JP2013153013A - 蓄電装置及び蓄電装置用電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の蓄電素子を接続する場合に、蓄電素子同士の接続部を低減すること。
【解決手段】蓄電装置1は、表面に第1分極性電極が設けられる第1集電部と、表面に第2分極性電極が設けられる第2集電部と、前記第1集電部と前記第2集電部とを電気的に接続する第1接続部とを含み、前記第1集電部と前記第2集電部と前記第3集電部とは、一体で成形される、少なくとも1個の第1電極11と、表面に第3分極性電極が設けられる第3集電部と、前記第3集電部と電気的に接続される第2接続部とを含む第2電極12と、表面に第4分極性電極が設けられる第4集電部と、前記第4集電部と電気的に接続される第3接続部とを含む第3電極13と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、EDLC(Electric Double Layer Capacitor:電気二重層キャパシタ)等の蓄電素子を有する蓄電装置及び蓄電装置用電極に関する。
フラット型の蓄電素子は、例えば特許文献1に記載されている。このようなフラット型の蓄電素子は、平面形状が四角形の外装体の内部から外方に向けて、複数のリードが延びている。これらの蓄電素子を2つ以上に直列接続することで、定格電圧が上昇する。
国際公開第2007/063877号
複数の蓄電素子を接続して蓄電装置を製造する場合、特許文献1に記載された電気デバイス(蓄電素子)は、それぞれの蓄電素子から引き出された端子同士を溶接等で電気的に接続する必要がある。このため、例えば、n個(nは自然数)の蓄電素子を直列に接続する場合、n−1個の端子同士を接続する必要がある。蓄電素子同士を溶接等で電気的に接続する箇所の数が増加すると、前記端子同士を接続する手間をより多く要する。本発明は、複数の蓄電素子を電気的に接続して蓄電装置とする場合に、蓄電素子同士を接続する作業の手間を低減することを目的とする。
本発明は、表面に第1分極性電極が設けられる第1集電部と、表面に第2分極性電極が設けられる第2集電部と、前記第1集電部と前記第2集電部とを電気的に接続する第1接続部とを含み、前記第1集電部と前記第2集電部と前記第1接続部とは、一体で成形される、少なくとも1個の第1電極と、表面に第3分極性電極が設けられる第3集電部と、前記第3集電部と電気的に接続される第2接続部とを含む第2電極と、表面に第4分極性電極が設けられる第4集電部と、前記第4集電部と電気的に接続される第3接続部とを含む第3電極と、を含み、前記第1電極が有する前記第1分極性電極と前記第2電極が有する前記第3分極性電極とが対向し、かつ前記第1電極が有する前記第2分極性電極と前記第3電極が有する前記第4分極性電極とが対向するとともに、対向する前記第1分極性電極と前記第3分極性電極との間及び対向する前記第2分極性電極と前記第4分極性電極との間にセパレータが設けられることを特徴とする蓄電装置である。
また、本発明において、異なる前記第1電極の前記第1分極性電極と前記第2分極性電極とが順次対向して複数の前記第1電極が連続する第1電極群を形成し、かつ前記第1電極群の一方側の前記第1電極が有する前記第1分極性電極と前記第2電極が有する前記第3分極性電極とが対向し、前記第1電極群の他方側の前記第1電極が有する前記第2分極性電極と前記第3電極が有する前記第4分極性電極とが対向するとともに、対向する前記第1分極性電極と前記第3分極性電極との間、対向する前記第2分極性電極と前記第4分極性電極との間及び対向する前記第1分極性電極と前記第2分極性電極との間にセパレータが設けられることが好ましい。
この蓄電素子は、第1集電部と、第2集電部と、第1接続部とが一体で成形される第1電極を有するので、複数の蓄電素子同士は、予め第1接続部で電気的に接続される。このため、複数の蓄電素子を直列に接続した蓄電装置1を製造する場合、蓄電素子同士を溶接等によって電気的に接続する必要はない。その結果、この蓄電装置は、複数の蓄電素子同士を接続する作業の手間を低減することができる。また、この蓄電装置は、自身の抵抗を低減することもできる。さらに、この蓄電素子を用いれば、2個以上の蓄電素子を有する蓄電装置を作ることができる。
本発明において、対向する前記第1分極性電極及び前記第3分極性電極と、対向する前記第2分極性電極及び前記第4分極性電極とは、いずれも前記セパレータとともに捲回されて、それぞれ第1捲回体及び第2捲回体となることが好ましい。
また、本発明において、対向する前記第1分極性電極及び前記第3分極性電極と、対向する前記第2分極性電極及び前記第4分極性電極と、対向する前記第1分極性電極及び前記第2分極性電極とは、いずれも前記セパレータとともに捲回されて、それぞれ第1捲回体、第2捲回体及び第3捲回体となることが好ましい。
第1集電部及び第3集電部等をセパレータとともに捲回して蓄電素子とすることにより、コンパクトかつ必要な静電容量を確保した蓄電装置を得ることができる。
本発明において、前記第1電極の第1集電部及び第2集電部は、前記第1電極の表面と直交する方向から見た場合に長方形形状であり、第1集電部及び第2集電部の長手方向両端部の間を前記第1接続部が接続し、前記第1集電部、前記第2集電部及び前記セパレータは、前記第1接続部に対して一方側と他方側とがそれぞれ同じ方向に捲回されることが好ましい。このようにすることで、第1接続部を捲回体の厚み方向の略中央部に配置することができるので、捲回体同士を積層するために第1接続部を折り曲げた場合には、第1接続部の曲率を一定に保ちやすくなる。その結果、第1接続部に無理な力が作用するおそれを低減できる。
前記第1捲回体及び前記第2捲回体は、平面視が長方形形状の外装体に覆われており、前記外装体は、前記第1接続部の位置に設けられて、隣接する捲回体同士を仕切る封止部を有することが好ましい。
また、本発明において、前記第1捲回体、前記第2捲回体及び前記第3捲回体は、平面視が長方形形状の外装体に覆われており、前記外装体は、前記第1接続部の位置に設けられて、隣接する捲回体同士を仕切る封止部を有することが好ましい。
このように、複数の捲回体を外装体で覆うことにより、蓄電装置が使用される環境下での耐久性を向上させることができるとともに、封止部が外装体の強度を向上させることができる。
本発明において、前記外装体は、前記封止部の位置に開口部を有し、前記開口部に現れている第1接続部と電気的に接続される引出端子を有することが好ましい。封止部は、第1接続部の位置に設けられているので、封止部に開口部を設けることにより、開口部から第1接続部を露出させることができる。その結果、第1接続部に端子又は配線等を容易に接続することができる。また、この蓄電装置は、電荷を蓄える複数の捲回体(蓄電素子)を有するが、それぞれの蓄電素子間の特性を調整するために、それぞれの蓄電素子の電圧を測定するバランス回路が用いられる。引出端子を第1接続部に接続することにより、この引出端子をバランス回路に接続して、それぞれの蓄電素子の電圧を測定し、それぞれの蓄電素子間のバランスを調整することができる。
本発明において、前記封止部が折り曲げられて、前記第1捲回体と前記第2捲回体とが積層されることが好ましい。
また、本発明において、前記封止部が折り曲げられて、前記第1捲回体が前記第2捲回体と前記第3捲回体との間に配置されることが好ましい。
この蓄電装置は、第1接続部を覆う封止部を折り曲げることにより、第1接続部を折り曲げて、複数の捲回体(蓄電素子)を積層することができる。第1接続部は封止部に覆われているため、第1接続部の耐久性低下が抑制される。
本発明において、前記第2捲回体と前記第3捲回体とがそれぞれ外装体で覆われるとともに、前記第1接続部が折り曲げられて積層されることが好ましい。
また、本発明において、前記第1捲回体と前記第2捲回体と前記第3捲回体とがそれぞれ外装体で覆われるとともに、前記第1接続部が折り曲げられて前記第1捲回体が前記第2捲回体と前記第3捲回体との間に配置されて積層されることが好ましい。
このように、複数の捲回体(蓄電素子)を個別に外装体で覆った後に、捲回体同士を接続する第1接続部を折り曲げて複数の捲回体を積層させてもよい。このようにすれば、第1接続部が露出しているので、バランス回路等を接続しやすくなる。
本発明は、表面に第1分極性電極が設けられる第1集電部と、表面に第2分極性電極が設けられる第2集電部と、前記第1集電部と前記第2集電部とを電気的に接続し、かつ前記第1集電部及び前記第2集電部と一体で成形される第1接続部と、を含むことを特徴とする蓄電装置用電極である。
この蓄電装置用電極は、第1集電部と、第2集電部と、第1接続部とは一体で成形されるので、複数の蓄電素子同士は、予め第1接続部で電気的に接続される。このため、複数の蓄電素子を直列に接続した蓄電装置1を製造する場合、蓄電素子同士を溶接等によって電気的に接続する必要はない。その結果、この蓄電装置用電極を有する蓄電装置は、複数の蓄電素子同士を接続する作業の手間を低減することができる。
