JP2013152919A - マイクロ波加熱処理装置および処理方法 - Google Patents

マイクロ波加熱処理装置および処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電力の利用効率及び加熱効率に優れ、被処理体に対して均一な処理を行うことを可能にするマイクロ波加熱処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】 マイクロ波加熱処理装置1では、処理容器2の天井部11において、4つのマイクロ波導入ポート10は、それぞれ、その長辺と短辺が、4つの側壁部12A,12B,12C,12Dの内壁面と平行になるように、かつ、互いに90°角度を変えた回転位置に配置されている。各マイクロ波導入ポート10は、それぞれの長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポート10に重ならないように配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、マイクロ波を処理容器に導入して所定の処理を行うマイクロ波加熱処理装置およびこのマイクロ波加熱処理装置を用いて被処理体を加熱処理する処理方法に関する。
LSIデバイスやメモリデバイスの微細化が進むに伴い、トランジスタ作製工程における拡散層の深さが浅くなっている。従来、拡散層に注入されるドーピング原子の活性化は、ランプヒーターを用いるRTA(Rapid Thermal Annealing)と呼ばれる急速加熱処理により行われてきた。しかし、RTA処理では、ドーピング原子の拡散が進むため、拡散層の深さが許容範囲を超えて深くなってしまい、微細設計の障害となるという問題が生じていた。拡散層の深さのコントロールが不完全であると、リーク電流の発生などデバイスの電気的特性を低下させてしまう要因となる。
近年、半導体ウエハに対して熱処理を施す装置として、マイクロ波を使用する装置が提案されている。マイクロ波加熱でドーピング原子の活性化を行う場合、マイクロ波がドーピング原子に直接作用することから、余剰加熱が起こらず、拡散層の拡がりを抑制できるという利点がある。
マイクロ波を利用した加熱装置として、例えば、特許文献1には、矩形導波管から正四角錐ホーンにマイクロ波を導入して試料を加熱するマイクロ波加熱装置が提案されている。この特許文献1では、矩形導波管と正四角錐ホーンとの角度を軸心方向に45度回転させて配置することにより、TE10モードの直交2偏波のマイクロ波を同位相で試料に照射できるとされている。
また、特許文献2には、被加熱物を曲げ加工するための加熱装置として、加熱室内を導入マイクロ波の自由空間波長のλ/2〜λの寸法の正方形断面に設定したマイクロ波加熱装置が提案されている。
特開昭62−268086号公報 実開平6−17190号公報
ところで、マイクロ波加熱によってドーピング原子の活性化を行う場合、ある程度大きな電力を供給する必要がある。そのためには、複数のマイクロ波導入ポートを設けて処理容器内にマイクロ波を導入する方法が効率的である。ところが、複数のマイクロ波導入ポートを設けた場合、一つのマイクロ波導入ポートから導入されたマイクロ波が、他のマイクロ波導入ポートへ進入することによって、電力の利用効率及び加熱効率が低下してしまう、という問題があった。
また、マイクロ波加熱の場合、マイクロ波導入ポートの直下に位置する半導体ウエハにマイクロ波が直接的に照射されると、半導体ウエハの面内で局所的な加熱ムラが生じてしまう、という問題もあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、電力の利用効率及び加熱効率に優れ、被処理体に対して均一な処理を行うことを可能にするマイクロ波加熱処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明のマイクロ波加熱処理装置は、内部にマイクロ波放射空間を有するとともに被処理体を収容する処理容器と、
前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器に導入するマイクロ波導入装置と、
を備えている。
また、本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記処理容器は、上壁、底壁及び互いに接続された4つの側壁を有し、
前記マイクロ波導入装置は、前記複数のマイクロ波源として、第1ないし第4のマイクロ波源を有し、
前記上壁は、前記第1ないし第4のマイクロ波源の各々において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に導入する第1ないし第4のマイクロ波導入ポートを有しており、
前記第1ないし第4のマイクロ波導入ポートは、それぞれ、長辺と短辺とを有する平面視矩形をなしており、その長辺と短辺が、前記4つの側壁の内壁面と平行になるように設けられ、
各マイクロ波導入ポートは、互いに90°角度を変えた回転位置に配置され、かつ、前記長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポートに重ならないように配置されている。
また、本発明のマイクロ波加熱処理装置は、前記マイクロ波導入ポートの長辺の長さLと短辺の長さLとの比(L/L)が、4以上であってもよい。
また、本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記第1ないし第4のマイクロ波導入ポートは、互いに隣接する2つのマイクロ波導入ポートの長辺の方向と平行な中心軸が互いに直交するように、かつ、互いに隣接しない2つのマイクロ波導入ポートの前記中心軸が同一直線上に重ならないように配置されていてもよい。
また、本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記マイクロ波放射空間は、前記上壁と、前記4つの側壁と、前記上壁と前記底壁との間に設けられた仕切り部と、によって画定されており、
前記仕切り部に、マイクロ波を被処理体の方向へ反射させる傾斜部が設けられていてもよい。
また、本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記傾斜部は、前記被処理体の高さを基準位置として、該基準位置よりも上方位置と下方位置を含む斜面を有し、かつ前記被処理体を囲むように設けられていてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記マイクロ波導入装置は、マイクロ波を前記処理容器へ向けて伝送する導波管と、前記処理容器の上壁の外側に装着され、複数の金属製のブロック体によって構成されたアダプター部材と、を備えていてもよい。そして、本発明の前記マイクロ波導入装置において、前記アダプター部材は、内部にマイクロ波を伝送する略S字形をした導波路を有していてもよい。この場合、前記導波路は、その一端側が前記導波管に接続され、他端側が前記マイクロ波導入ポートに接続されることによって、前記導波管と前記マイクロ波導入ポートの一部もしくは全部が互いに上下に重ならない位置で接続していてもよい。
本発明の処理方法は、内部にマイクロ波放射空間を有するとともに被処理体を収容する処理容器と、
前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器に導入するマイクロ波導入装置と、
を備えたマイクロ波加熱処理装置を用いて、前記被処理体を加熱処理する。
本発明の処理方法において、前記処理容器は、上壁、底壁及び互いに接続された4つの側壁を有し、
前記マイクロ波導入装置は、前記複数のマイクロ波源として、第1ないし第4のマイクロ波源を有し、
前記上壁は、前記第1ないし第4のマイクロ波源の各々において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に導入する第1ないし第4のマイクロ波導入ポートを有しており、
前記第1ないし第4のマイクロ波導入ポートは、それぞれ、長辺と短辺とを有する平面視矩形をなしており、その長辺と短辺が、前記4つの側壁の内壁面と平行になるように設けられ、
各マイクロ波導入ポートは、互いに90°角度を変えた回転位置に配置され、かつ、前記長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポートに重ならないように配置されている。
本発明のマイクロ波加熱処理装置および処理方法では、処理容器内に放射されたマイクロ波の損失が低減され、電力の利用効率及び加熱効率に優れている。また、本発明によれば、被処理体に対して均一な加熱処理を行うことが可能になる。
