JP7018899B2 - 治療用歯科用ペースト並びに関連する方法及びキット - Google Patents

治療用歯科用ペースト並びに関連する方法及びキット Download PDF

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Description

本開示は、全般的に、治療用歯科用ペースト、より詳細には、対象者の口腔内でのバイオフィルムの形成を阻害する歯科用ペースト並びに関連する方法及びキットに関する。
ストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans)などの細菌を含む場合がある、歯垢は、口腔内における表面上に生じるバイオフィルムを含む。歯垢は、齲蝕、歯肉炎及び歯周病に少なくとも部分的に関与する。歯垢中の細菌は、口内で炭水化物(例えば、単糖)を代謝し、歯のエナメル質を腐食し得る酸を生成する。それにより露出した象牙質には、次いで、細菌がコロニー形成する場合がある。歯垢は、歯石又は結石の付着のための基材として機能する場合がある。結石の増加は、歯肉炎及び最終的には歯周病を導く場合がある。歯から歯垢を除去するために現在利用可能な方法は、例えばデンタルフロス又は歯ブラシによる機械的除去である。歯ブラシは、歯の露出面から歯垢を除去するのを助けることができ、デンタルフロスは、例えば隣接歯間及び歯肉縁下表面から歯垢を除去するのを助けることができる。デンタルフロス及び歯ブラシの適切かつ恒常的な使用は、歯垢を機械的に除去又は低減することができ、齲蝕、歯肉炎及び歯周病の発生を低減することができる。専門的な予防を受けるための歯科医師又は衛生士への定期的な訪問はまた、このような口腔疾患を減少させるのに役立ち得る。歯垢、齲蝕、歯肉炎及び歯周病の制御及び治療を助けるために、特定の抗微生物製剤が利用可能である(例えば洗口剤、うがい薬、及び練り歯磨きの形態で)。バイオフィルムの形成を阻害するための治療用歯科用組成物及び関連する方法は、米国特許第8,968,709号(Yangら)で記載されている。
上述のように、デンタルフロス及び歯ブラシの適切かつ恒常的な使用、並びに専門家による定期的な歯の洗浄により、歯垢及び齲蝕の発生を低減することができる。しかしながら、デンタルフロス及び歯ブラシは、常に適切かつ恒常的に使用される訳ではない。結果として、歯垢を除去するよりも、歯垢を制御又は予防する代替方法が望ましい。したがって、特に口腔内におけるバイオフィルムの形成を阻害するための組成物、方法及びキットが必要とされている。
一態様では、本開示は、歯科用ペーストを提供する。歯科用ペーストは、(i)式(I):
Figure 0007018899000001
[式中、Rは水素原子又はアルキル基であり、RはC(O)R(式中、RはC~Cアルキル基である。)であり、
nは約2~約5の整数である。]の化合物と;(ii)式II:
Figure 0007018899000002
[式中、Rは水素原子又はアルキル基であり、mは約2~約5の整数である。]の化合物又はその薬学的に許容される塩と;(iii)歯科用研磨材と、を含む。
別の態様では、対象者の口腔内の表面を処理する方法が提供される。方法は、(a)歯科用ペーストを提供することと、(b)対象者の口腔内の表面に歯科用ペーストを適用することと、を含むことができる。
別の態様では、対象者の口腔内の表面を処理するためのキットが提供される。キットは、(a)歯科用ペーストと、(b)アプリケータと、を含むことができる。
別の態様では、対象者の口腔内の表面上でのバイオフィルムの形成を阻害する方法が提供される。方法は、(a)歯科用ペーストを提供することと、(b)対象者の口腔内の表面に歯科用ペーストを適用することと、を含むことができる。
本開示の他の特徴及び態様は、詳細な説明を考察することにより明らかとなる。
定義
端点による数の範囲の列挙にはいずれも、その範囲内に包含される全ての数が含まれる(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「その(the)」という用語は、「少なくとも一つの」と交換可能に使用され、記載されている要素のうちの一つ又は複数を意味する。
「及び/又は(and/or)」という用語は、一方又は両方を意味する。例えば「A及び/又はB」は、Aのみ、Bのみ、又はAとBの両方を意味する。
用語「含む(including)」、「備える/含む(comprising)」又は「有する(having)」及びこれらの変化形は、それらの後に記載される物品及びそれらの均等物並びに付加的な物品を包含するものである。
用語「ペースト」とは、十分に大きな負荷又は応力が適用されるまで固体として挙動するが、十分に大きな負荷又は応力が適用されると液体のように流れる物質を意味する。ペーストは、バックグラウンド流体又は担体中に固体の懸濁液を含むことができる。ペーストは、それらの粘度又はそれらの稠度により分類することができる。
用語「歯科用ペースト」は、対象者の口腔内で使用されるペーストを意味する。
用語「練り歯磨き」は、日常の歯のブラッシングなどの通常の個人ケア用洗浄剤として使用される歯科用ペーストのタイプを意味する。齲蝕、歯肉炎、又は歯周炎に対する予防手段として練り歯磨きを使用することができる。
用語「予防ペースト」(又はより簡便に、「プロフィーペースト(prophy paste)」は、歯科医師又は歯科衛生士などの歯科専門家によって使用される歯科用ペーストのタイプを意味し、対象者の口腔内の硬質表面に張り付き得る着色汚れ、歯垢、又は歯石などの付着した堆積物を除去する。このような付着した堆積物を、通常の歯のブラッシング中に完全に除去できない場合がある。プロフィーペーストは、「予防カップ」(又はより簡便に「プロフィーカップ(prophy cup)」と呼ばれる回転プロフィーペーストホルダー上で使用することができる。プロフィーペーストは、回転ブラシなどのブラシで適用することもできる。市販のプロフィーペーストは、市販の練り歯磨きと比較して異なる粘度を有し得る。
用語「治療用」は、疾患又は症状を予防、寛解、治療、改善又は治癒することを意味する。
用語「バイオフィルム」は、細菌を含むマトリックスを意味する。細菌と共に、対象者の口腔内のバイオフィルムは、上皮細胞、白血球、マクロファージ、及びその他の口腔滲出物を更に含み得る。
用語「バイオフィルム阻害」は、バイオフィルムの形成又は成長を制限することを意味する。
用語「硬質表面」は、骨、歯のエナメル質、象牙質及び歯科修復物などの、硬質材料を含む対象者の口腔内の表面を指す。
用語「歯科修復物」は、充填物、インレー、アンレー、ベニヤ、一時的及び永続的クラウン若しくはブリッジ、インプラント、又はブラケット若しくはアーチワイヤのような歯列矯正用デバイス及び装具を意味する。
用語「アルキル」は、飽和炭化水素であるアルカンのラジカルである一価の基を指す。アルキル基は、直鎖、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであることができ、1~20個の炭素原子を有することができる。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~18個、1~12個、1~10個、1~8個、1~6個、又は1~4個の炭素原子を含む。アルキル基の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、及びエチルヘキシルが挙げられる。
用語「室温」及び「周囲温度」は、20℃~25℃の範囲の温度を意味するものとして同じ意味で使用される。
一つの態様によれば、本開示は歯科用ペーストを提供する。歯科用ペーストは、(i)式(I):
Figure 0007018899000003
[式中、Rは水素原子又はアルキル基であり、RはC(O)R(式中、RはC~Cアルキル基である。)であり、
nは約2~約5の整数である。]の化合物と;(ii)式II:
Figure 0007018899000004
[式中、Rは水素原子又はアルキル基であり、mは約2~約5の整数である。]の化合物又はその薬学的に許容される塩と;(iii)歯科用研磨材と、を含む。
本開示の歯科用ペーストは、式Iの化合物を含む。式Iの化合物において、R基は水素原子又はアルキル基である。Rがアルキル基である場合、アルキル基は、約1個の炭素原子(即ち、C)、約2個の炭素原子(即ち、C)、約3個の炭素原子(即ち、C)、約4個の炭素原子(即ち、C)、約5個の炭素原子(即ち、C)、約6個の炭素原子(即ち、C)、約8個の炭素原子(即ち、C)、約10個の炭素原子(即ち、C10)、約12個の炭素原子(即ち、C12)、約12個超の炭素原子、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、を含むことができる。例えば、Rがアルキル基である場合、Rは、C~C12アルキル基、C~C10アルキル基、C~Cアルキル基、又はC~Cアルキル基であることができる。特定の実施形態では、Rは水素原子又はC~Cアルキル基である。Rがアルキル基である場合、アルキル基としては、直鎖アルキル基、分枝アルキル基、又は環状アルキル基を挙げることができる。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2-エチルヘキシル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチル、及びシクロオクチルが挙げられる。
式Iの化合物において、R基はC~Cアルキル基、例えば約7個の炭素原子(即ち、C)、約8個の炭素原子(即ち、C)、又は約9個の炭素原子(即ち、C)を含むアルキル基である。このようなアルキル基としては、直鎖アルキル基、分枝アルキル基、又は環状アルキル基を挙げることができる。RについてのC~Cアルキル基の非限定的な例としては、Rについて列挙したもの(例えば、ヘプチル、2-エチルヘキシル、オクチル、イソオクチル、及びノニル)が挙げられる。特定の実施形態では、Rは、Cアルキル基(例えば、オクチル)である。Rがアルキル基(水素原子の代わりに)である場合、このようなアルキル基としては、RのC~Cアルキル基と同一であること又は異なることができると理解されている。
式Iの化合物において、nは約2~約5の整数である。いくつかの実施形態では、nは約2、約3、約4、又は約5の値を有する整数である。特定の実施形態では、nは、約4の値を有する整数である。本開示の歯科用ペーストは、2つ以上の式Iの化合物を含むことができ、化合物は、異なる整数値のnを有する式Iで表すことができると理解されている。これらの実施形態では、化合物のnの平均値は非整数であり得る。特定の実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、1種のみの式Iの化合物を含むことができ、nは2、3、4、又は5の値を有する整数である。
