JP2013185095A - 天然ゴム及びその製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム組成物の耐熱老化性を向上させることができる天然ゴムを提供する。また、該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含むゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
【解決手段】高分子量成分が10質量%以上である天然ゴムであって、Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、またはFeイオン濃度が25質量ppm以下であり、またはCuイオン濃度が1質量ppm以下であることを特徴とする天然ゴムである。また、天然ゴムラテックス中の非ゴム成分を固形物に吸着させることにより除去することを特徴とする該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含むゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤである。
【選択図】なし
【解決手段】高分子量成分が10質量%以上である天然ゴムであって、Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、またはFeイオン濃度が25質量ppm以下であり、またはCuイオン濃度が1質量ppm以下であることを特徴とする天然ゴムである。また、天然ゴムラテックス中の非ゴム成分を固形物に吸着させることにより除去することを特徴とする該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含むゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤである。
【選択図】なし
Description
本発明は、天然ゴム及び該天然ゴムの製造方法、並びにゴム組成物及びタイヤに関し、特にゴム組成物の耐熱老化性を向上させることが可能な天然ゴム及び該天然ゴムの製造方法に関するものである。
乗用車、トラック、バス、二輪車等のタイヤに用いられるゴム組成物には、種々の高い物性を有することが望まれる。こうしたゴム組成物のゴム成分として、機械的特性、低発熱性、耐摩耗性に優れた天然ゴムが多く採用されているが、天然ゴムには、様々な成分からなる非ゴム成分が約6%含まれており、これら各成分の存在が、該天然ゴムを用いて作製したゴム組成物の諸物性に影響を及ぼすことがわかっている。
特に、上記非ゴム成分の一種である金属イオンは、ポリマーの自動酸化反応を促進させる触媒作用により、天然ゴム及び該天然ゴムを含有するゴム組成物の耐熱老化性を低下させる性質を持っている。従って、高い耐熱老化性を有するゴム組成物及びタイヤを製造することが必須であり、そのためには、上記金属イオンを選択的に除去することが望ましい。
天然ゴム中の特定の非ゴム成分を除去する方法として、特開2004−262973号公報は、遠心分離濃縮法等の機械的分離手法を採用することにより、天然ゴムラテックス中から非ゴム成分を適切に除去し、低発熱性を向上させることが可能な天然ゴムが得られることを開示している。
一方、金属イオンに関しても、遠心分離濃縮法により天然ゴムラテックスから除去することは可能である。しかしながら、かかる方法により、金属イオン濃度を十分に低減できる条件で行うと、許容量を超えた高分子量ポリマーまでもが除去されてしまい、結果的に耐熱老化性の有利な向上が見られない上、加工効率が低下する。更に、遠心分離を行うためには多大なエネルギーが必要となることも問題の一つである。
また、天然ゴムに含まれる金属イオンは、その種類が多岐に渡り、耐熱老化性の有利な向上をもたらすために必要なその低減量については、未だ十分には理解されていない。そのため、該成分が適切に除去され、ゴム組成物の耐熱老化性を更に向上させることが可能な天然ゴムが求められている。
そこで、本発明の目的は、ゴム組成物の耐熱老化性を向上させることができる天然ゴムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含むゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、所定の方法により天然ゴム中の特定の金属イオンを特定濃度にまで低減することにより、ゴム組成物の耐熱老化性を向上させることができる天然ゴムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の天然ゴムは、高分子量成分が10質量%以上であって、Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、またはFeイオン濃度が25質量ppm以下であり、またはCuイオン濃度が1質量ppm以下であることを特徴とする。ここで、前記高分子量成分とは、分子量が500万以上である成分を指す。
また、本発明の天然ゴムは、Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、かつFeイオン濃度が25質量ppm以下であり、かつCuイオン濃度が1質量ppm以下であることが好ましい。
