JP2013157770A - 車載カメラ用露出制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の明るさが変化しても、路面と認識対象物とのコントラストが一定になるような画像を得る。
【解決手段】撮像部100で撮像され、濃度変換部140で、撮像部100が有する第1の露光特性が変換された線形性を有する第2の露光特性に基づいて、輝度値が濃度値に変換された画像を生成し、目標濃度値設定部234において、濃度値算出部233で算出された、画像の所定のウインドウ内部の画素が撮像されるべき目標濃度値が設定され、露光特性設定部235において、算出された目標濃度値を得るための第3の露光特性が、第2の露光特性に基づいて設定され、撮像素子制御部236が撮像部100に対して、設定された第3の露光特性で撮像を行う指示を出力し、撮像部100で撮像を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に設置され、周囲の明るさに応じて、車載カメラの露出制御を行う車載カメラ用露出制御装置に関する。
近年、車両にカメラを設置し、走行車線の端に描画された白線や黄線(以下、レーンマーカと呼ぶ)を撮像した画像の中から、画像処理によってレーンマーカを検出し、このレーンマーカの位置と車両の挙動とに基づいて、車線逸脱の可能性を判断して警報を出力する車線逸脱警報システムが提案されている。
このような画像処理を用いたシステムにあっては、周囲の明るさによらずに、レーンマーカを安定して検出できることが望ましい。
そのため、周囲の明るさに応じて、カメラの露出制御を行う露出制御装置が提案されている(特許文献1)。
特開2006−60504号公報
特許文献1に記載された発明では、路面領域の平均画素値を算出して 算出された平均画素値に、平均画素値に応じた定数を乗じて平均画素値を補正し、この補正した平均画素値が目標画素値と等しくなるように露出制御を行い、こうして撮像された画像の中からレーンマーカの検出を行っている。
しかしながら、特許文献1に記載された露出制御方法にあっては、撮像部に使用されている撮像素子の露光特性の非線形性を考慮していないため、露出制御された画像において、路面領域とレーンマーカとのコントラストが一定ではなかった。
ここで、露出制御された画像の中からレーンマーカを検出する際には、撮像された画像毎に、路面とレーンマーカとを識別するための適切なしきい値を設定する必要があるが、上記のようにコントラストが一定でないときには、路面とレーンマーカとを適切に識別するために画像毎にしきい値を変化させる必要があり、このしきい値を設定する処理が複雑になって演算時間が増加するという問題があった。
さらに、特許文献1に記載された露出制御方法にあっては、周囲が急激に明るくなるときの露出制御方法については記載されているが、周囲が急激に暗くなるときの露出制御方法については何ら言及されておらず、特許文献1に記載された発明が、トンネル進入時のように、周囲が急激に暗くなる場面に適用できるものなのか否かが不明確である。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、周囲の明るさの変化、また、その変化の方向によらずに、レーンマーカのような所定の対象物を、一定のコントラストで撮像できるように露出制御することが可能な、車載カメラ用露出制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車載カメラ用露出制御装置は、撮像部で撮像された情報を、非線形性を有する第1の露光特性が変換された、線形性を有する第2の露光特性に基づいて画像化し、画像の所定位置に設定したウインドウ内部の画素の濃度値に対応した輝度値に基づいてウインドウ内部の画素が撮像されるべき目標濃度値を算出し、算出された目標濃度値を得るための第3の露光特性を設定して、設定された第3の露光特性によって撮像を行うことによって、周囲の明るさが変化しても、路面とレーンマーカのような所定の対象物との間のコントラストが一定である画像を撮像することができるものである。
すなわち、本発明に係る車載カメラ用露出制御装置は、車両に搭載され、所定の対象物を含む車両周囲を撮像する、シャッタ速度を変更可能な撮像部と、前記撮像部で撮像される物体の輝度値と前記撮像部で撮像された画像の中の前記物体に対応する画素の濃度値との関係を示す複数の第1の露光特性を、前記関係が線形性を有する複数の第2の露光特性に変換する露光特性変換部と、前記撮像部で撮像された前記物体の輝度値を、前記複数の第2の露光特性の中の1つの第2の露光特性に基づいて濃度値に変換する濃度変換部と、前記濃度変換部で変換された濃度値を有する画像の中に設定された、所定のウインドウ内部の画素が撮像されるべき目標濃度値を設定する目標濃度値設定部と、前記ウインドウ内部の画素の濃度値に対応した輝度値を前記目標濃度値に変換する、前記第2の露光特性における線形性を有する範囲において前記第2の露光特性と同様の露光特性を有する第3の露光特性を設定する露光特性設定部と、前記撮像部のシャッタ速度を、前記第3の露光特性を実現するように変更して撮像を行う撮像素子制御部と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明に係る車載カメラ用露出制御装置によれば、撮像部で撮像された物体の輝度値と画像化された物体の濃度値との関係を示す複数の第1の露光特性が、露光特性変換部によって、線形性を有する複数の第2の露光特性に変換され、変換された複数の第2の露光特性の中の1つの第2の露光特性に基づいて、撮像部で撮像された輝度値が濃度変換部で濃度値に変換され、目標濃度値設定部において、画像の中に設定された所定のウインドウ内部の画素が撮像されるべき目標濃度値が設定されて、露光特性設定部において、前記ウインドウ内部の画素の濃度値に対応する輝度値と複数の第2の露光特性とに基づいて、第2の露光特性の線形性を有する範囲において第2の露光特性と同様の露光特性を有する、所定のウインドウ内部の画素が目標濃度値で撮像されるための第3の露光特性が設定され、こうして設定された第3の露光特性に基づいて、撮像制御部が、撮像部のシャッタ速度を第3の露光特性を実現するように変更して、撮像部が所定の対象物を含む車両周囲の撮像を行うため、周囲の明るさが変化や、その変化の方向にかかわらず、所定の対象物を一定のコントラストで撮像することができる。