本開示の歯科用ペーストは、式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を更に含む。式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは水素原子又はアルキル基である。Rがアルキル基である場合、アルキル基は、約1個の炭素原子(即ち、C)、約2個の炭素原子(即ち、C)、約3個の炭素原子(即ち、C)、約4個の炭素原子(即ち、C)、約5個の炭素原子(即ち、C)、約6個の炭素原子(即ち、C)、約8個の炭素原子(即ち、C)、約10個の炭素原子(即ち、C10)、約12個の炭素原子(即ち、C12)、12個超の炭素原子、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、を含むことができる。例えば、Rがアルキル基である場合、Rは、C~C12アルキル基、C~C10アルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、又はC~Cアルキル基であることができる。特定の実施形態では、Rは水素原子、C~C12アルキル基、C~C10アルキル基、又はC~Cアルキル基である。Rがアルキル基である場合、アルキル基としては、直鎖アルキル基、分枝アルキル基、又は環状アルキル基を挙げることができる。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2-エチルヘキシル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オクタデシル、シクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチル、及びシクロオクチルが挙げられる。
式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩において、mは約2~約5の整数である。いくつかの実施形態では、mは約2、約3、約4、又は約5の値を有する整数である。特定の実施形態では、mは、約4の値を有する整数である。本開示の歯科用ペーストは、2つ以上の式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を含むことができ、化合物は、異なる整数値のmを有する式II(又はその薬学的に許容される塩)で表すことができると理解されている。これらの実施形態では、mの平均値は非整数であり得る。特定の実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、1種のみの式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を含み、mは2、3、4、又は5の値を有する整数である。
式IIの化合物は、薬学的に許容される塩の形態であることができる。薬学的に許容される塩としては、アンモニウム塩が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、アンモニウム塩を含むことができる。アンモニウム塩は、酸とアミンとの反応生成物として、又は、アミンと、例えばヨードメタン、ブロモエタン、若しくはベンジルブロミドなどのアルキル化剤との反応生成物として表すことができる。アンモニウム塩は、NHR基の窒素原子が、無機酸、有機酸又は無機酸と有機酸との組み合わせでプロトン化された、プロトン化アミン化合物(例えば、式IIの化合物)を含む。アンモニウム塩はまた、NHR基の窒素原子が、アルキル化剤でアルキル化された、アルキル化アミン化合物(例えば、式IIの化合物)を含む。
アンモニウム塩は、無機アニオン、有機アニオン、又はアニオンの組み合わせであることができる、少なくとも一つの対イオンを含む。アニオンの組み合わせとしては、1種を超える無機アニオンの組み合わせ、1種を超える有機アニオンの組み合わせ、又は無機イオンと有機アニオンとの組み合わせが挙げられる。無機イオンとしては、例えば、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、ニトレート、サルフェート、ホスフェート(ホスフェート、水素ホスフェート、及び二水素ホスフェート無機イオンのうちの一つ以上を含む)、テトラフルオロボレート、及びテトラ(アリール)ボレートが挙げられる。テトラ(アリール)ボレートとしては、式Z[式中、Zは芳香族基、例えば置換又は非置換フェニル基である。]を有する化合物が挙げられる。テトラ(アリール)ボレートの例としては、テトラフェニルボレート、テトラキス(4-メチルフェニル)ボレート、テトラキス(2-メチルフェニル)ボレート、テトラキス(1,3,5-トリメチルフェニル)ボレート、テトラキス(4-フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレートが挙げられるが、これらに限定されない。有機アニオンとしては、例えば、アルカノエート(例えば、アセテート、プロピオネート及びブタノエート)、ベンゾエート、フマレート、マレエート、タートレート、アスコルベート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート及びシトレートが挙げられる。
特定の実施では、アンモニウム塩は、式IIの化合物を、無機酸、有機酸、又は無機酸と有機酸との組み合わせでプロトン化することにより形成することができる。別の実施形態では、アンモニウム塩は、アルキル化剤で、式IIの化合物をアルキル化することにより形成することができる。更に別の実施形態では、アンモニウム塩は、予め形成されたアンモニウム塩とのイオン交換又はメタセシス反応により形成することができる。
いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、ハロゲン化アンモニウム塩、アンモニウムリン酸塩(一つ以上のリン酸アンモニウム塩、リン酸水素アンモニウム塩、又はリン酸二水素アンモニウム塩)、又はクエン酸アンモニウム塩などの薬学的に許容される塩の形態である。
式I及びIIの化合物はキラル炭素原子を含むことが認められる。簡略化のために、式I及びIIでは、キラル炭素原子の各々についての立体化学的形状を特定しない。式I及びIIは、本明細書及び特許請求の範囲で用いられるとき、任意の可能な立体化学的形状を有する化合物の各々を表すことを意図する。いくつかの実施形態では、式I及びIIの化合物は、アミノ糖アルコール、並びに慣用名D-グルカミン、N-メチル-D-グルカミン、N-エチル-D-グルカミン、N-オクチル-D-グルカミン、及びN-メチル-N-オクタノイル-D-グルカミン、N-メチル-N-ノナノイル-グルカミン、N-メチル-N-デカノイル-グルカミンを有する誘導体である。
驚くべきことに、式Iの化合物と式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩との組み合わせは、式Iの化合物単独に比べて、表面上でのバイオフィルム形成の阻害において、向上された効果を示すことを見出した。この相乗効果は、本明細書にて開示する歯科用ペーストのような改善された口腔ケア組成物の開発に有用である。特に、特定の閾値以上の濃度では、式Iの化合物は、口腔組織(例えば粘膜などの軟組織)のスラフ形成(sloughing)を生じ得ることを見出した。これにより、本開示は、低減させた濃度で式Iの化合物を含みながらも、依然としてバイオフィルム形成の阻害において許容可能な活性を維持する歯科用ペーストを含む口腔ケア組成物について提供する。同様に、式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を、式Iの化合物を含む歯科用ペーストなどの口腔ケア組成物に添加することにより、バイオフィルム阻害活性の向上が提供され得る。
本開示の歯科用ペーストは、バイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、対象者の口腔内でのバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、対象者の口腔内の硬質表面上でのバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物を含むことができる。このような実施形態では、硬質表面は歯を含むことができる。その他の実施形態では、歯科用ペーストは、歯科修復物上のバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の式Iの化合物を含むことができる。歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量(即ち、式Iの化合物、式IIの化合物、歯科用研磨材、及び歯科用ペーストに任意に含まれ得る任意の他の構成成分を組み合わせた重量)に基づいて、約40重量%(重量パーセント)、約30重量%、約20重量%、約16重量%、約12重量%、約10重量%、約6重量%、約4重量%、約3.75重量%、約3.5重量%、約3.25重量%、約3重量%、約2.75重量%、約2.5重量%、約2.25重量%、約2重量%、約1.75重量%、約1.5重量%、約1.25重量%、約1重量%、約0.75重量%、約0.5重量%、約0.25重量%、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、の、式Iの化合物を含むことができる。特定の実施形態では、歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、0.25重量%~約40重量%、約0.25重量%~約20重量%、約0.25重量%~約10重量%、約0.25重量%~約5重量%、約0.25重量%~約4重量%、約0.5重量%~約3.5重量%、約1重量%~約3重量%、約1.5重量%~約2.5重量%、又は約2重量%の式Iの化合物を含むことができる。その他の実施形態では、歯科用ペースト中の式Iの化合物の量は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、少なくとも約0.25重量%である。
いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、例えば水、培養ブロス又は唾液のような培地中に、最大で、化合物のおよそ溶解限度である濃度の、式Iの化合物を提供できる。特定の実施形態では、歯科用ペーストは、例えば水、培養ブロス又は唾液のような培地中に、化合物の溶解限度未満である濃度の、式Iの化合物を提供できる。培地が異なると溶解限度は異なり得ると認められる。本明細書で使用する場合、用語、式Iの化合物の「濃度を提供する」とは、例えば水、培養ブロス又は唾液のような培地に、ある量の化合物を放出して又は移動させて、培地中にある濃度の化合物をもたらす、歯科用ペーストの特性を意味する。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、培地中、最大約0.5モル、最大約0.3モル、最大約0.15モル、最大約0.1モル、最大約0.05モル、最大約0.03モル、最大約0.02モル、最大約0.01モル、最大約0.005モル、最大約0.002モル、又は最大約0.001モルの濃度の、式Iの化合物を提供することができる。特定の実施形態では、歯科用ペーストは、培地中に、最大で、化合物のおよそ溶解限度である濃度の、式Iの化合物を提供できる。