本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるマイクロ波導入装置の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。 図1に示した処理容器の天井部の下面を示す平面図である。 マイクロ波導入ポートを拡大して示す説明図である。 図1に示した制御部の構成を示す説明図である。 マイクロ波導入ポートから放射されるマイクロ波の電磁界ベクトルを模式的に示す説明図である。 マイクロ波導入ポートから放射されるマイクロ波の電磁界ベクトルを模式的に示す他の説明図である。 マイクロ波導入ポートから放射されるマイクロ波の電磁界ベクトルを模式的に示す別の説明図である。 マイクロ波導入ポートから放射されるマイクロ波の電磁界ベクトルを模式的に示すさらに別の説明図である。 長辺と短辺との比が6であるマイクロ波導入ポートによるマイクロ波放射指向性のシミュレーション結果を示す図面である。 長辺と短辺との比が2未満であるマイクロ波導入ポートによるマイクロ波放射指向性のシミュレーション結果を示す図面である。 比較例のマイクロ波導入ポートの配置による電力吸収効率のシミュレーション結果を示す図面である。 別の比較例のマイクロ波導入ポートの配置による電力吸収効率のシミュレーション結果を示す図面である。 本実施の形態のマイクロ波導入ポートの配置による電力吸収効率のシミュレーション結果を示す図面である。 角部の丸め加工に関するシミュレーションに用いたマイクロ波加熱処理装置の構成を模式的に示す説明図である。 角部の丸め加工に関するシミュレーション結果を示す図面である。 本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態において、傾斜部によって反射されるマイクロ波の電磁界ベクトルを模式的に示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。 天井部にマイクロ波導入アダプターを装着した状態を示す説明図である。 マイクロ波導入アダプターに形成された溝の状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1は、連続する複数の動作を伴って、例えば半導体デバイス製造用の半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す。)Wに対して、マイクロ波を照射してアニール処理を施す装置である。
マイクロ波加熱処理装置1は、被処理体であるウエハWを収容する処理容器2と、処理容器2内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3と、処理容器2内においてウエハWを支持する支持装置4と、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5と、処理容器2内を減圧排気する排気装置6と、これらマイクロ波加熱処理装置1の各構成部を制御する制御部8とを備えている。
<処理容器>
処理容器2は、金属材料によって形成されている。処理容器2を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が用いられる。マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。マイクロ波導入装置3の構成については、後で詳しく説明する。
処理容器2は、上壁としての板状の天井部11および底壁としての底部13と、天井部11と底部13とを連結する側壁としての4つの側壁部12と、天井部11を上下に貫通するように設けられた複数のマイクロ波導入ポート10と、側壁部12に設けられた搬入出口12aと、底部13に設けられた排気口13aとを有している。ここで、4つの側壁部12は、水平断面が直角に接続された角筒状をなしている。従って、処理容器2は、内部が空洞の立方体状をなしている。また、各側壁部12の内面は、いずれも好ましくは平坦になっており、マイクロ波を反射させる反射面としての機能を有している。なお、処理容器2の加工は削り出しで行われる場合もある。この場合、各側壁部12同士の合わせ目や側壁部12と底部13との合わせ目である角部を直角に加工することは事実上不可能なため、この角部に丸め加工を施してもよい。この丸め加工の寸法は、曲率半径Rを15〜16mmの範囲内とすることがマイクロ波導入ポート10への反射を抑制する上で好ましいことがシミュレーションの結果から分かっている(図9E参照)。搬入出口12aは、処理容器2に隣接する図示しない搬送室との間でウエハWの搬入出を行うためものである。処理容器2と図示しない搬送室との間には、ゲートバルブGVが設けられている。ゲートバルブGVは、搬入出口12aを開閉する機能を有し、閉状態で処理容器2を気密にシールすると共に、開状態で処理容器2と図示しない搬送室との間でウエハWの移送を可能にする。
<支持装置>
支持装置4は、処理容器2内に配置された板状且つ中空のリフト板15と、リフト板15の上面から上方に延びる管状の複数の支持ピン14と、リフト板15の下面から底部13を貫通して処理容器2の外部まで延びる管状のシャフト16とを有している。シャフト16は、処理容器2の外部において図示しないアクチュエータに固定されている。
複数の支持ピン14は、処理容器2内においてウエハWに当接してウエハWを支持するためのものである。複数の支持ピン14は、その上端部がウエハWの周方向に並ぶように配置されている。また、複数の支持ピン14、リフト板15およびシャフト16は、図示しないアクチュエータによってウエハWを上下に変位させることができるように構成されている。
また、複数の支持ピン14、リフト板15およびシャフト16は、排気装置6によってウエハWを複数の支持ピン14に吸着させることができるように構成されている。具体的には、複数の支持ピン14およびシャフト16は、それぞれリフト板15の内部空間に連通する管状の形状を有している。また、複数の支持ピン14の上端部には、ウエハWの裏面を吸引するための吸着孔が形成されている。
複数の支持ピン14およびリフト板15は、誘電体材料によって形成されている。複数の支持ピン14およびリフト板15を形成する材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。
<排気機構>
マイクロ波加熱処理装置1は、更に、排気口13aと排気装置6とを接続する排気管17と、シャフト16と排気管17とを接続する排気管18と、排気管17の途中に設けられた圧力調整バルブ19と、排気管18の途中に設けられた開閉バルブ20および圧力計21とを備えている。排気管18は、シャフト16の内部空間に連通するように、シャフト16に直接または間接的に接続されている。圧力調整バルブ19は、排気口13aと排気管17,18の接続点との間に設けられている。
排気装置6は、ドライポンプ等の真空ポンプを有している。排気装置6の真空ポンプを作動させることにより、処理容器2の内部空間が減圧排気される。このとき、開閉バルブ20を開状態にすることにより、ウエハWの裏面を吸引して、ウエハWを複数の支持ピン14に吸着させて固定することができる。なお、排気装置6としてドライポンプ等の真空ポンプを用いる替わりに、マイクロ波加熱処理装置1が設置される施設に設けられた排気設備を用いることも可能である。
<ガス導入機構>
マイクロ波加熱処理装置1は、更に、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5を備えている。ガス供給機構5は、図示しないガス供給源を備えたガス供給装置5aと、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の位置の下方に配置されたシャワーヘッド部22と、シャワーヘッド部22と側壁部12との間に配置された四角形の枠状をした整流板23と、シャワーヘッド部22とガス供給装置5aとを接続する配管24と、ガス供給装置5aに接続され、処理容器2内に処理ガスを導入する複数の配管25とを備えている。シャワーヘッド部22及び整流板23は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属材料によって形成されている。
シャワーヘッド部22は、ウエハWに対して比較的低温の処理が施される場合に、冷却ガスによってウエハWを冷却するためのものである。シャワーヘッド部22は、配管24に連通するガス通路22aと、ガス通路22aに連通し、ウエハWに向かって冷却ガスを噴出する複数のガス噴出孔22bとを有している。図1に示した例では、複数のガス噴出孔22bは、シャワーヘッド部22の上面側に形成されている。なお、シャワーヘッド部22は、マイクロ波加熱処理装置1における必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。
整流板23は、整流板23を上下に貫通するように設けられた複数の整流孔23aを有している。整流板23は、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の領域の雰囲気を整流しながら排気口13aに向かって流すためのものである。なお、整流板23は、マイクロ波加熱処理装置1における必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。
ガス供給装置5aは、処理ガスまたは冷却ガスとして、例えば、N、Ar、He、Ne、O、H等のガスを供給できるように構成されている。なお、処理容器2内にガスを供給する手段としては、ガス供給装置5aの代りに、マイクロ波加熱処理装置1の構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。
図示しないが、マイクロ波加熱処理装置1は、更に、配管24,25の途中に設けられたマスフローコントローラおよび開閉バルブを備えている。シャワーヘッド部22および処理容器2内に供給されるガスの種類や、これらのガスの流量等は、マスフローコントローラおよび開閉バルブによって制御される。
<マイクロ波放射空間>
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1では、処理容器2内において、天井部11、4つの側壁部12、シャワーヘッド部22及び整流板23で区画される空間がマイクロ波放射空間Sを形成している。このマイクロ波放射空間Sには、天井部11に設けられた複数のマイクロ波導入ポート10からマイクロ波が放射される。ここで、シャワーヘッド部22及び整流板23は、上述の機能に加え、処理容器2内でマイクロ波放射空間Sの下端を規定する仕切り部としての役割を兼ねている。処理容器2の天井部11、4つの側壁部12、シャワーヘッド部22及び整流板23は、いずれも金属材料によって形成されているため、マイクロ波を反射し、マイクロ波放射空間S内に散乱させる。
