JP2013151451A - ツリフネソウ抽出物を含む抗酸化・抗アレルギー剤 - Google Patents

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Kyoko Ishiguro
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Hisae Oku
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Abstract

【課題】ツリフネソウに有益な新たな用途を見出すことを目的とする。
【解決手段】ツリフネソウの花弁及び/又は葉,特に葉の抽出物を含んでなる抗酸化・抗アレルギー剤。
【選択図】なし

Description

本発明は,ツリフネソウ(Impatiens textori)の抽出物に関し,より詳しくはツリフネソウの葉の抽出物を含んでなる抗酸化・抗アレルギー剤に関する。
ツリフネソウ(学名:Impatiens textori)は,ツリフネソウ科ツリフネソウ属の一年草で,東アジアに分布し,日本では低山から山地にかけて,やや湿った薄暗い場所に自生している。ツリフネソウについては,ルテオリン,アピゲニン,アピゲニン−7−O−グルコシドを含有する花弁の抽出物が抗アレルギー作用を有するものとして知られている(特許文献1)。
生体において,ヒドロキシラジカルやスーパーオキシド等の活性酸素が関わる反応は,遺伝子発現の調節,病原体に対する防御反応,癌細胞の障害,プロスタグランジン合成その他,生体の様々な機能に関与しており,生命維持に必須であるが,生体の酸化/抗酸化のバランスが酸化側に偏った場合は有害でもある。身体中の抗酸化物質レベルが低下すると,酸化ストレスが生じ活性酸素レベルが過度に上昇して,場合により細胞や組織を傷害し得る。極端な場合,例えば,虚血・再灌流傷害では,組織への血流が一定時間停止した後に再開したとき,供給された酸素からスーパーオキシドが急激に産生され,これにより組織が破壊される。これを防止するには,再灌流に際して抗酸化剤の投与が行われる。そのような急性のものでなくても,酸化ストレスは,種々の疾患,例えばアルツハイマー病,パーキンソン病,糖尿病,慢性関節リウマチその他の発症に,またひいては老化にも関与していると考えられている。このため,食品一般として抗酸化成分を含むものが好まれるほか,特に健康食品の形で,抗酸化性エキス剤等の日常的摂取が広く行われている。
生体のアレルギー反応においては,ヒスタミン等の様々な化学伝達物質が関与することが知られており,血小板活性因子(Platelet-Activating Factor:以下「PAF」と記す)もそのうちの一つである。外部刺激により産生されたPAFは,アレルギー反応のメディエーターとしてアナフィラキシー症状,血圧低下,血管透過性亢進,血管透過性亢進,気管支炎などの多くの症状の原因となる。従ってPAFの作用を抑制または阻害することでアレルギー疾患を軽減できると考えられており,その予防または治療剤の一つとしてPAF抑制剤が知られている(特許文献2)。
ルテオリンおよびアピゲニンは抗酸化作用のあるフラボノイドである。更にこれらの物質はヒスタミン遊離や炎症性サイトカインの発現,誘導型一酸化窒素合成酵素及びシクロオキシゲナーゼ−2の発現を抑制するほか,血小板凝集等を抑制し,アレルギー反応の開始前および開始後の両段階で作用することが明らかになっている。つまり,これらのフラボノイドについて,アレルギーや炎症の予防と治療における有効性が知られている(特許文献3,4及び非特許文献1)。
特開2001−278796 特開2004−137210 特開2000−86510 特開2001−114686
Biol. Pharm. Bull. (2010) 33, 714-716
上記の背景において,本発明者は,ツリフネソウにこれまで知られていない有益な用途を見出すことを目的とする。