本発明に係る車載カメラ用露出制御装置によれば、周囲の明るさの変化にかかわらず、また、その変化の方向にかかわらず、路面とレーンマーカのような所定の対象物とが、一定のコントラストで撮像できるように撮像部の露出制御を行うことができる。
そして、路面とレーンマーカのような所定の対象物とが、一定のコントラストで撮像できることによって、路面とレーンマーカとを識別するための適切なしきい値の設定を容易に行うことができる。
本発明の実施例1に係る車載カメラ用露出制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図1の機能ブロック間の繋がりを説明する機能ブロック図である。 撮像部の第1の露光特性を説明する図である。 撮像部の第2の露出特性を説明する図である。 本発明の実施例1の動作の流れを示すフローチャートである。 目標濃度値を求める方法を説明する図である。 目標濃度値を求める第2の方法を説明する図である。 目標濃度値を求める第3の方法を説明する図である。 ウインドウの設定方法を説明する図である。 ウインドウの第2の設定方法を説明する図である。 ウインドウの第3の設定方法を説明する図である。 ウインドウの第4の設定方法を説明する図である。
以下、本発明に係る車載カメラ用露出制御装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施例は、本発明に係る車載カメラ用露出制御装置の一例としてのレーンマーカ検出装置に関するものである。
図1は、本発明の実施例1に係るレーンマーカ検出装置10の構成を示すブロック図である。
また、図2は、図1に示した各機能ブロック間の繋がりを、より明確に示した機能ブロック図である。
本実施例に係るレーンマーカ検出装置10は、車両(図示しない)に設置され、車両前方の路面を含む領域を撮像する、シャッタ速度を変更可能な撮像部100と、撮像部100で撮像された画像を処理して、適正露光特性の設定や、レーンマーカの認識を行う処理部200と、処理部200で検出されたレーンマーカの位置や曲率の情報を、車両制御ユニットに送信する通信インタフェース300とから構成される。
なお、撮像部100は、車両の中央の天井部もしくはルームミラー近辺に、車両の進行方向前方の路面を含む領域を撮像できるレイアウトで設置される。
そして、撮像部100は、詳しくは、入射された光を電荷に変換して、さらに、電荷を電気信号に変換するCCD素子やC−MOS素子からなる撮像素子110と、撮像素子110を駆動する撮像素子ドライバ120と、撮像素子110の表面に直交する方向に設置された光学レンズからなる光学系130と、撮像素子110に撮像された点の輝度情報を濃度情報に変換するための変換テーブルである、後述する第1の露光特性テーブル、または後述する第2の露光特性テーブルが格納される露光特性テーブル150と、撮像素子110で撮像された点の輝度情報を露光特性テーブル150に基づいて濃度情報に変換する濃度変換部140と、から構成される。なお、濃度変換部140はAD変換機能を有しており、濃度変換部140は、各画素にデジタル化された濃度情報を有する画像を出力する。
処理部200は、詳しくは、撮像部100で撮像された画像や処理部200における処理途中の画像の格納、及び画像処理を行うために必要なデータの格納を行うRAM210と、画像処理を行うために必要なプログラムやデータの格納を行うROM220と、後述する第2の露光特性テーブルの生成処理や、第3の露光特性の選択処理などを行うCPU230と、濃度変換部140で生成された画像のRAM210への転送や、後述するレーンマーカ認識部238でレーンマーカを認識するための前処理である、エッジ検出や2値化処理を行う画像処理部240と、から構成される。
そして、処理部200の内部のRAM210と、ROM220と、CPU230と、画像処理部240とは、内部バスによって接続されている。
なお、RAM210は、撮像した画像を一時的に保存する他、CPU230で行われる様々な演算処理の途中経過を格納する。さらに、後述する処理によって生成される第2の露光特性テーブル212を格納する。
また、ROM220の中には、レーンマーカ検出装置10を動作させるために必要なプログラムが、予め格納されている。
CPU230は、詳しくは、露光特性テーブル150に格納された、撮像素子110が本来有している露光特性(第1の露光特性)を、所定の濃度値の範囲において線形性を有する第2の露光特性に変換する露光特性変換部231と、変換された第2の露光特性の直線性を判定する直線性判定部232と、濃度変換部140で変換された画像の所定位置に所定サイズで設定されたウインドウ内の濃度値を算出する濃度値算出部233と、前記ウインドウ内の画素が撮像されるべき目標濃度値を算出する目標濃度値設定部234と、第2の露光特性テーブル212に格納された露光特性に基づいて、第2の露光特性の線形性を有する濃度値の範囲において第2の露光特性と同様の露光特性を有する、前記ウインドウ内の画素が目標濃度値で撮像されるための第3の露光特性を設定する露光特性設定部235と、第3の露光特性を実現するように、撮像素子ドライバ120に対してシャッタ速度を設定する撮像素子制御部236と、撮像された画像の中からレーンマーカの位置を検出するレーンマーカ認識部238と、から構成される。
