JP2013145621A - 垂直磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】磁気記録層がパターン加工された磁気記録媒体において、良好な記録再生特性を得る。
【解決手段】実施の形態にかかる垂直磁気記録媒体は、基板と垂直磁気記録層を有する。垂直磁気記録層は、記録部と非記録部を有する。記録部は、面内方向に規則的に配列されたパターンを有し、FeまたはCo、及びPtを主成分とし、及びTi、Si、Al、及びWから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層を有する。非記録部は、磁性層側面が酸化して形成された酸化物層と、酸化物層間に設けられた非磁性層とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、垂直磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)に対する、高容量化のニーズは年々高まっている。現在、主流となっている磁気記録媒体は、記録媒体を構成する各層を、基板全面に一様に形成した構成となっているものである。しかしながら、500Gb/inを超える記録容量を達成する場合、隣り合うデータ信号同士が近接しすぎるために、そのデータ信号を記録再生する際に、本来、記録再生すべきでない近接データまで読み込んだり書き込んだりする現象が発生していた。
そこで近年、この様な現象を回避し、さらなる記録密度の向上を実現する技術として、パターンド媒体が盛んに研究されてきた。パターンド媒体とは、磁性膜をあらかじめ決められたパターンに加工し、パターンに応じて記録再生ヘッドで情報を記録再生するという特徴を持っている。加工パターンの形態に関しては、サーボ情報と記録トラックのみを加工し、従来と同じ方法で周方向に記録を行うディスクリートトラック媒体(DTM)と、サーボ情報だけでなく周方向にビット単位のパターンも加工する、いわゆるビットパターンド媒体(BPM)とが検討されている。
このようなディスクリート媒体(DTM)やビットパターンド媒体(BPM)は、媒体上にサーボ情報をあらかじめ形成するため、従来必要であったサーボ情報を磁気記録するための時間を短縮でき、装置コストを下げることができる。また、トラック間または磁化反転単位間(ビット間)に磁性膜がなく、そこから発生するノイズがないため、信号品質(信号/ノイズ比:SNR)を向上させることができ、高密度の磁気記録媒体および磁気記録装置を作製できる。
しかしながら、DTMやBPMにおいては、磁性膜を微細なパターンに加工するため、加工中における磁性膜のダメージが懸念される。例として、Coなどの磁性元素の酸化により磁性膜の磁気特性が劣化し、媒体の記録再生特性が悪化する可能性がある。
このため、記録再生特性の維持しつつ、簡便なプロセスを、実現することが望まれている。
特開2010−272183号公報
実施形態は、磁気記録層がパターン加工された磁気記録媒体において、良好な記録再生特性を得ることを目的とする。
実施形態によれば、基板、及び該基板上に設けられ、面内方向に規則的に配列されたパターンを有し、鉄及びコバルトのうち1つ、及びプラチナからなる主成分、及びチタン、シリコン、アルミニウム、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層を有する記録部と、該磁性層(記録部)側面が酸化して形成された酸化物層、及び該酸化物層間に設けられた非磁性層を有する非記録部とを含む垂直磁気記録層を具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体が提供される。
実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の構成の一例を表す図である。 図1の垂直磁気記録媒体の製造工程の一例を表すフローである。 実施形態にかかる磁気記録媒体を搭載した磁気記録装置を示す斜視図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 ディスクリートトラック媒体(DTR)用凹凸パターンの一例を表す正面図である。 ビットパターンド媒体(BPM)用凹凸パターンの一例を表す正面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。 一実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図である。
実施の形態にかかる垂直磁気記録媒体は、基板と垂直磁気記録層を有する。
垂直磁気記録層は、記録部と非記録部を有する。
記録部は、面内方向に規則的に配列されたパターンを有し、鉄及びコバルトのうち1つ、及びプラチナからなる主成分、及びチタン、シリコン、アルミニウム、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層を有する。
非記録部は、磁性層(記録部)側面が酸化して形成された酸化物層と、酸化物層間に設けられた非磁性層とを有する。
