JP2013159617A - 樹脂シート及びその製造方法、この樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シート、並びに、この樹脂シートを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

樹脂シート及びその製造方法、この樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シート、並びに、この樹脂シートを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールのバックシートに積層した際に生じる、シワ、ヘコミ等の外観異常を軽減し、且つ、厚みの均一化による絶縁能を確保できる、密着性に優れた樹脂シート及びその製造方法、この樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シート、並びに、この樹脂シートを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】ショアA硬度が50〜85のエチレン系樹脂からなり、表面にはエンボスが形成された樹脂シートであって、裏面には微細な窪みが形成され、裏面の平均表面粗度が1.5〜10μmであることを特徴とする樹脂シート;この樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シート、及び、この樹脂シートを用いた太陽電池モジュール。
【選択図】なし

Description

本発明は、エンボス加工を施した樹脂シート及びその製造方法、この樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シート、並びに、この樹脂シートを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、クリーンなエネルギーとして太陽光発電が脚光を浴び、太陽電池モジュールの開発が進められている。太陽電池モジュールは、一般に保護ガラス、太陽電池封止用樹脂シート、太陽電池素子、太陽電池封止用樹脂シート及びバックシートをこの順に積層した構成を有する。
太陽電池封止用樹脂シートとしては、エチレン・酢酸ビニル樹脂からなるシートが広く用いられている。例えば特許文献1には、エチレン−不飽和エステル共重合体を含む組成物からなるフィルムを、微細な凹凸形状パターンを有するエンボスロールとエンボスロールに対向配置されたゴム製押圧ロールとの間で圧延することにより、フィルムの一方の面にのみエンボスを転写する工程を含む積層体形成用フィルムの製造方法において、前記エンボスロールのプレス圧が0.1〜0.5MPaであることを特徴とする製造方法が開示されている。
特開2010−269506号公報
太陽電池封止用樹脂シートは、モジュール裏面のバックシートとラミネートされており、長期間の使用に耐えるべく密着性が要求される。本発明者らの検討に拠れば、樹脂シートがバックシートと接する面(樹脂シートの裏面)の状態や形状によっては、十分な密着性が得られず、シワ、ヘコミ等の外観異常が発生し、厚みが不均一になり十分な絶縁能が確保できない場合が有ることが分かった。
すなわち本発明の目的は、バックシートに積層した際に生じるシワ、ヘコミ等の外観異常を軽減し、且つ厚みの均一化による絶縁能を確保できる、密着性に優れた樹脂シート及びその製造方法、この樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シート、並びに、この樹脂シートを用いた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明は、ショアA硬度が50〜85のエチレン系樹脂からなり、表面にはエンボスが形成された樹脂シートであって、裏面には微細な窪みが形成され、裏面の平均表面粗度が1.5〜10μmであることを特徴とする樹脂シートである。
また本発明は、この樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シートである。
また本発明は、ダイから溶融押出されたエチレン・酢酸ビニル樹脂からなる樹脂シートを、凹凸形状パターンを有するエンボスロールと、該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で加圧することにより、前記樹脂シート表面に前記エンボスロールの凹凸形状パターンを転写する工程を含む樹脂シートの製造方法であって、前記バックアップロールとして、表層に無機微粒子を含むゴム製弾性ロールを用いることを特徴とする樹脂シートの製造方法である。
また本発明は、上記の製造方法により製造された樹脂シートであって、表面にはエンボスロールによってエンボスが形成され、該エンボスの深さが0.1mm以上であり、かつ該エンボスの周期が0.1mm〜5mmであり、裏面には表層に無機微粒子を含むゴム製弾性ロールによって微細な窪みが形成され、裏面の平均表面粗度が1.5〜10μmであることを特徴とする樹脂シートである。
また本発明は、上記の樹脂シートの裏面にバックシートが接するように積層された太陽電池モジュールである。
本発明の樹脂シートは密着性に優れており、バックシート等の各種部材と積層した際に生じるシワ、ヘコミ等の外観異常が軽減され、且つ均一な厚みが得られ、例えば絶縁能を十分に確保できる。この樹脂シートは、とりわけ太陽電池封止材の用途に好適である。
(成形)
本発明の樹脂シートは、表面にはエンボスが形成され、裏面には微細な窪みが形成されたシートである。このような樹脂シートは、公知の成形方法で得ることが出来る。成形方法としては、例えば、押出成形法、カレンダ成形法がある。