本発明者は,ツリフネソウの葉及び花弁が共に,抗酸化作用を示す成分(特に,アスコルビン酸)を多量に含有すること,及び葉における抗酸化成分の含有量が,花弁に比して各段に多いことを見出した。更に本発明者は,ツリフネソウの葉が,花弁については含有が知られていた抗アレルギー成分(ルテオリン及びアピゲニン)を,花弁より遥かに多量に含有すること,及び,同一の抽出条件による抽出物を同量用いたin vivo試験において,抗アレルギー作用もこれらの抗アレルギー成分の多い葉の抽出物の方が花弁の抽出物より高い傾向があることを見出した。本発明は,これらの発見に基づき,更に検討を重ねて完成させたものである。すなわち,本発明は以下を提供する。
1.ツリフネソウの抽出物を含んでなる抗酸化剤。
2.該抽出物がツリフネソウの花弁及び/又は葉の抽出物である,上記1の抗酸化剤。
3.該抽出物がツリフネソウの葉の抽出物である,上記1の抗酸化剤。
4.ツリフネソウ葉の抽出物を含んでなる抗アレルギー剤。
5.該抽出物が,極性溶媒を抽出溶媒とする抽出物である,上記1〜3の何れかの抗酸化剤。
6.該抽出物が,極性溶媒を抽出溶媒とする抽出物である,上記4の抗アレルギー剤。
7.該極性溶媒がアルコール又は水/アルコール混液である,上記1,2,3又は5の何れかの抗酸化剤。
8.該極性溶媒がアルコール又は水/アルコール混液である,上記6の抗アレルギー剤。
9.上記1〜8の何れかの剤を含んでなる医薬品,食品又は化粧品。
10.ツリフネソウの抽出物の製造方法であって,ツリフネソウを凍結し,凍結状態で粉砕し,粉砕物を,極性溶媒を抽出溶媒として用いて抽出することを含むものである,製造方法。
11.該ツリフネソウの抽出物がツリフネソウの花弁及び/又は葉の抽出物である,上記10の製造方法。
12.該ツリフネソウの抽出物がツリフネソウの葉の抽出物である,上記10の製造方法。
13.該極性溶媒がアルコール又は水/アルコール混液である,上記10〜12の何れかの製造方法。
14.ツリフネソウの凍結が液体窒素によるものである,上記10〜13の何れかの製造方法。
15.得られた抽出液から抽出溶媒を除去することを更に含むものである,上記10〜14の何れかの製造方法。
本発明によれば,ツリフネソウの抽出物を抗酸化剤として利用することができる。特にツリフネソウの葉は,花弁に比べて抗酸化能及びアスコルビン酸含量が共に顕著に高いことから,葉の抽出物は花弁の抽出物より更に優れた抗酸化剤として利用できる。より具体的には,これらの抽出物は,医薬品や健康食品の成分として,また,一般の食品や化粧品等に添加する一成分として,利用することができる。また,ツリフネソウの葉の抽出物は,抗アレルギー作用を有するルテオリン及びアピゲニンを花弁の抽出物に比べて豊富に含有することから,同様に,抗アレルギー剤としても,医薬品や健康食品の成分として,及び一般の食品や化粧品等に添加する一成分として,利用することができる。これらツリフネソウの抽出物は,抗酸化と抗アレルギーという2種の作用を兼ね備えることができる点で,有用性が特に高い。
図1は,実施例3における,PAF投与後6〜12分における各群のマウスの血圧の平均値を示すグラフである。 図2は,実施例3における,PAF投与後から24分までの各群のマウスの血圧の推移を示すグラフである。
ツリフネソウの葉および花は屋外に自生または人工栽培しているものを用いればよく、または植物工場のような室内環境にて栽培したものを用いてもよい。
本発明において,ツリフネソウの「抽出物」の語は,ツリフネソウを機械的に搾ることにより得られる搾汁及びツリフネソウを抽出溶媒(特に極性溶媒)で抽出することにより得られる抽出液,並びに搾汁及び抽出液からそれらに含まれる水又は抽出溶媒の一部又は全部を除去した後に得られる濃縮液又は残渣の双方を包括的に意味する。
本発明において,ツリフネソウの抽出物を含んでなる抗酸化・抗アレルギー剤は,例えば,所望により種々の食品(例えば菓子類,飲料等)に成分として添加してもよく,必要に応じ,賦形剤,結合剤,滑沢剤,崩壊剤,甘味料等と共に製剤化する等により医薬品や健康食品の形態とすることができる。健康食品は,健康の維持又は増進に役立つ特定の機能を特に謳った食品であり,本明細書において,健康補助食品(日本健康食品・栄養食品協会による認定),保健機能食品(食品衛生法に基づく認定)を包含する。健康食品の製造には,搾汁又は抽出溶媒による抽出液から水又は抽出溶媒を除去した残渣(固形物)を用いることができるほか,搾汁や摂取可能な抽出溶媒(水,エタノール等)による抽出液それ自体やそれらから水や抽出溶媒を部分的に除去した濃縮液を用いることもできる。