本発明の天然ゴムは、天然ゴムラテックスにキレート剤を添加し、金属イオンを水相へ移動させる工程を経て得られることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、上記天然ゴムを含有することを特徴とする。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いた構成部材を具えることを特徴とする。
前記キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、シクロへキサンジアミン四酢酸(CDTA)またはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)であることが好ましく、前記キレート剤の添加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.5質量部〜3.0質量部の範囲であることが好ましい。
本発明によれば、ゴム組成物の耐熱老化性を向上させることができる天然ゴムを提供することができる。また、該天然ゴムの製造方法、該天然ゴムを含むゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の天然ゴムは、高分子量成分が10質量%以上であって、Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、またはFeイオン濃度が25質量ppm以下であり、またはCuイオン濃度が1質量ppm以下であることを特徴とする。
本発明の天然ゴムは、一般的な天然ゴムの製造工程、即ち原料天然ゴムラテックスのタッピング、凝固、洗浄、脱水、乾燥、パッキングの順で行われる工程の中で、例えばタッピング工程前、またはタッピング工程後・凝固工程前に、例えばキレート剤を用いて原料の天然ゴムラテックスを適正に処理する工程を追加することにより得られる。原料となる天然ゴムラテックスは、特に限定されず、フィールドラテックスや市販のラテックスなどを用いることができる。
本発明の天然ゴムは、高分子量成分が10質量%以上であることを要し、12質量%以上であることが特に好ましい。前記高分子量成分が10質量%以上であれば、該成分に由来する網目構造の存在により、耐熱老化性が有利に向上する。
なお、高分子量成分は、フィールドフローフラクショネーション(以下、「FFF」とも称する)装置を用いることにより測定することができる。FFF装置の詳細は、“Journal of Natural Rubber Research”,1997年,Vol.12(3),p.154−165、“Macromolecules”,1995年,28,p.6354−6356、または“Bull.Korean Chem.Soc.”,2000年,Vol.21,No.1,p.69−74を参照されたい。
なお、高分子量成分は、フィールドフローフラクショネーション(以下、「FFF」とも称する)装置を用いることにより測定することができる。FFF装置の詳細は、“Journal of Natural Rubber Research”,1997年,Vol.12(3),p.154−165、“Macromolecules”,1995年,28,p.6354−6356、または“Bull.Korean Chem.Soc.”,2000年,Vol.21,No.1,p.69−74を参照されたい。
また、前記天然ゴムラテックスには、非ゴム成分として様々な金属イオンが存在するが、本発明の天然ゴムは、その中でも、Mnイオン濃度、Feイオン濃度、及びCuイオン濃度から選択される少なくとも一つの濃度を所定濃度以下に低減することにより得ることができる。
上記金属イオンのうち、Mnイオンを濃度調整の対象とする場合には、天然ゴム中のMnイオン濃度を1質量ppm以下とすることが必要であり、0.5質量ppm以下とすることが特に好ましい。Mnイオン濃度が1質量ppmを超えると、耐熱老化性の向上効果が小さくなるおそれがあるためである。
また、上記イオンのうち、Feイオンを濃度調整の対象とする場合は、天然ゴム中のFeイオン濃度を25質量ppm以下とすることが必要であり、5質量ppm以下とすることが特に好ましい。Feイオン濃度が25質量ppmを超えると、耐熱老化性の向上効果が小さくなるおそれがあるためである。
また、上記イオンのうち、Cuイオンを濃度調整の対象とする場合は、天然ゴム中のCuイオン濃度を1質量ppm以下とすることが必要であり、0.5質量ppm以下とすることが特に好ましい。Cuイオン濃度が1質量ppmを超えると、耐熱老化性の向上効果が小さくなるがあるためである。
更に、本発明の天然ゴムは、上記Mnイオン濃度、Feイオン濃度、及びCuイオン濃度の要件を全て満たしていることが好ましい。かかる要件を全て満たすことにより、耐熱老化性の低下に及ぼす影響を相乗的に抑えることができる。
本発明の天然ゴムは、天然ゴムラテックスにキレート剤を添加し、金属イオンを水相へ移動させる工程を経ることにより好適に得ることができる。一般に、キレート剤は、分子中に二座配位子や三座配位子等の多座配位子を有し、その複数の配位子が金属イオンと結合してキレート錯体を形成して、化学的に安定化する性質を持つ。つまり、天然ゴムラテックスにキレート剤を添加すると、元々はゴム成分に結合または吸着されていた金属イオンが該キレート剤との結合によりキレート錯体を形成するため、該金属イオンは水相へ移動する。従って、前記工程を経ることにより、Mnイオン、Feイオン、Cuイオンが効果的かつ特異的に除去された天然ゴムが得られる。更に、前記工程を含む天然ゴムの製造方法においては、ゴム成分を構成する高分子量ポリマーが不必要に除去されることがなく、前記高分子量ポリマーの網目構造が耐熱老化性の向上に寄与する点に鑑みても、かかる天然ゴムの製造方法は有用性が高い。
