JP2010272183A - 垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010272183A
JP2010272183A JP2009124787A JP2009124787A JP2010272183A JP 2010272183 A JP2010272183 A JP 2010272183A JP 2009124787 A JP2009124787 A JP 2009124787A JP 2009124787 A JP2009124787 A JP 2009124787A JP 2010272183 A JP2010272183 A JP 2010272183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
layer
perpendicular magnetic
recording medium
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009124787A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadasuke Nakano
雅介 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WD Media Singapore Pte Ltd
Original Assignee
WD Media Singapore Pte Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WD Media Singapore Pte Ltd filed Critical WD Media Singapore Pte Ltd
Priority to JP2009124787A priority Critical patent/JP2010272183A/ja
Publication of JP2010272183A publication Critical patent/JP2010272183A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ディスクリートトラックメディア等の加工プロセスマージン及びプロセススループットの向上を可能とする垂直磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】ディスクリートトラックメディア等に用いる垂直磁気記録媒体であって、基板上に、少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層と保護層を備える垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は、垂直磁気異方性エネルギー(Ku)が5.0×10erg/cc以上の高磁気異方性材料を含有する。そして、この高磁気異方性材料は、好適にはたとえばCoPt又はFePtを主成分とする材料である。
【選択図】図1

Description

本発明は垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気ディスク装置に搭載される垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法に関する。
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDD(ハードディスクドライブ)の面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚当り250Gバイトを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような所要に応えるためには1平方インチ当り400Gビットを超える情報記録密度を実現することが求められる。HDD等に用いられる磁気ディスクにおいて高記録密度を達成するためには、情報信号の記録を担う磁気記録層を構成する磁性結晶粒子を微細化すると共に、その層厚を低減していく必要があった。ところが、従来より商業化されている面内磁気記録方式(長手磁気記録方式、水平磁気記録方式とも呼称される)の磁気ディスクの場合、磁性結晶粒子の微細化が進展した結果、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、熱揺らぎ現象が発生するようになり、磁気ディスクの高記録密度化への阻害要因となっていた。
この阻害要因を解決するために、近年、垂直磁気記録方式用の磁気ディスクが提案されている。垂直磁気記録方式の場合では、面内磁気記録方式の場合とは異なり、磁気記録層の磁化容易軸は基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。例えば、特開2002−92865号公報(特許文献1)では、基板上に軟磁性層、下地層、Co系垂直磁気記録層、保護層等をこの順で形成してなる垂直磁気記録媒体に関する技術が開示されている。
そして、現在では、垂直磁気記録媒体での更なる高記録密度化が求められている。面記録密度が1平方インチ当り500Gビットを超える次世代磁気記録媒体においては、データトラックやビッド間を磁気的に分離することで、隣接トラック、ビッド間のサイドフリンジなどの影響を低減したディスクリートトラックメディア(以下、DTRメディアと呼ぶ。)やビッドパターンドメディア(以下、BPMと呼ぶ。)が有望視されている。そして、DTRメディアの製造においては、垂直磁気記録層を物理的にエッチングして溝を形成するエッチング方式(例えば特許文献2等)や、トラック間の垂直磁気記録層部にイオンを照射して非磁性化させるイオン照射方式などが検討されている。また、BPMの製造においては、エッチング方式の他にも、ブロック共重合体の自己組織化を利用した方式が検討されている。
