JP2013151545A - リン酸塩を含む歯科用充填剤および組成物 - Google Patents

リン酸塩を含む歯科用充填剤および組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン(たとえば、リンおよび他のイオン)を口腔環境の中に放出することが可能な歯科用充填剤の提供。
【解決手段】処理された表面を含む歯科用充填剤であって、前記処理された表面には次式:
Figure 2013151545

[式中、x=2〜4であり;それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n)であり、ただし、少なくとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、少なくとも1個のR基がHであり、Mは原子価nの金属である。]で表されるリン酸塩が含まれる、歯科用充填剤。
【選択図】なし

Description

歯組織の脱石灰化があると、齲歯、象牙質、セメント質および/またはエナメル質の齲
蝕、たとえば歯科用修復材を用いた処置を典型的に必要とする状態になるということはよ
く知られている。そのような状態は、通常は、歯科用修復材を用いて充分に処置すること
が可能であるが、修復された歯組織は多くの場合、その修復をした箇所の周囲でさらなる
齲蝕を受けやすい。
イオン(たとえば、カルシウム、および好ましくはカルシウムとリン)を口腔環境の中
に放出させると、歯組織の自然な再石灰化能力が向上することは知られている。再石灰化
の向上は、従来からの歯科用修復材法に対する有用な補助手段または代替え手段となり得
ると考えられる。しかしながら、カルシウムおよびリンを口腔環境の中に放出する公知の
組成物(たとえば、リン酸カルシウム含有組成物)は、たとえば徐放性能なども含めて、
望ましい性質に欠けることが多い。
したがって、イオン(たとえば、リンおよび他のイオン)を口腔環境の中に放出するこ
とが可能な新規な組成物が求められている。
発明の要旨
一つの態様においては、本発明は、処理された表面を含む歯科用充填剤、ならびにその
ような処理された表面を含む歯科用充填剤の製造方法を提供する。その処理された表面に
は次式:
Figure 2013151545
[式中、x=2〜4であり;それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n
2/nであり、ただし、少なくとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、
そして少なくとも1個のR基がHであり;そして、Mは原子価nの金属である]で表され
るリン酸塩が含まれる。そのような歯科用充填剤を含む歯科用組成物、およびそのような
歯科用組成物の使用方法もまた提供される。
また別な態様においては、本発明は、硬化性樹脂および/または水中分散可能なポリマ
ー膜形成材;ならびに次式:
Figure 2013151545
[式中、x=2〜4であり;それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n
2/nであり、ただし、少なくとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、
そして少なくとも1個のR基がHであり;そして、Mは原子価nの金属である]のリン酸
塩を含む、歯科用組成物を提供する。そのような歯科用組成物の使用方法もまた提供され
る。
本明細書において開示されるような歯科用充填剤および組成物は、好ましくは、歯組織
の再石灰化を促進させ、それによって、潜在的な利点を与えることが可能であり、そのよ
うなこととしては、たとえば、エナメル質および/または象牙質の病変部を再石灰化させ
る能力;知覚過敏(sensitivity)の原因となる、露出された象牙質および/またはセメ
ント質の細管を埋める能力;摩耗および/または腐蝕されたエナメル質表面を修復する能
力;界面における微少漏洩領域を再シールする能力;酸の攻撃に対して接触された歯構造
および近傍の歯構造の抵抗性を増大させる能力が挙げられる。
定義
本明細書で使用するとき、「接着剤」または「歯科用接着剤」という用語は、「歯科材
料」(たとえば、「修復材」、歯科矯正装置(たとえば、ブラケット)、または「歯科矯
正用接着剤」)を歯構造に接着させるために、歯構造(たとえば、歯)の上に前処理とし
て使用する組成物を指す。「歯科矯正用接着剤」という用語は、歯科矯正装置を歯構造(
たとえば、歯)の表面に接着させるのに使用される、高度に(一般に40重量%以上)充
填される組成物を指す(「歯科用接着剤」というよりは、「修復材料」に近い)。一般に
、歯構造の表面は、たとえば、エッチング、プライマー処理、および/または接着剤を塗
布することによって前処理して、「歯科矯正用接着剤」の歯構造の表面への接着性を向上
させる。
本明細書で使用するとき、「非水性」組成物(たとえば、接着剤)という用語は、成分
としてその中に水が添加されていない組成物を指す。しかしながら、組成物の他の成分中
に偶発的な水分が存在している可能性もあるが、水の総量は、その非水性組成物の安定性
(たとえば、貯蔵寿命)に悪影響を与えることはない。非水性組成物は、その非水性組成
物の全重量を基準にして、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、
最も好ましくは0.1重量%未満の水しか含まない。
本明細書で使用するとき、「自己エッチング性(self-etching)」組成物という用語は
、歯構造表面をエッチング剤を用いて予め処理しなくても、その歯構造表面に接合する組
成物をさす。好ましくは、自己エッチング性組成物は、独立したエッチング剤またはプラ
イマーを使用しない場合には、自己プライマーとして機能することも可能である。
本明細書で使用するとき、「自己接着性」組成物という用語は、プライマーまたは接合
剤を用いて歯構造表面を予め処理しなくても、その歯構造表面に接合することが可能な組
成物を指す。好ましくは、自己接着性組成物は、独立したエッチング剤を使用しなくても
、自己エッチング性組成物でもある。
本明細書で使用するとき、組成物を「固化(hardening)」または「硬化(c
uring)」させるという用語は、同義的に使用され、重合反応および/または架橋反
応、たとえば、固化または硬化をすることが可能な一種または複数の化合物を含む光重合
反応および化学重合技術(たとえば、エチレン性不飽和化合物を重合させるのに有効なラ
ジカルを形成させるイオン反応または化学反応)などを指す。
本明細書で使用するとき、「歯構造表面」という用語は、歯構造(たとえば、エナメル
質、象牙質、およびセメント質)および骨を指す。
本明細書で使用するとき、「歯科材料」という用語は、歯構造表面に接合させることが
可能な材料を指し、それにはたとえば、歯科用修復材、歯科矯正装置、および/または歯
科矯正用接着剤などが含まれる。
本明細書で使用するとき、「(メタ)アクリル」というのは、「アクリル」および/ま
たは「メタクリル」の略称である。たとえば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリ
ルオキシ基(すなわち、CH2=CHC(O)O−)および/またはメタクリルオキシ基
(すなわち、CH2=C(CH3)C(O)O−)の両方を指す、略称である。
本明細書で使用するとき、「非晶質」物質は、識別できるようなX線粉末回折パターン
を生じない物質である。「少なくとも部分的に結晶質の」物質は、識別できるようなX線
粉末回折パターンを生じる物質である。
本明細書で使用するとき、周期律表の「族」とは、無機化学IUPAC命名法(199
0年、推奨)(IUPAC Nomenclature of Inorganic Chemistry, Recommendations 1990)
に定義される、第1〜18族を指し、それらを含む。
本明細書で使用するとき、単数形(「a」および「an」)は、特に断らない限り、「
少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味する。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、リン酸塩を含む歯科用充填剤および/または組成物を提供する。いくつかの
実施態様においては、リン酸塩を含む処理された表面を含む歯科用充填剤が提供される。
いくつかの実施態様においては、そのような歯科用充填剤を含む歯科用組成物が提供され
る。いくつかの実施態様においては、リン酸塩ならびに硬化性樹脂および/または水中分
散可能なポリマー膜形成材を含む歯科用組成物が提供される。そのような歯科用充填剤お
よび/または組成物の製造方法および使用方法もまた提供される。
リン酸塩
本発明において有用なリン酸塩は、次式:
Figure 2013151545
[式中、x=2〜4であり;それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n
2/nであり、ただし、少なくとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、
そして少なくとも1個のR基がHであり;そして、Mは原子価nの金属である]で表すこ
とができる。好ましくは、x=3である。いくつかの実施態様においては、Mは、第2族
の金属、第3族の金属、遷移金属、ランタニド、またはそれらの組合せである。いくつか
の実施態様においては、Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Ag、Zr、Sn、また
はそれらの組合せである。いくつかの好ましい実施態様においては、MはCaである。
本明細書に記載されるリン酸塩の例としては、たとえば、グリセロリン酸カルシウム、
グリセロリン酸亜鉛、グリセロリン酸マグネシウム、グリセロリン酸ストロンチウム、グ
リセロリン酸スズ、グリセロリン酸ジルコニウム、およびグリセロリン酸銀などが挙げら
れる。好ましいリン酸塩としては、グリセロリン酸カルシウムが挙げられる。
歯科用充填剤の表面処理
歯科用充填剤は、たとえば米国特許第5,332,429号明細書(ミトラ(Mitr
a)ら)の中に記載されているのと同様の方法により表面処理されるのが好ましい。簡単
に言えば、本明細書に記載の歯科用充填剤は、その充填剤を、本明細書に記載されるよう
なリン酸塩をその中に溶解、分散または懸濁させた液体と組み合わせることにより、表面
処理することができる。必要に応じて、その液体または追加の液体に、追加の表面処理剤
(たとえば、フッ化物イオン前駆体、シラン、チタネートなど)が含まれていてもよい。
必要に応じて、その液体には水が含まれ、そして、水性液体を使用する場合には、それが
酸性であっても塩基性であってもよい。処理した後では、その液体の少なくとも一部を、
各種都合のよい技術(たとえば、噴霧乾燥、オーブン乾燥、ギャップ乾燥、凍結乾燥、お
よびそれらの組合せ)を用いて、その表面処理された歯科用充填剤から除去することがで
きる。ギャップ乾燥の記述に関しては、たとえば米国特許第5,980,697号明細書
(コルブ(Kolb)ら)を参照されたい。一つの実施態様においては、処理された充填
剤を、典型的には乾燥温度約30℃〜約100℃で、たとえば一夜かけて、オーブン乾燥
させることができる。その表面処理された充填剤は、所望により、さらに加熱することも
可能である。次いで、その処理され、乾燥された歯科用充填剤を篩にかけるか、または軽
く粉砕して凝集体(agglomerate)を破壊することもできる。そのようにして得られた表
面処理された歯科用充填剤は、例えば、歯科用ペーストの中に組み込むことができる。
表面処理するのに好適な歯科用充填剤は、歯科的用途に使用される組成物の中に組み込
むのに適した、広い範囲の各種の材料の一種または複数から選択することができ、たとえ
ばそのような充填剤は、現在歯科用修復材組成物などに使用されているようなものである
。歯科用充填剤には、多孔質粒子および/または粒子の多孔質凝集体が含まれているのが
好ましい。好適な歯科用充填剤としては、ナノ粒子および/またはナノ粒子の凝集体が挙
げられる。好適なタイプの充填剤としては、金属酸化物、金属フッ化物、金属オキシフッ
化物(oxyfluoride)、およびそれらの組合せが挙げられるが、ここでその金属は重金属
であっても、非重金属であってもよい。
好ましい実施態様においては、その歯科用充填剤は、第2〜5族元素、第12〜15族
元素、ランタニド元素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素の酸化物、
フッ化物、またはオキシフッ化物である。より好ましくは、その元素は、以下のものから
なる群より選択される:Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Ta、Zn、B
、Al、Si、Sn、P、およびそれらの組合せ。歯科用充填剤が、ガラス、非晶質物質
、または結晶質物質であってもよい。必要に応じて、歯科用充填剤は、フッ化物イオン源
を含んでいてもよい。そのような歯科用充填剤には、たとえば、フルオロアルミノシリケ
ートガラスが挙げられる。
充填剤は微細に粉砕されているのが好ましい。充填剤の粒径分布は、単峰形(unimodia
l)であってもあるいは多峰形(polymodial)(たとえば、二峰形(bimodal))であって
もよい。充填剤の最大粒径(粒子の最大寸法、典型的には直径)は、好ましくは20マイ
クロメートル未満、より好ましくは10マイクロメートル未満、最も好ましくは5マイク
ロメートル未満である。充填剤の平均粒径は、好ましくは2マイクロメートル未満、より
好ましくは0.1マイクロメートル未満、最も好ましくは0.075マイクロメートル未
満である。
充填剤は無機物質であってもよい。それは、樹脂系に溶解しない架橋有機物質であって
もよく、また必要に応じて、無機充填剤を用いて充填されていてもよい。充填剤は、いか
なる場合においても毒性が無く、口の中で使用するのに適したものでなければならない。
その充填剤は放射線不透過性であっても、あるいは放射線透過性であってもよい。充填剤
は、典型的には、実質的に水に溶解しない。
好適な無機充填剤の例としては、天然に存在する物質または合成の物質であり、以下の
ものが挙げられるが、これらに限定されない:石英;窒化物(たとえば、窒化ケイ素);