本発明は、複数の蓄電素子を電気的に接続して蓄電装置とする場合に、蓄電素子同士を接続する作業の手間を低減することができる。
図10は、実施形態1に係る蓄電装置の平面図である。 図11は、図10のV−V断面図である。 図2は、実施形態1に係る蓄電装置が有する、捲回されたそれぞれの蓄電素子を解いた状態を示す平面図である。 図3は、実施形態1に係る蓄電装置に含まれる第1電極の平面図である。 図4は、実施形態1に係る蓄電装置に含まれる第2電極の平面図である。 図5は、実施形態1に係る蓄電装置に含まれる第3電極の平面図である。 図6は、図3のA−A断面、図4のB−B断面及び図5のC−C断面を示す断面図である。 図7は、図2のX−X断面図である。 図8は、図2のY−Y断面図である。 図9は、図2のZ−Z断面図である。 図10は、実施形態1に係る蓄電装置が有する1つの蓄電素子の構造を示す図である。 図11−1は、セパレータの他の構成例を示す図である。 図11−2は、セパレータの第1変形例を用いた蓄電素子の断面図である。 図12−1は、セパレータの他の構成例を示す図である。 図12−2は、セパレータの第2変形例を用いた蓄電素子の断面図である。 図13は、図10に示すセパレータを用いた蓄電素子の変形例を示す断面図である。 図14−1は、第1電極の変形例を示す平面図である。 図14−2は、第1電極の変形例を用いた蓄電素子の断面図である。 図14−3は、第1電極の変形例を用いた蓄電素子の断面図である。 図15は、第1電極の変形例を示す平面図である。 図16は、第2電極の変形例を示す平面図である。 図17は、第3電極の変形例を示す平面図である。 図18は、実施形態1に係る蓄電装置の変形例を示す平面図である。 図19は、実施形態2に係る蓄電装置の平面図である。 図20は、図19のE−E断面図である。 図21は、実施形態3に係る蓄電装置の平面図である。 図22は、図21のF−F断面図である。 図23は、実施形態3の変形例に係る蓄電装置を示す図である。 図24は、実施形態4に係る蓄電装置の側面図である。 図25は、実施形態5に係る蓄電装置の側面図である。 図26−1は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図26−2は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図26−3は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図26−4は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図26−5は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図26−6は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図27−1は、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図27−2は、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図27−3は、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図27−4は、実施形態3の変形例に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図28−1は、実施形態4に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図28−2は、実施形態4に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図28−3は、実施形態4に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図28−4は、実施形態4に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。 図28−5は、実施形態5に係る蓄電装置を筐体に格納した蓄電装置を示す図である。
本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に開示した構成は適宜組み合わせることが可能である。さらに、下記実施形態で開示した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
(実施形態1)
図1−1は、実施形態1に係る蓄電装置の平面図である。図1−2は、図1−2のV−V断面図である。図2は、実施形態1に係る蓄電装置が有する、捲回されたそれぞれの蓄電素子を解いた状態を示す平面図である。図3は、実施形態1に係る蓄電装置に含まれる第1電極の平面図である。図4は、実施形態1に係る蓄電装置に含まれる第2電極の平面図である。図5は、実施形態1に係る蓄電装置に含まれる第3電極の平面図である。図6は、図3のA−A断面、図4のB−B断面及び図5のC−C断面を示す断面図である。本実施形態に係る蓄電装置1は、本実施形態に係る蓄電素子10A、10B、10Cを含んでいる。すなわち、蓄電装置1は、複数(3個)の蓄電素子10A、10B、10Cを含んでいる。それぞれの蓄電素子10A、10B、10Cは、電荷を蓄える。それぞれの蓄電素子10A、10B、10Cは、帯状の電極を捲回した構造である。本実施形態において、蓄電素子10A、10B、10Cは、EDLCである。しかし、蓄電素子10A、10B、10Cは、EDLCに限定されるものではなく、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、電解コンデンサ又は二次電池等であってもよい。二次電池には、電解液を固体電解質に変更した全固体電池、リチウムイオン電池、マグネシウムイオン電池又はカルシウムイオン電池その他の二次電池が含まれる。
図1−2に示すように、蓄電素子10Aは、構成部材である第1集電部11A、セパレータ18、第2集電部11Bが積層されて捲回されている。便宜上、図1−2には第1接続部11Cも示してある。蓄電素子10B、10Cも、同様に捲回構造を有している。図2に示すように、それぞれの蓄電素子10A、10B、10Cの捲回を解くと、蓄電装置1は、平面視が略H形状の第1電極11と、平面視が略T字形状の第2電極12と、平面視が略T字形状の第3電極13とを含む。第1電極11、第2電極12及び第3電極13は、いずれも蓄電装置1に用いられる電極(蓄電装置用電極)である。第1電極11の最も面積の大きい表面、第2電極12の最も面積の大きい表面及び第3電極13の最も面積の大きい表面と直交する方向から見る状態を平面視という。次に、第1電極11、第2電極12及び第3電極13について説明する。
図3、図6に示すように、第1電極11は、表面に第1分極性電極14が設けられる第1集電部11Aと、表面に第2分極性電極15が設けられる第2集電部11Bと、第1集電部11Aと第2集電部11Bとを電気的に接続する第1接続部11Cとを含む。図4、図6に示すように、第2電極12は、表面に第3分極性電極16が設けられる第3集電部12Aと、第3集電部12Aと電気的に接続される第2接続部12Bとを含む。図5、図6に示すように、第3電極13は、表面に第4分極性電極17が設けられる第4集電部13Aと、第4集電部13Aと電気的に接続される第3接続部13Bとを含む。
図7は、図2のX−X断面図である。図8は、図2のY−Y断面図である。図9は、図2のZ−Z断面図である。図1、図2に示す蓄電装置1は、複数(本実施形態では2個)の第1電極11を有している。この場合、蓄電装置1は、図2、図7に示すように、異なる第1電極11の第1集電部11Aに設けられる第1分極性電極14と第2集電部11Bに設けられる第2分極性電極15とが順次対向して、複数の第1電極11が連続する第1電極群2が形成される。異なる第1電極11の第1分極性電極14と第2分極性電極15とが対向することにより、蓄電素子10Aが作られる。本実施形態では、2つの第1電極11が連続しているが、第1電極11の数はこれに限定されるものではない。
また、蓄電装置1は、図2、図8に示すように、第1電極群2の一方の第1電極11(本実施形態では蓄電素子10B側の第1電極11)が有する第1集電部11Aに設けられる第1分極性電極14と第2電極12が有する第3集電部12Aに設けられる第3分極性電極16とが対向する。さらに、蓄電装置1は、図2、図9に示すように、第1電極群2の他方の第1電極11(本実施形態では蓄電素子10C側の第1電極11)が有する第2集電部11Bに設けられる第2分極性電極15と第3電極13が有する第4集電部13Aに設けられる第4分極性電極17とが対向する。
