JP2013151594A - ボールペン用油性インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 筆記時にボールがスムーズに回転し滑らかな書き味を有する優れたボールペン用油性インキを得ることを目的とするものである。
【解決手段】 少なくとも、着色剤と、有機溶剤と、コロネンスルホン酸、オバレンスルホン酸、ヘキサベンゾコロネンスルホン酸、ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸から選ばれる1種または2種以上の多環芳香族化合物を含有するボールペン用油性インキを使用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、筆記部材としてのボールを回転自在に抱持したボールペンチップを通じてインキを吐出し筆跡を形成するボールペンに使用するボールペン用油性インキに関し、さらに詳しくは、筆記時のボールの回転がスムーズで滑らかな書き味のボールペン用油性インキに関するものである。
油性ボールペンはボールを把持するボールホルダーの中でボールが回転することでインキを紙面に転写して筆記するが、このときボールとボールホルダーの間で摩擦力が働きボールの回転がスムーズでなくなり滑らかな書き味が得られない場合があった。
ボールの回転をスムーズにして滑らかな書き味を得る為に、各種の潤滑剤を添加することが知られている。例えば、インキ中に両性界面活性剤を添加する方法(特許文献1)、インキ中に平均分子量が800以上のポリエチレングリコールを添加する方法(特許文献2)、インキ中に燐酸モノもしくはジアルキルエステルとを添加する方法(特許文献3)、インキ中にパーフルオロカーボン基を有する燐酸エステル化合物を添加する方法(特許緒文献4)等が知られている。
特開2009−108121号公報 特開2009−108120号公報 特開2001−247806号公報 特開平08−041408号公報
しかしながら、これらの潤滑剤は金属表面に吸着するスルホン基やカルボキシル基に結合している直線状または2〜3の分子鎖を持つだけなのでボールまたはボールホルダーの表面に吸着したとしても覆えない隙間があり、筆記時にボールとボールホルダーが当たってボールの回転が阻害されスムーズで滑らかな書き味が得られない場合がある。
本発明においては、良好な潤滑性が付与され常にボールの回転がスムーズであり、滑らかな書き味が得られる油性ボールペンインキを得ることを目的とするものである。
本発明は、コロネンスルホン酸、オバレンスルホン酸、ヘキサベンゾコロネンスルホン酸、ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸から選ばれる1種または2種以上の多環芳香族化合物と、着色剤と、有機溶剤とを少なくとも含有するボールペン用油性インキを要旨とする。
本発明において、コロネンスルホン酸、オバレンスルホン酸、ヘキサベンゾコロネンスルホン酸、ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸から選ばれる1種または2種以上の多環芳香族化合物は、ベンゼン環が環状に連なっている構造であり結果的にほぼ平面構造を取っている。このため、ボール及びボールホルダーの表面にスルホン基で吸着するとともに、ファンデルワールス力で強く密着することが出来、他の潤滑剤と比べて強い力が掛かっても吸着した面から外れにくい。それ故ボールとボールホルダーが強く当たっても潤滑性を維持できるので常にボールの回転が阻害されにくく滑らかな書き味が得られるものと推測される。
本発明で使用されるコロネンスルホン酸、オバレンスルホン酸、ヘキサベンゾコロネンスルホン酸、ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸から選ばれる1種または2種以上の多環芳香族化合物は、ボール及びボールホルダー表面に吸着して潤滑性を付与するものである。
これらはインキ全量に対し0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%未満では潤滑効果が弱く滑らかな書き味が得られない。10重量%以上添加してもそれ以上の滑らかな書き味が得られる添加する意味が無い。
本発明に使用する着色剤は染料、顔料いずれも使用可能であり、染料と顔料を併用しても良い。染料としては塩基性染料や酸性染料を造塩させた造塩染料や一般的な油溶性染料が使用出来る。
具体的には、VALIFAST BLUE 1631、OIL PINK 312、OIL BLUE 613、VALIFAST BLUE 1603、VALIFAST BLUE 1621、VALIFAST RED 1308、VALIFAST RED 1320、VALIFAST RED 1355、VALIFAST RED 1362、VALIFAST VIOLET 1701、VALIFAST VIOLET 1704、VALIFAST VIOLET 1731、VALIFAST YELLOW1101、VALIFAST YELLOW1109、VALIFAST YELLOW1151、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエントスピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605(以上、オリエント化学工業(株)製)、Aizen