また、実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の製造方法は、垂直磁気記録媒体の垂直磁気記録層をパターン加工する工程を含む。垂直磁気記録層のパターン加工は、加工前の垂直磁気記録媒体の保護層表面に規則的に配列されたパターンを持つ凸部を有するマスク層を形成する工程、マスク層を介してエッチングを行うことにより、規則的に配列されたパターンを有する保護層及び磁性層を形成する工程、磁性層(記録部)側面を酸化して酸化物層を形成する工程、マスク層を剥離する工程、及び酸化物層間に非磁性層を形成し、平坦化せしめる工程を含む。加工前の垂直磁気記録媒体は、基板、基板上に形成された鉄及びコバルトのうち1つ、及びプラチナからなる主成分、及びチタン、シリコン、アルミニウム、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層、及び磁性層上に形成された保護層を含む。
さらに、実施形態にかかる磁気記録再生装置は、上記垂直磁気記録媒体と、
垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、
垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、
磁気ヘッドを前記垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを含む。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の構成の一例を表す図を示す。
図示するように、この垂直磁気記録媒体10は、基板1と、基板1上に形成された磁気記録層5を含む。磁気記録層5は、面内方向に規則的に配列されたパターンを有し、鉄及びコバルトのうち1つ、及びプラチナからなる主成分、及びチタン、シリコン、アルミニウム、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層の側面を酸化して形成された酸化物層3と、酸化されなかった磁性層2と、酸化物層3間に設けられた非磁性層4とを含む。磁気記録層5のうち、酸化されなかった磁性層2は記録部Mを構成し、酸化物層3と非磁性層4は非記録部Nを構成する。
また、図2に、図1の垂直磁気記録媒体の製造工程の一例を表すフローを示す。
図示するように、まず、加工前の垂直磁気記録媒体として、基板と、基板上に形成された鉄及びコバルトのうち1つ、及びプラチナからなる主成分、及びチタン、シリコン、アルミニウム、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層と、磁性層上に形成された保護層とを含む積層体を用意する。
次に、加工前の垂直磁気記録媒体の保護層表面に規則的に配列されたパターンを持つ凸部を有するマスク層を形成する(BL1)。その後、マスク層を介してエッチングを行うことにより、規則的に配列されたパターンを有する保護層及び磁性層を形成する(BL2)。続いて、磁性層側面を酸化して酸化物層を形成する(BL3)。その後、マスク層を剥離する(BL4)。そして、酸化物層間に非磁性層を形成し、平坦化せしめる(BL5)。このようにして、パターン加工された垂直磁気記録媒体を得る。
<基板>
基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などを用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが挙げられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層が形成されたものを用いることもできる。基板上への薄膜の形成方法としてスパッタリングのみならず、真空蒸着や電解メッキなどを使用することができる。
<非磁性下地層>
非磁性基板上に、非磁性下地層を設けることができる。非磁性下地層は、垂直磁気記録層に接触するように形成され、垂直磁気記録層の結晶配向性や結晶粒径を制御することができる。非磁性下地層としては、Ru合金、Ni合金、Pt合金、Pd合金、Ta合金、Cr合金、Si合金、及びCu合金のいずれかを用いることができる。非磁性下地層の膜厚は、1nmないし20nmであることが好ましい。配向制御層の膜厚が1nm未満であると、非磁性下地層としての効果が不十分となり、結晶配向性が悪化する傾向がある。また、非磁性下地層の膜厚が20nmを超えると、スペーシングがロスする傾向がある。また、非磁性下地層は、一層または複数の層から形成され得る。
<磁性層>
垂直磁気記録層に用いられる磁性層としては、鉄及びコバルトのいずれか一種とプラチナとを主成分として含有し、チタン、シリコン、アルミニウム、タングステンから選ばれる少なくとも一種を添加成分として含有することが好ましい。
添加成分の添加量は、磁性層の全組成に対し5原子%ないし20原子%の範囲であることが好ましい。ここで、磁性層の全組成に対し主成分として用いられる元素は、添加成分として用いられる元素よりも多く含まれるものとする。
添加成分の添加量が上記範囲内であると、磁性粒子のKuを下げ過ぎず、また高い磁化を維持し、結果として高密度記録に適した記録再生特性と十分な熱揺らぎ特性が得られる傾向がある。添加成分の添加量が20原子%を超えた場合、磁性粒子のKuが小さくなるため熱揺らぎ特性が悪化し、垂直磁気記録層の飽和磁化(Ms)も減少し、再生出力が悪化する傾向がある。同時に、磁性粒子の結晶性、配向性も悪化することで、結果として記録再生特性が悪くなる傾向がある。添加成分の添加量が5原子%未満であると、添加量が少な過ぎるために、酸化皮膜の厚みが薄く均一な膜が形成できないため、剥離時のダメージを軽減することができない。
