JP2013148228A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】前面パネルの取り外し操作による部材の変形や破損の発生を抑制可能で、しかも美観を損なうことのない空気調和機を提供する。
【解決手段】キャビネット3が、背面板10と、背面板10の前側を覆う前面パネル11とに分離可能とされ、前面パネル11及び背面板10のいずれか一方の部材の内面に係合爪14が形成され、他方の部材の内面に係合爪14が係合する爪受部15が形成され、係合爪14は、一方の部材の内面に設けられた基部と、基部から爪受部15に延びる腕部と、腕部の先端側に形成されて爪受部15に係止する爪部とを有し、一方の部材の表面において、一方の部材を挟んで基部と相対向する位置に押圧部21が形成され、押圧部21を手指で押圧することにより、一方の部材を内面側に弾性変形させて係合爪14を爪受部15から離脱させるようにした構成とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、キャビネットが、背面板と、その前側を覆う前面パネルとに分離可能な構造を有する空気調和機に関するものである。
従来、背面板と、その前側を覆う前面パネルとに分離可能なキャビネットを有する空気調和機として、例えば、特許文献1に示す構造のものが知られている。上記空気調和機においては、外箱(背面板)と、前面パネルとを係脱自在とするために、外箱から前方に突出する前パネル係合片係止用の係止爪を設け、前パネルの後部縁に、外箱に向かって係止爪の支持腕を弾性変形させるための押付片を配設している。
上記構成において、前パネルを外箱から取り外す場合には、前パネルの下方を手前に持ち上げることにより、前パネルの押付片が係止爪の支持腕を押し下げ、係止爪が弾性変形して係合片より下がって係合が外れるようになっている。
特開平6−221608号公報
上記構成の空気調和機では、前パネルを手前に持ち上げる際、前パネルの縁部が支点となって、押付片に力が作用する。しかしながら、上記構成においては、前パネルを持ち上げる力点から支点までの距離に比べて、支点から押付片(作用点)までの距離が極端に短い。従って、上記構造に不案内な使用者が前パネルを持ち上げる場合、少しの力の感覚でも押付片に作用する力は非常に大きなものとなる。また、前パネルを外箱から外す際に、いきなり前パネルが外れると、押付片に一気に力がかかることになる。これらのような場合には、押付片が容易に破損するというおそれがあった。
そこで、本発明においては、上記に鑑み、キャビネットが、背面板と、その前側を覆う前面パネルとに分離可能な構造であって、前面パネルの取り外し操作による部材の変形や破損の発生を抑制可能で、しかも美観を損なうことのない空気調和機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る空気調和機は、キャビネットが、背面板と、背面板の前側を覆う前面パネルとに分離可能とされ、前記前面パネル及び前記背面板のいずれか一方の部材の内面に係合爪が形成され、他方の部材の内面に前記係合爪が係合する爪受部が形成され、前記係合爪は、前記一方の部材の内面に設けられた基部と、前記基部から前記爪受部に延びる腕部と、前記腕部の先端側に形成されて前記爪受部に係止する爪部とを有し、前記一方の部材の表面において、前記一方の部材を挟んで前記基部と相対向する位置に押圧部が形成され、前記押圧部を手指で押圧することにより、前記一方の部材を内面側に弾性変形させて前記係合爪を前記爪受部から離脱させるようにしたことを特徴とする。
本発明では、係合爪を弾性変形させて爪受部に対して係合離脱させるのではなく、係合爪が形成される部材(前面パネル又は背面板)を弾性変形させることによって係合爪を爪受部に対して係合離脱させるようにしている。したがって、係合爪を弾性変形させる必要がないことから、係合爪の剛性を高く設定しておくことで、係合爪の変形や破損を防止することが可能となり、しかも係合爪及び爪受部は外部から見えないため美観を損なうことがない。
すなわち、係合爪を爪受部に対して係合離脱させるには、爪部を爪受部に対して所定距離だけ相対的に移動させることが必要となる。その際に、基部によって片持ち支持された係合爪の腕部を押圧するよりも、一方の部材の表面の一部を押圧するほうが押圧力を分散させることができる。したがって、一方の部材の表面に形成した押圧部を押圧しても、押圧部が変形したり破損することを防止することができる。
さらに、係合爪の剛性をより高めるために、係合爪の弾性変形を抑制する補強リブを形成することも可能であり、これにより、係合爪の変形や破損の危険性をより低減することができる。