たとえば、Zr、Sr、Ce、Sb、Sn、Ba、ZnおよびAlから誘導されるガラス
;長石;ホウケイ酸ガラス;カオリン;タルク;チタニア;低モース硬度の充填剤でたと
えば米国特許第4,695,251号明細書(ランドクレフ(Randklev))に記
載されているようなもの;およびサブミクロンサイズのシリカ粒子(たとえば、発熱性シ
リカ、たとえばオハイオ州アクロン(Akron,OH)のデグッサ・コーポレーション
(Degussa Corp.)からの商品名アエロジル(AEROSIL)、たとえば
「OX50」、「130」、「150」および「200」シリカ、ならびに、イリノイ州
タスコーラ(Tuscola,IL))のキャボット・コーポレーション(Cabot
Corp.)からのキャブ・オ・シル(CAB−O−SIL)M5シリカなど)。好適な
有機充填剤粒子の例としては、充填または非充填の微粉砕ポリカーボネート、ポリエポキ
シドなどが挙げられる。
酸非反応性の充填剤粒子としては、石英、サブミクロンシリカ、および米国特許第4,
503,169号明細書(ランドクレフ(Randklev))に記載されているような
型の、非ガラス質のミクロ粒子が適している。これらの酸非反応性の充填剤の混合物もま
た考慮に入るし、さらには有機材料および無機材料から製造した組合せ充填剤もまた考え
られる。ある種の実施態様においては、シラン処理したジルコニア−シリカ(Zr−Si
)充填剤が特に好ましい。
充填剤は酸反応性充填剤であってもよい。好適な酸反応性充填剤としては、金属酸化物
、ガラス、および金属塩を挙げることができる。典型的な金属酸化物としては、酸化バリ
ウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛が挙げられる。典型的なガラス
としては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラスおよびフルオロアルミノシリケート(「FAS」
)ガラスが挙げられる。FASガラスが特に好ましい。FASガラスは典型的には、溶出
可能なカチオンを充分に含んでおり、それにより、そのガラスを硬化性の組成物の成分と
混合したときに、硬化された歯科用組成物が形成されるようにする。このガラスはまた、
典型的には、溶出可能なフッ化物イオンを充分に含んでおり、それにより、その硬化させ
た組成物が抗齲蝕性を有するようにする。そのガラスは、フッ化物、アルミナ、およびそ
の他のガラス形成成分を含む溶融物から、FASガラス製造の分野の当業者に知られた技
術を用いて、製造することができる。FASガラスは典型的には、充分に細かく粉砕され
た粒子の形態であり、それにより、他のセメント成分とうまく混合することができ、得ら
れた混合物を口腔内で使用したときに性能を充分に発揮できるようにする。
一般的には、FASガラスの平均粒径(典型的には、直径)は、たとえば沈降分析器を
用いて測定して、約12マイクロメートル以下、典型的には10マイクロメートル以下、
より典型的には5マイクロメートル以下である。好適なFASガラスは、当業者には知ら
れており、広い範囲の供給業者から入手することができる。ガラスイオノマーセメントと
して現在入手可能なものが多く、たとえば、商品名ビトレマー(VITREMER)、ビ
トレボンド(VITREBOND)、リライ・X・ルーティング・セメント(RELY
X LUTING CEMENT)、リライ・X・ルーティング・プラス・セメント(R
ELY X LUTING PLUS CEMENT)、フォタック−フィル・クイック
(PHOTAC−FIL QUICK)、ケタック−モラー(KETAC−MOLAR)
、およびケタック−フィル・プラス(KETAC−FIL PLUS)(ミネソタ州セン
トポール(St.Paul,MN)の3M・ESPE・デンタル・プロダクツ(3M E
SPE Dental Products))、フジ・II・LC(FUJI II L
C)およびフジIX(FUJI IX)(日本国東京の、G−C・デンタル・インダスト
リアル・コーポレーション(G−C Dental Industrial Corp.
))、およびケムフィル・スペリオル(CHEMFIL Superior)(ペンシル
バニア州ヨーク(York,PA)のデンツプライ・インターナショナル(Dentsp
ly International))などが商品として入手できる。所望により、充填
剤の混合物を使用することもできる。
その他の好適な充填剤は、たとえば以下の特許に開示されている:米国特許第6,30
6,926号明細書(ブレッチャー(Bretscher)ら)、同第6,387,98
1号明細書(チャン(Zhang)ら)、同第6,572,693号明細書(ウー(Wu
)ら)、および同第6,730,156号明細書(ウィンディッシュ(Windisch
)ら)、ならびに国際公開第01/30307号パンフレット(チャン(Zhang)ら
)および国際公開第03/063804号パンフレット(ウー(Wu)ら)。それらの引
用文献に記載されている充填剤成分には、ナノサイズのシリカ粒子、ナノサイズの金属酸
化物粒子、およびそれらの組合せが含まれている。ナノ充填剤はまた、米国特許出願第1
0/847,781号明細書;米国特許出願第10/847,782号明細書;および米
国特許出願第10/847,803号明細書にも記載されているが、この3件はすべて2
004年5月17日に出願されたものである。
その表面処理された歯科用充填剤には、歯科用充填剤の全乾燥重量を基準にして(すな
わち、処理に用いた液状物を除外して)、好ましくは少なくとも0.01重量%、より好
ましくは少なくとも0.05重量%、最も好ましくは少なくとも0.1重量%のリン酸塩
が含まれる。その表面処理された歯科用充填剤には、歯科用充填剤の全乾燥重量を基準に
して(すなわち、処理に用いた液状物を除外して)、好ましくは最大で50重量%、より
好ましくは最大で30重量%、最も好ましくは最大で20重量%のリン酸塩が含まれる。
表面処理された歯科用充填剤(たとえば、歯科用接着剤組成物)を含む本発明のいくつ
かの実施態様では、その組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくと
も1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の
表面処理された歯科用充填剤が含まれる。そのような実施態様では、本発明の組成物は、
組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で40重量%、より好ましくは最大で20
重量%、最も好ましくは最大で15重量%の表面処理された歯科用充填剤を含む。
(たとえば、その組成物が歯科用修復材または歯科矯正用接着剤であるような)その他
の実施態様においては、本発明の組成物は、組成物の全重量を基準にして、好ましくは少
なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、最も好ましくは少なくとも
50重量%の表面処理された歯科用充填剤を含む。そのような実施態様では、本発明の組
成物は、組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で90重量%、より好ましくは最
大で80重量%、さらにより好ましくは最大で70重量%、最も好ましくは最大で50重
量%の表面処理された歯科用充填剤を含む。
場合によっては、その歯科用充填剤の処理された表面には、シラン(たとえば、米国特
許第5,332,429号明細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されているようなも
の)、抗菌薬(たとえば、クロルヘキシジン;第四級アンモニウム塩;金属含有化合物た
とえば、Ag、SnまたはZn含有化合物;およびそれらの組合せ)、および/またはフ
ッ化物イオン源(たとえば、フッ化物塩、フッ化物含有ガラス、フッ化物含有化合物、お
よびそれらの組合せ)などがさらに含まれていてもよい。
リン酸塩を含む歯科用組成物
いくつかの実施態様においては、本発明は、リン酸塩ならびに硬化性樹脂および/また
は水中分散可能なポリマー膜形成材を含む歯科用組成物を提供する。そのような歯科用組
成物は、直接的(たとえば、リン酸塩を硬化性樹脂または水中分散可能なポリマー膜形成
材と組み合わせることによる)または間接的(たとえば、硬化性樹脂または水中分散可能
なポリマー膜形成材の中で、リン酸塩をインサイチュで発生させることによる)、のいず
れによってでも調製することができる。リン酸塩を発生させるのに好適なインサイチュ方
法としては、たとえば、酸の中和および/またはカチオン交換反応が挙げられる。
硬化性樹脂中にリン酸塩を含む歯科用組成物としては、たとえば、歯科用接着剤、歯科
用修復材、および歯科矯正用接着剤などが挙げられる。水中分散可能なポリマー膜形成材
の中にリン酸塩を含む歯科用組成物としては、たとえば、コーティング、ワニス、シーラ
ント、プライマー、および脱感作薬などが挙げられる。本明細書において先にも記述した
いくつかの実施態様においては、リン酸塩は表面処理された充填剤の中に存在する。別な
実施態様においては、リン酸塩は表面処理された充填剤の中には存在しない。
歯科用組成物が硬化性樹脂の中にリン酸塩を含み、表面処理された充填剤の中にはリン
酸塩が存在しない実施態様においては、その歯科用組成物は、歯科用組成物の全重量を基
準にして、好ましくは少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量
%、最も好ましくは少なくとも1重量%のリン酸塩を含む。そのような実施態様において
は、その歯科用組成物は、歯科用組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で70重
量%、より好ましくは最大で50重量%、最も好ましくは最大で25重量%のリン酸塩を
含む。
歯科用組成物が水中分散可能なポリマー膜形成材の中にリン酸塩を含み、表面処理され
た充填剤の中にはリン酸塩が存在しない実施態様においては、その歯科用組成物は、歯科
用組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも0.01重量%、より好ましくは
少なくとも0.1重量%、最も好ましくは少なくとも1重量%のリン酸塩を含む。そのよ
うな実施態様においては、その歯科用組成物は、歯科用組成物の全重量を基準にして、好
ましくは最大で70重量%、より好ましくは最大で50重量%、最も好ましくは最大で2
5重量%のリン酸塩を含む。
本発明の歯科用組成物には、以下に記載するような任意の添加剤がさらに含まれていて
もよい。
本明細書に記述するように、歯科用組成物は、歯科用プライマー、歯科用接着剤、窩洞
裏装材(cavity linear)、窩洞清浄化剤(cavity cleansing agent)、セメント、コー
ティング、ワニス、歯科矯正用接着剤、修復材(restorative)、シーラント、脱感作薬
、およびそれらの組合せとして有用であり得る。
硬化性樹脂を含む歯科用組成物
本発明の歯科用組成物は、硬表面、好ましくは、象牙質、エナメル質、および骨のよう
な硬組織を処理するのに有用である。そのような歯科用組成物は、水性であっても、非水
性であってもよい。いくつかの実施態様においては、歯科材料に適用する前に、組成物を
固化させることができる(たとえば、従来からの光重合および/または化学重合の技術に
よって重合させる)。別な実施態様においては、歯科材料に適用した後に、組成物を固化
させることができる(たとえば、従来からの光重合および/または化学重合の技術によっ
て重合させる)。
本発明の方法において歯科材料および歯科用接着剤組成物として使用可能な、好適な光
重合性組成物としては、(カチオン活性な(cationically active )エポキシ基を含む)
エポキシ樹脂、(カチオン活性なビニルエーテル基を含む)ビニルエーテル樹脂、(フリ
ーラジカル活性な(free radically active)不飽和基、たとえば、アクリレートおよび
メタクリレートを含む)エチレン性不飽和(ethylenically unsaturated)化合物、およ
びそれらの組合せを挙げることができる。単一の化合物の中にカチオン活性な官能基とフ
リーラジカル活性な官能基との両方を含む重合性物質もまた適している。その例としては
、エポキシ官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。
酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物
本明細書で使用するとき、「酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物」という用語は
、エチレン性不飽和ならびに、酸および/または酸前駆体官能基を有するモノマー、オリ
ゴマー、およびポリマーを意味することが意図される。酸前駆体官能基には、たとえば、
酸無水物、酸塩化物、およびピロリン酸塩などが含まれる。
酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物としては、たとえばα,β−不飽和酸性化合
物、たとえば、グリセロールホスフェートモノ(メタ)アクリレート、グリセロールホス
フェートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(たとえば、
HEMA)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)ホスフェート、((メ
タ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)
ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)
アクリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)ホスフ
ェート、(メタ)アクリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ
オクチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)
