に付設された板状の切替部材46のスライド移動により開閉可能に構成されている。つまり、切替部材46による小孔43aの開閉により、貯水筒43内から流出させる洗浄水の流量が調節される。なお、本実施形態では、貯水筒43内の洗浄水を排出させるための小孔が2箇所に設けられているが、この小孔は少なくとも1箇所に設けられればよい。また、本実施形態では、小孔43a、43bは、外筒部47において側面部分である周壁に形成されているが、例えば、貯水筒43を構成する水平隔壁部49において上下方向に貫通するように形成されてもよい。また、図3、図4においては切替部材46の図示を省略している。
貯水筒43を構成する制御筒45は、その下側の開口端、つまり外筒部47の下側の開口端を、洗浄水タンク12の底部12aに開口する排水口14に臨ませるように、底部12a上に立設された状態で設けられる。つまり、制御筒45は、排水口14の洗浄水タンク12内への開口部に覆い被さるように配置され、制御筒45の内部空間と排水口14の内部空間とが互いに連通するように設けられる。そして、制御筒45において構成される貯水筒43よりも下側の部分、つまり貯水筒43を構成する外筒部47の水平隔壁部49よりも下側の延設部分には、制御筒45の内外を連通させる流入口45bが形成されている。流入口45bは、洗浄水タンク12内の洗浄水の排水口14からの排出時に、制御筒45の貯水筒43よりも下側の部分において、制御筒45外の洗浄水を制御筒45内に流入させて排水口14へと流入させる。
フロート50は、上述したように制御筒45において構成される貯水筒43内に配置され、貯水筒43内の洗浄水によって得た浮力をオーバーフロー管42に作用させる筒状の部材である。フロート50は、貯水筒43内の洗浄水の水位の変動にともなって浮力により上下動する。
フロート50は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料からなり、筒状の外形を有する中空部材である。フロート50は、上側に開口する円筒状の空間を形成する貯水筒43内に、内筒部48を貫通させた態様で設けられる。フロート50は、貯水筒43内の洗浄水の水位の変動にともない、上側の一部を貯水筒43の上側の開口から出没させるように上下動する。
フロート50は、貯水筒43内の洗浄水から得た浮力による上昇に際し、上述したようにオーバーフロー管42に設けられる係止部材44によって係止されることで、オーバーフロー管42に作用する。係止部材44は、フロート50を係止させるため、本体部44aの外側に突出する係止片部44bを有する。係止片部44bは、円環状ないしは筒状の本体部44aの外周面から本体部44aの径方向に沿って突出し、本体部44aの周方向を板厚方向とする突片部である。本実施形態では、係止片部44bは、オーバーフロー管42の軸方向視で放射状となるように、本体部44aの周方向について略等間隔で4箇所に設けられている(図5参照)。
このようにフロート50に対する係止部として係止片部44bを突出させる係止部材44は、浮力により上昇するフロート50の上端面に当接することで、フロート50のストッパとして機能するとともに、フロート50の浮力による上昇作用を受けてその浮力の作用をオーバーフロー管42に伝達させる浮力受け部として機能する。係止片部44bは、これらの機能が発揮できる形状・大きさを有する。
フロート50の浮力は、洗浄水タンク12の満水時には、洗浄水の水圧(ヘッド圧)によって弁体41を介して下方向に押さえ付けられているオーバーフロー管42を上昇させることがないように、また、洗浄水タンク12からの排水時には、弁体41およびオーバーフロー管42に作用する下向きの力よりやや大きくなるように設定される。
小タンク60は、フロート50を収容する貯水筒43を構成する制御筒45を収容する。小タンク60は、その横断面形状が略矩形状となる略四角筒状の筐体である。小タンク60の上側の端部は、小タンク60の略四角筒状の外形に沿って略四角形状に開放されており、その開放部分の開口形状に沿うとともに略水平面に沿う上縁部60aが存在する。また、小タンク60の下端側には、小タンク60の底面部を円形状に開口させた開口部60bが設けられている。そして、小タンク60は、その下側の開口部60bに、制御筒45の下端部を嵌らせるように、制御筒45を収容する。
このように、小タンク60および小タンク60内に設けられる制御筒45は、洗浄水タンク12の底部12aに開口する排水口14を取り囲むように、底部12aに立設した状態で取り付けられる。そして、オーバーフロー管42が、制御筒45において構成される貯水筒43の内筒部48内を挿通した状態で上下動可能に設けられ、オーバーフロー管42の下端部に設けられた弁体41により、オーバーフロー管42の上下動にともなって排水口14が開閉される。
小タンク60には、一側の側面部61(図3において右側の側面)に、略矩形状の開口部62が形成されている。開口部62は、小タンク60の側面部61を貫通して小タンク60の内外を連通させる開口を形成する部分である。上述したように制御筒45とともに排水口14を取り囲むように立設される小タンク60は、制御筒45との関係において、開口部62が設けられる側を、制御筒45の小孔43a、43bが設けられる側と反対側に位置させるように設けられる。以上のように、本実施形態に係る小タンク60は、排水口14を取り囲むように洗浄水タンク12の底部12a上に立設され、上方が開放されるとともに側面部61に開口部62を有する。
このような小タンク60において、排水口14からの洗浄水の排出量を切り替えるための構成として、小タンク60の側面部61に形成された開口部62を小タンク60の外側から開閉する切替弁が設けられている。本実施形態では、小タンク60に設けられる切替弁として、開口部62を開口面積的に段階的に開閉する第1切替弁71および第2切替弁72の2重の弁が設けられている。これらの第1切替弁71および第2切替弁72は、排水口14からの洗浄水の排出時に小タンク60の外側から小タンク60内へと流入する洗浄水の量を調節する流量調節機構を構成する。
第1切替弁71および第2切替弁72は、いずれも略矩形状の開口部62に対応した略矩形板状の部材であり、小タンク60の外側から開口部62を閉じるように、回動可能に支持された状態で設けられる。第1切替弁71および第2切替弁72は、開口部62に対して第1切替弁71を内側、第2切替弁72を外側に位置させ、互いに近接した状態で互いに重なるように設けられる。
第1切替弁71および第2切替弁72は、いずれも略矩形板状の外形における下端部が共通の位置にて回動可能に支持される。具体的には、小タンク60の開口部62が設けられる側の側面部61の開口部62よりも下側の部分において、開口部62を正面にして左右両側の角部分に、その角部分を凹ませた形状の凹部63が設けられている。凹部63は、側面部61に対する段差面であって側面部61と略平行な第1面部63aと、側面部61に隣り合う側面部に対する段差面であって第1面部63aに対して略直角な面である第2面部63bとを有し、小タンク60の角筒形状の横断面形状において開口部62が設けられる側面部61側の部分を凸部分とする(図14、図15参照)。そして、開口部62の下側の部分において、開口部62を正面にして左右方向の両側の凹部63の第2面部63bに、左右方向に突出する軸支部60cが設けられている。