押圧部は、一方の部材の内面に形成された係合爪の基部と同じ位置になるように、一方の部材の表面に形成される。すなわち、押圧部は、一方の部材の一部に形成され、手指で押圧したときに内面側に弾性変形可能な程度の弾性を有していることが必要とされる。なお、一方の部材の表面には押圧部の位置を特定できる表示を設けておくのが好ましい。この表示は、一方の部材の表面に文字や記号を印刷したり、凹凸を形成することによって視認できるようにすればよい。
上記空気調和機においては、爪受部が前記他方の部材から前記一方の部材側に突出するように形成され、前記係合爪が前記爪受部に係合した状態で前記押圧部を押圧したときに、前記一方の部材の弾性変形量が所定量に達したところで前記一方の部材が前記爪受部に接触し、それ以上の前記一方の部材の弾性変形を規制するような構成とすることも可能である。
なお、上記所定量の弾性変形量とは、一方の部材を内面側に弾性変形させたときに、爪部が爪受部から離脱するのに必要な変形量を意味する。すなわち、爪部が爪受部から離脱するのに必要な量だけ一方の部材が弾性変形すればよく、それ以上の変形を規制することによって、押圧部を押す力が強すぎた場合でも、一方の部材が変形したり破損することを防止することが可能となる。
また、係合爪を前面パネルの下面に形成し、爪受部を背面板の下面に形成すれば、係合爪に前面パネルの自重がかかり、爪部を爪受部に向かって付勢することができる。これにより、係合爪を爪受部に係合させた状態では、爪部が爪受部に確実に係止されるため不用意に前面パネルが外れるのを防止することができる。さらに、前面パネル側に係合爪を設ければ、押圧部を押圧した手でそのまま前面パネルを前方に引き出すことで1操作で背面板から前面パネルを取り外すことができる。
以上のとおり、本発明によると、背面板及び前面パネルのいずれか一方の部材の内面に爪部を有する係合爪を形成し、他方の部材の内面に爪部が係合する爪受部を形成し、一方の部材の表面において、一方の部材を挟んで係合爪の基部と相対向する位置に、爪部の係合を解除する押圧部を形成したため、前面パネルの取り外し操作が簡単確実で係合爪の変形や破損のおそれがなく、しかも美観を損なうことのない空気調和機を提供することが可能となる。
本発明の実施形態を示す空気調和機の室内機の斜視図 図1の背面板を上方から見た斜視図 図1の前面パネルを上方から見た斜視図 図2の一部拡大図 図3の一部拡大図 図1のA−A断面図 図6の一部拡大図 図7の係合爪を反対側からみた断面図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、空気調和機の室内機を下方から見た外観斜視図であり、図2は図1の背面板を上方から見た外観斜視図を、図3は図1の前面パネルを上方から見た外観斜視図を、図4は図2の一部拡大図を、図5は図3の一部拡大図を、図6は図1のA−A断面図をそれぞれ示す。
図1〜図3及び図6に示すように、室内機は、熱交換器1及びファン2を備え、これらがキャビネット3に内装されている。キャビネット3の天面に吸込口4が形成され、キャビネット3の前面下部に吹出口5が形成される。キャビネット3の内部には、吸込口4から吹出口5に至る空気通路6が形成されており、この空気通路6に熱交換器1とファン2とが配設される。
吸込口4と熱交換器1との間にはフィルタ7が配され、吸込口4から吸い込んだ室内の空気から塵埃を除去する。吹出口5の前面には導風パネル8が回動自在に取り付けられており、吹出口5から吹き出す風の向きを上下方向に変更可能とされている。導風パネル8の上流側に、縦ルーバ9が設けられる。縦ルーバ9は左右方向に回動する。縦ルーバ9により、左右方向の風向きが変えられる。
空気調和機では、室内機に対して図示しない室外機が室外に設置されている。室外機には、圧縮機、熱交換器、四方弁、室外ファン等が内装され、これらと室内側の熱交換器1とによって冷凍サイクルが形成される。そして、冷凍サイクルを制御する制御装置が室内機に設けられる。マイコンからなる制御装置は、ユーザの指示及び室外や外気温を検出する温度センサ等の各種のセンサの検出信号に基づいて、冷凍サイクルを制御し、冷暖房運転を行う。このとき、制御装置は、冷暖房運転に応じて、ファンモータの駆動及び導風パネル8の開閉を制御する。
図2及び図3に示すように、キャビネット3は、背面板10と、背面板10の前側を覆う前面パネル11とに分離可能とされる。図6に示すように、前面パネル11の前面上部にはフィルタ7を出し入れするための開口12が形成されており、この開口12を覆う前カバー13が前面パネル11に対して着脱自在に取り付けられる。
本実施形態では、図2〜図8に示すように、前面パネルの下面11aの内面端部に係合爪14が形成され、背面板の下面10aの内面端部に爪受部15が形成される。係合爪14は、前面パネルの下面11aの内面上に突設される基部16と、基部16に連設され、爪受部15に延びる腕部17と、腕部17の先端側に形成されて爪受部に係止する爪部18とを有している。なお、係合爪14を室内機の側方からみたときの形状は略L字状とされる。