前述のように、本開示の歯科用ペーストは、式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約40重量%、約30重量%、約20重量%、約16重量%、約12重量%、約10重量%、約6重量%、約4重量%、約3.75重量%、約3.5重量%、約3.25重量%、約3重量%、約2.75重量%、約2.5重量%、約2.25重量%、約2重量%、約1.75重量%、約1.5重量%、約1.25重量%、約1重量%、約0.75重量%、約0.5重量%、約0.25重量%、これらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、の、式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を含むことができる。特定の実施形態では、歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約0.25重量%~約40重量%、約0.25重量%~約20重量%、約0.25重量%~約10重量%、約0.25重量%~約5重量%、約0.25重量%~約4重量%、約0.5重量%~約3.5重量%、約1重量%~約3重量%、約1.5重量%~約2.5重量%、又は約2重量%の式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。その他の実施形態では、歯科用ペースト中の式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩の量は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、少なくとも約0.25重量%である。
歯科用ペースト中の式Iの化合物、及び式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩の量は、異なり得る及び異なっていてもよいと理解されている。例えば、歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約2重量%の式Iの化合物、及び約1重量%、約2.5重量%、又は約3重量%の式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を含むことができる。特定の実施形態では、式Iの化合物、及び式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩の量は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、各々独立して、約10重量%、約6重量%、約4重量%、約3.75重量%、約3.5重量%、約3.25重量%、約3重量%、約2.75重量%、約2.5重量%、約2.25重量%、約2重量%、約1.75重量%、約1.5重量%、約1.25重量%、約1重量%、約0.75重量%、約0.5重量%、約0.25重量%、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、である。特定の実施形態では、式Iの化合物、及び式IIの化合物の量は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、各々、約2重量%である。
本開示の歯科用ペーストはまた、歯科用研磨材を含む。概して、歯科用研磨材は、口腔環境において使用するために好適なものであるべきである。歯のブラッシングの間又は予防処理の間など、歯科用ペーストの通常の使用の間に歯のエナメル質及び象牙質が過度に研磨されないように、歯科用ペースト中の歯科用研磨材のタイプ及び特性(例えば、粒径、硬度など)並びに歯科用研磨材の量を選択することができる。歯科用研磨材は、歯の表面から食べかす及び/若しくは歯垢を研磨すること及び/若しくは別の方法で洗浄すること、歯の表面から着色汚れを除去すること、歯の表面を磨くこと、並びに/又は歯に美白効果をもたらすことが挙げられるがこれらに限定されない一つ以上の機能を果たすことができる。
好適な歯科用研磨材の例としては、シリカ、シリカゲル、ケイ酸、沈降シリカ、溶融シリカ、アルミナ、仮焼アルミナ、不溶性ホスフェート、炭酸カルシウム、粉末ガラス、炭化ケイ素、イルメナイト、重炭酸ナトリウム、ベントナイト、雲母、ジルコニア、ジルコニアシリケート、トパーズ、二酸化チタン、沈降石灰、チョーク、軽石(例えば、軽石の粉末)、ゼオライト、タルク、カオリン、ケイソウ土、シリケート、グリシン、尿素ホルムアルデヒド縮合生成物などの樹脂製の研磨材を挙げることができるが、これらに限定されない。歯科用研磨材として有用なホスフェートの中には、オルトホスフェート、ポリメタホスフェート、及びピロホスフェート、並びにこれらの塩があり、例示的な例は、オルトリン酸二カルシウム二水和物、リン酸ニカルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、オルトリン酸マグネシウム、及び不溶性のポリメタリン酸ナトリウムである。
また、本開示の歯科用研磨材として有用なものとしては、例えば、その各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,266,304号(Baffelliら)、及び同第6,576,225号(Kilcherら)に記載されているようなパーライトがある。
いくつかの実施形態では、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,858,921号(Schmidら)に記載されているような、水溶性歯科用研磨材を使用することができる(単独で又は他の歯科用研磨材と組み合わせて、その各々が水溶性又は水不溶性であり得る)。このような実施形態では、歯科用ペーストは実質的に水を含まない場合があり(例えば、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約5重量%未満の水、又は約1重量%未満の水)、及び任意に、水混和性又は水溶性の液体を含む場合がある。
歯科用研磨材の平均粒子径は、一般に、約0.1マイクロメートル、約1マイクロメートル、約5マイクロメートル、約10マイクロメートル、約15マイクロメートル、約20マイクロメートル、約25マイクロメートル、約30マイクロメートル、約35マイクロメートル、約40マイクロメートル、約50マイクロメートル、約75マイクロメートル、約90マイクロメートル、約100マイクロメートル、約150マイクロメートル、約200マイクロメートル、約250マイクロメートル、約300マイクロメートル、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、である。例えば、いくつかの実施形態では、歯科用研磨材の平均粒子径は、約0.1~約300マイクロメートル、約20~約300マイクロメートル、約90~約300マイクロメートル、約0.1~約50マイクロメートル、約1~約40マイクロメートル、又は約5~約30マイクロメートルである。理解されるように、本開示の歯科用ペーストは、2つ以上の歯科用研磨材を含むことができる。このような場合、平均粒子径は、歯科用ペーストに含まれる各歯科用研磨材の平均粒子径を意味することを目的としている。例えば、歯科用ペーストは、第1の歯科用研磨材として、約1~約40マイクロメートルの平均粒子径を有するシリカ、及び第2の歯科用研磨材として、約30~約75マイクロメートルの平均粒子径を有する炭酸カルシウムを含むことができる。
本開示の歯科用ペーストの特定の実施では、歯のエナメル質又は象牙質を過度に研磨することなく、優れた歯の洗浄及び研磨性能をもたらすので、様々な種類のシリカ含有歯科用研磨材が組み込まれる。他の歯科用研磨材と同様に、本明細書に記載されたシリカ含有歯科用研磨材材料は、一般に、約0.1~約30マイクロメートル、又は約5~約15マイクロメートルの範囲の平均粒子径を有する。シリカ含有歯科用研磨材は、その各々全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第3,538,230号(Paderら)及び同第3,862,307号(DiGuilio)に記載されているシリカキセロゲルなどの沈降シリカ又はシリカゲルであることができる。本開示の歯科用ペーストにおいて有用なシリカ含有歯科用研磨材の追加のタイプは、その各々全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,340,583号(Wason)、同第5,589,160号(Rice)、同第5,603,920号(Rice)、同第5,651,958号(Rice)、同第5,658,553号(Rice)、及び同第5,716,601号(Rice)に記載されている。本明細書に記載された歯科用ペーストに含めるのに好適なシリカ含有歯科用研磨材は、Huber Engineered MaterialsからZEODENTの商品名で;GraceからSYLOID及びSYLODENTの商品名で;並びにEvonikからSIDENTの商品名で入手可能である。
一つ以上の歯科用研磨材は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約8重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約30重量%、約40重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、の総量で存在する。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約4重量%~約80重量%の歯科用研磨材を含む。その他の実施形態では、歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約8重量%~約50重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約30重量%、又は約5重量%~約25重量%歯科用研磨材を含む。
その他の歯科用ペースト構成成分