一方、第1切替弁71は、略矩形板状の基部71aと、基部71aにおいて互いに対向する一対の辺側に設けられた一対の支持突片部71bとを有する。一対の支持突片部71bは、一対の軸支部60cをその軸方向の両側から挟む態様で軸支部60cに嵌合する。各支持突片部71bは、軸支部60cに軸支される部分に、軸支部60cに嵌合するとともに軸支部60cの軸方向の外側に突出する軸支部71cを有する(図5参照)。第1切替弁71は、基部71aに設けられた一対の支持突片部71bにより、軸支部71cを軸支部60cに嵌合させた状態で、軸支部60cに回動可能に支持される。
また、第2切替弁72は、略矩形板状の基部72aと、基部72aにおいて互いに対向する一対の辺側に設けられた一対の支持突片部72bとを有する。一対の支持突片部72bは、第1切替弁71の一対の支持突片部71bの軸支部71cをその軸方向の両側から挟む態様で軸支部71cに嵌合する。各支持突片部72bは、軸支部71cに軸支される部分に、軸支部71cに嵌合する支持孔部72cを有する。第2切替弁72は、基部72aに設けられた一対の支持突片部72bにより、支持孔部72cを軸支部71cに嵌合嵌合させた状態で、第1切替弁71の軸支部71cに回動可能に支持される。以上のような構造により、第1切替弁71および第2切替弁72が、共通の支軸部73(図7参照)において所定の回動範囲で回動可能に支持される。
第1切替弁71は、閉弁状態となること、つまり開口部62を閉じた状態となることで開口部62の開口面積を減少させる。このため、第1切替弁71には、連通口71dが形成されている。つまり、第1切替弁71は、開口部62を閉じた状態において、連通口71dにより、小タンク60の内側と外側とを連通させる。連通口71dの開口面積は、開口部62が全開のときより第1切替弁71によって閉じられたときの方が洗浄水の流量が所定量少なくなるように、開口部62の開口面積よりも所定の面積だけ小さく設定されている。このように、第1切替弁71は、開口部62を閉じることで、開口部62において小タンク60の内外を連通させる開口面積を減少させる。
また、第1切替弁71の外側に設けられる第2切替弁72は、閉弁状態となること、つまり開口部62を閉じた状態となることで第1切替弁71により減少した開口部62の開口面積をさらに減少させる。このため、第2切替弁72には、第1切替弁71側に向けて延びる挿入突部72dが設けられている。挿入突部72dは、第2切替弁72が閉じる方向に回動して第1切替弁71に近接することで第1切替弁71の連通口71dに挿入される部分である。第2切替弁72は、挿入突部72dを第1切替弁71の連通口71dに挿入させることで、開口部62において第1切替弁71が閉じられることで減少した小タンク60の内外を連通させる開口面積をさらに減少させる。
また、第2切替弁72の回動支持側と反対側の端部には、第2の玉鎖36の他端(下端)が連結される係止部72eが設けられている。これにより、回動伝達部材32の回動による第2の引上げ部材34の揺動にともなって第2の玉鎖36が引き上げられることで、第2切替弁72が支軸部73を中心に開口部62側へと回動するとともに、第1切替弁71も第2切替弁72に押されて支軸部73を中心に開口部62側へと回動する。第1切替弁71および第2切替弁72の回動範囲について、第1切替弁71および第2切替弁72は、開口部62に対して最も離間した位置にある状態で、第1切替弁71および第2切替弁72が水平となる位置よりも手前の位置で所定角度傾いた状態となる(図3参照)。
また、第1切替弁71および第2切替弁72には、それぞれ動作を安定させるための錘74、75が取り付けられている。第1切替弁71に取り付けられる錘74は、略矩形板状の形状を有し、第1切替弁71の基部71aの内側(第2切替弁72側と反対側)の面に板面を合わせた状態で設けられる。錘74は、第1切替弁71の基部71aの内側の板面から突出する係止突起71eを貫通させた状態で係止突起71eの錘74からの突出部分に係止される止め輪74aにより、第1切替弁71に固定される。第2切替弁72に取り付けられる錘75は、略矩形板状の形状を有し、第2切替弁72の基部72aの外側(第1切替弁71側と反対側)の面に板面を合わせた状態で設けられる。錘75は、第2切替弁72の基部72aの外側の面に複数箇所設けられた係止片部72fにより係止された状態で、第2切替弁72に固定される。
第1切替弁71および第2切替弁72は、いずれも基本的には洗浄水の水圧等の影響を無視した場合、開口部62を閉じた状態から自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられる。すなわち、第1切替弁71は、開口部62を閉じた閉弁状態(図4参照)から、錘74の重さを含む自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられる。また、第2切替弁72は、小タンク60に対して第1切替弁71の外側にて閉弁状態の第1切替弁71に重なり開口部62に最も近接した位置にある閉塞状態(図4参照)から、錘75の重さを含む自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられる。
以上のように、小タンク60の一側の側面部61においては、支軸部73において回動可能に支持された第1切替弁71および第2切替弁72の2体の弁体により、開口部62における小タンク60の内外の連通面積を段階的に調節して小タンク60の外部から内部へと流入する洗浄水の量を調節する流量調節機構が構成されている。具体的には、本実施形態に係る流量調節機構は、開口部62を全開させた状態、第1切替弁71のみにより開口部62を閉じた状態、第1切替弁71および第2切替弁72の両方により開口部62を閉じた状態の3段階で、開口部62における連通面積を調節する。
以上のような構成を備える本実施形態の洗浄水タンク装置1の動作について説明する。まず、洗浄水タンク装置1の洗浄動作として行われる3種類のモードの動作のうち、大洗浄モードでの動作について説明する。
洗浄水タンク装置1による水洗便器2の洗浄が行われる前の待機状態においては、洗浄水タンク12は満水状態(図2、水位WL参照)である。この待機状態においては、フロート50が係止部材44の係止片部44bによってオーバーフロー管42に作用するとともに、オーバーフロー管42の下端部の弁体41が、洗浄水タンク12内の洗浄水のヘッド圧により下向きに押さえ付けられた状態となっている。
