JP5152934B2 - 樹脂封止シート及び太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂封止シート及びそれを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、世界的な温暖化現象により、環境に対する意識が高まり、炭酸ガス等の温暖化ガスを発生しない新しいエネルギーシステムが関心を集めている。太陽電池発電によるエネルギーは炭酸ガス等を発生しない。そのためクリーンなエネルギーとして注目されており、産業用及び家庭用エネルギーとして研究開発が行われている。
太陽電池の代表例としては、単結晶、多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたものや、アモルファスシリコン、化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が挙げられる。太陽電池は、長期間、屋外で風雨に曝されて使用されることが多く、発電部分をガラス板やバックシート等を貼り合わせてモジュール化し、外部からの水分の侵入を防止することにより、発電部分の保護や漏電防止等を図っている。
発電部分を保護する部材としては、発電に必要な光透過を確保するため、光入射側の部材には、透明ガラスや透明樹脂を使用している。反対側(裏側)の部材には、バックシートと呼ばれるアルミ箔、フッ化ポリビニル樹脂(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やシリカ等のバリアーコート加工がされた積層シートが使用されている。そして、発電素子を樹脂封止シートで挟み込み、ガラスやバックシートでさらに外部を被覆して熱処理を施すことにより樹脂封止シートを溶融し、全体を一体化封止(モジュール化)している。
上述した樹脂封止シートは、次の(1)〜(3)が特性として要求される。すなわち、(1)ガラス、発電素子、バックシートとの良好な接着性、(2)高温状態における樹脂封止シートの溶融に起因する発電素子の流動防止性(耐クリープ性)、(3)太陽光の入射を阻害しない透明性である。
このような観点から、樹脂封止シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に、紫外線劣化対策として紫外線吸収剤、ガラスとの接着性向上のためのカップリング剤、架橋させるための有機過酸化物等の添加剤を配合し、カレンダー成形やTダイキャストにより製膜されている。また、長期に亘って太陽光に曝されることに鑑み、樹脂の劣化による光学特性の低下の防止を図るため耐光剤等の各種添加剤が配合されている。
上述したような樹脂封止シートにより太陽電池をモジュール化する方法として、専用の太陽電池真空ラミネーターを用いる方法が挙げられる。具体的には、ガラス/樹脂封止シート/結晶系シリコンセル等の発電素子/樹脂封止シート/バックシートの順で重ね合わせ、樹脂の溶融温度以上(EVAの場合は150℃程度の温度条件)で余熱する工程とプレス工程を経て、樹脂封止シートを溶融させて貼り合わせる方法が挙げられる。
上記方法では、先ず、余熱工程で樹脂封止シートの樹脂が溶融し、プレス工程で溶融樹脂に接している部材が、溶融樹脂と密着して真空ラミネートされる。このラミネート工程では、(i)樹脂封止シートに含有されている架橋剤(例えば、有機過酸化物等)が熱分解し、EVAの架橋が促進された後、(ii)樹脂封止シートに含有しているカップリング剤が接触している部材と共有結合する。これにより、互いの接着性がより向上し、高温状態における樹脂封止シートの溶融に起因する発電部分の流動が防止され(耐クリープ性)、ガラス、発電素子及びバックシートの優れた接着性が実現される。
特許文献1には、カップリング剤及び有機過酸化物を含有するエチレン系共重合体樹脂からなる太陽電池用充填接着材シートが開示されている。特許文献2には、架橋剤及びシランカップリング剤を配合したエチレンビニルアセテート共重合体からなるシートであって、一定のゲル分率まで放射線架橋させたことを特徴とする太陽電池封止用シートが開示されている。
特開昭58−060579号公報 特開平8−283696号公報
しかしながら、近年、太陽電池モジュールの電力の高出力化の要望から、結晶系シリコンセル等の発電素子を結線するタブ線等の金属結線の厚肉化による電力損失の少ないモジュールの要請に対応する観点から、樹脂封止シートによる凹凸の大きい発電素子の隙間埋め性に関して未だ改善の余地がある。従来、上記した耐クリープ性を向上させるために樹脂封止シートをゲル化させること等が行われているが、ゲル化が進むと太陽電池をモジュール化するときに熱流動性が悪くなることやモジュール後にゲル化に伴う分解ガスが発生するという問題が生じる。そのため、十分な隙間埋め性が得られない場合がある。かかる問題は、厚い金属結線で繋がれた凹凸の大きい発電素子を有する太陽電池の場合に顕著となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、隙間埋め性と耐クリープ性に優れる樹脂封止シートを提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、150℃の温度下でシートを吊下げた際の収縮率が0〜40%とし、かつ、ゲル分率が0.1〜2質量%の架橋処理を施すことで、隙間埋め性と耐クリープ性に優れる樹脂封止シートとできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
150℃の温度下でシートを吊下げた際の収縮率が0〜40%で、かつ、ゲル分率が0.1〜2質量%である架橋処理が施された樹脂封止シート。
〔2〕
前記架橋処理が電離性放射線照射による〔1〕に記載の樹脂封止シート。
〔3〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体けん化物、及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