アクリルオキシデシル)ホスフェート、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、ク
エン酸ジ−メタクリレートまたはクエン酸トリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリレ
ート化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)ア
クリレート化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリカルボキシル−
ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリレ
ート化ポリスルホネート、ポリ(メタ)アクリレート化ポリホウ酸などを、硬化性樹脂系
における成分として使用することができる。不飽和炭素酸のモノマー、オリゴマー、およ
びポリマー、たとえば(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリレート化酸(たとえば
、メタクリレート化トリメリット酸)、およびそれらの無水物もまた、使用することがで
きる。ある種の好適な本発明の組成物としては、少なくとも1個のP−OH部分を有する
、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
これらの化合物の内のある種のものは、例えば、イソシアナトアルキル(メタ)アクリ
レートとカルボン酸との間の反応生成物として得られる。酸官能基とエチレン性不飽和成
分の両方を有するこのタイプの化合物については、さらに、米国特許第4,872,93
6号明細書(エンゲルブレヘト(Engelbrecht))および米国特許第5,13
0,347号明細書(ミトラ(Mitra))にも記載がある。エチレン性不飽和と酸部
分の両方を含む、広い範囲のそのような化合物を使用することができる。所望により、そ
のような化合物の混合物を使用することもできる。
酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物の例をさらに挙げれば、たとえば、米国仮特
許出願第60/437,106号明細書(出願日2002年12月30日)に開示されて
いるような重合性ビスホスホン酸;AA:ITA:IEM(ペンダントメタクリレートを
有するアクリル酸:イタコン酸のコポリマーで、たとえば、米国特許第5,130,34
7号明細書(ミトラ(Mitra))の実施例11に記載されているようにして、AA:
ITAコポリマーを充分な量の2−イソシアナトエチルメタクリレートと反応させて、そ
のコポリマーの酸基の一部をペンダントメタクリレート基に転化させて製造したもの);
および、米国特許第4,259,075号明細書(ヤマウチ(Yamauchi)ら)、
米国特許第4,499,251号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第4,5
37,940号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第4,539,382号明
細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第5,530,038号明細書(ヤマモト(
Yamamoto)ら)、米国特許第6,458,868号明細書(オカダ(Okada
)ら)、および欧州特許出願公開第712,622号明細書(株式会社トクヤマ(Tok
uyama Corp.)および欧州特許出願公開第1,051,961号明細書(株式
会社クラレ(Kuraray Co.,Ltd.)に記載されているものがある。
本発明の組成物は、エチレン性不飽和化合物と、たとえば、米国仮特許出願第60/6
00,658号(出願日:2004年8月11日)に記載されているような酸官能基との
組合せをさらに含んでいてもよい。
本発明の組成物は、充填物無添加(unfilled)の組成物の全重量を基準にして、好まし
くは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、最も好ましくは少なくと
も5重量%の、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物を含む。本発明の組成物は、充
填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で80重量%、より好ましく
は最大で70重量%、最も好ましくは最大で60重量%の、酸官能基を有するエチレン性
不飽和化合物を含む。
酸官能基を有しないエチレン性不飽和化合物
本発明の組成物にはさらに、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物に加えて、一種
または複数の重合性成分も含み、それによって固化可能な組成物を形成させることができ
る。それらの重合性成分は、モノマー、オリゴマー、またはポリマーのいずれであっても
よい。
ある種の実施態様においては、上記組成物は光重合性であり、すなわち、その組成物に
光重合性成分と光重合開始剤(すなわち、光重合開始剤系)を含み、化学線照射を行うこ
とによって、組成物の重合(または硬化)を開始させる。そのような光重合性組成物は、
遊離基によって(free radically)重合することもできる。
ある種の実施態様においては、上記組成物は化学重合性であり、すなわち、その組成物
に化学重合性成分と化学重合開始剤(すなわち、重合開始剤系)を含み、化学線照射の照
射に依存することなく、その組成物を重合、架橋、硬化させることができる。そのような
化学重合性組成物は、「自己硬化性」組成物と呼ばれることがあり、それには、ガラスイ
オノマーセメント、樹脂変性ガラスイオノマーセメント、レドックス硬化系、およびそれ
らの組合せが含まれ得る。
本発明の組成物は、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくと
も5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも15重量
%の、酸官能基を有しないエチレン性不飽和化合物を含む。本発明の組成物は、充填物無
添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で95重量%、より好ましくは最大
で90重量%、最も好ましくは最大で80重量%の、酸官能基を有しないエチレン性不飽
和化合物を含む。
光重合性組成物
好適な光重合性組成物には、エチレン性不飽和化合物(フリーラジカル活性な不飽和基
を含む)を含む光重合性成分(たとえば、化合物)が含まれていてもよい。有用なエチレ
ン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキ
シ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、およびそれらの
組合せが挙げられる。
光重合性組成物としては、フリーラジカル活性な官能基を有する化合物を挙げることが
でき、それには、1個または複数のエチレン性不飽和基を有する、モノマー、オリゴマー
、およびポリマーが含まれ得る。好適な化合物は、少なくとも一つのエチレン性不飽和結
合を含み、付加重合することができる。そのようなフリーラジカル重合性化合物としては
以下のようなものが挙げられる:モノ−(メタ)アクリレート、ジ−(メタ)アクリレー
トまたはポリ−(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレートおよびメタクリレート)
たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレ
ート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリ
セロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタ
ントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−アクリルオキシ)]−p
−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ
)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ
)アクリレート、およびトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート
;(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルアミドおよびメタクリルアミド)たとえ
ば、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、およびジアセト
ン(メタ)アクリルアミド;ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(
好ましくは、分子量200〜500)のビス−(メタ)アクリレート、米国特許第4,6
52,274号明細書(ベッチャー(Boettcher)ら)に記載されているような
アクリレート化モノマーの共重合性混合物、米国特許第4,642,126号明細書(ゼ
ーダー(Zador)ら)に記載されているようなアクリレート化オリゴマー、および米
国特許第4,648,843号明細書(ミトラ(Mitra))に記載されているような
ポリ(エチレン性不飽和)カルバモイルイソシアヌレート;ならびにビニル化合物たとえ
ば、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペート、およ
びジビニルフタレート。その他の好適なフリーラジカル重合性化合物としては、たとえば
国際公開第00/38619号パンフレット(グッゲンベルガー(Guggenberg
er)ら)、国際公開第01/92271号パンフレット(バインマン(Weinman
n)ら)、国際公開第01/07444号パンフレット(グッゲンベルガー(Gugge
nberger)ら)、国際公開第00/42092号パンフレット(グッゲンベルガー
(Guggenberger)ら)などに開示されている、シロキサン官能性(メタ)ア
クリレート、ならびに、たとえば米国特許第5,076,844号明細書(フォック(F
ock)ら)、米国特許第4,356,296号明細書(グリフィス(Griffith
)ら)、欧州特許第0373 384号明細書(ワーゲンクネヒト(Wagenknec
ht)ら)、欧州特許第0201 031号明細書(ライナース(Reiners)ら)
、および欧州特許第0201 778号明細書(ライナース(Reiners)ら)など
に開示されている、フルオロポリマー官能性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。所
望により、フリーラジカル重合が可能な2種以上の化合物を使用することもできる。
重合性成分には、単一の分子の中に、ヒドロキシル基とフリーラジカル的に活性な官能
基とを含んでいてもよい。そのような物質の例としては、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ−またはジ−(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンモノ−またはジ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトール
モノ−、ジ−、およびトリ−(メタ)アクリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−
、テトラ−、またはペンタ−(メタ)アクリレート;および2,2−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(ビスGMA)などが
挙げられる。好適なエチレン性不飽和化合物はさらに、広い範囲の商業的入手源、たとえ
ばセントルイス(St.Louis)のシグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldri
ch)からも入手することができる。所望により、エチレン性不飽和化合物の混合物を使
用することもできる。
ある種の実施態様においては、光重合性成分としては、PEGDMA(ポリエチレング
リコールジメタクリレート、分子量約400)、ビスGMA、UDMA(ウレタンジメタ
クリレート)、GDMA(グリセロールジメタクリレート)、TEGDMA(トリエチレ
ングリコールジメタクリレート)、米国特許第6,030,606号明細書(ホルメス(
Holmes))に記載されているようなビスEMA6、およびNPGDMA(ネオペン
チルグリコールジメタクリレート)などを挙げることができる。所望により、重合性成分
を各種組み合わせて使用することができる。
フリーラジカル的に光重合性組成物を重合させるための、好適な光重合開始剤(すなわ
ち、一種または複数の化合物を含む光重合開始剤系)としては、2成分系および3成分系
が挙げられる。典型的な3成分系光重合開始剤には、米国特許第5,545,676号明
細書(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されているような、ヨードニウム
塩、光増感剤、および電子供与性化合物が含まれる。好適なヨードニウム塩は、ジアリー
ルヨードニウム塩、たとえば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、およ
びトリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。好
適な光増感剤は、400nm〜520nm(好ましくは、450nm〜500nm)の範
囲内で光を吸収する、モノケトンおよびジケトンである。より好ましい化合物は、400
nm〜520nm(さらにより好ましくは、450〜500nm)の範囲で光を吸収する
、アルファジケトンである。好適な化合物は、ショウノウキノン、ベンジル、フリル、3
,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、1−フェニル
−1,2−プロパンジオン、およびその他の1−アリール−2−アルキル−1,2−エタ