次に、本実施形態に係るレーンマーカ検出装置10の作用について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、露光特性変換部231において、第2の露光特性テーブル212の中に、既に第2の露光特性が生成されているか否かが判定される(図5のステップS1)。
この処理は、予め、第2の露光特性テーブル212を作成したときに、第2の露光特性テーブル212と一緒に保存されるフラグが存在するか否かを確認することによって行われる。
既に第2の露光特性が生成されているときは、ステップS3に移行する。
一方、第2の露光特性が生成されていないときは、露光特性変換部231において、第2の露光特性が生成される(図5のステップS2)。
この第2の露光特性の生成方法を、以下に説明する。
輝度値Lの対象物を、光学系130を通して撮像素子110で撮像し、撮像素子110の後段にある濃度変換部140の出力として、画素の濃度値pが得られたとする。このとき、輝度値Lと濃度値pとの関係を、撮像部100の露光特性、特に、撮像素子110が本来有している露光特性を、第1の露光特性と呼ぶことにする。この露光特性は、露光特性テーブル150に予め格納されており、撮像素子110が撮像を行う都度、露光特性テーブル150の内容を参照して、濃度変換部140で輝度値Lが濃度値pに変換される。
撮像部100の第1の露光特性の一例を図3に示す。図3に示すように、第1の露光特性は、一般に非線形である。そして、第1の露光特性は、撮像部100のシャッタ速度やゲインに応じて変化するため、複数の異なる曲線で表わされる。
図3は、その1例として、第1の露光特性を、撮像部100のシャッタ速度毎に示したものである。
このような第1の露光特性を有する撮像部100で、路面を含む車両の前方の撮像を行うと、第1の露光特性が非線形であるため、路面に対応する画素の濃度値と、路面に引かれたレーンマーカに対応する画素の濃度値とのコントラスト(濃度値の比率)は一定ではなく、周囲の明るさによって変化する。
そのため、周囲の明るさによらずに、路面とレーンマーカのコントラストが一定になるように、露光特性変換部231において、露光特性テーブル150に格納された第1の露光特性を、輝度値(横軸)と濃度値(縦軸)が線形性を有する第2の露光特性に変換する。
露光特性テーブル150には、図3に示す撮像部100の複数の第1の露光特性が、予め計測されて格納されているものとする。
この第1の露光特性の計測は、撮像素子制御部236において、シャッタ速度の設定を変えながら、複数のシャッタ速度で、それぞれ複数の所定の輝度値を有する対象物の画像を撮像することによって行われる。
そして、撮像された対象物に対応する画素の濃度値pを計測して、各シャッタ速度に対応する複数の第1の露光特性(C1、C2、…、Cn)が計測される。ここで、C1、C2、…、Cnは、形状が互いに等しく、また、互いに、図3の横軸に沿って平行移動した関係でプロットされる。
この第1の露光特性は、一般的にガンマ特性と呼ばれ、(式1)で表現される指数関数の関係を持っている。
p=Lγ (式1)
露光特性変換部231では、これら複数の第1の露光特性を補正して、所定の濃度値の範囲に亘って線形性を有する複数の第2の露光特性に変換する。
なお、画素の濃度値は0から255の値をとるものとし、濃度値pの画素の濃度値が、第2の露光特性によって濃度値p’に補正されるとすると、濃度値p’は(式2)で表される。
p’=255×(p/255)(1/γ) (式2)
ここで、(式1)の変数γの値がわからないときは、複数の第1の露光特性(C1、C2、…、Ci、…、Cn)の中の任意の1つである第1の露光特性Ciに対して、(式2)における変数γの値を所定値ずつ変化させながら、その都度、第2の露光特性Diを算出する。
そして、第2の露光特性Diが算出される毎に、直線性判定部232において、第2の露光特性Diの直線性(線形性)を判定し、所定の濃度値の範囲に亘って、直線からのずれが所定範囲内であるときに、線形性を有する第2の露光特性Diが得られたものと判定する。
この線形性の判定は、第2の露光特性Diと、第2の露光特性Diに当てはめた直線と、の間の偏差の総和、及び偏差の総和を取る濃度値の範囲を求めて、ある濃度値の範囲における偏差の総和が所定値以下であるとき、その濃度値の範囲において、第2の露光特性Diは線形性を有していると判定すればよい。
同様の判定を、(式2)の変数γの値を所定値ずつ変えて繰り返し行い、最も広い濃度値の範囲に亘って、線形性が高くなる第2の露光特性Diを求める。
そして、こうして求めた第2の露光特性Diを、図3の横軸方向に、シャッタ速度の差に応じた所定量だけ平行移動することによって、複数の第2の露光特性(D1、D2、…、Di、…、Dn)が得られる。
そして、得られた第2の露光特性は、RAM210の中の第2の露光特性テーブル212に格納される。このとき、線形性があると判定された濃度値の範囲も一緒に記憶しておく。また、得られた第2の露光特性は、露光特性テーブル150に上書きされる。
一方、(式1)の変数γの値が予めわかっているときは、その変数γの値を用いて、複数の第1の露光特性C1、C2、…、Ci、…、Cnの中の任意の第1の露光特性Ciを(式2)によって補正して、第2の露光特性Diを求める。
そして、ある濃度値の範囲に亘って、直線からのずれが所定範囲内であるときに、線形性を有する第2の露光特性が得られたものと判定する。