〔4〕
融点が100℃以下である樹脂を含む〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
〔5〕
多層構造である〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
〔6〕
透光性絶縁基板と、
前記透光性絶縁基板と対向して配置される裏面絶縁基板と、
前記透光性絶縁基板と前記裏面絶縁基板との間に配置される発電素子と、
前記発電素子を封止する、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の樹脂封止シートと、
を備える太陽電池モジュール。
本発明によれば、隙間埋め性と耐クリープ性に優れた樹脂封止シートを提供できる。
本実施の形態の太陽電池モジュールの一態様の断面概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<樹脂封止シート>
本実施の形態の樹脂封止シートは、150℃の温度下でシートを吊下げた際の収縮率が0〜40%であり、ゲル分率が0.1〜2質量%の架橋処理が施されている。
150℃の温度下でシートを吊下げた際の収縮率(以下、吊下げ収縮率という場合がある。)の下限値は0%以上であればよく、好ましくは1%以上である。上限値は40%以下であればよく、好ましくは35%以下である。吊下げ収縮率は、後述する実施例に記載された方法によって測定できる。吊下げ収縮率は、耐クリープ性の観点から0%以上、発電素子の位置ずれを防止する観点から40%以下である。
本実施の形態の樹脂封止シートは、ゲル分率が0.1〜2質量%の架橋処理が施されている。ゲル分率の下限値は耐クリープ性の観点から0.1質量%以上であればよく、好ましくは0.2質量%以上である。上限値は隙間埋め性、特に厚い金属結線で繋がれた凹凸の大きい発電素子の隙間を埋めるという観点から、2質量%以下であればよく、好ましくは1.5質量%以下である。本実施の形態において「架橋処理」とは、樹脂を構成する高分子の少なくとも一部が物理的又は化学的に架橋されている状態をいう。樹脂封止シートが後述する単層構造又は多層構造のいずれの構造を有する場合であっても、特に断りがない限り、ゲル分率は、樹脂封止シート全体の平均のゲル分率(全層ゲル分率)の値を意味する。ゲル分率は、後述する実施例に記載された方法により測定できる。
150℃の吊下げ収縮率及びゲル分率を上記範囲とすることにより、発電素子や配線等の被封止物の段差を隙間なく封止する性能(隙間埋め性)と耐クリープ性に優れた樹脂封止シートとすることができる。
架橋処理は電離性放射線照射により行われていることが好ましい。架橋処理のために有機過酸化物を用いる必要がないため、熱キュア工程が不要であり、有機過酸化物の熱分解等によるガス発生が少なく、真空ポンプ等の腐食ダメージやオイルの汚れ等も抑制できる。電離性放射線の照射強度(加速電圧)と照射密度によって、シート厚さ方向のゲル分率を適度に制御することができる。照射強度(加速電圧)はシートの厚さ方向にどれだけ深く電子を届かせるかを示すものであり、照射密度は単位面積当たりどれだけ多くの電子を照射するかを示すものである。電離性放射線としては、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等が挙げられる。電子線等の電離性放射線の加速電圧は、架橋処理を施す樹脂に応じて適宜調節が可能であり、電離性放射線の照射線量は使用される樹脂によって異なるが、樹脂封止シート全体を均一に架橋するという観点から、一般的に3kGy以上が好ましい。
樹脂封止シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体けん化物、及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。これらの中でも、全光線透過率が高く太陽光線の透過性が良好である観点から、ポリオレフィン系樹脂であることがより好ましい。
樹脂封止シートは、融点が100℃以下である樹脂を含むことが好ましい。より好ましい融点は80℃以下であり、さらに好ましくは75℃以下である。これにより、十分な熱流動性を樹脂封止シートに付与することができる。複数の樹脂を含む樹脂組成物を用いて得られる樹脂封止シートである場合、樹脂組成物全体の融点が100℃以下であることがよりさらに好ましい。融点は、後述する実施例に記載の方法によって測定できる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体とは、エチレンモノマーと、酢酸ビニルとの共重合により得られる共重合体を示す。エチレン−酢酸ビニル共重合体を構成する全モノマー中における酢酸ビニルの割合は、光学特性、接着性、及び柔軟性の観点から、10〜40質量%であることが好ましく、13〜35質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましい。JIS−K−7210に準拠して測定されるメルトフローレート(190℃、2.16kg;以下、「MFR」という。)は、樹脂封止シートの加工性の観点から、0.3〜30g/10分であることが好ましく、0.5〜30g/10分であることがより好ましく、0.8〜25g/10分であることがさらに好ましい。ここで、MFRは後述する測定方法により測定される。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体とは、エチレンモノマーと、脂肪族不飽和カルボン酸から選択される少なくとも1種のモノマーとの共重合により得られる共重合体を示す。脂肪族不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。共重合体は、3成分以上のモノマーを共重合してなる多元共重合体であってもよい。