押出成形法は、例えば、ダイから押出された溶融樹脂からなる樹脂シートを、凹凸形状パターンを有するエンボスロールとこのエンボスロールに対向配置されたゴム製弾性ロール等のバックアップロールとの間で加圧することにより、表面側にエンボスパターン(凹凸形状パターン)を転写する方法である。本発明においては、表面側はエンボスロールにより押圧されてエンボスパターンが転写され、裏面側は微細な窪みを形成可能なバックアップロールに接触し押圧されて、微細な窪みが形成される。
カレンダ成形法は、例えば、溶融ないし軟化状態の樹脂を複数のロールで挟み込むことで混錬および圧延を行い、シート状に成形する方法である。本発明においては、表面側に接するロールの一部をエンボスロールとすることにより、樹脂シートの表面にエンボス加工が施され、また裏面側に接するロールの一部を微細な窪みを形成可能なロールとすることにより、樹脂シートの裏面に微細な窪みが形成される。
(バックアップロール)
バックアップロールは、エンボスロールが樹脂シートの表面側にエンボスパターンを転写するに際し、樹脂シートをエンボスロールに押し付ける作用を有する。バックアップロールとしては、ゴム製弾性ロールが好適である。またバックアップロールとしては、樹脂シートの裏面に微細な窪みを形成する為に、例えばロール表層(ゴムからなる弾性層)に無機微粒子等の微粒子を含む。これにより、樹脂シートの裏面に微粒子のサイズに応じた微小な窪みを形成できる。
ゴム製弾性ロールとは、一般にロール芯の周りにゴム層を貼付けたロールであり、ロール表面はゴム層となっている。ゴム層に微粒子を含ませる場合、ロール表面の算術平均粗さRaは、好ましくは1〜10μm、より好ましくは1〜8μm、特に好ましくは3〜7μmである。
微粒子としては、平均粒径もしくは凝集粒子径が1〜20μmのものであれば良い。無機微粒子、有機低分子微粒子、有機高分子微粒子の何れも使用可能である。微粒子の好ましい例としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、水ガラス、シルセスキオキサン、ガラスビーズ、タルク、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ジルコニア、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイソウ土、ゼオライト、ムライト、硫酸バリウム、ウレタンビーズが挙げられる。これらは単独でも用いても良いし、複数種を組み合わせて用いることも可能である。中でも、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、タルク、硫酸バリウムが特に好ましい。
(エンボスロール)
エンボスロールは、ロール表面にエンボスパターン(凹凸形状パターン)を有する。凹凸形状パターンに特に制限はなく、樹脂シートの表面に形成するエンボスパターンに応じた形状にすれば良い。例えば、エンボスロール表面に、所望形状の凸部を、所望間隔をあけて配置しても良い。凸部の形状としては、例えば、ドーム状、半ドーム状、錘状(円錐状、多角錘状等)、ストライプ状、波状、メッシュ状、格子状がある。また、エンボスロール表面に、所望形状の凹部を、所望間隔をあけて配置しても良い。凹部の形状としては、例えば、逆ドーム、逆錘状(逆円錐状、逆多角錘状等)、ストライプ状、波状、メッシュ状、格子状がある。
エンボスロールの表面は、例えば、研磨剤を用いてサンドブラスト処理する。サンドブラスト処理には、好ましくはF180〜F80、より好ましくはF150〜F90の番手の研磨剤を用いる。番手がF180〜F80の研磨剤を用いることにより、平均表面粗度が適度となり、樹脂シートに押圧される際に間の空気が抜け易く、シート表面にエンボスパターンを正確に転写できる。
エンボスロールの表面は、サンドブラスト処理後にメッキ処理することが、耐久性の点から好ましい。
(樹脂)
本発明の樹脂シートは、エチレン系樹脂からなる。エチレン系樹脂のショアA硬度は50〜85であり、、好ましくは60〜80である。ショアA硬度は、エンボスの無いシートを試料として用い、ASTM D2240に準拠して測定する。
エチレン系樹脂としては、エチレンと他の単量体とを共重合して得られるエチレン共重合体が好ましい。エチレン共重合体のエチレン単位含有量は、好ましくは60〜85質量%、より好ましくは65〜85質量%であり、他の単量体単位含有量は、好ましくは15〜40質量%、より好ましくは15〜35質量%である。
また成形性、機械的強度を考慮すると、エチレン系樹脂の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)は、好ましくは0.5〜150g/10分、より好ましくは1〜100g/10分である。
以上のようなエチレン含量及びメルトフローレートのエチレン系樹脂を使用すると、柔軟性、透明性、成形性、耐プロッキング性、太陽電池素子保護性に優れた樹脂シートを得ることができる。
エチレン系樹脂としては、特に、エチレンと極性モノマーの共重合体、及び、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体から選ばれる一種又は二種以上のエチレン共重合体が好ましい。極性モノマーの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸オクチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びこれら不飽和カルボン酸の塩;一酸化炭素;二酸化硫黄が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用できる。また、不飽和カルボン酸の塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の1価金属;マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の多価金属の塩が挙げられる。炭素数3以上のα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンが挙げられる。