こうして求めた第2の露光特性Diを、図3の横軸方向に、シャッタ速度の差に応じた所定量だけ平行移動することによって、複数の第2の露光特性(D1、D2、…、Dn)が得られる。
得られた第2の露光特性は、RAM210の中の第2の露光特性テーブル212に格納される。なお、このとき、線形性があると判定された濃度値の範囲も一緒に記憶しておく。また、得られた第2の露光特性は、露光特性テーブル150に上書きされる。
ここでは、説明のため、図4に示す、複数の第2の露光特性(D1、D2、…、Dn)が得られ、また、第2の露光特性は濃度値p1から濃度値p2の濃度値の範囲Zに亘って、線形性があるものと判定されたとする。
次に、撮像素子制御部236において、撮像回数を表す定数Kに0が格納される(図5のステップS3)。
そして、撮像部100で画像が撮像される(図5のステップS4)。このときの撮像は、撮像素子制御部236によって、シャッタ速度が所定の初期値に設定された状態で行われる。
次に、撮像素子制御部236において、撮像回数を表す定数Kがインクリメントされる(図5のステップS5)。
さらに、ステップS6にて、定数Kの値が1であるか否か、すなわち、1回目の撮像であるか否かが判定される。
K=1であるとき、すなわち、1回目の撮像であるときは、濃度変換部140において、ステップS4で撮像された対象物の輝度値が、第2の露光特性テーブル212に格納された、シャッタ速度の初期値に対応する第2の露光特性Diに基づいて濃度値に変換されて、(図5のステップS7)、こうして生成された画像は、RAM210に格納される。そして、その後、ステップS9に移行する。
なお、RAM210に格納された画像は、以降の処理において、適宜RAM210から読み出されて、所定の画像処理が施される。また、その画像処理の途中経過も、適宜RAM210に一時保存される。
一方、K≠1であるとき、すなわち、2回目以降の撮像であるときは、濃度変換部140において、ステップS4で撮像された対象物の輝度値が、後述する露光特性設定部235で設定された第3の露光特性に基づいて濃度値に変換されて(図5のステップS8)、こうして生成された画像は、RAM210に格納される。そして、その後、ステップS10に移行する。なお、ステップS8の詳細な処理内容は後述する。
次に、レーンマーカ認識部238において、濃度変換部140で生成された画像が、RAM210から読み出されて、レーンマーカの位置が検出される(図5のステップS9、S10)。
このレーンマーカの検出処理には様々な方法が提案されており、そのいずれの方法を用いてもよいが、1回目の撮像(K=1)で得られた画像と、2回目以降の撮像(K>1)で得られた画像とでは、処理方法が異なる。
1回目の撮像で得られた画像に対しては、撮像された画像を、所定のしきい値で2値化して、2値化された画像の中から、レーンマーカの形状に近い領域を抽出して、こうして抽出された領域に対して直線適合や曲線適合を行うことによってレーンマーカが検出され(図5のステップS9)、その後、ステップS12に移行する。
一方、2回目以降の撮像で得られた画像に対しては、撮像された画像を、後述する路面の目標濃度値よりも所定値だけ高い濃度値をしきい値として2値化して、こうして2値化された画像の中から、レーンマーカの形状に近い領域を抽出して、こうして抽出された領域に対して直線適合や曲線適合を行うことによってレーンマーカが検出され(図5のステップS10)、その後、ステップS11に移行する。
このように、2回目以降の撮像で得られた画像に対しては、後述するように、露光特性設定部235で設定された適正露光を実現するためのシャッタ速度が、撮像素子制御部236にて設定されるため、撮像された画像では、目標濃度値で撮像された路面に対して、レーンマーカは、路面との間に一定のコントラストをもって撮像される。
したがって、後述する路面の目標濃度値よりも、所定値だけ高い濃度値で2値化することによって、レーンマーカを安定して確実に検出することができる。
そして、ステップS11では、レーンマーカの検出結果に基づいて、車両からレーンマーカまで横方向距離や、前方のレーンマーカの曲率等が算出され、こうして算出された値が、IC等の通信インタフェース300を介して車両制御ユニット(図示しない)に送られて、所定の車両制御が行われる。
この車両制御としては、例えば、レーンマーカをはみ出す可能性があるときに、警報を出力して運転者の注意喚起を行う制御や、ステアリングアクチュエータに、レーンマーカをはみ出す方向とは逆方向の反力を発生させ、これによって、運転者の注意喚起を行う制御が行われる。
なお、1回目の撮像であると判定されたとき(K=1のとき)は、ステップS9でレーンマーカを検出した後、車両制御を行わずにステップS12に移行する。これは、1回目の撮像で得られた画像は、適正な露出制御が実行されていないためである。
次に、濃度値算出部233において、ステップS4で撮像され、ステップS7、またはステップS8において生成された画像の中の路面が映っている位置に、所定のサイズ、所定の形状のウインドウW1が設定されて、このウインドウ内部の画素の濃度値の平均値が算出される(図5のステップS12)。
このウインドウW1は、例えば、図9に示すように、左側レーンマーカM1、右側レーンマーカM2の検出結果に基づいて決定する消失点Vの下方部に設定される。
また、このウインドウW1のサイズや形状は、予め実験等によって、適切なサイズや形状を決定し、こうして決められたサイズや形状で設定すればよい。
なお、このウインドウW1は、路面領域に当てはめることができれば、画像の水平方向略中央部の下部領域、すなわち、車両の前方直近の位置に設定してもよい。
次に、設定されたウインドウW1内部の画素の濃度値の平均値と、その画像を撮像したときに使用した1つの第2の露光特性に基づいて、ウインドウW1内部の画素の輝度値の平均値が算出される。