様々な実施において、本開示の歯科用ペーストは、任意に、担体、添加剤、補助剤、薬剤、及び/又は変性剤が挙げられるがこれらに限定されない、一つ以上のその他の構成成分を含む。このような構成成分の例としては、例えば、抗齲蝕剤(例えば、フッ化物源)、減感剤、抗歯肉炎剤、抗歯垢剤、レオロジー変性剤、緩衝剤、希釈剤、溶媒、界面活性剤、充填剤、乳化剤、発泡剤、pH調節剤、湿潤剤、抗微生物剤(例えば、抗菌剤)、口当たりをよくする薬剤(mouth feel agent)、食感改良剤(texture modifier)、オイル、口腔乾燥症軽減剤(例えば、唾液分泌促進剤)、口臭予防剤、息清涼剤、甘味料、薬物、治療用薬剤、抗炎症剤、香味剤、着色剤(例えば、色素又は染料)、防腐剤、安定剤、歯石制御剤、カーボンブラック、再石灰化剤、侵食防止剤、装飾剤、栄養素、酵素(例えば、リゾチーム、オキシダーゼなど)、タンパク質(例えば、エナメル質マトリックスタンパク質、プロリンが豊富なタンパク質)、ワックス、その他の好適な材料、並びにこれらの組み合わせ及びこれらの混合物(例えば、以下に示すカテゴリで記載のもの)などが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の歯科用ペーストに用いることができる様々な歯科用ペースト構成成分には、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,624,906号(Vermeer)で開示されるものも挙げることができる。
本開示の歯科用ペーストの任意の個々の構成成分は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。各カテゴリの構成成分の一般的な属性は異なり得るが、いくつかの共通の属性があり得、任意の所与の構成成分は、このようなカテゴリの構成成分のうちの2つ以上について複数の目的を果たすことができると理解されている。例えば、ソルビトールが歯科用ペーストに含まれる場合、ソルビトールは甘味料及び湿潤剤として作用することができる。歯科用ペーストの構成成分は、口腔環境における使用(例えば、薬学的に許容される及び/又は食品グレード)に適していなければならないと更に理解される。
担体
様々な実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、担体を含むことができる。担体は、存在する場合、液体、固体、又はその両方を含むことができる。いくつかの実施形態では、担体は、およそ室温で液体であり得る。その他の実施形態では、担体は、およそ室温で固体であり得る。いくつかの実施形態では、担体は、およそヒトの口腔の温度、即ち、約37℃で液体であり得る。その他の実施形態では、担体は、およそヒトの口腔の温度で固体であり得る。複数の担体が使用可能であると理解されている。液体担体の例としては、水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
好適な担体の更なる例としては、その各々全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,669,929号(Boydら)、同第6,379,654号(Gebreselassieら)、及び同第4,894,220号(Nabiら)に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、担体(又は担体の組み合わせ)は、実質的に水を含まない(例えば、担体の総重量に基づいて、約5重量%未満、又は約1重量%未満)。担体又は担体の組み合わせが実質的に水を含まないいくつかの実施形態では、このような担体又は担体の組み合わせは、水混和性(例えば、水溶性)である。実質的に水を含まない担体(又は担体の組み合わせ)を含む更なる実施形態では、歯科用ペーストはまた実質的に水を含まない(例えば、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約5重量%未満、又は約1重量%未満の水)。その他の実施形態では、歯科用ペーストは水を含み、水は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、少なくとも約10重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、又は少なくとも約50重量%の量で存在する。
式Iの化合物、式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び歯科用研磨材を含むがこれらに限定されない歯科用ペーストの各非担体構成成分は、独立して、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストのうちの少なくとも一つの構成成分は、担体中に溶解する。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストのうちの少なくとも一つの構成成分は、担体中に分散する。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストのうちの少なくとも一つの構成成分は、担体中に懸濁される。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストのうちの少なくとも一つの構成成分は、担体中で乳化する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、及び式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩は、各々担体中に溶解する。
フッ化物源(抗齲蝕剤)
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、例えば、一つ以上のフッ化物源などの、一つ以上の抗齲蝕剤を含むことができる。このようなフッ化物源は、口腔内でフッ化物イオンを放出する、又はそうでなければフッ化物イオンを提供する。フッ化物源は、無機フッ化物源、有機フッ化物源、又はこれらの組み合わせであることができる。
無機フッ化物源の例としては、例えば、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、アンモニウムビフルオリド、フッ化カルシウム、フッ化銅(例えば、フッ化第一銅、フッ化第二銅)、フッ化バリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フルオロジルコニウム酸ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノ及びジフルオロリン酸アルミニウム、フッ素化ピロリン酸ナトリウムカルシウム、フッ化第一スズ、フッ化亜鉛、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化アルミニウム、フッ化インジウム、フルオロジルコニウム酸第一スズ、フッ化第二鉄、フッ化ニッケル、フッ化白金、フッ化銀、フッ化ジルコニウム、フッ化ジアミン銀、及びこれらの組み合わせなどのフルオリドのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩が挙げることができるが、これらに限定されない。別の部類のフッ化物源は、フルオロアルミノシリケートガラスなどのフルオリド含有ガラスである。好適なフルオロアルミノシリケートガラスは、その各々全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,063,257号(Akahaneら)、同第4,209,434号(Wilsonら)、及び同第4,043,327号(Potterら)に記載されている。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ジアミン銀、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フルオロアルミノシリケートガラス、又はこれらの組み合わせなどの無機フッ化物源を含む。
有機フッ化物源としては、N,N,N’-トリス(2-ヒドロキシエチル)-N’-オクタデシル-1,3-ジアミノプロパンジヒドロフルオリド、ヘキシルアミンヒドロフルオリド、ラウリルアミンヒドロフルオリド、ミリスチルアミンヒドロフルオリド、デカノールアミンヒドロフルオリド、オクタデシルアミンヒドロフルオリド、ミリストキシアミンヒドロフルオリド、ジエチルアミノエチルオクトイルアミドヒドロフルオリド、ジエタノールアミノエチルオレイルアミドヒドロフルオリド(diethanolamineoethyloleylamide hydrofluoride)、ジエタノールアミノプロピル-N’-オクタデセニルアミンジヒドロフルオリド、1-エタノール-2-ヘキサデシルイミダゾリンジヒドロフルオリド、オクトイルエタノールアミンヒドロフルオリド、オクチルトリメチルアンモニウムフルオリド、ドデシルエチルジメチルアンモニウムフルオリド、テトラエチルアンモニウムフルオリド、ジラウリルジメチルアンモニウムフルオリド、デルタ8-9オクタデセニルベンジルジメチルアンモニウムフルオリド、ジオクチルジエチルアンモニウムフルオリド、シクロヘキシルセチルジメチルアンモニウムフルオリド、フルフリルラウリルジメチルアンモニウムフルオリド(furfuryllauryidimethylammonium fluoride)、フェノキシエチルセチルジメチルアンモニウムフルオリド、N,N’-テトラメチル-N,N’-ジラウリルエチレンジアンモニウムジフルオリド、N-セチルピリジニウムフルオリド、N,N-ジラウリルモルホリニウムフルオリド、N-ミリスチル-N-エチルモルホリニウムフルオリド、N-(オクチルアミノカルボニルエチル)-N-ベンジルジメチルアンモニウムフルオリド、N-(B-ヒドロキシドデシル)トリメチルアンモニウムフルオリド、N-フェニル-N-ヘキサデシルジエチルアンモニウムフルオリド、N-シクロヘキシル-N-オクタデシルジメチルアンモニウムフルオリド、N-(2-カルボメトキシエチル)-N-ベンジルジメチルアンモニウムフルオリド、N-(2-カルボシクロヘキソキシエチル)-N-ミリスチルジメチルアンモニウムフルオリド、N-(2-カルボベンジルオキシエチル)-N-ドデシルジメチルアンモニウムフルオリド、N-[2-(N,N’-ジメチルアミノカルボニル)-エチル]-N-ドデシルジエチルアンモニウムフルオリド(N-[2-(N,N'-dimethylaminocarbonyl)-ethyl]-N-dodecyidiethylammonium fluoride)、N-カルボキシメチル-N-シコシルジメチルアンモニウムフルオリド、オラフルル(N’-オクタデシルトリメチレンジアミン-N,N,N’-トリス(2-エタノール)ジヒドロフルオリド)、ベタインヒドロフルオリド、サルコシンフッ化スズ(II)、アラニンフッ化スズ(II)、グリシンフッ化カリウム、サルコシンフッ化カリウム(sarcosine potassium fluoride)、グリシンヒドロフルオリド、テトラプロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、リシンヒドロフルオリド、アラニンヒドロフルオリド、ベタインジルコニウムフルオリド、及びこれらの混合物が挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、有機フッ化物源として、テトラプロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
