JP2013159693A - 天然ゴム及びその製造方法、並びにゴム組成物、及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させることができる天然ゴム、該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含む低発熱性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物、および該ゴム組成物を用いた低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供する。
【解決手段】窒素含有量が0.4質量%以下であり、かつ、カリウム含有量が0.28質量%以下であり、かつ、リン含有量が0.025質量%以下であることを特徴とする天然ゴム、天然ゴムラテックス中の非ゴム成分を固形物に吸着させることにより除去することを特徴とする該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含むゴム組成物、および該ゴム組成物を用いたタイヤである。
【選択図】なし

Description

本発明は、天然ゴム及び該天然ゴムの製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤに関し、特にゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させることが可能な天然ゴム及び該天然ゴムの製造方法に関するものである。
近年、省エネルギー、省資源の社会的要請の下、自動車の低燃費化に対する要求が強くなりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の小さいタイヤが求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法として、タイヤ構造を最適化する手法についても検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物としてより発熱性の低いゴム組成物を用いることが、現在最も一般的な手法として行われている。また、タイヤに適用するゴム組成物は、低発熱性に加え、耐摩耗性に優れることも求められている。
一方、タイヤ用ゴム組成物中のゴム成分としては、一般的に物理的性質や機械的性質に優れた天然ゴムが多く使用されている。この天然ゴムには、蛋白質、糖類等の様々な成分からなる非ゴム成分が約6%含まれているが、該非ゴム成分としては、ゴム組成物の老化防止や加硫促進等に寄与する好適な成分と、ゴム組成物の低発熱性や耐摩耗性等の低下に影響を及ぼす不適な成分とがあることがわかっている。例えば、蛋白質等の高極性化合物は、低発熱性を低下させる成分であることが判明しており、天然ゴム中の非ゴム成分から、該化合物を除去することが重要である。
このような方法として、特開2004−262973号公報は、遠心分離濃縮法等の機械的分離手法で天然ゴムラテックスの部分脱蛋白処理を行うことにより、有効成分は殆ど失われずに蛋白質が適切に除去され、総窒素含有量が0.4質量%以下にまで低減された低発熱性に優れた天然ゴムが得られることを開示している。
特開2004−262973号公報
しかしながら、前記非ゴム成分には、蛋白質の他にも低発熱性または耐摩耗性の低下に影響を及ぼす成分が存在し得る。そのため、前記天然ゴムには、依然として性質の改善の余地がある。この点、どういった成分がかかる影響を及ぼすのかについては、未だ十分には理解されておらず、そのため、該成分の特定、及び該成分が適切に除去され、低発熱性及び耐摩耗性が更に向上した天然ゴムが求められている。
そこで、本発明の目的は、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させることができる天然ゴムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含む低発熱性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物、および該ゴム組成物を用いた低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、天然ゴムラテックスから、遠心分離等により低減可能な蛋白質に加え、カリウム成分およびリン成分を除去することにより、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させることができる天然ゴムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の天然ゴムは、窒素含有量が0.4質量%以下であり、かつカリウム含有量が0.28質量%以下であり、かつリン含有量が0.025質量%以下であることを特徴とする。これにより、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させることができる天然ゴムが得られる。
なお、上記窒素含有量はケルダール法を用いた分析、上記カリウム含有量および上記リン含有量は誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)を用いた分析によって測定するものとする。
本発明の天然ゴムは、除去効率性の観点から、天然ゴムラテックス中の、前記窒素、カリウム及び/またはリンを含む非ゴム成分を、固形物に吸着させることにより除去してなるのが好ましく、該固形物はカーボンブラックまたはシリカであることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、上記天然ゴムを含有することを特徴とする。上記天然ゴムを含有したゴム組成物は、高い低発熱性及び耐摩耗性を有する。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いた構成部材を具えることを特徴とする。上記ゴム組成物を用いた構成部材を具えたタイヤは、高い低発熱性及び耐摩耗性を有する。