この輝度値の算出の方法について、図6を用いて説明する。
ステップS12において、ウインドウW1内部の画素の濃度値の平均値p3が算出されたとする。また、このとき、撮像された画像は、複数の第2の露光特性(D1、D2、D3、…、Dn)の中の1つとして、第2の露光特性D3に基づいて、輝度値Lが濃度値pに変換されたものであったとする。
このとき、図6から、ウインドウW1内部の画素の輝度値の平均値はL1であることが読み取れる。
そして、目標濃度値設定部234において、ウインドウW1内部の画素の濃度値pの平均値に基づいて、路面とレーンマーカとが所定のコントラストを持って画像化されるような、路面の目標濃度値ptが算出される(図5のステップS13)。
以下、この目標濃度値ptの算出方法について説明する。
レーンマーカの検出を容易に行うためには、路面とレーンマーカとのコントラストが、周囲の明るさによらずに一定になることが望ましい。そのためには、路面とレーンマーカが、ともに、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Zの中の濃度値で画像化されればよい。
そのため、図6に示すように、路面の目標濃度値ptが、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Z(濃度値p1からp2の範囲)の中間位置、すなわち、pt=(p1+p2)/2に設定される。
このように、路面の目標濃度値ptを、濃度値の範囲Zの中間位置に設定するのは、路面の明るさは周囲の明るさの影響を受けて変化し、それに伴って、レーンマーカの明るさも変化するため、路面の明るさが変化しても、路面とレーンマーカが、ともに、濃度値の範囲Z内の濃度値で画像化されるようにするためである。
次に、露光特性設定部235において、路面が目標濃度値ptで撮像されるために最適な露光特性が、複数の第2の露光特性(D1、D2、…、Dn)の中から1つ選択されて設定される(図5のステップS14)。
この処理を、図6を用いて説明する。
前記したように、図6から、ウインドウW1内部の画素の輝度値の平均値がL1であることが読み取れる。
さらに、図6から、輝度値の平均値がL1の路面が、目標濃度値ptで画像化されるためには、第2の露光特性D3を第2の露光特性D2に変更すればよいことがわかる。
すなわち、第2の露光特性D3を第2の露光特性D2に変更することによって、ウインドウW1内部の画素の濃度値の平均値は、目標濃度値ptに最も近い、濃度値p4で画像化されることがわかる。
ここで、目標濃度値ptと、実際に画像化される濃度値p4とは一致していないが、これは、説明の便宜上、複数の第2の露光特性(D1、D2、…、Dn)を粗く記載したためである。実際には、複数の第2の露光特性(D1、D2、…、Dn)は、より細かく設定されるため、目標濃度値ptと濃度値p4の差がより小さくなるような露光特性を設定することができる。
目標濃度値ptと濃度値p4の差がより小さくなるようにするためには、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Z内において、特定の輝度値に対して、できるだけ多く、少なくとも2つ以上の、シャッタ速度が異なる第2の露光特性が設定されるのが望ましい。
なお、ステップS14において、1つ選択された第2の露光特性(D2)を、第3の露光特性と呼ぶことにする。
次に、露光特性設定部235から撮像素子制御部236に対して、第3の露出特性を実現するためのシャッタ速度設定、及び撮像実施の指示が出力される(図5のステップS15)。
そして撮像素子制御部236から撮像素子ドライバ120に対して、指示されたシャッタ速度が設定されて、撮像指示が出力される。
次に、レーンマーカ認識部238において、車両のエンジンが停止したことや、レーンマーカ認識を行うメインスイッチが切断されたことが検出されると、処理を終了する(図5のステップS16がYesのとき)。
一方、ステップS16において、レーンマーカ検出処理の終了判断がなされないときは、ステップS4に移行して、撮像素子制御部236によって設定された、第3の露光特性を実現するシャッタ速度で、撮像部100において撮像が行われる。
そして、2回目以降の撮像(K>1)であるときは、濃度変換部140において、ステップS14で設定された第3の露光特性に基づいて、撮像された対象物の輝度値が濃度値に変換される(図5のステップS8)。
さらに、路面が目標濃度値ptで観測された画像に対して、ステップS9においてレーンマーカの検出が行われる。
このとき、路面は、ステップS14で設定された目標濃度値ptで観測されるため、レーンマーカは、周囲の明るさによらずに、路面との間のコントラストが一定になるように画像化される。
したがって、第3の露光特性によって撮像された画像を、路面の目標濃度値ptよりも所定値だけ高い濃度値をしきい値として2値化することによって、レーンマーカを安定して検出することができる。
そして、ステップS14で設定された第3の露光特性で撮像された画像からレーンマーカの検出が行われるとともに、この画像に対して、再び、ウインドウ内の輝度値の平均値が算出され、その輝度値に基づいて、再度、路面の目標濃度値ptが設定され、第3の露光特性が設定されて、再び設定された第3の露光特性に基づいて次の画像が撮像される。
以後、同じ処理が、図5に従って繰り返される。