洗浄水タンク装置1による水洗便器2の洗浄の開始時、大洗浄に際しては、使用者等によって、操作レバー31の一方向(例えば図2において手前側)への回動操作、または操作部39における大洗浄用の操作ボタンの押圧操作が行われる。これにより、回動伝達部材32が第1の引上げ部材33のみを揺動させる方向に回動し、第1の引上げ部材33の揺動によって第1の玉鎖35が引き上げられる。これにともない、係止部材44によって第1の玉鎖35の下端が連結されたオーバーフロー管42が弁体41とともに引き上げられ、排水口14が開いて排水口14からの洗浄水の排水が開始される。ここで、上述したように、第1の玉鎖35が引き上げられた際、先に係止部材44がオーバーフロー管42に対して回転し、その後、オーバーフロー管42が鉛直上方に引き上げられることから、オーバーフロー管42が回転しながら鉛直上方に移動することが防がれ、排水弁装置40の安定した開弁動作が得られる。
図8に示すように、オーバーフロー管42の引上げにより、オーバーフロー管42の上昇にともなって、係止部材44の係止片部44bによってオーバーフロー管42に作用していたフロート50が浮力によって上昇する。つまり、係止部材44の係止片部44bによって浮力による上昇が規制されていたフロート50が、オーバーフロー管42と一体的に係止部材44が上昇することにともなって上昇する。
操作レバー31の操作によって大洗浄が行われた場合、オーバーフロー管42等の引上げの完了直後に、操作レバー31は初期位置(待機状態での位置)に戻り、これにともない、第1の引上げ部材33等も初期位置に戻る。また、操作部39の操作によって大洗浄が行われた場合、オーバーフロー管42等の引上げの完了直後に、モータ38の動作によって第1の引上げ部材33が初期位置に戻るように回動伝達部材32が回動される。
図8に示すように、大洗浄の場合は、第1切替弁71および第2切替弁72は初期位置を保持したままであり、開口部62は全開の状態に維持される。つまり、大洗浄モードにおいては、操作レバー31または操作部39の操作にともなう回動伝達部材32の回動によって第2の引上げ部材34は揺動されず、第2の玉鎖36によって第2切替弁72は引き上げられることなく、第1切替弁71および第2切替弁72は開口部62から離間した状態、つまり開口部62が全開の状態が維持される。したがって、大洗浄モードでは、開口部62の開口面積はそれ自体の開口面積のまま一定である。
オーバーフロー管42および弁体41の上昇にともなって排水口14からの排水が開始された後、排水口14からの洗浄水の排出にともなって洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が全体的に低下する。そして、洗浄水タンク12内の水位が小タンク60の上縁部60aの付近まで低下した時点から、排水口14からの排水にともなう小タンク60内の洗浄水の水位の低下速度が、小タンク60外の洗浄水の水位の低下速度に対して急激に速くなる。このことは、洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が小タンク60の上縁部60aよりも下がることで、排水口14に連通する小タンク60内に対する洗浄水の流入について、小タンク60の上側の開放部からの流入が無くなり、基本的には開口部62からの流入のみとなることに基づく。
こうした小タンク60内の洗浄水の排水口14からの排水の過程において、貯水筒43内に保持されている洗浄水が、小孔43a、43bから小タンク60内へと流出し、その小孔43a、43bからの洗浄水の流出量に応じて、貯水筒43内の洗浄水の水位が所定の速度で低下する。なお、2つの小孔43a、43bのうち、上述したように切替部材46により開閉可能な一方の小孔43aの開閉によって、貯水筒43内の洗浄水の小孔を介する流出量が調節される。
貯水筒43内の水位の低下にともない、フロート50が下降し、そのフロート50の下降に連動して、オーバーフロー管42および弁体41が下降する。ここで、下降するオーバーフロー管42および弁体41は、係止部材44を介してフロート50に作用した状態でフロート50の下降に追従する態様となり、フロート50の下降速度と同じ速度で下降する。
そして、排水口14からの洗浄水の排出が継続して所定時間経過後、貯水筒43内の洗浄水の水位がフロート50に浮力を与えない位置まで低下し、オーバーフロー管42と一体的に下降する弁体41により排水口14が閉じられ、排水弁51が閉弁状態となり(図2参照)、所定のタイミングで排水口14からの排水が終了する。このような弁体41の閉弁動作に関し、上述したような2つの小孔43a、43bのうち一方の小孔43aが切替部材46により閉じられている方が、閉じられていない場合よりも貯水筒43からの洗浄水の流出量が少なくなるため、弁体41が閉じるタイミングが遅くなる。つまり、一方の小孔43aが切替部材46により閉じられている場合の方が、両方の小孔43a、43bが開いている場合よりも排水弁51の開弁時間が長くなり排水口14からの洗浄水の排出量が多くなる。このように、切替部材46による一方の小孔43aの開閉の切替えにより、排水口14からの洗浄水の排出量が調節される。
図8に示すように、弁体41により排水口14が閉じられた排水弁51の閉弁後においては、洗浄水タンク12内における小タンク60の外の水位は、最終的な水位(死水位置)DWLとなる。本実施形態の洗浄水タンク装置1において、この最終的な水位DWLは、小タンク60に設けられた開口部62の開口の下端に位置することになる。
弁体41が閉弁して排水口14からの洗浄水の排出が終了した後は、上述したような洗浄水供給装置20による洗浄水タンク12内への給水により、洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が満水時の水位に戻り、洗浄水タンク装置1は待機状態となる。
次に、洗浄水タンク装置1の洗浄動作として行われる3種類のモードの動作のうち、小洗浄モードでの動作について説明する。
洗浄水タンク装置1の待機状態(満水状態)から、洗浄水タンク装置1による水洗便器2の洗浄の開始時、小洗浄に際しては、使用者等によって、操作レバー31の他方向(例えば図2において奥側)への回動操作、または操作部39における小洗浄用の操作ボタンの押圧操作が行われる。これにより、回動伝達部材32が第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34の両方を揺動させる方向に回動し、第1の引上げ部材33の揺動にともない第1の玉鎖35によってオーバーフロー管42および弁体41が引き上げられて排水口14からの洗浄水の排水が開始されるとともに、第2の引上げ部材34が揺動することによって第2の玉鎖36が引き上げられる。これにより、小タンク60の開口部62に対して設けられる2重の弁体のうち外側の弁体である第2切替弁72が引っ張られて開口部62を閉じる方向に回動する。この第2切替弁72の回動によって、第2切替弁72の内側に位置する第1切替弁71も第2切替弁72に押されて回動する。ここで、第1切替弁71および第2切替弁72は、開口部62を閉じる位置まで回動する。
図9に示すように、オーバーフロー管42の引上げにより、オーバーフロー管42の上昇にともなって、係止部材44の係止片部44bによってオーバーフロー管42に作用していたフロート50が浮力によって上昇する。
