JP2013141767A - エンボス加工シート、およびその製造方法 - Google Patents

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敬恭 木戸
Katsuhiko Shimizu
克彦 清水
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Abstract

【課題】樹脂シートのエンボス加工処理において、エンボスロールの凹凸形状パターンを樹脂シートに正確に転写させることを目的とする。
【解決手段】溶融樹脂膜を、微細な凹凸形状パターンを有するエンボスロールと、当該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で押圧することにより、前記溶融樹脂膜表面に前記凹凸形状パターンを転写する工程を含む、エンボス加工シートの製造方法であって、前記エンボスロールは、JIS R6001に規定される、番手がF180〜F80である研磨剤を用いて表面をサンドブラスト処理したロールであることを特徴とする製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンボス加工シートおよびその製造方法に関する。
近年、クリーンなエネルギーとして太陽光発電が脚光を浴び、太陽光発電用の太陽電池モジュールの開発が進められている。太陽電池モジュールは、一般に、保護ガラス、太陽電池封止用樹脂シート、太陽電池素子、太陽電池封止用樹脂シート、バックシートという構成になっている太陽電池素子を封止して保護する封止用樹脂シートは、製造や保管の過程において互着すなわちシート同士のブロッキング・タックをおこすことがあり、特にショア硬度が85以下の軟質樹脂においてこの傾向が大きい。このため、表面にエンボス処理を行って、互着を改善する技術が各種提案されている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2001/061763号
樹脂シート表面にエンボス処理をする方法には、エンボスを転写するエンボスロールと、そのエンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で、成形機から押し出されるなどした溶融樹脂膜を押圧する方法が通常採用されている。エンボスロールは、表面に微細な凹凸形状パターンを有する金属(ステンレス鋼や炭素鋼等)製ロールなどである。このようにして、樹脂シートに当該凹凸形状パターンが転写される。
本発明者らは、エンボス処理において、エンボスロールの凹凸形状パターンが溶融樹脂膜に押し込まれるときに、間に空気が巻き込まれ、凹凸形状パターンと溶融樹脂膜が直接接触しないことがあることを見出した。その結果、得られる樹脂シートに、エンボスロールの凹凸形状パターンが正常に転写されない現象をおこすことがわかった。凹凸形状パターンが正常に転写されない箇所は、樹脂が自由表面のまま固化し、平滑面となる。そのため、例えば得られた樹脂シートを必要な大きさにカットし積み重ねて保管するとシートが互着することがあり、太陽電池の製造時に他の部材と積層する際、搬送工程で複数枚が一度に持ち上がりラインが停止するなどの異常を来たす場合があった。
本発明は、樹脂シートのエンボス加工処理において、エンボスロールの凹凸形状パターンを溶融樹脂膜に正確に転写させることを目的とする。また、それにより、互着が防止されたエンボス加工樹脂シートを提供することを目的とする。
本発明の第一は、以下の構成からなるエンボス加工シートの製造方法である。
[1]溶融樹脂膜を、凹凸形状パターンを有するエンボスロールと、当該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で押圧することにより、得られる樹脂シート表面に前記凹凸形状パターンを転写する工程を含む、エンボス加工シートの製造方法であって、
前記エンボスロールは、JIS R6001に規定される番手がF180〜F80である粒度の研磨剤を用いて、表面をサンドブラスト処理したロールであることを特徴とする製造方法。
[2]前記樹脂のショアA硬度が50〜85である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記樹脂シートが、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる[1]に記載の製造方法。