図2、図3に示すように、第1電極11は、平面視の形状、すなわち、第1電極11の表面と直交する方向から見た形状が長方形(正方形を含む)形状の第1集電部11A及び第2集電部11Bと、同じく平面視が長方形(正方形を含む)形状の第1接続部11Cとを含んでいる。第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、第1接続部11Cとは、いずれも箔状の導体である。第1電極11は、第1集電部11Aと第2集電部11Bとを、これらの長手方向における中央部分で第1接続部11Cが電気的に接続している。このような構造により、第1電極11は、平面視が略H形状となる。
図3、図6に示すように、第1電極11の第1集電部11Aは、表面(本実施形態では両方の表面)に第1分極性電極14を有している。第2集電部11Bは、両面に第2分極性電極15を有している。第1集電部11Aと第2集電部11Bとは、それぞれ片方の表面のみに第1分極性電極14と第2分極性電極15とを有していてもよい。第1接続部11Cは、表面に分極性電極を有していない。
第1分極性電極14及び第1分極性電極15は、活物質層である。第1分極性電極14及び第1分極性電極15は、多孔質材料を用いて製造することができる。第1分極性電極14及び第1分極性電極15に用いる多孔質材料は、例えば、活性炭にバインダ樹脂を混合して製造することができる。前記バインダ樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素を含む高分子化合物又はスチレンブタジエンゴムのようなゴム系の高分子化合物又はカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。第1分極性電極14及び第1分極性電極15は、必要に応じてカーボンブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛の微粒子又は微細繊維が導電助剤として配合されてもよい。第1分極性電極14及び第1分極性電極15を製造する際には、これらの材料を、第1集電部11A及び第2集電部11Bの片面又は両面に塗布する。
第1電極11及び第2電極12を製造する方法として、活性炭に導電補助剤とバインダとを加えてシート状にした後、第1集電部11A及び第2集電部11Bに接着する方法の他、活性炭をスラリー状にして第1集電部11A及び第2集電部11Bに塗工する方法等もある。スラリー状の活性炭を第1集電部11A及び第2集電部11Bに塗工する方法としては、アプリケータ方式、グラビア方式、リバースロール方式、エクストルージョン(ノズル)方式又はディップ方式等がある。
第1電極11は、第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、第1接続部11Cとが一体で成形される。すなわち、第1接続部11Cは、第1集電部11A及び第2集電部11Bと一体で成形される。なお、第1電極11は、第1集電部11Aと第2集電部11Bとこれらを電気的に接続する第1接続部11Cとを含み、かつ第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、第1接続部11Cとが一体で成形されていれば、その形状は略H形状に限定されるものではない。
図1に示す蓄電装置1は、複数の蓄電素子10A、10B、10Cが接続(本実施形態では直列)されている。後述するように、第1電極11の第1集電部11Aと第2集電部11Bとは、異なる第1電極11の第1集電部11Aと第2集電部11Bとが組み合わされて蓄電素子10Aを構成したり、第2電極12の第3集電部12Aと第3電極13の第4集電部13Aと組み合わされて蓄電素子10B、10Cを構成したりする。このため、複数の第1電極11(本実施形態では2個)を含む蓄電装置1は、複数(本実施形態では3個)の蓄電素子10A、10B、10Cが第1電極11の第1接続部11Cによって電気的に接続されることになる。
本実施形態において、第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、第1接続部11Cとは一体で成形されるので、複数の蓄電素子10A、10B、10C同士は、予め第1接続部11Cで電気的に接続される。このため、複数の蓄電素子10A、10B、10Cを直列に接続した蓄電装置1を製造する場合、蓄電素子10A、10B、10C同士を溶接等によって電気的に接続する必要はない。その結果、少なくとも1つの第1電極11を蓄電装置用電極として有する蓄電装置1、1Aは、複数の蓄電素子10A、10B、10C同士を接続する作業の手間を低減することができる。また、蓄電装置1、1Aは、溶接等による接続箇所が大幅に少なくなるので、信頼性も向上する。さらに、平面視が略H形状の第1電極11は、第1接続部11Cが第1集電部11A及び第2集電部11Bの長手方向における略中央部に配置されるので、抵抗(電気抵抗)を低くすることができる。
図2、図4に示すように、第2電極12は、平面視の形状、すなわち、第2電極12の表面と直交する方向から見た形状が長方形(正方形を含む)形状の第3集電部12Aと、同じく平面視が長方形(正方形を含む)形状の第2接続部12Bとを含んでいる。第3集電部12Aと第2接続部12Bとは、いずれも箔状の導体である。第2電極12は、第3集電部12Aの長手方向における中央部分に、第2接続部12Bが電気的に接続している。このような構造により、第2電極12は、平面視が略T形状である。なお、第2電極12の形状はこれに限定されるものではない。図4、図6に示すように、第2電極12の第3集電部12Aは、表面(本実施形態では両方の表面)に第3分極性電極16を有している。第3集電部12Aは、片方の表面のみに第3分極性電極16を有していてもよい。第2接続部12Bは、表面に分極性電極を有していない。
図2、図5に示すように、第3電極13は、平面視の形状、すなわち、第3電極13の表面と直交する方向から見た形状が長方形(正方形を含む)形状の第4集電部13Aと、同じく平面視が長方形(正方形を含む)形状の第3接続部13Bとを含んでいる。第4集電部13Aと第3接続部13Bとは、いずれも箔状の導体である。第3電極13は、第4集電部13Aの長手方向における中央部分に、第3接続部13Bが電気的に接続している。このような構造により、第3電極13は、平面視が略T形状である。なお、第3電極13の形状はこれに限定されるものではない。図5、図6に示すように、第3電極13の第4集電部13Aは、表面(本実施形態では両方の表面)に第4分極性電極17を有している。第4集電部13Aは、片方の表面のみに第3分極性電極17を有していてもよい。第3接続部13Bは、表面に分極性電極を有していない。なお、本実施形態において、第2電極12と第3電極13とは、同一形状かつ同一構造である。
第2電極12が有する第3分極性電極16及び第3電極13が有する第4分極性電極17は、第1電極11が有する第1分極性電極14及び第1分極性電極15と同様に、活物質層である。第3分極性電極16と第4分極性電極17とは、いずれも第1分極性電極14及び第1分極性電極15と同様な手法により、第3集電部12Aと第4集電部13Aの表面に形成することができる。第1電極11、第2電極12及び第3電極13は、いずれも導体である金属の箔で製造される。第1電極11、第2電極12及び第3電極13は、いずれも平滑面を有するアルミニウム箔又はチタン箔の他、これらの表面をエンボス加工又はエッチング処理によって粗く加工したもの使用することができる。
蓄電装置1は、複数の第1電極11を有するが、隣接する第1電極11間において、第1集電部11Aと第2集電部11Bとが互いに対向して重なり合う。このため、第1集電部11Aと第2集電部11Bとは、同一の寸法及び形状である。なお、後述するように、第1集電部11Aと第2集電部11Bとは、いずれか一方の面積が他方の面積より小さくてもよい。
図10は、実施形態1に係る蓄電装置が有する1つの蓄電素子の構造を示す図である。蓄電装置1は、3個の蓄電素子10A、10B、10Cを有するが、それぞれの構造は同一なので、本実施形態では蓄電素子10Aについて説明する。蓄電素子10Aは、第1集電部11Aの表面に設けられる第1分極性電極14と第2集電部11Bの表面に設けられる第2分極性電極15とが、セパレータ18を介して対向している。また、第1集電部11Aと第2集電部11Bとの間のセパレータ18の他に、第1集電部11A又は第2集電部11Bの表面(本実施形態では、第1集電部11Aの表面)に、もう一つのセパレータ18が設けられる。このため、蓄電素子10Aの第1集電部11Aは、2つのセパレータ18で挟持されている。
