JP2014170787A - マイクロ波加熱処理装置および処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な設備でパージガスの使用量を抑制しながらパージ処理の時間を短縮できるマイクロ波加熱処理装置および処理方法を提供する。
【解決手段】 マイクロ波加熱処理装置1の処理容器2の内部は、隔壁7と処理容器2とによって、少なくとも、ウエハWが収容される第1の部屋S1と、ガス導入部26によってパージガスが直接導入される第2の部屋S2と、に区画されている。ガス導入部26から、第2の部屋S2にパージガスを導入することによって、隔壁7の複数のガス孔7aを介してパージガスを第2の部屋S2から第1の部屋S1へ拡散させて、第1の部屋S1の雰囲気をパージする。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波を処理容器に導入して所定の処理を行うマイクロ波加熱処理装置およびこのマイクロ波加熱処理装置を用いて被処理体を加熱処理する処理方法に関する。
近年、半導体ウエハに対してアニール処理を施す装置として、マイクロ波を使用する装置が提案されている。マイクロ波を利用した加熱装置として、例えば、特許文献1では、排気可能な処理容器内に、基板を加熱するための電磁波導入手段を備えた加熱処理装置が提案されている。また、特許文献2では、処理容器内にマイクロ波を撹拌するための攪拌機と、この攪拌機から落下するパーティクルが基板上に付着することを防ぐための仕切板を備えたマイクロ波照射装置が提案されている。
ところで、加熱処理装置において、処理容器内に高濃度の酸素が存在した状態で加熱処理を行うと、基板上の金属膜等が酸化してしまうおそれがある。そのため、加熱処理装置では、基板の搬入・搬出動作毎に、処理容器内の雰囲気を例えばNなどの不活性ガスによって置換し、酸素を追い出すためのパージ処理が行われる。なお、上記特許文献1、2の装置では、パージ処理のための機構については開示されていない。
特開2011−77065号公報(例えば、図1) 特開2012−191158号公報(例えば、図1)
パージ処理は、通常、基板の入れ替え毎に行われるため、パージ処理に要する時間は、基板処理のスループットに大きな影響を与え、半導体装置の生産性を左右する。パージ処理の時間は、主に(1)処理容器の容積、(2)処理容器内の圧力及び(3)パージガスの流量によって決定される。そのため、パージ処理時間の短縮を図る上では、上記(1)〜(3)を考慮に入れる必要がある。しかし、上記特許文献1、2に挙げたように、基板にマイクロ波を照射して加熱処理を行うマイクロ波加熱処理装置では、処理容器の形状や寸法が電磁界分布に影響を与えるため、処理容器の容積や形状について設計変更を行うことは現実的ではない。また、処理容器内の圧力制御、特に処理容器内を高真空状態にすることは、パージ処理時間の短縮に有効であるものの、耐圧容器や、真空ポンプ、圧力制御バルブなどの設備が必要となるため、装置の簡素化、低コスト化という観点から好ましくない。さらに、パージガスの流量を増加させることは、パージ処理時間の短縮に有効であるものの、Nなどの不活性ガスの使用量の増加はコスト増につながるため、ガス流量を抑制しながらパージ効率を最大化する工夫が求められていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡易な設備でパージガスの使用量を抑制しながらパージ処理の時間を短縮できるマイクロ波加熱処理装置および処理方法を提供することにある。
本発明のマイクロ波加熱処理装置は、上壁、底壁及び側壁を有し、被処理体を収容する処理容器と、前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器内に導入するマイクロ波導入装置と、前記処理容器内にパージガスを導入するパージガス導入部と、
前記処理容器内で前記被処理体を支持する支持部材と、前記支持部材と前記パージガス導入部との間に配置され、前記パージガスを通過させる複数のガス孔を有する誘電体隔壁と、を備えている。
本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記処理容器の内部は、前記誘電体隔壁と前記処理容器とによって、少なくとも、被処理体が収容される第1の部屋と、前記パージガス導入部によって前記パージガスが直接導入される第2の部屋と、に分割されている。そして、本発明のマイクロ波加熱処理装置は、前記第2の部屋に導入されたパージガスが、前記誘電体隔壁の前記ガス孔を介して前記第2の部屋から前記第1の部屋へ拡散し、前記第1の部屋の雰囲気をパージするように構成されている。
本発明のマイクロ波加熱処理装置は、前記パージガス導入部からパージガスを導入している間の前記第1の部屋のパージガスの濃度をC1、前記第2の部屋のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1となるように構成されていてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記誘電体隔壁は、前記支持部材の上方に設けられていてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記誘電体隔壁は、前記支持部材の上方と下方にそれぞれ設けられていてもよい。この場合、前記処理容器内は、被処理体が収容される第1の部屋と、前記被処理体の上方に設けられた誘電体隔壁と前記処理容器とによって画定される上部の第2の部屋と、前記被処理体の下方に設けられた誘電体隔壁と前記処理容器とによって画定される下部の第2の部屋と、に分割されていてもよい。そして、前記上部の第2の部屋及び前記下部の第2の部屋に、前記パージガスを導入するパージガス導入部をそれぞれ備えていてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記誘電体隔壁は、被処理体の上下左右を囲むように設けられ、かつ、開口部を有していてもよい。この場合、該開口部は、前記第1の部屋が被処理体を搬入出するために前記処理容器に形成された開口に連通するように形成されていてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記ガス孔は、少なくとも、前記誘電体隔壁における被処理体に対向する領域に設けられていてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置は、前記誘電体隔壁の内部に、冷媒を流通させる流路を有していてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置は、前記誘電体隔壁が、石英によって形成されていてもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置において、前記処理容器の上壁は、前記マイクロ波導入装置において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に導入する複数のマイクロ波導入ポートを有していてもよい。
本発明の処理方法は、マイクロ波加熱処理装置を用いて被処理体を加熱処理する処理方法である。本発明の処理方法において、前記マイクロ波加熱処理装置は、上壁、底壁及び側壁を有し、前記被処理体を収容する処理容器と、前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器内に導入するマイクロ波導入装置と、前記処理容器内にパージガスを導入するパージガス導入部と、前記処理容器内で前記被処理体を支持する支持部材と、前記支持部材と前記パージガス導入部との間に配置され、前記パージガスを通過させる複数のガス孔を有する誘電体隔壁と、を備えている。本発明の処理方法において、前記処理容器の内部は、前記誘電体隔壁と前記処理容器とによって、少なくとも、被処理体が収容される第1の部屋と、前記パージガス導入部によって前記パージガスが直接導入される第2の部屋と、に区画されている。そして、本発明の処理方法は、前記パージガス導入部から前記第2の部屋へパージガスを導入することによって、該第2の部屋に導入されたパージガスを、前記誘電体隔壁の前記ガス孔を介して前記第1の部屋へ拡散させて該第1の部屋の雰囲気をパージするパージ処理工程と、前記パージガス導入部から前記第2の部屋へパージガスを導入することによって、該第2の部屋に導入されたパージガスを、前記誘電体隔壁の前記ガス孔を介して前記第1の部屋へ拡散させながら、前記マイクロ波導入装置によって前記処理容器内にマイクロ波を導入して前記被処理体を加熱処理するアニール処理工程と、を含む。