ンジオン、および環状アルファジケトンである。最も好ましいのは、ショウノウキノンで
ある。好適な電子供与性化合物としては、置換アミン、たとえば、ジメチルアミノ安息香
酸エチルが挙げられる。カチオン重合性樹脂を光重合させるのに有用なその他の好適な第
三級光重合開始剤系が、たとえば、米国特許出願公開第2003/0166737号明細
書(デデ(Dede)ら)に記載されている。
フリーラジカル的光重合性組成物を重合させるための、その他好適な光重合開始剤とし
ては、典型的には380nm〜1200nmに官能波長を有するホスフィンオキシドのタ
イプが挙げられる。380nm〜450nmに官能性波長領域を有する、好適なホスフィ
ンオキシドフリーラジカル重合開始剤は、アシルおよびビスアシルホスフィンオキシドで
あって、それらは、たとえば米国特許第4,298,738号明細書(レヒトケン(Le
chtken)ら)、米国特許第4,324,744号明細書(レヒトケン(Lecht
ken)ら)、米国特許第4,385,109号明細書(レヒトケン(Lechtken
)ら)、米国特許第4,710,523号明細書(レヒトケン(Lechtken)ら)
、および米国特許第4,737,593号明細書(エルリッヒ(Ellrich)ら)、
米国特許第6,251,963号明細書(コーラー(Kohler)ら);ならびに欧州
特許出願公開第0 173 567A2号明細書(イン(Ying))などに記載されて
いる。
380nm〜450nmよりも高い波長範囲の照射を受けて、フリーラジカル重合開始
をさせることが可能なホスフィンオキシド光重合開始剤で、市販されているものとしては
、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュ
ア(IRGACURE)819、ニューヨーク州タリータウン(Tarrytown,N
Y)のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemi
cals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペン
チル)ホスフィンオキシド(CGI403、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Cib
a Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で25:75の混合物(イルガキュア(I
RGACURE)1700、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Speci
alty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニ
ルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
との重量で1:1の混合物(ダロキュア(DAROCUR)4265、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、および、
2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィン酸エチル(ルシリン(LUCIRI
N)LR8893X、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte,NC)の
BASF・コーポレーション(BASF Corp.))などが挙げられる。
典型的には、ホスフィンオキシド重合開始剤は光重合性組成物中に、触媒量として有効
な量、たとえば、組成物の全重量を基準にして0.1重量パーセント〜5.0重量パーセ
ントの量で存在させる。
アシルホスフィンオキシドと組み合わせて、第三級アミン還元剤を使用することも可能
である。本発明において有用な第三級アミンの例としては、4−(N,N−ジメチルアミ
ノ)安息香酸エチル、およびメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルなどが挙げられ
る。アミン還元剤を存在させる場合には、その量は、光重合性組成物の中に、組成物の全
重量を基準にして0.1重量パーセント〜5.0重量パーセントの量である。その他の重
合開始剤の有用な使用量は、当業者には周知である。
化学重合性組成物
化学重合性組成物としては、重合性成分(たとえば、エチレン性不飽和重合性成分)お
よび、酸化剤と還元剤とを含むレドックス反応剤を含む、レドックス硬化系を挙げること
ができる。本発明において有用な、好適な重合性成分、レドックス剤、任意成分の酸官能
性成分および任意成分の充填剤は、米国特許出願公開第2003/0166740号明細
書(ミトラ(Mitra)ら)および米国特許出願公開第2003/0195273号明
細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている。
これらの還元剤および酸化剤は、互いに反応するか、そうでなければ相互に作用して、
樹脂系(たとえば、エチレン性不飽和成分)の重合を開始させることが可能なフリーラジ
カルを発生するものでなければならない。このタイプの硬化反応は、暗反応であって、す
なわち、光の存在には依存せず、光が無い状態でも進行する。この還元剤および酸化剤は
、充分な貯蔵安定性を有していて、望ましくない着色が無く、典型的な歯科条件下で貯蔵
・使用が可能であるのが好ましい。それらは、樹脂系との間に充分な混和性を有し(かつ
、好ましくは水溶性であって)、重合性組成物の他の成分の中に容易に溶解するような(
そして、それから分離しない)ものであるべきである。
有用な還元剤の例を挙げれば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、および米国特
許第5,501,727号明細書(ワン(Wang)ら)に記載がある金属錯体化アスコ
ルビン酸化合物;アミン、特に第三級アミン、たとえば4−tert−ブチルジメチルア
ニリン;芳香族スルフィン酸塩、たとえばp−トルエンスルフィン酸塩およびベンゼンス
ルフィン酸塩;チオ尿素、たとえば1−エチル−2−チオ尿素、テトラエチルチオ尿素、
テトラメチルチオ尿素、1,1−ジブチルチオ尿素、および1,3−ジブチルチオ尿素;
ならびにそれらの混合物などがある。その他の二次的な還元剤としては、塩化コバルト(
II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依
存)、亜ジチオン酸または亜硫酸アニオンの塩、およびそれらの混合物などが挙げられる
。還元剤がアミンであるのが好ましい。
好適な酸化剤もまた当業者には馴染みのあるもので、過硫酸およびそれらの塩、たとえ
ば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、およびアルキルアンモニウムの塩
などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。さらなる酸化剤を挙げれば、ペル
オキシドたとえばベンゾイルペルオキシド、ヒドロペルオキシドたとえばクミルヒドロペ
ルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドおよびアミルヒドロペルオキシド、さらには
遷移金属の塩、たとえば塩化コバルト(III)および塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV
)、過ホウ酸およびそれらの塩、過マンガン酸およびそれらの塩、過リン酸およびそれら
の塩、ならびにそれらの混合物などがある。
2種以上の酸化剤または2種以上の還元剤を使用するのが望ましい。少量の遷移金属化
合物を添加して、レドックス硬化速度を加速させてやることも可能である。いくつかの実
施態様においては、米国特許出願公開第2003/0195273(ミトラ(Mitra
)ら)に記載があるように、重合性組成物の安定性を向上させる目的で、第二級イオン性
塩を含むのが好ましい。
還元剤および酸化剤は、充分なフリーラジカル反応速度を与えるような量で存在させる
。このことは、任意成分の充填剤を除いて、重合性組成物の成分を全部組み合わせて、硬
化物が得られるかどうかを観察することによって、評価することができる。
還元剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは少なく
とも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%の量で存在させる。還元剤
は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは10重量%以下
、より好ましくは5重量%以下の量で存在させる。
酸化剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは少なく
とも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.10重量%の量で存在させる。酸化
剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは10重量%以
下、より好ましくは5重量%以下の量で存在させる。
それらの還元剤または酸化剤は、米国特許第5,154,762号明細書(ミトラ(M
itra)ら)に記載されているように、マイクロカプセル化しておいてもよい。こうす
ると、一般的には重合性組成物の貯蔵安定性が向上し、必要に応じて、還元剤と酸化剤を
一緒に包装することも可能となる。たとえば、カプセル化材料に適切なものを選択するこ
とによって、酸化剤と還元剤を、酸官能性成分と任意成分の充填剤と組み合わせることが
可能となり、貯蔵するのに安定な状態で保存することができる。同様にして、水溶性のカ
プセル化材料を適切に選択することによって、還元剤と酸化剤をFASガラスおよび水と
組み合わせることが可能となり、貯蔵安定性のある状態で保存することができる。
米国特許第5,154,762号明細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている
ように、レドックス硬化系を、他の硬化系たとえば光重合性組成物と組み合わせることも
可能である。
いくつかの実施態様においては、硬化性樹脂を含む本発明の歯科用組成物を硬化させて
、歯冠、充填物、ミルブランク(mill blank)、歯科矯正器具、および義歯からなる群よ
り選択される歯科用物品を製作することができる。
水中分散可能なポリマー膜形成材
いくつかの実施態様においては、本明細書に記載される水中分散可能なポリマー膜形成
材には、本明細書において以下に示すような、極性基または極性化が可能な基を含む繰り
返し単位が含まれる。ある種の実施態様においては、水中分散可能なポリマー膜形成材に
はさらに、本明細書において以下に示すような、フルオリド放出基を含む繰り返し単位、
疎水性炭化水素基を含む繰り返し単位、グラフトポリシロキサン鎖を含む繰り返し単位、
疎水性フッ素含有基を含む繰り返し単位、変性基を含む繰り返し単位、またはそれらの組
合せを含む。いくつかの実施態様においては、場合によっては、そのポリマーに、反応性
基(たとえば、エチレン性不飽和基、エポキシ基、または縮合反応に与ることが可能なシ
ラン残基)が含まれる。水中分散可能なポリマー膜形成材の例は、たとえば下記の特許に
開示されている:米国特許第5,468,477号明細書(クマール(Kumar)ら)
、米国特許第5,525,648号明細書(アアセン(Aasen)ら)、米国特許第5
,607,663号明細書(ロッジ(Rozzi)ら)、米国特許第5,662,887
号明細書(ロッジ(Rozzi)ら)、米国特許第5,725,882号明細書(クマー
ル(Kumar)ら)、米国特許第5,866,630号明細書(ミトラ(Mitra)
ら)、米国特許第5,876,208号明細書(ミトラ(Mitra)ら)、米国特許第
5,888,491号明細書(ミトラ(Mitra)ら)、および米国特許第6,312
,668号明細書(ミトラ(Mitra)ら)。
極性基または極性化が可能な基を含む繰り返し単位は、ビニル性モノマーたとえば、ア
クリレート、メタクリレート、クロトネート、イタコネートなどから誘導される。それら
の極性基は、酸、塩基、塩のいずれであってもよい。それらの基はさらに、イオン性であ
っても、中性であってもよい。
極性基または極性化が可能な基の例としては、中性な基たとえば、ヒドロキシ、チオ、
置換および非置換のアミド、環状エーテル(たとえば、オキサン、オキセタン、フラン、
およびピラン)、塩基性基(たとえば、ホスフィンおよび第一級、第二級、第三級アミン
を含めたアミン)、酸性基(たとえば、C、S、P、Bのオキシ酸、およびチオオキシ酸
)、イオン性基(たとえば第四級アンモニウム、カルボキシレート塩、スルホン酸塩など
)、ならびに、それらの基の前駆体および保護された形などが挙げられる。さらには、極
性基または極性化が可能な基がマクロモノマーであってもよい。そのような基のさらなる
具体例を以下に示す。
極性基または極性化が可能な基は、次の一般式によって表される分子を含む単官能また
は多官能のカルボキシル基から誘導することができる:
CH2=CR2G−(COOH)d
ここで、R2はH、メチル、エチル、シアノ、カルボキシまたはカルボキシメチルであり
、dは1〜5であり、そしてGは単結合であるかまたは、原子価がd+1であり、場合に
よっては置換または非置換のヘテロ原子(たとえばO、S、NおよびP)で置換されるか
、それらにより中断されていてもよい、1〜12個の炭素原子を含むヒドロカルビルラジ
カル結合基である。場合によっては、この単位が塩の形で与えられていてもよい。このタ
イプの好適なモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、およびN−アクリロ
イルグリシンである。
極性基または極性化が可能な基は、たとえば、次の一般式によって表される分子を含む
単官能または多官能のヒドロキシ基から誘導することができる:
CH2=CR2−CO−L−R3−(OH)d
ここで、R2はH、メチル、エチル、シアノ、カルボキシまたはカルボキシアルキル、L
はO,NHであり、dは1〜5であり、R3は、1〜12個の炭素原子を含む、原子価d
+1のヒドロカルビルラジカルである。このタイプの好適なモノマーは、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシメ
チル)エタンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−
ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、
およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドである。
極性基または極性化が可能な基は、それらに代えて、次の一般式の分子を含む単官能ま
たは多官能のアミノ基から誘導することができる:
CH2=CR2−CO−L−R3−(NR45d
ここで、R2、L、R3、およびdは上で定義されたものであり、R4およびR5はHもしく
は1〜12個の炭素原子のアルキル基であるか、またはそれらが合体して、炭素環または
複素環基を形成している。このタイプの好適なモノマーは、アミノエチル(メタ)アクリ
レート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、および4−メチル−1−アクリロイル−ピペラジンである。
極性基または極性化が可能な基はさらに、アルコキシ置換された(メタ)アクリレート
もしくは(メタ)アクリルアミド、たとえばメトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(
メタ)アクリレートまたはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートから誘導
してもよい。
極性基または極性化が可能な基単位は、下記の一般式の置換または非置換のアンモニウ
ムモノマーから誘導してもよい:
Figure 2013151545
ここで、R2、R3、R4、R5、Lおよびdは上で定義されたものであり、R6はHまたは
1〜12個の炭素原子のアルキルであり、Q-は有機または無機アニオンである。そのよ
うなモノマーの好適な例としては、2−N,N,N−トリメチルアンモニウムエチル(メ
タ)アクリレート、2−N,N,N−トリエチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレー
ト、3−N,N,N−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリレート、N(2−
N’,N’,N’−トリメチルアンモニウム)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジ
メチルヒドロキシエチルアンモニウム)プロピル(メタ)アクリルアミド、またはそれら
の組合せであるが、ここでその対イオンとしてはフルオリド、クロリド、ブロミド、アセ
テート、プロピオネート、ラウレート、パルミテート、ステアレート、またはそれらの組
合せが挙げられる。さらに、そのモノマーが、有機または無機対イオンのN,N−ジメチ
ルジアリルアンモニウム塩であってもよい。
アンモニウム基含有ポリマーは、極性基であるかまたは極性化が可能な基として、上述
のアミノ基含有モノマーのいずれかを用い、有機または無機酸を用いてそうして得られた
ポリマーを酸性化して、ペンダントされたアミノ基を実質的にプロトン化するようなpH
とすることにより、調製することもできる。全面的に置換されたアンモニウム基含有ポリ
マーは、アルキル化基を用いて上述のアミノポリマーをアルキル化することにより得るこ
とができるが、その方法はメンシュトキン(Menschutkin)反応として当業者
には一般的に知られている。
極性基または極性化が可能な基は、スルホン酸基含有モノマー、たとえばビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリ
ルオキシベンゼンスルホン酸などから誘導することも可能である。別な方法として、極性
基であるかまたは極性化が可能な基を、亜リン酸またはホウ酸基含有モノマーから誘導し
てもよい。それらのモノマーは、モノマーとしてはプロトン化された酸の形で使用し、有
機または無機塩基を用いて得られた対応ポリマーを中和して、塩の形のポリマーを得ても
よい。
極性基であるかまたは極性化が可能な基の好適な繰り返し単位としては、アクリル酸、
イタコン酸、N−イソプロピルアクリルアミド、またはそれらの組合せが挙げられる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、フルオリド放出基を含む繰り返し単位をさらに含む。好適なフルオリド放出基
は、テトラフルオロボレートアニオンであって、たとえば米国特許第4,871,786
号明細書(アアセン(Aasen)ら)に開示されている。フッ化物放出基の好適な繰り
返し単位には、トリメチルアンモニウムメチルメタクリレートが含まれる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、疎水性炭化水素基を含む繰り返し単位をさらに含む。疎水性炭化水素基の一例
は、160より高い重量平均分子量を有する、エチレン性不飽和予備形成(prefor
med)炭化水素残基から誘導される。その炭化水素残基が少なくとも160の分子量を
有しているのが好ましい。その炭化水素残基は、好ましくは最大で100,000、より
好ましくは最大で20,000の分子量を有している。その炭化水素残基は、本質的に芳
香族であっても非芳香族であってもよく、場合によっては部分的または全面的に飽和され
た環を含んでいてもよい。好適な疎水性炭化水素残基は、ドデシルおよびオクタデシルア
クリレートおよびメタクリレートである。その他の好適な疎水性炭化水素残基としては、
重合性炭化水素、たとえばエチレン、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトル
エン、およびメチルメタクリレートから調製した、所望の分子量を有するマクロモノマー
が挙げられる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、疎水性フッ素含有基を含む繰り返し単位をさらに含む。疎水性フッ素含有基の
繰り返し単位の例としては、以下のものが挙げられる:1,1−ジヒドロペルフルオロア
ルカノールおよび同族体のアクリル酸もしくはメタクリル酸エステル:CF3(CF2x
CH2OHおよびCF3(CF2x(CH2yOH(ここで、xは0〜20であり、yは少
なくとも1から最高10までである);ω−ヒドロフルオロアルカノール(HCF2(C
2x(CH2yOH)(ここでxは0〜20であり、yは少なくとも1から最高10ま
でである);フルオロアルキルスルホンアミドアルコール;環状フルオロアルキルアルコ
ール;およびCF3(CF2CF2O)q(CF2O)x(CH2yOH(ここで、qは2〜2
0でxよりも大きく、xは0〜20であり、そしてyは少なくとも1から最高10までで
ある)。
疎水性フッ素含有基の好ましい繰り返し単位としては、2−(メチル(ノナフルオロブ
チル)スルホニル)アミノ)エチルアクリレート、2−(メチル(ノナフルオロブチル)
スルホニル)アミノ)エチルメタクリレート、またはそれらの組合せが挙げられる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、グラフトポリシロキサン鎖を含む繰り返し単位をさらに含む。そのグラフトポ
リシロキサン鎖は、エチレン性不飽和予備形成オルガノシロキサン鎖から誘導される。そ
の単位の分子量は通常、500より大である。グラフトポリシロキサン鎖の好適な繰り返
し単位には、シリコーンマクロマーが含まれる。
本発明のグラフトポリシロキサン鎖を得るために使用されるモノマーは、単一の官能基
(ビニル、エチレン性不飽和、アクリロイル、またはメタクリロイル基)を有する末端官
能性ポリマーであり、時にマクロモノマーまたは「マクロマー」と呼ばれることもある。
そのようなモノマーは公知であって、たとえば米国特許第3,786,116号明細書(
ミルコビッチ(Milkovich)ら)および米国特許第3,842,059号明細書
(ミルコビッチ(Milkovich)ら)に開示されている方法によって、調製するこ
とができる。ポリジメチルシロキサンマクロモノマーの調製と、それに続くビニルモノマ
ーとの共重合については、Y.ヤマシタ(Y.Yamashita)らによるいくつかの
報文に記載されている[ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)、14、913
(1982);エイ・シー・エス・ポリマー・プレプリンツ(ACS Polymer
Preprints)、25(1)、245(1984);マクロモレキュラー・ヘミー
(Makromol.Chem.)、185、9(1984)]。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、変性基を含む繰り返し単位をさらに含む。変性基はたとえば、アクリレートま
たはメタクリレートまたはその他のビニル重合性出発モノマーから誘導され、場合によっ
ては、ガラス転移温度、キャリヤ媒体中への溶解性、親水性−疎水性バランスなどのよう
な性質を変性させるための官能基を含む。
変性基の例としては、1〜12個の炭素の直鎖状、分岐状または環状アルコールの、低
級または中級のメタクリル酸エステルが挙げられる。変性基のその他の例を挙げれば、ス
チレン、ビニルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロイルモノマーなどがあ
る。
好適な膜形成材は、アクリレート系のコポリマーおよびウレタンポリマー、たとえばア
バルア(AVALURE)シリーズの化合物(たとえば、AC−315およびUR−45
0)、ならびにカルボマー系のポリマー、たとえばカルボポール(CARBOPOL)シ
リーズのポリマー(たとえば、940NF)であるが、それらはすべて、オハイオ州クリ
ーブランド(Cleveland,OH)のノベオン・インコーポレーテッド(Nove
on Inc.)から入手可能である。
任意成分の添加剤
場合によっては、本発明の組成物には溶媒を含んでいてもよく、その溶媒としてはたと
えば、アルコール(たとえば、プロパノール、エタノール)、ケトン(たとえば、アセト
ン、メチルエチルケトン)、エステル(たとえば、酢酸エチル)、その他の非水溶媒(た
とえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メ
チル−2−ピロリジノン))、および水などが挙げられる。
所望により、本発明の組成物には、指示薬、染料、顔料、禁止剤、加硫促進剤、粘度変
性剤、濡れ剤、酒石酸、キレート剤、緩衝液、安定剤、およびその他当業者には自明の同
様の成分などの、添加剤を含んでいてもよい。それらに加えて、場合によっては医薬品ま
たは治療用薬剤をその歯科用組成物に加えることもできる。そのような例としては、歯科
用組成物において頻用されるタイプの、フルオリド源、白化剤、齲蝕予防薬(たとえば、
キシリトール)、カルシウム源、リン源、再石灰化薬(たとえば、リン酸カルシウム化合
物)、酵素、口臭防止薬(breath freshener)、麻酔薬、凝結薬、酸中
和剤、化学療法薬、免疫応答変性薬、チキソ剤、ポリオール、抗炎症薬、抗菌薬、抗真菌
薬、口内乾燥症治療薬、脱感作薬などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
上記の添加剤はどのように組み合わせて使用してもよい。そのような添加剤のどれを選択
して、どれだけの量で使用するかは、当業者ならば選択することが可能で、余分な実験を
しなくても、目的の結果を達成することができる。
使用方法
本発明の組成物を使用する方法の例は、実施例に示す。本発明のいくつかの実施態様に
おいては、歯構造を処置するために、本発明の歯科用組成物を歯構造に接触させることが
できる。いくつかの実施態様においては、本発明による歯科用組成物を口腔環境の中に置
くことによって、再石灰化、知覚過敏の抑制、および/または歯構造の保護の効果を得る
ことができる。好ましい実施態様においては、本発明による歯科用組成物を口腔環境の中
に置くことによって、口腔環境へイオン(たとえば、カルシウムイオン、リンイオン、お
よび/またはフッ素含有イオン)を送達する。
本発明の目的と利点を以下の実施例によりさらに説明するが、これらの実施例で用いる
具体的な物質やその量、さらにはその他の条件および詳細が本発明を限定する、と考える
のは不当である。特に断らない限り、すべての部とパーセントは重量基準であり、水はす
べて脱イオン水であり、分子量はすべて重量平均分子量である。
試験方法
圧縮強さ(CS)試験方法
試験サンプルの圧縮強さは、ANSI/ASA規格No.27(1993)に従って測
定した。サンプルを4mm(内径)ガラスチューブの中に充填し;シリコーンゴムのプラ
グを用いてそのチューブに栓をし;次いでそのチューブを軸方向に、約0.28MPaで
5分間圧縮した。次いでそのサンプルの両側の面に配したビジルックス(VISILUX
)モデル2500ブルー・ライト・ガン(スリー・エム・カンパニー(3M Co.)、
ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN))に90秒間露光させて光硬化させ、
次いでデンタカラー(Dentacolor)XSユニット(独国、クルツアー・インコ
ーポレーテッド(Kulzer Inc.)の中で、180秒間照射させた。ダイヤモン
ドソーを用いて硬化させたサンプルを切断して、圧縮強さを測定するための、長さ8mm
の円筒状プラグを作成した。そのプラグを、試験の前24時間、37℃の蒸留水中に保存
しておいた。測定は、インストロン(Instron)試験機(インストロン(Inst
ron)4505、インストロン・コーポレーション(Instron Corp.)、
マサチューセッツ州カントン(Canton,MA))で、10キロニュートン(kN)
ロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm/分で実施した。硬化させたサンプルの5本
の円筒を調製して測定し、その5個の測定の平均値として、結果をMPaの単位で報告し
た。
直径引張強さ(DTS)試験方法
試験サンプルの直径引張強さは、ANSI/ASA規格No.27(1993)に従っ
て測定した。サンプルはCS試験方法における記載と同様にして調製したが、ただし、D