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体は、共重合体を構成する全モノマー中の脂肪族不飽和カルボン酸の割合が、3〜35質量%であることが好ましい。MFR(190℃、2.16kg)は、0.5〜30g/10分であることが好ましく、0.5〜30g/10分であることがより好ましく、0.8〜25g/10分であることがさらに好ましい。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体とは、エチレンモノマーと、脂肪族不飽和カルボン酸エステルから選択される少なくとも1種のモノマーとの共重合により得られる共重合体を示す。脂肪族不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸と、メタノール、エタノール等の炭素数1〜8のアルコールとのエステル等が挙げられる。共重合体は、3成分以上のモノマーを共重合してなる多元共重合体であってもよい。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体を構成する全モノマー中の脂肪族不飽和カルボン酸エステルの割合は、3〜35質量%であることが好ましい。MFR(190℃、2.16kg)は、0.5〜30g/10分であることが好ましく、0.8〜30g/10分であることがより好ましく、1〜25g/10分であることがさらに好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全けん化物が挙げられる。エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体けん化物としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の部分あるいは完全けん化物が挙げられる。
これらのけん化物中の水酸基の割合は、樹脂封止シートを構成する樹脂中において、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.1〜7質量%であることがさらに好ましい。水酸基の割合を上記範囲とすることにより、接着性及び相溶性が良好となり、得られる樹脂封止シートの白濁化のリスクをより低減することができる。
水酸基の割合は、けん化物の元のオレフィン系重合体樹脂と、この樹脂のVA%(NMR測定による酢酸ビニル共重合比)と、そのけん化度と、樹脂中における配合割合とから算出することができる。
けん化前のエチレン−酢酸ビニル共重合体あるいはエチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体中の酢酸ビニルの含有量は、光学特性、接着性、及び柔軟性の観点から、10〜40質量%であることが好ましく、13〜35質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましい。各けん化物のけん化度は、透明性及び接着性の観点から、10〜70%であることが好ましく、15〜65%であることがより好ましく、20〜65%であることがさらに好ましい。
けん化法としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のペレットや粉末を、メタノール等の低級アルコール中でアルカリ触媒を用いてけん化する方法;トルエン、キシレン、ヘキサン等の有機溶媒に共重合体を予め溶解させた後、少量のアルコールとアルカリ触媒を用いてけん化する方法等が挙げられる。また、けん化した共重合体に水酸基以外の官能基を含有するモノマーをグラフト重合してもよい。
上記けん化物は、側鎖に水酸基を有しているため、けん化前の共重合体と比較して接着性をさらに向上させることができる。けん化度を調整することにより、透明性や接着性等も制御することができる。
上記した各共重合体の共重合は、共重合体を構成するモノマーの種類等に応じて、高圧法、溶融法等の公知の方法により行うことができ、重合反応の触媒としてマルチサイト触媒やシングルサイト触媒等を用いることができる。また、上記共重合体において、各モノマーの結合形状は特に限定されず、ランダム結合、ブロック結合等の結合形状を有するポリマーを使用することができる。なお、光学特性の観点から、上記共重合体としては、高圧法を用いてランダム結合により重合した共重合体が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、腐食性及び水蒸気バリア性の観点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、及びポリブテン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、コストの観点から、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。ここでポリエチレン系樹脂とは、エチレンの単独重合体又はエチレンと他の1種若しくは2種以上のモノマーとの共重合体を示す。また、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他の1種若しくは2種以上のモノマーとの共重合体を示す。ポリブテン系樹脂とは、ブテンの単独重合体又はブテンと他の1種若しくは2種以上のモノマーとの共重合体を示す。