垂直磁気記録層の厚さは、好ましくは3ないし30nmの範囲、より好ましくは5ないし15nmである。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。垂直磁気記録層の厚さが3nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。垂直磁気記録層の厚さが30nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。垂直磁気記録層は二層以上の積層膜にすることもできるが、この場合、積層した合計が上述の範囲内であることが望ましい。垂直磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることが好ましい。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。垂直磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
垂直磁気記録層のPt含有量は、10原子%ないし25原子%の範囲であることが好ましい。
Pt含有量が上記範囲内であると、垂直磁気記録層に必要な一軸結晶磁気異方性定数(Ku)が得られ、さらに磁性粒子の結晶配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られる傾向がある。Pt含有量が25原子%を超えた場合、あるいは10原子%未満である場合には、高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られない傾向がある。
また垂直磁気記録層は複数の膜の積層にすることができる。この場合、上記添加成分はその積層の全ての膜、または一部の膜に添加することができる。
<保護膜>
保護膜は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で垂直磁気記録層上に設けることができる。保護膜の材料としては、たとえばC、SiO、及びZrOを含むものが挙げられる。
保護膜の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。カーボンは、sp結合炭素(グラファイト)とsp結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp結合炭素とsp結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用され得る。CVD(chemical vapor deposition)法によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
<密着層、および軟磁性下地層>
非磁性基板と非磁性下地層との間に、密着層や軟磁性下地層をさらに設けることができる。
密着層は、基板との密着性の向上のために設けられる。密着層の材料としては、Ti、Ta、W、Cr、Ptやこれらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
軟磁性下地層(SUL)は、垂直磁磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担い、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性下地層には、例えば、Co,FeまたはNiを含む材料を用いることができる。このような材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を挙げることができる。Co合金には80原子%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。他の軟磁性下地層の材料として、CoFe系合金たとえばCoFe、CoFeVなど、及びFeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、及びFeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、及びFeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。また、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。
さらに、スパイクノイズ防止のために軟磁性下地層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmの非磁性分断層を挿入することで反強磁性結合させてもよい。その場合、Ru、Ru合金、Pd、Cu、Ptなどを用いることができる。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、非磁性分断層の上下に磁性膜(たとえばCo)または非磁性膜(たとえばPt)を積層してもよい。
<剥離層、剥離液、剥離ガス>
剥離層は、記録層を加工後に残存した余剰マスクを除去する目的で、マスク層を形成する前に例えば加工前の磁気記録媒体上に直接形成することができる。
剥離液、及び剥離ガスは、剥離層を除去する際に使用することができる。