医薬品や健康食品の形態としては,錠剤,散剤,顆粒剤,軟カプセル剤,硬カプセル剤,丸剤等の固形製剤や,シロップ剤等の液状の製剤等,適宜の剤形を選択することができる。これらの剤形は製剤分野の当業者に周知であり,周知の賦形剤その他の材料等を適宜用いて常法により製造することができる。また,本発明の抗酸化・抗アレルギー剤は,化粧品の成分としても利用することができる。化粧品としては,美顔パック,化粧水,シャンプー,リンス,ヘアートニック,育毛剤,養毛剤等,適宜の形態を選択しこれ添加することができる。化粧品の製造における他の成分,例えば,界面活性剤,油脂,保湿剤,pH調整剤,キレート剤,増粘剤,ゲル化剤,皮膚軟化剤等及びそれらの組み合わせは,種々のものが周知であり,目的に合わせそれらを適宜用いて化粧品を製造することができる。本発明のツリフネソウ抽出物を含んでなる医薬品,食品特に健康食品,及び化粧品は,抗酸化作用と抗アレルギー作用を併せ持つことができる点で有用性が高い。
例えば,賦形剤としては,限定するものではないが,各種デンプン,結晶セルロース,乳糖,マンニトール,ショ糖,ブドウ糖,果糖,マルトース,ソルビトール,ステビオサイド,コーンシロップ,デキストリン,グリセリン,寒天,アラビアガム,カラギーナン,カゼイン,ゼラチン,ペクチン等を適宜用いることができる。
結合剤としては,例えば,結晶セルロース,白糖,D−マンニトール,デキストリン,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリビニルピロリドン等の高分子化合物を適宜用いることができる。
滑沢剤としては,例えば,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,タルク,コロイドシリカ等を適宜用いることができる。
崩壊剤としては,例えば,デンプン,カルボキシメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースカルシウム,クロスカルメロースナトリウム,カルボキシメチルスターチナトリウム等を適宜用いることができる。
甘味料としては,例えば,ブドウ糖,果糖,ショ糖,グリセリン,ソルビトール,アスパルテーム,サッカリンナトリウム,ステビア等を適宜用いることができる。
本発明において,ツリフネソウの葉の抽出操作には,種々の極性溶媒を単独で又は混合して用いることができる。抽出には冷浸,温浸,パーコレーション法等,当業者に知られた適宜の方法を用いればよい。極性溶媒の特に好ましい例は,メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノール,イソブタノールその他,炭素数1〜8の一価アルコール又はその水溶液である。このうちエタノール又は水/エタノール混液は,葉の抽出操作後に抽出物を含んだ健康補助食品や化粧品等のような組成物の形に製剤化する際の取り扱い易さ及び安全性の面からは特に好ましい。エタノール水溶液を用いるときは,特に限定はないが,例えば35%〜100%のエタノールを用いるのが,抽出操作を能率よく進める上で有利である。
極性溶媒としては,上記のほか,水そのものを用いて抽出することもできるほか,エチレングリコール,プロピレングリコール等のグリコール類やグリセロール等,炭素数2〜6の多価アルコール又はそれらと水の混合物,アセトン,エチルメチルケトン,イソブチルメチルケトン,メチル−n−プロピルケトン等炭素数4〜5のケトン又はそれらと水の混合物,又は酢酸エチル,酢酸イソプロピル等炭素数4〜8のエステル類,又はジエチルエーテル,イソプロピルエーテル,n−ブチルエーテル等炭素数4〜8のエーテル等を用いてもよい。
ツリフネソウの花弁や葉の抽出に際しては,薄い組織であるにも拘わらず予め粉砕しておくことで抽出速度が飛躍的に高まり,粉砕しなかった場合に比して,一定期間内に抽出されてくる成分量が飛躍的に増大することが判明した。粉砕の方法に特段の限定はないが,例えば,生の植物体(例えば葉)を用いる場合,凍結状態での粉砕が,容易に行え且つ粉砕中の成分の変性の懸念がない点でも好ましい。生の植物体の凍結方法に特段の限定は無いが,例えば,液体窒素を用いるのが便利である。