エチレン共重合体の好適な例としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体;エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・アクリル酸n−ブチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸イソブチル・メタクリル酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及びそのアイオノマー;エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び4−メチル−1−ペンテンから選ばれるα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
中でも、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び4−メチル−1−ペンテンから選ばれるα−オレフィンとの共重合体がより好ましく、易入手性、成形性、透明性、柔軟性、接着性、耐候性等の太陽電池封止材の要求物性に対する適合性の点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は21〜40質量%であることが好ましく、かつ有機過酸化物を含有することが好ましい。樹脂シート内に有機過酸化物を含有することにより、エチレン共重合体を架橋することができる。このエチレン共重合体を架橋することにより、樹脂シートの耐熱性や耐候性が良好となり、長期屋外暴露においてもクリープが発生し難くなる。
有機過酸化物としては、半減期が10時間以下であり、かつ分解温度が105℃以下であるものが好ましい。また安全性の面から、最高保存温度が10℃以上であるものが好ましい。このような有機過酸化物の具体例としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーフタレート、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−ジ(ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドが挙げられる。中でも、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキセン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルーパーオキシベンゾエートが好ましい。
有機過酸化物の好適な配合量は、有機過酸化物の種類によっても異なるが、エチレン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜2質量部である。
(樹脂シート)
本発明の樹脂シートは、表面にはエンボスが形成され、裏面には微細な窪みが形成されている。
樹脂シートの表面に形成されたエンボスの深さは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上である。また、任意の一方向(例えばTD方向)におけるエンボスの周期は、好ましくは0.1mm〜5mmである。
樹脂シートの表面に形成されたエンボスの形状やパターンは特に限定されない。例えば、凹凸形状における凸部を、円形状、半円形状、多角形状として所要間隔を空けて設け、又は凸部をストライプ状、メッシュ状として設けることができる。
樹脂シートの裏面には微細な窪みが形成され、その平均表面粗度は1.5〜10μmであり、好ましくは2〜7μmである。この平均表面粗度は、JIS B 0601に準じて測定した算術平均粗さ値である。
この裏面の微細な窪みは、好ましくはバックアップロールの表層に含まれる無機微粒子によって形成される。微細な窪みの周期はおおよそ10μm間隔以上である。
樹脂シートの裏面は、通常、表面にエンボスを形状する際の加圧によって裏面も変形し、波形の凹凸形状になっている。この波形の凹凸形状の周期は、表面のエンボスの周期と略同一(好ましくは0.1mm〜5mm)である。また、表面と同様のエンボス形状を有する場合もある。裏面のエンボス形状は、通常は深さ1〜500μm、凸部頂点の間隔が100〜5000μm程度である。この凸部の頂点は、表面粗度が1.5〜10μmとなっている。表面粗度がこの範囲にあることで、ラミネート工程においてバックシートと積層した際に生じる、シワ、ヘコミ等の外観異常を軽減し、且つ厚みの均一化による絶縁能を確保できる。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の樹脂シートの裏面にバックシートが接するように積層されたものである。すなわち、この樹脂シートを太陽電池封止材として用いたことを特徴とする太陽電池モジュールである。この太陽電池モジュールは、例えば、保護部材(保護ガラス等)、樹脂シート、太陽電池セル、樹脂シート及びバックシートをこの順に積層した構成を有する。このような太陽電池モジュールは、例えば加圧、加熱下にて各部材を真空ラミネートすることにより製造できる。その際の樹脂シートの表面側(エンボス側)は太陽電池セルと接し、裏面側(微細窪み側)はバックシートや保護部材(保護ガラス等)と接するように積層すれば良い。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下の記載において「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