剥離層は、剥離液や剥離ガスに合わせて、自由に選択することができる。剥離液としては、酸およびアルカリ等を用いることができ、酸としては、過酸化水素水(H2O2)、塩酸、硝酸、リン酸などを用いることができる。アルカリとしては、NaOH,KOH、アンモニア水などを用いることができる。剥離ガスとしては、Oやオゾン等を用いることができる。
剥離液として酸およびアルカリを用いた場合、剥離層はこれらに容易に溶解する金属またはその合金を選択できる。このような金属として、例えばMo、W、Ge,V、Al等の金属が挙げられる。剥離ガスとしてOを用いた場合、Oで除去できるC層などを用いることができる。剥離液や剥離ガスの効果が強すぎると記録部(記録ドット)に過剰なダメージが入るため好ましくない。しかし一方で、効果が弱すぎると、剥離に時間がかかり、量産性が悪くなるため好ましくない。例えば、酸の場合、0.1ないし10%程度の濃度で用いることが好ましい。
<マスク層>
マスク層としては、炭素、タンタル、シリコン、及びニッケル等を使用することができる。
<記録部の中心間距離(ドットピッチ)>
垂直磁気記録層のパターン加工に用いられるBPMパターンは、必要とする記録密度に応じて自由に選ぶことができる。具体的には、隣り合う記録部(記録ドット)間の中心間距離(ドットピッチ)は10ないし30nmであることが好ましい。30nmより大きいと加工性は良好になるものの垂直磁気記録媒体の高密度化が実現できない。ドットピッチが10nm未満であると加工性が難しくなり、量産性が下がるとともに、記録部(記録ドット)の熱揺らぎ耐性が悪化し、部分的に室温で信号が消えてしまう現象が発生する。
図3は、実施形態にかかる磁気記録媒体を搭載した磁気記録装置を示す斜視図である。
図3に示すように、実施形態に係る磁気記録装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。パターンド媒体100は、スピンドルモータ140に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気記録装置150は、複数のパターンド媒体1を備えたものでもよい。
パターンド媒体1に対して情報の記録再生を行うヘッドスライダー130は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ヘッドスライダー130の先端付近には磁気ヘッドが設けられている。パターンド媒体100が回転すると、サスペンション154による押付け圧力とヘッドスライダー130の媒体対向面(ABS)で発生する圧力とがつりあい、ヘッドスライダー130の媒体対向面は、パターンド媒体1の表面から所定の浮上量をもって保持される。
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石及び対向ヨークからなる磁気回路とから構成することができる。アクチュエータアーム155は、ピボット157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。その結果、磁気ヘッドをパターンド媒体100の任意の位置にアクセスできる。
実施例1
図4ないし6及び図9ないし図14に、実施例1にかかる垂直磁気記録媒体の製造工程を表す概略的な断面図を示す。
ガラス基板1(コニカミノルタ社製アモルファス基板MEL6、直径2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ社製C−3010)の製膜チャンバー内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで製膜チャンバー内を排気した。図4に示すように、この基板1上に、密着層11として、CrTiを10nm形成した。次いで、軟磁性層12としてCoFeTaZrを40nm製膜して軟磁性層12を形成した。非磁性下地層13として、Ruを10nmした。その後、未加工の磁性層14として、Co−20at%Pt−10at%Tiを10nm形成した。次いで、CVD法により、2nmのダイアモンドライクカーボン(DLC)保護層15を形成し、未加工の垂直磁気記録媒体20を得た。
次いで、図5に示すように、保護層15表面に剥離層16としてMo膜を5nm形成し、マスク層17としてC膜を30nm形成し、Cマスク層上に厚さ50nmになるように、SOG(spin-on-glass)からなるレジスト18をスピンコートした。
続いて、ドットピッチが20nm、ドット径が15nmになるように設計された、所定の凹凸パターンが形成された図示しないスタンパを用意した。スタンパは、EB描画、Ni電鋳、射出成形を経て製造した。スタンパを、その凹凸面がSOGレジスト18に対向するように配置した。SOGレジストに対してスタンパをインプリントして、図6に示すように、スタンパの凹凸パターンをSOGレジスト18に転写した。その後、スタンパを取り外した。
図7に、上記凹凸パターンとして、記録トラック及び記録再生ヘッドの位置決めをするための情報を記録したディスクリートトラック媒体(DTR)用凹凸パターンの一例を表す正面図、図8に、記録ビット、及び記録再生ヘッドの位置決めをするための情報を記録したビットパターンド媒体(BPM)用凹凸パターンの一例を表す正面図を各々、示す。