本発明の処理方法は、前記パージ処理工程及び前記アニール処理工程における前記第1の部屋のパージガスの濃度をC1、前記第2の部屋のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1であってもよい。
本発明の処理方法は、前記被処理体を前記処理容器に搬入し、及び/又は、前記処理容器から搬出する毎に、前記パージ処理工程を行うことによって、複数の被処理体を順次処理してもよい。
本発明のマイクロ波加熱処理装置及び処理方法によれば、簡易な設備でパージガスの使用量を抑制しながらパージ処理の時間を短縮できる。従って、本発明のマイクロ波加熱処理装置及び処理方法によって、基板などの被処理体の処理のスループットを向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における隔壁の平面図である。 本発明の第1の実施の形態における隔壁のガス孔の一例を示す拡大断面図である。 本発明の第1の実施の形態における隔壁のガス孔の別の例を示す拡大断面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるマイクロ波導入装置の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。 図1に示した処理容器の天井部の上面を示す平面図である。 図1に示した制御部の構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置について説明する。図1は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置の概略の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1は、連続する複数の動作を伴って、例えば半導体デバイス製造用の半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す。)Wに対して、マイクロ波を照射してアニール処理を施す装置である。
マイクロ波加熱処理装置1は、被処理体であるウエハWを収容する処理容器2と、処理容器2内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3と、処理容器2内においてウエハWを支持する支持装置4と、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5と、処理容器2内を減圧排気する排気装置6と、処理容器2の内部を複数の領域に区画する隔壁7と、これらマイクロ波加熱処理装置1の各構成部を制御する制御部8とを備えている。
<処理容器>
処理容器2は、金属材料によって形成されている。処理容器2を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が用いられる。
処理容器2は、上壁としての板状の天井部11および底壁としての底部13と、天井部11と底部13とを連結する角筒状の側壁部12と、天井部11を上下に貫通するように設けられた複数のマイクロ波導入ポート10と、側壁部12に設けられた搬入出口12aと、底部13に設けられた排気口13aとを有している。なお、側壁部12は円筒状であってもよい。搬入出口12aは、処理容器2に隣接する図示しない搬送室との間でウエハWの搬入出を行うためものである。処理容器2と図示しない搬送室との間には、ゲートバルブGVが設けられている。ゲートバルブGVは、搬入出口12aを開閉する機能を有し、閉状態で処理容器2を気密にシールすると共に、開状態で処理容器2と図示しない搬送室との間でウエハWの移送を可能にする。また、天井部11には、処理容器2内にガスを導入するためのガス導入部26が設けられている。
<マイクロ波導入装置>
マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。マイクロ波導入装置3の構成については、後で詳しく説明する。
<支持装置>
支持装置4は、処理容器2の底部13のほぼ中央を貫通して処理容器2の外部まで延びる管状のシャフト14と、シャフト14の上端付近においてほぼ水平方向に設けられたアーム部15と、アーム部15に着脱可能に装着された支持部材としての複数の支持ピン16とを有している。さらに、支持装置4は、シャフト14を回転させる回転駆動部17と、シャフト14を上下に変位させる昇降駆動部18と、シャフト14を支持するとともに、回転駆動部17と昇降駆動部18とを連結する可動連結部19と、を有している。回転駆動部17、昇降駆動部18及び可動連結部19は、処理容器2の外部に設けられている。なお、処理容器2内を真空状態にする場合は、シャフト14が底部13を貫通する部分の周囲に、例えばベローズなどのシール機構20を設けることができる。
複数(本実施の形態では3本)の支持ピン16は、処理容器2内においてウエハWの裏面に当接してウエハWを支持する。複数の支持ピン16は、その上端部がウエハWの周方向に並ぶように配置されている。各支持ピン16は、アーム部15に着脱可能に装着されている。複数の支持ピン16およびアーム部15は、誘電体材料によって形成されている。複数の支持ピン16およびアーム部15を形成する誘電体材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。なお、支持ピン16の本数は、ウエハWを安定して支持できれば3本に限らない。
支持装置4において、シャフト14、アーム部15、回転駆動部17及び可動連結部19は、支持ピン16に支持されたウエハWを水平方向に回転運動させる回転機構を構成している。複数の支持ピン16及びアーム部15は、回転駆動部17を駆動させることによって、シャフト14を回転中心にして回転し、各支持ピン16を水平方向に円運動(公転)させる。また、支持装置4において、シャフト14、アーム部15、昇降駆動部18及び可動連結部19は、支持ピン16に支持されたウエハWの高さ位置を調節する高さ位置調節機構を構成している。複数の支持ピン16及びアーム部15は、昇降駆動部18を駆動させることによって、シャフト14とともに、上下方向に昇降変位するように構成されている。なお、マイクロ波加熱処理装置1において、回転駆動部17、昇降駆動部18及び可動連結部19は任意の構成であり、これらを設けなくてもよい。
回転駆動部17は、シャフト14を回転させ得るものであれば、特に制限はなく、例えば図示しないモータ等を備えていてもよい。昇降駆動部18は、シャフト14及び可動連結部19を昇降変位させ得るものであれば、特に制限はなく、例えば図示しないボールねじ等を備えていてもよい。回転駆動部17と昇降駆動部18は一体の機構であってもよく、可動連結部19を有しない構成であってもよい。なお、ウエハWを水平方向に回転させる回転機構及びウエハWの高さ位置を調節する高さ位置調節機構は、それらの目的を実現できれば、他の構成であってもよい。
<排気装置>
排気装置6は、例えば、ドライポンプ等の真空ポンプを有している。マイクロ波加熱処理装置1は、更に、排気口13aと排気装置6とを接続する排気管21と、排気管21の途中に設けられた圧力調整バルブ22と、を備えている。排気装置6の真空ポンプを作動させることにより、処理容器2の内部空間が減圧排気される。なお、マイクロ波加熱処理装置1は、大気圧での処理も可能であり、その場合は、真空ポンプは不要である。また、排気装置6としてドライポンプ等の真空ポンプを用いる替わりに、マイクロ波加熱処理装置1が設置される施設に設けられた排気設備を用いることも可能である。マイクロ波加熱処理装置1において、処理容器2内のパージ処理を行う場合は、例えば上記施設の排気設備を利用して処理容器2内に供給されるパージガス量と排気されるガス量が釣り合う程度に排気を行い、処理容器2内を一定の圧力に保つことが好ましい。
<ガス供給機構>
マイクロ波加熱処理装置1は、更に、処理容器2内にガスを供給するガス供給機構5を備えている。ガス供給機構5は、一つ又は複数のガス供給源を備えたガス供給装置5aと、ガス供給装置5aに接続され、処理容器2内に処理ガスを導入する一つ又は複数の配管23(1本のみ図示)と、を備えている。ガス供給機構5は、更に、配管23の途中に設けられたマスフローコントローラ(MFC)24および一つ又は複数の開閉バルブ25(一つのみ図示)を備えている。処理容器2内に供給されるガスの流量等は、マスフローコントローラ24および開閉バルブ25によって制御される。配管23は、処理容器2の天井部11に設けられたガス導入部26に接続されている。
