JP7119813B2 - 粘着シート基材及びその製造方法、並びに、粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着シート基材及びその製造方法、並びに、前記粘着シート基材を備えた粘着シートに関する。
粘着テープは、作業性に優れる接着信頼性の高い接合手段であることから、電子機器を構成する部品の固定などの場面で広く使用されている。具体的には、前記粘着テープは、薄型テレビ、家電製品、OA機器等の比較的大型の電子機器を構成する板金同士の固定や外装部品と筐体との固定、携帯電子端末、カメラ、パソコン等の比較的小型の電子機器への外装部品や電池等の剛体部品の固定などのような各産業分野での部品固定用途、該部品の仮固定用途の他、製品情報を表示するラベル用途等でも使用されている。
近年、前記各産業分野において、地球環境保護の観点から省資源等を目的として、製品に使用されている再利用又は再使用可能な部品については、使用後に分解して再利用又は再使用することが多くなってきている。この際、粘着テープを使用している場合には、部品に貼付された粘着テープを剥離する必要があるが、前記粘着テープは、通常、接着力が大きく、かつ、製品中の多くの箇所に貼付されているため、それらを剥離する作業は、相当の労力を伴うものであった。そのため、前記再利用又は再使用の際に比較的容易に剥離及び除去可能な粘着テープが求められている。
前記容易に剥離及び除去可能な粘着テープを製造するためには、該粘着テープの基材としてゴム硬度が低く柔軟な材料を使用する方法がある。しかし、ゴム硬度が低く柔軟な材料を用いて粘着テープの基材を製造する場合、その製造工程において、前記基材が搬送ロール等に張り付いてしまうことにより該搬送ロール等に対するブロッキングが生じ、これにより前記基材が搬送方向に引き伸ばされ、該基材の幅が縮んでしまい寸法安定性が得られないという問題がある。
一般的に、前記粘着テープの基材を製造する場合は、該基材用材料としての樹脂等を熱溶融し、冷却ロールに巻き込む際に、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリプロピレン等からなるシートを共に巻き込み、前記基材に前記シートからなる表面層を設けることで、前記搬送ロールに対するブロッキングを抑制することもできるが、前記ゴム硬度が低く柔軟な材料を前記基材用材料として使用する場合は、前記表面層の形成自体が困難であるという問題がある(特許文献1参照)。また、仮に前記表面層を形成できたとしても、前記基材と前記表面層との間に高い密着性が生じることで、後工程などで前記基材を単離することが難しい。また、前記基材と前記表面層との積層物の状態であっても前記搬送ロールに張り付いてしまうという問題がある。
更に、前記表面層を有する基材の場合、一般的に、前記基材と比較して前記表面層の方が硬いために屈曲性が低下し、製造工程において、搬送ロール等により搬送する際に、前記基材と前記表面層との積層物が曲げられると、前記基材にシワが生じてしまうという問題もある。更に、前記表面層を有する基材の場合、粘着テープとして使用する際にも曲面や凹凸面に貼付して使用する場合にシワが生じてしまい、十分な接着力が得られないという問題がある。
したがって、製造工程における搬送手段に対するブロッキングを抑制し、かつ、屈曲性に優れた粘着シート基材及びその製造方法、並びに、前記粘着シート基材を備えた粘着シートの提供が強く求められている。
特開2016-203535号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、製造工程における搬送手段に対するブロッキングを抑制し、かつ、屈曲性に優れた粘着シート基材及びその製造方法、並びに、前記粘着シート基材を備えた粘着シートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形した成形物の少なくとも一方の表面に、表面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写部材を当接させ剥離させることにより、表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成する粘着シート基材形成工程と、
前記粘着シート基材の表面に搬送手段を当接させて前記粘着シート基材を搬送する搬送工程と、
を含むことを特徴とする粘着シート基材の製造方法である。
<2> 表面のクルトシス(Sku)が3~20であることを特徴とする粘着シート基材である。
<3> 前記<2>に記載の粘着シート基材と、前記粘着シート基材の表面に配された粘着層とを有することを特徴とする粘着シートである。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、製造工程における搬送手段に対するブロッキングを抑制し、かつ、屈曲性に優れた粘着シート基材及びその製造方法、並びに、前記粘着シート基材を備えた粘着シートを提供することができる。
図1は、本発明の粘着シート基材の製造方法の一態様を示す概略説明図である。 図2は、本発明の粘着シート基材の製造方法の別の一態様を示す概略説明図である。
(粘着シート基材及びその製造方法)
本発明の粘着シート基材の製造方法は、粘着シート基材形成工程と、搬送工程とを少なくとも含み、更に、巻取工程を含むことが好ましく、必要に応じて更にその他の工程を含む。
本発明の粘着シート基材は、表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材である。前記粘着シート基材は、本発明の前記粘着シート基材の製造方法により好適に製造することができる。
以下に、粘着シート基材の製造方法の説明と併せて、前記粘着シート基材について説明する。
<粘着シート基材形成工程>
前記粘着シート基材形成工程は、粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形した成形物の少なくとも一方の表面に、表面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写部材を当接させ剥離させることにより、表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成する工程である。
<<転写部材>>
前記転写部材としては、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロール、転写シートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記転写シートが、使用性に優れる点で好ましい。
また、前記転写部材の数としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記転写部材の表面の中心線平均粗さ(Ra)としては、中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中心線平均粗さ(Ra)が、1.7μm~18μmであることが好ましく、1.8μm~16μmであることがより好ましく、2.0μm~15μmであることが更に好ましい。
本明細書において、前記転写部材の中心線平均粗さ(Ra)は、小形表面粗さ測定機(サーフテスト SJ-310、株式会社ミツトヨ製)を用い、JIS B 0601に準拠して測定した値を指す。
前記中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、市販品を用いてもよく、公知の転写シートの表面に表面処理を施したものや、適宜製造したものを用いてもよい。
前記転写シートの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テフロン、シリコーン、フッ素樹脂、紙などが挙げられる。
前記転写シートの厚みとしても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記転写シートの表面を粗面化する方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記転写シートの表面を、サンドブラスト法、表面研磨・摩擦法、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、酸化処理等の表面処理法により処理する方法;無機粒子又は有機粒子を含有させた転写シート用材料を用いてシート状に成形して形成する方法などが挙げられる。これらの中でも、前記転写シートの表面をサンドブラスト法で処理する方法が好ましい。
前記転写シートの表面をサンドブラスト法で処理する方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができる。
前記サンドブラスト法で使用する研磨剤としては、特に制限はなく、前記転写部材の表面の中心線平均粗さ(Ra)目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコニア、黒色炭化珪素、緑色炭化珪素、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、酸化アルミニウム(III)(コランダム)、褐色アルミナ(アランダム)、白色アルミナ、淡紅色アルミナ、解砕型アルミナ、人造エメリー、アルミナジルコニアなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、褐色アルミナ(アランダム)が好ましい。
前記研磨剤の粒子の粒度としては、特に制限はなく、前記転写部材の表面の中心線平均粗さ(Ra)に応じて適宜選択することができる。
前記研磨剤の微粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、針状、鱗片状が、前記粘着シート基材に優れたブロッキング性を付与することができるため好ましい。
前記粘着シート基材形成工程において、前記粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形することと、前記成形物に前記転写部材を当接させ剥離させることとは、同時に行われてもよく、別に行われてもよいが、同時に行われることが、簡便であるため好ましい。
前記粘着シート基材形成工程において、前記粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形することと、前記成形物に前記転写部材を当接させ剥離させることとが同時に行われる場合、前記粘着シート基材用材料は、前記転写部材によりシート状に成形されることが好ましい。
前記粘着シート基材形成工程において、前記粘着シート基材用材料を前記転写部材によりシート状に成形する方法としては、特に制限はなく、前記粘着シート基材用材料の成形方法などに応じて適宜選択することができる。
例えば、前記転写部材が前記ロールの場合は、前記粘着シート基材用材料を、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである成形ロール等のロールに当接させ剥離させる方法などが挙げられる。
前記転写部材が前記転写シートの場合は、例えば、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シートをロールに巻きつけ、更に必要に応じて該転写シートを接着させたロールを、前記粘着シート基材用材料に当接させ剥離させる方法;前記粘着シート基材用材料と、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シートとをロールに同時に巻き込んで当接させることにより、前記粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形した成形物と、前記転写シートとの積層物とした後、該積層物から該転写シートを剥離させる方法;ロールを使用せず、単に前記粘着シート基材用材料と、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シートとをプレスさせて当接させ剥離させる方法などが挙げられる。
前記粘着シート基材形成工程において、前記粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形することと、前記成形物に前記転写部材を当接させ剥離させることとを別に行う方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記転写部材が前記ロールの場合は、公知の方法により前記粘着シート基材用材料をシート状に成形した成形物を得た直後に、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmであるロールに該成形物を当接させ剥離させる方法などが挙げられる。
前記転写部材が前記転写シートの場合は、例えば、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シートをロールに巻きつけ、更に必要に応じて該転写シートを接着させたロールを、公知の方法により前記粘着シート基材用材料をシート状に成形した成形物に当接させ剥離させる方法;公知の方法により前記粘着シート基材用材料をシート状に成形した成形物を得た直後に、該成形物と、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シートとをロールに同時に巻き込んで当接させることにより、前記成形物と前記転写シートとの積層物とした後、該積層物から該転写シートを剥離させる方法;ロールを使用せず、単に公知の方法により前記粘着シート基材用材料をシート状に成形した成形物を得た直後に、該成形物と、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シートとをプレスさせて当接させ剥離させる方法などが挙げられる。