Spilon Violet C−RH、Aizen Spilon Red C−BH、SBN Yellow 543、SBN Yellow 530、Aizen Spilon Red C−GH、Aizen Spilon Red C−BH、Aizen Spilon Yellow CGNH、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンブルーBPNH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)、ローダミンBベース(C.I.45170B、田岡染料製造(株)製)、ソルダンレッド3R(C.I.21260、中外化成(株)製)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B、米国、National Aniline Div.製)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)(以上、BASF社製、独国)や、ネオスーパーブルーC−555(以上、中央合成化学(株)製)等の従来公知の一般的なものが使用できる。
顔料としては、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサン系顔料、ベリノン、ベリレン系顔料、ジケトピロロピロール顔料、アニリンブラック、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、等の有機顔料や、酸化鉄、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、鉄黒、酸化チタン、硫酸バリウム、カドミウムレッド、弁柄、クロムイエロー、黄土、カドミウムイエロー、バリウム黄、群青、紺青等の無機系顔料及び蛍光顔料、樹脂粒子を染料で着色した顔料で使用樹脂がインキ溶剤に溶解しないものが挙げられ、これらは単独あるいは混合して使用することが出来る。
黒色顔料としては例えば、プリンテックス3、同25、同30、同35、同40、同45、同55、同60、同75、同80、同85、同90、同95、同300、スペシャルブラック4、同5、同100、同250、同550(以上デグサヒュルスジャパン(株)製)。三菱カーボンブラック#2700、同#2650、同#2600、同#2400、同#2350、同#2300、同#2200、同#1000、同#990、同#980、同#970、同#960、同#950、同#900、同#850、同#750、同#650、同#52、同#50、同#47、同#45、同#45L、同#44、同#40、同#33、同#32、同#30、同#25、同#20、同#10、同#5、同#95、同#260、同CF9、同MCF88、同MA600、同MA77、同MA7、同MA11、同MA100、同MA100R、同MA100S、同MA220、同MA230(以上、三菱化学(株)製)、トーカブラック#8500/F、同#8300/F、同#7550SB/F、同#7400、同#7360SB/F、同#7350/F、同#7270SB、同#7100/F、同#7050(以上、東海カーボン(株)製)等のカーボンブラックや、ダイヤモンドブラックN(玉億色材(株)製)などのアニリンブラックや、ボーンブラック(三重カラーテクノ(株)製)や、鉄化ブラックKN−320(日本鉄化(株)製)などの鉄黒が挙げられる。
青色顔料としては例えばC.I.Pigment Blue 2、同9、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同28、同29、同36、同60、同68、同76、同80等が使用できる。
赤色の顔料としてはC.I.Pigment Red 2、同3、同5、同8、同14、同17、同22、同23、同31、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同53:1、同53:2、同57:1、同112、同122、同144、同146、同149、同166、同170、同175、同176、同177、同179、同184、同185、同187、同188、同202、同207、同208、同209、同210、同211、同213、同214、同242、同253、同254、同255、同256、同257、同264、同266、同268、同270、同272等が使用できる。
黄色の顔料としてはC.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同16、同17、同55、同73、同74、同79、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同109、同110、同111、同120、同128、同133、同136、同138、同139、同147、同151、同154、同155、同167、同173、同174、同175、同176、同180、同185、同191、同194、同213等が使用できる。
橙色の顔料としてはC.I.Pigment Orange5、同13、同16、同34、同36、同38、同43、同62、同68、同72、同74等がある。
緑色の顔料としてはC.I.Pigment Green7、同36、同37等が使用できる。
紫色の顔料としてはC.I.Pigment Violet19、同23等が使用出来る。