樹脂封止シートは、密度が0.88〜0.91g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を含有することが好ましい。密度が0.91g/cm3以下のポリエチレン系樹脂を用いることで、熱ラミネート時の隙間埋め性、及び透明性(特に全光線透過率)を大幅に向上できる。密度の下限値は、ヘイズ値が高くなるような拡散光透過率の割合を向上させる観点から、0.88g/cm3以上であることが好ましく、0.89g/cm3以上であることがより好ましい。透明性をより一層改善する観点から、密度0.88〜0.91g/cm3となるように、低密度のポリエチレン系樹脂に対して、高密度のポリエチレン系樹脂等の異なる種類の樹脂を併用することがさらに好ましい。より具体的には、低密度ポリエチレン系樹脂に対して、高密度ポリエチレン系樹脂を1〜50質量%程度の割合で添加することがより好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、線状低密度ポリエチレンであることがより好ましい。線状低密度ポリエチレンを用いることで、極性をさらに抑えることができ、優れた絶縁性も得ることができる。更に、水蒸気バリア性に優れ、高温高湿下であっても被封止物を確実に封止することができる。特に、架橋処理を施した場合、これらの利点はより顕著になる。
線状低密度ポリエチレンは、樹脂封止シートの加工性や熱ラミネート適性の観点から、融点は110℃以下であることが好ましく、加えてMFR(190℃、2.16kg)が0.5〜30g/10分であることがさらに好ましく、0.8〜30g/10分であることがよりさらに好ましく、1.0〜25g/10分であることがより一層好ましい。
線状低密度ポリエチレンは、シングルサイト系触媒、マルチサイト系触媒等の公知の触媒を用いて重合することができるが、低分子成分の含有量を抑えることができ、低密度の樹脂を効率よく合成できる観点等から、シングルサイト系触媒を用いて重合することが好ましい。シングルサイト系触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、シクロペンタセン環を有する金属錯体等が挙げられる。これらは、市販品を用いることもできる。
本実施の形態の樹脂封止シートは、有機過酸化物を実質的に含有しないことが好ましい。これによりシート製造時における温度の制約を受けないため、シートの製膜時や、後述するエンボス加工時等におけるシート温度を高温にすることができる。その結果、製膜速度やエンボス加工速度等を向上させることができ、生産性に優れる。ここで、有機過酸化物とは、本実施の形態の樹脂封止シートに用いられる樹脂を化学架橋できるものをいい、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。
樹脂封止シートは、電離性放射線崩壊型樹脂をさらに含んでいてもよい。電離性放射線崩壊型樹脂とは、α線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を照射することにより崩壊する性質を有する樹脂をいう。
電離性放射線崩壊型樹脂としては、例えば、主鎖のC−C結合のα位に官能基が結合した崩壊型樹脂が挙げられる。官能基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいアミド基、及び置換されていてもよいアリール基からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
ここで、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、アミド基、及びアリール基は、置換可能な位置に、1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。かかる置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)等が挙げられる。
電離性放射線崩壊型樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリα−メチルスチレン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメチルグリシジルメタクリレート、及びセルロースからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
樹脂封止シートを構成する樹脂中には、架橋性を有する部位と崩壊性を有する部位の両方を有する電離性放射線架橋崩壊型樹脂が含まれていてもよい。そのような樹脂としては、グリシジルメタクリレートを含むエチレン共重合体、ポリプロピレンを含むエチレン共重合体、メチルメタクリレートを含むエチレン共重合体、グリシジルメタクリレートを含むエチレン共重合体、イソプレンゴムを含むエチレン共重合体、ブタジエンゴムを含むエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴムを含むエチレン共重合体等が挙げられる。
グリシジルメタクリレートを含むエチレン共重合体とは、反応サイトとしてエポキシ基を有するグリシジルメタクリレートとのエチレンコポリマー及びエチレンターポリマー等を示し、多元共重合体であってもよい。例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。これらは、グリシジルメタクリレートの反応性が高いため安定した接着性を発揮でき、ガラス転移温度が低く柔軟性が良好となる傾向にある。
本実施の形態の樹脂封止シートは、単層構造、多層構造のいずれの構造であってもよい。以下、各構造について説明する。ここで、樹脂封止シートが多層構造である場合、樹脂封止シートの表面の層を「表面層」といい、それ以外を「内層」(3層以上の場合)という。即ち、樹脂封止シートの両表面を形成する2層が「表面層」である。例えば、2層からなる多層構造の場合は、2つの表面層から構成される構造となるが、一方の表面層と、他方の表面層が同じ成分であってもよいし、異なる成分であってもよい。
[単層構造]
樹脂封止シートが単層構造を有する場合、良好な透明性、柔軟性、被接着物の接着性や取扱い性を確保する観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体けん化物、及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上を含む層であることが好ましい。