なお、本明細書において、「成形物を得た直後」とは、前記粘着シート基材用材料をシート状に成形した成形物が流動性を持っている限り、特に制限はなく、該粘着シート基材用材料に応じて適宜選択することができるが、前記成形物の温度が100℃~200℃であることが、前記転写部材の形状を前記粘着シート基材に容易に転写することができ、前記粘着シート基材の表面のクルトシス(Sku)や厚みを安定化させ易い点で好ましい。
前記粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形する方法としては、特に制限はなく、粘着シートに必要な機械的強度などに応じて適宜選択することができ、例えば、押し出し成型によるキヤスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法、カレンダー法、溶液法などが挙げられる。これらの方法は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、押し出し成型によるキヤスト法、インフレーション法、チューブ法、カレンダー法、溶液法が、前記粘着シート基材に好適な柔軟性や伸張性を付与する上で好ましい。
前記粘着シート基材形成工程では、前記成形物の少なくとも一方の表面に、前記転写部材を当接させ剥離させることができればよいが、前記成形物の両方の表面に、前記転写部材を当接させ剥離させることが、後述する搬送工程において、複数の搬送手段が使用される場合に、前記複数の搬送手段が、前記粘着シート基材のいずれも面に当接した場合であっても、前記粘着シート基材の前記搬送ロールに対するブロッキングを抑制できるため好ましい。
ただし、後述する搬送工程において、少なくとも1つの搬送手段と、前記粘着シート基材とが、前記粘着シート基材の一方の表面としか当接しない場合は、前記成形物の一方の表面に、前記転写部材を当接させ剥離させることにより、一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成すれば、前記粘着シート基材の前記搬送ロールに対するブロッキングを抑制することが可能である。
なお、表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材は、前記転写部材を使用する方法の他、例えば、サンドブラスト法、表面研磨・摩擦法、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、酸化処理等の前記粘着シート基材の表面を粗面化する方法や、前記粘着シート基材用材料に無機粒子又は有機粒子を含有させる方法などを使用して製造することもできる。
<<粘着シート基材>>
前記粘着シート基材形成工程により形成された粘着シート基材の少なくとも一方の表面のクルトシス(Sku)は、3~20である。前記粘着シート基材の表面クルトシスは、前記転写部材の形状と、前記粘着シート基材用材料の粘稠性との複合効果で決定されると考えられる。
前記粘着シート基材の表面のクルトシス(Sku)は、3~20である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5~15が好ましく、5~12がより好ましい。前記クルトシス(Sku)が、3未満であると、前記搬送手段に対するブロッキングを抑制する効果が十分に得られず、20を超えると、前記粘着シート基材に粘着層を積層した際に、前記粘着シート基材と前記粘着層との界面に密着性を得ることが難しくなる。
ここで、前記「クルトシス(Sku)」とは、ISO25178に規定された表面性状パラメータで、測定された領域の高さの平均の面を基準表面とした時の、基準表面に対する高さを示すパラメータのひとつである。特にクルトシス(Sku)は、粗さ形状の尖り度合いを示すものであり、下記式(1)で算出される。
Figure 0007119813000001
ここでSqは、二次元のRq(rms)を三次元に拡張したもので、前記式(2)で算出される標準偏差を表している。表面形状と基準表面との距離を二乗した部分と、基準表面にはさまれた部分の体積を測定面積Aで割った後に平方根を求めた二乗平均平方根偏差である。Zは測定された表面形状の高さ、xとyは基準表面の各軸を示す。
前記式(1)で算出されるSkuが3であると表面凹凸は正規分布を示し、Sku<3であると表面凹凸の高さ分布がつぶれているような形状になり、Sku>3であると高さ分布が尖っているとされる。
前記粘着シート基材の表面のクルトシス(Sku)は、例えば、非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(登録商標)2.0(型番:R3300G Lite、株式会社菱化システム製)、形状解析レーザ顕微鏡 コントローラ VK-X250(株式会社キーエンス製)などを用いて測定することができる。本明細書においてクルトシス(Sku)は、非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(登録商標)2.0(型番:R3300G Lite、株式会社菱化システム製)を使用し、下記測定条件で前記粘着シート基材の表面を観察することにより測定した値を指す。
-測定条件-
・ カメラ:XC-HR50、1/3型IT方式プログレッシブスキャンCCD搭載
(ソニー株式会社製)
・ 対物レンズ:5倍
・ 鏡筒:単眼鏡筒
・ 波長フィルター:530nm、WHITE
・ 表面測定モード:WAVE
・ 視野サイズ:640×480pixels
前記粘着シート基材の少なくとも一方の表面の平均算術粗さ(Sa)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.30μm~0.80μmが好ましく、0.40μm~0.75μmがより好ましく、0.45μm~0.70μmが特に好ましい。前記平均算術粗さ(Sa)が、0.30μm未満であると、前記搬送手段に対するブロッキングを抑制する効果が十分に得られないことがあり、0.80μmを超えると、前記粘着シート基材に粘着層を積層した際に、前記粘着シート基材と前記粘着層との界面に密着性を得ることが難しくなることがある。
前記粘着シート基材の平均算術粗さ(Sa)は、ISO25178に規定された表面性状パラメータで、二次元における算術平均粗さ(Ra)を三次元に拡張したパラメータである。前記粘着シート基材の平均算術粗さ(Sa)は、ISO25178に準拠して、前記クルトシス(Sku)と同様の装置を用いて測定することができるが、本明細書において平均算術粗さ(Sa)は、非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(登録商標)2.0(型番:R3300G Lite、株式会社菱化システム製)を使用し、前記クルトシス(Sku)の測定条件と同様の測定条件で前記粘着シート基材の表面を観察することにより測定した値を指す。
前記粘着シート基材の硬度(タイプA硬度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10~90が好ましく、20~65がより好ましい。前記粘着シート基材の硬度が前記好ましい範囲内であると、前記搬送手段に対するブロッキングを抑制でき、屈曲性に優れ、前記粘着シートを引き伸ばして剥がす際にも該粘着シートが千切れてしまうことを抑制することができ、更に該粘着シートの引き剥がしによる再剥離作業が容易になる。一方、前記硬度が、10未満であると、前記搬送手段に対して前記粘着シート基材のブロッキングが生じることや、前記粘着シートを引き伸ばして剥がす際に該粘着シートが千切れてしまうことがあり、90を超えると、屈曲性が低くなることや、前記粘着シートを引き伸ばして再剥離しようとした場合に、引き伸ばすための応力が高くなりすぎることで再剥離することができないことがある。
前記粘着シート基材のタイプA硬度(ショアA)は、デュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)(型式:GS-719G、株式会社テクロック製)を用い、JIS K 6253に準拠して測定した値を指す。
前記粘着シート基材の25%伸長時応力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.15MPa~10.0MPaが好ましく、0.25MPa~7.0MPaがより好ましく、0.3MPa~5.5MPaが更に好ましく、0.3MPa~2.0MPaが特に好ましい。前記25%伸長時応力が、前記好ましい範囲内であると、前記粘着シートとして好適な接着強度を得ることができ、伸長剥離する際でも比較的容易に引き剥がすことが可能となる。一方、前記25%伸長時応力が、0.15MPa未満であると、硬質な被着体同士を固定していながら前記粘着シートのせん断方向への荷重が生じた場合に前記粘着シートが剥がれてしまうことがあり、10.0MPaを超えると、前記粘着シートを引き剥がす際、該粘着シートを伸長させるために必要な力が過大となってしまうことがある。
前記粘着シート基材の25%伸長時応力は、前記粘着シート基材を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン万能材料試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、25%伸長したときに測定した応力値を指す。
前記粘着シート基材の破断点応力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0MPa~80.0MPaが好ましく、1.0MPa~60.0MPaがより好ましく、1.0MPa~30.0MPaが更に好ましく、2.0MPa~25.0MPaが特に好ましい。前記破断点応力が、前記好ましい範囲内であると、前記粘着シートを引き伸ばして剥がす際にも該粘着シートが千切れてしまうことを抑制することができ、該粘着シートを伸長させるための荷重が過剰になり過ぎないため引き剥がしによる再剥離作業が容易になる。一方、前記破断点応力が、1.0MPa未満であると、前記粘着シートを引き伸ばして剥がす際に該粘着シートが千切れてしまうことがあり、80.0MPaを超えると、前記粘着シートを引き伸ばして再剥離しようとした場合に、十分に引き伸ばすことができず再剥離することができないことがある。なお、前記粘着シートを引き伸ばして変形させる際に必要な力は、該粘着シートの厚みにも依存することになり、例えば、前記粘着シートの厚みが厚く破断点応力が高い粘着シートを引き伸ばして再剥離しようとした場合にも、十分に引き伸ばすことができず再剥離することができないことがある。
前記粘着シート基材の破断点応力は、前記粘着シート基材を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン万能材料試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した応力値を指す。
前記粘着シート基材の破断点伸度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、600%~3,000%が好ましく、650%~2,800%がより好ましく、700%~2,700%が更に好ましく、750%~2,000%が特に好ましい。前記破断点伸度が600%以上であると、前記粘着シートが強固に被着体に接着している場合でも該粘着シートを再剥離する際のシート水平方向へ引き伸ばすための応力が大きくなり過ぎず、引き剥がす際においても該粘着シートが過剰に伸びすぎることなく容易に引き剥がすことができる。また、前記破断点伸度が3,000%以下であると、前記粘着シートを再剥離する際のシート水平方向への引き伸ばし距離が長くなりすぎず小スペースでの作業が可能となる。一方、前記破断点伸度が、600%未満であると、前記粘着シートを再剥離する際のシート水平方向へ引き伸ばして剥がす際に破断を伴って剥がせないことがあり、3,000%を超えると、前記粘着シートを再剥離する際のシート水平方向への引き伸ばし距離が長くなりすぎるため作業性が悪くなる。
前記粘着シート基材の破断点伸度は、前記粘着シート基材を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン万能材料試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張り、破断したときに測定した引張伸び率を指す。
前記粘着シート基材は、単層構造であってもよく、2層、3層、又はそれ以上の複層構造であってもよいが、屈曲性に優れる点で、単層構造であることが好ましい。
前記粘着シート基材の平均厚みとしては、特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができるが、100μm~1,500μmであることが好ましく、120μm~1,300μmであることがより好ましく、150μm~1,000μmであることが更に好ましい。前記粘着シート基材の平均厚みが前記好ましい範囲内であると、被着体の歪みに対して粘着シートが追従し易く高い接着強度を得易く、前記粘着シート基材を有する粘着シートを水平方向に引き伸ばしながら再剥離する際に必要な応力が大きくなりすぎないため好ましい。