また、本発明の上記天然ゴムの製造方法は、天然ゴムラテックス中の、前記窒素、カリウム及び/またはリンを含む非ゴム成分を、固形物に吸着させることにより除去することを特徴とする。この方法により、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させることができる天然ゴムが得られる。
前記固形物は、除去効率性の観点から、カーボンブラックまたはシリカであることが好ましい。
本発明によれば、窒素含有量を0.4質量%以下とし、かつカリウム含有量を0.28質量%以下とし、かつリン含有量を0.025質量%以下とすることにより、ゴム組成物の低発熱性及び耐摩耗性を向上させることができる天然ゴムを提供することができる。また、該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含む低発熱性及び耐摩耗性に優れたゴム組成物、および該ゴム組成物を用いた低発熱性及び耐摩耗性に優れたタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の天然ゴムは、窒素含有量が0.4質量%以下であり、かつカリウム含有量が0.28質量%以下であり、かつリン含有量が0.025質量%以下であることを特徴とする。
本発明の天然ゴムは、例えば、一般の天然ゴム製造工程、即ち原料天然ゴムラテックスのタッピング、凝固、洗浄、脱水、乾燥、パッキングの順で行われる工程において、タッピング後凝固前の原料天然ゴムラテックスを、固形成分中の窒素含有量、カリウム含有量およびリン含有量が所定範囲となるように、物理的分離手法、好ましくは固形物を用いた吸着法により窒素、カリウムおよびリンの除去処理を行った後、得られた被処理天然ゴムラテックスを凝固し、乾燥処理することにより得られる。原料となる天然ゴムラテックスは、特に限定されず、フィールドラテックスや市販のラテックスなどを用いることができる。
なお、「被処理天然ゴムラテックス」とは、窒素、カリウムおよびリンの除去処理を行った後に得られる天然ゴムラテックスを指す。
上記天然ゴム中の窒素含有量は、蛋白質含有量の指標となるもので、得られる天然ゴム中の窒素含有量が0.4質量%以下であることが必要であり、0.1質量%を超えて0.3質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.25質量%以下であることが特に好ましい。窒素含有量が0.4質量%を超えると、十分な低発熱性が得られない可能性があり、また、窒素含有量が0.1質量%以下であると、耐熱老化性が低下するおそれがある。
また、得られる天然ゴム中のカリウム含有量は0.28質量%以下であることが必要であり、0.25質量%以下であることが好ましく、0.22質量%以下であることが特に好ましい。得られる天然ゴム中のカリウム含有量が0.28質量%を超えると、十分な低発熱性、耐摩耗性が得られないおそれがあるためである。
更に、得られる天然ゴム中のリン含有量は0.025質量%以下であることが必要であり、0.020質量%以下であることが好ましく、0.018質量%以下であることが特に好ましい。得られる天然ゴム中のリン含有量が0.025質量%を超えると、十分な低発熱性、耐摩耗性が得られないおそれがあるためである。
上述の通り、天然ゴムラテックスから窒素、カリウムおよびリンを除去するための処理方法としては、固形物を用いた吸着法が望ましい。固形物を用いた吸着法により、窒素、カリウムおよびリンを優先的かつ効率的に除去することができる。具体的な方法としては、(1)固形物を天然ゴムラテックスに直接加えて撹拌する方法、(2)固形物を充填したカラムに天然ゴムラテックスを通液する方法、(3)固形物を機械的せん断力により水中に微分散させたスラリー液を天然ゴムラテックスに加えて撹拌する方法等が挙げられるが、固形物と天然ゴムラテックスとの接触効率の観点から(3)の方法がより好ましい。なお、吸着後における固形物と被処理天然ゴムラテックスとの分離が必要な場合は、遠心分離やろ過分離等の一般的な分離方法を用いて行うことができる。
また、前記固形物としては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等を挙げることができるが、なかでも、カーボンブラックまたはシリカであることが好ましい。カーボンブラックおよびシリカは比表面積が大きいため物理的吸着能が高く、より多くの窒素、カリウムおよびリンを吸着できる。上記カーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF等の種々のグレードのカーボンブラックが挙げられ、SAFグレードのものが好ましい。上記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが挙げられ、湿式シリカが好ましい。
上述の天然ゴム中の窒素含有量、カリウム含有量およびリン含有量は、原料天然ゴムラテックスの吸着条件(吸着時間、原料天然ゴムラテックスと固形物との比率など)を調整してその含有量をコントロールすることができるが、例えば、上記(3)固形物を機械的せん断力により水中に微分散させたスラリー液を天然ゴムラテックスに加えて撹拌する方法では、水100質量部に対して固形物が1質量部〜100質量部の割合で含まれる水−固形物のスラリー液を作製し、原料天然ゴムラテックス100質量部に対して該固形物が1質量部〜100質量部の割合となるように前記スラリー液を添加し、1分間〜24時間撹拌することが好ましい。