[多層構造]
本実施の形態の樹脂封止シートは多層構造であることが好ましい。多層構造とすることにより、層(樹脂層)ごとに異なる機能を付与することで樹脂封止シートの物性を向上させることができる。樹脂封止シートが多層構造である場合、シート全体の吊下げ収縮率が0〜35%であり、かつ、シート全体のゲル分率が0.1〜2質量%であればよい。
本実施の形態の樹脂封止シートでは、接着性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体けん化物、及びエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体けん化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する樹脂層が、被封止物と接触する層(表面層の少なくとも1層)として形成されていることが好ましい。
表面層としては、上述したけん化物のみからなる層でもよいが、良好な透明性、柔軟性、被接着物の接着性や取扱い性を確保する観点から、けん化物と、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、及びポリオレフィン系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂との混合樹脂からなる層であることが好ましい。これらの樹脂は、上述したものを用いることができる。例えば、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体としては、上記したエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体を用いることができ、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては、上記したポリオレフィン系樹脂を用いることができ、具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂等が挙げられる。
表面層中における接着性樹脂の含有量は、特に限定されないが、接着性の観点から、5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜35質量%がさらに好ましい。
樹脂封止シートが多層構造を有する場合、電離性放射線崩壊型樹脂は、被封止物と接触する層(表面層の少なくとも1層)に含まれていることが好ましい。樹脂封止シートの被封止物と接触する層に電離性放射線崩壊型樹脂が含まれていると、発電素子や配線等の段差を隙間なく封止する性能(隙間埋め性)が良好となる傾向にある。
電離性放射線崩壊型樹脂が被封止物と接触する層に含まれている場合、被封止物と接触する層中の電離性放射線崩壊型樹脂の含有量は、5〜80質量%が好ましく、7〜70質量%がより好ましく、8〜60質量%がさらに好ましい。
被封止物と接触する層が電離性放射線崩壊型樹脂を含む場合、被封止物と接触する層(表面層)のゲル分率は、好ましくは3質量%未満、より好ましくは0.1質量%以上2質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。被封止物と接触する層のゲル分率が3質量%未満であると、隙間埋め性が良好となる傾向にあり、0.1質量%以上であると、夏場等の高温状態においても樹脂が融解して被封止物が流動することなく安定する傾向にある。
被封止物と接触する表面層の密度は、ブロッキングの観点より、0.87g/cm3以上であることが好ましく、クッション性、透明性の観点より0.96g/cm3以下であることが好ましい。ブロッキング防止の方法として公知のエンボス方法にて表面の接触面積を少なくすることも効果的である。被封止物と接触する表面層の層比率は、良好な接着性を確保する観点から、樹脂封止シートの全厚に対し、少なくとも5%以上の厚さを有していることが好ましい。厚さが5%以上であると、上述した単層構造の場合と同等の接着性が得られる傾向にある。
内層を構成する樹脂としては、特に限定されず、上述した表面層に好適に用いられる樹脂に加えて、他のいかなる樹脂を用いてもよい。内層には、他の機能を付与することを目的として、樹脂材料、混合物、添加物等を適宜選定できる。例えば、新たにクッション性を付与する目的として、内層として熱可塑性樹脂を含有する層を設けてもよい。
内層として用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩素系エチレンポリマー系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられ、生分解性を有するものや植物由来原料系のもの等も含まれる。上記の中でも、結晶性ポリプロピレン系樹脂との相溶性がよく、透明性が良好な水素添加ブロック共重合体樹脂、プロピレン系共重合樹脂、エチレン系共重合体樹脂が好ましく、水素添加ブロック共重合体樹脂及びプロピレン系共重合樹脂がより好ましい。
水素添加ブロック共重合体樹脂としては、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体が好ましい。ビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。共役ジエンとは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
プロピレン系共重合体樹脂としては、プロピレンとエチレン又は炭素原子数4〜20のα−オレフィンとから得られる共重合体が好ましい。そのエチレン又は炭素原子数4〜20のα−オレフィンの含有量は6〜30質量%が好ましい。この炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコサン等が挙げられる。