なお、本明細書において、「粘着シート基材の平均厚み」とは、前記粘着シート基材を、長さ方向(「搬送方向」と称することもある)に100mm間隔で5箇所、長さ方向に対して垂直な方向(「幅方向と称することもある」)に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の厚みをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚みの平均値を指す。
前記粘着シート基材の平均幅としては、特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができるが、1mm~3,000mmであることが好ましく、50mm~2,500mmであることがより好ましく、50mm~2,000mmであることが更に好ましく、50mm~1,500mmであることが特に好ましい。
なお、本明細書において、「粘着シート基材の平均幅」とは、前記粘着シート基材を、長さ方向に100mm間隔で5箇所の幅を、直尺(スケール)、巻尺、コンベックス等の公知のメジャーを用いて測定した、合計5点の幅の平均値を指す。
前記粘着シート基材は、前記粘着シート基材用材料を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。
-粘着シート基材用材料-
前記粘着シート基材用材料のメルトインデックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5g/10分間~50g/10分間のものを使用することが好ましく、5g/10分間~45g/10分間のものを使用することがより好ましく、5g/10分間~30g/10分間のものを使用することが更に好ましく、5g/10分間~20g/10分間のものを使用することが特に好ましい。前記メルトインデックスが、前記好ましい範囲内であると、前記粘着シート基材用材料を成形する際に、前記粘着シート基材の表面のクルトシス(Sku)や厚みを安定化させ易く、また、前記粘着シート基材と粘着層とを積層して粘着シートとして使用する際に、比較的高温環境下で使用した場合でも優れた保持力を得ることが可能となる。一方、前記メルトインデックスが、5g/10分間未満であると、前記粘着シート基材と粘着層とを積層して粘着シートとして使用する際に、比較的高温環境下で使用した場合に十分な保持力を得ることが難しいことがあり、50g/10分間を超えると、前記粘着シート基材用材料を成形する際に、前記粘着シート基材の表面のクルトシス(Sku)や厚みを安定化させることが難しくなることがある。
前記粘着シート基材用材料のメルトインデックスは、TP-401 メルトインデクサーI型(テスター産業株式会社製)を用い、JIS K 7210(200℃、5kg荷重)に準拠して測定することができる。
前記粘着シート基材用材料のタイプA硬度(ショアA)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20~80のものを使用することが好ましく、25~70のものを使用することがより好ましく、30~65のものを使用することが更に好ましく、35~60のものを使用することが特に好ましい。前記粘着シート基材用材料の硬度が、前記好ましい範囲内であると、前記粘着シート基材用材料を成形する際に、前記粘着シート基材の表面のクルトシス(Sku)や厚みを安定化させ易く、また、前記粘着シート基材と粘着層とを積層して粘着シートとして使用する際に、比較的高温環境下で使用した場合でも優れた保持力を得ることが可能となる。一方、前記粘着シート基材用材料の硬度が、20未満であると、前記粘着シート基材と粘着層とを積層して粘着シートとして使用する際に、比較的高温環境下で使用した場合に十分な保持力を得ることが難しいことがあり、80を超えると、前記粘着シート基材用材料を成形する際に、前記粘着シート基材の表面のクルトシス(Sku)や厚みを安定化させることが難しくなることがある。
前記粘着シート基材用材料のタイプA硬度(ショアA)は、デュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)(型式:GS-719G、株式会社テクロック製)を用い、常温(23℃)にて、JIS K 6253に準拠して測定することができる。
前記粘着シート基材用材料としては、例えば、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン共重合体等のスチレン系樹脂;エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン等のポリウレタン樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリメチルペンテン;ポリスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルイミド;ポリイミドフィルム;フッソ樹脂;ナイロン;アクリル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上併用することが好ましい。
これらの中でも、前記スチレン系樹脂や、前記ポリウレタン樹脂は、好適な破断点伸度や破断点応力を得易いため好ましく、前記スチレン系樹脂がより好ましく、スチレン-イソプレン共重合体とスチレン-イソプレン-スチレン共重合体とを組み合わせて使用することが特に好ましい。
--スチレン系樹脂--
前記スチレン系樹脂は、熱可塑性を示す樹脂であるため、押出成形や射出成形等の成形性に優れ、前記粘着シート基材を成形し易い。また、前記スチレン系樹脂は、一般的に熱可塑性樹脂と呼ばれる樹脂郡の中でも特に優れた破断点伸度が得られ易く、前記粘着シートの基材として好適に使用できる。
したがって、前記粘着シートの基材において、全樹脂成分に対して前記スチレン系樹脂が占める割合としては、50%~100%が好ましく、60%~100%がより好ましく、65%~100%が更に好ましく、70%~100%が特に好ましい。前記スチレン系樹脂の割合が前記好ましい範囲内であることで、破断点伸度や破断点応力が優れた粘着シートの基材を得ることができる。
前記スチレン系樹脂は、例えば、線状構造、分岐構造、又は多分岐構造の単一構造のものを使用してもよく、異なる構造のものを混合して使用してもよい。前記線状構造が豊富なスチレン系樹脂は、前記粘着シート基材に優れた破断点伸度を与えることができる。一方、分岐構造や多分岐構造でありながら分子末端にスチレンブロックを配したものは、擬似的架橋構造を取ることができ、優れた凝集力を与えることができる。このため、前記スチレン系樹脂は、必要な機械特性にあわせて混合して使用することが好ましい。
前記スチレン系樹脂としては、該スチレン系樹脂の全質量に対して、下記化学式(1)で表される構造単位を13質量%~60質量%の範囲で有するものを使用することが好ましく、15質量%~50質量%の範囲で有するものを使用することがより好ましく、15質量%~45質量%の範囲で有するものを使用することが更に好ましく、15質量%~35質量%の範囲で有するものが特に好ましい。前記スチレン系樹脂の全質量に対する下記化学式(1)で表される構造単位の割合が前記好ましい範囲内であることで、破断点伸度や破断点応力が好適な範囲で得られ易くなる。
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前記スチレン系樹脂として、前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体とを組み合わせて使用する場合、前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体との合計質量に対する、前記スチレン-イソプレン共重合体の含有量が、0質量%~80質量%であることが好ましく、0質量%~70質量%の範囲であることがより好ましく、0質量%~50質量%であることが更に好ましく、0質量%~30質量%であることが特に好ましい。前記スチレン-イソプレン共重合体の含有量が前記好ましい範囲内であると、優れた破断点伸度や破断点応力を維持しながら熱耐久性との両立が可能となる。
また、前記スチレン-イソプレン共重合体としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算で測定された重量平均分子量が、1万~80万の範囲であるものを使用することが好ましく、3万~50万の範囲であるものを使用することがより好ましく、5万~30万の範囲であるものを使用することが更に好ましい。前記スチレン-イソプレン共重合体の重量平均分子量が前記好ましい範囲内であることで、加熱流動性や溶剤希釈時の相溶性を確保できるため、製造工程における作業性が良好でありながら、熱耐久性を備えた前記粘着シート基材を得ることができるため好ましい。
ここで、GPC法による前記スチレン-イソプレン共重合体の重量平均分子量の測定は、GPC装置(SC-8020、東ソー株式会社製)を用いて測定される、標準ポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
-測定条件-
・ サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
・ サンプル注入量:100μL
・ 溶離液:テトラヒドロフラン
・ 流速:1.0mL/分
・ 測定温度:40℃
・ 本カラム:TSKgel(登録商標) GMHHR-H(20) 2本
・ ガードカラム:TSKgel HXL-H
・ 検出器:示差屈折計
・ 標準ポリスチレン分子量:1万~2,000万(東ソー株式会社製)
前記スチレン-イソプレン共重合体の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、アニオンリビング重合法によりスチレンブロック及びイソプレンブロックを逐次重合する方法などが挙げられる。
前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、アニオンリビング重合法によりスチレンブロック及びイソプレンブロックを逐次重合する方法、リビング性活性末端を有するブロック共重合体を製造した後にカップリング剤と反応させてカップリングしたブロック共重合体を製造する方法などが挙げられる。
前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体との混合物の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記方法で製造した前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体とを混合する方法などが挙げられる。
また、前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体との混合物の製造方法としては、ひとつの重合工程で同時に前記混合物として製造することも可能である。
より具体的な一態様としては、アニオンリビング重合法により、第一に、重合溶媒中、アニオン重合開始剤を用いてスチレン単量体を重合し、リビング性の活性末端を有するポリスチレンブロックを形成する。第二に、ポリスチレンブロックのリビング性の活性末端からイソプレンを重合し、リビング性の活性末端を有するスチレン-イソプレンジブロック共重合体を得る。第三に、前記リビング性の活性末端を有するスチレン-イソプレンジブロック共重合体の一部とカップリング剤とを反応させ、カップリングしたスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体を形成する。第四に、前記リビング性の活性末端を有するスチレン-イソプレンジブロック共重合体の残部を、重合停止剤を用いて、そのリビング性の活性末端を失活させ、スチレン-イソプレンジブロック共重合体を形成させる。
--ポリウレタン樹脂--
前記ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃以上の軟化点を有するものが好ましく、50℃以上の軟化点を有するものがより好ましい。また、前記軟化点の上限としては、100℃以下であることが好ましい。前記軟化点は、JIS K 2207(乾球式)に準拠して測定した値を指す(以下、軟化点については同様である)。
前記ポリウレタン樹脂としては、ポリオール(b1-1)とポリイソシアネート(b1-2)との反応物を好適に使用することができる。