これらの着色剤の使用量は全インキに対し1重量%以上40重量%以下が好適に使用できる。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて筆跡の判読がし難くなる。40重量%より多いと配合時の溶解不足や経時的な沈降による目詰まりによる筆記不能が生じやすくなる。また、これらの着色剤は単独で使用しても2種類以上を併用して使用しても良い。
また、これらの顔料の他に加工顔料も使用可能である。それらの一例を挙げると、Renol Yellow GG−HW30、同HR−HW30、同Orange RL−HW30、同Red HF2B−HW30、同FGR−HW30、同F5RK−HW30、同Carmine FBB−HW30、同Violet RL−HW30、同Blue B2G−HW30、同CF−HW30、同Green GG−HW30、同Brown HFR−HW30、Black R−HW30(以上、クラリアントジャパン(株)製)、UTCO−001エロー、同012エロー、同021オレンジ、同031レッド、同032レッド、同042バイオレット、同051ブルー、同052ブルー、同061グリーン、同591ブラック、同592ブラック(以上、大日精化工業(株)製)、MICROLITH Yellow 4G−A、同MX−A、同2R−A、Brown 5R−A、Scarlet R−A、Red 2C−A、同3R−A、Magenta 2B−A、Violet B−A、Blue 4G−A、Green G−A(以上、チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)等がある。
溶剤としては、一例を挙げると、フェニルグリコール、フェニルジグリコール、ベンジルモノグリコール、ベンジルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のグリコール類、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール類が溶解力等の面で好ましいがその他のエステル類や炭化水素類、ケトン類等も使用可能である。
これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量は油性インキ全量に対し10重量%以上90重量%以下が好ましい。
本発明のインキでは顔料の分散性を良好なものとしたりインキの流動性を調整する為に各種の界面活性剤も使用できる。具体的には、高級脂肪酸、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸類、リン酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等のアニオン、ノニオン、カチオン性の界面活性剤界面活性剤や両性界面活性剤などがある。
特にリン酸エステル系界面活性剤は潤滑性を助長し滑らかな書き味を得るのに有効である。リン酸エステル系界面活性剤の一例を挙げると、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸モノエステル又はジエステル、トリエステルが挙げられ、エチレンオキサイドの付加モル数が0〜20、末端のアルキルエーテルのアルキル基の炭素数が9〜18のものなどが例示できる。
顔料の分散安定性を良好にする為に高分子樹脂を添加することも出来る。一例を挙げるとポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂などの顔料分散用の樹脂やオリゴマーなどが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
また、顔料を分散するには汎用されている一般的な方法を用いることが可能である。例えば、顔料と溶剤と分散剤を混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散機はインキの水や有機溶媒の量、顔料濃度によって適宜選択する。
その他必要に応じて、書き味の調整剤としての水、天然樹脂、合成樹脂、アニオン、カチオン、ノニオン、両性界面活性剤などの分散剤や、ベンゾトリアゾール、金属塩系、リン酸エステル系化合物などの防錆剤や、イソチアゾロン、オキサゾリジン系化合物などの防腐剤や、シリコン系、鉱物油、フッ素系化合物などの消泡剤や、グリセリン、ソルビタン系、多糖類、尿素、エチレン尿素またはこれらの誘導体などの湿潤剤や、アセチレングリコール、アセチレンアルコールおよびシリコン系界面活性剤などのレベリング性付与剤や、凍結防止剤、定着用樹脂としてのケトン樹脂などや、インキの粘度等の調整剤としてのスメクトンSA(スメクタイト、クニミネ工業(株)製)、クニピア−F、クニピア−G(モンモリロナイト、クニミネ工業(株)製)、ベンゲルHV、同FW、同15、同23(ベントナイト、(株)豊順洋行製)、エスベン、同C、同W、同N400(4級アンモニウムカチオン変性モンモリロナイト、(株)豊順洋行製)等の無機粘土鉱物や、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、HPC−SL、同L、同M、同H(以上、日本曹達(株)製)、アビセルPH−101、同102、同301、同M06、TG−101(以上、旭化成(株)製)等のセルロース類、プルラン((株)林原製)等の多糖類、GX−205、NA−010(昭和電工(株)製)等のN−ビニルアセトアミド重合架橋物等の水溶性合成高分子、ロジン変性樹脂、アルキッド樹脂、スチレンアクリル酸共重合体樹脂、アクリル酸樹脂、メタアクリル酸樹脂など従来公知のインキ用添加剤を併用することも可能である。