[4]前記バックアップロールの表面の算術平均粗さRaは、0.5〜10μmである[1]に記載の製造方法。
本発明の第二は、以下の構成からなるエンボス加工シートまたは太陽電池封止材シートである。
[5]前記[1]に記載の製造方法により製造されるエンボス加工シート。
[6]前記[1]に記載の製造方法により製造されるエンボス加工シートからなる太陽電池封止材シート。
[7]溶融樹脂膜を、微細な凹凸形状パターンを有するエンボスロールと、当該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で押圧することにより得られる、エンボス加工されたシートであって、
前記シート最表面におけるエンボスパターンの転写率が、40%以上であることを特徴とするエンボス加工シート。
本発明により、エンボスロールの凹凸形状パターンが正確に転写され、所望のエンボスパターンを有するエンボス加工樹脂シートが提供される。本発明のエンボス加工樹脂シートは、互着が抑制されている。本発明のエンボス加工樹脂シートは、その樹脂成分を選択することで、太陽電池封止材シートとして好適に用いることができる。
エンボス加工の概要を示す図である。 エンボスパターンの第1の例を示す図である。 エンボスパターンの第2の例を示す図である。 エンボスパターンの第3の例を示す図である。 エンボスパターンの第4の例を示す図である。
1.エンボス加工シートの製造方法
本発明のエンボス加工シートは、溶融樹脂膜(例えば、ダイから溶融押出された樹脂膜)を、エンボスロールとバックアップロールとで押圧する方法により製造することができる。溶融ないし軟化状態の樹脂を複数のロールで挟みこむことで成形するカレンダ成形法でシート成形し、カレンダロールの一部をエンボスロールとすることによりエンボスシート加工を施してもよい。カレンダ成形法を用いる場合、本発明の溶融樹脂膜は軟化状態の樹脂膜をも含む。
[樹脂シート]
樹脂シートを構成する樹脂は、溶融押出成形やカレンダ成形できる熱可塑性樹脂であれば特に制限されず、エンボス加工樹脂シートの用途に応じて適宜選択すればよい。
樹脂シートを構成する樹脂のショアA硬度は、50〜85であることが好ましく、60〜80であることがより好ましい。ショアA硬度が高すぎる樹脂シートは、柔軟性に劣り、太陽電池モジュール製造時に発電用の太陽電池素子にクラックが入るなど、不良率が高くなることがある。また、ショアA硬度が50を下回る場合には、互着が生じ易く、エンボスの付与だけではハンドリング性を改善できないことがある。ショアA硬度はエンボスのないシートを試料として用い、ASTM D2240に準拠して測定することができる。
樹脂シートを構成する樹脂の具体例には、エチレンと極性基含有モノマーとの共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマーなど)、エチレンとα-オレフィンとの共重合体(エチレン・1-ブテン、エチレン・プロピレンなど)、プロピレンとα-オレフィンとの共重合体、スチレン系樹脂(スチレン-エチレン-ブテン共重合体など)、あるいはこれらの混合物などが含まれる。
樹脂シートを太陽電池封止材シートとする場合には、樹脂シートの樹脂は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレンとα-オレフィンの共重合体(エチレン・1-ブテン、エチレン・プロピレンなど)、プロピレンとα-オレフィンとの共重合体が好ましく適用でき、エチレン・酢酸ビニル共重合体と、エチレンとα-オレフィンの共重合体がより好ましい。
[樹脂シートの成形]
樹脂シートの成形法は限定されず、Tダイ法などの溶融押出法や、溶融状態の樹脂を複数のロールで挟みこむことで成形するカレンダ成形法で成形される。
[エンボス加工]
成形機から押出された溶融樹脂膜は、エンボスロールとバックアップロールとで押圧されることにより、冷却と共に賦形が行われ、エンボス加工樹脂シートが得られる。具体的には、互いに対向して配置されたエンボスロールとバックアップロールとの隙間(ロールクリアランス)に、溶融樹脂膜を提供し、エンボスロールとバックアップロールとで溶融樹脂膜に圧力をかける(押圧する)。このようにして、樹脂シート表面に、エンボスロールの凹凸形状パターンを転写する。
エンボスロールとバックアップロールとの隙間は、エンボス加工シートの所望の厚みに応じて設定すればよい。