以下,実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが,本発明が実施例に限定されることは意図しない。
〔実施例1〕
<ツリフネソウの抽出及び分析>
生のツリフネソウの花弁及び葉を,別々に液体窒素で凍結させた後,凍結状態で粉砕したものをそれぞれ秤量した。これらを各3倍重量の70%エタノール水溶液中で4日間室温にて静置することにより,成分の抽出を行った。得られた各抽出液について以下の測定を行った。
<抗アレルギー成分含有濃度の測定>
花弁の抽出物に含まれることの既に知られている抗アレルギー成分であるルテオリン及びアピゲニン(特許文献1)について,上記抽出液中の含量を液体クロマトグラフィーで測定した。液体クロマトグラフィーの条件を次に示す。
装置: Infinity 1260(Agilent Technologies製)
カラム: Poroshell 120(4.6×50 mm, Agilent
Technologies製)
カラム温度: 37℃
移動相:水/アセトニトリル/0.5%酢酸=68/30/2
測定波長: 343 nm
結果を次の表1に示す。
Figure 2013151451
表1に見られるとおり,花弁の抽出液に比して,葉の抽出液はルテオリン含量が2.34倍,アピゲニン含量が1.46倍と非常に高い。すなわちこれらの成分の作用であるアレルギー、炎症の予防および治療の効果が大きいと期待できる。また,ルテオリンとアピゲニンの含量比については,花弁の抽出液ではルテオリン含量がアピゲニン含量の約半分(52%)しかないのに対し,葉の抽出液ではルテオリン含量がアピゲニン含量の83%と,ルテオリンの割合がアピゲニンのそれに近い。
<アスコルビン酸濃度の測定>
上記の各抽出液中のアスコルビン酸濃度をRQフレックス(藤原製作所製)により測定した。結果を次の表2に示す。
Figure 2013151451
表2に見られるように,アスコルビン酸濃度は,花弁の抽出液で37.3ppmであったのに対し,葉の抽出液では162.2ppmと,4.35倍もの高値を示した。
<抗酸化指数の測定>
抗酸化指数(ORAC,Oxygen Radical Absorbance Capacity)は,検体の抗酸化能についての汎用の指標であり,パーオキシラジカルによる蛍光プローブの酸化を検体が阻止又は抑制する強さを,蛍光強度の経時的減衰の阻止又は抑制を用いて測定し,参照標準物質とするトロロックス(Trolox,6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)の含量に換算して表すものである。
上記抽出液の抗酸化指数をOxiSelect ORAC Assay(Cell Biolabs Inc.)キットを用いて測定した。結果を次の表3に示す。
Figure 2013151451
表3が示すように,抗酸化指数は,花弁の抽出液では5680.5μM
TE/L(μM トロロックス当量/L)であったのに対し,葉の抽出液では12881.5μM TE/Lであり,花弁の抽出液に比して2.27倍も高いことが判明した。
〔実施例2〕
<ツリフネソウの植物体単位重量あたりの抗酸化指数の測定>
ツリフネソウの花弁及び葉の単位重量(1g)当たりの抗酸化指数を求めた。
生のツリフネソウの花弁及び葉を,別々に液体窒素で凍結させた後,粉砕したものをそれぞれ秤量し,各3倍重量の水を加えて室温で1分間ホモジナイズすることにより抽出し,抽出液の遠心上清を水性画分とした。また,遠心残渣に4倍重量の100%アセトンを加えて40分間室温にて振とうすることにより抽出し,抽出液の遠心上清をアセトン画分とした。花弁及び葉の各々につき,水性画分及びアセトン画分の抗酸化指数をOxiSelect ORAC Assayキットを用いて測定した。花弁と葉のそれぞれにつき水性画分とアセトン画分の測定値を合算し,使用したサンプル重量から各サンプル1g当たりの抗酸化指数を算出した。結果を次4の表に示す。
Figure 2013151451
表4が示すように,花弁1gあたりの抗酸化指数は46.5μM
TE/gであったのに対し,葉1gあたりの抗酸化指数は84.3μM TE/gと,葉の方が1.81倍も高いことが判明した。
なお,同じ方法により,参考までにリーフレタス1gあたりの抗酸化指数を測定したところ,1.5μM