ガス供給装置5aは、配管23、ガス導入部26を介して処理容器2内へ、例えば雰囲気を置換するためのパージガスを供給する。パージガスとしては、例えばN等の不活性ガスを用いることができる。また、ガス供給機構5は、パージガス以外に、処理ガスまたは冷却ガスとして、例えば、Ar、He、Ne、O、H等のガスを処理容器2内へ供給できるように構成されていてもよい。なお、処理容器2内へのガスの導入は、例えば複数のガス噴射口からガス導入を行うシャワーヘッド方式や、側壁部12からガス導入を行うサイドフロー方式を利用してもよい。また、ガス供給装置5aの代りに、マイクロ波加熱処理装置1の構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。
<隔壁>
隔壁7は、支持部材としての支持ピン16に支持されたウエハWの上方に、ウエハWに対向して設けられている。隔壁7は、パージガスを通過させる複数のガス孔7aを有している。隔壁7は、処理容器2の側壁部12に固定されている。隔壁7は、ガスを遮断し、かつマイクロ波を透過する性質を有する誘電体材料によって構成されている。本実施の形態では、2.45GHz、5.8GHz等の周波数のマイクロ波の透過性が高い材質、例えば石英や、石英と同程度の誘電率及び誘電正接を有する合成樹脂等の材料(誘電率εr×誘電正接tanδが0.005より小さい材料)を用いることがより好ましい。このように、使用するマイクロ波の周波数に応じて高い透過性を有する誘電体を用いることによって、マイクロ波の伝播や拡散にとって隔壁7が存在しない状態と等価になり、マイクロ波によるウエハWの加熱に対してほとんど障害となることがない。
処理容器2の内部は、隔壁7と処理容器2とによって、少なくとも、ウエハWが収容される第1の部屋S1と、ガス導入部26によってパージガスが直接導入される第2の部屋S2と、に区画されている。このように、処理容器2内の空間は、隔壁7によって、2分割されている。側壁部12の第1の部屋S1に臨む部分には、搬入出口12aが設けられている。つまり、第1の部屋S1は、ゲートバルブGVを開放した状態で、搬入出口12aを介して処理容器2の外部と連通可能に構成されている。また、第1の部屋S1は、排気装置6又は施設の排気設備に接続する処理容器2の排気用開口(例えば排気口13a)に接続されている。
天井部11における第2の部屋S2に臨む部分には、上記のとおりガス導入部26が設けられており、第2の部屋S2へパージガスが導入される。ガス導入部26から、第2の部屋S2に導入されたパージガスは、隔壁7の複数のガス孔7aを介して第2の部屋S2から第1の部屋S1へ拡散していく。このようにして、第1の部屋S1の雰囲気を置換できるように構成されている。また、ガス導入部26からパージガスを導入している間の第1の部屋S1のパージガスの濃度をC1、第2の部屋S2のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1の関係となるように、隔壁7における複数のガス孔7aは、それらの大きさ、流路抵抗、個数、開口率、配置などが規定されている。
ガス孔7aは、ウエハW表面及び近傍の雰囲気をパージしやすくするため、少なくとも、隔壁7におけるウエハWに対向する領域に設けておくことが好ましい。具体的には、複数のガス孔7aが、ウエハWの面積と同等以上の面積に分布するように形成することが好ましい。図2は、ガス孔7aの配設例を示す隔壁7の平面図である。図2では、隔壁7に対向するウエハWの位置を破線で示している。図2に示した例では、複数の平面視円形のガス孔7aが、隔壁7の中心(本実施の形態ではウエハWの中心に一致する)から放射状、かつ同心円状に、ウエハWの面積以上の広さの領域に配設されている。
ガス孔7aは、隔壁7を貫通する開口である。ガス孔7aは、上記C2>C1の関係を維持できるように、パージガスを通過させる際の流路抵抗を考慮して、例えば直径1mm以下、好ましくは直径0.5mm以上1mm以下の範囲内に形成することができる。なお、ガス孔7aの形状や配置は、図2に示した配置に限るものではない。例えば、ガス孔7aの形状は、円形以外に、楕円形、四角形等の形状でもよいし、ガス孔7aの配置は、例えば格子状、螺旋状などでもよい。また、隔壁7における領域によって、ガス孔7aの大きさ(径)や形状を変化させてもよい。また、隔壁7におけるガス孔7aの個数は特に制限はない。複数のガス孔7aによる開口率は、例えば1×10−2〜1×10−4の範囲内とすることが好ましい。ここで、開口率とは、複数のガス孔7aによる開口面積の合計が、隔壁7の面積に対して占める割合を意味し、「隔壁7の面積」とは、ガス孔7aが存在しない平面と仮定した場合の隔壁7の上下いずれかの面の面積を意味する。開口率を上記範囲内とすることによって、C2>C1の関係を維持しながら、パージガスが直接導入される第2の部屋S2側からウエハWが収容される第1の部屋S1側へ向けてパージガスを効率良く拡散させることが可能となる。
また、好ましい態様として、ガス孔7aに絞り構造を設けてもよい。図3A及び図3Bは、絞り構造を有するガス孔7aの構成例を示している。図3Aでは、ガス孔7aは、ガス導入部26によってパージガスが直接導入される第2の部屋S2側から、ウエハWが収容される第1の部屋S1側へ向けて、開口径が狭くなるように形成されている。すなわち、テーパー状に形成されたガス孔7aの傾斜壁面7bが絞り部となっており、第2の部屋S2側から第1の部屋S1側の出口へ向けて流路抵抗が高くなるように形成されている。また、図3Bでは、ガス孔7aは、第2の部屋S2側及び第1の部屋S1側から、それぞれ隔壁7の厚み方向の中央側へ向けて開口径が狭くなるように形成されている。この場合も、テーパー状に形成されたガス孔7aの傾斜壁面7bが絞り部となっている。このような絞り構造を有する形状とすることで、ガス孔7aの流路抵抗を調節し、上記C2>C1の関係を維持しやすくなる。また、絞り構造によって、ガス孔7aを通過する際のパージガスの流速を高め、第1の部屋S1側から第2の部屋S2側へ向けて雰囲気中の酸素ガスが進入することを妨げ、隔壁7の作用を向上させることができる。なお、ガス孔7aの絞り構造は、図3A,図3Bに例示する形状に限るものではない。
<温度計測部>
マイクロ波加熱処理装置1は、更に、ウエハWの表面温度を測定する図示しない複数の放射温度計と、これらの放射温度計に接続された温度計測部27とを備えている。
<マイクロ波導入装置>
次に、図1、図4及び図5を参照して、マイクロ波導入装置3の構成について説明する。図4は、マイクロ波導入装置3の高電圧電源部の概略の構成を示す説明図である。図5は、図1に示した処理容器2の天井部11の上面を示す平面図である。
前述のように、マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入するマイクロ波導入手段として機能する。図1に示したように、マイクロ波導入装置3は、マイクロ波を処理容器2に導入する複数のマイクロ波ユニット30と、複数のマイクロ波ユニット30に接続された高電圧電源部40とを備えている。
(マイクロ波ユニット)
本実施の形態では、複数のマイクロ波ユニット30の構成は全て同一である。各マイクロ波ユニット30は、ウエハWを処理するためのマイクロ波を生成するマグネトロン31と、マグネトロン31において生成されたマイクロ波を処理容器2に伝送する導波管32と、マイクロ波導入ポート10を塞ぐように天井部11に固定された透過窓33とを有している。マグネトロン31は、本発明におけるマイクロ波源に対応する。
図5に示したように、本実施の形態では、処理容器2は、天井部11において全体として略十字形をなすように周方向に等間隔に配置された4つのマイクロ波導入ポート10を有している。各マイクロ波導入ポート10は、長辺と短辺とを有する平面視矩形をなしている。各マイクロ波導入ポート10の大きさや、長辺と短辺の比は、マイクロ波導入ポート10毎に異なっていてもよいが、ウエハWに対するアニール処理の均一性を高めるとともに制御性をよくする観点から、4つのマイクロ波導入ポート10のすべてが同じ大きさ及び形状であることが好ましい。なお、本実施の形態では、各マイクロ波導入ポート10にそれぞれマイクロ波ユニット30が接続されている。つまり、マイクロ波ユニット30の数は4つである。
マグネトロン31は、高電圧電源部40によって供給される高電圧が印加される陽極および陰極(いずれも図示省略)を有している。また、マグネトロン31としては、種々の周波数のマイクロ波を発振することができるものを用いることができる。マグネトロン31によって生成されるマイクロ波は、被処理体の処理毎に最適な周波数を選択し、例えばアニール処理においては、2.45GHz、5.8GHz等の高い周波数のマイクロ波であることが好ましく、5.8GHzのマイクロ波であることが特に好ましい。