図1には、溶融樹脂膜10をエンボス加工して樹脂シートを得る様子が示される。エンボスロール1とバックアップロール2とが互いに対向配置されている。エンボスロール1とバックアップロール2との対向部分の隙間に、溶融樹脂膜10が図面左側から提供される。エンボスロール1とバックアップロール2との隙間において、溶融樹脂膜10にエンボスロール1とバックアップロール2によって押圧力が加えられる。さらに、溶融樹脂膜10は隙間から図面右側に排出されて固化し、エンボスパターン20が形成された樹脂シートとなる。エンボスロールとバックアップロールは、シートの搬送方向に回転され、各ローラの面速度は同一である。
[エンボスロール]
エンボスロールは、その表面に微細な凹凸形状パターンを有する。凹凸形状パターンに特に制限はなく、樹脂シートに成形したいエンボスパターンに応じて設計される。例えば、エンボスロール表面に、所定形状の凸部を、所定間隔をあけて配置してもよい。所定形状の凸部は、ドーム状、半ドーム状、錘状(円錐状、多角錘状など)、ストライプ状、波状、メッシュ状、格子状などでありうる。また、エンボスロール表面に、所定形状の凹部を、所定間隔をあけて配置してもよい。所定形状の凹部は、逆ドーム、逆錘状(逆円錐状、逆多角錘状など)、ストライプ状、波状、メッシュ状、格子状などでありうる。
エンボスロールの凹凸形状パターンの凸部と凹部の高さの差は特に制限されないが、互着を抑制するという目的のためには例えば30〜700μmであることが好ましい。
このように、エンボスロール表面の凹凸形状パターンに特に制限はないが、樹脂シートに耐互着性を付与しうるエンボスを形成することができることが好ましい。
凹凸形状パターンが形成されているエンボスロールの表面は、さらに研磨剤を用いてサンドブラスト処理されている。サンドブラスト処理とは、加工表面に研磨材をふきつけて、適度な表面粗さを付与する処理をいう。サンドブラスト処理においてふきつける研磨剤は、JIS R6001に規定される番手が、F180〜F80、好ましくはF150〜F90の範囲にある粒度の研磨剤であることが好ましい。
サンドブラスト処理において、番手がF180〜F80である粒度の研磨剤をエンボスロール表面にふきつけることで、エンボスロールで溶融樹脂膜を押圧するときに、エンボスロールと溶融樹脂膜との間に空気が巻き込まれにくくなる。すなわち、エンボスロール表面がある程度粗面化されているので、エンボスロールと溶融樹脂膜との間の空気を巻き込むことなく、外部に逃がすことができる。そのため、溶融樹脂膜の表面に、エンボスロールの凹凸形状パターンを正確に転写することができる。
サンドブラスト処理における研磨剤が、番手がF180である粒度の研磨剤よりも細かい場合には、サンドブラスト処理されたエンボスロール表面が過剰に平滑となる(表面粗度が低すぎる)。そのため、エンボスロールで溶融樹脂膜を押圧するときに、エンボスロールと樹脂膜との間の密着が良いために空気を逃がすことができず、空気を巻き込みやすくなる。そのため、得られる樹脂シートの表面に、エンボスロールの凹凸形状パターンを正確に転写できないことがある。
サンドブラスト処理における研磨剤が、番手がF80である粒度の研磨剤よりも粗い場合には、サンドブラスト処理されたエンボスロール表面が過剰に粗くなるため、エンボスロールで溶融樹脂膜を押圧すると、エンボスロールと溶融樹脂膜が剥がれ難くなるため連続生産作業上の問題となることがあり、また剥がせる場合でも外観不良をきたすことがある。
サンドブラスト処理における研磨剤の材質は特に制限されず、エンボスロールの材質などに応じて選択されるが、アルミナやジルコンビーズのようなセラミック系、ガラスビーズ、鉄粉・ステンレスビーズのような金属系、ナイロン粒子のような樹脂系などである。
サンドブラスト処理されたエンボスロールの表面は、さらにメッキ処理されることが好ましい。エンボスロールの耐久性を高めるためである。
[バックアップロール]
バックアップロールは、エンボスロールとともに溶融樹脂膜を押圧して、エンボス加工された樹脂シートを製造する。バックアップロールは、金属製またはセラミック製であるもの、金属製またはセラミック製の心材の表面に樹脂をコーティングしたもの、あるいは弾性のあるゴム製であるものなどがあり、特に限定されない。
バックアップロールは、冷却ロールとしての機能を有していてもよく、加熱された溶融樹脂膜を押圧する場合には、バックアップロールで冷却しながら樹脂シートにエンボス加工をする。