第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、2つのセパレータ18とは、第1接続部11Cから180度異なる方向に延出する部分が、第1集電部11Aの表面に設けられたセパレータ18が内側になるように、第1接続部11Cに向かって異なる方向に捲回される(図10の矢印R1、R2で示す方向)。すなわち、図10に示す例では、第1集電部11A、第2集電部11B及び2つのセパレータ18は、第1接続部11Cから一方側に延出する部分は反時計回り(R1で示す方向)に捲回されるが、他方側に延出する部分は時計回り(R2で示す方向)に捲回される。このようにして、図1に示す蓄電素子10Aが作られる。すなわち、蓄電素子10Aは、第1電極群2の隣接する2つの第1電極11の第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、2つのセパレータ18とが捲回された捲回体(第1捲回体)である。なお、図1に示す蓄電素子10Bは、第1電極11の第1集電部11Aと、第2電極12の第3集電部12Aと、2つのセパレータ18とが捲回された捲回体(第2捲回体)であり、蓄電素子10Cは、第1電極11の第1集電部11Aと、第3電極13の第4集電部13Aと、2つのセパレータ18とが捲回された捲回体(第3捲回体)である。前記捲回体は、第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、2つのセパレータ18との捲回の中心と平行な方向に向かって、2つの方向に第1接続部11Cが延出している。
セパレータ18の長さ(長手方向に沿った寸法)Lsは、第1集電部11A及び第2集電部11Bの長さLt以上であり、好ましくはLtよりも大きい。また、セパレータ18の長さLsは、第3集電部12A及び第4集電部13Aの長さ以上であり、好ましくは第3集電部12A及び第4集電部13Aの長さよりも大きい。このようにすることで、第1集電部11Aと第2集電部11Bとの間へ確実にセパレータ18を配置することができる。第1集電部11A及び第2集電部11Bの長さLtは、第1電極11の第1接続部11Cの位置を中心として第1集電部11Aと第2集電部11Bとが延在する方向の寸法である。本実施形態において、セパレータ18は、平面視の形状が長方形であり、Lsは、セパレータ18の長手方向における寸法である。第1集電部11A及び第2集電部11Bは、平面視の形状が長方形であり、Ltは、第1集電部11A及び第2集電部11Bの長手方向における寸法である。また、第3集電部12A及び第4集電部13Aは、平面視の形状が長方形であり、第3集電部12A及び第4集電部13Aの長さは、第3集電部12A及び第4集電部13Aの長手方向における寸法である。
セパレータ18として、例えば、質量比10%以上のポリオレフィン系樹脂を含有した不織布又は多孔質フィルムを用いることができる。ポリオレフィン系樹脂の軟化点温度以上の温度環境下で、1対の分極性電極、すなわち、第1分極性電極11Sと第2分極性電極12Sとに圧力を加えることにより、第1分極性電極11Sと第2分極性電極12Sとセパレータ18とを接着することもできる。セパレータ18として、セルロース不織布又はアラミド繊維の不織布を用いることもできる。
図7に示すように、蓄電素子10Aは、第1分極性電極14と第2分極性電極15との間にセパレータ18及び電解液が介在する。図8に示すように、蓄電素子10Bは、第1分極性電極14と第3分極性電極16の間にセパレータ18及び電解液が介在する。また、図9に示すように、蓄電素子10Cは、第2分極性電極15と第4分極性電極17の間にセパレータ18及び電解液が介在する。この電解液としては、水溶液系のものと有機系のものとのいずれでも用いることができる。有機系の電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル等がある。また、溶質としては、アンモニウム塩、アミン塩又はアミジン塩などが知られている。
(セパレータの第1変形例)
図11−1は、セパレータの第1変形例を示す図である。図11−2は、セパレータの第1変形例を用いた蓄電素子の断面図である。蓄電素子10Aaが有するセパレータ18aは、途中で折り曲げられて、第1集電部11Aと第2集電部11Bと第3集電部12Aと第4集電部13Aとのうち、対向するもの同士のいずれか一方を挟み込む。本変形例において、セパレータ18aは、対向する第1集電部11Aと第2集電部11Bとの一方、具体的には第1集電部11Aを挟み込んでいる。セパレータ18aは、長手方向の中央部で折り曲げられているので、折り曲げた状態におけるセパレータ18a長さをLsとすると、セパレータ18aの長さ、すなわち、セパレータ18の捲回を解いて引き延ばした状態の長さは2×Lsになる。セパレータ18が折り曲げられる位置が長手方向の中央部でない場合、セパレータ18aの長さは、セパレータ18が折り曲げられた位置からセパレータ18の一端部までの距離と前記折り曲げられた位置からセパレータ18aの他端部までの距離との和である。
図2に示す蓄電装置1のように、第1電極11が2個以上(蓄電装置1は2個)である場合、第1集電部11A、第2集電部11B、第3集電部12A及び第4集電部13Aは、第1集電部11Aと第2集電部11Bとが対向する他、第1集電部11Aと第3集電部12Aとが対向し、さらに第2集電部11Bと第4集電部13Aとが対向する。このように、本変形例において、セパレータ18aは、第1集電部11Aと第2集電部11Bと第3集電部12Aと第4集電部13Aとのうち、対向するもの同士のいずれか一方を挟み込む。
本変形例において、セパレータ18の長さ(2×Ls)は、第1集電部11Aの長さLt及び第2集電部11Bの長さLtの少なくとも2倍である。このようにすることで、折り曲げられたセパレータ18aで第1集電部11Aを挟み込み、折り曲げられたセパレータ18aの間に第1集電部11Aを配置することができる。蓄電素子10Aaは、途中で折り曲げられたセパレータ18aが、第1集電部11Aと第2集電部11Bと第3集電部12Aと第4集電部13Aとのうち、対向するもの同士のいずれか一方を挟み込むことにより、セパレータ18aと、これに挟み込まれる第1集電部11A等との位置精度の低下を抑制することができる。
第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、セパレータ18aとの捲回体を作るにあたり、折り曲げられたセパレータ18aが第1集電部11Aを挟み込み、さらに第1集電部11Aと第2集電部11Bとでセパレータ18aの折り曲げられた位置から位置端部までの部分を挟み込む。そして、第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、セパレータ18aとは、第1集電部11Aの第2集電部11Bとは反対側のセパレータ18aが内側になるように、第1接続部11Cに対して一方側に延出する部分と他方側に延出する部分とが、第1接続部11Cに向かってそれぞれ異なる方向に捲回される(図12の矢印R1、R2で示す方向)。このようにして、図11−2に示すように、第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、セパレータ18aとが捲回された捲回体(第1捲回体)としての蓄電素子10Aaが作られる。便宜上、図11−2には第1接続部11Cも示してある。この例では、外側に配置される第2集電部11Bを内側に配置される第1集電部11Aよりも長くして、静電容量を大きくしている。第1電極11の第1集電部11Aと、第2電極12の第3集電部12Aと、セパレータ18aとが捲回された捲回体(第2捲回体)及び第1電極11の第1集電部11Aと、第3電極13の第4集電部13Aと、セパレータ18aとが捲回された捲回体(第3捲回体)も、前記第1捲回体と同様に作ることができる。
(セパレータの第2変形例)
図12−1は、セパレータの第2変形例を示す図である。図12−2は、セパレータの第2変形例を用いた蓄電素子の断面図である。本変形例において、蓄電素子10Abが有するセパレータ18bは、途中で折り曲げられて、第1集電部11Aと第2集電部11Bと第3集電部12Aと第4集電部13Aとのうち、対向するもの同士の両方を、途中まで挟み込む。
より具体的には、セパレータ18bは、第1集電部11Aと第2集電部11Bとに挟持されるとともに、第1集電部11A及び第2集電部11Bの一端部と他端部とから一部が延出する。そして、セパレータ18bは、第1集電部11A及び第2集電部11Bから延出した部分が前記一端部と他端部とで第1集電部11A及び第2集電部11Bの長手方向における中央部に向かって折り返される。本変形例において、セパレータ18bの折り返された部分の長さは、第1集電部11A及び第2集電部11Bの一端部(又は他端部)から長手方向における中央部までの長さである。このような構造により、第1集電部11Aの一端部及び第2集電部11Bの他端部は、セパレータ18bの折り曲げられた部分で覆われる。また、セパレータ18bの両端部は、第1集電部11A及び第2集電部11Bの長手方向において、略同じ位置(中央部)に配置される。第1変形例に係るセパレータ18aと同様に、セパレータ18bの長さは、第1集電部11A及び第2集電部11Bの長さの少なくとも2倍である。