操作レバー31の操作によって小洗浄が行われた場合、オーバーフロー管42等の引上げの完了直後に、操作レバー31は初期位置(待機状態での位置)に戻り、これにともない、第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34等も初期位置に戻る。また、操作部39の操作によって小洗浄が行われた場合、オーバーフロー管42等の引上げの完了直後に、モータ38の動作によって第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34が初期位置に戻るように回動伝達部材32が回動される。
図9に示すように、小洗浄の場合は、第2の引上げ部材34が初期位置に戻ることで、第2切替弁72が錘75の重さを含む自重により初期位置に戻る。ただし、第1切替弁71は、小タンク60の内外の水圧の差によって開口部62を閉じた状態で一定時間保持される。つまり、図9に示すように、第2切替弁72は開口部62の開口面積について作用せずに第1切替弁71のみによって開口部62が一部閉じられた状態が、一定時間の間保持される。
ここで、第1切替弁71が開口部62を閉じた状態が保持されることについて説明する。排水弁51が開いて排水が開始された後、小タンク60内を流れる洗浄水の流速の方が、小タンク60の外部を流れる洗浄水の流速よりも速くなる。このことは、小タンク60の内部の流路面積が第1切替弁71の連通口71dの開口面積よりも大きいことに基づく。小タンク60の内側の流速が小タンク60の外側の流速よりも速くなると、小タンク60の内外で差圧が生じ、この差圧が第1切替弁71に作用し、第1切替弁71の開口部62を閉じた状態が保持される。
このように第1切替弁71の開口部62を閉じた状態が一定時間保持されることにより、第1切替弁71の連通口71dの開口面積が開口部62の開口面積よりも狭い分、開口部62において小タンク60の内外を連通させる開口面積が減少し、開口部62を介して小タンク60の外側から内側に流れ込む洗浄水の流量が減少する。
オーバーフロー管42および弁体41の上昇にともなって排水口14からの排水が開始された後、大洗浄の場合と同様に洗浄水タンク12内の水位が低下する。すなわち、排水口14からの洗浄水の排出にともなって洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が全体的に低下して、小タンク60の上縁部60aの付近まで低下した時点から、排水口14からの排水にともなう小タンク60内の洗浄水の水位の低下速度が、小タンク60外の洗浄水の水位の低下速度に対して急激に速くなる。
こうした小タンク60内の洗浄水の排水口14からの排水の過程において、大洗浄の場合と同様に、貯水筒43内に保持されている洗浄水が、小孔43a、43bから小タンク60内へと流出し、その小孔43a、43bからの洗浄水の流出量に応じて、貯水筒43内の洗浄水の水位が所定の速度で低下する。
貯水筒43内の水位の低下にともない、フロート50が下降し、そのフロート50の下降に連動して、オーバーフロー管42および弁体41が下降する。ここで、下降するオーバーフロー管42および弁体41は、係止部材44を介してフロート50に作用した状態でフロート50の下降に追従する態様となり、フロート50の下降速度と同じ速度で下降する。ここでの下降速度は、大洗浄の場合とほぼ同じである。したがって、貯水筒43内の洗浄水の水位が低下し始めてから排水弁51が閉弁に至るまでの時間は、大洗浄の場合と小洗浄の場合とでほぼ同じである。
そして、排水口14からの洗浄水の排出が継続して所定時間経過後、貯水筒43内の洗浄水の水位がフロート50に浮力を与えない位置まで低下し、オーバーフロー管42と一体的に下降する弁体41により排水口14が閉じられ、排水弁51が閉弁状態となり(図2参照)、所定のタイミングで排水口14からの排水が終了する。排水口14からの洗浄水の排出が終了した後は、洗浄水供給装置20による洗浄水タンク12内への給水によって洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が満水時の水位に戻り、洗浄水タンク装置1は待機状態となる。
次に、洗浄水タンク装置1の洗浄動作として行われる3種類のモードの動作のうち、エコ小洗浄モードでの動作について説明する。
洗浄水タンク装置1の待機状態(満水状態)から、洗浄水タンク装置1による水洗便器2の洗浄の開始時、エコ小洗浄に際しては、使用者等によって、操作部39におけるエコ小洗浄用の操作ボタンの押圧操作が行われる。これにより、小洗浄の場合と同様に、回動伝達部材32が第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34の両方を揺動させる方向に回動し、第1の引上げ部材33の揺動にともない第1の玉鎖35によってオーバーフロー管42および弁体41が引き上げられて排水口14からの洗浄水の排水が開始されるとともに、第2の引上げ部材34が揺動することによって第2の玉鎖36が引き上げられる。これにより、小タンク60の開口部62に対して設けられる2重の弁体のうち外側の弁体である第2切替弁72が引っ張られて開口部62を閉じる方向に回動する。この第2切替弁72の回動によって、第2切替弁72の内側に位置する第1切替弁71も第2切替弁72に押されて回動する。ここで、第1切替弁71および第2切替弁72は、図10に示すように、開口部62を閉じる位置まで回動する。ただし、第1切替弁71および第2切替弁72は、開口部62を閉じる位置よりも手前の所定角度回動した位置まで回動する構成であってもよい。
エコ小洗浄モードにおいては、モータ38の制御により、揺動した状態の第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34が、所定時間(例えば3秒)の間その位置で保持される。すなわち、本実施形態では、エコ小洗浄モードの場合、図10に示すように第1の引上げ部材33の揺動にともない第1の玉鎖35によってオーバーフロー管42および弁体41が引き上げられるとともに、第2の引上げ部材34の揺動にともない第2の玉鎖36が引き上げられ第1切替弁71および第2切替弁72が閉じた状態が、所定時間保持される。
なお、エコ小洗浄モードにおいて、第1切替弁71および第2切替弁72について、所定時間の間保持される回動位置が、開口部62を閉じる位置よりも手前の所定角度回動した位置である場合は、第1切替弁71は、小タンク60内を流れる洗浄水の流速による負圧によって開口部62側へ引き付けられ、上述したような小タンク60の内外で生じる差圧によって開口部62を閉じる位置に保持される。この場合、第2切替弁72が所定時間の間保持される回動位置は、開口部62を閉じた状態の第1切替弁71に対して挿入突部72dを連通口71dに挿入させた状態となる位置に設定される。
このように、エコ小洗浄モードでは、第1切替弁71および第2切替弁72が開口部62を閉じた状態が、所定時間の間保持される。これにより、開口部62において小タンク60の内外を連通させる開口面積が小洗浄モードの場合よりもさらに減少し、開口部62を介して小タンク60の外側から内側に流れ込む洗浄水の流量がさらに減少する。