上記EB描画の描画パターンとして、例えば、図7に示すように、データ領域に設けられたトラックパターン111と、サーボ領域に設けられたプリアンブルアドレスパターン112、及びバーストパターン113を含むサーボ領域パターン114に対応するパターン、あるいは、図8に示すように、データ領域に設けられたビットパターン111’と、サーボ領域に設けられた例えばプリアンブルアドレスパターン112、及びバーストパターン113を含むサーボ領域パターン114に対応するパターン等が挙げられる。
なお、実施例では、BPMを作製した。
SOGレジスト18に転写された凹凸パターンの凹部の底にはSOGレジスト残渣が残っているため、誘導結合プラズマ−リアクティブイオンエッチング装置(ICP−RIE)により、プロセスガスとしてCFを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテン(バイアス)RFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を60秒としてドライエッチングを行い、図9に示すように、凹部のレジスト残渣を除去し、凹部でCマスク層17の表面を露出させた。
次いで、パターン化されたレジストをマスクとして、ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、コイルRFパワーおよびプラテンRFパワーをそれぞれ100Wおよび50Wとし、エッチング時間を10秒として、Cマスク層17をエッチングして凹凸パターンを転写し、図10に示すように、BPM用凹凸パターンに対応する凸部を有するCマスク層17を形成し、この凸部間の凹部ではMo剥離層16の表面を露出させた。
次いで、パターン化されたCマスク層17をマスクとして、イオンミリング装置により、Arガスを使用し、ガス圧を0.06Paとし、加速電圧400V、エッチング時間を30秒間として、図11に示すように、Moからなる剥離層16、DCL保護層15、磁性層14をエッチングしてパターンを転写した。
次いで、媒体を150℃まで加熱し、0.5Paの酸素雰囲気中で60秒間酸素に曝露して磁性層14側面の酸化処理を行うことにより、磁性層14のうち、その側壁の領域に酸化物層22が形成された。酸化されずに残った領域は磁性層21となった。
次いで、10%の過酸化水素水へ媒体を浸漬し、1分間保持することで、Mo剥離層16を溶解することにより、図13に示すように、DLC保護層15より上に残存しているMo剥離層16とCマスク層17を全て除去した。
次いで、CVD法によりDLCを用いて酸化物層22間の凹部を埋めるように蒸着することにより、保護膜15と一体化された非磁性層15’を30nm形成し、図13に示すように、平坦化処理を行い、保護膜15を含むパターン加工された垂直磁気記録層23を得た。
次いで、ディッピング法により図示しない潤滑剤を塗布し、実施形態に係るパターンド型の垂直磁気記録媒体を得た。
実施例2〜14および比較例1〜23
スパッタにて形成される磁性層の組成、酸化処理の有無、酸化処理後の添加成分含有量、及び非磁性層に使用される材料(C、SiO、TiO、Ti)を下記表1−1、1−2に記載のように変化させ、実施例2〜14および比較例1〜23の垂直磁気記録媒体を得た。
ただし、比較例の媒体においては、図12に示すような酸化物層を形成するプロセスを省略した。実施例1〜14および比較例1〜23について、静磁気特性、断面方向の元素組成分布および記録再生特性を測定した。得られた結果を下記表1−1、1−2に示す。
静磁気特性の評価には、理研電子社製 振動試料型磁力計(VSM)装置を用いて飽和磁化Ms(dB)を測定した。なお、ここで用いられるMsは記録ドット(記録部)のMsではなく、垂直磁気記録層全体の平均のMsを使用している。
記録再生特性の評価には、書き込みにシールド付(シールドは、磁気ヘッドから出る磁束を収束させる働きを持つ)のシングルポール磁極であるシールディットポール磁極、再生部にTMR素子を用いたヘッドを用いて、記録周波数を記録ドットのピッチ周期に合わせて、そのシグナルノイズ比(SNR)を測定した。
Figure 2013145621
なお、表中%は全て原子%を表すものとする。
Figure 2013145621
なお、表中%は全て原子%を表すものとする。
表1−1、1−2より、実施例1〜4の媒体ではMsが420(emu/cc)程度であるのに対し、比較例1〜4の媒体では210(emu/cc)程度と半分程度まで減少していることが分かる。同様に、実施例5〜8の媒体ではMsが510(emu/cc)程度であるのに対し、比較例5〜8の媒体では250(emu/cc)程度と半分程度まで減少していることが分かる。このことから、比較例1〜8の媒体の結果から、記録層にTi,Si,Al,Wから選ばれる少なくとも一種を添加するだけでは、むしろ膜のMsを悪化させていることが分かる。一方、実施例1〜8の媒体の結果より、酸化処理を行うことで添加成分が磁性層から析出してMsが増加していることが分かる。