プロピレン系共重合体樹脂は、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒を用いて重合されたものでもよい。さらにポリマーの結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したプロピレン系共重合体も使用できる。
エチレン系共重合体樹脂は、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒で重合されたものでもよい。また、ポリマーの結晶/非晶構造(モルフォロジ−)をナノオーダーで制御したエチレン系共重合体を使用できる。
内層の材料としてポリエチレン系樹脂を用いる場合、ポリエチレン系樹脂の密度は、0.88〜0.91g/cm3であることが好ましい。全光線透過率の高い透明性の観点から、0.91g/cm3以下であることが好ましく、ヘイズ値や拡散光透過率の割合の高い観点から、0.88g/cm3以上が好ましい。
また、樹脂封止シートは、中央層(多層構造の中央に位置する層)の両面に、中央層に対して対称の配置となるように同一成分の層が1又は2以上積層された構造を有していてもよい。このような樹脂封止シートとしては、例えば、2層の表面層(以下、「スキン層」と記載する場合がある。)と3層の内層からなる樹脂封止シートであって、2層の表面層が同一成分からなり、表面層に隣接する2層の内層(以下、「ベース層」と記載する場合がある。)が同一成分からなる樹脂封止シートが挙げられる。
上記構造を有する樹脂封止シートにおいて、表面層の膜厚は、樹脂封止シート全体の膜厚に対して5〜40%であることが好ましく、ベース層の膜厚は、樹脂封止シート全体の膜厚に対して50〜90%であることが好ましく、ベース層に挟まれた内層(以下、「コア層」と記載する場合がある。)の膜厚は、樹脂封止シート全体の膜厚に対して5〜40%であることが好ましい。
本実施の形態の樹脂封止シートは、表面の少なくとも一部にエンボス加工が施されていることが好ましい。エンボス加工を施すことで、ブロッキングを防止できる(耐ブロッキング性)。エンボス加工を行う方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることもできる。例えば、軟質化した樹脂シートの表面にエンボスロールを押圧することでエンボス形状を賦形することができる。エンボスの転写精度の観点から、樹脂をシート状に製膜した後一旦冷却固化させ、前記冷却固化した樹脂シートを加熱して軟質化した後、エンボス加工を施すことがより好ましい。ここで「軟質化」(「軟化」と呼ばれるときもある。)とは、エンボスロールを押し付けて賦形できる状態のことをいい、通常、樹脂の融点よりも10℃程度高い温度で加熱されることで軟質化できる。
エンボスの形状や大きさ等は特に限定されず、樹脂封止シートの用途等に基づいて好適な条件を選択できる。エンボスの形状(模様)としては特に限定されないが、例えば、縞、布目、梨地、皮紋、ダイヤ格子、合成皮革様、しぼ模様、四角錘形状(いわゆるピラミッド模様)、四角錘台形状(いわゆる台形カップ模様)等が挙げられる。エンボス加工部は平面部が少ないことが好ましく、エンボス加工部の全面積におけるエンボスによる凸部の面積の比率は5〜50%であることがより好ましい。
エンボス加工は、樹脂封止シートの少なくとも片面の一部に施されていればよいが、樹脂封止シートの両面にエンボス加工が施されていてもよい。樹脂封止シートの耐ブロッキング性の観点から、エンボス深さは5〜300μmであることが好ましい。ここで、エンボス深さとは、エンボス形状の凸部から凹部までの深さをいう。
樹脂封止シートは、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、防曇剤、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、結晶核剤、滑剤、アンチブロッキング剤、無機フィラー、架橋調整剤等を添加してもよい。例えば、透明性や接着性を長期間維持する必要がある場合、紫外線吸収剤、酸化防止剤、変色防止剤等を用いることが好ましい。これらの添加剤を配合する場合、その添加量は、特に限定されないが、添加する樹脂の総量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
本実施の形態の樹脂封止シートは、各種部材を封止する封止材として用いることができるが、特に太陽電池用樹脂封止シートとして好適である。本実施の形態の樹脂封止シートは、隙間封止性や耐クリープ性に優れているため、太陽電池の発電素子を封止する封止材として好適である。
<太陽電池モジュール>
本実施の形態の樹脂封止シートを用いて太陽電池モジュールとすることができる。図1は、本実施の形態の太陽電池モジュールの一態様の断面概略図である。すなわち、本実施の形態の太陽電池モジュール1は、透光性絶縁基板2と、裏面絶縁基板3と、前記透光性絶縁基板2と前記裏面絶縁基板3との間に配置される発電素子4と、前記発電素子4を封止する樹脂封止シート5と、を少なくとも備える。
(透光性絶縁基板)
透光性絶縁基板としては、特に制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能を具備することが好ましい。また、太陽光を有効に活用するために、光学ロスの小さい、透明性の高い部材であることが好ましい。
透光性絶縁基板の材料としては、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂フィルムや、ガラス基板等が挙げられ、中でも、耐候性、耐衝撃性、コストのバランスの観点からガラス基板が好ましい。
樹脂フィルムとして特に好適なのは、透明性、強度、コスト等の点で優れたポリエステル樹脂、とりわけポリエチレンテレフタレート樹脂である。