このように構成された実施例1に係る車載カメラ用露出制御装置を備えたレーンマーカ検出装置10によれば、撮像部100で撮像された対象物の輝度値と画像化された対象物の濃度値との関係を示す複数の第1の露光特性が、露光特性変換部231によって、線形性を有する複数の第2の露光特性に変換され、変換された複数の第2の露光特性のうちの1つの第2の露光特性に基づいて、撮像部100で撮像された対象物の輝度値が濃度変換部140で濃度値に変換され、濃度値算出部233において生成された画像の中の所定の位置に設定されたウインドウW1内部の画素の濃度値が算出され、目標濃度値設定部234において、ウインドウW1内部の画素の濃度値に対応する輝度値に基づいてウインドウW1内部の画素の目標濃度値ptが、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Zの内部に設定されて、露光特性設定部235において、目標濃度値ptを得るための第3の露光特性が設定され、こうして設定された第3の露光特性に基づいて、撮像素子制御部236が、撮像部100のシャッタ速度を第3の露光特性を実現するように変更して、撮像部100が撮像を行うため、周囲の明るさの変化や、その変化の方向にかかわらず、路面とレーンマーカのコントラストが一定になるような画像が撮像されるように、撮像部100の露出制御を行うことができる。
なお、本願発明の実施形態は、前記したものに限定されるものではない。
すなわち、前記実施例では、ステップS12において、所定のウインドウW1内の画素の濃度値として、ウインドウW1内の全画素の濃度値の平均値を適用したが、その限りではなく、所定のウインドウW1内の画素の濃度値として、ウインドウW1内の全画素の濃度値の中央値を適用してもよい。
また、前記実施例では、ステップS14において、路面の目標濃度値ptを、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Zの中間位置に設定したが、この限りではなく、走行状況に応じて目標濃度値ptの値を変更してもよい。
例えば、トンネルの入口手前においては、図7に示すように、路面の目標濃度値ptを、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Z内で、濃度値の範囲Zの中間位置よりも高い濃度値pyとしてもよい。
これは、車両がトンネルに進入したときには、周囲が急に暗くなることによって、路面の濃度値が急激に小さくなるため、予め目標濃度値ptを、濃度値の範囲Zの中間位置よりも高くしておくことによって、暗くなる側の濃度値の範囲を広く設定することにより、周囲が急に暗くなったときであっても、路面とレーンマーカが、確実に濃度値の範囲Z内の濃度値で撮像されるようにするためである。
これにより、路面の目標濃度値ptを濃度値の範囲Zの中間位置に設定したときに、トンネル進入時において、撮像された画像の中の路面の濃度値が、濃度値の範囲Zの下限値を下回る濃度値にまで小さくなってしまうのを防ぐことができるため、路面が速やかに目標濃度値ptで撮像されるという効果が得られる。
また、トンネルの出口手前にあっては、図7に示すように、路面の目標濃度値ptを、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Z内で、濃度値の範囲Zの中間位置よりも低い濃度値pxとしてもよい。
これは、車両がトンネルから退出したときには、周囲が急に明るくなることによって、路面の濃度値が急激に大きくなるため、予め目標濃度値ptを低くしておくことによって、明るくなる側の濃度値の範囲を広く設定することにより、周囲が急に明るくなったときであっても、路面とレーンマーカが、確実に濃度値の範囲Z内の濃度値で撮像されるようにするためである。
これにより、路面の目標濃度値ptを濃度値の範囲Zの中間位置に設定したときに、トンネル退出時において、撮像された画像の路面の濃度値が、濃度値の範囲Zの上限値を上回る濃度値にまで大きくなってしまうのを防ぐことができるため、路面が速やかに目標濃度値ptで撮像されるという効果が得られる。
なお、トンネルの入口手前にいることや、トンネルの出口手前にいることは、濃度値算出部233で設定したウインドウW1内部の画素の輝度値を、異なる時刻に撮像された複数の画像からそれぞれ算出して、算出された複数の輝度値の時間的な推移を求めて、この値が徐々に暗くなっているときには、トンネルの入口手前にいると判定することができる。
例えば、ウインドウ内部の画素の輝度値が100cd/m以下の状態が継続したときはトンネル内部を走行中であると判断するものとして、ウインドウ内部の画素の輝度値が100cd/m以上の状態から、100cd/m以下の状態へと推移することを検出して、目標濃度値ptを、濃度値の範囲Zの中間位置よりも高い濃度値pyに設定することができる。
そして、逆に、ウインドウ内部の画素の輝度値が徐々に明るくなっているときには、トンネルの出口手前にいると判定して、目標濃度値ptを、濃度値の範囲Zの中間位置よりも低い濃度値pxに設定することができる。
また、後述するように、車両の直近と遠方とに、レーンマーカを含む複数のウインドウを設定して、これら複数のウインドウ内部の画素の輝度値の時間的な推移を求めて、トンネルと車両との位置関係を認識するようにしてもよい。
或いは、図1に図示しないカーナビゲーションシステムを利用して、進行方向前方にあるトンネルまでの距離を求め、この距離の値に基づいて、トンネルの入口手前にいると判定することもできるし、既にトンネル内部を走行中であるときは、進行方向前方にあるトンネル出口までの距離を求めて、この距離の値に基づいて、ドンネルの出口手前にいると判定することもできる。
なお、路面の目標濃度値ptは、さらに、図8に示すように、輝度値Lに応じて単調に増加する関数Pに基づいて設定してもよい。
ここで、関数Pは、輝度値Lに対して、第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲Z内の濃度値をとる関数である。