導波管32は、断面が矩形且つ角筒状の形状を有し、処理容器2の天井部11の上面から上方に延びている。マグネトロン31は、導波管32の上端部の近傍に接続されている。導波管32の下端部は、透過窓33の上面に接している。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32および透過窓33を介して処理容器2内に導入される。
透過窓33は、誘電体材料によって形成されている。透過窓33の材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。透過窓33と天井部11との間は、図示しないシール部材によって気密にシールされている。透過窓33の下面から支持ピン16に支持されたウエハWの表面までの距離(ギャップ)は、ウエハWへマイクロ波が直接放射されることを抑制する観点から、例えば25mm以上とすることが好ましく、25〜50mmの範囲内で可変に調節することがより好ましい。
マイクロ波ユニット30は、更に、導波管32の途中に設けられたサーキュレータ34、検出器35およびチューナ36と、サーキュレータ34に接続されたダミーロード37とを有している。サーキュレータ34、検出器35およびチューナ36は、導波管32の上端部側からこの順に設けられている。サーキュレータ34およびダミーロード37は、処理容器2からの反射波を分離するアイソレータを構成する。すなわち、サーキュレータ34は、処理容器2からの反射波をダミーロード37に導き、ダミーロード37は、サーキュレータ34によって導かれた反射波を熱に変換する。
検出器35は、導波管32における処理容器2からの反射波を検出するためのものである。検出器35は、例えばインピーダンスモニタ、具体的には、導波管32における定在波の電界を検出する定在波モニタによって構成されている。定在波モニタは、例えば、導波管32の内部空間に突出する3本のピンによって構成することができる。定在波モニタによって定在波の電界の場所、位相および強さを検出することにより、処理容器2からの反射波を検出することができる。また、検出器35は、進行波と反射波を検出することが可能な方向性結合器によって構成されていてもよい。
チューナ36は、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを整合する機能を有している。チューナ36によるインピーダンス整合は、検出器35における反射波の検出結果に基づいて行われる。チューナ36は、例えば、導波管32の内部空間に出し入れすることができるように設けられた導体板(図示省略)によって構成することができる。この場合、導体板の、導波管32の内部空間への突出量を制御することにより、反射波の電力量を調整して、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを調整することができる。
(高電圧電源部)
高電圧電源部40は、マグネトロン31に対してマイクロ波を生成するための高電圧を供給する。図4に示したように、高電圧電源部40は、商用電源に接続されたAC−DC変換回路41と、AC−DC変換回路41に接続されたスイッチング回路42と、スイッチング回路42の動作を制御するスイッチングコントローラ43と、スイッチング回路42に接続された昇圧トランス44と、昇圧トランス44に接続された整流回路45とを有している。マグネトロン31は、整流回路45を介して昇圧トランス44に接続されている。
AC−DC変換回路41は、商用電源からの交流(例えば、三相200Vの交流)を整流して所定の波形の直流に変換する回路である。スイッチング回路42は、AC−DC変換回路41によって変換された直流をオン・オフ制御する回路である。スイッチング回路42では、スイッチングコントローラ43によってフェーズシフト型のPWM(Pulse Width Modulation)制御またはPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御が行われて、パルス状の電圧波形が生成される。昇圧トランス44は、スイッチング回路42から出力された電圧波形を所定の大きさに昇圧するものである。整流回路45は、昇圧トランス44によって昇圧された電圧を整流してマグネトロン31に供給する回路である。
<制御部>
マイクロ波加熱処理装置1の各構成部は、それぞれ制御部8に接続されて、制御部8によって制御される。制御部8は、典型的にはコンピュータである。図6は、図1に示した制御部8の構成を示す説明図である。図6に示した例では、制御部8は、CPUを備えたプロセスコントローラ81と、このプロセスコントローラ81に接続されたユーザーインターフェース82および記憶部83とを備えている。
プロセスコントローラ81は、マイクロ波加熱処理装置1において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力、ウエハWの回転速度等のプロセス条件に関係する各構成部(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5a、排気装置6、温度計測部27等)を統括して制御する制御手段である。
ユーザーインターフェース82は、工程管理者がマイクロ波加熱処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードやタッチパネル、マイクロ波加熱処理装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。
記憶部83には、マイクロ波加熱処理装置1で実行される各種処理をプロセスコントローラ81の制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記録されたレシピ等が保存されている。プロセスコントローラ81は、ユーザーインターフェース82からの指示等、必要に応じて、任意の制御プログラムやレシピを記憶部83から呼び出して実行する。これにより、プロセスコントローラ81による制御下で、マイクロ波加熱処理装置1の処理容器2内において所望の処理が行われる。
上記の制御プログラムおよびレシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態のものを利用することができる。また、上記のレシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用することも可能である。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1は、例えば半導体デバイスの作製工程において、拡散層に注入されたドーピング原子の活性化を行うためのアニール処理などの目的で好ましく利用できる。
[処理手順]
次に、マイクロ波加熱処理装置1においてウエハWに対してアニール処理を施す際の処理の手順について説明する。
まず、例えばユーザーインターフェース82から、マイクロ波加熱処理装置1においてアニール処理を行うように、プロセスコントローラ81に指令が入力される。次に、プロセスコントローラ81は、この指令を受けて、記憶部83またはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されたレシピを読み出す。次に、レシピに基づく条件によってアニール処理が実行されるように、プロセスコントローラ81からマイクロ波加熱処理装置1の各エンドデバイス(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5a、排気装置6等)に制御信号が送出される。
次に、ゲートバルブGVが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが、ゲートバルブGVおよび搬入出口12aを通って処理容器2内に搬入され、複数の支持ピン16の上に載置される。複数の支持ピン16は、昇降駆動部18を駆動させることによって、シャフト14、アーム部15とともに、上下方向に昇降し、ウエハWが所定の高さにセットされる。
上記ウエハWの搬入動作中は、ゲートバルブGVが開放されて外気が処理容器2内に進入してくるため、ガス供給装置5aからガス導入部26を介して、第2の部屋S2にパージガスを連続的に導入しておく。パージガスを導入し続けることによって、上記C2>C1の関係を維持し、第2の部屋S2へ酸素を含む外気が進入しないようにする。第2の部屋S2へ導入されたパージガスは、第2の部屋S2と第1の部屋S1とのパージガスの濃度勾配及び圧力差によって、少しずつ第1の部屋S1へ拡散していく。
次に、ゲートバルブGVを閉状態にして、必要な場合は排気装置6によって処理容器2内を減圧排気しながら、ガス供給装置5aからガス導入部26を介して処理容器2内にパージガスを導入しながらパージ処理を行う。処理容器2の内部空間は、排気量およびガス供給量を調整することによって、所定の圧力に調整される。なお、第2の部屋S2のパージガスの濃度C2は、第1の部屋S1の濃度C1よりも高い状態となっているため、パージ処理は、主に、第1の部屋S1が対象になる。このため、処理容器2の全体の容積に比べ小さく、パージ処理の時間を短縮できる。