<温度計測部>
マイクロ波加熱処理装置1は、更に、ウエハWの表面温度を測定する複数の放射温度計26と、複数の放射温度計26に接続された温度計測部27とを備えている。なお、図1では、ウエハWの中央部の表面温度を測定する放射温度計26を除いて、複数の放射温度計26の図示を省略している。複数の放射温度計26は、その上端部がウエハWの裏面に接近するように、底部13からウエハWが配置される予定の位置に向かって延びている。
<マイクロ波導入装置>
次に、図1及び図2を参照して、マイクロ波導入装置3の構成について説明する。図2は、マイクロ波導入装置3の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。
前述のように、マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。図1に示したように、マイクロ波導入装置3は、マイクロ波を処理容器2に導入する複数のマイクロ波ユニット30と、複数のマイクロ波ユニット30に接続された高電圧電源部40とを備えている。
(マイクロ波ユニット)
本実施の形態では、複数のマイクロ波ユニット30の構成は全て同一である。各マイクロ波ユニット30は、ウエハWを処理するためのマイクロ波を生成するマグネトロン31と、マグネトロン31において生成されたマイクロ波を処理容器2に伝送する導波管32と、マイクロ波導入ポート10を塞ぐように天井部11に固定された透過窓33とを有している。マグネトロン31は、本発明におけるマイクロ波源に対応する。
マグネトロン31は、高電圧電源部40によって供給される高電圧が印加される陽極および陰極(いずれも図示省略)を有している。また、マグネトロン31としては、種々の周波数のマイクロ波を発振することができるものを用いることができる。マグネトロン31によって生成されるマイクロ波は、被処理体の処理毎に最適な周波数を選択し、例えばアニール処理においては、2.45GHz、5.8GHz等の高い周波数のマイクロ波であることが好ましく、5.8GHzのマイクロ波であることが特に好ましい。
導波管32は、断面が矩形且つ角筒状の形状を有し、処理容器2の天井部11の上面から上方に延びている。マグネトロン31は、導波管32の上端部の近傍に接続されている。導波管32の下端部は、透過窓33の上面に接している。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32および透過窓33を介して処理容器2内に導入される。
透過窓33は、誘電体材料によって形成されている。透過窓33の材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。透過窓33と天井部11との間は、図示しないシール部材によって気密にシールされている。透過窓33の下面から支持ピン14に支持されたウエハWの表面までの距離(ギャップG)は、ウエハWへマイクロ波が直接放射されることを抑制する観点から、例えば25mm以上が好ましく、25〜50mmの範囲内がより好ましい。
マイクロ波ユニット30は、更に、導波管32の途中に設けられたサーキュレータ34、検出器35およびチューナ36と、サーキュレータ34に接続されたダミーロード37とを有している。サーキュレータ34、検出器35およびチューナ36は、導波管32の上端部側からこの順に設けられている。サーキュレータ34およびダミーロード37は、処理容器2からの反射波を分離するアイソレータを構成する。すなわち、サーキュレータ34は、処理容器2からの反射波をダミーロード37に導き、ダミーロード37は、サーキュレータ34によって導かれた反射波を熱に変換する。
検出器35は、導波管32における処理容器2からの反射波を検出するためのものである。検出器35は、例えばインピーダンスモニタ、具体的には、導波管32における定在波の電界を検出する定在波モニタによって構成されている。定在波モニタは、例えば、導波管32の内部空間に突出する3本のピンによって構成することができる。定在波モニタによって定在波の電界の場所、位相および強さを検出することにより、処理容器2からの反射波を検出することができる。また、検出器35は、進行波と反射波を検出することが可能な方向性結合器によって構成されていてもよい。
チューナ36は、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを整合する機能を有している。チューナ36によるインピーダンス整合は、検出器35における反射波の検出結果に基づいて行われる。チューナ36は、例えば、導波管32の内部空間に出し入れすることができるように設けられた導体板(図示省略)によって構成することができる。この場合、導体板の、導波管32の内部空間への突出量を制御することにより、反射波の電力量を調整して、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを調整することができる。
(高電圧電源部)
高電圧電源部40は、マグネトロン31に対してマイクロ波を生成するための高電圧を供給する。図2に示したように、高電圧電源部40は、商用電源に接続されたAC−DC変換回路41と、AC−DC変換回路41に接続されたスイッチング回路42と、スイッチング回路42の動作を制御するスイッチングコントローラ43と、スイッチング回路42に接続された昇圧トランス44と、昇圧トランス44に接続された整流回路45とを有している。マグネトロン31は、整流回路45を介して昇圧トランス44に接続されている。
AC−DC変換回路41は、商用電源からの交流(例えば、三相200Vの交流)を整流して所定の波形の直流に変換する回路である。スイッチング回路42は、AC−DC変換回路41によって変換された直流のオン・オフを制御する回路である。スイッチング回路42では、スイッチングコントローラ43によってフェーズシフト型のPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御が行われて、パルス状の電圧波形が生成される。昇圧トランス44は、スイッチング回路42から出力された電圧波形を所定の大きさに昇圧するものである。整流回路45は、昇圧トランス44によって昇圧された電圧を整流してマグネトロン31に供給する回路である。
<マイクロ波導入ポートの配置>
次に、図1、図3及び図4を参照して、本実施の形態におけるマイクロ波導入ポート10の配置について詳しく説明する。図3は、図1に示した処理容器2の天井部11の下面を処理容器2の内部から見た状態を示している。図3では、ウエハWの大きさと位置を2点鎖線で天井部11に重ねて示した。符号OはウエハWの中心を表し、かつ、本実施の形態では、天井部11の中心も表している。従って、符号Oを通る2つの線は、天井部11と側壁部12の境界となる4つの辺において、対向する辺の中点どうしを結ぶ中央線Mを表している。なお、ウエハWの中心と天井部11の中心とは必ずしも重ならなくてもよい。また、図3では、説明の便宜上、天井部11と処理容器2の4つの側壁部12の内壁面との接合部分に、4つの側壁部12を区別して符号12A、12B、12C、12Dを付し、それらの位置を示している。また、図4は、一つのマイクロ波導入ポート10を拡大して示す平面図である。
図3に示したように、本実施の形態では、天井部11において全体として略十字形をなすように、等間隔に配置された4つのマイクロ波導入ポート10を有している。以下、4つのマイクロ波導入ポート10を互いに区別して表す場合には、符号10A,10B,10C,10Dを付して表す。なお、本実施の形態では、各マイクロ波導入ポート10にそれぞれマイクロ波ユニット30が接続されている。つまり、マイクロ波ユニット30の数は4つである。
マイクロ波導入ポート10は、長辺と短辺とを有する平面視矩形をなしている。マイクロ波導入ポート10の長辺の長さLと短辺の長さLとの比(L/L)は、例えば2以上100以下であり、4以上であることが好ましく、5〜20がより好ましい。前記比L/Lを2以上、好ましくは4以上とするのは、マイクロ波導入ポート10から処理容器2内に放射されるマイクロ波の指向性をマイクロ波導入ポート10の長辺と垂直な方向(短辺と平行な方向)に強めるためである。この比L/Lが2未満であると、マイクロ波導入ポート10から処理容器2内に放射されるマイクロ波がマイクロ波導入ポート10の長辺と平行な方向(短辺と垂直な方向)に向かいやすくなる。また、前記比L/Lが2未満であると、マイクロ波導入ポート10の直下の方向へもマイクロ波の指向性が強くなるため、ウエハWに直接マイクロ波が照射され、局所的な加熱が生じやすくなる。一方、前記比L/Lが20を超えると、マイクロ波導入ポート10の直下やマイクロ波導入ポート10の長辺と平行な方向(短辺と垂直な方向)へ向かうマイクロ波の指向性が弱くなりすぎるため、ウエハWの加熱効率が低下する場合がある。
なお、マイクロ波導入ポート10の長辺の長さLは、例えば導波管32の管内波長λgに対して、L=n×λ/2(ここで、nは整数を意味する)とすることが好ましく、n=2がより好ましい。各マイクロ波導入ポート10の大きさや、前記比L/Lは、マイクロ波導入ポート10毎に異なっていてもよいが、ウエハWに対する加熱処理の均一性を高めるとともに制御性をよくする観点から、4つのマイクロ波導入ポート10のすべてが同じ大きさ及び形状であることが好ましい。