水を添加する場合0.5重量%〜15重量%程度添加するのが潤滑性を向上させるので有効である。
インキ粘度は、書き味の軽さに影響するので、数mPa・s〜1300mPa・s程度の比較的低粘度のインキであることが好ましく、剪断減粘性のインキの場合には、想定される筆記時のボールの回転によって生じる剪断速度3000[1/sec]付近での粘度が数mPa・s〜500mPa・s程度となるインキであることが好ましいといえる。ただし、インキを剪断減粘指数が、1.0もしくはそれに近い、剪断減粘性のほとんど無いインキとした場合には、静止時の粘度と筆記時の粘度がほぼ同等となるので数mPa・s〜1000mPa・s程度が好ましい。
インキを製造するには、上記で分散した顔料と他の成分、例えば粘度調整用樹脂や溶剤、潤滑剤、水溶性多糖類等を混合し、ホモミキサー等の撹拌機にて均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合したインキをさらに分散機にて分散したり、得られたインキを濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。尚、各実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
<コロネンスルホン酸の合成>
500mlの4ツ口フラスコに、コロネン10gと97%硫酸100mlを容れ、毎分80mlで窒素を送り込みながら、160℃で9時間反応させた。これを室温まで冷却したのち、この反応液を0℃の水250mlに、発熱に注意して撹拌しながら徐々に添加した。これに、塩化ナトリウムを800g加え加温して均一に溶かし、かき混ぜながら急冷して析出した化合物をろ過後乾燥した。
<オバレンスルホン酸の合成>
コルネンに替えてオバレンを使用した以外、上記のコロネンスルホン酸の合成と同様になしてオバレンスルホン酸を合成した。
<コランニュレンスルホン酸の合成>
コルネンに替えてコランニュレンを使用した以外、上記のコロネンスルホン酸の合成と同様になしてコランニュレンスルホン酸を合成した。
<ヘキサベンゾコロネンスルホン酸の合成>
コルネンに替えてヘキサベンゾコロネンを使用した以外、上記のコロネンスルホン酸の合成と同様になしてヘキサベンゾコロネンスルホン酸を合成した。
<ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸の合成>
コルネンに替えてヘキサペリヘキサベンゾコロネンを使用した以外、上記のコロネンスルホン酸の合成と同様になしてヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸を合成した。
(実施例1)
VALIFAST BLUE 1621(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 8.0部
VALIFAST BLUE 1631(塩基性染料と酸性物質との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 4.0部
Aizen Spilon Red C−BH(C.I.ベーシックバイオレット10と酸性物質との造塩染料、保土谷化学工業(株)製) 1.5部
イソプロピルグリコール 23.0部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 32.2部
フェニルセロソルブ 26.0部
コロネンスルホン酸 3.0部
ニッコールHCO−10(ポリオキシエチレン(10)硬化ひまし油、日光ケミカルズ
(株)製) 1.0部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.3部
上記成分を70℃で3時間攪拌してボールペン用油性インキを得た。
(実施例2)
VALIFAST VIOLET 1701(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製 11.0部
VALIFAST VIOLET 1731(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製 4.0部
SPILON YELLOW C−GNH(メチン系塩基性染料と酸性物質との造塩染料、保土谷化学工業(株)製) 4.5部
3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール 52.0部
フェニルセロソルブ 21.0部
エスレックBH3(ポリビニルブチラール、増粘剤、積水化学工業(株)製) 1.5部
ニッコール HCO−5(ポリオキシエチレン(5)硬化ひまし油、日光ケミカルズ
(株)製) 2.0部
フォスファノールLP710(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、東邦化学工業(株)製) 1.0部オバレンスルホン酸 3.0部上記成分を混合し70℃で3時間攪拌し黒色のボールペン用油性インキを得た。
(実施例3)
SPILON RED C−GH(塩基性染料と酸性物質との造塩染料、保土ヶ谷化学工業(株)製) 16.5部
SPILON YELLOW C−GNH 4.3部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 35.8部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 32.6部