次に、高電圧電源部40からマグネトロン31に対して電圧を印加してマイクロ波を生成する。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32を伝搬し、次に、透過窓33を透過して、処理容器2内においてウエハWの上方の空間に導入される。本実施の形態では、複数のマグネトロン31において順次マイクロ波を生成し、各マイクロ波導入ポート10から交互にマイクロ波を処理容器2内に導入する。なお、複数のマグネトロン31において同時に複数のマイクロ波を生成させ、各マイクロ波導入ポート10から同時にマイクロ波を処理容器2内に導入するようにしてもよい。
処理容器2に導入されたマイクロ波は、ウエハWに照射されて、ジュール加熱、磁性加熱、誘導加熱等の電磁波加熱により、ウエハWが迅速に加熱される。その結果、ウエハWに対してアニール処理が施される。なお、アニール処理の間に、支持装置4によって、ウエハWを水平方向回転させてもよいし、さらにウエハWの高さを変化させてもよい。アニール処理の間にウエハWを回転させたり、ウエハWの高さ位置を変位させたりすることによって、ウエハWに照射されるマイクロ波の偏りを少なくし、ウエハW面内の加熱温度を均一化することができる。
上記アニール処理の間、ガス導入部26から、第2の部屋S2に少量のパージガスを連続的に導入し続けることによって、上記C2>C1の関係を維持し、第2の部屋S2へ酸素を含む外気が進入しないようにする。第2の部屋S2へ導入されたパージガスは、第2の部屋S2と第1の部屋S1とのパージガスの濃度勾配及び圧力差によって、少しずつ第1の部屋S1へ拡散していき、さらに排気口13aから排出されていく。このようにして、アニール処理の間も、第1の部屋S1内の雰囲気の置換が、連続的かつゆっくりと進行する。
プロセスコントローラ81からマイクロ波加熱処理装置1の各エンドデバイスにアニール処理を終了させる制御信号が送出されると、マイクロ波の生成が停止されて、ウエハWに対するアニール処理が終了する。次に、ゲートバルブGVが開状態にされて、支持ピン16上のウエハWの高さ位置を調整した後、図示しない搬送装置によって、ウエハWが搬出される。
上記ウエハWの搬出動作中は、ゲートバルブGVが開放されて外気が処理容器2内に進入してくるため、ガス導入部26から、第2の部屋S2に少量のパージガスを連続的に導入することによって、上記C2>C1の関係を維持し、第2の部屋S2へ酸素を含む外気が進入しないようにする。第2の部屋S2へ導入されたパージガスは、第2の部屋S2と第1の部屋S1とのパージガスの濃度勾配及び圧力差によって、少しずつ第1の部屋S1へ拡散していく。
以上の動作を繰り返すことによって、ウエハWを入れ替えながら、マイクロ波加熱処理装置1において複数枚のウエハWに対してアニール処理を行うことができる。
<作用>
次に、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1の作用効果について説明する。マイクロ波加熱処理装置1の処理容器2は、ウエハWを搬入し、もしくは、搬出するために、側壁部12に搬入出口12aを有している。そのため、処理容器2には、ウエハWの搬入出毎に、外部の雰囲気、例えば酸素が混入する。処理容器2内に酸素が混入した状態で、ウエハWをアニール処理すると、ウエハWの表面の金属膜などが酸化されてしまう懸念がある。処理容器2内に混入した酸素等の外気を短時間で追い出すための手段として、処理容器2内を例えば10〜1×10Pa程度の高真空状態にしてパージ処理を行う方法や、処理容器2内に例えば10,000〜200,000mL/min(sccm)程度の大流量のパージガスを導入してパージ処理を行う方法などが考えられる。しかし、処理容器2内を高真空状態にすることは、耐圧容器や、真空ポンプ、圧力制御バルブなどの設備が必要となるため、装置の簡素化、低コスト化という観点から好ましくない。また、パージガスの流量増加は、コスト増につながる。
そこで、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1は、上記方法によらず、処理容器2内の酸素を効果的に排気するため、処理容器2の内部を、隔壁7と処理容器2とによって、少なくとも、ウエハWが収容される第1の部屋S1と、ガス導入部26によってパージガスが直接導入される第2の部屋S2と、に区画している。ウエハWの搬入、搬出時に進入する外気は、隔壁7の存在によって、第2の部屋S2への進入が抑制され、大部分が第1の部屋S1に留まる。そして、マイクロ波加熱処理装置1では、ガス導入部26から、第2の部屋S2にパージガスを導入することによって、隔壁7の複数のガス孔7aを介してパージガスを第2の部屋S2から第1の部屋S1へ拡散させて、第1の部屋S1の雰囲気をパージする。この場合、実質的に雰囲気の置換が必要となる容積は、ほぼ第1の部屋S1の容積に等しい。そのため、処理容器2の内部全体をパージする場合に比べ、短時間でパージ処理を完了させることができる。また、パージ処理に必要なパージガスの総流量も、処理容器2の内部全体をパージする場合に比べ、大幅に節減できる。さらに、効率の良いパージ処理が可能になるため、処理容器2内を高真空状態にする必要がなく、真空設備も最小限で足りる。
また、ガス導入部26から所定の流量でパージガスを導入するパージ処理の間に限らず、例えば、ウエハWの搬入出動作の間や、ウエハWに対してアニール処理を行っている間においても、常時、ガス導入部26から第2の部屋S2へ少量のパージガスを連続的に導入しておくことができる。少量のパージガスを連続的に第2の部屋S2へ導入しておくことによって、第1の部屋S1のパージガスの濃度をC1、第2の部屋S2のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1の関係を維持できる。これによって、処理容器2の外部から混入した酸素が、ガス孔7aを介して第1の部屋S1から第2の部屋S2に拡散することが防止される。
以上のように、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1および処理方法では、簡易な設備でパージガスの使用量を抑制しながらパージ処理の時間を短縮できる。従って、マイクロ波加熱処理装置1を用いることによって、ウエハWの処理のスループットを向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置について説明する。図7は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Aの概略の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Aは、連続する複数の動作を伴って、例えばウエハWに対して、マイクロ波を照射してアニール処理を施す装置である。以下の説明では、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1との相違点を中心に説明し、図7において、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aは、支持ピン16によって支持された状態のウエハWの上方と下方にそれぞれ誘電体隔壁を備えている。すなわち、マイクロ波加熱処理装置1Aは、支持ピン16の上方に隔壁7を有しており、支持ピン16の下方に、隔壁107を有している。隔壁7は、第1の実施の形態における隔壁7と同様の構成であり、複数のガス孔7aを有している。また、隔壁107も、第1の実施の形態における隔壁7と同様の構成であり、複数のガス孔107aを有している。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aの処理容器2内は、ウエハWが収容される第1の部屋S1と、この第1の部屋S1よりも上方に設けられた上部の第2の部屋S21と、第1の部屋S1よりも下方に設けられた下部の第2の部屋S22と、を有している。