一方、図10に示すように、オーバーフロー管42の引上げにより、オーバーフロー管42の上昇にともなって、係止部材44の係止片部44bによってオーバーフロー管42に作用していたフロート50が浮力によって上昇する。オーバーフロー管42および弁体41の上昇にともなって排水口14からの排水が開始された後、大洗浄の場合と同様に洗浄水タンク12内の水位が低下する。すなわち、排水口14からの洗浄水の排出にともなって洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が全体的に低下して、小タンク60の上縁部60aの付近まで低下した時点から、排水口14からの排水にともなう小タンク60内の洗浄水の水位の低下速度が、小タンク60外の洗浄水の水位の低下速度に対して急激に速くなる。
貯水筒43内の水位の低下にともない、フロート50が下降する。ここで、エコ小洗浄モードでは、大洗浄モードおよび小洗浄モードの場合と異なり、オーバーフロー管42および弁体41が引き上げられた状態で所定時間の間保持されていることから、オーバーフロー管42および弁体41を残してフロート50のみが下降する。
そして、排水開始時から所定時間経過後、オーバーフロー管42および弁体41ならびに第2切替弁72の保持状態が解除される。これにより、オーバーフロー管42と一体的に下降する弁体41により排水口14が閉じられ、排水弁51が閉弁状態となり(図2参照)、所定のタイミングで排水口14からの排水が終了する。また、第2切替弁72は自重によって初期位置に戻る。
なお、保持状態が解除されることによるオーバーフロー管42および弁体41の下降動作については、モータ38による保持状態の解除にともなう自由落下の他、モータ38の駆動により下降速度が調整された下降動作であってもよい。また、オーバーフロー管42および弁体41ならびに第2切替弁72の保持状態を解除するタイミングは、例えば、貯水筒43内の洗浄水の水位がフロート50に浮力を与えない位置まで低下した時点として設定される。
排水口14からの洗浄水の排出が終了した後は、洗浄水供給装置20による洗浄水タンク12内への給水によって洗浄水タンク12内の洗浄水の水位が満水時の水位に戻り、洗浄水タンク装置1は待機状態となる。
以上のような構成を備える本実施形態の洗浄水タンク装置1においては、小タンク60の開口部62に対して設けられる第2切替弁72の動作を安定させるため、第2切替弁72は、閉塞状態で、鉛直方向に対して開弁側に所定角度傾いた状態となるように設けられている。ここで、第2切替弁72についての閉塞状態とは、上記のとおり小タンク60に対して第1切替弁71の外側にて閉弁状態の第1切替弁71に重なり開口部62に最も近接した位置にある状態である(図4参照)。
第2切替弁72の閉塞状態は、上述したような小洗浄モードおよびエコ小洗浄モードの洗浄動作における排水開始時に用いられる。すなわち、小洗浄モードおよびエコ小洗浄モードにおいては、洗浄の開始に際して操作レバー31または操作部39が操作されることで、回動伝達部材32を介して第1の引上げ部材33および第2の引上げ部材34の両方が揺動して第1の玉鎖35および第2の玉鎖36が引き上げられ、オーバーフロー管42および弁体41が引き上げられて排水が開始されるとともに、第2切替弁72が引っ張られて第1切替弁71とともに開口部62を閉じた状態となる。
図11に、第2切替弁72の閉塞状態を示す。図11に示すように、本実施形態の洗浄水タンク装置1においては、第2切替弁72は、その閉塞状態において、鉛直線A1に対して開弁側に所定角度α傾いた状態となる。ここで、開弁側とは、第2切替弁72が第1切替弁71とともに支軸部73にて下側の部分が小タンク60に対して回動可能に支持された構成において、略板状の基部72aを有する第2切替弁72がその内側の板面を小タンク60の側面部61に対して略対向するように近接させた状態から、回動することで側面部61に設けられた開口部62から離間する側、つまり回動方向における小タンク60側と反対側(外側)である(矢印B1参照)。また、所定角度αは、例えば5°程度である。
本実施形態では、第2切替弁72を閉塞状態において鉛直方向に対して開弁側に傾かせるための構成として、小タンク60の側面部61に、突出枠部64が設けられている。突出枠部64は、側面部61に設けられた開口部62の開口形状に沿って開口部62の開口の周りを囲むように全周に形成され、側面部61の表面から突出する周壁状ないし筒状の部分である。したがって、突出枠部64は、略矩形状の開口部62の開口形状に対応して略矩形状の開口形状をなす。すなわち、突出枠部64は、側面部61の表面からの突出部分として、上下方向に互いに対向する上側面部64aおよび下側面部64bと、左右方向(水平方向)に互いに対向する一対の横側面部64cとを有する(図14参照)。
本実施形態では、図14に示すように、突出枠部64の各側面部により形成される内周面64dは、側面部61において開口部62の開口を形成する面と連続する。つまり、突出枠部64の内周面64dと面一の面によって開口部62の開口が形成されるように、突出枠部64が設けられている。
突出枠部64は、その突出側の開口縁端64eを、第1切替弁71および第2切替弁72の支持面とする。具体的には次のとおりである。第1切替弁71は、開口部62に対する閉弁状態で、略矩形板状の基部71aの内側(開口部62側)の面である平面状の内側面71gを、突出枠部64の開口縁端64eに接触させる。ここで、突出枠部64の開口縁端64eは、第1切替弁71の内側面71gに対して全体的に(全周にわたって)接触した状態となる。つまり、突出枠部64は、開口縁端64eが全体的に接触する仮想の平面が存在するように形成される。
また、第2切替弁72は、閉塞状態で、略矩形板状の基部72aの内側(開口部62側)の面である平面状の内側面72gを、開口部62に対する閉弁状態の第1切替弁71における基部71aの内側面71gと反対側の面である外側面71hに対して略接触させる。したがって、突出枠部64の開口縁端64eに接触して支持された状態である閉弁状態の第1切替弁71の基部71aと、閉弁状態の第1切替弁71を介して突出枠部64に支持された状態である閉塞状態の第2切替弁72の基部72aとは、互いに略平行な状態となる。
このように第1切替弁71および第2切替弁72の支持面を形成する突出枠部64は、開口縁端64eに沿う仮想の平面が鉛直方向(鉛直線A1参照)に対して所定の角度傾くように形成されている。この開口縁端64eに沿う仮想の平面の傾斜の向きは、突出枠部64に支持された状態の第1切替弁71および第2切替弁72の傾斜の向きに対応する。
詳細には、突出枠部64が突出する側面部61の表面は、略鉛直方向に沿う平面をなす。これに対し、図14に示すように、突出枠部64の各側面部は、上側面部64aの側面部61表面からの突出寸法C1(図3参照)が、下側面部64bの側面部61表面からの突出寸法C2(同図参照)よりも大きく、しかも、開口縁端64eが仮想の平面に沿うように両側の横側面部64cの突出寸法が上側から下側にかけて徐々に小さくなるように形成されている。このように、突出枠部64の開口縁端64eが全体的に接触する仮想の平面が鉛直方向に対して傾斜面となるように、突出枠部64の外側(開口縁端64e側)の開口端が形成されている。