バックアップロールのロール表面には、離型処理がなされていることが好ましい。エンボスロールで押圧されたエンボス加工樹脂シートが、バックアップロールから容易に剥離することが望まれるからである。ロール表面の離型処理は特に限定されず、例えば粗面化(ロール表面の表面粗度を粗くする)である。粗面化されたロール表面の算術平均粗さRaは、0.5〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜5μm、さらに好ましくは1.0〜2μm程度である。
前述の通り、エンボスロールの表面の凹凸形状パターンが溶融樹脂膜の表面に転写されて、得られる樹脂シートにエンボスパターンが形成される。エンボスパターンにより、樹脂シートの保管時の互着が抑制され、樹脂シートを他の部材と積層するときに、樹脂シートと他の部材との間の気体を脱気しやすくすることができる。
また、本発明のエンボス加工樹脂シートを太陽電池封止材(特に、結晶系太陽電池封止材)とすることができる。エンボス加工樹脂シートを太陽電池封止材として用いる場合には、エンボス加工樹脂シートのエンボス表面を太陽電池セルに重ねた積層体を、加熱条件下でラミネートして、エンボス加工樹脂シートと太陽電池セルとを一体化する。このようにして、太陽電池モジュールを得る。エンボス加工樹脂シートのエンボスパターンは、前記ラミネートをするときに、太陽電池セルが破損するのを防止することができる。さらに、エンボスパターンがあると、前記ラミネートをするときに、エンボス加工樹脂シートと太陽電池セルとの間にある空気を積層体から外部に逃がしやすく、太陽電池モジュールに気泡が残存することを防止することができる。
[エンボス加工樹脂シート]
本発明のエンボス加工樹脂シートは、前述のエンボス加工により得られる樹脂シートである。また、本発明のエンボス加工樹脂シートの、エンボスロール表面の凹凸形状パターンの転写率が40%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。転写率とは「正常転写部と欠陥転写部の合計に対する、正常転写部の割合」をいう。以下において、転写率をより具体的に説明する。
(1)エンボス加工樹脂シートのエンボスパターンが複数の逆四角錘状の凹部である場合
格子状に配置された複数の逆四角錘状の凹部21を含むエンボスのパターン(図2参照)は、ピラミッド状の凸部(四角錘状の凸部)を有するエンボスロールで溶融樹脂膜を押圧して、ピラミッド状の凸部を得られる樹脂シートに転写させることで形成される。つまり、エンボスロールの凸部が樹脂シートに押し込まれることで、樹脂シート表面に逆四角錘状の凹部21が形成される。
このようなエンボス加工樹脂シートのエンボス表面の最表部は、逆四角錘状の凹部21の四角辺に相当する部分25となる。図2では、逆四角錘状の凹部21の四角辺は格子の枠を構成する。「転写率」は、この逆四角錘状の凹部21の四角辺に相当する部分に着目して求める。逆四角錘状の凹部21の四角辺を構成する線の線幅が、正常に転写された場合の線の線幅tに対して、1.5倍以上(好ましくは1.8倍以上)である線幅Tを有する部分を「欠陥転写部」と定義し、1.5倍未満(好ましくは1.8倍未満)である部分を「正常転写部」と定義する(図2B参照)。そして、「正常転写部」の線長さと「欠陥転写部」の線長さとの合計に対する、「正常転写部」の線長さの割合を転写率とする。
正常転写部および欠陥転写部は、樹脂シートのエンボス表面を顕微鏡写真で観察して、線幅を測定することで確認することができる。
(2)エンボス加工樹脂シートのエンボスパターンが複数の四角錘状の凸部である場合
格子上に配置された複数のピラミッド状の凸部(四角錘状の凸部)31を含むエンボスのパターン(図3参照)は、逆四角錘状の凹部を有するエンボスロールで溶融樹脂膜を押圧して、逆四角錘状の凹部を樹脂膜に転写させることで形成される。つまり、エンボスロールの凹部に溶融樹脂膜が押し込まれることで、加工された樹脂シート表面に四角錘状の凸部31が形成される。
このようなエンボス加工樹脂シートのエンボス表面の最表部は、四角錘状の凸部31の頂面35となる。図3では、四角錘状の凸部31の頂面35がマトリックス状に配置されている。「転写率」は、この四角錘状の凸部31の頂面35に相当する部分に着目して求める。四角錘状の凸部31の頂面35の面積が、正常に転写された場合の頂面の面積に対して、2倍以上の面積を有する頂面35’を「欠陥転写部」と定義し、2倍未満の面積を有する頂面35を「正常転写部」と定義する。「正常転写部」となる頂面35の個数と「欠陥転写部」となる頂面35’の個数との合計に対する、「正常転写部」となる頂面35の個数の割合を転写率とする。