本実施の形態では、4つのマイクロ波導入ポート10は、そのすべてがウエハWの直上に重なるように配置されている。ここで、天井部11において、ウエハWの径方向における各マイクロ波導入ポート10の位置は、ウエハW上の電界分布を均一化する観点から、例えばウエハWの中心Oを基準に、その径外方向に、ウエハWの半径の1/5〜3/5までの距離の範囲内に上下に重なるようにすることが好ましい。なお、ウエハWの面内での均一加熱が実現可能であるならば、必ずしもウエハWとマイクロ波導入ポート10との位置が重なる必要はない。
本実施の形態において、4つのマイクロ波導入ポート10は、それぞれ、その長辺と短辺が、4つの側壁部12A,12B,12C,12Dの内壁面と平行になるように設けられている。例えば、図3では、マイクロ波導入ポート10Aの長辺は、側壁部12B,12Dと平行であり、その短辺は、側壁部12A,12Cと平行である。図3では、マイクロ波導入ポート10Aから放射されるマイクロ波について、支配的な指向性を示す電磁界ベクトル100を実線の矢印で示し、側壁部12B,12Dによって反射されたマイクロ波の指向性を示す電磁界ベクトル101を破線の矢印で示した。マイクロ波導入ポート10Aから放射されるマイクロ波は、大部分がその長辺に対して垂直な方向(短辺に平行な方向)へ進行し、伝搬していく。また、マイクロ波導入ポート10Aから放射されたマイクロ波は、2つの側壁部12B及び12Dによってそれぞれ反射される。これら側壁部12B及び12Dは、マイクロ波導入ポート10Aの長辺に対して平行に設けられているため、生成する反射波の指向性(電磁界ベクトル101)は、進行波の指向性(電磁界ベクトル100)の180度逆向きになり、他のマイクロ波導入ポート10B、10C、10Dへ向かう方向へ散乱することは殆どない。このように、比L/Lが例えば2以上である4つのマイクロ波導入ポート10を、それぞれの長辺と短辺が、4つの側壁部12A,12B,12C,12Dの内壁面と平行になるように配置することで、マイクロ波導入ポート10から放射されるマイクロ波及びその反射波の方向を制御できる。
また、本実施の形態では、上記比L/Lが例えば2以上である4つのマイクロ波導入ポート10は、互いに90°角度を変えた回転位置に配置されている。つまり、4つのマイクロ波導入ポート10は、天井部11の中心Oを基準に回転対称に配置されており、その回転角は90°である。そして、各マイクロ波導入ポート10は、それぞれの長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポート10に重ならないように配置されている。例えば、図3では、マイクロ波導入ポート10A〜10Dは、全体として十字形をなすように配置されている。つまり、互いに隣接する2つのマイクロ波導入ポート10は、それらの長辺の方向と平行な中心軸ACが互いに直交するように、90度ずつ角度をずらして配置されている。そして、マイクロ波導入ポート10Aを、その長辺と垂直な方向に平行移動させた場合でも、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポート10Cには重ならない。換言すれば、マイクロ波導入ポート10Aの長辺の長さの範囲内において、このマイクロ波導入ポート10Aの長辺と平行な2つの側壁部12B及び12Dの間には、マイクロ波導入ポート10Aと長辺の向きが同方向である他のマイクロ波導入ポート10(マイクロ波導入ポート10C)は配置されていない。このような配置によって、マイクロ波導入ポート10Aから、その長辺に対し垂直な方向へ強い指向性を持って放射されるマイクロ波及びその反射波が、他のマイクロ波導入ポート10に進入することを極力回避できる。すなわち、マイクロ波導入ポート10Aと、平行な2つの側壁部12B及び12Dとの間に、その長辺の長さの範囲内で、同じ向きの他のマイクロ波導入ポート10が介在すると、マイクロ波の励起方向が同じであるため、その同じ向きのマイクロ波導入ポート10にマイクロ波及びその反射波が進入しやすく、電力損失が大きくなる。それに対し、マイクロ波導入ポート10Aの長辺の長さの範囲内で、平行な2つの側壁部12B及び12Dとの間にマイクロ波導入ポート10Aと同じ向きの他のマイクロ波導入ポート10が存在しなければ、マイクロ波導入ポート10Aから放射されたマイクロ波及びその反射波が、他のマイクロ波導入ポート10へ進入することに伴う電力の損失を抑えることができる。
なお、図3において、マイクロ波導入ポート10Aから放射されたマイクロ波、及びその反射波は、マイクロ波導入ポート10Aに対して90度角度を変えて配置された隣接するマイクロ波導入ポート10B,10Dとは励起方向が異なるため、マイクロ波導入ポート10B,10Dにはほとんど入射しない。従って、マイクロ波導入ポート10Aを、その長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、長辺の向きが異なるマイクロ波導入ポート10B,10Dに重なる場合があってもよい。
また、本実施の形態では、全体として十字形をなすように配置された4つのマイクロ波導入ポート10のうち、互いに隣接しない2つのマイクロ波導入ポート10は、それぞれの中心軸ACが同一直線上に重ならないように配置されている。例えば、図3では、マイクロ波導入ポート10Aの中心軸ACに対して、マイクロ波導入ポート10Aと隣接しないマイクロ波導入ポート10Cの中心軸ACは、方向は同じであっても、互いに重ならないように位置をずらして配置されている。このように、全体として十字形をなすように配置された4つのマイクロ波導入ポート10のうち、互いに隣接しない2つのマイクロ波導入ポート10を、互いの中心軸ACが重ならないように配置することによって、中心軸ACの方向が同じ2つのマイクロ波導入ポート10の間で、それぞれの短辺に垂直な方向に放射されたマイクロ波が進入し合い、電力損失が生じることを抑制できる。このような配置の場合、各マイクロ波導入ポート10の中心軸ACは、中央線Mとは重ならなくてもよい。従って、例えば、各マイクロ波導入ポート10を、中央線Mから大きく離れた位置、例えば各マイクロ波導入ポート10の長辺が側壁部12に近接するような位置に配置してもよい。しかし、処理容器2内へのマイクロ波の均等な導入を図るという観点から、各マイクロ波導入ポート10は、前記中央線Mに近接して配置することが好ましく、図3に示したように、少なくとも各マイクロ波導入ポート10の一部が中央線Mに重なるように配置することがより好ましい。なお、別の実施形態では、全体として十字形をなすように配置された4つのマイクロ波導入ポート10のうち、互いに隣接しない2つのマイクロ波導入ポート10の中心軸ACどうしが重なるように配置してもよく、この場合には、中心軸ACと中央線Mとが一致してもよい。
以上、マイクロ波導入ポート10Aを例に挙げたが、マイクロ波導入ポート10B、10C、10Dについても、それぞれ他のマイクロ波導入ポート10及び側壁部12との間で、上記関係が成立するように配置されている。
<制御部>
マイクロ波加熱処理装置1の各構成部は、それぞれ制御部8に接続されて、制御部8によって制御される。制御部8は、典型的にはコンピュータである。図5は、図1に示した制御部8の構成を示す説明図である。図5に示した例では、制御部8は、CPUを備えたプロセスコントローラ81と、このプロセスコントローラ81に接続されたユーザーインターフェース82および記憶部83とを備えている。
プロセスコントローラ81は、マイクロ波加熱処理装置1において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力等のプロセス条件に関係する各構成部(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5a、排気装置6、温度計測部27等)を統括して制御する制御手段である。
ユーザーインターフェース82は、工程管理者がマイクロ波加熱処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードやタッチパネル、マイクロ波加熱処理装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。
記憶部83には、マイクロ波加熱処理装置1で実行される各種処理をプロセスコントローラ81の制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記録されたレシピ等が保存されている。プロセスコントローラ81は、ユーザーインターフェース82からの指示等、必要に応じて、任意の制御プログラムやレシピを記憶部83から呼び出して実行する。これにより、プロセスコントローラ81による制御下で、マイクロ波加熱処理装置1の処理容器2内において所望の処理が行われる。
上記の制御プログラムおよびレシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態のものを利用することができる。また、上記のレシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用することも可能である。
[処理手順]
次に、ウエハWに対してアニール処理を施す際のマイクロ波加熱処理装置1における処理の手順について説明する。まず、例えばユーザーインターフェース82から、マイクロ波加熱処理装置1においてアニール処理を行うように、プロセスコントローラ81に指令が入力される。次に、プロセスコントローラ81は、この指令を受けて、記憶部83またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されたレシピを読み出す。次に、レシピに基づく条件によってアニール処理が実行されるように、プロセスコントローラ81からマイクロ波加熱処理装置1の各エンドデバイス(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5a、排気装置6等)に制御信号が送出される。