<実施例1>
エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量=28%、190℃、2160g荷重でのMFR=20g/10分、Mw/Mn=2.19)100部に、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1部と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート0.2部と、トリアリルイソシアヌレート0.4部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部とを配合して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をTダイ付押出機にて押し出し、1.4mm間隔でダイヤ形状のエンボス形成したエンボスロールと、シリコンラバー層に約50μm未満の粒子径を持つアルミナ粒子を含有させた層を表層に有するバックアップロールとで加圧してエンボスを施したシートとし、厚さ約600μmのエンボス付樹脂シートを成形した。このときのバックアップロールの平均表面粗度は4.7μmであり、得られた樹脂シート裏面の平均表面粗度は2.4μm、ショアA硬度は82、表面のエンボスの深さは0.43mm、エンボスの周期は1.4mmであった。
得られた樹脂シートを用いて、ガラス、樹脂シート、太陽電池セル、樹脂シート、バックシートをこの順に積層し、真空ラミネーターを用いて150℃真空3分、加圧10分の条件にてラミネートして、太陽電池モジュールを作製した。このとき、樹脂シートの表面エンボス側は太陽電池セル側として、裏面側は各々、ガラス側、バックシート側とした。得られた太陽電池モジュールの外観を目視にて観察したところ、シワ、ヘコミ等無く、全く外観異常の無い太陽電池モジュールであった。
<比較例1>
バックアップロールのシリコンラバー層として、約10μm未満の粒子径を持つアルミナ粒子を含有させたシリコンラバー層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂シートを得た。このときのバックアップロールの平均表面粗度は2.1μmであり、得られた樹脂シート裏面の平均表面粗度は1.1μmであった。
得られた樹脂シートを用いて、実施例1と同じ条件でラミネートして太陽電池モジュールを作製しようとしたところ、局所的に長いシワと100mm径程度のヘコミが確認された。さらに、使用した樹脂シートの裏面側とバックシートとを重ね合わせて100℃に5分加熱したところ、局所的に融着が認められ、その融着部から発生した樹脂シートとバックシートの収縮率の違いによるシワ様の変形も認められた。
このように、バックシート側に接する面の表面粗度が低い場合、ラミネート工程中の100℃程度の低温において融着が起きることによるシワ、ヘコミ等に繋がる不具合が発生し易くなる。

Claims (9)

  1. ショアA硬度が50〜85のエチレン系樹脂からなり、表面にはエンボスが形成された樹脂シートであって、
    裏面には微細な窪みが形成され、裏面の平均表面粗度が1.5〜10μmであることを特徴とする樹脂シート。
  2. 表面に形成されたエンボスの深さが0.1mm以上であり、かつ該エンボスの周期が0.1mm〜5mmである請求項1記載の樹脂シート。
  3. エチレン系樹脂が、エチレン・酢酸ビニル共重合体である請求項1又は2記載の樹脂シート。
  4. エチレン・酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量が21〜40質量%であり、かつ有機過酸化物を含有する請求項3記載の樹脂シート。
  5. 裏面には、表面のエンボスと略同一の周期で形成された波形の凹凸形状を有し、かつ該波形状の凸部付近における平均表面粗度が1.5〜10μmである請求項1〜4の何れか一項記載の樹脂シート。
  6. 請求項1〜5の何れか一項記載の樹脂シートからなる太陽電池封止用樹脂シート。
  7. ダイから溶融押出されたエチレン・酢酸ビニル樹脂からなる樹脂シートを、凹凸形状パターンを有するエンボスロールと、該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で加圧することにより、前記樹脂シート表面に前記エンボスロールの凹凸形状パターンを転写する工程を含む樹脂シートの製造方法であって、
    前記バックアップロールとして、表層に無機微粒子を含むゴム製弾性ロールを用いることを特徴とする樹脂シートの製造方法。
  8. 請求項7記載の製造方法により製造された樹脂シートであって、
    表面にはエンボスロールによってエンボスが形成され、該エンボスの深さが0.1mm以上であり、かつエンボスの周期が0.1mm〜5mmであり、
    裏面には表層に無機微粒子を含むゴム製弾性ロールによって微細な窪みが形成され、裏面の平均表面粗度が1.5〜10μmであることを特徴とする樹脂シート。
  9. 請求項6又は8記載の樹脂シートの裏面にバックシートが接するように積層された太陽電池モジュール。
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