前記キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)四酢酸(EGTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、ニトリロトリ酢酸(NTA)等のポリアミノカルボン酸類、2,2, −ビピリジル等のビピリジル類、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン等フェナンスロリン誘導体類が挙げられるが、ポリアミノカルボン酸類が好ましく、特にエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、シクロへキサンジアミン四酢酸(CDTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)が好ましい。
前記キレート剤の添加量は、天然ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.4質量部〜8.0質量部の範囲であることが好ましく、0.5質量部〜3.0質量部の範囲であることが特に好ましい。上記の範囲内であることにより、キレート剤の使用量を無用に増加させることなく、金属イオンの十分な除去効果を得ることができるためである。また、前記キレート剤は、その分散効率の観点から、水溶液として添加することが好ましい。
前記キレート剤を天然ゴムラテックスに添加した後は、確実にキレート錯体を形成させるため、例えば、2時間〜5時間静置することが好ましい。また、前記の静置時間が確保できない場合には、通常の撹拌装置を用い、少なくとも30分間撹拌することが好ましい。
その後、上述の処理を施した天然ゴムラテックス中のゴム成分を凝固させ、例えば、クレーパー処理やクラム化処理等を含む通常の方法による洗浄、及び真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の通常の乾燥機を用いた乾燥を経て、本発明における天然ゴムとすることができる。
上述の通り、本発明の天然ゴムの製造方法は、天然ゴムラテックスにキレート剤を添加し、金属イオンを水相へ移動させることを特徴とする。
上述の通り、本発明の天然ゴムの製造方法は、天然ゴムラテックスにキレート剤を添加し、金属イオンを水相へ移動させることを特徴とする。
本発明のゴム組成物は、本発明の天然ゴムを単独ゴム成分として含有することができ、本発明の天然ゴムと他のゴム成分とを共に含有することもできる。他のゴム成分と併用する場合には、本発明の天然ゴムを、ゴム成分中に少なくとも10質量%含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましい。この量が10質量%未満では、所望の物性を有するゴム組成物が得られないことがある。
前記他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられ、ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、充填剤を含有してもよい。かかる充填剤としては、特に限定されるものではないが、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、クレー、炭酸カルシウム等の通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。前記カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF等の種々のグレードのカーボンブラックを使用することができる。また、前記シリカとしては、特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを使用することができる。このような充填剤は、単独でまたは二つ以上のものを混合して用いることもできる。
更に、本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を含有させることができる。
また更に、本発明のゴム組成物は、タイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業品等の用途にも用いることができる。これらの用途のうちでも、本発明のゴム組成物は、特にタイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばキャップゴム、ベースゴムを含むトレッドゴム、サイドゴム、プライゴム、ビードフィラーゴム等のタイヤのあらゆる構成部材に適用することができる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(天然ゴムの製造)
<天然ゴムの製造例1>
フィールドラテックス(A)を準備し、該フィールドラテックス中のゴム成分100質量部に対して1質量部相当のEDTAを添加し、30分間撹拌した。次いで、ギ酸を添加してpHを4.7に調整し、凝固させた。得られた凝固物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥し、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例1>