前記ポリオール(b1-1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ポリオール(b1-1)としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが、前記粘着シート基材の機械特性を得ることができるため好ましい。前記粘着シート基材において、耐熱性が必要となる場合はポリエステルポリオールを使用することが好ましく、耐水性や耐生分解性が必要な場合はポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるポリエステル、ε-カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記低分子量のポリオールとしては、例えば、概ね重量平均分子量が50~300程度である、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3-ブタンジオール等の脂肪族アルキレングリコールや、シクロヘキサンジメタノールなどを使用することができる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びそれらの無水物又はエステル化物などが挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、後述する低分子量のポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールの製造に使用可能な、前記炭酸エステル及び/又はホスゲンと反応しうる低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’-ビフェノールなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネート(b1-2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等を使用することができ、脂環式ポリイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,6-メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキシレン-1,2-ジカルボキシレート及び2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール(b1-1)と前記ポリイソシアネート(b1-2)とを反応させてポリウレタン樹脂(b1)を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、反応容器に仕込んだ前記ポリオール(b1-1)を、常圧又は減圧条件下で加熱することにより水分を除去した後、前記ポリイソシアネート(b1-2)を一括又は分割して供給し反応させる方法などが挙げられる。
前記ポリオール(b1-1)と前記ポリイソシアネート(b1-2)との反応は、前記ポリイソシアネート(b1-2)が有するイソシアネート基(NCO)と、前記ポリオール(b1-1)が有する水酸基(OH)との当量比(NCO/OH当量比)が、1.0~20.0の範囲で行うことが好ましく、1.1~13.0の範囲で行うことがより好ましく、1.2~5.0の範囲で行うことが更に好ましく、1.5~3.0の範囲で行うことが特に好ましい。
前記ポリオール(b1-1)と前記ポリイソシアネート(b1-2)との反応条件としては、特に制限はなく、安全、品質、コスト等の諸条件を考慮して適宜選択することができるが、反応温度としては70℃~120℃が好ましく、反応時間としては30分間~5時間が好ましい。
前記ポリオール(b1-1)と前記ポリイソシアネート(b1-2)とを反応させる際には、必要に応じて、触媒として、例えば、三級アミン触媒、有機金属系触媒などを使用することができる。
また、前記反応は、無溶剤の環境下で行ってもよく、有機溶剤の存在下で行ってもよい。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のエーテルエステル系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤は、前記ポリウレタン樹脂(b1)の製造途中又は前記ポリウレタン(b1)を製造した後、減圧加熱、常圧乾燥等の適切な方法により除去してもよい。
-その他の成分-
前記粘着シート基材における前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘着付与樹脂;前記粘着シート基材用材料以外のポリマー成分;架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の無機系充填剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
--粘着付与樹脂--
前記粘着付与樹脂は、粘着シートにおける粘着層と、前記粘着シート基材との密着性を高めることや耐熱性を高める目的で使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、軟化点が、80℃以上のものが好ましく、90℃以上のものがより好ましく、100℃以上のものが更に好ましく、110℃以上のものが特に好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、常温(23℃)で固体状のものが好ましく、その具体例としては、C系石油樹脂、C系石油樹脂、C系/C系石油樹脂、脂環族系石油樹脂等の石油樹脂や、重合ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン-フェノール樹脂、スチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記粘着付与樹脂としては、前記C系石油樹脂と重合ロジン系樹脂とを組み合わせて使用することが、より一層優れた初期接着性と熱耐久性とを両立するうえで好ましい。
前記石油樹脂は、前記スチレン系樹脂を構成する前記化学式(1)で表される構造単位と相溶しやすく、その結果、前記粘着シートの初期接着力と熱耐久性とをより一層向上させることができる。
前記C系石油樹脂としては、例えば、エスコレッツ1202、エスコレッツ1304、エスコレッツ1401(以上、エクソンモービル社製)、ウイングタック95(グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー製)、クイントンK100、クイントンR100、クイントンF100(以上、日本ゼオン株式会社製)、ピコタック95、ピコペール100(理化ハーキュレス株式会社製)などが挙げられる。
前記C系石油樹脂としては、例えば、日石ネオポリマーL-90、日石ネオポリマー120、日石ネオポリマー130、日石ネオポリマー140、日石ネオポリマー150、日石ネオポリマー170S、日石ネオポリマー160、日石ネオポリマーE-100、日石ネオポリマーE-130、日石ネオポリマー130S、日石ネオポリマーS(以上、JX日鉱日石エネルギー株式会社製)、ペトコール(登録商標)(東ソー株式会社製)などが挙げられる。
前記C系/C系石油樹脂としては、前記C系石油樹脂と、前記C系石油樹脂との共重合体を使用することができ、例えば、エスコレッツ2101(エクソンモービル社製)、クイントンG115(日本ゼオン株式会社製)、ハーコタック1149(理化ハーキュレス株式会社製)等を使用することができる。
前記脂環族系石油樹脂としては、前記C系石油樹脂に水素添加して得ることができ、例えば、エスコレッツ5300(エクソンモービル社製)、アルコンP-100(荒川化学工業株式会社製)、リガライトR101(理化ハーキュレス株式会社製)などが挙げられる。
前記粘着付与樹脂の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粘着シート基材用材料の全量に対して、0質量%~100質量%の範囲で使用することが好ましく、0質量%~70質量%の範囲で使用することがより好ましく、0質量%~50質量%の範囲で使用することが更に好ましく、0質量%~30質量%の範囲で使用することが特に好ましい。前記粘着付与樹脂を前記好ましい範囲内で使用することで、前記粘着層と前記粘着シート基材との界面密着性を高めながら前記粘着シートの優れた破断点伸度や熱耐久性とを両立させ易くなる。
--老化防止剤--
前記老化防止剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール系老化防止剤、リン系老化防止剤(「加工安定剤」と称することもある)、アミン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記フェノール系老化防止剤、リン系老化防止剤が好ましく、これらを組み合わせて使用することが、前記粘着シート基材用材料の耐熱安定性を効果的に向上させることができ、その結果、良好な初期接着性を維持し、かつ、より一層優れた熱耐久性を備えた粘着シートを得ることができるため好ましい。なお、前記リン系老化防止剤は、高温環境下において経時的にわずかに変色(黄変)する場合があるため、その使用量は、前記初期接着性と熱耐久性と変色防止とのバランスを考慮し適宜設定することが好ましい。
前記フェノール系老化防止剤としては、一般に立体障害性基を有するフェノール系化合物を使用することができ、モノフェノール型、ビスフェノール型、ポリフェノール型が代表的である。具体例としては、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、テトラキス-[メチレン-3-(3’5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’5’-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系老化防止剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記粘着シート基材用材料100質量部に対し、0.1質量部~5質量部の範囲で使用することが好ましく、0.5質量部~3質量部の範囲で使用することが、前記粘着シート基材用材料の耐熱安定性を効果的に向上させることができ、その結果、良好な初期接着性を維持し、かつ、より一層優れた熱耐久性を備えた粘着シートを得ることができる。
<搬送工程>
前記搬送工程は、前記粘着シート基材の表面に搬送手段を当接させて前記粘着シート基材を搬送する工程である。
前記搬送工程により、前記粘着シート基材を長手方向で直線状に搬送することができる。
<<搬送手段>>
前記搬送手段としては、特に制限はなく、搬送方式などに応じて適宜選択することができ、例えば、ロールツーロール方式により搬送する場合は、鏡面金属ロール、ゴムロール等の搬送ロール;バキューム方式により搬送する場合は、吸盤、吸引部材など;コンベヤ方式により搬送する場合は、ベルトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記粘着シート基材の搬送速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3m/分間~30m/分間が好ましく、0.5m/分間~20m/分間がより好ましい。前記搬送速度が前記好ましい範囲内であると、前記粘着シート基材用材料を押し出し成形等の方法により成形する速度との相関がとり易く、前記粘着シート基材に過度な延伸応力などがかかり難く好適な引張伸度が得られ易い。
前記搬送手段の数としては、少なくとも1つ存在すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、複数存在することが一般的である。
<巻取工程>
前記巻取工程は、前記搬送工程によって搬送された前記粘着シート基材の一方の表面に剥離シートを当接させて、前記粘着シート基材と前記剥離シートとの積層物をロール状に巻き取る工程である。
前記粘着シート基材の製造方法が前記巻取工程を含むことで、巻取り張力による巻締まりを抑制することができ、また、長期間ロール状に保管した場合においても巻出し安定性を確保することができる。
<<剥離シート>>
前記剥離シートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン(二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、一軸延伸ポリプロピレン(CPP))、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルム;前記紙と樹脂フィルムとを積層したラミネート紙、前記紙にクレーやポリビニルアルコールなどで目止め処理を施したものの片面若しくは両面に、シリコーン系樹脂等の剥離処理を施したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<<巻取手段>>
前記粘着シート基材と前記剥離シートとの積層物をロール状に巻き取るために使用する巻取手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マンドレル、紙管、プラスチックコアなどが挙げられる。
前記巻取工程において、巻取り張力による巻締まりが生じると、前記粘着シート基材の幅が縮み、巻出し安定性が低下する。
したがって、本明細書において、「巻出し安定性」は、下記式(3)により算出される、前記搬送工程後の粘着シート基材の平均幅(以下、「搬送後平均幅」と称することがある)に対する、前記巻取工程において前記巻取手段に巻き取った粘着シート基材を巻き出した際の該粘着シート基材の平均幅(以下、「巻出し後平均幅」と称することがある)の寸法変化率Bにより評価することができ、前記寸法変化率Bが、2%未満の場合は、巻出し安定性がより優れているものとする。
なお、前記巻出し後平均幅は、前記巻取工程において前記巻取手段に前記粘着シート基材を長さ300mm巻き取った後、該粘着シート基材を雰囲気23℃、50%RHの条件で24時間静置し、次に、該粘着シート基材を長さ300mm巻き出し、巻き出した際の張力を保持した状態で測定した該粘着シート基材の平均幅を指す。
寸法変化率B(%)=巻出し後平均幅(mm)/搬送後平均幅(mm)×100 ・・・式(3)
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリミング工程などが挙げられる。