次に、ゲートバルブGVが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが、ゲートバルブGVおよび搬入出口12aを通って処理容器2内に搬入される。ウエハWは、支持ピン14の上に載置される。次に、ゲートバルブGVが閉状態にされて、排気装置6によって、処理容器2内が減圧排気される。このとき、開閉バルブ20が開状態にされて、ウエハWの裏面が吸引されて、ウエハWが支持ピン14に吸着固定される。次に、ガス供給装置5aによって、所定の流量の処理ガスおよび冷却ガスが処理容器2内に導入される。処理容器2の内部空間は、排気量およびガス供給量を調整することによって、所定の圧力に調整される。
次に、高電圧電源部40からマグネトロン31に対して電圧を印加してマイクロ波を生成する。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32を伝搬し、次に、透過窓33を透過して、処理容器2内におけるウエハWの上方の空間に導入される。本実施の形態では、複数のマグネトロン31において順次マイクロ波を生成し、各マイクロ波導入ポート10から交互にマイクロ波を処理容器2内に導入する。なお、複数のマグネトロン31において同時に複数のマイクロ波を生成させ、各マイクロ波導入ポート10から同時にマイクロ波を処理容器2内に導入するようにしてもよい。
処理容器2に導入されたマイクロ波は、ウエハWの表面に照射されて、ジュール加熱、磁性加熱、誘導加熱等の電磁波加熱により、ウエハWが迅速に加熱される。その結果、ウエハWに対してアニール処理が施される。
プロセスコントローラ81からマイクロ波加熱処理装置1の各エンドデバイスにアニール処理を終了させる制御信号が送出されると、マイクロ波の生成が停止されると共に、処理ガスおよび冷却ガスの供給が停止されて、ウエハWに対するアニール処理が終了する。次に、ゲートバルブGVが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが搬出される。
マイクロ波加熱処理装置1は、例えば半導体デバイスの作製工程において、拡散層に注入されたドーピング原子の活性化を行うためのアニール処理などの目的で好ましく利用できる。
次に、図3、図6A,6B及び図7A,7Bを参照しながら、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1およびマイクロ波加熱処理装置1を用いたウエハWの処理方法の作用効果について説明する。本実施の形態では、マイクロ波導入ポート10の特徴的な形状及び配置と、処理容器2の側壁部12の形状と、の組み合わせによって、一つのマイクロ波導入ポート10から処理容器2内に放射されたマイクロ波が、他のマイクロ波導入ポート10へ進入することを極力抑制している。その原理は以下のとおりである。
図6A,6Bは、長辺の長さLと短辺の長さLとの比(L/L)が4以上であるマイクロ波導入ポート10におけるマイクロ波の放射指向性を模式的に示している。図7A、7Bは、前記比L/Lが2未満であるマイクロ波導入ポート10におけるマイクロ波の放射指向性を模式的に示している。図6A及び図7Aは、マイクロ波導入ポート10を天井部11(図示せず)の下方から見た状態を示している。図6B及び図7Bは、マイクロ波導入ポート10を短辺方向における天井部11の断面において示したものである。図6A,6B及び図7A,7Bにおいて、矢印は、マイクロ波導入ポート10から放射される電磁界ベクトル100を示しており、矢印が長いほど、マイクロ波の指向性が強いことを示している。なお、図6A,6B及び図7A,7Bにおいて、X軸及びY軸は、いずれも天井部11の下面と平行な方向であり、X軸はマイクロ波導入ポート10の長辺に対し垂直な方向、Y軸はマイクロ波導入ポート10の長辺に対し平行な方向、Z軸は、天井部11の下面に対して垂直な方向を意味する。
本実施の形態では、前述のように、天井部11に、長辺と短辺とを有する平面視矩形のマイクロ波導入ポート10を4つ配置している。そして、本実施の形態で用いる各マイクロ波導入ポート10は、比L/Lを例えば2以上、好ましくは4以上としている。このため、図6Aに示すように、マイクロ波の放射指向性は、X軸に沿って、長辺と垂直な方向(短辺と平行な方向)が強く、支配的となる。従って、あるマイクロ波導入ポート10から放射されたマイクロ波は、主に処理容器2の天井部11に沿って伝搬し、その長辺と平行な側壁部12の内壁面を反射面として反射される。ここで、本実施の形態では、処理容器2の4つの側壁部12は、互いに直交して接続されており、4つのマイクロ波導入ポート10は、それぞれ、その長辺と短辺が、4つの側壁部12A,12B,12C,12Dの内壁面と平行になるように設けられている。従って、生成する反射波の方向は、ほぼ180度逆向きとなり、反射波が他のマイクロ波導入ポート10へ向かうことは殆どない。
また、本実施の形態では、図3に示すように、上記比L/Lが例えば2以上である4つのマイクロ波導入ポート10は、互いに90°角度を変えた回転位置に配置されている。つまり、4つのマイクロ波導入ポート10は、全体としてほぼ十字形をなすように、かつ互いに隣接する2つのマイクロ波導入ポート10の長辺の方向と平行な中心軸ACが互いに直交するように、90度ずつ角度をずらして配置されている。そして、各マイクロ波導入ポート10は、それぞれの長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポート10に重ならないように配置されているため、マイクロ波導入ポート10の長辺に垂直な方向において、マイクロ波の励起方向が同じマイクロ波導入ポート10どうしの間で、マイクロ波及びその反射波が進入し合うことを抑制できる。さらに、4つのマイクロ波導入ポート10のうち、互いに隣接しない2つのマイクロ波導入ポート10を、それぞれの中心軸ACが同一直線上に重ならないように配置することで、マイクロ波導入ポート10の短辺に垂直な方向についても、マイクロ波の励起方向が同じマイクロ波導入ポート10どうしの間で、マイクロ波及びその反射波が進入し合うことが殆どなくなる。このように、本実施の形態では、マイクロ波導入ポート10の形状、特に上記比L/Lと、その形状に起因するマイクロ波の放射指向性と、さらに処理容器2の側壁部12の形状と、を考慮してマイクロ波導入ポート10を配置しているため、一つのマイクロ波導入ポート10から導入されたマイクロ波が、他のマイクロ波導入ポート10へ進入することを出来るだけ回避し、電力の損失を最小限に抑制している。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1では、以上のように、特徴的なマイクロ波導入ポート10の形状及び配置、並びに側壁部12の形状の組み合わせによって、図6A,6Bに示したような放射指向性を有するマイクロ波や、その逆方向に進行する反射波が、他のマイクロ波導入ポート10へ進入することを極力抑制し、供給電力の利用効率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、比L/Lを2以上、好ましくは4以上としていることにより、図6Bに示すように、マイクロ波導入ポート10から放射されたマイクロ波は、横方向(X軸方向)への指向性が強くなり、主に天井部11の下面に沿って横方向へ広がる。また、本実施の形態では、透過窓33の下面から支持ピン14に支持されたウエハWの表面までの距離(ギャップG)を25mm以上としている。このように、マイクロ波の放射指向性を考慮して十分なギャップGを確保することにより、マイクロ波導入ポート10の直下に位置するウエハWへ直接マイクロ波が照射されることが少なく、局所的な加熱が生じにくくなる。その結果、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1では、ウエハWに対して均一な処理を行うことが可能になる。
一方、比L/Lが2未満であるマイクロ波導入ポート10では、図7Aに示すように、マイクロ波の指向性は、Y軸に沿って、長辺と平行な方向(短辺と垂直な方向)にも強まるため、相対的に長辺と垂直な方向(短辺と平行な方向)への指向性が弱まり、マイクロ波の放射指向性に大きな強弱がなくなる。従って、比L/Lが2未満(例えば長辺:短辺=1:1)のマイクロ波導入ポート10を図3のように配置した場合、マイクロ波導入ポート10Aから放射されたマイクロ波は、マイクロ波導入ポート10Aの長辺に平行な方向(Y軸方向)にも進行し、マイクロ波導入ポート10Cへ進入する可能性が大きくなる。また、比L/Lが2未満のマイクロ波導入ポート10では、図7Bに示すように、放射されるマイクロ波は、下方(つまり、Z軸に沿ってウエハW側へ向かう方向)への指向性が強くなり、マイクロ波導入ポート10の直下のウエハWへ直接マイクロ波が照射される割合が大きくなるため、ウエハW面内での局所的な加熱が生じやすくなる。
次に、図8A及び図8Bを参照しながら、本発明の基礎となったマイクロ波導入ポート10の放射指向性のシミュレーション結果について説明する。図8Aは、前記比L/Lが6であるマイクロ波導入ポート10の放射指向性のシミュレーション結果を図示している。図8Bは、前記比L/Lが2未満であるマイクロ波導入ポート10の放射指向性のシミュレーション結果を図示している。なお、図8A,図8B中のX軸、Y軸、Z軸の意味は、図6A,6B及び図7A,7Bと同様である。