TS測定のためには、硬化させたサンプルを次いで厚み2.2mmの円板に切断した。上
述と同様にしてその円板を水中に保存しておき、インストロン(Instron)試験機
(インストロン(Instron)4505、インストロン・コーポレーション(Ins
tron Corp.))で、10(kN)ロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm
/分で測定した。硬化させたサンプルの5枚の円板を調製して測定し、その5個の測定の
平均値として、結果をMPaの単位で報告した。
作業時間(WT)試験方法
混合したセメントを固化させるための作業時間は、以下の手順に従って測定した。器具
およびペーストは、使用前に定温定湿度(22℃、50%RH)の室内に保存しておき、
測定手順も同じ室内で実施した。スパチュラを用いパッドの上で、AおよびBベースを定
められた量で25秒間混合し、得られた混合組成物サンプルを、8cm×10cmのプラ
スチックブロックの半円筒形のトラフ断面(長さ8cm、幅1cm、深さ3mm)に移し
替えた。1:00分の時点では、30秒ごとにボールペン(直径1mm)の溝付け具を用
いて、トラフを横切る方向で垂直な溝を作り;2:00分の時点では、15秒ごとに溝を
作り;そして作業時間の終点に近づいたら、10秒ごとに溝を作った。作業時間の終点は
、セメントサンプルの塊状物が溝付け具と共に移動するようになった時点とした。作業時
間は、2〜3回の測定の平均値として報告した。
スペクトル的乳白度(Spectral Opacity)(SO)試験方法
ASTM−D2805−95に修正を加えて、厚み約1.0mmの歯科材料のスペクト
ル的乳白度を測定した。円板状の、厚み1mm×直径20mmのサンプルを、円板の両側
から6mmの距離で、スリー・エム・ビジルックス(3M Visilux)−2歯科用
硬化光源からの照明に60秒間露光させることにより、硬化させた。それらの円板のY−
三刺激値を、3/8インチ開口部を有するウルトラスキャン・XE・カラリメーター(U
ltrascan XE Colorimeter)(ハンター・アソシエーツ・ラボズ
(Hunter Associates Labs)、バージニア州レストン(Rest
on,VA))により、白色および黒色の背景で別々に測定した。すべての測定において
、D65光源をフィルターなしで使用した。視角10度を用いた。白色および黒色の基材
に対するY−三刺激値はそれぞれ、85.28および5.35であった。スペクトル的乳
白度は、黒色基材における物質の反射率の、白色基材における同一の物質の反射率に対す
る比として計算される。反射率は、Y−三刺激値に等しいと定義される。したがって、ス
ペクトル的乳白度=RB/RWであり、ここでRB=黒色基材上での円板の反射率、RW=白
色基材上での同一の円板の反射率、である。スペクトル的乳白度は無単位数である。スペ
クトル的乳白度が低いほど、視覚的乳白度が低く、物質の半透明度性が高いことを示す。
視覚的乳白度(visual opacity)(マクベス値(MacBeth Val
ue))試験方法
円板形状(厚み1mm×直径15mm)のペーストサンプルを、円板の両面から6mm
の距離で、ビジルックス(VISILUX)2硬化用光源(スリー・エム・カンパニー(
3M Company)、ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN))からの照
明に60秒間露光させることにより、硬化させた。硬化させたサンプルについて、円板の
厚みを通過する光の透過率を測定することによって、直接光透過率を測定したが、それに
は、マクベス(MacBeth)(マクベス(MacBeth)、ニューヨーク州ニュー
バーグ(Newburgh,NY))から入手可能の、可視光フィルター付きのマクベス
(MacBeth)透過デンシトメーターモデルTD−903を使用した。マクベス値(
MacBeth Value)が低いほど、視覚的乳白度が低く、物質の半透明度性が高
いことを示す。報告する値は、3個の測定の平均値である。
バーコル(Barcol)硬度試験方法
硬化させた後の硬度は、バーコル・ハードネス(Barcol Hardness)メ
ーター(モデルGYZJ−935;バーバー・コールマン・インコーポレーテッド(Ba
rber Coleman Inc.)、イリノイ州ラブズ・パーク(Loves Pa
rk,IL))を使用して測定したが、そのメーターは、メーターに付属の一連の較正用
ディスクを用いて性能が一定に保てるようチェックした。サンプル物質を、深さ2mmの
テフロン(登録商標)(Teflon)型の中の直径5mmの球状切欠の中に充填した。
型の両面にはマイラー(Mylar)フィルムを使用して、型に完全に充填されるように
し、サンプルは型の表面からあふれさせた。次いでそのサンプルを60秒間光硬化させ、
周囲条件に5分間置いてから、測定器の指示に従って硬度試験を行った。
象牙質に対する接着性(AD)およびエナメル質に対する接着性(AE)の試験方法
象牙質に対する接着性およびエナメル質に対する接着性は、米国特許第6,613,8
12号明細書(ビュイ(Bui)ら)に記載の手順に従って測定したが、ただし、光硬化
の露光時間を20秒とし、またスリー・エム・Z100・レストラティブ(3M Z10
0 Restorative)に代えて、スリー・エム・イー・エス・ピー・イー・フィ
ルテック(3M ESPE Filtek)Z250コンポジットを使用した。
X線回折(XRD)試験方法
試験サンプルを炭化ホウ素乳鉢中でムーリングし、エタノールスラリーとして、ゼロバ
ックグラウンドサンプルホルダー(石英挿入アルミニウムホルダー)に塗布した。反射の
幾何学的データは、フィリップス(Philips)垂直回折計、銅Kα線源、散乱放射
線比例検出器レジストリーを用いた検査スキャンの形で集積した。存在している結晶相に
ついての微結晶粒径(D)は、ピアソン(Pearson)VIIピーク形状モデルを使
用し、最大値の半分のところでの全幅として機器による広がりを補正した後に観察される
ピーク幅から計算したが、これはα1/α2分離に相当する。
カルシウムイオンおよびリンイオン放出(CIR)試験方法
円板状の、厚み1mm×直径20mmのサンプルを、円板の両側から6mmの距離で、
スリー・エム・XL・3000(3M XL3000)歯科用硬化光源からの照明に60
秒間露光させることにより、硬化させた。円板を37℃のHEPES−緩衝溶液中に保存
し、その溶液を定期的に交換し、そのイオン含量をパーキン・エルマー・3300DV・
オプティマ・ICP(Perkin−Elmer 3300DV Optima ICP
)ユニットでの誘導結合プラズマ分光光度法(ICP)によるか、またはカルシウム選択
電極により、測定した。その緩衝溶液の組成は、1000gの脱イオン水、3.38gの
NaCl、および15.61gのHEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N
’−2−エタンスルホン酸)であった。イオン放出速度(マイクログラム(イオン)/g
(円板)/日)は、溶液の全イオン含量(濃度×溶液容積)を、初期円板重量と、緩衝溶
液を最後に交換してからの経過時間(日)とで割り算することにより計算した。
象牙質の再石灰化の試験方法
この方法は、「サーフェス・モジュレーション・オブ・デンタル・ハード・ティッシュ
ーズ(Surface Modulation of Dental Hard Tis
sues)」(D.タントビロン(D.Tantbirojn)、博士論文、ミネソタ大
学(University of Minnesota)、1998)の記載に従って実
施したが、以下の変更を加えた。エナメル質に代えて象牙質を使用し、その脱灰溶液は、
NaFからの0.1ppmのF-、CaCl2からの1.5mMのCa+2、KH2PO4から
の0.9mMのPO4 -3、50mMの酢酸を含み、1MのKOHを用いてpHを5.0に
調節したが、その鉱物質含量は、マイクロラジオグラフの定量的画像解析により測定した
象牙質における脱灰抵抗性の試験方法
この方法は、「サーフェス・モジュレーション・オブ・デンタル・ハード・ティッシュ
ーズ(Surface Modulation of Dental Hard Tis
sues)」(D.タントビロン(D.Tantbirojn)、博士論文、ミネソタ大
学(University of Minnesota)、1998)の記載に従って実
施したが、以下の変更を加えた。エナメル質に代えて象牙質を使用し、その脱灰溶液は、
NaFからの0.1ppmのF-、CaCl2からの1.5mMのCa+2、KH2PO4から
の0.9mMのPO4 -3、50mMの酢酸を含み、1MのKOHを用いてpHを5.0に
調節したが、そのサンプルに近接する酸腐蝕の程度を、マイクロラジオグラフから定量的
に分類した。
Figure 2013151545
Figure 2013151545
出発物質の調製
6−メタクリロイルオキシヘキシルホスフェート(MHP)
6−ヒドロキシヘキシルメタクリレートの合成:1,6−ヘキサンジオール(1000
.00g、8.46mol、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))を
、機械的撹拌器とそのフラスコに乾燥空気を吹き込むための細いチューブとを取り付けた
1リットルの三口フラスコの中に入れた。固形のジオールを加熱して90℃とすると、そ
の温度ではすべての固形物が溶融した。撹拌を続けながら、p−トルエンスルホン酸結晶
(18.95g、0.11mol)に続けて、BHT(2.42g、0.011mol)
およびメタクリル酸(728.49.02g、8.46mol)を添加した。撹拌を続け
ながら90℃で5時間加熱したが、その間、反応時間が30分経過する毎に5〜10分ず
つ、水道水のアスピレーターで減圧にした。加熱を止めて、反応混合物を冷却して室温と
した。得られた粘稠な液体を、10%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて2回(2×240
mL)洗浄し、次いで水を用いて(2×240mL)洗浄し、最後に飽和NaCl水溶液
100mLを用いて洗浄した。得られた油状物を、無水のNa2SO4を用いて乾燥させて
から、真空濾過により単離すると1067g(67.70%)の6−ヒドロキシヘキシル
メタクリレートが黄色油状物として得られた。この目的の反応生成物には、15〜18%
の1,6−ビス(メタクリロイルオキシヘキサン)が同伴していた。化学的な同定はNM
R分析により行った。
6−メタクリロイルオキシヘキシルホスフェート(MHP)の合成:機械的撹拌器を取
り付けた1リットルのフラスコの中で、N2雰囲気下で、P410(178.66g、0.
63mol)と塩化メチレン(500mL)を混合することにより、スラリーを形成させ
た。フラスコを氷浴(0〜5℃)中で15分間冷却させた。撹拌を続けながら、6−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート(962.82g(3.78molのモノ−メタクリレー
トと、上述のような副生物としてのそのジメタクリレートを含む)をフラスコの中に、2
時間かけて徐々に添加した。添加が完了してから、その混合物を氷浴の中で1時間、次い
で室温で2時間撹拌した。BHT(500mg)を加えてから、温度を上げて45分間還
流(40〜41℃)させた。加熱を止めて、その混合物を放冷して室温とした。溶媒を真
空下で除去すると、1085g(95.5%)の6−メタクリロイルオキシヘキシルホス
フェート(MHP)が黄色の油状物として得られた。化学的な同定はNMR分析により行
った。
ストロンチウムグリセロホスフェート
脱イオン水中38.1重量%SrCl2(無水)溶液(32.0g)を、脱イオン水中
34重量%SGP溶液(73.6g)に添加した。完全に混合してから、その溶液をガラ
ストレイ中90℃で8時間乾燥させると、柔らかいケーキ状の粉末が得られたので、次い
でそれを乳鉢と乳棒を用いて摩砕すると、ストロンチウムグリセロホスフェートの粉末が
得られた。
亜鉛グリセロホスフェート
脱イオン水中59重量%ZnCl2(無水)溶液(19.5g)を、脱イオン水中34
重量%SGP溶液(80.6g)に添加した。完全に混合してから、得られた溶液の41
.3gを48.1gのエタノールと混合すると、ミルク状の白色ゾルが生成し、それは4
時間の内に分離して二つの液状部分となったので、その低粘度で透明な上澄みを、底部の
高粘度、シロップ状のわずかに濁りのある部分から、デカントにより分離した。この底部
の部分を90℃で8時間乾燥させると、亜鉛グリセロホスフェートが薄くもろいフレーク
として得られた。
銀グリセロホスフェート
脱イオン水中27重量%AgNO3溶液(24.1g)を、脱イオン水中34重量%S
GP溶液(56.3g)に添加し、完全に混合させた。4時間撹拌した後で、その上澄み
をデカントで除き、粉末状の沈殿物を回収し、それを空気中で3日かけて乾燥させ、次い
で乳鉢と乳棒で摩砕すると、銀グリセロホスフェートの粉末が得られた。
ジルコニウムグリセロホスフェート
ジルコニルアセテート(19.7g;マグネシウム・エレクトロン・インコーポレーテ
ッド(Magnesium Elektron Inc.)、ニュージャージー州フレミ
ントン(Flemington,NJ))を、脱イオン水中34重量%SGP溶液(66
.3g)に添加し、完全に混合させた。得られた溶液を90℃で4時間乾燥させ、次いで
50℃で8時間さらに乾燥させると、薄くもろいフレークが得られたので、次いでそれを
乳鉢と乳棒を用いて摩砕すると、ジルコニウムグリセロホスフェートの粉末が得られた。
樹脂A、B、C、およびD
表1に示した成分を組み合わせることによって、樹脂A、B、C、およびDを調製した
Figure 2013151545
実施例1A〜J
CGP水性組成物
CGP粉末を、2重量%および10重量%の濃度でビトレマー・レジン(Vitrem
er Resin)に溶解させると、透明で均質な樹脂組成物(それぞれ実施例1Aおよ
び1B)が生成した。いずれの組成物も、周囲条件下で8ヶ月経過後でも透明、均質で、
沈殿物の存在やゲル化は起きなかった。実施例1Bの硬化させた円板を、本明細書に記載
の試験方法により、粉末X線回折(XRD)にかけると、結晶相は認められず、d≒5.