図3に示すように、第1電極11の第1集電部11A及び第2集電部11Bは、平面視、すなわち、第1電極11の表面と直交する方向から見た場合に長方形形状であり、第1集電部11A及び第2集電部11Bの長手方向両端部の間を第1接続部11Cが接続する。第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、セパレータ18bとの捲回体を作るにあたり、第1集電部11Aと第2集電部11Bとでセパレータ18bの一部を挟み込むとともに、セパレータ18bの折り曲げられた部分で第1集電部11Aの一端部及び第2集電部11Bの他端部を覆う。そして、第1集電部11A、第2集電部11B及びセパレータ18bは、第1接続部11Cに対して一方側に延出する部分と他方側に演出する部分とが、それぞれ同じ方向に捲回される(図12−1の矢印R1で示す方向)。すなわち、図12−1、図12−2に示す例では、第1集電部11A、第2集電部11B及びセパレータ18bは、第1接続部11Cから一方側に延出する部分と他方側に延出する部分とが反時計回り(図12−1のR1で示す方向)に捲回される。このようにして、図12−2に示すように、第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、セパレータ18bとが捲回された捲回体(第1捲回体)としての蓄電素子10Abが作られる。便宜上、図12−2には第1接続部11Cも示してある。第1電極11の第1集電部11Aと、第2電極12の第3集電部12Aと、セパレータ18bとが捲回された捲回体(第2捲回体)及び第1電極11の第1集電部11Aと、第3電極13の第4集電部13Aと、セパレータ18bとが捲回された捲回体(第3捲回体)も、前記第1捲回体と同様に作ることができる。
蓄電素子10Abは、第1集電部11A、第2集電部11B及びセパレータ18bが、第1接続部11Cから一方側に延出する部分と他方側に延出する部分とが同じ方向に捲回される。このため、蓄電素子10Abは、図13に示すように、第1接続部11Cから一方の表面までの厚みと、第1接続部11Cから他方の表面までの厚みとが略同じ大きさ(本変形例ではいずれもt/2)となる。その結果、蓄電素子10Abは、厚み方向の略中央部に第1接続部11Cを配置することができる。その結果、第1接続部11Cを曲げた場合の曲率を一定に保ちやすくなるので、第1接続部11Cに無理な力が作用するおそれを低減できる。
図13は、図10に示すセパレータを用いた蓄電素子の変形例を示す断面図である。蓄電素子10Ab’は、図10に示すセパレータ18を用い、第1集電部11A、第2集電部11B及びセパレータ18を図12−1に示すように捲回したものである。すなわち、第1集電部11A、第2集電部11B及びセパレータ18は、第1接続部11Cに対して一方側に延出する部分と他方側に演出する部分とが、それぞれ同じ方向に捲回される(図12−1の矢印R1で示す方向)。すなわち、第1集電部11A、第2集電部11B及びセパレータ18は、第1接続部11Cから一方側に延出する部分と他方側に延出する部分とが反時計回り(図12−1のR1で示す方向)に捲回されて、蓄電素子10Ab’が作られる。このようにして、図13に示すように、第1集電部11Aと、第2集電部11Bと、セパレータ18とが捲回された捲回体(第1捲回体)としての蓄電素子10Ab’が作られる。便宜上、図13には第1接続部11Cも示してある。
(第1電極の変形例)
図14−1は、第1電極の変形例を示す平面図である。図14−2、図14−3は、第1電極の変形例を用いた蓄電素子の断面図である。図14−2に示す蓄電素子10Acは、第1集電部11Ac、第2集電部11Bc及びセパレータ18(図10参照)を捲回したものである。図14−3に示す蓄電素子10Ac’は、第1集電部11Ac、第2集電部11Bc及びセパレータ18a(図11−1参照)を捲回したものである。
本変形例に係る第1電極11cは、第1集電部11Acと、第2集電部11Bcと、第1接続部11Ccとを有する。第1接続部11Ccは、第1集電部11Acの一端部側と、第2集電部11Bcの一端部側とを接続する。すなわち、第1電極11cは、第1接続部11Ccの両端部から同じ方向に向かって第1集電部11Acと第2集電部11Bcとが延出するので、平面視がコの字形状になる。第1電極11cをこのような構造としても、第1集電部11Acと、第2集電部11Bcと、第1接続部11Ccとは一体で成形されるので、第1電極11cを有する複数の蓄電素子同士は、予め第1接続部11Ccで電気的に接続される。このため、複数の蓄電素子を直列に接続した蓄電装置を製造する場合、複数の蓄電素子同士を溶接等によって電気的に接続する必要はない。その結果、少なくとも1つの第1電極11cを蓄電装置用電極として有する蓄電装置は、複数の蓄電素子10Ac又は蓄電素子10Ac’同士を接続する作業の手間を低減することができる。また、第1電極11cを有する蓄電装置は、溶接等による接続箇所が大幅に少なくなるので、信頼性も向上する。さらに、第1電極11cの形状を平面視がコの字形状にすると、捲回する際に一度に巻くことができるので、捲回の作業が容易になる。
(第1電極、第2電極及び第3電極の変形例)
図15は、第1電極の変形例を示す平面図である。図16は、第2電極の変形例を示す平面図である。図17は、第3電極の変形例を示す平面図である。本変形例において、第1電極11dが有する第1集電部11Adと第2集電部11Bdとは、いずれか一方の面積が他方の面積より小さい。また、第1電極11dが有する第1集電部11Adと第2電極12dが有する第3集電部12Adとは、いずれか一方の面積が他方の面積より小さく、第1電極11dが有する第2集電部11Bdと第3電極13dが有する第4集電部13Adとは、いずれか一方の面積が他方の面積より小さい。
例えば、第1電極11dを2個以上有する蓄電装置は、異なる第1電極11dの第1集電部11Adと第2集電部11Bdとが順次対向して複数の第1電極11dが連続した第1電極群を有する。また、第1電極11dを2個以上有する蓄電装置は、前記第1電極群の一方側に配置された第1電極11dの第1集電部11Adと第2電極12dの第3集電部12Adとが対向し、前記第1電極群の他方側に配置された第1電極11dの第2集電部11Bdと第3電極13dの第4集電部13Adとが対向する。また、第1電極11dを1個有する蓄電装置は、第1電極11dの第1集電部11Adと第2電極12dの第3集電部12Adとが対向し、第1電極11dの第2集電部11Bdと第3電極13dの第4集電部13Adとが対向する。
第1集電部11Adの長さをLAt、第2集電部11Bdの長さをLBt、第3集電部12Adの長さをLDt、第4集電部13Adの長さをLFt、第1集電部11Adの幅をWA、第2集電部11Bdの幅をWB、第3集電部12Adの幅をWD、第4集電部13Adの幅をWFとする。長さとは、平面視が長方形の第1集電部11Ad等の長手方向における寸法であり、幅とは、短手方向における寸法である。第1集電部11Adの面積S1はLAt×WA、第2集電部11Bdの面積S2はLBt×WB、第3集電部12Adの面積S3はLDt×WD、第4集電部13Adの面積S4はLFt×WFである。
本変形例において、第1電極11dは、第2集電部11Bdの面積S2よりも第1集電部11Adの面積S1の方が小さい(S1<S2)。また、第1電極11dが有する第1集電部11Adの面積S1は、第2電極12dが有する第3集電部12Adの面積S3よりも小さい(S1<S3)。また、第3電極13dが有する第4集電部13Adの面積S4は、第1電極11dが有する第2集電部11Bdの面積S2よりも小さい(S4<S2)。このようにすることで、本変形例は、対向する集電部同士の位置ずれを許容することができるので、複数の蓄電素子間において、蓄電に寄与する部分の面積のばらつき及び静電容量のばらつきを抑制することができる。本変形例においては、全体の寸法が異なる2種類の第1電極を用意し、大小の第1電極を組み合わせてもよい。
(蓄電装置の変形例)
図18は、実施形態1の変形例に係る蓄電装置の変形例を示す平面図である。図18に示す蓄電装置1Aは、本実施形態に係る蓄電素子10B、10Cを含んでいる。すなわち、蓄電装置1は、複数(2個)の蓄電素子10B、10Cを含んでいる。それぞれの蓄電素子10B、10Cは、帯状の電極を捲回した構造である。1個の第1電極11を含む蓄電装置1Aは、2つの蓄電素子10B、10Cが第1電極11の第1接続部11Cによって電気的に接続されることになる。蓄電装置1Aは、複数の蓄電素子10B、10Cが接続(本実施形態では直列)されている。