次に、実施例9〜11の媒体ではMsが425(emu/cc)、実施例12〜14の媒体ではMsが520(emu/cc)であり、それぞれ実施例1や実施例5と同じであることが分かる。また記録再生特性の値も変化しておらず、媒体が埋め込み材(非磁性層)に依存しないことが分かる。一方、比較例9〜11の媒体はMsが220(emu/cc)程度だが、比較例11のみ若干のMsの減少が見られる。これは酸化物層が存在しないために、埋め込み材(Ti)の一部が記録部(記録ドット)内に拡散して、Msが減少したものと考えられる。次に、比較例12〜15の媒体では120〜150(emu/cc)、比較例16〜19の媒体では150〜180(emu/cc)と大きく減少していることが分かる。これは、剥離層を剥離する際に、剥離液による酸化作用により磁性層(記録度ドット)内のMsを担うCoやFeが直接酸化されたことにより、Msが減少したものと考えられる。比較例20〜23の媒体では、添加成分としてSiOやCrを使用したために、さらにMsが減少しており、磁気特性が悪化していることが分かる。
次に、これらの媒体の酸化処理前後の元素組成分布を、基板断面方向の透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散型X線分光(TEM−EDX)を用いて測定した。結果、実施例1ないし14の媒体には、記録部の側面を覆うように1〜3nmの酸化物層ができていることが分かった。またTEM−EDXによって元素分布を調べると、添加したTi、Si,Al,及びW等の添加成分がそれぞれ酸化され、酸化物層として記録部の周りを覆っていることが分かった。また、酸化物層を除く酸化されない磁性層(記録ドット)内の添加成分(Ti,Si,Al,W)の濃度は3原子%ないし5原子%程度に減少していた。
一方、比較例1ないし11の媒体では、主としてCoやFeの酸化物と、一部添加したTi,Si,Al,Wの酸化物との混合物が酸化されない磁性層の周りに、2〜4nm程度の厚みで不均一に分布していることが分かった。また、酸化物層を除く酸化されない磁性層(記録ドット)内の添加成分(Ti,Si,Al,W)の濃度は、8原子%ないし10原子%であった。また、比較例12ないし23の媒体では、CoやFeの酸化物層が酸化されない磁性層(記録ドット)の周りに、2〜4nm程度の厚みで不均一に分布していることが分かった。
最後に、これらの媒体の記録再生特性の評価は、米国GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて、電磁変換特性を測定した。記録再生特性の評価には、書き込みにシールド付(シールドは、磁気ヘッドから出る磁束を収束させる働きを持つ)のシングルポール磁極であるシールディットポール磁極、再生部にTMR素子を用いたヘッドを用いて、記録周波数を記録ドットのピッチ周期に合わせて、そのシグナルノイズ比(SNR)を測定した。表1−1、1−2に示すように、実施例1ないし14の媒体は良好なSNRを示している。一方、比較例1ないし23の媒体は本願の実施例の媒体と比べて、特性が悪化していることが分かる。その原因として、過酸化水素水による剥離層の剥離時に、磁性層のCoやFeが酸化してしまったために磁化が減少し、シグナルが弱くなってしまったためであると考えられる。さらに、CoやFeが不均一に酸化されることで結晶磁気異方性も減少し、熱揺らぎ耐性が悪化してしまったものと考えられる。
ここでは、酸化処理方法として加熱下における酸素曝露法を挙げたが、オゾン等の反応性酸素を用いたり、酸素プラズマ処理、酸素アッシング工程の利用や、硝酸への浸漬等、他のプロセスを用いて、酸化物層を形成しても同様の効果を得ることができる。
実施形態にかかる媒体を用いると、記録部となる磁性層の周りに酸化物層が形成されることで、剥離層剥離のプロセス時にCoやFeの酸化ダメージが発生しない。
実施例15、16および比較例24、25
使用する剥離層及び剥離液を、下記表2のように変化させた以外は実施例1と同様にして、実施例15、16および比較例24、25の垂直磁気記録媒体を得た。スパッタにて形成される磁性層の組成、酸化処理の有無、酸化処理後の添加成分含有量についても表2に示す。
まず、2nmのダイアモンドライクカーボン(DLC)保護層を形成した後、剥離層としてAl膜を5nm形成し、マスク層としてC膜を30nm形成し、Cマスク層上に厚さ50nmになるようにSOGレジストをスピンコートした。さらに、Al剥離層剥離時は、1%の水酸化ナトリウム水溶液へ媒体を浸漬し3分間保持することで、Al剥離層からその上の膜を全て除去した。ただし、比較例の媒体においては、図12に示すような酸化物層を形成するプロセスを省略した。
これらの媒体に対して、実施例1に準じて、静磁気特性、記録再生特性を測定した。
得られた結果を下記表2に示す。
Figure 2013145621
なお、表中%は全て原子%を表すものとする。
表2から分かるように、実施例15、16の媒体は比較例24、25の媒体に比べてMsが大きく、かつ良好なSNRを示すことが分かる。これは、実施形態にかかる媒体を用いると、記録部となる酸化されない磁性層の周りに酸化物の皮膜が形成されることで、剥離時のダメージから記録部内部を保護できていることを示す。一方、比較例24、25の媒体は、酸化物層が存在しないため、NaOHによる剥離層の剥離時に、CoやFeが水酸化物を形成して析出または溶出し、記録部(記録ドット)がダメージを受けていることを表している。
実施例17〜20および比較例26〜28
下記表3のように、酸化処理前の磁性層のTi含有量を0原子%から30原子%まで変化させた以外は実施例1と同様にして、実施例17〜20および比較例26〜28の垂直磁気記録媒体を得た。酸化処理後のTi含有量についても下記表3に示す。
これらの媒体に対して、実施例1に準じて、静磁気特性、記録再生特性を測定し、さらに一軸結晶磁気異方性定数(Ku)を測定した。得られた結果を下記表3に示す。