前記トリミング工程は、前記粘着シート基材における不要な厚みをトリミングする工程であり、例えば、トリミング用スリッターなどにより行うことができる。
前記粘着シート基材の製造方法の一態様について、図1を用いて説明する。
図1において、成形ロール2及び成形ロール3の少なくともいずれかの表面の中心線平均粗さ(Ra)は、1.5μm~20μmである。
例えば、前記粘着シート基材形成工程において、前記粘着シート基材用材料が前記押し出し成型によるキヤスト法によりシート状に成形される場合、粘着シート基材用材料Aを溶融してTダイ1から押し出し、直後に成形ロール2と、成形ロール3とでニップすることにより当接させ、次いで剥離させることにより、粘着シート基材用材料Aをシート状に成形すると同時に、前記転写部材の形状を粘着シート基材Bの少なくとも一方の表面に転写させ、少なくとも一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材Bを形成することができる。
前記転写部材としては、図1に示すように、成形ロール2及び成形ロール3の少なくともいずれかの表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmであるものを使用してもよく、成形ロール2及び成形ロール3の少なくともいずれかの表面に、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである前記転写シートを巻きつけ、成形ロール2及び成形ロール3と粘着シート基材用材料Aとの間に該転写シートを介在させたものを使用してもよい。
成形ロール2及び成形ロール3のいずれかの表面の中心線平均粗さ(Ra)を1.5μm~20μmとした場合、一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材Bを形成することができ、成形ロール2及び成形ロール3の両方の表面の中心線平均粗さ(Ra)を1.5μm~20μmとした場合、両方の表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材Bを形成することができる。
粘着シート基材Bが、前記搬送工程において、例えば、ロールツーロール方式により搬送される場合は、搬送手段4及び搬送手段5により搬送される。この際、粘着シート基材Bは、少なくとも一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20であるため、搬送手段4及び搬送手段5に対するブロッキングが抑制される。
ここでは、搬送手段を2つ設けた例を示したが、前述の通り、搬送手段は、搬送手段4及び搬送手段5のいずれか1つ存在していればよく、更に3つ以上存在していてもよい。
前記搬送工程において搬送された粘着シート基材Bは、必要に応じて、トリミング工程において、トリミング用スリッター6により、不要な厚みがトリミングされる。図1では、搬送手段4と搬送手段5との間に1つのトリミング用スリッター6が設けられているが、トリミング用スリッター6は、搬送工程のいずれの箇所に設けられていてもよく、また、複数のトリミング用スリッター6が設けられていてもよい。
前記搬送工程において搬送された粘着シート基材Bは、必要に応じて、巻取工程において、粘着シート基材Bの一方の表面に、剥離シート巻出手段7から巻き出された剥離シート8が当接され、粘着シート基材Bと剥離シート8との積層物が、巻取手段9によりロール状に巻き取られる。剥離シート8が粘着シート基材Bの一方の表面に当接されることにより、巻取り張力による巻締まりが抑制され、また、長期間ロール状に保管した場合においても巻出し安定性を確保することができる。
前記粘着シート基材の製造方法の別の一態様について、図2を用いて説明する。
例えば、前記粘着シート基材形成工程において、前記粘着シート基材用材料が前記押し出し成型によるキヤスト法によりシート状に成形される場合、粘着シート基材用材料Aを溶融してTダイ1から押し出し、直後に成形ロール201と、成形ロール202とでニップする。この時、転写シート巻出手段101及び転写シート巻出手段103の少なくともいずれかから、表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シート102及び表面の中心線平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写シート104の少なくともいずれかを巻き出し、これを成形ロール201及び成形ロール202でニップする際に、粘着シート基材用材料Aと同時に巻き込ませて、粘着シート基材用材料Aと、転写シート102及び転写シート104の少なくともいずれかとを当接させる。これにより、粘着シート基材用材料Aをシート状に成形すると同時に、前記転写部材の形状を粘着シート基材の少なくとも一方の表面に転写させ、少なくとも一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成することができるが、ここでは、前記粘着シート基材と、転写シート102及び転写シート104の少なくともいずれかとの積層物Cが形成される。
なお、転写シート102及び転写シート104のいずれか一方を使用した場合、一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成することができ、転写シート102及び転写シート104の両方を使用した場合、両方の表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成することができる。
前記搬送工程において、積層物Cが、例えば、ロールツーロール方式により搬送される場合は、搬送手段4により搬送される。この際、積層物Cと搬送手段4との間のブロッキングは、転写シート104により抑制することができる。次いで、転写シート102は、転写シート剥離手段105により積層物Cにおける前記粘着シート基材から剥離され、転写シート搬送手段106により搬送された後、転写シート巻取手段107により巻き取られる。また、転写シート104は、転写シート剥離手段108により積層物Cにおける前記粘着シート基材から剥離され、転写シート搬送手段109により搬送された後、転写シート巻取手段110により巻き取られる。次いで、粘着シート基材Bのみが、搬送手段5により搬送される。この際、粘着シート基材Bは、少なくとも一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20であるため、搬送手段5に対するブロッキングが抑制される。
図2における、巻取工程及びトリミング工程は、図1と同様である。
前記粘着シート基材及びその製造方法は、製造工程における搬送手段に対するブロッキングを抑制し、かつ、屈曲性に優れるものである。
更に、前記粘着シート基材は、表面のクルトシス(Sku)が3~20であるため、該粘着シート基材に粘着層を積層して前記粘着シートを形成する工程における搬送手段等に対するブロッキングも抑制できるものである。
前記粘着シート基材と、前記搬送工程における前記搬送手段との間においてブロッキングが生じた場合は、前記粘着シート基材の表面と前記搬手段の表面とが粘着し、該粘着が剥がれるのに時間を要することにより、前記粘着シート基材が前記搬送手段を通過する速度が、搬送速度よりも遅くなるため、前記粘着シート基材が搬送方向に引き伸ばされ、前記粘着シート基材の幅が縮むことになる。
したがって、本明細書において、「ブロッキング」は、下記式(4)により算出される、前記粘着シート基材形成工程後、かつ、前記搬送工程前の粘着シート基材の平均幅(以下、「初期平均幅」と称することがある)に対する、前記搬送工程後の粘着シート基材の平均幅(搬送後平均幅)の寸法変化率Aにより評価することができ、前記寸法変化率Aが、2%未満の場合は、ブロッキングが生じていないものとする。
寸法変化率A(%)=粘着シート基材の搬送後平均幅(mm)/粘着シート基材の初期平均幅(mm)×100 ・・・式(4)
また、前記粘着シート基材の屈曲性が低い場合は、前記巻取工程や前記粘着シート基材と粘着層とを積層させた粘着テープとした後に、凹凸や曲面形状の被着体に貼付した際においてシワが発生する。したがって、本明細書において、屈曲性は、前記粘着シート基材をマンドレルに巻き付けた際のシワの発生の有無により評価することができ、シワが認められない場合は、屈曲性が優れるものとする。
なお、本明細書において、「シワの発生の有無」は、前記粘着シート基材を、長さ方向に100mm間隔で5箇所において目視にて確認したシワの有無を指す。
(粘着シート)
本発明の粘着シート(「粘着テープ」と称することもある)は、前記粘着シート基材と、該粘着シート基材の表面に配された粘着層とを少なくとも有し、必要に応じて、更にその他の層を有する。
<粘着シート基材>
前記粘着シート基材は、表面のクルトシス(Sku)が3~20であり、本発明の前記粘着シート基材が好適に用いられる。
<粘着層>
前記粘着層は、粘着剤を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記粘着層は、前記粘着シート基材の表面に配されている限り、特に制限はなく、使用目的などに応じて適宜選択することができ、前記粘着シート基材の片面のみに配されていてもよく、両面に配されていてもよいが、両面に配されていることが好ましい。
前記粘着層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm~100μmであることが好ましく、10μm~90μmであることがより好ましく、15μm~80μmであることが更に好ましく、20μm~70μmであることが特に好ましい。
なお、本明細書において、「粘着層の平均厚み」とは、前記粘着シートを、長さ方向に100mm間隔で5箇所、幅方向に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の前記粘着層の厚みをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚みの平均値を指す。
前記粘着シート基材と前記粘着層との厚みの比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、[粘着層の平均厚み/粘着シート基材の平均厚み]で表される、前記粘着シート基材の平均厚みに対する前記粘着層の平均厚みの比率が、1/2~1/500であることが好ましく、1/3~1/300であることがより好ましく、1/5~1/200であることが更に好ましく、1/10~1/50であることが特に好ましい。前記粘着シート基材の平均厚みに対する前記粘着層の平均厚みの比率が前記好ましい範囲内にあると、前記粘着シートの優れた接着性と再剥離性を得ることができる。一方、前記比率が1/2より大きいと、前記粘着シートの再剥離工程で前記粘着層のみが被着体に残存してしまう可能性がある。また、前記比率が1/500より小さいと、被着体の表面が凹凸形状などの場合に粘着層が追従できずに顕著に接着強度が低下してしまう懸念がある。
<<粘着剤>>
前記粘着層に使用する粘着剤としては、特に制限はなく、公知の物の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
-アクリル系粘着剤-
前記アクリル系粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル重合体と、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤を含有するものなどが挙げられる。
前記アクリル重合体は、例えば、(メタ)アクリル単量体を含有する単量体混合物を重合させることによって製造することができる。
前記(メタ)アクリル単量体としては、例えば、炭素原子数1~12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートなどを使用することができる。
前記炭素原子数1~12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記炭素原子数1~12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素原子数4~12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数4~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することがより好ましく、n-ブチルアクリレートを使用することが、被着体に対する優れた密着性を確保する上で特に好ましい。
前記炭素原子数1~12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して、80質量%~98.5質量%の範囲で使用することが好ましく、90質量%~98.5質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル重合体の製造に使用可能な単量体としては、前記したものの他に、必要に応じて高極性ビニル単量体を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル単量体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体、アミド基を有する(メタ)アクリル単量体等の(メタ)アクリル単量体、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有するビニル単量体の具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル単量体などが挙げられる。