フィールドラテックス(A)を準備し、該フィールドラテックス中のゴム成分100質量部に対して1質量部相当のEDTAを添加し、30分間撹拌した。次いで、ギ酸を添加してpHを4.7に調整し、凝固させた。得られた凝固物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥し、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例2>
フィールドラテックス(A)中のゴム成分100質量部に対し、EDTAの代わりにHEDTAを1質量部相当添加したこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
フィールドラテックス(A)中のゴム成分100質量部に対し、EDTAの代わりにHEDTAを1質量部相当添加したこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例3>
フィールドラテックス(A)中のゴム成分100質量部に対し、EDTAの代わりにDTPAを2質量部相当添加したこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
フィールドラテックス(A)中のゴム成分100質量部に対し、EDTAの代わりにDTPAを2質量部相当添加したこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例4>
フィールドラテックス(A)を準備し、特別な処理を加えることなく、ギ酸を添加してpHを4.7に調整して凝固させた。得られた凝固物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥し、試作天然ゴムを製造した。
フィールドラテックス(A)を準備し、特別な処理を加えることなく、ギ酸を添加してpHを4.7に調整して凝固させた。得られた凝固物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥し、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例5>
フィールドラテックス(A)を準備し、特別な処理を加えることなく、ラテックスセパレーターSLP−3000(斉藤遠心機工業製)を用いて回転数7500rpmで15分間の遠心分離することにより濃縮した。次いで、得られた天然ゴムラテックスに対し、ギ酸を添加してpHを4.7に調整し、凝固させた。得られた凝固物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥し、試作天然ゴムを製造した。
フィールドラテックス(A)を準備し、特別な処理を加えることなく、ラテックスセパレーターSLP−3000(斉藤遠心機工業製)を用いて回転数7500rpmで15分間の遠心分離することにより濃縮した。次いで、得られた天然ゴムラテックスに対し、ギ酸を添加してpHを4.7に調整し、凝固させた。得られた凝固物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥し、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例6>
フィールドラテックス(A)中のゴム成分100質量部に対し、EDTAを1質量部添加する代わりに0.3質量部、0.5質量部または3質量部添加したこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
フィールドラテックス(A)中のゴム成分100質量部に対し、EDTAを1質量部添加する代わりに0.3質量部、0.5質量部または3質量部添加したこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例7>
フィールドラテックス(A)の代わりに(B)、(C)または(D)のラテックスを用いたこと以外は製造例4と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
フィールドラテックス(A)の代わりに(B)、(C)または(D)のラテックスを用いたこと以外は製造例4と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
<天然ゴムの製造例8>
フィールドラテックス(A)の代わりに(B)、(C)または(D)のラテックスを用いたこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
フィールドラテックス(A)の代わりに(B)、(C)または(D)のラテックスを用いたこと以外は製造例1と同様にし、試作天然ゴムを製造した。
なお、原料として用いたフィールドラテックス(A)〜(D)の諸物性を、表1に示す。
(天然ゴムの分析)
上記製造例に従って製造した各天然ゴムの高分子量成分を、フィールドフローフラクショネーション装置を用いて測定した。また、前記天然ゴムのMnイオン濃度、Feイオン濃度、及びCuイオン濃度を分析した。なお、これら金属イオン濃度の分析は、ICP発光分光分析法に従い、ICP発光分光分析装置(Varian製、730−ES)を用いて行った。