複数の蓄電素子10B、10C同士は、予め第1接続部11Cで電気的に接続される。このため、複数の蓄電素子10A、10B、10C(蓄電装置1Aでは蓄電素子10B、10C)を直列に接続した蓄電装置1を製造する場合、蓄電素子10A、10B、10C同士を溶接等によって電気的に接続する必要はない。その結果、少なくとも1つの第1電極11を蓄電装置用電極として有する蓄電装置1、1Aは、複数の蓄電素子10A、10B、10C(蓄電装置1Aでは蓄電素子10B、10C)同士を接続する作業の手間を低減することができる。また、蓄電装置1、1Aは、溶接等による接続箇所が大幅に少なくなるので、信頼性も向上する。さらに、平面視が略H形状の第1電極11は、第1接続部11Cが第1集電部11A及び第2集電部11Bの長手方向における略中央部に配置されるので、抵抗(電気抵抗)を低くすることができる。
蓄電装置1Aは、1個の第1電極11を有するが、第1電極11の第1集電部11Aと第2電極の第3集電部12Aとが互いに対向して重なり合い、かつ第1電極11の第2集電部11Bと第2電極の第4集電部13Aとが互いに対向して重なり合う。このため、第1電極11の第1集電部11Aと第2電極の第3集電部12Aとは、同一の寸法及び形状であり、第1電極11の第2集電部11Bと第3電極の第4集電部13Aとは、同一の寸法及び形状である。なお、後述するように、第1集電部11Aと第3集電部12Aとは、いずれか一方の面積が他方の面積より小さくてもよく、第2集電部11Aと第4集電部13Aとは、いずれか一方の面積が他方の面積より小さくてもよい。蓄電装置1Aは第1電極11が1個なので、第1集電部11Aと第2集電部11Bとは対向せず、第1集電部11Aと第3集電部12Aとが対向し、かつ第2集電部11Bと第4集電部13Aとが対向する。
蓄電装置1Aは、第1電極11が1個であるが、この場合、第1電極11が有する第1集電部11Aに設けられる第1分極性電極14と第2電極12が有する第3集電部12Aに設けられる第3分極性電極16とが対向し、かつ第1電極11が有する第2集電部11Bに設けられる第2分極性電極15と第3電極13が有する第4集電部13Aに設けられる第4分極性電極17とが対向する(図3〜図5参照)。このように、本実施形態及びその変形例において、蓄電装置1、1Aは、複数、すなわち2個以上の蓄電素子を含んでいればよい。
(実施形態2)
図19は、実施形態2に係る蓄電装置の平面図である。図20は、図19のE−E断面図である。蓄電装置1Cは、実施形態1の蓄電装置1を、外装体3aで覆うとともに、第1接続部11Cの位置に設けられて、隣接する捲回体同士を仕切る封止部6を有する点に特徴がある。外装体3aは、平面視が長方形形状の構造体である。図19、図20に示す蓄電装置1Cは、4個の蓄電素子10A、10A、10B、10Cを1つの外装体3で覆い、かつ封止部6で仕切ったものであるが、蓄電素子の数は2以上であれば限定されない。なお、蓄電装置1Cは、4個の蓄電素子10A、10A、10B、10Cを有するので、3個の第1電極11と、1個の第2電極12と、1個の第3電極13とを有している。本実施形態において、蓄電素子10Aは第1捲回体に相当し、蓄電素子10Bは第2捲回体に相当し、蓄電素子10Cは第3捲回体に相当する(以下の実施形態でも同様)。
第1接続部11Cは、図3に示す第1電極11の一部であり、第1集電部11Aと第2集電部11Bとを接続する。隣接する蓄電素子10A、10A等を接続する。蓄電装置1Cの捲回体は、蓄電素子10A、10B、10Cである。
図19、図20に示すように、蓄電装置1Cが有する第1電極11(図3参照)が2個以上である場合、第1捲回体としての蓄電素子10Aと、第2捲回体としての蓄電素子10Bと、第3捲回体としての蓄電素子10Cとが、外装体3aに覆われる。また、蓄電装置1Cが有する第1電極11が1個である場合、第2捲回体としての蓄電素子10Bと、第3捲回体としての蓄電素子10Cとが、外装体3aに覆われる。すなわち、蓄電装置1Cが有する第1電極11が1個である場合、図19に示す蓄電装置1のうち、蓄電素子10B、10Cのみが、外装体3に覆われる。
外装体3aは、例えば、金属箔の両面を樹脂層で覆ったものである。金属箔には、Al又はSUS(ステンレス鋼)があり、樹脂層にはPP(Polypropylene)、PET(Polyethylen Terephthalate)、ナイロン等がある。複数の蓄電素子10A、10A、10B、10Cが外装体に収納されることで、蓄電装置1Cが使用される環境下での耐久性を向上させることができる。
図20に示すように、外装体3は、第1外装体3Aaと第2外装体3Baとを含む。第1外装体3Aa及び第2外装体3Baは、いずれも凹部を有し、かつ平面視が長方形の部材である。第1外装体3Aa及び第2外装体3Baは、蓄電装置1Cが有する蓄電素子10A、10B、10Cの数分の凹部を有しており、隣接する凹部同士の間を封止部6としてもよい。また、第1外装体3Aa及び第2外装体3Baは、1つの凹部を有し、第1外装体3Aと第2外装体3Bとを接合する際に、第1接続部11Cの部分を圧接することにより、封止部6が形成されるものであってもよい。蓄電装置1Cは、複数の封止部6を有するので、外装体3aの強度が向上するという利点がある。
蓄電装置1Cは、第1外装体3Aaと第2外装体3Baとの間に蓄電装置1が配置される。第1外装体3Aa及び第2外装体3Baが複数の凹部を有する場合、蓄電装置1が有するそれぞれの蓄電素子10A、10B、10Cがそれぞれの前記凹部に配置される。そして、第1外装体3Aaの外周部と第2外装体3Baの外周部とを合わせるとともに、蓄電素子10Bの第2接続部12Bと蓄電素子10Cの第3接続部13Bとを、第1外装体3Aと第2外装体3Bとが合わせられた部分よりも外側に引き出しておく。この状態で、第1外装体3Aaと第2外装体3Baとが合わせられた部分(隣接する凹部の間を含む)を接合することにより、第1外装体3Aと第2外装体3Bとで囲まれる複数の外装体内部空間5aに蓄電装置1が有する蓄電素子10A、10B、10Cを封入する。このようにして、蓄電装置1Cが完成する。第1外装体3Aaと第2外装体3Baとが接合された部分を外周封止部4aという。第1外装体3Aaと第2外装体3Baとは、例えば、超音波溶接等によって接合することができる。蓄電装置1Cは、外周封止部4aから第2接続部12Bと第3接続部13Bとが引き出されているので、これらを蓄電装置1Cの端子電極とする。隣接する外装体内部空間5aの間は、封止部6となる。外装体内部空間5aは、外周封止部4aと封止部6とで第1外装体3Aaと第2外装体3Baとで囲まれる空間が区画された部分である。
第1外装体3Aa及び第2外装体3Baが1つの凹部を有する場合、蓄電装置1は、それぞれの前記凹部に配置される。そして、第1外装体3Aaの外周部と第2外装体3Baの外周部とを合わせるとともに、蓄電素子10Bの第2接続部12Bと蓄電素子10Cの第3接続部13Bとを、第1外装体3Aと第2外装体3Bとが合わせられた部分よりも外側に引き出しておく。この状態で、第1外装体3Aaと第2外装体3Baとが合わせられた部分、蓄電素子10A、10Bの間、蓄電素子10A、10Aの間及び蓄電素子10A、10Cの間を圧接等によって接合することにより、第1外装体3Aと第2外装体3Bとで囲まれる複数の外装体内部空間5a及び封止部6を形成する。そして、複数の外装体内部空間5aに、蓄電装置1が有する蓄電素子10A、10B、10Cを封入する。なお、隣接する外装体内部空間5aの間は、封止部6となる。このようにして、蓄電装置1Cが完成する。
本実施形態において、蓄電装置1Cは、第2接続部12B及び第3接続部13Bを端子電極としているが、第2接続部12B及び第3接続部13Bに、それぞれ導電体を電気的に接続して端子電極としてもよい。前記導電体は、例えば、溶接等によって第2接続部12B及び第3接続部13Bに接続することができる。また、端子電極(第2接続部12B及び第3接続部13B、導電体をこれらに接続する場合には接続された導電体)にめっき処理を施して、前記端子電極の表面を金属で被覆してもよい。前記端子電極を被覆する金属は、例えば、Sn−Cu合金又はCu−Ni合金が挙げられる。このようにすることで、端子電極を配線又は基板のパターンにはんだ付けする際に、はんだの濡れ性を向上させることができるという利点が得られる。前記端子電極の表面を被覆する金属にSn−Cu合金を用いる場合、98±1(質量%)のSnと2±1(質量%)のCuとを含むことが好ましい。±1%は許容される誤差である。また、第2接続部12B及び第3接続部13Bに接続される導電体が銅である場合は、Niをめっきしてもよい。
(実施形態3)