前記水酸基を有するビニル単量体は、前記粘着剤としてイソシアネート系架橋剤を含有するものを使用する場合に使用することが好ましい。具体的には、前記水酸基を有するビニル単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
前記水酸基を有するビニル単量体は、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して、0.01質量%~1.0質量%の範囲で使用することが好ましく、0.03質量%~0.3質量%質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等の(メタ)アクリル単量体などが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸が好ましい。
前記アミド基を有するビニルの具体例としては、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリル単量体などが挙げられる。
前記高極性ビニル単量体は、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して、1.5質量%~20質量%の範囲で使用することが好ましく、1.5質量%~10質量%の範囲で使用することがより好ましく、2質量%~8質量%の範囲で使用することが、凝集力、保持力、接着性の点でバランスのとれた粘着層を形成できるため更に好ましい。
前記アクリル重合体の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記単量体を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合方法で重合させる方法などが挙げられる。これらの中でも、前記アクリル重合体は、溶液重合法、塊状重合法で製造することが好ましい。
前記重合の際には、必要に応じて、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系熱重合開始剤、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾの熱重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤等を使用することができる。
前記方法で得られたアクリル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算で測定された重量平均分子量が、30万~300万であるものを使用することが好ましく、50万~250万であるものを使用することがより好ましい。
ここで、GPC法による前記アクリル重合体の重量平均分子量の測定は、GPC装置(HLC-8329GPC、東ソー株式会社製)を用いて測定される、標準ポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
-測定条件-
・ サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン(THF)溶液)
・ サンプル注入量:100μL
・ 溶離液:THF
・ 流速:1.0mL/分
・ 測定温度:40℃
・ 本カラム:TSKgel GMHHR-H(20)2本
・ ガードカラム:TSKgel HXL-H
・ 検出器:示差屈折計
・ 標準ポリスチレン分子量:1万~2,000万(東ソー株式会社製)
前記アクリル系粘着剤としては、被着体との密着性や面接着強度を向上させるため、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。
前記アクリル系粘着剤が含有する前記粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、軟化点が、30℃~180℃のものが好ましく、70℃~140℃のものが、高い接着性能を備えた粘着層を形成するうえでより好ましい。なお、(メタ)アクリレート系の粘着付与樹脂を使用する場合には、そのガラス転移温度が30℃~200℃のものが好ましく、50℃~160℃のものがより好ましい。
前記アクリル系粘着剤が含有する粘着付与樹脂の具体例としては、ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記粘着付与樹脂は、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂が好ましい。
前記粘着付与樹脂の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記アクリル重合体100質量部に対して、5質量部~65質量部の範囲で使用することが好ましく、8質量部~55質量部の範囲で使用することが、被着体との密着性を確保しやすくいためより好ましい。
前記アクリル系粘着剤としては、前記粘着層の凝集力をより一層向上させるうえで、架橋剤を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記架橋剤は、アクリル重合体の製造後に混合し、架橋反応を進行させるタイプの架橋剤が好ましく、アクリル重合体との反応性に富むイソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタンイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、3官能のポリイソシアネート系化合物である、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネートが特に好ましい。
架橋度合いの指標として、前記粘着層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が用いられる。前記粘着層の前記ゲル分率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%~70質量%が好ましく、25質量%~65質量%がより好ましく、35質量%~60質量%が、凝集性と接着性がともに良好な粘着層を得るうえで更に好ましい。
なお、ゲル分率は、下記の方法で測定された値を指す。剥離シート上に、乾燥後の厚みが50μmになるように前記粘着剤、更に必要に応じて前記添加剤を含有する組成物を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃で2日間エージングしたものを50mm角に切り取り、これを試料とする。次に、予め前記試料のトルエン浸漬前の質量(G1)を測定しておき、トルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、下記式(5)に従ってゲル分率が求められる。なお、試料中の導電性微粒子の重量(G3)は、試料の質量(G1)と粘着剤の組成から算出する。
ゲル分率(質量%)=(G2-G3)/(G1-G3)×100 ・・・式(5)
-ゴム系粘着剤-
前記ゴム系粘着剤としては、特に制限はなく、合成ゴム系粘着剤や天然ゴム系粘着剤等の一般的に粘着剤として使用できるゴム材料と、必要に応じて粘着付与樹脂等の添加剤を含有するものなどが挙げられる。
前記ゴム材料としては、例えば、ポリ芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体;スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン-ブチレン共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン共重合体等のスチレン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記スチレン系樹脂が好ましく、前記スチレン系樹脂を2種以上併用することが、前記粘着シートに優れた接着物性と保持力を与えることができるためより好ましく、前記スチレン-イソプレン共重合体とスチレン-イソプレン-スチレン共重合体とを組み合わせて使用することが特に好ましい。
前記スチレン系樹脂は、例えば、線状構造、分岐構造、又は多分岐構造の単一構造のものを使用してもよく、異なる構造のものを混合して使用してもよい。前記線状構造が豊富なスチレン系樹脂を前記粘着層に使用した場合は、前記粘着シートに優れた接着性能を与えることができる。一方、分岐構造や多分岐構造でありながら分子末端にスチレンブロックを配したものは、擬似的架橋構造を取ることができ、優れた凝集力を与えることができるため、高い保持力を与えることができる。このため、前記スチレン系樹脂は、必要な特性にあわせて混合して使用することが好ましい。
前記スチレン系樹脂としては、該スチレン系樹脂の全質量に対して、前記化学式(1)で表される構造単位を、10質量%~80質量%の範囲で有するものを使用することが好ましく、12質量%~60質量%の範囲で有するものを使用することがより好ましく、15質量%~40質量%の範囲で有するものを使用することが更に好ましく、17質量%~35質量%の範囲で有するものを使用することが特に好ましい。これにより、優れた接着性と耐熱性を得ることができる。
前記スチレン系樹脂として、前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体とを組み合わせて使用する場合、前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体との合計質量に対する、前記スチレン-イソプレン共重合体の含有量が、0質量%~80質量であることが好ましく、0質量%~77質量%であることがより好ましく、0質量%~75質量%であることが更に好ましく、0質量%~70質量%であることが特に好ましい。前記スチレン-イソプレン共重合体の含有量が前記好ましい範囲内であると、前記粘着シートに優れた接着性能と熱耐久性とを両立させることができる。
また、前記スチレン-イソプレン共重合体としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算で測定された重量平均分子量が、1万~80万の範囲であるものを使用することが好ましく、3万~50万の範囲であるものを使用することがより好ましく、5万~30万の範囲であるものを使用することが更に好ましい。前記スチレン-イソプレン共重合体の重量平均分子量が前記好ましい範囲内であることで、加熱流動性や溶剤希釈時の相溶性を確保できるため、製造工程における作業性が良好でありながら、熱耐久性を備えた前記粘着シート基材を得ることができるため好ましい。
前記GPC法による前記スチレン-イソプレン共重合体の重量平均分子量の測定は、前記「--スチレン系樹脂--」の項目で記載した方法と同様である。
前記スチレン-イソプレン共重合体、前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、及び前記スチレン-イソプレン共重合体と前記スチレン-イソプレン-スチレン共重合体との混合物の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の製造方法の中から適宜選択することができ、例えば、前記「--スチレン系樹脂--」の項目で記載した方法と同様の方法などが挙げられる。
前記ゴム系粘着剤が含有する前記粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。これにより、優れた初期接着性と熱耐久性とを備えた粘着剤及び粘着シートを得ることができる。
前記粘着付与樹脂としては、例えば、前記「--粘着付与樹脂--」の項目で記載したものなどを使用することができ、好ましい態様等も同様である。
前記軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記スチレン系樹脂の全量に対して、3質量%~100質量%の範囲で使用することが好ましく、5質量%~80質量%の範囲で使用することがより好ましく、5質量%~80質量%の範囲で使用することが、より一層優れた接着性と優れた熱耐久性とを両立した粘着剤及び粘着シートを得るうえで特に好ましい。
また、定温環境での貼付性や初期接着性を得る目的で、前記軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂と組み合わせて、前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂を使用することもできる。
前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、公知の前記粘着付与樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、室温で液状の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。
前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂の具体例としては、プロセスオイル、ポリエステル、ポリブテン等の液状ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂は、ポリブテンを使用することが、より一層優れた初期接着性を発現させるうえで好ましい。