図8A及び図8Bでは、白黒表記のため、厳密には表現できていないが、概ね、色が濃い(黒い)部分ほど、放射指向性が強いことを示している。図8Aから、前記比L/Lが6のマイクロ波導入ポート10では、X軸方向への放射指向性が強く、Y軸方向及びZ軸方向への放射指向性が弱いことが理解される。それに対し、図8Bより、前記比L/Lが2未満のマイクロ波導入ポート10では、Z軸方向(但し、下向き)の放射指向性が強くなっている。これは、導波管32内でのマイクロ波の進行方向のままマイクロ波導入ポート10から放射される傾向が強く、ウエハWに対して直接マイクロ波が照射される可能性が大きいことを示している。従って、前記比L/Lを例えば2以上、好ましくは4以上とすることによって、放射されるマイクロ波を、マイクロ波導入ポート10の長辺に垂直に、かつ天井部11の下面に沿って横方向に効率よく伝搬させ得ることが理解される。
次に、図9A,図9B,図9Cを参照しながら、処理容器の形状、及びマイクロ波導入ポート10の形状と配置を変化させた場合のウエハWの電力吸収効率をシミュレーションした結果について説明する。図9A,図9B,図9Cの上段は、シミュレーションの対象としたマイクロ波加熱処理装置のマイクロ波導入ポート10及び側壁部12の配置・形状に対してウエハWの配置を投影して説明する図面を示し、中段は、ウエハ面内でのマイクロ波電力の体積損失密度分布を示すシミュレーション結果のマップを示し、下段はシミュレーションで得られた散乱パラメータ、ウエハ吸収電力Pw、全面積(ウエハ面積+処理室の内面積)に対するウエハ面積の比率Awを示している。このシミュレーションでは、図9A,図9B,図9C中の上段において、黒塗りで示す1つのマイクロ波導入ポートより3000Wのマイクロ波を導入する条件で検討を行った。なお、ウエハWの誘電正接(tanδ)は、0.1とした。
図9Aは、円筒形の側壁部12を有する処理容器に、4つのマイクロ波導入ポート10を設けた比較例の構成のシミュレーション結果である。図9Bは、角筒形の側壁部12を有する処理容器に、4つのマイクロ波導入ポート10を設けた比較例の構成のシミュレーション結果である。図9A,9Bでは、いずれもマイクロ波導入ポート10の長辺の長さLと短辺の長さLとの比(L/L)は2である。また、図9A,9Bでは、マイクロ波導入ポート10の配置は、円形のウエハWの周縁部の直上位置において、該周縁部の接線方向とマイクロ波導入ポート10の長辺の方向が平行になるように設定している。さらに、図9Bでは、一つのマイクロ波導入ポート10をその長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポート10に重なってしまうように配置されている。
一方、図9Cは、角筒形の側壁部12を有する処理容器内に、4つのマイクロ波導入ポート10を、互いに90°角度を変えた回転位置に配置した本実施の形態と同様の構成のシミュレーション結果である。図9Cでは、4つのマイクロ波導入ポート10の長辺と短辺が、4つの側壁部12の内壁面と平行になるように設けられており、マイクロ波導入ポート10の長辺の長さLと短辺の長さLとの比(L/L)は4である。また、図9Cでは、一つのマイクロ波導入ポート10をその長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポートに重ならないように配置されている。
ここで、ウエハWの吸収電力は、散乱パラメータ(Sパラメータ)により計算することができる。入力電力をPin、ウエハWが吸収する全電力をPwとすると、全電力Pwは、以下の式(1)によって求めることができる。なお、S11、S21、S31、S41は、4つのマイクロ波導入ポート10のSパラメータであり、黒塗りのマイクロ波導入ポート10は、ポート1に該当する。
また、ウエハWの電力吸収効率を上げるには、マイクロ波放射空間Sを規定する処理室の内面積に対するウエハWの面積の比が大きい方が好ましく、次式(2)で表されるAwが大きいことが好ましい。Awは、全面積(ウエハ面積+処理室の内面積)に対するウエハ面積の比率である。
Aw=[ウエハ面積/(ウエハ面積+処理室の内面積)]×100 … (2)
また、ウエハWの面内における電力吸収の分布は、ウエハW面内のポインティングベクトルを用いて電磁波体積損失密度を求めることにより計算した。なお、ウエハWが吸収する全電力Pwは、以下の式(3)により、また、ウエハWが単位体積当たりに吸収する電力pwは、式(4)により、それぞれ求めることができる。これらの値を電磁界シミュレーターで計算し、ウエハW上にプロットすることによって、図9A〜図9Cの中段に示すマップを作成した。これらのマップでは、白黒表記のため、厳密には表現できていないが、概ね、黒色が薄い(白い)部分ほど、ウエハW面内での電磁波体積損失密度が大きいことを示している。
なお、被処理体がウエハWである場合、上記式(3)、(4)においては、ジュール損失が大部分を占めることから、ウエハWが単位体積当たりに吸収する電力pwと電界との関係は、上記式(4)を変形した次の式(5)により示すことができ、ウエハWが単位体積当たりに吸収する電力pwは、ほぼ電界の2乗に比例する。
図9A、図9Bと比較すると、本実施の形態によるマイクロ波導入ポート10の形状及び配置並びに処理容器2の側壁部12の形状の組み合わせを採用した図9Cでは、電界のばらつきが小さく、ウエハが吸収する全電力Pwが大きく電力吸収効率に優れていることが確認された。また、マイクロ波放射空間Sを規定する処理室の内面積に対するウエハWの面積の比(Aw)も、図9A、9Bと比較すると、図9Cが最も大きくなっている。
次に、図9D及び図9Eを参照しながら、処理容器2の隣り合う側壁部12の接続部分の角部の内側の丸め加工がマイクロ波の反射に与える影響について検討したシミュレーション結果について説明する。図9Dは、シミュレーションで想定したマイクロ波加熱処理装置の構成を模式的に示す説明図である。図9Dでは、隣り合う側壁部12の接続部分の角部に丸め加工を施した場合の側壁部12の形状(内壁面の位置のみを示す)と、ウエハWとの位置関係を模式的に示している。なお、図9Dでは、図示しない天井部11に設けられた4つのマイクロ波導入ポート10A,10B,10C,10Dの位置をウエハW上に投影して示している。図9Dから見て取れるように、側壁部12Aと側壁部12Bとの間、側壁部12Bと側壁部12Cとの間、側壁部12Cと側壁部12Dとの間、及び、側壁部12Dと側壁部12Aとの間の角部Cは、いずれも曲率半径Rで丸め加工が施されている。なお、他の構成は図1のマイクロ波加熱処理装置1と同様とした。
シミュレーションでは、角部Cの丸め加工の曲率半径Rを0mm(直角)から18mmまで1mm単位で変化させたときの散乱パラメータS11及びS31を解析した。ここで、マイクロ波は、マイクロ波導入ポート10Aから導入する設定とした。S11は、マイクロ波導入ポート10Aでの放射マイクロ波と反射マイクロ波の散乱パラメータであり、S31は、マイクロ波導入ポート10Aから放射され、マイクロ波導入ポート10Cへ反射するマイクロ波の散乱パラメータである。
図9Eにシミュレーション結果を示した。図9Eより、曲率半径Rが15〜16mmの範囲では、S11、S31ともに変動が少なく、かつ、比較的低い値となっている。従って、マイクロ波導入ポート10へ入射する反射波を抑制し、マイクロ波電力の利用効率を高める観点から、処理容器2の隣り合う側壁部12の接続部分の角部Cの丸め加工は、曲率半径Rが15〜16mmの範囲内で施すことが好ましいことが確認された。なお、このシミュレーションは、処理容器2の隣り合う側壁部12どうしの接続部分の角部Cの丸め加工に関して行ったが、各側壁部12と底部13のとの接続部分の角部の丸め加工についても、同様の曲率半径Rを好ましく適用できるものと考えられる。
以上のシミュレーション結果から、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1は、処理容器2内に放射されたマイクロ波の損失が低減され、電力の利用効率及び加熱効率に優れていることが確認された。また、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1を用いることで、ウエハWに対して均一な加熱処理が実現できることも確認された。
[第2の実施の形態]
次に、図10及び図11を参照しながら、本発明の第2の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置について説明する。図10は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Aの概略の構成を示す断面図である。図11は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Aの整流板23Aによるマイクロ波の反射の機構を説明する図面である。
本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Aは、被処理体であるウエハWを収容する処理容器2と、処理容器2内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3と、処理容器2内においてウエハWを支持する支持装置4と、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5Aと、処理容器2内を減圧排気する排気装置6と、これらマイクロ波加熱処理装置1Aの各構成部を制御する制御部8とを備えている。本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aと、第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1との相違点は、ガス供給機構5Aにおける整流板23Aの形状である。従って、図10において、図1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。なお、図10においては、搬入出口12a及びゲートバルブGVは図示を省略している。