フッ化物源は、存在する場合、約200~6000ppmのフッ化物イオン、いくつかの実施形態では、約800~約1500ppmのフッ化物イオン、又は約2500~約5000ppmのフフッ化物イオンを放出するのに十分な量で、歯科用ペースト中に存在することができる。医院内で行う処置において意図されるいくつかの歯科用ペーストにおいて、フッ化物源は、約10,000~23,000ppmのフッ化物イオンを放出するのに十分な量で存在する。フッ化物源は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約0.001重量%~約5重量%で歯科用ペースト中に存在することができる。フッ化物源の組み合わせが使用可能であると理解されている。フッ化物源は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、フッ化物源は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
抗菌剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の抗菌剤を含むことができる。好適な抗菌剤の例としては、アルデヒド(グルタルアルデヒド(glutaraldyde)、フタルアルデヒド)、フェノール又は酸の塩、クロルヘキシジン又はその誘導体(アセテート、グルコネート、クロリド、ニトレート、サルフェート又はカルボネートなどの酸付加物を含む)、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
抗菌剤の非限定的な例としては、亜鉛塩、酸化亜鉛、スズ塩、酸化スズ、塩化ベンザルコニウム、ヘキシチジン、長鎖アルキルアンモニウム又はピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム(cetypyridinium chloride)、塩化テトラデシルピリジニウム)、精油(例えば、チモール)、フラノン、クロルヘキシジン及びその塩形態(例えば、クロルヘキシジングルコネート)、サンギナリン、トリクロサン、塩化スズ、フッ化第一スズ、オクテニジン、非イオン性又はイオン性界面活性剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、アルコール(モノマー、ポリマー、モノアルコール、ポリアルコール)、芳香族アルコール(例えば、フェノール)、抗菌ペプチド(例えば、ヒスタチン)、バクテリオシン(bactericins)(例えば、ナイシン)、抗生物質(例えば、テトラサイクリン)、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、無機及び有機酸(例えば、安息香酸、サリチル酸、脂肪酸など)又はそれらの塩、エステルなどのこのような酸の誘導体(例えば、p-ヒドロキシベンゾエート又はその他のパラベン、ラウリシジンなどの脂肪酸のグリセロールエステル)、フルオリド、EDTA、銀化合物、銀ナノ粒子、過酸化物(例えば、過酸化水素)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。抗菌剤は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、抗菌剤は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。その他の実施形態では、歯科用ペーストは抗菌剤を含まない。
界面活性剤及び発泡剤
本開示の歯科用ペーストのいくつかの実施形態は、一つ以上の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせであることができる。場合によっては、界面活性剤は、発泡剤として機能することもできる。好適な界面活性剤及び発泡剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、並びにその各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,174,515(Suhonen)、及び同第4,301,141号(Stierら)に記載されるものを挙げることができるが、これらに限定されない。
増粘剤
本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の無機若しくは天然若しくは合成の増粘剤又はゲル化剤を含むことができる。任意に、一つ以上の増粘剤は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約0.01重量%~約15重量%、いくつかの実施形態では、約0.1重量%~約10重量%、いくつかの実施形態では、約0.10重量%~約5重量%、いくつかの実施形態では、約0.2重量%~約5重量%、いくつかの実施形態では、約0.2重量%~約1重量%の総量で存在する。いくつかの実施形態では、歯科用ペースト中の増粘剤の比率は、チューブから歯ブラシ上に絞り出すことができ、ブラシの毛の間に落ちるのではなく、むしろ実質的にその上にその形状を維持する、押出可能な形状保持製品を形成するのに十分である。いくつかの実施形態では、例えば、回転磨き装置(例えば、プロフィーカップ)が磨き又は洗浄処置の間に使用される場合に、増粘剤は歯科用ペーストの飛散を最小にするのに十分である。いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、少なくとも一つの増粘剤を含むことができ、例えば、歯科用ペーストに所望の稠度及び/又は口当たりの良さを付与するのに有用である。
経口で許容可能な任意の増粘剤を使用することができる。本開示の歯科用ペーストで好適な増粘剤又はゲル化剤としては、非晶質シリカ(例えば、Huber CorporationからZEODENT 165の商品名で入手可能)、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、コロイダルシリカ、天然及び合成ガム及びコロイド、ポロキサマー、カルボキシビニルポリマーとしても知られるカルボマー、カラギーナン、アイリッシュモス、イオタカラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(カルメロース、セルロースガム)などのセルロース系ポリマー及びこれらの塩(例えば、カルメロースナトリウム)、カラヤ、キサンタン、アラビアガム、トラガカントガムなどの天然ガム、ポリビニルピロリドン、寒天、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一つ以上の増粘剤は、任意に、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約0.01重量%~約15重量%、例えば、約0.1重量%~約10重量%、又は約0.2重量%~約5重量%の総量で存在する。増粘剤又はゲル化剤は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、増粘剤又はゲル化剤は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
湿潤剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の湿潤剤を含むことができる。湿潤剤の例としては、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、アルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール)及びこれらの組み合わせなどの多価アルコールが挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態では、湿潤剤は、空気にさらされた際に歯科用ペーストの硬化を防止するように機能できる。様々な実施形態では、湿潤剤は甘味料として機能することもできる。一つ以上の湿潤剤は、任意に、約1重量%、約2重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約40重量%、約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約80重量%超、又はこれらの値のいずれか2つの間の範囲でありかつこれらの2つの値を含む範囲、の総量で存在する。例えば、歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約1重量%~約80重量%、約2重量%~約25重量%、又は約5重量%~約15重量%を含むことができる。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%の量の湿潤剤を含む。いくつかのこのような実施形態では、湿潤剤はソルビトールを含む。湿潤剤は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、湿潤剤は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
緩衝剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の緩衝剤若しくは緩衝系を含むことができる。好適な緩衝剤の例としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,149,661号(Pilchら)に更に記載されているホスフェート緩衝剤が挙げられる。緩衝剤又は緩衝系は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、緩衝剤又は緩衝系は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
着色剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の着色剤を含むことができる。着色剤は、任意の染料又は色素であることができる。着色剤は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、着色剤は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