第1の部屋S1は、隔壁7と、隔壁107と、処理容器2の側壁部12とによって画定される。側壁部12の第1の部屋S1に臨む部分には、搬入出口12aが設けられており、第1の部屋S1は、ゲートバルブGVを開放した状態で、搬入出口12aを介して処理容器2の外部と連通可能に構成されている。上部の第2の部屋S21は、隔壁7と、処理容器2の天井部11と、側壁部12とによって画定される。下部の第2の部屋S22は、隔壁107と、処理容器2の底部13と、側壁部12とによって画定される。このように、処理容器2内の空間は、上下1対の隔壁7,107によって、3分割されている。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aにおいて、ガス供給機構5は、一つ又は複数のガス供給源を備えたガス供給装置5aと、ガス供給装置5aに接続され、処理容器2内に処理ガスを導入する複数の配管123A,123Bと、を備えている。また、ガス供給機構5は、配管123Aの途中に設けられたマスフローコントローラ(MFC)124Aおよび一つ又は複数の開閉バルブ125A(一つのみ図示)を備えている。処理容器2の上部の第2の部屋S21へ供給されるガスの流量等は、マスフローコントローラ124Aおよび開閉バルブ125Aによって制御される。さらに、ガス供給機構5は、配管123Bの途中に設けられたマスフローコントローラ(MFC)124Bおよび一つ又は複数の開閉バルブ125B(一つのみ図示)を備えている。処理容器2の下部の第2の部屋S22へ供給されるガスの流量等は、マスフローコントローラ124Bおよび開閉バルブ125Bによって制御される。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aにおいて、天井部11における上部の第2の部屋S21に臨む部分には、ガス導入部126Aが設けられている。このガス導入部126Aから、上部の第2の部屋S21へ直接パージガスが導入される。ガス導入部126Aは、配管123Aを介してガス供給装置5aに接続されている。ガス供給装置5aは、配管123A、ガス導入部126Aを介して処理容器2内へ、例えば雰囲気を置換するためのパージガスを供給する。
また、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aにおいて、側壁部12における下部の第2の部屋S22に臨む部分には、ガス導入部126Bが設けられている。ガス導入部126Bは、配管123Bを介してガス供給装置5aに接続されている。ガス供給装置5aは、配管123B、ガス導入部126Bを介して処理容器2内へ、例えば雰囲気を置換するためのパージガスを供給する。
さらに、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aにおいて、側壁部12の第1の部屋S1に臨む部分には、排気口12bが設けられている。この排気口12bは、ガス導入部126Bが設けられた側壁部12とは反対側の側壁部12に設けられている。マイクロ波加熱処理装置1Aは、更に、排気口12bと排気装置6とを接続する排気管121と、排気管121の途中に設けられた圧力調整バルブ122と、を備えている。この排気口12bを介して、上部の第2の部屋S21や下部の第2の部屋S22を介することなく、第1の部屋S1内の雰囲気を処理容器2の外部へ排出できるように構成されている。
上部の第2の部屋S21には、ガス導入部126Aから、パージガスが直接導入される。上部の第2の部屋S21に導入されたパージガスは、隔壁7の複数のガス孔7aを介して上部の第2の部屋S21から第1の部屋S1へ拡散し、第1の部屋S1の雰囲気をパージできるように構成されている。第1の部屋S1からの排気は、排気口12bを介して行われる。なお、上部の第2の部屋S21へのガスの供給は、例えば複数のガス噴射口からガス導入を行うシャワーヘッド方式や、側壁部12からガス導入を行うサイドフロー方式を利用してもよい。また、上部の第2の部屋S21へのガスの供給は、ガス供給装置5aの代りに、マイクロ波加熱処理装置1Aの構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。
下部の第2の部屋22には、ガス導入部126Bから、パージガスが直接導入される。下部の第2の部屋S22に導入されたパージガスは、隔壁107の複数のガス孔107aを介して下部の第2の部屋S22から第1の部屋S1へ拡散し、第1の部屋S1の雰囲気をパージできるように構成されている。第1の部屋S1からの排気は、排気口12bを介して行われる。なお、下部の第2の部屋S22へのガスの導入方法は、側壁部12を介するサイドフロー方式に限らず、例えば複数のガス噴射口を有するシャワーヘッド方式を利用して行ってもよい。また、下部の第2の部屋S22へのガスの供給は、ガス供給装置5aの代りに、マイクロ波加熱処理装置1Aの構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。
[処理手順]
マイクロ波加熱処理装置1AにおいてウエハWに対してアニール処理を施す際の処理の手順は、ガス導入部126A,126Bから、上部及び下部の第2の部屋S21,S22に、それぞれパージガスを導入する点を除き、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aでは、上部及び下部の第2の部屋S21,S22に、それぞれパージガスを導入することで、隔壁7,107の複数のガス孔7a,107aを介してパージガスを上部及び下部の第2の部屋S21,S22から第1の部屋S1へ拡散させて、第1の部屋S1の雰囲気をパージする。
マイクロ波加熱処理装置1Aでは、上下一対の隔壁7,107を設けることによって、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1に比べ、第1の部屋S1の容積をさらに小さくすることができる。パージ処理の際に、実質的に雰囲気の置換が必要となる容積は、第1の部屋S1の容積であるため、処理容器2の全体をパージする場合に比べ、短時間でパージ処理を完了させることができる。また、第1の部屋S1を上下から挟み込むように、上部の第2の部屋S21と下部の第2の部屋S22を配置し、隔壁7,107のガス孔7a,107aを介してパージガスを拡散させることで、第1の部屋S1のパージ効率を高めることができる。また、パージ処理に必要なパージガスの総流量も、処理容器2の内部全体をパージする場合に比べ、大幅に節減できる。さらに、効率の良いパージ処理が可能になるため、処理容器2内を高真空状態にする必要がなく、真空設備も最小限で足りる。
また、マイクロ波加熱処理装置1Aでは、ガス導入部126A,126Bから所定の流量でパージガスを導入するパージ処理の間に限らず、例えば、ウエハWの搬入出動作の間や、ウエハWに対してアニール処理を行っている間においても、常時、ガス導入部126A,126Bから少量のパージガスを連続的に供給しておくことができる。少量のパージガスを、それぞれ上部及び下部の第2の部屋S21,S22へ連続的に導入しておくことによって、第1の部屋S1のパージガスの濃度をC1、上部及び下部の第2の部屋S21,S22のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1の関係を維持できる。これによって、処理容器2の外部から混入した酸素が、ガス孔7a,107aを介して第1の部屋S1から上部及び下部の第2の部屋S21,S22に拡散することが防止される。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Aにおける他の構成及び効果は、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同様であるので説明を省略する。なお、マイクロ波加熱処理装置1Aにおいても、隔壁7,107のガス孔7a,107aに絞り機能を持たせることが可能である(図3A,図3B参照)。その場合、上部及び下部の第2の部屋S21,S22側から第1の部屋S1側へ向けて、ガス孔7a,107aの流路抵抗が高くなるように形成すればよい。
[第3の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第3の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置について説明する。図8は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Bの概略の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Bは、連続する複数の動作を伴って、例えばウエハWに対して、マイクロ波を照射してアニール処理を施す装置である。以下の説明では、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1との相違点を中心に説明し、図8において、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bは、誘電体隔壁を、支持ピン16によって支持された状態のウエハWの上下左右を囲むように設けている。すなわち、マイクロ波加熱処理装置1Bは、支持ピン16によって支持されたウエハWの周囲を囲繞する隔壁207を有している。隔壁207は、複数のガス孔207aを有している。複数のガス孔207aは、隔壁207において、少なくともウエハWの上面に対向する領域に設けられている。隔壁207の材質は、第1の実施の形態における隔壁7と同様であり、ガス孔207aの構成は、第1の実施の形態の隔壁7におけるガス孔7aと同様である。なお、複数のガス孔207aを、隔壁207の全体の領域に亘って設けてもよい。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bの処理容器2内は、隔壁207に囲まれたウエハWが収容される第1の部屋S1と、第1の部屋S1の外側において、隔壁207と処理容器2とによって画定される第2の部屋S2とを有している。