0Åに非晶質物質特有のブロードなピークが存在した。入手したままのCGPについての
粉末XRDパターンでは、CGPが、140Åの見かけ微結晶粒径と少量(約5%)の未
同定相を伴う、主たる結晶相として存在していることが判った。
CGP粉末を、4重量%および10重量%の濃度で樹脂Bに溶解させると、透明で均質
な樹脂組成物(それぞれ実施例1Cおよび1D)が生成した。実施例1Dの屈折率(アッ
ベ屈折計で測定)は1.4560であったが、それに対して樹脂Bは1.449であった
CGP粉末を樹脂Bに濃度25重量%で溶解させると、透明で均質な樹脂組成物(実施
例1E)が得られた。その組成物は、樹脂Bよりもはるかに高粘度であることが観察され
た。
CGP粉末を、ビトレマー・レジン(Vitremer Resin)および樹脂Cと
、それぞれの濃度55重量%でコンパウンディングして、粘稠なペースト組成物(それぞ
れ実施例1Fおよび1G)を形成させた。実施例1Fおよび1Gのスペクトル的乳白度の
値(本明細書に記載の試験方法により測定)は、それぞれ16.6および76.0であっ
た。
樹脂B中CGP(4重量%)の樹脂(18.3g)を、ビトレマー・レジン(Vitr
emer Resin)中Na2FPO3(アルファ・アエサル(Alfa Aesar)
、マサチューセッツ州ワード・ヒル(Ward Hill,MA))(10重量%)の樹
脂(7.2g)とブレンドして、2.9%のCGPと2.8%のNa2FPO3を含む透明
で均質な樹脂組成物(実施例1H)を形成させた。その組成物は、周囲条件下で6ヶ月を
超えても、透明、均質で流体を保っていることが観察された。
CGP(10重量%)とNaPF6(アルファ・アエサル(Alfa Aesar))
(3重量%)を樹脂Bの中でブレンドして、透明で均質な樹脂組成物(実施例1I)を形
成させた。
CGP(8重量%)を、脱イオン水中Na2FPO3(12%)の溶液にブレンドして、
多少大きな粒(これは沈降した)を含む白色で安定な分散体(実施例1J)を形成させた
実施例1H〜1Jは、カルシウムおよびフッ化物を高いレベルで共溶解させることで、
CGPを含む安定な水性組成物を得ることが可能であることを、示している。
実施例2〜4および比較例1〜2
CGPを含むRMGI組成物
CGPを含む液状樹脂組成物(実施例1A、1C、および1D)をビトレボンド・パウ
ダー(Vitrebond Powder)と、粉体/液体(P/L)比1.2/1でス
パチュラ混合すると、均質なRMGIペーストが得られたので、それらをそれぞれ実施例
2〜4と名付けた。それらのペーストについて、本明細書に記載の試験方法に従って、圧
縮強さ(CS)、直径引張強さ(DTS)、作業時間、スペクトル的乳白度(SO)、お
よび象牙質に対する接着性(AD)およびエナメル質に対する接着性(AE)の評価を行
い、それらの結果を、市販のビトレボンド・ライト・キュア・グラス・アイオノマー・ラ
イナー/ベース(VITREBOND Light Cure Glass Ionom
er Liner/Base)製品(比較例(CE)1および2)からの結果と比較した
。(これらの物質のADおよびAE試験では、次の工程を追加した:歯科用接着剤(スリ
ー・エム・イー・エス・ピー・イー・シングルボンド・プラス(3M ESPE Sin
glebond Plus)歯科用接着剤)を硬化させた物質の上にブラシ塗布し、次い
で10秒間光硬化させてから、コンポジットを適用する工程。)それらのデータを表2に
示したが、それから、CGP含有RMGI組成物の物理的性質は一般に、市販されている
ビトレボンド(VITREBOND)製品と同等であることが判る。
Figure 2013151545
実施例5および6
CGPを含む酸性樹脂組成物
CGPを含む樹脂組成物(実施例5および6)を、表3に示した成分を組み合わせるこ
とにより調製した。得られたペーストについて、本明細書に記載の試験方法に従って、圧
縮強さ、直径引張強さ、スペクトル的乳白度、ならびに象牙質に対する接着性(AD)お
よびエナメル質に対する接着性(AE)を評価したが、それらの結果を表3に示す。(そ
れらの物質のADおよびAE試験では、それらの物質の薄膜を30秒間放置してから、3
0秒の光硬化をさせた。)実施例5および6のいずれもが、優れた強さと歯構造に対する
接着性とを示した。
Figure 2013151545
実施例7および比較例3
CGPを含む自己接着性組成物
CGP(5重量%)を、マキシキャップ(MAXICAP)カプセル(スリー・エム・
カンパニー(3M Company))中のリライエックス・ユニセム・セメント(Re
lyX Unicem Cement)の粉末成分に混合し、次いでそれをロトミックス
(ROTOMIX)ミキサーの中で10秒間混合すると、ペーストが得られたので、それ
を実施例7と名付けた。実施例7について、本明細書に記載の試験方法に従って圧縮強さ
と直径引張強さを測定し、その結果を、市販されているリライエックス・ユニセム・マキ
シキャップ・セルフアドヘーシブ・ユニバーサル・レジン・セメント(RelyX Un
icem MAXICAP Self−Adhesive Universal Res
in Cement)製品(比較例(CE)3)の場合と比較した。それらのデータを表
4に示したが、これから、CGP含有セメント組成物の物理的性質は、市販されているリ
ライエックス・ユニセム・セメント(RelyX Unicem Cement)と基本
的には同等であったことが判る。
Figure 2013151545
実施例8および比較例4
CGPを含む接着剤組成物
実施例1D(樹脂B+10%CGP)を、アドパー・プロンプト・エル−ポップ・セル
フ・エッチ・アドヘーシブ(ADPER PROMPT L−POP Self−Etc
h Adhesive)製品(スリー・エム・カンパニー(3M Company))に
おける液状B成分として使用し、本明細書に記載の試験方法により、エナメル質に対する
剪断接着性を評価して、その結果を、市販のアドパー・アドヘーシブ(ADPER Ad
hesive)製品(比較例(CE)4)の場合と比較した。(それらの物質のAE試験
の場合には、液状成分AとBとを充分に混合し、得られた接着剤を歯牙表面上に20秒間
ブラシ塗布し、10秒間穏やかに空気乾燥させ、次いで10秒間かけて光硬化させた。)
データを表5に示す。
Figure 2013151545
実施例9Aおよび9B
亜鉛グリセロホスフェートを含む硬化性樹脂
亜鉛ナイトレート・六水物(0.27g)を、樹脂B(9.2g)に溶解させると、透
明な溶液が得られたので、次いで、SGP(0.26g)を添加して溶解させると、(イ
ンサイチュで形成された)亜鉛グリセロホスフェートを含む透明な液状物(実施例9Aと
名付ける)が形成された。実施例9A(ビトレボンド(Vitrebond)粉末と、粉
体/液体比1:1でスパチュラ混合した後)は、52.7のバーコル(Barcol)硬
度を有していた。
亜鉛グリセロホスフェート(出発物質調製法を参照)を、樹脂Bに3重量%のレベルで
添加すると、透明な液状物が形成されたので、それを実施例9Bと名付けた。実施例9B
(ビトレボンド(Vitrebond)粉末と、粉体/液体比1:1でスパチュラ混合し
た後)は、52.7のバーコル(Barcol)硬度を有していた。樹脂B(透明液状物
;ビトレボンド(Vitrebond)粉末と粉体/液体比1:1でスパチュラ混合した
)は、31.7のバーコル(Barcol)硬度を有していた。
実施例10Aおよび10B
ストロンチウムグリセロホスフェートを含む硬化性樹脂
充填剤A(41%)、樹脂D(40%)およびストロンチウムグリセロホスフェート(
19%;出発物質調製法を参照)を混合すると、低粘度で流動性のあるペーストが得られ
たので、それを実施例10Aと名付けた。光硬化させた、実施例10Aの厚さ1mmの円
板は、マクベス・デンシトメーター(Macbeth Densitometer)で測
定して、0.243の視覚的乳白度を有していた。
ストロンチウムグリセロホスフェート(出発物質調製法を参照)を、樹脂Bに3重量%
のレベルで添加すると、透明な液状物が形成されたので、それを実施例10Bと名付けた
。実施例10B(ビトレボンド(Vitrebond)粉末と、粉体/液体比1:1でス
パチュラ混合した後)は、46.7のバーコル(Barcol)硬度を有していた。
実施例11
銀グリセロホスフェートを含む硬化性樹脂
充填剤A(65%)、樹脂D(32%)および銀グリセロホスフェート(3%;出発物
質調製法を参照)を混合すると、低粘度で流動性のあるペーストが得られたので、それを
実施例11と名付けた。光硬化させた、実施例11の厚さ1mmの円板は、マクベス・デ
ンシトメーター(Macbeth Densitometer)で測定して、0.546
の視覚的乳白度を有していた。
実施例12Aおよび12B
ジルコニウムグリセロホスフェートを含む硬化性樹脂
充填剤A(65%)、樹脂D(32%)およびジルコニウムグリセロホスフェート(3
%;出発物質調製法を参照)を混合すると、低粘度で流動性のあるペーストが得られたの
で、それを実施例12Aと名付けた。光硬化させた、実施例12Aの厚さ1mmの円板は
、マクベス・デンシトメーター(Macbeth Densitometer)で測定し
て、0.380の視覚的乳白度を有していた。
ジルコニウムグリセロホスフェート(出発物質調製法を参照)を、ビトレボンド(Vi
trebond)粉末に3重量%のレベルで添加して、歯科用充填剤として有用であろう
と考えられる、新しい粉末を形成させた。その新しい粉末(樹脂Bと、粉体/液体比1:
1でスパチュラ混合して、ペースト(実施例12Bと名付ける)を形成させた後)は、2
0のバーコル(Barcol)硬度を有していた。ビトレボンド(Vitrebond)
粉末(樹脂Bと、粉体/液体比1:1でスパチュラ混合した後)は、31.7のバーコル
(Barcol)硬度を有していた。
実施例13〜16
CGPを含む歯牙コーティング組成物
CGP(8.6重量%)を、13.3%のナトリウムモノフルオロホスフェートの溶液
(Na2FPO3;脱イオン水中12%)と、78.1%の、45%PAA/ITAコポリ
マー、45%エタノールおよび10%ナルコ(Nalco)1042コロイダルシリカの
溶液と、ブレンドして、均質なミルクホワイト色のコロイドを得たが、このものを実施例
13と名付けた。その物質は、周囲条件下で2週間後でも均質で流動性を維持していたが
、ガラススライドに塗布して乾燥させると半透明のコーティングを形成した。
CGP(11重量%)を、89%のエタノール中30%アバルア(AVALURE)A
C−315ポリマーの溶液とブレンドすると、曇りのある分散体が形成されたので、それ
を実施例14と名付けた。1〜2日後には、その分散体から沈降物が生じたが、混合すれ
ば容易に再分散した。その分散体を、ガラススライドに塗布して乾燥させると、硬く、曇
りのあるコーティングが生成した。
CGP(9重量%)を、21%のNa2FPO3の溶液(脱イオン水中12%)と、70
%のエタノール中45%PAA/ITAコポリマー溶液と共にブレンドすると、濁りのあ
るゾル(実施例15)が生成したが、それは、数時間後には沈降を示した。
CGP(12重量%)を、15%のNa2FPO3の溶液(脱イオン水中12%)と、7
3%の、45%PAA/ITAコポリマー、45%エタノール、および10%ナルコ(N
alco)1042コロイダルシリカの溶液とブレンドすると、均質で濁りのある安定な
ゾルが形成されたので、それを実施例16と名付けた。
カルシウムイオンおよびリンイオン放出性の評価
実施例1F(ビトレマー・レジン(Vitremer Resin)中55%CGP)
、実施例1G(樹脂C中55%CGP)、実施例2(RMGI組成物中2%CGP)、お
よび実施例3(RMGI組成物中4%CGP)について、本明細書に記載の試験方法によ
り、経時的なカルシウムおよびリン放出性を評価した。結果は、ICP法(誘導結合プラ
ズマ分光光度法によるカルシウムイオンおよびリンイオン)およびカルシウム選択電極(
Ca−E)法(カルシウムイオンのみ)について報告し、表6に示す。これらの結果から
、4例の実施例すべてにおいて、60日間を通して持続性のカルシウムイオン放出を示し
、実施例の内の3例(1F、1G、および2)では、180日間を通しての持続性放出を
示した。
Figure 2013151545
象牙質の再石灰化の評価
実施例4(RMGI組成物中10%CGP)について、本明細書に記載の試験方法によ
り、象牙質再石灰化の評価を行ったところ、3週間後には、露出した病変部の領域におい
て、塗布セメントの近傍に良好な再石灰化が認められた。
象牙質における脱灰抵抗性の評価
実施例4(RMGI組成物中10%CGP)ならびに比較例1および5(それぞれ、ビ
トレボンド・ライト・キュア・グラス・アイオノマー・ライナー/ベース(VITREB
OND Light Cure Glass Ionomer Liner/Base)
、およびフィルテック・Z250・ユニバーサル・レストラティブ・システム(FILT
EK Z250 Universal Restorative System))につ
いて、本明細書に記載の試験方法により、象牙質における脱灰抵抗性の評価を実施した。
得られたマイクロラジオグラフおよび関連のデータ(表7)から、ビトレボンド(VIT
REBOND)製品がフィルテック・Z250(FILTEK Z250)よりも酸アタ
ックに対する抵抗性が向上していること、および、実施例4がこの抵抗性を劇的に向上さ
せていることが判った。
Figure 2013151545
本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく、本発明についての各種の修正や変更か可能
なことは、当業者には明らかであろう。説明に用いた実施態様および本明細書で言及した
実施例によって不当に限定されることは、本発明が意図するものではなく、また、そのよ
うな実施例および実施態様はあくまで例を示すために提供されたものであって、本発明の
範囲は、本明細書で冒頭に記載の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである、と
いうことは理解されたい。

Claims (91)

  1. 処理された表面を含む歯科用充填剤であって、
    前記処理された表面には次式:
    Figure 2013151545
    [式中、x=2〜4であり;
    それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n2/nであり、ただし、少な
    くとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、そして少なくとも1個のR
    基がHであり;そして、
    Mは原子価nの金属である]で表されるリン酸塩が含まれる、歯科用充填剤。
  2. x=3である、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  3. Mが、第2族金属、第3族金属、遷移金属、ランタニド、およびそれらの組合せからな
    る群より選択される、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  4. Mが、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Ag、Zr、Sn、およびそれらの組合せから
    なる群より選択される、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  5. MがCaである、請求項4に記載の歯科用充填剤。
  6. 前記処理された表面が非晶質である、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  7. 前記処理された表面が少なくとも部分的に結晶質である、請求項1に記載の歯科用充填
    剤。
  8. 前記歯科用充填剤が多孔質である、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  9. 前記多孔質歯科用充填剤が、多孔質粒子、粒子の多孔質凝集体、およびそれらの組合せ
    からなる群より選択される、請求項8に記載の歯科用充填剤。
  10. 前記歯科用充填剤が、ナノ粒子、ナノ粒子の凝集体、またはそれらの組合せを含む、請
    求項1に記載の歯科用充填剤。
  11. 前記歯科用充填剤が、金属酸化物、金属フッ化物、金属オキシフッ化物、またはそれら
    の組合せを含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  12. 前記金属が、重金属、非重金属、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請
    求項11に記載の歯科用充填剤。