本実施の形態においても、ガス供給機構5Aにおけるシャワーヘッド部22及び整流板23Aは、マイクロ波放射空間Sの下端を規定する仕切り部としての役割を兼ねている。そして、マイクロ波加熱処理装置1Aは、マイクロ波をウエハWの方向へ反射させる傾斜部を有する整流板23Aを備えている。すなわち、ウエハWの周囲を囲むように設けられた整流板23Aの上面は、ウエハW側(内側)から側壁部12側(外側)へ向けて拡開するように傾斜している。傾斜部の角度と幅は、側壁部12の内壁面に沿って一定である。なお、シャワーヘッド部22及び整流板23Aは、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等の金属材料によって形成されている。
本実施の形態では、ウエハWの周囲からその中心へマイクロ波を効率良く集中させるために、ウエハWの高さを基準位置Pとして、該基準位置Pよりも上方位置Pと下方位置Pを含む斜面を有するように、整流板23Aの傾斜部を設けている。すなわち、図11にも示すように、整流板23Aの傾斜した上面(傾斜部)の上端は、支持ピン14に支持されたウエハWよりも上方に位置する(上方位置P)。また、整流板23Aの傾斜した上面(傾斜部)の下端は、支持ピン14に支持されたウエハWよりも下方に位置する(下方位置P)。図11では、整流板23Aの傾斜部で反射するマイクロ波の方向を電磁界ベクトル100,101によって模式的に示した。傾斜部により、マイクロ波放射空間S内を散乱して下方へ、つまり、処理容器2の天井部11側から整流板23A側へ向かうマイクロ波を反射させて、ウエハWの中心へ向かう方向へ変化させることができる。これにより、ウエハWの周囲からその中心へマイクロ波を集中させ、反射波を利用して加熱効率を高め、ウエハWの全面を均一に加熱することができる。
なお、整流板23Aの上面(傾斜部)の角度は、任意であり、各マイクロ波導入ポート10から放射されるマイクロ波を効率良くウエハW方向へ反射できる角度であればよい。具体的には、マイクロ波導入ポート10の配置、形状(例えば、前記比L/L)、ギャップGなどを勘案して適宜設定することができる。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aでは、整流板23Aに傾斜部を設けることによって、別部材で傾斜部を設ける場合に比べ、部品点数を削減し、装置構成の簡素化を実現している。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aにおける他の構成及び効果は、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同様である。すなわち、本実施の形態でも、処理容器2の4つの側壁部12は、互いに直交して接続されており、4つのマイクロ波導入ポート10は、それぞれ、その長辺と短辺が、4つの側壁部12A,12B,12C,12Dの内壁面と平行になるように設けられている。また、4つのマイクロ波導入ポート10は、互いに90°角度を変えた回転位置に配置されており、各マイクロ波導入ポート10は、それぞれの長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポート10に重ならないように配置されている。さらに、4つのマイクロ波導入ポート10のうち、互いに隣接しない2つのマイクロ波導入ポート10は、それぞれの中心軸ACが同一直線上に重ならないように配置されている。従って、一つのマイクロ波導入ポート10から導入されたマイクロ波が、他のマイクロ波導入ポート10へ進入することを出来るだけ回避できる配置になっている。そして、このようなマイクロ波導入ポート10の配置に加えて、本実施の形態では、ウエハWの周囲からその中心へマイクロ波を効率良く集中させるために、整流板23Aに傾斜部を設けている。従って、各マイクロ波導入ポート10から放射されるマイクロ波の損失を最小限に抑制しつつ、ウエハWの中心へマイクロ波及び反射波を集中させて利用効率を高め、ウエハWの加熱効率を高めることができるようになっている。
なお、本実施の形態では、ガス供給機構5Aにおけるシャワーヘッド部22及び整流板23Aによって、マイクロ波放射空間Sの下端が規定されるため、整流板23Aの上面を傾斜部としている。しかし、例えばシャワーヘッド部22及び整流板23Aを具備しないマイクロ波加熱処理装置の場合は、処理容器2の底部13に傾斜部を設けることもできる。この場合、傾斜部として、底部13の内壁面の一部を所定角度に傾斜させてもよいし、傾斜部を有する別部材を底部13の上に配置してもよい。
また、マイクロ波を反射させる傾斜部は、マイクロ波放射空間Sの下部に限らず、上部に設けても良い。例えば、図示は省略するが、天井部11と側壁部12とがなす角に傾斜部を設けてもよい。
[第3の実施の形態]
次に、図12〜図14を参照しながら、本発明の第3の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置について説明する。図12は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Bの概略の構成を示す断面図である。図13は、天井部11に、内部にマイクロ波を伝送する導波路を有するアダプター部材としてのマイクロ波導入アダプター50を装着した状態を示す説明図である。図14は、マイクロ波導入アダプター50に形成された溝の状態を示す説明図である。本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Bは、連続する複数の動作を伴って、例えば半導体デバイス製造用の半導体ウエハWに対して、マイクロ波を照射してアニール処理を施す装置である。以下の説明では、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1との相違点を中心に説明し、図12〜図14に示すマイクロ波加熱処理装置1Bにおいて、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
マイクロ波加熱処理装置1Bは、被処理体であるウエハWを収容する処理容器2と、処理容器2内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3Aと、処理容器2内においてウエハWを支持する支持装置4と、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5と、処理容器2内を減圧排気する排気装置6と、これらマイクロ波加熱処理装置1Bの各構成部を制御する制御部8とを備えている。
マイクロ波導入装置3Aは、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。図12に示したように、マイクロ波導入装置3Aは、マイクロ波を処理容器2に導入する複数のマイクロ波ユニット30と、複数のマイクロ波ユニット30に接続された高電圧電源部40と、導波管32とマイクロ波導入ポート10との間でマイクロ波を伝送可能に接続するマイクロ波導入アダプター50を有している。
本実施の形態では、複数のマイクロ波ユニット30の構成は全て同一である。各マイクロ波ユニット30は、ウエハWを処理するためのマイクロ波を生成するマグネトロン31と、マグネトロン31において生成されたマイクロ波を処理容器2に伝送する導波管32と、マイクロ波導入ポート10を塞ぐように天井部11に固定された透過窓33とを有している。マイクロ波ユニット30は、更に、導波管32の途中に設けられたサーキュレータ34、検出器35およびチューナ36と、サーキュレータ34に接続されたダミーロード37とを有している。
図13に示すように、マイクロ波導入アダプター50は、金属製の複数のブロック体が集合することにより構成されている。すなわち、マイクロ波導入アダプター50は、中央に配置された一つの大型の中心ブロック51と、中心ブロック51の周囲に隣接して配置された4つの補助ブロック52A,52B,52C,52Dとを有している。これらのブロック体は、例えばボルトなどの固定手段で天井部11に固定されている。
図14に示すように、中心ブロック51は、その側面に複数の溝51aを有している。溝51aは、中心ブロック51の側部において、中心ブロック51の上面から下面に至るまで略S字形をなすように形成されている。溝51aの数は、マイクロ波ユニット30の数に対応しており、本実施の形態では4つである。