第1の部屋S1は、隔壁207によって画定される。隔壁207は、処理容器2の側壁部12に固定されている。隔壁207の一つの側部には、開口部207bが設けられている。この開口部207bは、ウエハWを搬入出するために処理容器2に形成された開口である搬入出口12aに連通する位置に形成されており、隔壁207中の第1の部屋S1におけるウエハWの搬入出を可能にしている。
第2の部屋S2は、隔壁207、処理容器2の天井部11、側壁部12及び底部13によって画定される。第2の部屋S2は、第1の部屋S1を囲むように形成されている。このように、処理容器2内の空間は、隔壁207によって、2分割されている。また、底部13には、排気口13aとは別に、排気口13bが設けられている。
また、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bにおいて、隔壁207は、排気路207cを有している。排気路207cは、隔壁207の下部から、処理容器2の底部13に形成された排気口13bに接続されている。マイクロ波加熱処理装置1Bは、更に、排気口13bと排気装置6とを接続する排気管221と、排気管221の途中に設けられた圧力調整バルブ222と、を備えている。この排気路207c、排気口13bを介して、第2の部屋S2を介することなく、第1の部屋S1内の雰囲気を処理容器2の外部へ排出できるように構成されている。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bは、第1の実施の形態と同様に、ガス導入部26を介して、第2の部屋S2へ直接パージガスを導入できるように構成されている。第2の部屋S2に導入されたパージガスは、隔壁207の複数のガス孔207aを介して第2の部屋S2から第1の部屋S1へ拡散し、第1の部屋S1の雰囲気をパージできるように構成されている。なお、第2の部屋S2へのガスの供給は、例えば複数のガス噴射口からガス導入を行うシャワーヘッド方式や、側壁部12からガス導入を行うサイドフロー方式を利用してもよい。また、第2の部屋S2へのガスの供給は、ガス供給装置5aの代りに、マイクロ波加熱処理装置1Bの構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。
[処理手順]
マイクロ波加熱処理装置1BにおいてウエハWに対してアニール処理を施す際の処理の手順は、第1の実施の形態と同様である。
マイクロ波加熱処理装置1Bでは、ガス導入部26から、第2の部屋S2にパージガスを導入する。そして、隔壁207の複数のガス孔207aを介してパージガスを第2の部屋S2から第1の部屋S1へ拡散させて、排気路207c及び排気口13bを介して排出し、第1の部屋S1の雰囲気をパージする。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bでは、ウエハWを囲む隔壁207を設けることによって、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1に比べ、第1の部屋S1の容積をさらに小さくすることができる。パージ処理の際に、実質的に雰囲気の置換が必要となる容積は、第1の部屋S1の容積であるため、処理容器2の全体をパージする場合に比べ、短時間でパージ処理を完了させることができる。また、パージ処理に必要なパージガスの総流量も、処理容器2の内部全体をパージする場合に比べ、大幅に節減できる。
また、ガス導入部26から所定の流量でパージガスを導入するパージ処理の間に限らず、例えば、ウエハWの搬入出動作の間や、ウエハWに対してアニール処理を行っている間においても、常時、ガス導入部26から少量のパージガスを連続的に供給しておくことができる。このように少量のパージガスを連続的に導入しておくことによって、第1の部屋S1のパージガスの濃度をC1、第2の部屋S2のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1の関係を維持できる。従って、処理容器2の外部から混入した酸素が、ガス孔207aを介して第1の部屋S1から第2の部屋S2に拡散することが防止される。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bにおける他の構成及び効果は、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同様であるので説明を省略する。
[第4の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第4の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置について説明する。図9は、本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Cの概略の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るマイクロ波加熱処理装置1Cは、連続する複数の動作を伴って、例えばウエハWに対して、マイクロ波を照射してアニール処理を施す装置である。以下の説明では、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1との相違点を中心に説明し、図9において、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同じ構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Cは、誘電体隔壁にパージガスおよびウエハWを冷却する冷却機構を設けている。すなわち、マイクロ波加熱処理装置1Cは、冷媒供給装置301と、この冷媒供給装置301からの冷媒を通流させる流路構造を有する隔壁7と、を有している。隔壁7は、支持ピン16によって支持されたウエハWの上部に設けられている。隔壁7は、複数のガス孔7aを有している。複数のガス孔7aは、隔壁7において、少なくともウエハWの上面に対向する領域に設けられている。隔壁7の材質や、ガス孔7aの構成は、第1の実施の形態の隔壁7やガス孔7aと同様である。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Cにおいて、隔壁7の内部には、流路7bが設けられている。流路7bは、隔壁7の内部において、ガス孔7aを避けるように網目状に縦横に形成されている。マイクロ波加熱処理装置1Cは、更に、冷媒供給装置301からの冷媒を流路7bへ供給するための供給用配管302と、この供給用配管302の途中に設けられたバルブ303とを有している。
また、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Cにおいて、側壁部12の内部には、冷媒供給装置301からの冷媒を隔壁7の流路7bへ供給するための流路12cと、流路7bからの冷媒を冷媒供給装置301へ循環させるための流路12dと、を有している。さらに、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Cは、流路12dに接続された循環用配管304を備えている。図示は省略するが、循環用配管304は、冷媒供給装置301に接続されている。
以上の構成によって、本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Cでは、冷媒供給装置301からの冷媒を、供給用配管302、側壁部12内の流路12c、隔壁7内の流路7b、側壁部12内の流路12d及び循環用配管304を介して循環させることができる。これにより、隔壁7のガス孔7aを通過する際に、パージガスを冷却し、このように冷却されたパージガスを用いて、ウエハWの冷却を行うことができる。また、冷却された隔壁7により、直接ウエハWを冷却することも可能な構成になっている。