上記窒素、カリウムおよびリンの除去処理を行った被処理天然ゴムラテックスを凝固して得られたゴム成分は、例えば、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の通常の乾燥機を用いた乾燥を経て、本発明における天然ゴムとすることができる。
上記の通り、本発明の天然ゴムは、天然ゴムラテックス中の、前記窒素、カリウム及び/またはリンを含む非ゴム成分を、固形物に吸着させることにより除去処理した後、得られた被処理天然ゴムラテックスを凝固、乾燥処理することにより得られる。また、前記固形物は、カーボンブラックまたはシリカであることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、本発明の天然ゴムを単独ゴム成分として含有することができ、本発明の天然ゴムと他のゴム成分とを共に含有することもできる。他のゴム成分と併用する場合には、本発明の天然ゴムを、ゴム成分中に少なくとも5質量%含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましい。この量が5質量%未満では、所望の物性を有するゴム組成物が得られないことがある。
前記他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、充填剤を含有してもよい。かかる充填剤としては、特に限定されるものではないが、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、炭酸カルシウム等の通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。前記カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF等の種々のグレードのカーボンブラックを使用することができる。また、前記シリカとしては、特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを使用することができる。このような充填剤は、単独でまたは二つ以上のものを混合して用いることもできる。
この充填剤の総配合量は、ゴム成分100質量部に対し、10〜100質量部の範囲にあることが好ましく、30〜70質量部の範囲にあることがより好ましい。
更に、本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を含有させることができる。
また更に、本発明のゴム組成物は、タイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業品等の用途にも用いることができる。これらの用途のうちでも、本発明のゴム組成物は、特にタイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばキャップゴム、ベースゴムを含むトレッドゴム、サイドゴム、カーカスその他のコード層のコーティングゴム、ビードフィラーゴム等のタイヤのあらゆる構成部材に適用することができるが、優れた耐摩耗性を有することから、トレッドゴム、なかでもキャップゴムとして使用するのが特に好適である。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(天然ゴムの製造・準備)
<実施例1:天然ゴム(A)の製造>
クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスに、カーボンブラックN110(SAFグレード)を2質量%添加し、1時間撹拌した。その後、ろ過によりカーボンブラックN110を除去し、得られた被処理天然ゴムラテックスを固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(A)を製造した。
<実施例2:天然ゴム(B)の製造>
クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスを、カーボンブラックN110を充填したカラムに通した。その後、得られた被処理天然ゴムラテックスを固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(B)を製造した。
<実施例3:天然ゴム(C)の製造>
水中にカーボンブラックN110を5質量%の割合で投入し、ハイシアーミキサー(シルバーソン社製)にて30分間撹拌、微分散させてスラリー液を作製した。クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスにカーボンブラックN110が2質量%相当である上記スラリー液を添加し、1時間撹拌した。その後、回転数3000rpmで遠心分離することによりカーボンブラックN110を除去し、得られた被処理天然ゴムラテックスを固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を、110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(C)を製造した。
<実施例4:天然ゴム(D)の製造>
クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスに、含水シリカを5質量%添加し、2時間撹拌した。その後、ろ過により含水シリカを除去し、得られた被処理天然ゴムラテックスを固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(D)を製造した。
<比較例1:天然ゴム(a)の製造>
クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスに特別な処理を加えることなく、固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(a)を製造した。
<比較例2:天然ゴム(b)の製造>
ラテックスセパレーター(斎藤遠心機工業(株)製)を用い、クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスを、回転数7500rpmで遠心分離した。得られたラテックスに特別な処理を加えることなく、固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(b)を製造した。
<比較例3:天然ゴム(c)の準備>
市販のRSS#3グレードの天然ゴムを準備した。
<比較例4:天然ゴム(d)の準備>
市販のSCR5グレードの天然ゴムを準備した。
<比較例5:天然ゴム(e)の製造>
クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスを、含水シリカを充填したカラムに通した。その後、得られた被処理天然ゴムラテックスを固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(e)を製造した。
<比較例6:天然ゴム(f)の製造>
ラテックスセパレーター(斎藤遠心機工業(株)製)を用い、クローン種GT−1、NH0.4質量%で処理した天然ゴムラテックスを、回転数2500rpmで遠心分離した。得られたラテックスに特別な処理を加えることなく、固形分として約20質量%に希釈した後、蟻酸を添加し、一晩放置後、凝固して得られたゴム分を110℃で210分の条件で乾燥し、試作天然ゴム(f)を製造した。
<比較例7:天然ゴム(g)の製造>
水136gにアニオン系界面活性剤[花王(株)製「デモール」、界面活性剤濃度は2.5質量%]24.7ml、プロテアーゼ(ノボザイムズ製「アルカラーゼ 2.5L、タイプDX」)の0.06gを加えて混合し、溶液を調製した。次に、固形分20質量%の天然ゴムラテックス1000gをウォーターバス中にて40℃の恒温とし、攪拌しながら、該溶液を滴下し、5時間同温度で攪拌を続け、プロテアーゼ処理天然ゴムラテックスを得た。プロテアーゼ処理天然ゴムラテックスに蟻酸を添加し、凝固して得られたゴム分を、130℃に設定されたドラムドライヤーを5回通過させ、その後真空乾燥機にて40℃で8時間乾燥し、天然ゴム(g)を製造した。
(天然ゴムの分析)
上記製造例または比較例で製造または準備した天然ゴムの窒素含有量、カリウム含有量およびリン含有量を分析した。なお、窒素含有量の分析にはケルダール法を用い、カリウム含有量およびリン含有量の分析には誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)を用いた分析を用いた。
(ゴム組成物の調製および加硫)
2200mLのバンバリーミキサーを使用して、上記製造例または比較例で製造または準備した天然ゴムとその他の配合剤等とを、表1に示す配合処方で混練り混合し、未加硫のゴム組成物を調製した。このゴム組成物を、145℃、33分間の条件で加硫し、加硫ゴム組成物を得た。該加硫ゴム組成物を用い、以下に示す手法で低発熱性および耐摩耗性を評価した。
Figure 2013159693
<低発熱性試験>
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、[比較例1のtanδ/対象とする実施例のtanδ]×100)として指数表示した。この指数値が大きいほど、低発熱性が良好であることを示す。
<耐摩耗性試験>
ランボーン型摩耗試験機を用い、室内におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、[比較例1の摩耗量/対象とする実施例の摩耗量]×100として指数表示した。この指数値が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
各天然ゴムの窒素含有量、カリウム含有量およびリン含有量の分析結果並びに各加硫ゴム組成物の低発熱性および耐摩耗性の測定結果を表2に示す。

Figure 2013159693
表2の結果から、窒素含有量が0.4質量%以下であり、かつカリウム含有量が0.28質量%以下であり、かつリン含有量が0.025質量%以下である実施例1〜3の天然ゴムを用いたゴム組成物は、比較例1と比べて、低発熱性及び耐摩耗性の双方が大幅に向上していることがわかる。

Claims (7)

  1. 窒素含有量が0.4質量%以下であり、かつ、カリウム含有量が0.28質量%以下であり、かつ、リン含有量が0.025質量%以下であることを特徴とする天然ゴム。
  2. 天然ゴムラテックス中の、前記窒素、カリウム及び/またはリンを含む非ゴム成分を、固形物に吸着させることにより除去してなることを特徴とする、請求項1に記載の天然ゴム。
  3. 前記固形物はカーボンブラックまたはシリカである、請求項2に記載の天然ゴム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の天然ゴムを含有することを特徴とするゴム組成物。
  5. 請求項4に記載のゴム組成物を用いた構成部材を具えることを特徴とするタイヤ。
  6. 請求項1に記載の天然ゴムの製造方法であって、
    天然ゴムラテックス中の、前記窒素、カリウム及び/またはリンを含む非ゴム成分を、固形物に吸着させることにより除去することを特徴とする天然ゴムの製造方法。
  7. 前記固形物はカーボンブラックまたはシリカである、請求項6に記載の天然ゴムの製造方法。
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