各補助ブロック52A〜52Dは、中心ブロック51と組み合わされてマイクロ波導入アダプター50を構成する。各補助ブロック52A〜52Dは、中心ブロック51の溝51aに対応して配置される。すなわち、各補助ブロック52A〜52Dは、中心ブロック51の溝51aが形成された側面に密着した状態で固定される。そして、中心ブロック51の側面における溝51aの開放部分を各補助ブロック52A〜52Dによって塞ぐことによって、マイクロ波を伝送可能な略S字形をなす導波路53が形成される。つまり、溝51a内の3つの壁と、各補助ブロック52A〜52Dの1つの壁によって、導波路53が形成される。導波路53は、マイクロ波導入アダプター50の上面から下面に至る貫通開口である。導波路53の上端は、導波管32の下端に接続し、導波路53の下端は、マイクロ波導入ポート10を塞ぐ透過窓33に接続する。導波管32は、導波路53に位置合わせをされて、例えばボルトなどの固定手段でマイクロ波導入アダプター50に固定される。導波路53をS字形状とするのは、マイクロ波の伝送損失を極力少なくしながら、導波管32とマイクロ波導入ポート10との位置を水平方向にずらすためである。このように、複数のブロック体を組み合わせて利用することによって、簡易な金属加工で伝送損失の少ない導波路53を形成でできる。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bでは、マイクロ波導入アダプター50を用いることによって、各マイクロ波ユニット30及びマイクロ波導入ポート10の配置の自由度を大幅に高めることができる。マイクロ波加熱処理装置1Bでは、処理容器2の上部に4つのマイクロ波ユニット30の各構成部を配置しなければならない。しかし、処理容器2の上方の設置スペースには限りがあるため、マイクロ波導入ポート10に直接導波管32を接続する構成では、隣接するマイクロ波ユニット30どうしの干渉によって、マイクロ波導入ポート10の配置が制約を受ける場合がある。本実施の形態で用いるマイクロ波導入アダプター50は、S字形の導波路53によって、導波管32とマイクロ波導入ポート10との相対的な位置を、互いに上下に重なる固定的な配置から、互いに上下に重ならないか、部分的にしか重ならない配置(つまり、横方向にずれた配置)へフレキシブルに調節できる。従って、マイクロ波導入アダプター50を用いることによって、マイクロ波ユニット30の設置スペースに制約を受けることなく、マイクロ波導入ポート10を天井部11の任意の位置に設けることができる。例えば、4つのマイクロ波導入ポート10を天井部11の中央付近に集中して配置する場合に、マイクロ波導入アダプター50を利用することによって、マイクロ波ユニット30どうしの干渉を回避することができる
以上のように、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bでは、マイクロ波導入アダプター50を利用することによって、マイクロ波導入ポート10の配置の自由度が大幅に向上する。従って、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bによれば、ウエハWの面内における加熱の均一性を高め、ウエハWに対して均一な加熱処理を行うことが可能である。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bにおける他の構成及び効果は、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同様であるので説明を省略する。なお、マイクロ波導入アダプター50は、マイクロ波導入ポート10の配置や個数に応じて、様々な大きさと形状のブロック体を用いることができる。例えば、中心ブロック51を設けず、補助ブロック52A〜52Dのような小型のブロック体を2個ずつ組み合わせて導波路を形成するようにしてもよい。また、本実施の形態では、マイクロ波導入アダプター50が各マイクロ波ユニット30に共通して設けられているが、各マイクロ波ユニット30について、個別にマイクロ波導入アダプター50を設けてもよい。また、マイクロ波ユニット30の一構成部分としてマイクロ波導入アダプター50が含まれる構成としてもよい。なお、マイクロ波導入アダプター50は、第2の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aにも適用できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のマイクロ波加熱処理装置は、半導体ウエハを被処理体とする場合に限らず、例えば太陽電池パネルの基板やフラットパネルディスプレイ用基板を被処理体とするマイクロ波加熱処理装置にも適用できる。
また、マイクロ波ユニット30の数(マグネトロン31の数)やマイクロ波導入ポート10の数、さらに、処理容器2に同時に導入されるマイクロ波の数は、上記実施の形態で説明した数に限られない。例えば、マイクロ波加熱処理装置は、例えば2ないし3つ、あるいは5つ以上のマイクロ波導入ポート10を有していてもよい。
1…マイクロ波加熱処理装置、2…処理容器、3…マイクロ波導入装置、4…支持装置、5…ガス供給機構、5a…ガス供給装置、6…排気装置、8…制御部、10、10A,10B,10C,10D…マイクロ波導入ポート、12,12A,12B,12C,12D…側壁部、30…マイクロ波ユニット、31…マグネトロン、32…導波管、33…透過窓、34…サーキュレータ、35…検出器、36…チューナ、37…ダミーロード、40…高電圧電源部、41…AC−DC変換回路、42…スイッチング回路、43…スイッチングコントローラ、44…昇圧トランス、45…整流回路、81…プロセスコントローラ、82…ユーザーインターフェース、83…記憶部、W…半導体ウエハ。

Claims (8)

  1. 内部にマイクロ波放射空間を有するとともに被処理体を収容する処理容器と、
    前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器に導入するマイクロ波導入装置と、
    を備えたマイクロ波加熱処理装置であって、
    前記処理容器は、上壁、底壁及び互いに接続された4つの側壁を有し、
    前記マイクロ波導入装置は、前記複数のマイクロ波源として、第1ないし第4のマイクロ波源を有し、
    前記上壁は、前記第1ないし第4のマイクロ波源の各々において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に導入する第1ないし第4のマイクロ波導入ポートを有しており、
    前記第1ないし第4のマイクロ波導入ポートは、それぞれ、長辺と短辺とを有する平面視矩形をなしており、その長辺と短辺が、前記4つの側壁の内壁面と平行になるように設けられ、
    各マイクロ波導入ポートは、互いに90°角度を変えた回転位置に配置され、かつ、前記長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポートに重ならないように配置されていることを特徴とするマイクロ波加熱処理装置。
  2. 前記マイクロ波導入ポートの長辺の長さLと短辺の長さLとの比(L/L)が、4以上であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  3. 前記第1ないし第4のマイクロ波導入ポートは、互いに隣接する2つのマイクロ波導入ポートの長辺の方向と平行な中心軸が互いに直交するように、かつ、互いに隣接しない2つのマイクロ波導入ポートの前記中心軸が同一直線上に重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  4. 前記マイクロ波放射空間は、前記上壁と、前記4つの側壁と、前記上壁と前記底壁との間に設けられた仕切り部と、によって画定されており、
    前記仕切り部に、マイクロ波を被処理体の方向へ反射させる傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  5. 前記傾斜部は、前記被処理体の高さを基準位置として、該基準位置よりも上方位置と下方位置を含む斜面を有し、かつ前記被処理体を囲むように設けられていることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  6. 前記マイクロ波導入装置は、
    マイクロ波を前記処理容器へ向けて伝送する導波管と、
    前記処理容器の上壁の外側に装着され、複数の金属製のブロック体によって構成されたアダプター部材と、
    を備え、
    前記アダプター部材は、内部にマイクロ波を伝送する略S字形をした導波路を有していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  7. 前記導波路は、その一端側が前記導波管に接続され、他端側が前記マイクロ波導入ポートに接続されることによって、前記導波管と前記マイクロ波導入ポートの一部もしくは全部が互いに上下に重ならない位置で接続していることを特徴とする請求項6に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  8. 内部にマイクロ波放射空間を有するとともに被処理体を収容する処理容器と、
    前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器に導入するマイクロ波導入装置と、
    を備えたマイクロ波加熱処理装置を用いて、前記被処理体を加熱処理する処理方法であって、
    前記処理容器は、上壁、底壁及び互いに接続された4つの側壁を有し、
    前記マイクロ波導入装置は、前記複数のマイクロ波源として、第1ないし第4のマイクロ波源を有し、
    前記上壁は、前記第1ないし第4のマイクロ波源の各々において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に導入する第1ないし第4のマイクロ波導入ポートを有しており、
    前記第1ないし第4のマイクロ波導入ポートは、それぞれ、長辺と短辺とを有する平面視矩形をなしており、その長辺と短辺が、前記4つの側壁の内壁面と平行になるように設けられ、
    各マイクロ波導入ポートは、互いに90°角度を変えた回転位置に配置され、かつ、前記長辺と垂直な方向に平行移動させた場合に、平行な長辺を有する他のマイクロ波導入ポートに重ならないように配置されている、ことを特徴とする処理方法。
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