図21は、実施形態3に係る蓄電装置の平面図である。図22は、図21のF−F断面図である。蓄電装置1Dは、実施形態2の蓄電装置1Cと同様であるが、封止部6の位置に開口部7を有し、第1接続部11Cを開口部7から露出させている点が異なる。他の構造は蓄電装置1Cと同様である。蓄電装置1Dが有する外装体3bの第1外装体3Ab及び第2外装体3Bbは、蓄電装置1Dが有する蓄電素子10A、10B、10Cの数分の凹部を有しており、隣接する凹部同士の間が封止部6となる。本実施形態において、第1外装体3Abは、封止部6となる部分に開口部7となる孔を有している。なお、第1外装体3Abのみならず、第2外装体3Bbも、封止部6となる部分に開口部7となる孔を有していてもよい。
第1外装体3Abと第2外装体3Bbとの間に蓄電素子10A、10B、10Cを配置する。このとき、封止部6が有する前記孔と第1接続部11Cとが重なるようにする。この状態で、両者の外周部及び封止部6となる部分を圧接等によって接合する。すると、外周封止部4bと封止部6とで第1外装体3Abと第2外装体3Bbとで囲まれる空間が区画された複数の部分、すなわち、複数の外装体内部空間5aに、それぞれの蓄電素子10A、10B、10Cが配置された蓄電装置1Dが完成する。本実施形態では、蓄電装置1Dは、4個の蓄電素子10A、10A、10B、10Cを有するが、蓄電装置1Dが有する第1電極11(図3参照)が1個であって、2個の蓄電素子10B、10Cを有していてもよい。
蓄電装置1Dは、複数の蓄電素子10A、10B、10Cを有するが、それぞれの蓄電素子10A、10B、10C間の特性を調整するために、それぞれの蓄電素子10A、10B、10Cの電圧を測定するバランス回路が用いられる。蓄電装置1Dは、封止部6に開口部7を有している。そして、開口部7からは、第1接続部11Cが露出している。このため、開口部7を介して、前記バランス回路と接続するための引出端子8を、第1接続部11Cに接続し、蓄電素子10A、10B、10C間の特性を調整することができる。また、蓄電装置1Dは、封止部6により、外装体3bの強度が向上する。開口部7を第1外装体3Ab及び第2外装体3Bbの両方に設けると、引出端子8を取り付ける際の自由度が向上する。引出端子8は、例えば銅線であり、例えばはんだ付け又は溶接等によって第1接続部11Cへ電気的に接続される。
(変形例)
図23は、実施形態3の変形例に係る蓄電装置を示す図である。蓄電装置1D’は、実施形態3に係る蓄電装置1Dの封止部6を折り曲げて、複数(この例では4個)の蓄電素子10B、10A、10A、10Cをこの順に積層させたものである。蓄電装置1D’は、4個の蓄電素子10B、10A、10A、10Cを有するので、図3に示す第1電極11を3個有する。蓄電装置1D’は、第1電極11が2個以上である場合、封止部6が折り曲げられて、第1捲回体としての蓄電素子10A、10Aが第2捲回体としての蓄電素子10Bと第3捲回体としての蓄電素子10Cとの間に配置されて、蓄電素子10B、10A、10A、10Cが積層される。また、蓄電装置1D’は、第1電極11が1個である場合、封止部6が折り曲げられて、第2捲回体としての蓄電素子10Bと第3捲回体としての蓄電素子10Cとが積層される。
蓄電装置1D’は、複数の蓄電素子10B、10A、10A、10Cが積層されているが、第1接続部11Cが外装体3bの一部である封止部6で保護されるので、第1接続部11Cの耐久性低下が抑制される。封止部6は折り曲げられているが、開口部7は、封止部6の曲がりの外側に配置されることが好ましい。このようにすれば、図21、図22に示す引出端子8を第1接続部11Cに接続しやすくなる。なお、蓄電装置1D’は、封止部6に開口部7を有していなくてもよい。すなわち、実施形態2の蓄電装置1Cの封止部6を折り曲げて、4個の蓄電素子10B、10A、10A、10Cをこの順に積層させてもよい。この場合も、第1接続部11Cは外装体3bの一部である封止部6で保護されるので、第1接続部11Cの耐久性低下が抑制されるという効果が得られる。また、蓄電装置1D’は、4個の蓄電素子10A、10A、10B、10Cを有するが、蓄電装置1D’が有する第1電極11(図3参照)が1個であって、2個の蓄電素子10B、10Cを有していてもよい。
(実施形態4)
図24は、実施形態4に係る蓄電装置の側面図である。蓄電装置1Fは、実施形態1の蓄電装置1が有する蓄電素子10A、10B、10Cをそれぞれ外装体3dで覆い、第1接続部11Cを折り曲げて積層したものである。本実施形態において、蓄電装置1Fは、4個の蓄電素子10B、10A、10A、10Cがこの順に積層されている。蓄電装置1Fは、4個の蓄電素子10A、10A、10B、10Cを有するが、蓄電装置1Fが有する第1電極11(図3参照)が1個であって、2個の蓄電素子10B、10Cを有していてもよい。
蓄電素子10B、10A、10A、10Cを覆う外装体3dは、第1外装体3Adと第2外装体3Bdとを有している。第1外装体3Ad及び第2外装体3Bdは、いずれも凹部を有しており、前記凹部に1つの蓄電素子10A等を配置した後、外周部を接合することにより外装体3dの内部に1つの蓄電素子10A等を封入する。第1接続部11C、第2接続部12B及び第3接続部13Bは、外装体3dの外部に引き出される。
蓄電装置1Fは、図3に示す第1電極11が2個以上である場合、第1接続部11Cが折り曲げられて、第1捲回体としての蓄電素子10Aと、第2捲回体としての蓄電素子10Bと、第3捲回体としての蓄電素子10Cとが外装体3dで覆われる。そして、蓄電装置1Fは、第1接続部11Cが折り曲げられて、蓄電素子10A、10Aが蓄電素子10Bと蓄電素子10Cとの間に配置されて、4個の蓄電素子10B、10A、10A、10Cが積層される。また、蓄電装置1Fは、第1電極11が1個である場合、第1接続部11Cが折り曲げられて、外装体3dで覆われた第2捲回体としての蓄電素子10Bと、外装体3dで覆われた第3捲回体としての蓄電素子10Cとが積層される。このように、本実施形態は、複数の蓄電素子10A、10B、10C等が積層された蓄電装置1Fを得ることができる。また、蓄電装置1Fは、第1接続部11Cが外装体3dの外部に露出しているので、引出端子8を第1接続部11Cに取り付ける作業が容易になるという利点がある。
(実施形態5)
図25は、実施形態5に係る蓄電装置の側面図である。実施形態1〜実施形態4の蓄電装置1、1A等は、複数の蓄電素子10A、10B、10Cが直列接続されたものである。実施形態5の蓄電装置1Gは、複数の蓄電素子10A、10B、10Cが並列接続されたものである。本実施形態では、3個の蓄電素子10A、10B、10Cを並列接続しているが、蓄電素子は2以上であればよい。
蓄電装置1Gは、蓄電素子10Bの第2接続部12Bと、蓄電素子10Aと蓄電素子10Cとを接続する第1接続部11Cとが、接続導体19Aで電気的に接続されている。また、蓄電装置1Gは、蓄電素子10Cの第3接続部13Bと、蓄電素子10Aと蓄電素子10Bとを接続する第1接続部11Cとが、接続導体19Bで電気的に接続されている。このようにすることで、3個の蓄電素子10A、10B、10Cが並列に接続された蓄電装置1が得られる。蓄電装置1Gが有する複数の蓄電素子10A、10B、10Cは、第1接続部11Cで予め接続されているので、並列接続する場合の配線の数を低減することができる。
(実施形態1に係る蓄電装置の製造方法)
図26−1から図26−6は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。ここでは、実施形態1に係る蓄電装置1(図1参照)を製造する方法を説明する。まず、図3に示す第1電極11、図4に示す第2電極12及び図5に示す第3電極13を製造するための電極材料100を製造する。図26−1に示すように、電極材料100は、箔状の導体100Bの両面に、分極性電極となる活物質層101を設ける。活物質層101は、原料を溶媒に分散させた原料溶液を、例えば、アプリケータ方式で導体100Bの両方の表面に塗布した後、乾燥させることにより溶媒を除去して導体100Bの両面に設けられる。原料溶液を導体100Bの表面に塗布するにあたり、ノズルから吐出される原料溶液が導体100Bの表面に付着する箇所を制御することにより活物質層101と導電部102とが交互に設けられた電極材料100を得る。また、原料溶液を導体100Bの表面に塗布する場合、導電部102となる部分をレジスト等でマスキングしておき、原料溶液の溶媒が除去された後に、レジストを除去する。このようにすることで、導体100Bの両面に、活物質層101と導電部102とが交互に設けられた電極材料100を得る。