また、耐侯性が特に良好なフッ素樹脂も好適に用いられる。具体的には、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)が挙げられる。耐候性の観点からはポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましいが、耐候性及び機械的強度の両立をする観点からは四フッ化エチレン−エチレン共重合体が好ましい。また、樹脂封止シート等の他の層を構成する材料との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を透光性絶縁基板に行うことが好ましい。機械的強度向上のために、延伸処理が施してあるシート、例えば、2軸延伸のポリプロピレンシートを用いることも可能である。
透光性絶縁基板としてガラス基板を用いる場合には、波長350〜1400nmの光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。かかるガラス基板としては赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラス基板の機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。ガラス基板の受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーティングを施してもよい。
(裏面絶縁基板)
裏面絶縁基板としては、特に制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、上述の透光性絶縁基板と同様に、耐候性、機械強度等の諸特性を求められる。したがって、透光性絶縁基板と同様の材質で裏面絶縁基板を構成してもよい。すなわち、透光性絶縁基板において用いることができる上述の各種材料を、裏面絶縁基板においても用いることができる。特に、ポリエステル樹脂、及びガラス基板を好ましく用いることができ、中でも、耐候性、コストの観点から、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)がより好ましい。
裏面絶縁基板は、太陽光の通過を前提としないため、透光性絶縁基板で求められる透明性(透光性)は必ずしも要求されない。そこで、太陽電池モジュールの機械的強度を増すために、或いは、温度変化による歪、反りを防止するために、補強板を張り付けてもよい。例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板等を好ましく使用することができる。
裏面絶縁基板は、2層以上からなる多層構造を有していてもよい。多層構造としては、例えば、中央層の両面に、中央層に対して対称の配置となるように同一成分の層が1又は2以上積層された構造等が挙げられる。そのような構造を有するものとしては、例えば、PET/アルミナ蒸着PET/PET、PVF(商品名:テドラー)/PET/PVF、PET/AL箔/PET等が挙げられる。
(発電素子)
発電素子は、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、例えば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)等を用いることができ、中でも、発電性能とコストとのバランスの観点から、多結晶シリコンが好ましい。
(太陽電池モジュールの製造方法)
本実施の形態における太陽電池モジュールの製造方法としては、特に制限はなく、例えば、透光性絶縁基板/樹脂封止シートa/発電素子/樹脂封止シートb/裏面絶縁基板の順に重ね、真空ラミネート装置を用いて150℃、15分間の条件で真空ラミネートすることにより製造することができる。特に、本実施の形態の樹脂封止シートは、発電素子と透光性絶縁基板との間の隙間を埋める樹脂封止シートaとして少なくとも用いられることが好ましい。太陽光が本実施の形態の樹脂封止シートを経て発電素子に到達するため、発電効率の向上に効果的に寄与することができる。
太陽電池モジュールにおける、各部材の厚さは特に限定されないが、透光性絶縁基板の厚さは、耐候性、耐衝撃性の観点から好ましくは3mm以上、裏面絶縁基板の厚さは、絶縁性の観点から好ましくは75μm以上、発電素子の厚さは、発電性能とコストのバランスの観点から好ましくは140〜250μm、樹脂封止シートの厚さは、クッション性、封止性の観点から好ましくは250μm以上である。
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
本実施例で用いた樹脂は以下の通りである。
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体
商品名「ウルトラセン751」、東ソー社製
(VA(酢酸ビニル含有量)=28質量%、MFR=6.0g/10分、融点=72℃)
(2)線状低密度ポリエチレン
商品名「アフィニティEG8200G」、ダウケミカル社製
(密度=0.870g/cm3、MFR=5.0g/10分、融点=63℃)
(3)線状低密度ポリエチレン
商品名「アフィニティPF1140G」、ダウケミカル社製
(密度=0.897g/cm3、MFR=1.6g/10分、融点=96℃)
樹脂の融点は、JIS−K−7121に準拠して測定した。
樹脂の密度は、JIS−K−7112に準拠して測定した。
樹脂のメルトフローレート(MFR;190℃、2.16kg)は、JIS−K−7210に準拠して測定した。
<樹脂封止シートの作製>
表に示す樹脂を用いて、3台の押出機を使用して樹脂を溶融し、その押出機に接続された環状ダイから樹脂をチューブ状に溶融押出し、溶融押出にて形成されたチューブを上向きのダイレクトインフレ方法により製膜して溶融した樹脂シートを得た。これに冷風を吹き付けて冷却固化させて樹脂シートを得た。次いで、冷却固化した樹脂シートを赤外線ヒーターにより本加熱して軟質化された樹脂シートをバックアップロールとエンボスロールの間に通過させることによりエンボス加工(エンボス形状:四角錘台形状、エンボス深さ:50μm)を施した。得られた樹脂封止シート(エンボスシート)に、EPS−800の電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)を用いて電子線を照射することで架橋処理を行った。