以上のような構成により、第1切替弁71は、基部71aの内側面71gを突出枠部64の開口縁端64eに接触させた状態、つまり突出枠部64に支持された閉弁状態において、突出枠部64の開口縁端64eに沿う仮想の平面の鉛直方向に対する傾斜角度と同様の傾斜角度で基部71aを傾斜させた状態となる。また、第2切替弁72は、基部72aの内側面72gを閉弁状態の第1切替弁71の外側面71hに略接触させた状態、つまり閉塞状態において、突出枠部64の開口縁端64eに沿う仮想の平面の鉛直方向に対する傾斜角度と略同じ傾斜角度で基部72aを傾斜させた状態となる。このように、第1切替弁71および第2切替弁72の鉛直方向に対する傾斜角度は、突出枠部64の開口縁端64eに沿う仮想の平面の鉛直方向に対する傾斜角度に対応して互いに略同じとなる。
また、第2切替弁72の閉塞状態における傾斜に関しては、第2切替弁72は、第1切替弁71の外側面71hに設けられた小突起部71jによっても、閉塞状態において鉛直方向に対して開弁側に傾斜する。図12に示すように、小突起部71jは、第1切替弁71の基部71aの外側面71hにおいて、上下方向の中間部に設けられており、外側面71hからわずかに突出する突起部分である。本実施形態では、小突起部71jは、第1切替弁71の外側面71hにおいて、支軸部73による回動軸方向(図12において図面に対して垂直方向)に所定の間隔を隔てて2箇所に設けられている。
小突起部71jは、第1切替弁71と第2切替弁72との最近接状態にて第2切替弁72の基部72aの内側面72gに当接し、第1切替弁71の外側面71hと第2切替弁72の内側面72gとの間にわずかな隙間を形成する。つまり、第2切替弁72は、第1切替弁71に対して2箇所の小突起部71jによって点接触した状態となり、小突起部71jが存在する分、基部72aを第1切替弁71の基部71aに対してわずかに離間させた状態となる。したがって、第2切替弁72は、閉塞状態において、第1切替弁71に対して小突起部71jによる突出分だけ開弁側に傾斜した状態となる。
このように、本実施形態では、第2切替弁72は、その閉塞状態における開弁側への傾きについて、突出枠部64の開口縁端64eの傾斜の影響によって小タンク60の側面部61に対して傾くことに加えて、第1切替弁71に設けられた小突起部71jによって第1切替弁71に対しても傾く。つまり、第2切替弁72は、突出枠部64の傾斜形状および第1切替弁71の小突起部71jの両方の影響により、閉塞状態において鉛直線A1に対して開弁側に所定角度α(図11参照)傾いた状態となる。
また、本実施形態の洗浄水タンク装置1においては、閉弁状態から自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられた第1切替弁71についても、閉弁状態で、鉛直方向に対して開弁側に所定角度傾いた状態となるように構成されている。第1切替弁71は、基部71aの内側面71gを突出枠部64の開口縁端64eに接触させた閉弁状態で、突出枠部64の開口縁端64eの傾斜形状に沿って傾斜した状態となる。第1切替弁71の鉛直方向に対する傾斜角度は、小突起部71jによる傾きが無い分、第2切替弁72の傾斜角度と比べてわずかに小さい。
以上のような構成においては、第1切替弁71は、基部71aの内側面71gを突出枠部64の開口縁端64eに接触させた状態、つまり突出枠部64に支持された閉弁状態(図11参照)となる位置を、開口部62に最も近接した位置とする。そして、第1切替弁71は、この開口部62に対する最近接位置から、開口部62に対して最も離間した位置、つまり第1切替弁71が水平となる位置よりも手前の位置で所定角度傾いた全開状態(図12参照)となる位置までの範囲で回動する。また、第2切替弁72は、閉弁状態の第1切替弁71に対して小突起部71jを介して接触した閉塞状態となる位置を、開口部62に最も近接した位置とする。そして、第2切替弁72は、この開口部62に対する最近接位置から、開口部62に対して最も離間した位置、つまり第2切替弁72が水平となる位置よりも手前の位置で所定角度傾いた全開状態(図12参照)となる位置までの範囲で回動する。
以上のような本実施形態の洗浄水タンク装置1によれば、洗浄水の排出量を切り替えるための構成として、排水口14を囲むように設けられた小タンク60の側面に形成された開口部62を小タンク60の外側から開閉する第1切替弁71および第2切替弁72を備える構成において、第2切替弁72が開くタイミングが遅れることを防止することができ、洗浄水の排出量のばらつきを抑制することができる。このような効果が得られることについて説明する。
本来、錘75に作用する重力等によって自重により開いた状態となる第2切替弁72について、第2切替弁72が閉塞状態において鉛直方向に対して開弁側に傾斜した状態となることで、例えば第2切替弁72が略鉛直方向に沿った状態にある場合との比較において、第2切替弁72に作用する重力(図11、矢印G1参照)による第2切替弁72を開く方向に作用する分力が大きくなる。これにより、第2切替弁72が、重力によって第2切替弁72を開弁方向に回動させる方向の力の作用を受けやすくなり、開弁側へと回動しやすくなる。結果として、第2切替弁72が閉塞状態において小タンク60の内外の差圧によって開口部62を閉じる方向の力を受けることによっても、第2切替弁72を所定のタイミングで確実に開かせることができ、第2切替弁72について安定した動作を得ることができる。
したがって、小洗浄モードの場合において、本来であれば洗浄水の排出動作の開始にともなって第1切替弁71とともに一旦閉じられた直後に自重によって開いた状態となる第2切替弁72が水圧によって閉じたままの状態となって第2切替弁72の開弁タイミングが遅れるといった現象を回避することができる。第2切替弁72の開弁タイミングが遅れることは、小洗浄モードにおける洗浄水の排出量を規定の量よりも少なくし、洗浄水の排出量のばらつきの原因となるが、本実施形態に係る洗浄水タンク装置1によれば、小洗浄モードにおいて第2切替弁72を安定して所定のタイミングで開かせることができる。これにより、第2切替弁72による洗浄水の排出量の切替えを適切に行うことができ、洗浄水の排出量のばらつきを抑制することが可能となる。また、第2切替弁72の開弁タイミングが遅れるといった現象は、洗浄水タンク装置1の排水口14から排出される洗浄水を受け入れる水洗便器2側の導水路5等の流路における圧損が比較的小さい場合に発生しやすい。かかる観点からは、本実施形態に係る洗浄水タンク装置1によれば、水洗便器2側の流路における圧損による抵抗の大小、つまり洗浄水を受ける便器の流路形状にかかわらず、小洗浄モードにおいて第2切替弁72の動作を安定させて洗浄水の排出量のばらつきを抑制することができる。