香味剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の香味剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、香味剤としては、歯科用ペーストに、例えばミント香味などの香味を付与する薬剤が挙げられる。好適な香味剤の例としては、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブ芽油、メンソール、アネトール、メチルサリチレート、ユーカリプトール、カッシア、1-メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α-イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、シナモン、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピン、4-シス-へプテナール、ジアセチル、メチルp-tert-ブチルフェニルアセテート、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、歯科用ペーストに、例えば冷感などの触感を付与する薬剤を含む。冷感をもたらす薬剤の例としては、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド(商業的に「WS-3」として知られる)などのパラメンタンカルボキサミド剤が挙げられるが、これらに限定されない。香味剤及び/又は触感を付与する薬剤は、各々独立して、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、香味剤又は触感を付与する薬剤は、各々独立して、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストは、歯科用ペーストの総重量に基づいて、約0.001重量%~約5重量%の香味剤(又は触感を付与する薬剤)を含むことができる。
甘味料
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の甘味料を含むことができる。好適な甘味料の非限定的な例としては、キシロース、リボース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、マルトースなどの単糖、二糖及び多糖;エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトールなどを含む糖アルコール;可溶性サッカリン塩(即ち、サッカリンのナトリウム又はカルシウム塩)、シクラメート塩、L-アスパラギン酸由来の甘味料(L-アスパルチル-L-フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)など)のようなジペプチド系甘味料、スクラロース、アセスルファムカリウム、Advantame(商標)、Neotame(商標)などの人工甘味料;ステビア、タウマチン、モネリン、ブラゼイン、ペンタジンなどの天然甘味料、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。甘味料は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、甘味料は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
再石灰化剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つ以上の再石灰化剤を含むことができる。再石灰化剤は、カルシウム(例えばカルシウムイオン)及び/又はリン(例えば、ホスフェートイオン)の口腔環境への放出をもたらし、例えばエナメル質及び/又は象牙質の再石灰化などの再石灰化を促進することができる。カルシウム及びリンイオンの口腔環境中への放出により、歯科構造体の固有の再石灰化能力が向上することが知られている。好適な再石灰化剤としては、その各々全体が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,556,553号(Karlinsey)、同第9,023,373号(Karlinsey)、同第8,790,707号(Rusinら)、及び9,220,673号(Rusinら)に記載された表面処理したリン酸カルシウム粒子;米国特許第8,710,114号(Rusinら)に記載されたリン含有表面処理を有する粒子;米国特許第9,205,036号(Karlinsey)に記載されたβ-リン酸三カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。その各々全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,037,639号(Tung)、同第5,993,784号(Hill)、同第5,711,936号(Hill)、及び同第5,651,959号(Hillら)に記載されているような化合物及び方法もまた有用である。メタリン酸カルシウム、リン酸一カルシウム(無水物、一水和物、又は二水和物)、次リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム(無水物、一水和物、又は二水和物)、モノフルオロリン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸オクタカルシウム(octocalcium phosphate)、非晶質リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(α又はβ)、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、リン酸四カルシウム、及びこれらの組み合わせを含む、様々な形態のリン酸カルシウム粒子又はナノ粒子もまた有用である。その各々全体が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0208909号(Rusinら)、並びに米国特許第8,278,368号(Rusinら)、同第5,015,628号(Reynolds)、同第6,780,844号(Reynolds)、同第8,609,071号(Reynolds)、及び同第9,241,883号(Reynolds)に記載されているようなグリセロリン酸カルシウム、フィチン、カゼイン、及びその誘導体などを含む、カルシウムとリンを有する分子もまた有用である。米国特許出願公開第2015/0125823号(Rusinら)、並びに米国特許第6,709,744号(Dayら)、及び同第5,735,942号(Litowskiら)に記載されているようなカルシウムリンガラスもまた有用である。本開示の歯科用ペーストに含有させるのに好適な生体活性ガラスはまた、Schottから「VITRYXX」の商品名で入手可能である。再石灰化剤は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、再石灰化剤は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
減感剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つの減感剤又は複数の減感剤を含むことができる。減感剤は、象牙質過敏症に対し有効に機能することができる。減感剤の例としては、細管遮断剤、神経減感剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。減感剤の例としては、ストロンチウム塩(例えば、塩化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、及び/又は硝酸ストロンチウム)、カリウム塩(例えば、クエン酸カリウム、塩化カリウム、重炭酸カリウム、グルコン酸カリウム、及び/又は硝酸カリウム)、フッ化第一スズ;遊離又は塩形態の塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、及び/又はジアミノプロピオン酸、並びにこれらの塩)、及びこれらの組み合わせが更に挙げられるが、これらに限定されない。減感剤は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、減感剤は、担体に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
治療用薬剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つの治療用薬剤又は複数の治療用薬剤を含むことができる。このような治療用薬剤は、治療的特性を有する添加物であることができる。治療的特性としては、例えば、抗歯垢活性、抗齲蝕活性又は抗菌(例えば抗菌)活性を挙げることができる。いくつかの実施形態では、治療用薬剤は、バイオフィルム阻害活性又はバイオフィルム崩壊活性を有することができる。治療用薬剤は、歯科用ペースト中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。歯科用ペーストが担体を含むいくつかの実施形態では、治療用薬剤は、担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。
結合剤
いくつかの実施形態では、本開示の歯科用ペーストは、一つの結合剤又は複数の結合剤を含むことができる。結合剤は、対象者の口腔内において、式Iの化合物のリザーバを提供することができる。式Iの化合物は、結合剤から放出され得る。結合剤は、例えば、表面を化合物にさらすことができるように、対象者の口腔内における表面上又はその付近に、式Iの化合物を保持できる。表面は、例えば歯を含む、硬質表面であることができる。表面は、歯科用修復物であることができる。好適な結合剤の例が、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,968,709号(Yangら)に記載されている。
歯科用ペーストは、溶液、分散液、懸濁液、エマルション、固体、ペースト、泡、又はゲルを含む形態を有することができる。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、練り歯磨きである。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、プロフィーペーストである。歯科用ペーストの任意の構成成分は、歯科用ペーストの任意の他の構成成分に溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。いくつかの実施形態では、一つ以上の構成成分は、互いに可溶性(即ち、互いに相溶性)である。
いくつかの実施形態では、歯科用ペーストは、単一部分又は単一相の中に提供される。その他の実施形態では、歯科用ペーストは、使用時に混合されるまで別個に維持される第1及び第2の部分の両方を含む。第1及び第2の部分を別個に維持することは、歯科用ペーストのある部分と歯科用ペーストの別の部分との相互作用を実質的に防止するような方法で、部分が維持されることのみを必要とする。2つの部分からなる歯科用ペーストは、歯科用ペーストに含まれる一つ以上の非相溶性成分(構成成分)が存在する場合に用いることができる。例えば、歯科用ペーストが2つの非相溶性の活性成分を含む場合、これらを別々に維持するのに有利であり得る。