冷媒供給装置301から流路7bへ供給する冷媒としては、マイクロ波を透過する性質を有する冷媒が好ましく、特に、本実施の形態では、2.45GHz、5.8GHz等の周波数のマイクロ波の透過性が高い冷媒を用いることがより好ましい。このような周波数のマイクロ波の透過性が高い冷媒として、例えば、ガルデン(パーフルオロポリエーテル)などのフッ素系冷媒を用いることができる。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Cでは、冷却機能を備えた隔壁7を設けることによって、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1の作用効果に加えて、さらに、ウエハWを冷却する効果が期待できる。
本実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Cにおける他の構成及び効果は、第1の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1と同様であるので説明を省略する。また、本実施の形態の冷却機構は、第2の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1A、第3の実施の形態のマイクロ波加熱処理装置1Bにも適用できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、パージガスを第2の部屋S2,S21,S22だけに導入する構成としている。しかし、パージ処理の効率を上げてパージ処理時間を短縮する目的で、第1の部屋S1にもパージガス導入部を設け、第2の部屋S2,S21,S22へパージガスを導入しながら、第1の部屋S1へも直接パージガスを導入する構成としてもよい。
また、本発明のマイクロ波加熱処理装置は、半導体ウエハを被処理体とする場合に限らず、例えば太陽電池パネルの基板やフラットパネルディスプレイ用基板を被処理体とするマイクロ波加熱処理装置にも適用できる。
また、マイクロ波加熱処理装置におけるマイクロ波ユニット30の数(マグネトロン31の数)やマイクロ波導入ポート10の数は、上記実施の形態で説明した数に限られない。
1…マイクロ波加熱処理装置、2…処理容器、3…マイクロ波導入装置、4…支持装置、5…ガス供給機構、5a…ガス供給装置、6…排気装置、7…隔壁、7a…ガス孔、8…制御部、10…マイクロ波導入ポート、11…天井部、12…側壁部、12a…搬入出口、13…底部、13a…排気口、14…シャフト、15…アーム部、16…支持ピン、17…回転駆動部、18…昇降駆動部、19…可動連結部、21…排気管、22…圧力調整バルブ、23…配管、24…マスフローコントローラ、25…開閉バルブ、30…マイクロ波ユニット、31…マグネトロン、32…導波管、33…透過窓、34…サーキュレータ、35…検出器、36…チューナ、37…ダミーロード、40…高電圧電源部、GV…ゲートバルブ、S1…第1の部屋、S2…第2の部屋、W…半導体ウエハ。

Claims (12)

  1. 上壁、底壁及び側壁を有し、被処理体を収容する処理容器と、
    前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器内に導入するマイクロ波導入装置と、
    前記処理容器内にパージガスを導入するパージガス導入部と、
    前記処理容器内で前記被処理体を支持する支持部材と、
    前記支持部材と前記パージガス導入部との間に配置され、前記パージガスを通過させる複数のガス孔を有する誘電体隔壁と、
    を備え、
    前記処理容器の内部は、前記誘電体隔壁と前記処理容器とによって、少なくとも、被処理体が収容される第1の部屋と、前記パージガス導入部によって前記パージガスが直接導入される第2の部屋と、に分割されており、前記第2の部屋に導入されたパージガスが、前記誘電体隔壁の前記ガス孔を介して前記第2の部屋から前記第1の部屋へ拡散し、前記第1の部屋の雰囲気をパージするように構成されたマイクロ波加熱処理装置。
  2. 前記パージガス導入部からパージガスを導入している間の前記第1の部屋のパージガスの濃度をC1、前記第2の部屋のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1となるように構成されている請求項1に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  3. 前記誘電体隔壁は、前記支持部材の上方に設けられている請求項1又は2に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  4. 前記誘電体隔壁は、前記支持部材の上方と下方にそれぞれ設けられており、
    前記処理容器内は、被処理体が収容される第1の部屋と、前記被処理体の上方に設けられた誘電体隔壁と前記処理容器とによって画定される上部の第2の部屋と、前記被処理体の下方に設けられた誘電体隔壁と前記処理容器とによって画定される下部の第2の部屋と、に分割されており、
    前記上部の第2の部屋及び前記下部の第2の部屋に、前記パージガスを導入するパージガス導入部をそれぞれ備えている請求項1又は2に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  5. 前記誘電体隔壁は、被処理体の上下左右を囲むように設けられ、かつ、開口部を有しており、
    該開口部は、前記第1の部屋が被処理体を搬入出するために前記処理容器に形成された開口に連通するように形成されている請求項1又は2に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  6. 前記ガス孔は、少なくとも、前記誘電体隔壁における被処理体に対向する領域に設けられている請求項1から5のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  7. 前記誘電体隔壁の内部に、冷媒を流通させる流路を有している請求項1から6のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  8. 前記誘電体隔壁が、石英によって形成されている請求項1から7のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  9. 前記処理容器の上壁は、前記マイクロ波導入装置において生成された前記マイクロ波を前記処理容器に導入する複数のマイクロ波導入ポートを有している請求項1から8のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱処理装置。
  10. マイクロ波加熱処理装置を用いて被処理体を加熱処理する処理方法であって、
    前記マイクロ波加熱処理装置は、
    上壁、底壁及び側壁を有し、前記被処理体を収容する処理容器と、
    前記被処理体を加熱処理するためのマイクロ波を生成して前記処理容器内に導入するマイクロ波導入装置と、
    前記処理容器内にパージガスを導入するパージガス導入部と、
    前記処理容器内で前記被処理体を支持する支持部材と、
    前記支持部材と前記パージガス導入部との間に配置され、前記パージガスを通過させる複数のガス孔を有する誘電体隔壁と、
    を備え、
    前記処理容器の内部は、前記誘電体隔壁と前記処理容器とによって、少なくとも、被処理体が収容される第1の部屋と、前記パージガス導入部によって前記パージガスが直接導入される第2の部屋と、に区画されており、
    前記パージガス導入部から前記第2の部屋へパージガスを導入することによって、該第2の部屋に導入されたパージガスを、前記誘電体隔壁の前記ガス孔を介して前記第1の部屋へ拡散させて該第1の部屋の雰囲気をパージするパージ処理工程と、
    前記パージガス導入部から前記第2の部屋へパージガスを導入することによって、該第2の部屋に導入されたパージガスを、前記誘電体隔壁の前記ガス孔を介して前記第1の部屋へ拡散させながら、前記マイクロ波導入装置によって前記処理容器内にマイクロ波を導入して前記被処理体を加熱処理するアニール処理工程と、
    を含むことを特徴とする処理方法。
  11. 前記パージ処理工程及び前記アニール処理工程における前記第1の部屋のパージガスの濃度をC1、前記第2の部屋のパージガスの濃度をC2としたとき、C2>C1である請求項10に記載の処理方法。
  12. 前記被処理体を前記処理容器に搬入し、及び/又は、前記処理容器から搬出する毎に、前記パージ処理工程を行うことによって、複数の被処理体を順次処理する請求項10又は11に記載の処理方法。
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