本実施形態に係る洗浄水タンク装置1における小洗浄モードでの第2切替弁72の具体的な動作について説明すると、小洗浄モードにおいては、まず、図11に示すように、操作レバー31等の操作によってオーバーフロー管42および弁体41とともに第2切替弁72が引っ張られて開口部62を閉じる方向に回動して、第2切替弁72が第1切替弁71とともに開口部62に対して最も近接して開口部62を閉じた状態となる。つまり、第1切替弁71は閉弁状態となり、第2切替弁72は閉塞状態となる。
図11に示すように第1切替弁71および第2切替弁72が閉じた状態から、オーバーフロー管42等の引上げの完了直後に、図12に示すように、小タンク60内外の差圧等によって閉弁状態を維持した第1切替弁71を残して、第2切替弁72のみが自重により全開状態まで開弁側に回動する(矢印E1参照)。このように第2切替弁72のみを開口部62から離間させる場合において、第2切替弁72は、開口部62に最も近接した状態である閉塞状態において鉛直方向に対して開弁側に傾いていることから、小タンク60の内外の差圧等の水圧の影響にかかわらず、重力による開弁側への回動作用によって確実に開弁側へと離間し、第2切替弁72の開弁タイミングが遅れることが防止される。
そして、第2切替弁72が全開状態となった後、閉弁状態を維持した第1切替弁71に作用する差圧の影響が小さくなると、図13に示すように、所定のタイミングで第1切替弁71も自重により全開状態まで開弁側に回動する(矢印E2参照)。ここで、本実施形態では、第1切替弁71も第2切替弁72と同様に開口部62に最も近接した状態である閉弁状態において鉛直方向に対して開弁側に傾いていることから、第1切替弁71を重力による開弁側への回動作用によって確実に開弁側へと回動させて開いた状態とすることができる。これにより、例えば、洗浄水タンク装置1が、第1切替弁71に対して閉弁方向(開口部62に近付く方向)に作用する重力が大きくなる方向に全体的に傾いた状態で設置された場合等においても、第1切替弁71を確実に開かせることができ、第1切替弁71の開弁動作について正常な動作を得ることができる。
なお、本実施形態の洗浄水タンク装置1においては、第2切替弁72の閉塞状態における鉛直方向に対する開弁側への傾斜状態は、小タンク60に設けられた突出枠部64の開口端部の傾斜形状によって第1切替弁71の傾斜状態をともなって得られるものであるが、閉塞状態の第2切替弁72を傾斜させるための構成や、第1切替弁71の傾斜の有無については特に限定されない。例えば、第1切替弁71については閉弁状態において略鉛直方向に沿う状態としながら、第1切替弁71あるいは小タンク60の側面部61に設けた突起部等によって第2切替弁72を傾斜させる構成であってもよい。
また、本実施形態の洗浄水タンク装置1においては、小タンク60の側面部61に設けられて第1切替弁71および第2切替弁72によって開閉される開口部62について、その高さ位置が工夫されている。すなわち、本実施形態の洗浄水タンク装置1においては、開口部62は、小タンク60の鉛直方向(上下方向)の中央位置より上側に設けられている。
具体的には、図11に示すように、小タンク60において側面部61に設けられる開口部62は、その開口の下端の位置を、小タンク60の全体の高さの半分の位置(直線F1参照)、つまり小タンク60の鉛直方向の中央位置よりも上側に位置させるように設けられる。本実施形態では、上下方向の寸法について小タンク60の約1/4の寸法を有する開口部62が、小タンク60の鉛直方向の中央位置よりも上側半分の部分における略中央部に設けられている。なお、開口部62の開口幅方向については、開口部62は、側面部61の幅方向に対して側面部61の幅方向の両端部以外の大部分を占めるように設けられている。
このように第1切替弁71および第2切替弁72によって開閉される開口部62が小タンク60の鉛直方向の中央よりも上側の範囲内に設けられることにより、開口部62が開放された状態で洗浄水の排出が行われる大洗浄モードにおいて、排水弁51の閉弁後における小タンク60の外側の最終的な水位DWLを、開口部62の開口の下端位置とすることができる(図8、水位DWL参照)。これにより、大洗浄モードにおいて洗浄水の排出量のばらつきを抑制することができる。このことについて具体的に説明する。
洗浄水タンク12内の水位が小タンク60の上縁部60aの付近まで低下した時点からの洗浄水の排出について、排水口14に連通する水洗便器2側の導水路5等の流路における圧損による抵抗により、排水口14から排出される洗浄水の時間当たりの排出量が変わる。このため、例えば仮に開口部62が小タンク60の下端部に設けられている場合、洗浄水タンク装置1の排水口14から排出される洗浄水を受け入れる水洗便器2側の導水路5等の流路における圧損の大小によって、排水口14から排出される洗浄水の量が変化し、排水弁51の閉弁直後における小タンク60外の水位がばらつくことになる。つまり、水洗便器2側の圧損の大小による排水口14からの洗浄水の排出量の変化に応じて開口部62から小タンク60内に流入する洗浄水の量が変化し、排水口14からの洗浄水の排出量がばらつくことになる。そして、排水弁51の閉弁直後における小タンク60の外側の水位が開口部62よりも上側に位置すると、排水弁51の閉弁直後における小タンク60外の水位によって、最終的な排水弁51の閉弁後における最終的な水位DWLの位置が変化してしまう。この点、本実施形態のように開口部62が小タンク60における上側に位置することで、水洗便器2側の流路における圧損抵抗の大小にかかわらず、排水弁51の閉弁後における小タンク60の外側の水位を開口部62の開口の下端位置、つまり開口部62による摺り切りの位置(水位DWL)とすることができるので、水洗便器2側の流路における圧損抵抗の大小の影響が小さくなり、大洗浄モードにおける洗浄水の排出量を安定させることができる。
また、本実施形態に係る洗浄水タンク装置1においては、小タンク60に、小タンク60の側面部61の開口部62の開口の下端位置よりも下側に、開閉可能な下側開口部80が設けられている。つまり、本実施形態の小タンク60においては、鉛直方向の上側に設けられる開口部62に加えて、開口部62よりも下側の位置に、開閉可能な下側開口部80が設けられている。下側開口部80は、第1切替弁71および第2切替弁72によって開閉される開口部62を第1の開口部とした場合において第2の開口部として機能し、洗浄水の排出量の調整に用いられる。
図15に示すように、下側開口部80は、開口部62が設けられる側面部61側と反対側の側面部65に設けられている。下側開口部80は、小タンク60の側面部65を貫通して小タンク60の内外を連通させる開口80aを形成する部分である。開口80aは、上下方向を短手方向、幅方向を長手方向とする矩形状の開口である。下側開口部80は、側面部65に付設される扉部材81によって開閉可能に構成されている。