歯科用ペーストは、式Iの化合物、式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩、及び研磨材と、任意に歯科用ペーストの別の構成成分又は構成成分類(例えば、液体担体などの担体)とを混ぜ合わせることにより、配合することができる。歯科用ペーストが液体担体を含む場合、式Iの化合物及び/又は式IIの化合物又はその薬学的に許容される塩を、液体担体と組み合わせることができる。各化合物は、各々独立して、液体担体中に、溶解、分散、懸濁、又は乳化することができる。いくつかの実施形態では、歯科用ペーストの全ての構成成分は、ほぼ同時に混ぜ合わせられる。
方法及びキット
別の態様では、本開示は、対象者の口腔内の表面を処理する方法であって、(a)本明細書にて開示された歯科用ペーストの任意の一つを提供する工程と、(b)対象者の口腔内の表面に歯科用ペーストを適用する工程と、を含む、方法を提供する。対象者の口腔内の表面としては、例えば、頬面、歯肉面、歯、歯科修復物及び骨が挙げられる。いくつかの実施形態では、表面は、例えば歯の表面(例えば、エナメル質及び/又は象牙質などの生体表面を含むだけでなく、歯科修復物の表面のような非生体表面も含む)などの硬質表面である。歯科用ペーストは、例えば、ブラッシング(例えば、歯のブラッシング)、磨き、拭き取り、又はこれらの組み合わせにより、対象者の口腔内に適用することができる。口腔内の表面に歯科用ペーストを適用することは、表面を磨くこと(例えば、歯の表面を磨くこと)を更に含むことができる。ブラッシング(例えば、家庭で通常の歯のブラッシング)中に表面磨きを行うことができる一方で、歯科専門家(例えば歯科衛生士)により臨床環境で行うなどの歯科予防処置中に磨きを行うことができる。対象者は、ヒトであることができ、又は対象者は、非ヒト動物であることができる。非ヒト動物としては、イヌ科動物及びネコ科動物のような哺乳類が挙げられる。本開示の歯科用ペーストは、バイオフィルムの形成を阻害するように、例えば、対象者の口腔内の表面上でのバイオフィルムの形成を阻害するように働くことができる。したがって、別の態様では、本開示はまた、対象者の口腔内の表面を処理する方法であって、(a)本明細書にて開示された歯科用ペーストの任意の一つを提供する工程と、(b)対象者の口腔内の表面に歯科用ペーストを適用する工程と、を含む、方法を提供する。対象者の口腔内の表面、及び歯科用ペーストの適用方法は、前述のもののいずれかであることができる。
更に別の態様では、本開示は、(a)本明細書に開示された歯科用ペーストの任意の一つと、(b)アプリケータと、を含むキットを提供する。アプリケータは、ブラシ、スワブ、予防装置、及びこれらの組み合わせであることができる。予防装置の例としては、予防カップ(即ち「プロフィーカップ」)、及び予防アングル(「プロフィーアングル(prophy angles)」)が挙げられるが、これらに限定されない。アプリケータは、所与の適用における使用に適した任意のサイズであることができる。キットは、2つ以上のアプリケータ、又は2種以上のアプリケータ(例えば、ブラシ及びスワブ)を含むことができる。キットはまた、キットを使用するための取扱説明書を含むことができる。
歯科用ペーストは、口腔内でのバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な時間、口腔内における表面に接触することができる。時間は、最大約1秒、最大約5秒、最大約10秒、最大約30秒、最大約1分、最大約2分、最大約5分、最大約10分、最大約15分、最大約30分、又は最大約60分であることができる。時間は、約1ヶ月未満、約2週間未満、約1週間未満、約24時間未満、約20時間未満、約16時間未満、約12時間未満、約10時間未満、約8時間未満、約6時間未満、約4時間未満、又は約2時間未満であることができる。
歯科用ペーストは、対象者の口腔内において見られる少なくとも1種の細菌を含むバイオフィルムの形成を阻害するのに十分な量の、式Iの化合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、対象者はヒトである。他の実施形態では、対象者は非ヒト動物である。細菌としては、例えば、ストレプトコッカスミュータンス及びS.サングイスが挙げられる。
以下の実施形態は、本開示の例示を意図するものであり、限定するものではない。
実施形態
実施形態1は、
(i)式(I):
Figure 0007018899000005
[式中、
は水素原子又はアルキル基であり、
はC(O)R(式中、RはC~Cアルキル基である。)であり、
nは約2~約5の整数である。]の化合物と;
(ii)式II:
Figure 0007018899000006

[式中、
は水素原子又はアルキル基であり、
mは約2~約5の整数である。]の化合物又はその薬学的に許容される塩と;
(iii)歯科用研磨材と、
を含む歯科用ペーストである。
実施形態2は、Rが水素原子又はC~Cアルキル基である、実施形態1に記載の歯科用ペーストである。
実施形態3は、RがCアルキル基である、実施形態1又は2に記載の歯科用ペーストである。
実施形態4は、nが4である、実施形態1~3のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態5は、Rが水素原子又はC~C12アルキル基である、実施形態1~4のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態6は、mが4である、実施形態1~5のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態7は、RがCアルキル基であり、RがCアルキル基であり、nが4であり、Rが水素原子又はC~Cアルキル基であり、mが4である、実施形態1~6のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態8は、歯科用研磨材が、シリカ、アルミナ、パーライト、軽石、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、重炭酸ナトリウム、グリシン及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、実施形態1~7のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態9は、液体担体を更に含む、実施形態1~8のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態10は、液体担体が、水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、実施形態9に記載の歯科用ペーストである。
実施形態11は、フッ化物源、抗菌剤、界面活性剤、増粘剤、湿潤剤、緩衝剤、着色剤、色素、香味剤、甘味料、再石灰化剤、減感剤、発泡剤、治療用薬剤、抗歯肉炎剤、及びこれらの組み合わせを更に含む、実施形態1~10のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態12は、歯科用ペーストの総重量に基づいて、少なくとも10重量%の濃度でソルビトールを更に含む、実施形態1~11のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態13は、歯科用ペーストが、練り歯磨きである、実施形態1~12のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態14は、歯科用ペーストが、プロフィーペーストである、実施形態1~13のいずれか一つに記載の歯科用ペーストである。
実施形態15は、対象者の口腔内の表面を処理する方法であって、
(a)実施形態1~14のいずれか一つに記載の歯科用ペーストを提供することと、
(b)対象者の口腔内の表面に歯科用ペーストを適用することと、
を含む、方法である。
実施形態16は、表面が硬質表面である、実施形態15に記載の方法である。
実施形態17は、表面が歯の表面である、実施形態15又は16に記載の方法である。
実施形態18は、歯科用ペーストの適用が、ブラッシング、拭き取り、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態15~17のいずれか一つに記載の方法である。
実施形態19は、対象者の口腔内の表面を処理するためのキットであって、
(a)実施形態1~14のいずれか一つに記載の歯科用ペーストと、
(b)アプリケータと、を含むキットである。
実施形態20は、アプリケータが、ブラシ、スワブ、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態19に記載のキットである。
実施形態21は、対象者の口腔内の表面上でのバイオフィルムの形成を阻害する方法であって、
(a)実施形態1~14のいずれか一つに記載の歯科用ペーストを提供することと、
(b)対象者の口腔内の表面に歯科用ペーストを適用することと、
を含む、方法である。
本発明はその適用が、上述の記載で説明した構成要素の構成及び配置の詳細に限定されるものではないと理解すべきである。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実践又は実行することが可能である。また、本明細書において使用される語法及び専門用語は説明を目的としたものであり、限定するものとみなしてはならないことを理解されたい。他の実施形態を利用することもできること、及び本開示の範囲から逸脱することなく構造的又は論理的な変更を行うことができることを、更に理解されたい。
以下の実施例は、本開示の例示を目的とし、かつ、非限定的である。
本発明で使用する場合、別途特定されない限り、部及び百分率は全て重量基準であり、全ての水は脱イオン水(「DI水」)であり、全ての分子量は平均分子量である。別途特定されない限り、材料は、Sigma-Aldrich(Milwaukee,WI)から得ることができる。
材料
D-グルカミンは、TCI America(Portland,OR)から市販されている。N-メチル-D-グルカミン及びN-エチル-D-グルカミンは、MP Biomedicals(Solon,OH)から市販されている。N-メチル-N-ノナノイル-D-グルカミン(「MEGA-9」)は、EMD Chemicals,Inc.(San Diego,CA)から市販されている。N-オクチル-D-グルカミンは、Carbosynth,Inc.(San Diego,CA)から市販されている。
ソルビトール(70重量%水溶液)は、Spectrum Inc.(New Brunswick,NJ)から市販されている。グリセロールは、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)から市販されている。二酸化チタン(タイプMT-500B)は、Diacolor-Pope Inc.(Paterson,NJ)から入手可能である。セルロースガム(食品グレードのカルボキシメチルセルロース、1重量%溶液に関して約3,000cpsの粘度表示)、シリカ増粘剤(12マイクロメートルの平均粒径と220cc/100gの油吸収値)、及びシリカ研磨材(レーザー回折による測定で9マイクロメートルの平均粒径と、120g/100gの油吸収値、及び45m/gの表面積)は、様々な販売元から入手可能である。