エスレックBH−3 0.8部
オバレンスルホン酸 6.5部
水 3.5部
上記成分を70℃で3時間撹拌しボールペン用油性インキを得た。
(実施例4)
HOSTAPERM BLUE B2G−D(C.I.PIGMENT BLUE15:1、クラリアントジャパン(株)製) 10.0部
SPILON RED C−GH 1.8部
VALIFAST BLUE 1603(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 9.0部
3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール 38.5部
フェニルセロソルブ 23.7部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 2.5部
エスレックBH3(ポリビニルブチラール、増粘剤、積水化学工業(株)製) 1.5部
ニッコール HCO−5(ポリオキシエチレン(5)硬化ひまし油、日光ケミカルズ
(株)製) 5.0部
コロネンスルホン酸 8.0部
上記成分のうち、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールの全量と、エスレックBL−1の全量を50℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからHOSTAPERM BLUE B2G−Dの全量を加え均一に混合した後ダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い5回通しを行い青色のペーストを得た。
次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪拌してボールペン用油性インキを得た。
(実施例5)
VALIFAST BLUE 1621(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 8.0部
VALIFAST BLUE 1631(塩基性染料と酸性物質との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 4.0部
Aizen Spilon Red C−BH(C.I.ベーシックバイオレット10と酸性物質との造塩染料、保土谷化学工業(株)製) 1.5部
イソプロピルグリコール 21.5部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 33.7部
フェニルセロソルブ 28.8部
コロネンスルホン酸 0.2部
ニッコールHCO−10(ポリオキシエチレン(10)硬化ひまし油、日光ケミカルズ
(株)製) 1.0部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.3部
上記成分を70℃で3時間攪拌してボールペン用油性インキを得た。
(実施例6)
VALIFAST BLUE 1621(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 8.0部
VALIFAST BLUE 1631(塩基性染料と酸性物質との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 4.0部
Aizen Spilon Red C−BH(C.I.ベーシックバイオレット10と酸性物質との造塩染料、保土谷化学工業(株)製) 1.5部
イソプロピルグリコール 23.0部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 33.7部
フェニルセロソルブ 26.0部
ヘキサベンゾコロネンスルホン酸 1.5部
ニッコールHCO−10(ポリオキシエチレン(10)硬化ひまし油、日光ケミカルズ
(株)製) 1.0部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.3部
上記成分を70℃で3時間攪拌してボールペン用油性インキを得た。
(実施例7)
VALIFAST BLUE 1621(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 8.0部
VALIFAST BLUE 1631(塩基性染料と酸性物質との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 4.0部
Aizen Spilon Red C−BH(C.I.ベーシックバイオレット10と酸性物質との造塩染料、保土谷化学工業(株)製) 1.5部
イソプロピルグリコール 23.0部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 33.7部
フェニルセロソルブ 26.0部
ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸 1.5部
ニッコールHCO−10(ポリオキシエチレン(10)硬化ひまし油、日光ケミカルズ
(株)製) 1.0部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.3部
上記成分を70℃で3時間攪拌してボールペン用油性インキを得た。