前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂は、前記粘着付与樹脂の全量に対して、0質量%~40質量%の範囲で使用することが好ましく、0質量%~30質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また、前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂としては、前記スチレン系樹脂の全量に対して、0質量%~40質量%の範囲で使用することが好ましく、0質量%~30質量%の範囲で使用することが、初期接着力を向上させ良好に接着することができ、かつ、十分な熱耐久性を得ることができるためより好ましい。
前記軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂と前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂との質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、[軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂の質量/軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂の質量]で表される、前記軟化点が-5℃以下の粘着付与樹脂に対する前記軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂の質量比が、5倍~50倍となる範囲で使用することが好ましく、10倍~30倍となる範囲で使用することが、優れた初期接着性と優れた保持力とを両立した粘着剤及び粘着シートを得るうえでより好ましい。
前記スチレン系樹脂と前記粘着付与樹脂との質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、[スチレン系樹脂/粘着付与樹脂]で表される、前記粘着付与樹脂に対する前記スチレン系樹脂の質量比が、0.5~10.0となる範囲で使用することが好ましく、0.6~9.0となる範囲で使用することが、初期接着力を向上することができ、かつ、優れた熱耐久性を得ることができるためより好ましい。また、前記質量比[スチレン系樹脂/粘着付与樹脂]は、1よりも大きいことが、例えば、被着体の曲面部等に貼付した際に前記粘着シートの反発力に起因した剥がれを防止(耐反発性)するうえで好ましい。
<<その他の成分>>
前記粘着層におけるその他の成分としては、特に制限はなく、前記粘着シートの特性を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、前記粘着剤以外のポリマー成分、架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、可塑剤、軟化剤、難燃剤、金属不活性剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の無機系充填剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、帯電防止層、不燃層、加飾層、導電層、熱伝導層、離型層などが挙げられる。
前記粘着シートの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、105μm~1,600μmであることが好ましく、110μm~1,500μmであることがより好ましく、120μm~1,400μmであることが更に好ましく、130μm~1,300μmであることが特に好ましい。前記粘着シートの平均厚みが上記好ましい範囲にあると、被着体の歪などに対して追従し易く優れた接着強度が得られ易くなり、前記粘着シートを水平方向に引き伸ばして再剥離する際に必要となる応力が大きくなりすぎないため好ましい。前記粘着シートは、被着体が金属やプラスチックのような硬質なものでありながら大面積なものである場合も想定される。一般的に、大面積な被着体であるほど歪みを抑制して成形することが困難である。このような被着体の歪みを粘着シートで追従させることで、例えば、電子機器などの緻密な機構をより正確に完成させることができる。
なお、本明細書において、「粘着シートの平均厚み」とは、前記粘着シートを、長さ方向に100mm間隔で5箇所、幅方向に切断し、前記各切断面において幅方向に100mm間隔で5点の前記粘着層の厚みをTH-104 紙・フィルム用厚さ測定機(テスター産業株式会社製)を用いて測定した、合計25点の厚みの平均値を指す。
前記粘着シートの幅としては、特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができるが、1mm~3,000mmであることが好ましく、50mm~2,500mmであることがより好ましく、50mm~2,000mmであることが更に好ましく、50mm~1,500mmであることが特に好ましい。
なお、本明細書において、「粘着シートの平均幅」とは、前記粘着シートを、長さ方向に100mm間隔で5箇所の幅を、直尺(スケール)、巻尺、コンベックス等の公知のメジャーを用いて測定した、合計5点の幅の平均値を指す。
前記粘着シートの製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粘着シート基材の少なくとも一方の面に、押し出し成型によるキヤスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法、カレンダー法、溶液法などの方法により前記粘着層を形成する方法などが挙げられる。これらの中でも、押し出し成型によるキヤスト法、溶液法が好ましい。
前記溶液法としては、例えば、ロールコーター等で直接前記粘着シート基材に前記粘着剤を含む溶液を塗布する方法、剥離シート上に前記粘着層を形成後、剥離して使用する方法などが挙げられる。
前記剥離シートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「<<剥離シート>>」の項目に記載したものなどが挙げられる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<粘度シート基材用材料>
以下の実施例及び比較例において、粘着シート基材用材料としては、下記表1に記載の樹脂組成物(1)~(6)を使用した。
Figure 0007119813000003
Figure 0007119813000004
前記樹脂組成物(1)~(6)のメルトインデックス[g/10分間]は、TP-401 メルトインデクサーI型(テスター産業株式会社製)を用い、JIS K 7210(200℃、5kg荷重)に準拠して測定した。
前記樹脂組成物(1)~(6)のタイプA硬度(ショアA)は、デュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)(型式:GS-719G、株式会社テクロック製)を用い、常温(23℃)にて、JIS K 6253に準拠して測定した。
(実施例1:粘着シート基材1の製造)
図1に記載の方法を用いて実施例1の粘着シート基材1を製造した。具体的には、以下に示す方法を用いた。
<粘着シート基材形成工程>
樹脂組成物(1)をTダイ押出機(一軸(単軸)押出機 D2020、D(mm)=20、L/D=20、ダイス:300mm幅コートハンガーダイ、株式会社東洋精機製作所製)を使用して200℃で溶融し、粘着シート基材の平均厚みが1,000μmとなるように押し出し、直後に冷却水を内部循環した中空金属ロール(直径300mm)と、ゴムロール(直径200mm、ショアA硬度80)にサンドブラスト法で中心線平均粗さ(Ra)5μmとしたテフロンシート(GRC、グンゼ株式会社製)(以下、「転写シート」と称することがある)を巻き付けたロールとで、ニップ圧0.3MPaでニップし、無延伸の「粘着シート基材1」を得た。
<搬送工程>
前記粘着シート基材1を、硬質クロムメッキした鏡面金属ロールにより抱き角90°として搬送した。
<巻取工程>
前記搬送工程で搬送した前記粘着シート基材1の一方の表面に剥離シート(SB-70WGD(#1912)、住化加工紙株式会社製)を当接させて、前記粘着シート基材1と前記剥離シートとの積層物を巻取り装置にて巻き取った。
(実施例2:粘着シート基材2の製造)
実施例1の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)を溶融押し出しする際の条件を、粘着シート基材の平均厚みが200μmとなるように変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い、無延伸の「粘着シート基材2」を得た。
また、実施例1の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材1に替えて、前記粘着シート基材2を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
(実施例3:粘着シート基材3の製造)
実施例1の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)に替えて樹脂組成物(2)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い「粘着シート基材3」を得た。
また、実施例1の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材1に替えて、前記粘着シート基材3を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
(実施例4:粘着シート基材4の製造)
実施例1の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)に替えて樹脂組成物(3)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い「粘着シート基材4」を得た。
また、実施例1の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材1に替えて、前記粘着シート基材4を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
(実施例5:粘着シート基材5の製造)
実施例1の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)に替えて樹脂組成物(4)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い「粘着シート基材5」を得た。
また、実施例1の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材1に替えて、前記粘着シート基材5を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
(実施例6:粘着シート基材6の製造)
実施例1の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)に替えて樹脂組成物(5)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い「粘着シート基材6」を得た。
また、実施例1の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材1に替えて、前記粘着シート基材6を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
(実施例7:粘着シート基材7の製造)
実施例1の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)に替えて樹脂組成物(6)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い「粘着シート基材7」を得た。
また、実施例1の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材1に替えて、前記粘着シート基材7を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
(比較例1:粘着シート基材8の製造)
図2に記載の方法を用いて比較例1の粘着シート基材8を製造した。具体的には、以下に示す方法を用いた。
<粘着シート基材形成工程>
実施例1の粘着シート基材形成工程において、前記ゴムロール(直径200mm、ショアA硬度80)に前記転写シート(中心平均粗さ(Ra):5μm)を巻き付けたロールに替えて、ゴムロール(直径200mm、ショアA硬度80)を使用し、前記中空金属ロール(直径300mm)と、ゴムロール(直径200mm、ショアA硬度80)とでニップする際に、転写シート(ポリエチレンテレフタレート(PET)基材剥離シート、フィルムバイナ(登録商標) 50E-0010GT、両面の中心線平均粗さ(Ra):0.05μm、藤森工業株式会社製)を前記ゴムロールと当接させるようにして片側から巻き出し、前記Tダイ押出機から押し出した樹脂組成物(1)と同時にニップして貼り合わせ、樹脂組成物(1)とPET基材剥離シートとの積層物としたこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い、片面にPET基材剥離シートを有する無延伸の「粘着シート基材8」を得た。