約5重量%のスクロースを補充したムチン含有培地(MCM)の調製
約5重量%のスクロースを補充した1Lのムチン含有培地の原液を次のようにして調製した。ラブレムコ牛肉エキス粉末(1.0g、Thermo Fisher Scientific(Waltham,MA)から入手可能)、酵母エキス粉末(2.0g、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)から入手可能)、プロテオースペプトン(5g、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)から入手可能)、ブタ胃由来ムチンTypeIII(2.5g、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能)、塩化ナトリウム(0.35g)、塩化カルシウム二水和物(0.2g)、及び塩化カリウム(0.2g)を、DI水(800mL)中に溶解させた。pHは、較正済みpH電極(pH=6.9)を用いて測定した。追加のDI水(100mL)を添加し、この溶液を121℃で15分間オートクレーブした。室温まで冷却後、40%(w/v)の水性尿素(1.25mL、フィルター滅菌済)、続いて50%(w/v)のスクロース水溶液(98.75mL、オートクレーブ済)を添加した。MCM溶液の成分を表1にまとめる。
Figure 0007018899000007
バイオフィルムマイクロコズム試験法
市販の歯科用ミルブランク(Paradigm MZ100、3M Oral Care(St.Paul,MN)から入手可能)から形成され、1000グリット仕上げで最終的な厚さ2.0mmまで磨かれた複合ディスク(10mm直径×2.1mm厚)を、バイオフィルムの成長のための基材として使用した。使用に先立ち、ディスクを75%(v/v)エタノールで45~60分間殺菌した。ディスクを、再使用のために1%水酸化ナトリウム水溶液中で振盪して、バイオフィルムの成長を除去することによって洗浄し、水ですすぎ、50%の水性エタノール中に保管した。
一つの無菌複合ディスクを、無菌24穴プレートの各ウェルに入れた。単一の健康なドナー由来のヒト唾液:MCMが1:4の混合物(1.8mL)を、各ディスク含有ウェルに添加した。24穴プレートを、37℃のインキュベータに入れて、4時間振盪(60rpm)した。プレートをインキュベータから取り出し、増殖培地を除去し、各ウェルに新たなMCM(1.8mL、唾液無し)を添加して、プレートを振盪しながら37℃で4時間インキュベートした。以後、唾液非添加のMCMのみを、更なる培地交換に使用した。
次に、ディスクを以下のとおり5回の処理/増殖サイクルにかけた。ピペットでウェルから液体を除去した。処理溶液(1.8mL)をウェルの各々に添加し、次にディスクを1分間曝露した後でかかる溶液を各ウェルから除去した。次に、各ディスクを脱イオン水で2分間すすぎ、MCM(1.8mL)を各ウェルに添加し、プレートを37℃で4時間インキュベートした。冷却下で一晩保存し、MCMを除去して、リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS;Dulbecco & Vogt 1954,J.Exp.Med.99,167~182に記載され、「Dulbecco A」としても知られている)で置き換えた。最後の培地交換は、試験法終了の2時間前に実施した。
4日目の最後の処理/増殖サイクルの後に、乾燥した濾紙によりバイオフィルムを回収し、各ディスクの無水バイオフィルム質量を測定した。特に、生育したバイオフィルムを有するディスクを、DI水(1ウェル当たり1.0mL)を充填した新たな24穴プレートに慎重に移した。適度に振盪(約400rpm)しながら、各ディスクをDI水(1.0mL)で1分間3回洗浄した。洗浄した後、ディスクを慎重に濾紙上で吸い取り、余分な液体を除去した。次いで、一晩乾燥させた濾紙により、70℃にてマイクロ遠心チューブ中で各ディスクの表面を払拭することにより、バイオフィルムをディスクから除去し、秤量して、乾燥紙及びマイクロ遠心チューブの総重量を測定した。次いで、湿ったバイオフィルムが付いた各濾紙を、同一のマイクロ遠心チューブに戻し、70℃で一晩乾燥させ、乾燥バイオフィルム、紙、及びマイクロ遠心チューブを秤量し、チューブと紙の初期質量を減じることによりバイオフィルムの質量を求めた。バイオフィルムマイクロコズム試験法の工程を、表2にまとめる。
Figure 0007018899000008
練り歯磨き配合物
表3に示す構成成分及び量により、練り歯磨き配合物を調製し、構成成分が均一に分散するまで混合した。
Figure 0007018899000009
バイオフィルムマイクロコズム試験法で使用するための試験用(処理)溶液を調製するために、表3の練り歯磨き配合物の各々をDI水と混合し(練り歯磨き:DI水=1:3(重量による))、得られた混合物を遠心分離にかけ、遠心分離した混合物から上清水層を除去し、試験溶液として使用した。同じように、DI水と混合することによって市販の練り歯磨き(Colgate Total Clean Mint、0.30%トリクロサンを含む抗齲蝕フルオリドと抗歯肉炎練り歯磨き「Colgate」)から試験溶液(練り歯磨き:DI水=1:3(重量による))を調製し、混合物を遠心分離し、試験用に上清を回収した。
実験1
バイオフィルムマイクロコズム試験法を使用して、練り歯磨き配合物CE-1、CE-2、CE-3、EX-1、及び市販のColgateの試験溶液(陽性対照)を評価した。バイオフィルムマイクロコズム試験法を各試験について6連で3回繰り返した。実験1の試験法で使用されたヒト唾液は、単一の健康なボランティア(ドナーA)により提供された。バイオマスデータを表4に示す。
Figure 0007018899000010
表4のデータは、MEGA-9のみを含む練り歯磨き(CE-2)又はN-メチル-D-グルカミンのみを含む練り歯磨き(CE-3)は、バイオフィルムの成長に対する阻害効果をほとんど示さず、陰性対照(DI水)及びCE-1と同様のバイオマスが得られることを示す。対照的に、MEGA-9及びN-メチル-D-グルカミンの両方を含む練り歯磨き(EX-1)は、市販の、抗菌剤含有練り歯磨きColgateと同様、バイオフィルム成長に対する有意な阻害をもたらす。
実験2
バイオフィルムマイクロコズム試験法を使用して、練り歯磨き配合物CE-2、CE-4、EX-2、及び陽性対照として市販のColgateの試験溶液を評価した。バイオフィルムマイクロコズム試験法を各試験について6連で1回行った。実験2の試験法で使用されたヒト唾液は、単一の健康なボランティア(ドナーB)により提供された。バイオマスデータを表5に示す。
Figure 0007018899000011
表5のデータは、MEGA-9のみを含む練り歯磨き(CE-2)又はN-エチル-D-グルカミンのみを含む練り歯磨き(CE-4)は、バイオフィルム成長に対する阻害効果をほとんど示さず、陰性対照(DI水)と同様のバイオマスが得られることを示す。対照的に、MEGA-9及びN-エチル-D-グルカミンの両方を含む練り歯磨き(EX-2)は、市販の、抗菌剤含有練り歯磨きColgateと同様、バイオフィルム成長に対する有意な阻害をもたらす。
実験3
バイオフィルムマイクロコズム試験法を使用して、練り歯磨き配合物CE-2、CE-5、CE-6、EX-3、EX-4、及び市販のColgateの試験溶液(陽性対照)を評価した。バイオフィルムマイクロコズム試験法を各試験について6連で1回行った。実験3の試験法で使用されたヒト唾液は、単一の健康なボランティア(ドナーC)により提供された。バイオマスデータを表6に示す。
Figure 0007018899000012
表7のデータは、MEGA-9のみを含む練り歯磨き(CE-2)、又はD-グルカミンのみを含む練り歯磨き(CE-5)、又はN-オクチル-D-グルカミンのみを含む練り歯磨き(CE-6)は、バイオフィルム成長に対する阻害効果はほとんど示さず、陰性対照(DI水)と同様のバイオマスが得られることを示す。対照的に、MEGA-9及びD-グルカミンの両方を含む練り歯磨き(EX-3)、又はMEGA-9及びN-オクチル-D-グルカミンの両方を含む練り歯磨き(EX-4)は、どちらとも、抗菌剤含有練り歯磨きColgateと同様、バイオフィルム成長に対する有意な阻害をもたらす。
上述した実施形態は、単なる一例として示されており、本開示の考え方及び原理に対する限定として意図されていない。このように、当業者であれば要素並びにそれらの構成及び配列における様々な変化が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能であると理解されよう。
本明細書において引用された全ての参照及び刊行物は、その全体が参照することによって本開示に明確に援用される。
本開示の様々な特徴及び態様は、以下の請求項において述べられる。

Claims (6)

  1. (i)式I:
    Figure 0007018899000013
    [式中、
    ~C アルキル基であり、
    はC(O)R(式中、RはC~Cアルキル基である)であり、
    nはである]の化合物と;
    (ii)式II:
    Figure 0007018899000014
    [式中、
    は水素原子又は ~C 12 アルキル基であり、
    mはである]の化合物又はその薬学的に許容される塩と;
    (iii)歯科用研磨材と、
    を含む歯科用ペースト。
  2. がCアルキル基である、請求項1記載の歯科用ペースト。
  3. がCアルキル基であり、RがCアルキル基であり、 が水素原子又はC~Cアルキル基であ、請求項1又は2に記載の歯科用ペースト。
  4. 前記歯科用研磨材が、シリカ、アルミナ、パーライト、軽石、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、重炭酸ナトリウム、グリシン及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項1~のいずれか一項に記載の歯科用ペースト。
  5. 前記歯科用ペーストの総重量に基づいて、少なくとも10重量%の濃度でソルビトールを更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の歯科用ペースト。
  6. 対象者の口腔内の表面上でのバイオフィルムの形成を阻害するための、請求項1~のいずれか一項に記載の歯科用ペースト。
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