また、本実施形態では、係合爪14の剛性を高めて係合爪14の弾性変形を抑制する補強リブ19,20が形成される。補強リブ19は、基部16において、腕部17が延びる側とは逆の側で前面パネルの下面11aとの間に形成され、腕部17にかかる負荷によって基部16が変形するのを押しとどめるように機能する。また、補強リブ20は、基部16において、腕部17が延びる側で腕部17から前面パネルの下面11aにわたって形成され、腕部17にかかる負荷によって腕部17や基部16が変形するのをひきとどめるように機能する。補強リブ19及び20により、係合爪14の変形を低減することができる。
前面パネル下面11aの表面には、前面パネル下面11aを挟んで基部16と相対向する位置に押圧部21が形成される。この位置に押圧部21を形成することで、効率よく爪部18を上方に押し上げて爪受部15から離脱させることが可能となる。押圧部21は、その位置を特定できるような表示(文字や記号等)を、印刷や、凹凸により形成することができる。
爪受部15は、背面板の下面10aの前端縁から前面パネル11側に突出するように形成される。爪受部15は、背面板の下面10aと同一平面上を前面パネル11側に突出形成されるのではなく、図7に示すように、段差部22を設けて背面板の下面10aよりも内方位置(本実施形態では上方位置)から前面パネル11側に向かって突出形成される。
上記構成により、爪受部15が前面パネルの下面11aに接触することなく、係合爪14と爪受部15とを係合させることができる。そして、係合爪14が爪受部15に係合した状態で、爪受部15はその一部が前面パネルの下面11aにオーバーラップすることになる。このとき、前面パネルの下面11aの後端部と、爪受部15との間の距離を調整して、押圧部21を押圧して爪部18が爪受部から離脱したところで前面パネルの下面11aが爪受部15に接触するようにする。
これにより、押圧部を押圧する力が強すぎた場合でも、爪部18が爪受部15から離脱したところで、前面パネルの下面11aが爪受部15に接触してそれ以上の押圧部21の弾性変形を規制することができ、押圧部21が変形したり破損することを防止することができる。
上記構成の室内機において、背面板10に前面パネル11を装着する場合は、先ず、背面板の上面10bの前端縁に形成されたフック部23に、前面パネルの上面11bの後端に形成された、吸込口のグリルを構成する横桟24を引っ掛ける。そして、フック部23を中心にして前面パネル11の下部を背面板10側に回動させることで、係合爪14が爪受部15に係合して背面板10に前面パネル11が装着される。前面パネル11を背面板10から取り外す場合は、押圧部21を押圧して係合爪14を爪受部15から離脱させた状態で、前面パネル11の下部を前方に引き出すようにすればよい。
1 熱交換器
2 ファン
3 キャビネット
4 吸込口
5 吹出口
6 空気通路
7 フィルタ
8 導風パネル
9 縦ルーバ
10 背面板
11 前面パネル
12 開口
13 前カバー
14 係合爪
15 爪受部
16 基部
17 腕部
18 爪部
19 補強リブ
20 補強リブ
21 押圧部
22 段差部
23 フック部
24 横桟

Claims (4)

  1. キャビネットが、背面板と、背面板の前側を覆う前面パネルとに分離可能とされ、前記前面パネル及び前記背面板のいずれか一方の部材の内面に係合爪が形成され、他方の部材の内面に前記係合爪が係合する爪受部が形成され、前記係合爪は、前記一方の部材の内面に設けられた基部と、前記基部から前記爪受部に延びる腕部と、前記腕部の先端側に形成されて前記爪受部に係止する爪部とを有し、前記一方の部材の表面において、前記一方の部材を挟んで前記基部と相対向する位置に押圧部が形成され、前記押圧部を手指で押圧することにより、前記一方の部材を内面側に弾性変形させて前記係合爪を前記爪受部から離脱させるようにしたことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記係合爪の弾性変形を抑制する補強リブが形成されたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
  3. 前記爪受部が前記他方の部材から前記一方の部材側に突出するように形成され、前記係合爪が前記爪受部に係合した状態で前記押圧部を押圧したときに、前記一方の部材の弾性変形量が所定量に達したところで前記一方の部材が前記爪受部に接触し、それ以上の前記一方の部材の弾性変形を規制することを特徴とする請求項1又は2記載の空気調和機。
  4. 前記係合爪が前記前面パネルの下面に形成され、前記爪受部が前記背面板の下面に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和機。
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