このような関数Pに基づいて、路面の輝度値に応じた目標濃度値ptを設定することによって、周囲の明るさが時間的に変化する場合であっても、ある撮像タイミングで設定された目標濃度値ptと、次の撮像タイミングで設定される目標濃度値ptとの変化量を小さく抑えることができ、これによって、明暗の変動が小さい露出制御を行うことができる。
さらに、前記実施例では、ステップS12において、ウインドウW1は路面領域に設定したが、この限りではなく、ウインドウを、レーンマーカを含む位置に設定してもよい。図10は、左側レーンマーカM1を含む位置にウインドウW2を設定した例を示す。
このように、レーンマーカを含む位置にウインドウを設定したときには、濃度値算出部233において、レーンマーカを含む領域の濃度値が算出される。
そして、目標濃度値設定部234においては、レーンマーカを含む領域の目標濃度値が設定される。このとき、目標濃度値は、路面領域の目標濃度値を設定するときと同様の手続きによって設定することができる。
このように、レーンマーカを含む領域にウインドウを設定することによって、認識対象物となるレーンマーカ部の濃度値を直接制御することができるため、より直接的に露出制御を行うことができるという効果が得られる。
ただし、レーンマーカを含む領域にウインドウを設定したときには、レーンマーカを検出するためのしきい値の設定に注意を要する。
すなわち、レーンマーカを含む領域にウインドウを設定したときには、撮像された画像を、設定された目標濃度値から所定値だけ低い濃度値で2値化することによって、レーンマーカを安定して確実に検出することができる。
また、前記実施例では、輝度値を算出するウインドウは1つ設定したが、この限りではない。
すなわち、図11に示すように、路面領域にウインドウW1を設定し、左側レーンマーカM1を含む位置にウインドウW2を設定し、右側レーンマーカM2を含む位置にウインドウW3をそれぞれ設定してもよい。
そして、レーンマーカ認識部238において検出されたレーンマーカの検出状態に応じて、目標濃度値を設定するために使用するウインドウを選択するようにしてもよい。
具体的には、レーンマーカの曲率が所定値よりも大きいことが検出されたときには、レーンマーカの検出誤差等によって、レーンマーカを含む位置に設定されるはずのウインドウW2、W3が、レーンマーカから外れた位置に設定される可能性があるため、路面領域に設定したウインドウW1を使用して路面領域の目標濃度値を設定して、図5の処理を行うようにしてもよい。
一方、レーンマーカの曲率が所定値よりも小さいことが検出されたときには、ウインドウW2、W3が、確実にレーンマーカを含む位置に設定されていると判断して、ウインドウW2、またはウインドウW3を使用してレーンマーカを含む領域の目標濃度値を設定して、図5の処理を行うようにしてもよい。
このように、走行場所や走行状態に応じて、より信頼性の高いウインドウを選択して使用することによって、的確な露出制御を行うことができるという効果が得られる。
なお、複数のウインドウを選択して使用する処理を行うときは、選択されたウインドウが設定される位置が変化した際には、選択されたウインドウが置かれた領域の種類に応じて、目標対象物の検出方法を変更する必要がある。
すなわち、前記したように、路面領域にウインドウW1を設定したときには、設定した目標濃度値に対して、所定値だけ高い濃度値をしきい値としてレーンマーカを検出し、一方、レーンマーカを含む領域にウインドウW2またはW3を設定したときには、設定した目標濃度値に対して、所定値だけ低い濃度値をしきい値としてレーンマーカを検出する必要がある。
さらに、図12に示すように、車両の直近と遠方とに、複数のウインドウを設定して、トンネルの入口や出口に近いことを検出することもできる。
すなわち、図12に示すように、路面領域にウインドウW4、W5を設定し、左側レーンマーカM1を含む領域にウインドウW6、ウインドウW7を設定し、また、右側レーンマーカM2を含む領域にウインドウW8、ウインドウW9を設定する。
そして、濃度値算出部233において、各ウインドウ内部の濃度値の時間的な推移を計測して、遠方側のウインドウW5、W7、W9の内部の濃度値が、目標濃度値に対して、所定値以上高いときには、トンネル出口が近いと判定することができる。
また、遠方側のウインドウW5、W7、W9の内部の濃度値が、目標濃度値に対して、所定値以上低いときには、トンネル入口が近いと判定することができる。
このようにして、トンネルの入口や出口に近いことを検出して、前記したように、目標濃度値px、pyの設定を行うことができる。
また、このとき、車両の直近に設定した、ウインドウW4、W6、W8を用いて、図5に示した露出制御の処理が行われる。
なお、図4に示した露光特性は、異なるシャッタ速度毎に設定されると記載したが、この限りではなく、撮像素子110のゲインを変更することによって露光特性を変更することも可能である。
特に、シャッタ速度とのゲインをともに変更することによって、露光特性の変更範囲をより一層拡大することができ、これによって、周囲の明るさへの対応可能範囲を拡大することができる。
また、前記実施例では、露光特性設定部235において、図6で説明したように、輝度値の平均値L1に対して、目標濃度値ptに最も近い濃度値p4を与える第2の露光特性を選択して、これを第3の露光特性として設定したが、その限りではない。
すなわち、輝度値の平均値L1の物体が目標濃度値ptで画像化されるような第3の露光特性を、計算によって求めて設定してもよい。
この計算は、第2の露光特性テーブル212に格納された第2の露光特性を、例えば線形補間によって内挿することによって行われ、算出された露光特性が露光特性テーブル150に書き込まれる。そして、第3の露光特性を実現するためのシャッタ速度や撮像素子110のゲインが撮像素子制御部236で算出され、撮像素子制御部236からの指示によって撮像部100でシャッタ速度やゲインが設定されて、設定された条件で車両周囲が撮像される。