(比較例1)
実勢例1においてコロネンスルホン酸を抜いてその分イソプロピルグリコールを添加した以外は同様に為してボールペン用油性インキを得た。
(比較例2)
実施例2においてオバレンスルホン酸を抜いてその分3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールを添加した以外は同様に為してボールペン用油性インキを得た。
(比較例3)
実施例3においてオバレンスルホン酸の代わりにアモーゲンCB−C(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、第一工業製薬(株)製)を添加した以外は同様に為してボールペン用油性インキを得た。
(比較例4)
実施例4においてコロネンスルホン酸を抜いてその分ポリエチレングリコール(分子量1000)を加えた以外は同様に為しボールペン用油性インキを得た。
(比較例5)
実施例1においてコロネンスルホン酸を抜いてその分コランニュレンスルホン酸を加えた以外は同様に為しボールペン用油性インキを得た。
(比較例6)
VALIFAST BLUE 1621(塩基性染料と酸性染料との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 8.0部
VALIFAST BLUE 1631(塩基性染料と酸性物質との造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 4.0部
Aizen Spilon Red C−BH(C.I.ベーシックバイオレット10と酸性物質との造塩染料、保土谷化学工業(株)製) 1.5部
イソプロピルグリコール 23.0部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 33.7部
フェニルセロソルブ 26.0部
ニッコールDLP−10(ジポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテルリン酸、日光ケミカルズ(株)製) 1.5部
ニッコールHCO−10(ポリオキシエチレン(10)硬化ひまし油、日光ケミカルズ
(株)製) 1.0部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.3部
上記成分を70℃で3時間攪拌してボールペン用油性インキを得た。
以上、実施例、比較例で得たインキについて、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
(試験用油性ボールペンの作製)
上記実施例1〜6及び比較例1〜4で得たボールペン用油性インキを市販の油性ボールペン(ビクーニャ、製品符号 BX157、ぺんてる(株)製(ボール径0.7mm))と同構造の筆記具に0.2g充填し、遠心機にて遠心力(1000rpm、5分間)を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製した。
筆記抵抗値の測定
上記実施例、比較例のボールペンをn=5本ずつ(株)トリニティーラボ製のTribo−master(Type:TL201Sa)にて筆記抵抗値を測定した。筆記抵抗値を測定した際の条件として筆記角度は70°、筆記荷重150g、筆記速度7cm/secとした。筆記抵抗値の測定については、測定周波数200Hzにて2秒間測定を行ったデータを平均して、検体に対する平均筆記抵抗値を算出し、更に5本の検体に対する各平均筆記抵抗値からn=5本の平均値を算出して各実施例、比較例の筆記抵抗値とした。
Figure 2013151594
以上、詳細に説明したように本発明のボールペン用油性インキは筆記時のボールの回転がスムーズで滑らかな書き味を持つ優れたものである。
実施例1〜7と比較例1〜6を比べると、実施例1〜7は筆記抵抗値が比較例低く滑らかな軽い書き味となっていることが判る。特に実施例1,6,7と比較例1を比較するとコロネンスルホン酸、ヘキサベンゾコロネンスルホン酸、ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸を使用すると筆記抵抗値が下がりこれらの化合物が潤滑性を示していることがわかる。さらに、実施例3と比較例3,実施例4と比較例4、実施例1と比較例6を比較するとヘキサベンゾコロネンスルホン酸、ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸、コロネンスルホン酸は従来使用された潤滑剤よりも潤滑効果が高いことが判る。
また、実施例1と4と5を比べるとコロネンスルホン酸の添加量が多いほうが筆記抵抗値が低く軽く滑らかな書き味が得られることが判る。さらに、実施例2のようにオバレンスルホン酸と従来使用されている潤滑剤を併用しても潤滑性は損なわれないことが判る。
実施例1と比較例5を比べるとベンゼン環の数が多く平面性が高いコロネンスルホン酸の方がコランニュレンスルホン酸よりも筆記抵抗値が低くなめらかな書き味が得られることが判る。

Claims (1)

  1. 少なくとも、着色剤と、有機溶剤と、コロネンスルホン酸、オバレンスルホン酸、ヘキサベンゾコロネンスルホン酸、ヘキサペリヘキサベンゾコロネンスルホン酸から選ばれる1種または2種以上の多環芳香族化合物を含有するボールペン用油性インキ。
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