<太陽電池モジュールの作製>
得られた樹脂封止シートを用いて、透明保護材としてAGC社製の太陽電池用エンボス付き白板ガラス(厚さ3.2mm×横700mm×縦1000mm、封止材面は150μmエンボスあり)、発電素子としてE−TON社製の多結晶Siセル(6インチ角×厚さ200μm)、裏面保護材(バックシート)として三菱アルミパッケージング社製のPVF(40μm厚)/PET(250μm厚)/PVF(40μm厚)を用いて太陽電池モジュールを作製した。6インチ多結晶セルを16枚(4列×4枚)に配置し、透明基板(透明保護材)/樹脂封止シート(a)/発電素子(200μm)/樹脂封止シート(b)/バックシート(裏面保護材)の順に重ね、LM型真空ラミネート装置(NPC社製)を用いて、150℃余熱5分とプレス10分のラミネート条件で真空ラミネートすることで太陽電池モジュールを製造し、各評価試験を行った。
<ゲル分率>
JIS−K−6796に準拠して、p−キシレン中で試料を8時間±5分沸騰して抽出し、抽出後の試料である不溶解部分の抽出前の試料に対する割合を次式により表示したものをゲル分率、樹脂封止シートの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料の質量/抽出前の試料の質量)×100
<150℃吊下げ収縮率>
得られた樹脂封止シートを幅20mm×長さ130mmにカットし、長さ方向で両端を10mmと20mmを残した中央部の100mmの長さの部分に0.5〜1.0mm太さの油性ペンにて表線をいれた。次いで、長さ方向20mmを残した端部をクリップで挟んで150℃のオーブンに吊下げ、オーブン温度指示値が150℃に復帰してから10分後に取り出して、表線間100mmからの寸法変化を測定して、次式により収縮率を求めた。
収縮率(%)=100−試験後の表線間長さ(mm)
<発電部分の隙間埋め評価>
太陽電池用ガラス板(AGC社製白板ガラス5cm×10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート(厚さ600μm)/発電部分/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて150℃にて真空ラミネートし、発電部分の単結晶シリコンセルの樹脂封止シートとの接触状況を目視にて確認した。
発電部分の単結晶シリコンセル(厚さ200μm)の両面にタブ線(厚さ300μm)を2本づつ配線した。発電部分は、厚さ200μmのセルの両面の一部分に300μmの凸部が存在する形状であり、発電部分全体は200μm〜800μmの厚さとなった。
発電部分の接触状況の判定は目視にて以下の基準により行った。
〇:発電部分である単結晶シリコンセルとタブ線と樹脂封止シートとの接触部分がすべて良好。(隙間なし)
×:発電部分である単結晶シリコンセルとタブ線と樹脂封止シートとの接触部分に隙間が生じた。あるいは、ラミネート時に封止シートが熱流動にすることによりガラス板端部より食み出た。(外観不良)
<耐クリープ性評価>
太陽電池用ガラス板(AGC社製 白板ガラス5cm×10cm角:厚さ3mm)/樹脂封止シート/発電部分(単結晶シリコンセル(厚さ250μm)/樹脂封止シート/太陽電池用ガラス板の順に重ね、LM50型真空ラミネート装置(NPC社)を用いて真空ラミネートし、積層した太陽電池の一方のガラス板を85℃に設定した恒温槽の壁面に固定し、24時間放置し、他方のガラス板とのズレを測定した。
〇:ガラス板のズレが3mm未満。
×:ガラス板のズレが3mm以上。
各実施例及び各比較例の製造条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 0005152934
表1に示すように、各実施例の樹脂封止シートの隙間埋め性及び耐クリープ性はいずれも優れていることが確認された。一方、各比較例の樹脂封止シートの隙間埋め性と耐クリープ性の少なくともいずれかは不良であることが確認された。
本発明に係る樹脂封止シートは、太陽電池を構成する発電素子等の各種部材を封止する封止材等として産業上の利用可能性を有する。
1 太陽電池モジュール
2 透光性絶縁基板
3 裏面絶縁基板
4 発電素子
5 樹脂封止シート

Claims (6)

  1. 150℃の温度下でシートを吊下げた際の収縮率が0〜40%であり、かつ、ゲル分率が0.2〜1.5質量%である架橋処理が施された樹脂封止シート。
  2. 前記架橋処理が電離性放射線照射による請求項1に記載の樹脂封止シート。
  3. エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体けん化物、及びポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種以上の樹脂を含む、請求項1又は2に記載の樹脂封止シート。
  4. 融点が100℃以下である樹脂を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
  5. 多層構造である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂封止シート。
  6. 透光性絶縁基板と、
    前記透光性絶縁基板と対向して配置される裏面絶縁基板と、
    前記透光性絶縁基板と前記裏面絶縁基板との間に配置される発電素子と、
    前記発電素子を封止する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂封止シートと、
    を備える太陽電池モジュール。
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