上記製造例に従って製造した各天然ゴムの高分子量成分を、フィールドフローフラクショネーション装置を用いて測定した。また、前記天然ゴムのMnイオン濃度、Feイオン濃度、及びCuイオン濃度を分析した。なお、これら金属イオン濃度の分析は、ICP発光分光分析法に従い、ICP発光分光分析装置(Varian製、730−ES)を用いて行った。
(ゴム組成物の調製及び加硫)
バンバリーミキサーを使用して、上記製造例に従って製造した天然ゴムとその他の配合剤等とを、表2に示す配合処方で混練り混合し、未加硫のゴム組成物を調製した。このゴム組成物を、145℃、33分間の条件で加硫し、加硫ゴム組成物を得た。該加硫ゴム組成物を用い、以下に示す手法で耐熱老化性及び低発熱性を評価した。
バンバリーミキサーを使用して、上記製造例に従って製造した天然ゴムとその他の配合剤等とを、表2に示す配合処方で混練り混合し、未加硫のゴム組成物を調製した。このゴム組成物を、145℃、33分間の条件で加硫し、加硫ゴム組成物を得た。該加硫ゴム組成物を用い、以下に示す手法で耐熱老化性及び低発熱性を評価した。
<劣化後の引張強さ>
上記加硫ゴム組成物を、100℃、48時間の条件で劣化させた。次に、劣化後の加硫ゴム組成物に対し、JIS K6301−1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定し、[対象とする実施例のTb/比較例1のTb]×100として指数表示した。この指数値が大きいほど、破壊特性及び耐熱老化性が良好であることを示す。
上記加硫ゴム組成物を、100℃、48時間の条件で劣化させた。次に、劣化後の加硫ゴム組成物に対し、JIS K6301−1995に準拠して引張試験を行い、引張強さ(Tb)を測定し、[対象とする実施例のTb/比較例1のTb]×100として指数表示した。この指数値が大きいほど、破壊特性及び耐熱老化性が良好であることを示す。
<低発熱性試験>
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで上記加硫ゴム組成物のtanδを測定し、[対象とする実施例のtanδ/比較例1のtanδ]×100として指数表示した。この指数値が小さいほど、低発熱性及び耐熱老化性が良好であることを示す。
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を用い、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzで上記加硫ゴム組成物のtanδを測定し、[対象とする実施例のtanδ/比較例1のtanδ]×100として指数表示した。この指数値が小さいほど、低発熱性及び耐熱老化性が良好であることを示す。
各天然ゴム中のMn、Fe、Cuイオン濃度及び高分子量成分の分析結果、並びに各加硫ゴム組成物の引張強さ及びtanδの測定結果を表3に示す。
表3の結果から、高分子量成分が10質量%以上である天然ゴムであって、Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、またはFeイオン濃度が25質量ppm以下であり、またはCuイオン濃度が1質量ppm以下である天然ゴムを用いたゴム組成物は、比較例1のゴム組成物と比べて、低発熱性を維持しつつ、耐熱老化性が向上していることがわかる。
Claims (8)
- 高分子量成分が10質量%以上である天然ゴムであって、
Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、または
Feイオン濃度が25質量ppm以下であり、または
Cuイオン濃度が1質量ppm以下である
ことを特徴とする天然ゴム。 - Mnイオン濃度が1質量ppm以下であり、かつ
Feイオン濃度が25質量ppm以下であり、かつ
Cuイオン濃度が1質量ppm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の天然ゴム。 - 天然ゴムラテックスにキレート剤を添加し、金属イオンを水相へ移動させる工程を経て得られる請求項1または2に記載の天然ゴム。
- 請求項1または2に記載の天然ゴムを含有することを特徴とするゴム組成物。
- 請求項4に記載のゴム組成物を用いた構成部材を具えることを特徴とするタイヤ。
- 天然ゴムラテックスにキレート剤を添加し、金属イオンを水相へ移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の天然ゴムの製造方法。
- 前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、シクロへキサンジアミン四酢酸(CDTA)またはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)である、請求項6に記載の天然ゴムの製造方法。
- 前記キレート剤の添加量が、天然ゴムラテックス中のゴム成分100質量部に対して0.5質量部〜3.0質量部の範囲である、請求項6に記載の天然ゴムの製造方法。
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CN103642086A (zh) * | 2013-11-07 | 2014-03-19 | 青岛文创科技有限公司 | 一种氧化普鲁兰多糖-醇溶蛋白改性天然乳胶的方法 |
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