正常転写部および欠陥転写部は、樹脂シートのエンボス表面を顕微鏡写真で観察して、頂面の面積を測定することで確認することができる。具体的には、一定個数以上の頂面をランダムに選択し、選択した各頂面の面積を求める。そして、正常転写部となる頂面の個数と、欠陥転写部となる頂面の個数とを求める。
(3)エンボス加工樹脂シートのエンボスパターンが、複数の直線状または曲線状に延びる凸部である場合
直線状に延びる複数の凸部41または曲線状に延びる複数の凸部51を含むエンボスのパターン(図4および図5参照)は、直線または曲線状に延びる凹部を有するエンボスロールで溶融樹脂膜を押圧して、凹部を樹脂膜に転写させることで形成される。つまり、エンボスロールの凹部に樹脂膜が押し込まれることで、得られる樹脂シート表面に直線状に延びる凸部41または曲線状に延びる凸部51が形成される。
このようなエンボス加工樹脂シートのエンボス表面の最表部は、直線状に延びる凸部41の頂線45または曲線状に延びる凸部51の頂線55に相当する部分となる。「転写率」は、この凸部の頂線45または頂線55に着目して求める。凸部を構成する頂線45または頂線55の線幅が、正常に転写された場合の線の線幅tに対して、1.5倍以上(好ましくは1.8倍以上)である線幅Tを有する部分を「欠陥転写部」と定義し、1.5倍未満(好ましくは1.8倍未満)である線幅を有する部分を「正常転写部」と定義する。そして、「正常転写部」の線長さと「欠陥転写部」の線長さとの合計に対する、「正常転写部」の線長さの割合を転写率とする。
正常転写部および欠陥転写部は、樹脂シートのエンボス表面を顕微鏡写真で観察して、線幅を測定することで確認することができる。
このような欠陥転写部が形成される理由は、溶融樹脂膜にエンボスロールを押圧したときに、溶融樹脂膜とエンボスロールとの間に閉じ込められた空気が、逆四角錘状の凹部の四角辺部分を押し広げてしまうためであると考えられる。
このような欠陥部を過剰に有する(転写率が低い)エンボスパターンを有する樹脂シートは、スタッキングしやすくなる。一方で、このような欠陥部を有さないエンボスパターンを有する樹脂シートは、良好な耐互着性を有する。本発明のエンボス加工樹脂シートの転写率は、40%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上であるため、耐互着性が高い。
[実施例1]
S25C炭素鋼製のロールに、凹凸形状パターンを形成したエンボスロールを得た。形成した凹凸形状パターンは、格子上に配置した複数の四角錘状の突起からなる。四角錘状の突起の高さは500μmとした。各四角錘の底面を構成する四角は、一辺1mmの正方形とした。四角錘状の突起の配置間隔は、1.4mmとした。
エンボスロール表面をブラスト処理した。ブラストする研磨材の粒度はJIS R6001に規定されるF180とした。
一方で、芯材の表面に、アルミナ粒子(粒子径:約50μm未満)を含有させたシリコンラバー層(厚み5μm)を形成して、バックアップロールを得た。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:33重量%)100質量部に、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン 1.5質量部と、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1.0質量部と、を配合して樹脂組成物を得た。
エンボスロールとバックアップロールとを互いに対向して配置した(図1参照)。得られた樹脂組成物を、Tダイ付押出機にて溶融押出しして、互いに対向して配置したエンボスロールとバックアップロールの間で押圧し、エンボスを転写した樹脂シート(厚み約600μm)を成形した。押圧されるときの樹脂シートの温度は120℃とした。また、樹脂シートに印加される押圧力は80N/cmであった。
このようにして、エンボスロールと接触した樹脂シートの表面に、エンボスロールの凹凸形状パターンを転写して、エンボス形状を形成した。その結果、厚さ約600μmのエンボス加工樹脂シートが得られた。形成されたエンボス形状の概要は、図2に示される。
[実施例2]
エンボスロールの表面をブラスト処理するための研磨剤の粒度を、F120に代えた以外は、実施例1と同様にしてエンボス加工樹脂シートを得た。
[比較例1]