次に、電極材料100を切断線103に沿って切断することにより、図26−2に示す第1電極材料104を作製する。また、電極材料100を切断線103に沿って切断するとともに、導電部102と活物質層101との境界に沿って切断することにより、第2電極材料105を作製する。その後、第1電極材料104の導電部102の一部を残して除去することにより、図26−3に示す第1電極11を作製する。また、第2電極材料105の導電部102の一部を残して除去することにより、図26−3に示す第2電極12及び第3電極13を作製する。
活物質層101が設けられている部分は、第1電極11の第1集電部11A、第2集電部11B、第2電極12の第3集電部12A及び第3電極13の第4集電部13Aになる。また、導電部102は、第1電極11の第1接続部11C、第2電極12の第2接続部12B及び第3電極13の第3接続部13Bになる。次に、図26−4に示すように、第2電極12の第2接続部12B及び第3電極13の第3接続部13Bに、導電体19を溶接等によって接続する。導電体19は、蓄電装置1の端子電極となる。以下、導電体19を端子電極19ということもある。第2接続部12B及び第3接続部13Bの寸法によっては、これらに導電体19を接続しなくてもよい。
次に、図26−4に示すように、第1電極11と、第2電極12と、第3電極13と、セパレータ18とを組み合わせて、図26−5に示すように蓄電素子10A、10B、10Cを作製する。この例では、2個の第1電極11を用いるので、3個の蓄電素子10A、10B、10Cが作製される。なお、両端部の第2電極12及び第3電極13の第2接続部12B及び第3接続部13Bには、導電体(端子電極)19が接続されている。その後、蓄電素子10A、10B、10Cを捲回することにより、図26−6に示すように、第1捲回体としての蓄電素子10A、第2捲回体としての蓄電素子10B及び第3捲回体としての蓄電素子10Cが、第1接続部11Cで接続された蓄電装置1が完成する。
(実施形態3に係る蓄電装置の製造方法)
図27−1から図27−3は、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。図27−4は、実施形態3の変形例に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。図21、図22に示す蓄電装置1Dを製造するにあたり、複数の凹部5Uを有する第1外装体3Ab及び第2外装体3Bbの凹部5U内に、蓄電装置1が有する蓄電素子10A、10B、10Cを配置する。第1外装体3Abは、封止部6となる部分に開口部7となる孔を有している。平面視が長方形である第1外装体3Ab及び第2外装体3Bbの一辺(この例では、1つの長辺)を残して両者の外周部及び封止部6を圧接することにより接合する。
次に、図27−2に示すように、第1外装体3Abと第2外装体3Bbとが接合されていない部分、すなわち、外周封止部4bが形成されていない部分から、外装体3b内に電解液ESを注入する。その後、外周封止部4bが形成されていない部分を圧着等によって封止して、図27−3に示す蓄電装置1Dが完成する。蓄電装置1Dは、封止部6の開口部7から第1接続部11Cが露出している。実施形態3の変形例に係る蓄電装置1Dの封止部6を折り曲げて、蓄電素子10A、10B、10Cを積層し、得られた蓄電装置1D’を筐体20内に格納することにより、図27−4に示す蓄電装置1D’’を作製することができる。筐体20は、例えば、樹脂又は樹脂が積層された金属等を用いることができる(以下同様)。
なお、実施形態2に係る蓄電装置1C(図19、図20参照)も、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法で製造することができる。また、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法で、1つの凹部を有する平面視が長方形の第1外装体3A及び第2外装体3Bを用いることにより、図19、図20に示す、実施形態2に係る蓄電装置1Bを製造することができる。
(実施形態4に係る蓄電装置の製造方法)
図28−1から図28−4は、実施形態4に係る蓄電装置の製造方法を示す説明図である。図28−5は、実施形態4に係る蓄電装置を筐体に格納した蓄電装置を示す図である。実施形態4に係る蓄電装置1F(図24参照)を製造するにあたり、蓄電装置1が有する複数の蓄電素子10A、10B、10Cを、それぞれ第1外装体3Adと第2外装体3Bdと間に配置する。次に、平面視が正方形である第1外装体3Ad及び第2外装体3Bdの一辺を残して、両者の外周部を圧接することにより接合する。
次に、図28−2に示すように、第1外装体3Adと第2外装体3Bdとが接合されていない部分、すなわち、外周封止部4dが形成されていない部分から、外装体3d内に電解液ESを注入する。その後、図28−3に示すように、外周封止部4dが形成されていない部分を圧着等によって封止することにより、外装体3dの外周部全体に外周封止部4dを設ける。このようにすることで、蓄電素子10A、10B、10Cは、異なる外装体3dの内部にそれぞれ封入される。蓄電素子10B、10A、10Cは、第1接続部11Cを折り曲げることにより、この順で積層されて、図28−4に示す蓄電装置1Fが完成する。蓄電装置1Fを筐体20内に格納することにより、図27−5に示す蓄電装置1F’を作製することができる。
1、1A、1C、1D、1D’、1D’’、1F、1F’、1G 蓄電装置
2 第1電極群
3a、3b、3d 外装体
3Aa、3Ab、3Ad 第1外装体
3Ba、3Bb、3Bd 第2外装体
4a、4b、4d 外周封止部
5a 外装体内部空間
5U 凹部
6 封止部
7 開口部
8 引出端子
10A、10Aa、10Ab、10B、10C 蓄電素子
11、11c、11d 第1電極
11A、11Ac、11Ad 第1集電部
11B、11Bc、11Bd 第2集電部
11C、11Cc 第1接続部
12 第2電極
12A、12Ad 第3集電部
12B 第2接続部
13、13d 第3電極
13A、13Ad 第3集電部
13A 第4集電部
13B 第3接続部
14 第1分極性電極
15 第2分極性電極
16 第3分極性電極
17 第4分極性電極
18、18a、18b セパレータ
19 導電体(端子電極)
19A、19B 接続導体
20 筐体
100 電極材料
100B 導体
101 活物質層
102 導電部
103 切断線
104 第1電極材料
105 第2電極材料
ES 電解液

Claims (4)

  1. 表面に第1分極性電極が設けられる第1集電部と、表面に第2分極性電極が設けられる第2集電部と、前記第1集電部と前記第2集電部とを電気的に接続する第1接続部とを含み、前記第1集電部と前記第2集電部と前記第1接続部とは、一体で成形される、少なくとも1個の第1電極と、
    表面に第3分極性電極が設けられる第3集電部と、前記第3集電部と電気的に接続される第2接続部とを含む第2電極と、
    表面に第4分極性電極が設けられる第4集電部と、前記第4集電部と電気的に接続される第3接続部とを含む第3電極と、を含み、
    前記第1電極が有する前記第1分極性電極と前記第2電極が有する前記第3分極性電極とが対向し、かつ前記第1電極が有する前記第2分極性電極と前記第3電極が有する前記第4分極性電極とが対向するとともに、対向する前記第1分極性電極と前記第3分極性電極との間及び対向する前記第2分極性電極と前記第4分極性電極との間にセパレータが設けられることを特徴とする蓄電装置。
  2. 異なる前記第1電極の前記第1分極性電極と前記第2分極性電極とが順次対向して複数の前記第1電極が連続する第1電極群を形成し、かつ前記第1電極群の一方側の前記第1電極が有する前記第1分極性電極と前記第2電極が有する前記第3分極性電極とが対向し、前記第1電極群の他方側の前記第1電極が有する前記第2分極性電極と前記第3電極が有する前記第4分極性電極とが対向するとともに、対向する前記第1分極性電極と前記第3分極性電極との間、対向する前記第2分極性電極と前記第4分極性電極との間及び対向する前記第1分極性電極と前記第2分極性電極との間にセパレータが設けられる請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 対向する前記第1分極性電極及び前記第3分極性電極と、対向する前記第2分極性電極及び前記第4分極性電極とは、いずれも前記セパレータとともに捲回されて、それぞれ第1捲回体及び第2捲回体となる請求項1に記載の蓄電装置。
  4. 対向する前記第1分極性電極及び前記第3分極性電極と、対向する前記第2分極性電極及び前記第4分極性電極と、対向する前記第1分極性電極及び前記第2分極性電極とは、いずれも前記セパレータとともに捲回されて、それぞれ第1捲回体、第2捲回体及び第3捲回体となる請求項2に記載の蓄電装置。
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