扉部材81は、略矩形板状の部材であり、長手方向を下側開口部80の開口80aの幅方向として上下方向にスライド可能に設けられる。扉部材81は、下側開口部80の開口80aの周囲に形成された突出枠部82に対してスライドするように設けられる。突出枠部82は、側面部65の表面から外側に突出する矩形枠状の部分であり、内部に開口80aを含み、開口80aよりも下側に延設されている。具体的には、突出枠部82の枠内の上側の略半分が開口80aによる開口部分(小タンク60の内外を連通させる部分)となり、突出枠部82の枠内の下側の略半分は側面部65の一部としての壁面部分となる。そして、扉部材81は、開口80aの全体を覆うことができる外形寸法を有し、突出枠部82に対して、開口80aを開閉できる範囲で上下方向にスライド可能に設けられる。
扉部材81は、開口80aを覆う矩形板状の本体部81aと、本体部81aの幅方向の両側に設けられた係合支持部81bとを有する。係合支持部81bは、本体部81aに対して同じ板面側に略直角に折れ曲った形状部分である。係合支持部81bが突出枠部82の幅方向の外側の側面82aに上下方向に沿って形成された摺動溝82bに係合した状態となることで、扉部材81が上下方向にスライド可能に支持される。また、扉部材81においては、上下方向にスライド動作するための操作を受けるための操作用突起部81cが設けられている。操作用突起部81cは、扉部材81の本体部81aの上端部における幅方向の中央部に設けられている。
扉部材81は、突出枠部82に対して上側部分に位置することで、開口80aを閉じた状態となり、突出枠部82に対して下側部分に位置することで、開口80aを開放させた状態となる。扉部材81は、これらの各状態で、例えば係合支持部81bと摺動溝82bとの間の係止用の形状部分等によって嵌合保持される。
以上のような下側開口部80が、側面部61側の開口部62との関係において開口部62の開口の下端位置(図3、直線H1参照)よりも下側の範囲内に設けられる。本実施形態では、下側開口部80は、側面部61と反対側の側面部65の下端部に設けられている。また、本実施形態では、下側開口部80は、その開口80aの開口面積が開口部62の開口面積に対して略1/2〜1/5程度の大きさとなるように形成されている。
このように扉部材81によって開閉可能に構成された下側開口部80が小タンク60の側面部65において開口部62の開口の下端位置よりも下側の範囲内に設けられることにより、下側開口部80の開閉の切替えにより、洗浄水の排出量を切り替えることが可能となる。すなわち、扉部材81の操作によって下側開口部80を開状態とするだけで、洗浄水の排出開始時において小タンク60の外側から小タンク60の内部に流入する洗浄水の流量が増加し、洗浄水の排出量を増加させることができる。したがって、小タンク60に設けられた開口部62に対する第1切替弁71および第2切替弁72の開閉動作によって洗浄水の排出量を互いに異ならせる各洗浄モードにおいて、下側開口部80の開閉によってさらに洗浄水の排出量を調整することが可能となる。これにより、洗浄水タンク装置1による洗浄水の排出量についての調整幅を広げることができ、洗浄水タンク装置1が備えつけられる水洗便器2の設置現場において必要とされる洗浄水の排出量に対して容易に対応することが可能となる。
本実施形態の下側開口部80によれば、その開口80aの開閉の切替えを、扉部材81の上下方向のスライド操作というワンタッチの簡単な操作によって行うことができる。これにより、小タンク60に設けられた下側開口部80の開閉の切替え操作に関し、比較的スペースが限られた洗浄水タンク12内に設けられた小タンク60に対する操作であっても、小タンク60を洗浄水タンク12から取り外すことなく開閉操作を行うことができ、良好な操作性が得られる。
なお、本実施形態では、下側開口部80は、上下方向にスライド可能な扉部材81により開閉される構成であるが、下側開口部80を開閉させるための構成については特に限定されない。また、本実施形態では、下側開口部80は、閉じた状態と開いた状態の2つの状態の切替えが行われる構成であるが、例えば、扉部材81を3箇所以上の位置で保持する構成を採用することにより、開口80aの開口面積を段階的に変化させることができるような構成であってもよい。
また、本実施形態では、下側開口部80は、小タンク60において開口部62が設けられる側の側面部61と反対側の側面部65に設けられているが、側面部61を含む他の側面部に設けられてもよい。また、下側開口部80の高さ位置についても、本実施形態のように小タンク60の下端部の位置に限定されることなく、下側開口部80は、その開口80aの上端の位置が、上述したように大洗浄モードにおいて最終的な水位DWLの位置を規定する開口部62の開口の下端の位置よりも下側に位置するように設けられればよい。
1 洗浄水タンク装置
2 水洗便器
12 洗浄水タンク
12a 底部
14 排水口
60 小タンク(筒体)
62 開口部
71 第1切替弁
72 第2切替弁
80 下側開口部(第2の開口部)

Claims (4)

  1. 便器を洗浄する洗浄水の貯水および排水を行う洗浄水タンク装置であって、
    便器に供給する洗浄水を貯水し、洗浄水を排出する排水口が底部に形成された洗浄水タンクと、
    前記排水口を開閉する排水弁と、
    前記排水口を取り囲むように前記洗浄水タンクの底部上に立設され、上方が開放されるとともに側面部に開口部を有する筒体と、
    閉弁状態となることで前記開口部の開口面積を減少させる第1切替弁と、
    前記筒体に対して前記第1切替弁の外側にて閉弁状態の前記第1切替弁に重なり前記開口部に最も近接した位置にある閉塞状態から自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられ、閉弁状態となることで前記第1切替弁により減少した前記開口面積をさらに減少させる第2切替弁と、を備え、
    前記第2切替弁は、前記閉塞状態で、鉛直方向に対して開弁側に所定角度傾いた状態となる
    ことを特徴とする洗浄水タンク装置。
  2. 前記第1切替弁は、閉弁状態から自重によって回動して開弁状態となるように回動可能に設けられ、閉弁状態で、鉛直方向に対して開弁側に所定角度傾いた状態となる
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄水タンク装置。
  3. 前記開口部は、前記筒体の鉛直方向の中央位置より上側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄水タンク装置。
  4. 前記筒体の側面部の前記開口部の開口の下端位置よりも下側に、開閉可能な第2の開口部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄水タンク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017044058A (ja) * 2015-08-24 2017-03-02 Toto株式会社 洗浄水タンク装置、及び、この洗浄水タンク装置を備えた水洗大便器

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