TE/gであり,ツリフネソウの花弁及び葉の抗酸化指数は,リーフレタスの抗酸化指数の,それぞれ31倍及び56倍であった。
〔実施例3〕
<ツリフネソウ抽出物の抗アレルギー作用の確認>
ツリフネソウの花弁及び葉の各抽出物を調製し,それらの抗アレルギー作用について確認した。
1.ツリフネソウの35%エタノール抽出液の調製
生のツリフネソウの花弁及び葉に,各4倍重量の35%エタノールを加え,4日間冷暗所に静置することにより抽出を行った。抽出液中のルテオリン及びアピゲニンの濃度を実施例1と同様にして測定した。結果を次の表5に示す。
Figure 2013151451
表5に見られるように,花弁及び葉の抽出液中のルテオリン及びアピゲニンの濃度は,何れも,それらを凍結し粉砕してから抽出した実施例1に比べ遥かに低く,抽出効率において劣っているが,両成分ともに花弁より葉の抽出液に多く含まれていることは,ここでも確認された。
上記と同様にして得た各抽出液をエバポレーターにかけ溶媒を減圧留去して粘りのある固形物とし,花弁及び葉の抽出物とした。
2.抗アレルギー作用の検討
アレルギー反応のモデルとして,PAFによる血圧低下反応を用い,上記で得られた花弁及び葉の各抽出物について,抗アレルギー効果を調べた。すなわち,ddY系雄性マウス(6週齢)に,対照群,花弁抽出物投与群(P群),及び葉抽出物投与群(L群)に分け,P群及びL群の各マウスに,それぞれ花弁及び葉の各抽出物20mg/kgを水に溶解して経口投与し,対照群のマウスは無処置とした。その1時間後に対照群,P群,及びL群の各マウスに,生理食塩水に溶解させたPAFを尾静脈より10μg/kg静脈投与し,血圧低下を誘導した。血圧の測定は,非加温型非観血式血圧計
MK-2000(室町機械製)により行った。
結果を図1及び2に示す。図1は,PAF投与後6〜12分における各群のマウスの血圧の平均値を示すグラフであり,図2は,各群のマウスの血圧の経時的な推移を示すグラフである(* p<0.05,** p<0.01,及び*** p<0.001,対照に対するStudent's t-test)。これらのグラフに見られるように,花弁及び葉の各抽出物は何れもPAFによるマウスの血圧低下を顕著に抑制しており,これらの抽出物に顕著な抗アレルギー効果があることが分かる。また,花弁の抽出物に比べ,葉の抽出物の効果が強い傾向が見られる。
本発明は,ツリフネソウの抽出物を含んだ抗酸化・抗アレルギー剤を提供し,またこれを含有する医薬品,食品特に健康食品や化粧品をも提供するものとして有用である。

Claims (15)

  1. ツリフネソウの抽出物を含んでなる抗酸化剤。
  2. 該抽出物がツリフネソウの花弁及び/又は葉の抽出物である,請求項1の抗酸化剤。
  3. 該抽出物がツリフネソウの葉の抽出物である,請求項1の抗酸化剤。
  4. ツリフネソウ葉の抽出物を含んでなる抗アレルギー剤。
  5. 該抽出物が,極性溶媒を抽出溶媒とする抽出物である,請求項1〜3の何れかの抗酸化剤。
  6. 該抽出物が,極性溶媒を抽出溶媒とする抽出物である,請求項4の抗アレルギー剤。
  7. 該極性溶媒がアルコール又は水/アルコール混液である,請求項1,2,3又は5の何れかの抗酸化剤。
  8. 該極性溶媒がアルコール又は水/アルコール混液である,請求項6の抗アレルギー剤。
  9. 請求項1〜8の何れかの剤を含んでなる医薬品,食品又は化粧品。
  10. ツリフネソウの抽出物の製造方法であって,ツリフネソウを凍結し,凍結状態で粉砕し,粉砕物を,極性溶媒を抽出溶媒として用いて抽出することを含むものである,製造方法。
  11. 該ツリフネソウの抽出物がツリフネソウの花弁及び/又は葉の抽出物である,請求項10の製造方法。
  12. 該ツリフネソウの抽出物がツリフネソウの葉の抽出物である,請求項10の製造方法。
  13. 該極性溶媒がアルコール又は水/アルコール混液である,請求項10〜12の何れかの製造方法。
  14. ツリフネソウの凍結が液体窒素によるものである,請求項10〜13の何れかの製造方法。
  15. 得られた抽出液から抽出溶媒を除去することを更に含むものである,請求項10〜14の何れかの製造方法。
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