Kuは磁気異方性トルク計装置(東英工業社製TRT−2−15)を用いて測定した。
Figure 2013145621
なお、表中%は全て原子%を表すものとする。
上記表3から分かるように、Tiの添加量を増やすと、10原子%をピークにMsが徐々に減少する傾向が見られる。これは20原子%程度までの添加量であれば、記録部(記録ドット)内部のTiがほとんど析出されるために高いMsを維持できている。5原子%では、Tiの量がやや足りないために、一部のCoがダメージを受けていると考えられる。一方、25原子%以上添加すると、Ti添加量が多すぎるために、表面付近のTiのみで酸化膜皮膜が形成でき、記録部(記録ドット)内部のTiが析出しきれずに残存したと考えられる。これにより結晶配向性が乱れ、一軸結晶磁気異方性定数Kuも著しく減少していることが分かる。また、Tiを含有しない場合は、MsおよびKuとも減少していることが分かる。これは酸化処理を行う際に、酸化物層を形成する物質がCo以外存在しないため、磁性層中のCo自身が酸化してダメージを受けてしまったものと考えられる。表3から分かるように、実施例17〜20の媒体は比較例26〜28の媒体に比べて良好なSNRを示すことが分かる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、2,21…酸化されない磁性層、3,22…酸化物層、4…非磁性層、5,23…垂直磁気記録層、10…垂直磁気記録媒体、11…密着層、12…軟磁性層、13…非磁性下地層、14…未加工の磁性層、15…保護層、16…剥離層、17…マスク層、18…レジスト、20…未加工の垂直磁気記録媒体

Claims (11)

  1. 基板、及び
    該基板上に設けられ、面内方向に規則的に配列されたパターンを有し、鉄及びコバルトのうち1つ、及びプラチナからなる主成分、及びチタン、シリコン、アルミニウム、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層を有する記録部と、該磁性層側面が酸化して形成された酸化物層、及び該酸化物層間に設けられた非磁性層を有する非記録部とを含む垂直磁気記録層を具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記非磁性層は、炭素、チタン、SiO、及びTiOからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記酸化物層は、前記添加成分の酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記添加成分は、チタンを含み、前記酸化物はチタン酸化物であることを特徴とする請求項3に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 前記添加成分の含有量は、前記記録部組成の5原子%ないし20原子%であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  6. 基板、及び該基板上に形成された鉄及びコバルトのうち1つ、及びプラチナからなる主成分、及びチタン、シリコン、アルミニウム、及びタングステンから選ばれる少なくとも一種の添加成分を含有する磁性層を含む加工前の垂直磁気記録媒体の表面に、規則的に配列されたパターンを持つ凸部を有するマスク層を形成する工程、
    該マスク層を介してエッチングを行うことにより、規則的に配列されたパターンを有する保護層及び磁性層を形成する工程、
    前記磁性層側面を酸化して酸化物層を形成する工程、
    前記マスク層を剥離する工程、及び
    前記酸化物層間に非磁性層を形成し、平坦化せしめる工程を具備することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記非磁性層は、炭素、チタン、SiO、及びTiOからなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記酸化物層は、前記添加成分の酸化物であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  9. 前記添加成分は、チタンを含み、前記酸化物はチタン酸化物であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記添加成分の含有量は、前記記録部組成の5原子%ないし20原子%であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  11. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、
    前記垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、
    前記垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドを前記垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備する磁気記録再生装置。
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