エンボスロールの表面をブラスト処理するための研磨剤の粒度を、F220に代えた以外は、実施例1と同様にしてエンボス加工樹脂シートを得た。
実施例1〜2および比較例で得られたエンボス加工樹脂シートの互着性と転写率とを、下記の方法により評価した。各評価結果を表1に示す。
(1)互着性
50mm角のエンボス加工樹脂シートを、エンボス面を上にして5枚重ね合わせたシート積層体を、50μm厚のポリエステルフィルムで挟みこみ、更に3.2mm厚の20cm角のガラス板で挟みこんだ(ガラス/ポリエステルフィルム/シート積層体/ポリエステルフィルム/ガラス)。シート積層体において、エンボス面と非エンボス面とを対向させた。
ガラスで挟み込んだシート積層体に3kgの分銅を載せて、ガラス板とあわせて3.3kgf荷重がシート積層体に荷重された。これを、23℃50%RHの恒温恒湿室に1時間放置した。その後、ガラスとポリエステルフィルムを除去した。シート積層体の最上層の樹脂シートの角部を、ピンセットでつまんで持ち上げ、2枚目の樹脂シートが持ち上がるかどうかを観察し、互着性を評価した。4回の剥離を行い、一度でも2枚目ないしそれより下の複数枚が持ち上がったときには持ち上がりあり、最上層のみがつまみ上げられた時には持ち上がりなし、として評価した。
(2)転写率
樹脂シート表面のエンボスパターンを、デジタル顕微鏡(VHX−1000,キーエンス社製)を用いて観察した。逆四角錘の四辺に相当する直線部の線幅を測定した。正確に転写できた直線部の線幅は40μmであった。線幅が60μm未満である直線部を正常転写部とし、線幅が60μm以上である直線部を欠陥転写部とした。そして、正常転写部を構成する直線部の長さと、欠陥転写部を構成する直線部の長さとを測定した。それらを以下の式に代入して、転写率を求めた。
転写率(%)=
{(正常転写部の長さ)/(正常転写部の長さ)+(欠陥転写部の長さ)}×100
Figure 2013141767
表1に示されるように、エンボスロールの表面を、適切な粒度の研磨剤でサンドブラスト処理することによって、樹脂シートへのエンボス加工が精密に行われ、転写率が高まることがわかる。その結果、得られるエンボス加工樹脂シートの互着が生じにくくなることがわかる。
本発明によれば、樹脂シートのエンボス加工において、エンボスロールの凹凸形状をより正確に樹脂シートに転写する手法が提供される。それにより、互着が抑制されたエンボス加工樹脂シートが得られる。本発明のエンボス加工樹脂シートは、太陽電池モジュールを製造するための、太陽電池封止材シートとして特に好適に用いられる。
1 エンボスロール
2 バックアップロール
10 溶融樹脂膜
20 エンボスパターン
21 逆四角錐状の凹部
25 四角辺に相当する部分
31 四角錐状の凸部
35 頂面
41 直線状の凸部
45 頂線
51 曲線状の凸部
55 頂線

Claims (7)

  1. 溶融樹脂膜を、凹凸形状パターンを有するエンボスロールと、当該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で押圧することにより、得られる樹脂シート表面に前記凹凸形状パターンを転写する工程を含む、エンボス加工シートの製造方法であって、
    前記エンボスロールは、JIS R6001に規定される番手がF180〜F80である粒度の研磨剤を用いて、表面をサンドブラスト処理したロールであることを特徴とする製造方法。
  2. 前記樹脂のショアA硬度が50〜85である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記樹脂シートが、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記バックアップロールの表面の算術平均粗さRaは、0.5〜10μmである請求項1に記載の製造方法。
  5. 請求項1に記載の製造方法により製造されるエンボス加工シート。
  6. 請求項1に記載の製造方法によりエンボス加工されてなる太陽電池封止材シート。
  7. 溶融樹脂膜を、微細な凹凸形状パターンを有するエンボスロールと、当該エンボスロールに対向配置されたバックアップロールとの間で押圧することにより得られる、エンボス加工されたシートであって、
    前記シート最表面におけるエンボスパターンの転写率が、40%以上であることを特徴とするエンボス加工されたシート。
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