<搬送工程>
前記粘着シート基材8を搬送する際には、硬質クロムメッキした鏡面金属ロールを使用し、搬送中に前記粘着シート基材8から前記PET基材剥離シートを剥離し、該転写シートは巻取装置により巻き取った。前記PET基材剥離シートが剥離された前記粘着シート基材8は、次いで、硬質クロムメッキした鏡面金属ロールにより抱き角90°となるものを使用して搬送した。
<巻取工程>
前記搬送工程で搬送した前記粘着シート基材8を、巻き取り装置にて巻き取った。
(比較例2:粘着シート基材9の製造)
比較例1の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)に替えて樹脂組成物(2)を使用したこと以外は、比較例1と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い片面にPET基材剥離シートを有する無延伸の「粘着シート基材9」を得た。
また、比較例1の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材8に替えて、前記粘着シート基材9を使用したこと以外は、比較例1と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
(比較例3:粘着シート基材10の製造)
<粘着シート基材形成工程>
実施例2の粘着シート基材形成工程において、溶融押し出しされた樹脂組成物(1)を、冷却水を内部循環した中空金属ロール(直径300mm)と、前記ゴムロール(直径200mm、ショアA硬度80)に前記転写シート(中心平均粗さ(Ra):5μm)を巻き付けたロールとでニップする際に、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP;FOR#25、厚み25μm、フタムラ化学株式会社製)を前記中空金属ロール及び前記ゴムロールとそれぞれ当接させるようにして両側から巻き出し、前記Tダイ押出機から押し出した樹脂組成物(1)と同時にニップして貼り合わせ、樹脂組成物(1)とOPPフィルムとの積層物としたこと以外は、実施例2と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い、両面にOPPの表面層を有する無延伸の「粘着シート基材10」を得た。
<搬送工程>
実施例2の搬送工程において、前記粘着シート基材2に替えて、前記粘着シート基材10を使用したこと以外は、実施例2と同様の方法で搬送工程を行った。
<巻取工程>
前記搬送工程で搬送した前記粘着シート基材10を、巻き取り装置にて巻き取った。
(比較例4:粘着シート基材11の製造)
比較例3の粘着シート基材形成工程において、樹脂組成物(1)を溶融押し出しする際の条件を、粘着シート基材の平均厚みが1,000μmとなるように変更したこと以外は、比較例3と同様の方法で粘着シート基材形成工程を行い、両面にOPPの表面層を有する無延伸の「粘着シート基材11」を得た。
また、比較例3の搬送工程及び巻取工程において、前記粘着シート基材10に替えて、前記粘着シート基材11を使用したこと以外は、比較例3と同様の方法で搬送工程及び巻取工程を行った。
実施例1~7及び比較例1~4の粘着シート基材1~11の平均算術粗さ(Sa)、クルトシス(Sku)、硬度(タイプA硬度)、25%伸長時応力、破断点応力、及び破断点伸度を以下の方法で測定し、測定結果を下記表2及び3に示した。
<<平均算術粗さ(Sa)及びクルトシス(Sku)>>
ISO25178に準拠して、非接触表面・層断面形状計測システム VertScan(登録商標)2.0(型番:R3300G Lite、株式会社菱化システム製)を使用し、下記測定条件で各粘着シート基材の表面を観察し、平均算術粗さ(Sa)及びクルトシス(Sku)を測定した。
-測定条件-
・ カメラ:XC-HR50、1/3型IT方式プログレッシブスキャンCCD搭載
(ソニー株式会社製)
・ 対物レンズ:5倍
・ 鏡筒:単眼鏡筒
・ 波長フィルター:530nm、WHITE
・ 表面測定モード:WAVE
・ 視野サイズ:640×480pixels
<<硬度>>
デュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)(型式:GS-719G、株式会社テクロック製)を用い、JIS K 6253に準拠して各粘着シート基材のタイプA硬度(ショアA)を測定した。
<<25%伸長時応力、破断点応力、及び破断点伸度>>
各粘着シート基材を、標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃、50%RHの条件で、テンシロン万能材料試験機(型式:RTF-1210、株式会社エー・アンド・デイ製)を用い、引張速度300mm/分間で長さ方向に引っ張ることで、各粘着シート基材の25%伸長時応力、破断点応力、及び破断点伸度を測定した。
また、実施例1~7及び比較例1~4の粘着シート基材1~11のブロッキング及び屈曲性を以下の方法で評価し、評価結果を下記表2及び3に示した。
<<ブロッキング>>
実施例1~7、並びに、比較例3及び4の粘着シート基材1~7、10、及び11については、粘着シート基材形成工程後、かつ、搬送工程前の各粘着シート基材について、長さ方向に100mm間隔で5箇所の幅を、メジャーを用いて測定し、「初期平均幅」とした。
比較例1及び2の粘着シート基材8及び9については、搬送工程において、PET基材剥離シートの剥離後、硬質クロムメッキした鏡面金属ロールにより抱き角90°で搬送する前の各粘着シート基材について、長さ方向に100mm間隔で5箇所の幅を、メジャーを用いて測定し、「初期平均幅」とした。
前記粘着シート基材1~11の初期平均幅は、50mmであった。
次に、搬送工程において、各粘着シート基材が抱き角90°とした前記硬質クロムメッキした鏡面金属ロールを通過した直後の粘着シート基材について、長さ方向に100mm間隔で5箇所の幅を、メジャーを用いて測定し、「搬送後平均幅」とした。
次に、前記初期平均幅と、前記搬送後平均幅とから、下記式(6)により「寸法変化率A」を算出し、下記評価基準に基づきブロッキングを評価した。
-評価基準-
・ ○:下記式(6)により算出される寸法変化率Aが0%~2%である場合
・ ×:下記式(6)により算出される寸法変化率Aが2%を超える場合
寸法変化率A(%)=各粘着シート基材の搬送後平均幅(mm)/各粘着シート基材の初期平均幅(mm)×100 ・・・式(6)
<<屈曲性>>
各粘着シート基材を直径2mmのマンドレルに巻き付けた際のシワの発生の有無を、前記各粘着シート基材の長さ方向に100mm間隔で5箇所において目視にて確認し、下記評価基準に基づき評価した。
-評価基準-
・ ○:粘着シート基材にシワが認められなかった
・ ×:粘着シート基材にシワが認められた
Figure 0007119813000005
Figure 0007119813000006
上記表2及び3の結果より、実施例1~7の粘着シート基材は、いずれも搬送ロールに対するブロッキングを抑制し、かつ、屈曲性に優れることがわかった。一方、表面のクルトシス(Sku)が3未満である比較例1及び2の粘着シート基材は、搬送ロールに対するブロッキングが生じた。また、表面層を有する比較例3及び4の粘着シート基材は、屈曲性が低かった。
(実施例8)
実施例1の巻取工程において、前記剥離シートを使用せずに、前記搬送工程で搬送した前記粘着シート基材1のみを巻取り装置にて巻き取った。
実施例1及び8の粘着シート基材1の巻出し安定性を以下の方法で評価し、評価結果を下記表4に示した。
<<巻出し安定性>>
巻取工程においてマンドレルに各粘着シート基材を長さ300mm巻き取った後、各粘着シート基材を雰囲気23℃、50%RHの条件で24時間静置した。
次に、各粘着シート基材を長さ300mm巻き出し、巻き出した際の張力を保持した状態で各粘着シート基材について、長さ方向に100mm間隔で5箇所の幅を、メジャーを用いて測定し、合計5点の幅の平均値を「巻出し後平均幅」とした。
次に、前記巻出し後平均幅と、前記ブロッキングの評価で測定した搬送後平均幅とから、下記式(7)により「寸法変化率B」を算出し、下記評価基準に基づき巻出し安定性を評価した。なお、なお、粘着シート基材1~7の巻出し後平均幅は、50mmであった。
-評価基準-
・ ○:下記式(7)により算出される寸法変化率Bが0%~2%である場合
・ △:下記式(7)により算出される寸法変化率Bが2%を超える場合
寸法変化率B(%)=各粘着シート基材の巻出し後平均幅(mm)/各粘着シート基材の搬送後平均幅(mm)×100 ・・・式(7)
Figure 0007119813000007
上記表4の結果より、実施例1の粘着シート基材は、巻取工程において剥離シートを当接させているため、巻出し安定性に優れるものであったが、巻取工程において剥離シートを使用していない実施例8の粘着シート基材は、巻出し安定性が劣っていた。
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> 粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形した成形物の少なくとも一方の表面に、表面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写部材を当接させ剥離させることにより、表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成する粘着シート基材形成工程と、
前記粘着シート基材の表面に搬送手段を当接させて前記粘着シート基材を搬送する搬送工程と、
を含むことを特徴とする粘着シート基材の製造方法である。
<2> 粘着シート基材用材料のメルトインデックスが、5g/10分間~50g/10分間である前記<1>に記載の粘着シート基材の製造方法である。
<3> 搬送工程によって搬送された粘着シート基材の一方の表面に剥離シートを当接させて、前記粘着シート基材と前記剥離シートとの積層物をロール状に巻き取る巻取工程を更に含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の粘着シート基材の製造方法である。
<4> 表面のクルトシス(Sku)が3~20であることを特徴とする粘着シート基材である。
<5> ショアA硬度が10~90である前記<4>に記載の粘着シート基材である。
<6> ショアA硬度が20~65である前記<4>から<5>のいずれかに記載の粘着シート基材である。
<7> 前記<4>から<6>のいずれかに記載の粘着シート基材と、前記粘着シート基材の表面に配された粘着層とを有することを特徴とする粘着シートである。
1 Tダイ
2 成形ロール
3 成形ロール
4 搬送手段
5 搬送手段
6 トリミング用スリッター
7 剥離シート巻出手段
8 剥離シート
9 巻取手段
101 転写シート巻出手段
102 転写シート
103 転写シート巻出手段
104 転写シート
105 転写シート剥離手段
106 転写シート搬送手段
107 転写シート巻取手段
108 転写シート剥離手段
109 転写シート搬送手段
110 転写シート巻取手段
201 成形ロール
202 成形ロール
A 粘着シート基材用材料
B 粘着シート基材
C 積層物

Claims (8)

  1. ショアA硬度が10~90である粘着シート基材用材料を用いてシート状に成形した成形物の少なくとも一方の表面に、表面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm~20μmである転写部材を当接させ剥離させることにより、表面のクルトシス(Sku)が3~20である粘着シート基材を形成する粘着シート基材形成工程と、
    前記粘着シート基材の表面に搬送手段を当接させて前記粘着シート基材を搬送する搬送工程と、
    を含むことを特徴とする粘着シート基材の製造方法。
  2. 前記粘着シート基材用材料のメルトインデックスが、5g/10分間~50g/10分間である請求項1に記載の粘着シート基材の製造方法。
  3. 前記搬送工程によって搬送された前記粘着シート基材の一方の表面に剥離シートを当接させて、前記粘着シート基材と前記剥離シートとの積層物をロール状に巻き取る巻取工程を更に含む請求項1から2のいずれかに記載の粘着シート基材の製造方法。
  4. 前記粘着シート基材用材料が、全樹脂成分に対して、スチレン系樹脂を50質量%~100質量%含有する請求項1から3のいずれかに記載の粘着シート基材の製造方法。
  5. 少なくとも一方の表面のクルトシス(Sku)が3~20であり、少なくとも一方の表面の平均算術粗さ(Sa)が0.30μm~0.80μmであり、かつショアA硬度が10~90であることを特徴とする粘着シート基材。
  6. 全樹脂成分に対して、スチレン系樹脂を50質量%~100質量%の範囲で含有する請求項5に記載の粘着シート基材。
  7. 前記ショアA硬度が20~65である請求項5から6のいずれかに記載の粘着シート基材。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の粘着シート基材と、前記粘着シート基材の表面に配された粘着層とを有することを特徴とする粘着シート。
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