また、前記した実施例は、本発明に係る車載カメラ用露出制御装置の一例としてのレーンマーカ検出装置に関するものであるが、本発明の適用範囲は、レーンマーカ検出装置に限るものではない。
すなわち、本発明に係る車載カメラ用露出制御装置は、車両周囲を適正露出で撮像することができるため、先行車両の認識や道路標識の認識等にも適用することができる。
10 レーンマーカ検出装置
100 撮像部
110 撮像素子
120 撮像素子ドライバ
130 光学系
140 濃度変換部
150 露光特性テーブル
200 処理部
210 RAM
212 第2の露光特性テーブル
220 ROM
230 CPU
231 露光特性変換部
232 直線性判定部
233 濃度値算出部
234 目標濃度値設定部
235 露光特性設定部
236 撮像素子制御部
238 レーンマーカ認識部
240 画像処理部
300 通信インタフェース

Claims (12)

  1. 車両に搭載され、所定の対象物を含む車両周囲を撮像する、シャッタ速度を変更可能な撮像部と、
    前記撮像部で撮像される物体の輝度値と前記撮像部で撮像された画像の中の前記物体に対応する画素の濃度値との関係を示す複数の第1の露光特性を、前記関係が線形性を有する複数の第2の露光特性に変換する露光特性変換部と、
    前記撮像部で撮像された前記物体の輝度値を、前記複数の第2の露光特性の中の1つの第2の露光特性に基づいて濃度値に変換する濃度変換部と、
    前記濃度変換部で変換された濃度値を有する画像の中に設定された、所定のウインドウ内部の画素が撮像されるべき目標濃度値を設定する目標濃度値設定部と、
    前記ウインドウ内部の画素の濃度値に対応した輝度値を前記目標濃度値に変換する、前記第2の露光特性における線形性を有する範囲において前記第2の露光特性と同様の露光特性を有する第3の露光特性を設定する露光特性設定部と、
    前記撮像部のシャッタ速度を、前記第3の露光特性を実現するように変更して撮像を行う撮像素子制御部と、
    を有することを特徴とする車載カメラ用露出制御装置。
  2. 前記複数の第2の露光特性は、前記撮像部の異なるシャッタ速度毎に設定された前記複数の第1の露光特性をそれぞれ変換したものであって、前記撮像部で撮像される物体の輝度値と前記撮像部で撮像された画像の中の前記物体に対応する画素の濃度値との間に、所定の濃度値の範囲に亘って線形性を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  3. 前記複数の第2の露光特性は、前記線形性を有する範囲内において、特定の輝度値に対して、少なくとも2つ以上の異なる露光特性が設定されるものであることを特徴とする請求項2に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  4. 前記目標濃度値は、前記第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲の中の略中央の濃度値として設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  5. 前記目標濃度値は、前記第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲の中に、前記輝度値算出部において、異なる時刻に撮像された画像から算出された複数の輝度値に応じた値として設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  6. 前記目標濃度値は、前記第2の露光特性が線形性を有する濃度値の範囲の中で、輝度値に応じて単調増加する値として設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  7. 前記露光特性設定部は、前記第3の露光特性として、前記ウインドウ内部の画素が前記目標濃度値で撮像される露光特性を、前記複数の第2の露光特性に基づいて設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  8. 前記適正露光特性設定部は、前記第3の露光特性として、前記ウインドウ内部の画素が前記目標濃度値で撮像される露光特性を、前記複数の第2の露光特性の中から選択することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  9. 前記ウインドウは、前記撮像部で撮像された画像の中の路面領域に設定されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  10. 前記ウインドウは、前記撮像部で撮像された画像の中の前記所定の対象物の一部を含む領域に設定されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  11. 前記ウインドウは、前記撮像部で撮像された画像の中に複数設定され、車両の走行場所、または、車両の走行状態に基づいて、前記目標濃度値を算出するために用いるウインドウが選択されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
  12. 前記所定の対象物は、路面上の走行レーンの境界を表す位置に引かれた白線や黄線であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の車載カメラ用露出制御装置。
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