  13. 前記歯科用充填剤が、第2〜5族元素、第12〜15族元素、ランタニド元素、および
    それらの組合せからなる群より選択される元素の酸化物、フッ化物、またはオキシフッ化
    物である、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  14. 前記元素がCa、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd
    、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Ta、Zn、B、Al、S
    i、Sn、P、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項13に記載の歯
    科用充填剤。
  15. 前記歯科用充填剤が、ガラス、非晶質物質、または結晶質物質を含む、請求項1に記載
    の歯科用充填剤。
  16. 前記歯科用充填剤が、フッ化物イオン源を含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  17. 前記歯科用充填剤が、フルオロアルミノシリケートガラスを含む、請求項16に記載の
    歯科用充填剤。
  18. 前記処理された表面がシランをさらに含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  19. 前記処理された表面が抗菌薬をさらに含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  20. 前記処理された表面がフッ化物イオン源をさらに含む、請求項1に記載の歯科用充填剤
  21. 処理された表面を含む歯科用充填剤を製造する方法であって、前記方法が、歯科用充填
    剤の表面を、次式:
    Figure 2013151545
    [式中、x=2〜4であり;
    それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n2/nであり、ただし、少な
    くとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、そして少なくとも1個のR
    基がHであり;そして、
    Mは原子価nの金属である]のリン酸塩を用いて処理する工程を含む、方法。
  22. x=3である、請求項21に記載の方法。
  23. Mが、第2族金属、第3族金属、遷移金属、ランタニド、およびそれらの組合せからな
    る群より選択される、請求項21に記載の方法。
  24. Mが、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Ag、Zr、Sn、およびそれらの組合せから
    なる群より選択される、請求項23に記載の方法。
  25. MがCaである、請求項24に記載の方法。
  26. 処理が、コーティング、浸潤、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求
    項21に記載の方法。
  27. 処理が:
    前記リン酸塩を液体の中に溶解、分散、または懸濁させる工程;
    前記液体を歯科用充填剤と組み合わせる工程;および
    前記液体の少なくとも一部を除去して、前記処理された表面を提供する工程;
    を含む、請求項21に記載の方法。
  28. 前記液体が非水性である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記液体が水を含む、請求項27に記載の方法。
  30. 前記歯科用充填剤が多孔質である、請求項21に記載の方法。
  31. 前記多孔質歯科用充填剤が、多孔質粒子、粒子の多孔質凝集体、およびそれらの組合せ
    からなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記歯科用充填剤が、ナノ粒子、ナノ粒子の凝集体、またはそれらの組合せを含む、請
    求項21に記載の方法。
  33. 前記歯科用充填剤が、金属酸化物、金属フッ化物、金属オキシフッ化物、またはそれら
    の組合せを含む、請求項21に記載の方法。
  34. 前記金属が、重金属、非重金属、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請
    求項33に記載の方法。
  35. 前記歯科用充填剤が、第2〜5族元素、第12〜15族元素、ランタニド元素、および
    それらの組合せからなる群より選択される元素の酸化物、フッ化物、またはオキシフッ化
    物である、請求項21に記載の方法。
  36. 前記元素がCa、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd
    、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Ta、Zn、B、Al、S
    i、Sn、P、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項35に記載の方
    法。
  37. 前記歯科用充填剤が、ガラス、非晶質物質、または結晶質物質を含む、請求項21に記
    載の方法。
  38. 前記歯科用充填剤が、フッ化物イオン源を含む、請求項21に記載の方法。
  39. 前記歯科用充填剤が、フルオロアルミノシリケートガラスを含む、請求項38に記載の
    方法。
  40. 請求項1に記載の歯科用充填剤を含む、歯科用組成物。
  41. 追加の充填剤をさらに含む、請求項40に記載の歯科用組成物。
  42. 水をさらに含む、請求項40に記載の歯科用組成物。
  43. 水中分散可能なポリマー膜形成材をさらに含む、請求項40に記載の歯科用組成物。
  44. 硬化性樹脂をさらに含む、請求項40に記載の歯科用組成物。
  45. 前記硬化性樹脂が酸官能基を含む、請求項44に記載の歯科用組成物。
  46. 前記酸官能基が、カルボン酸官能基、リン酸官能基、ホスホン酸官能基、スルホン酸官
    能基、またはそれらの組合せを含む、請求項45に記載の歯科用組成物。
  47. 開始剤系をさらに含む、請求項44に記載の歯科用組成物。
  48. 前記硬化性樹脂がエチレン性不飽和化合物を含む、請求項44に記載の歯科用組成物。
  49. 前記エチレン性不飽和化合物が、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能基
    を有さないエチレン性不飽和化合物、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    請求項48に記載の歯科用組成物。
  50. 前記組成物が、歯科用プライマー、歯科用接着剤、窩洞裏装材、窩洞清浄化剤、セメン
    ト、コーティング、ワニス、歯科矯正用接着剤、修復材、シーラント、脱感作薬、および
    それらの組合せからなる群より選択される、請求項40に記載の歯科用組成物。
  51. 歯構造を処置する方法であって、前記歯構造を、請求項40に記載の歯科用組成物と接
    触させる工程を含む、方法。
  52. 口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造を再石
    灰化させる方法。
  53. 口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造の知覚
    過敏を抑制する方法。
  54. 口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造を保護
    する方法。
  55. 口腔環境にイオンを送達する方法であって:
    口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配する工程を含み、ここで前記イ
    オンがカルシウム、リン、フッ素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素
    を含む、方法。
  56. 歯科用物品を調製する方法であって:
    請求項1に記載の歯科用充填剤と硬化性樹脂とを組み合わせて、歯科用組成物を形成す
    る工程;および
    前記組成物を硬化させて、歯冠、充填物、ミルブランク、歯科矯正器具、および義歯か
    らなる群より選択される歯科用物品を製作する工程、を含む方法。
  57. 歯科用組成物であって:
    硬化性樹脂;および
    次式:
    Figure 2013151545
    [式中、x=2〜4であり;
    それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n2/nであり、ただし、少な
    くとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、そして少なくとも1個のR
    基がHであり;そして、
    Mは原子価nの金属である]のリン酸塩、を含む歯科用組成物。
  58. x=3である、請求項57に記載の歯科用組成物。
  59. Mが、第2族金属、第3族金属、遷移金属、ランタニド、およびそれらの組合せからな
    る群より選択される、請求項57に記載の歯科用組成物。
  60. Mが、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Ag、Zr、Sn、およびそれらの組合せから
    なる群より選択される、請求項59に記載の歯科用組成物。
  61. MがCaである、請求項60に記載の歯科用組成物。
  62. 前記リン酸塩が、前記硬化性樹脂の中に少なくとも部分的に溶解、懸濁、または分散さ
    れている、請求項57に記載の歯科用組成物。
  63. 前記硬化性樹脂が酸官能基を含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  64. 前記酸官能基が、カルボン酸官能基、リン酸官能基、ホスホン酸官能基、スルホン酸官
    能基、またはそれらの組合せを含む、請求項63に記載の歯科用組成物。
  65. 開始剤系をさらに含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  66. 追加の充填剤をさらに含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  67. 前記硬化性樹脂がエチレン性不飽和化合物を含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  68. 前記エチレン性不飽和化合物が、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能基
    を有さないエチレン性不飽和化合物、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    請求項67に記載の歯科用組成物。
  69. 前記組成物が、歯科用プライマー、歯科用接着剤、窩洞裏装材、窩洞清浄化剤、セメン
    ト、コーティング、ワニス、歯科矯正用接着剤、修復材、シーラント、脱感作薬、および
    それらの組合せからなる群より選択される、請求項57に記載の歯科用組成物。
  70. 歯構造を処置する方法であって、前記歯構造を、請求項57に記載の歯科用組成物と接
    触させる工程を含む、方法。
  71. 口腔環境の中に、請求項57に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造を再石
    灰化させる方法。
  72. 口腔環境の中に、請求項57に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造の知覚
    過敏を抑制する方法。
  73. 口腔環境の中に、請求項57に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造を保護
    する方法。
  74. 口腔環境にイオンを送達する方法であって:
    口腔環境の中に、請求項57に記載の歯科用組成物を配する工程を含み、ここで前記イ
    オンがカルシウム、リン、フッ素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素
    を含む、方法。
  75. 歯科用物品を調製する方法であって、請求項57に記載の歯科用組成物を硬化させて、
    歯冠、充填物、ミルブランク、歯科矯正器具、および義歯からなる群より選択される歯科
    用物品を製作する工程、を含む方法。
  76. 歯科用組成物であって:
    水中分散可能なポリマー膜形成材;および
    次式:
    Figure 2013151545
    [式中、x=2〜4であり;
    それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n2/nであり、ただし、少な
    くとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、そして少なくとも1個のR
    基がHであり;そして、
    Mは原子価nの金属である]のリン酸塩、を含む歯科用組成物。
  77. x=3である、請求項76に記載の歯科用組成物。
  78. Mが、第2族金属、第3族金属、遷移金属、ランタニド、およびそれらの組合せからな
    る群より選択される、請求項76に記載の歯科用組成物。
  79. Mが、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Ag、Zr、Sn、およびそれらの組合せから
    なる群より選択される、請求項78に記載の歯科用組成物。
  80. MがCaである、請求項79に記載の歯科用組成物。
  81. 歯構造を処置する方法であって、前記歯構造を、請求項76に記載の歯科用組成物と接
    触させる工程を含む、方法。
  82. 口腔環境の中に、請求項76に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造を再石
    灰化させる方法。
  83. 口腔環境の中に、請求項76に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造の知覚
    過敏を抑制する方法。
  84. 口腔環境の中に、請求項76に記載の歯科用組成物を配する工程を含む、歯構造を保護
    する方法。
  85. 口腔環境にイオンを送達する方法であって:
    口腔環境の中に、請求項76に記載の歯科用組成物を配する工程を含み、ここで前記イ
    オンがカルシウム、リン、フッ素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素
    を含む、方法。
  86. 歯科用組成物であって:
    請求項1に記載の歯科用充填剤;
    硬化性樹脂;および
    水中分散可能なポリマー膜形成材;
    を含む歯科用組成物。
  87. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能なポリマー膜形成材とが同一である、請求項86に
    記載の歯科用組成物。
  88. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能なポリマー膜形成材とが異なっている、請求項86
    に記載の歯科用組成物。
  89. 歯科用組成物であって:
    硬化性樹脂;
    水中分散可能なポリマー膜形成材;および
    次式:
    Figure 2013151545
    [式中、x=2〜4であり;
    それぞれのRは独立してHまたはP(O)(O-2(M+n2/nであり、ただし、少な
    くとも1個のR基が、P(O)(O-2(M+2n2/nであり、そして少なくとも1個のR
    基がHであり;そして、
    Mは原子価nの金属である]で表されるリン酸塩、を含む歯科用組成物。
  90. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能なポリマー膜形成材とが同一である、請求項89に
    記載の歯科用組成物。
  91. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能なポリマー膜形成材とが異なっている、請求項89
    に記載の歯科用組成物。
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