特開2002−92865号公報 特開2006−85899号公報
しかし、例えば上記のエッチング方式を用いたDTRメディアの製造方法では、磁気記録層の隣接トラックを磁気的に分離するために、隣接トラック間の磁気記録層をすべてエッチングする必要があり、またエッチングした溝部をさらに非磁性材料を用いて充填した後、表面を平坦化する加工プロセスが必要となる。これらのプロセスを安定構築するためには非常に高い加工プロセス技術が必要であり、また、これら多くの加工プロセスを経る必要があるため、DTRメディア単体のコストが高くなることなどが実用化へ向けて大きな課題となっている。
本発明はこのような従来の事情に鑑み、DTRメディアやBPMの加工プロセスマージン及びプロセススループットの向上を可能とする垂直磁気記録媒体及び該垂直磁気記録媒体を用いたDTRメディア等の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を有するものである。
(構成1)
基板上に、少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層と保護層を備える垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は、垂直磁気異方性エネルギー(Ku)が5.0×10erg/cc以上の高磁気異方性材料を含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
(構成2)
前記高磁気異方性材料は、CoPt又はFePtを主成分とする材料であることを特徴とする構成1に記載の垂直磁気記録媒体。
(構成3)
前記高磁気異方性材料は、SiO2、SiO、TiO2、TiO、Cr2O3、Zr2O3、Ta2O5、Al2O3、W2O5、Mo2O5、V2O5、またはNb2O5のいずれかの酸化物材料が含有されていることを特徴とする構成1又は2に記載の垂直磁気記録媒体。
(構成4)
前記垂直磁気記録媒体は、ディスクリートトラックメディアまたはビッドパターンドメディアに用いる垂直磁気記録媒体であることを特徴とする構成1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体。
(構成5)
構成1乃至4のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体に対して、ナノインプリントプロセスを用いてパターニングを行った後、ドライエッチング法を用いて前記保護層及び前記磁気記録層をエッチングし、エッチング後の溝をスパッタリング法により非磁性材料で埋め込み、再度エッチングによって表面の平坦化を行うことを特徴とするディスクリートトラックメディア等の製造方法。
本発明によれば、垂直磁気記録媒体の磁気記録層に高磁気異方性材料を用いることにより、磁気特性を劣化させることなく、磁気記録層の膜厚を低減することができ、エッチング−埋め込み−平坦化というDTRメディアやBPMの加工プロセスにおいて、磁気記録層の溝の断面形状がシャープで良好であり、また、エッチングや埋め込み、平坦化のプロセスマージンが向上し、かつ加工時間を短縮できることでスループットが向上し、加工コストの低減も可能となった。
DTRメディアの製造工程の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
本発明は、構成1にあるように、基板上に、少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層と保護層を備える垂直磁気記録媒体において、前記磁気記録層は、垂直磁気異方性エネルギー(Ku)が5.0×10erg/cc以上の高磁気異方性材料を含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体である。
前記高磁気異方性材料としては、具体的には例えばCoPt又はFePtを主成分とする材料が好ましく挙げられる。
また、前記高磁気異方性材料としては、例えばCoPt又はFePtを主成分とする材料に、SiO2、SiO、TiO2、TiO、Cr2O3、Zr2O3、Ta2O5、Al2O3、W2O5、Mo2O5、V2O5、またはNb2O5のいずれかの酸化物材料が含有され、グラニュラー構造の磁気記録層とすることが好ましい。
このような高磁気異方性材料を用いた垂直磁気記録媒体は、特にDTRメディアまたはBPMの製造に好適である。
また、本発明は、上記したような本発明に係る垂直磁気記録媒体に対して、ナノインプリントプロセスを用いてパターニングを行った後、ドライエッチング法を用いて前記保護層及び前記磁気記録層をエッチングし、エッチング後の溝をスパッタリング法により非磁性材料で埋め込み、再度エッチングによって表面の平坦化を行うことを特徴とするDTRメディア等の製造方法についても提供するものである。
図1は、DTRメディアの製造工程の一例を示す断面図である。
図1にしたがって、DTRメディアの製造工程を説明する。
同図(a)に示す垂直磁気記録媒体1は、基板〜下地層(基板とその磁気記録層間に形成された各層)2と磁気記録層3と保護層4を備えている。
次に、上記垂直磁気記録媒体1上に、たとえばナノインプリントプロセスを用いてレジストパターン5を形成する(同図(b)参照)。
次に、上記レジストパターン5の膜厚の薄い部分をデスカムして除去し、さらに露出した保護層4を除去する(同図(c)参照)。引き続いて、露出した磁気記録層3をエッチングして除去する(同図(d)参照)。
次に、残留したレジストパターン5及び保護層4をアッシングして除去する(同図(e)参照)。
次いで、形成された磁気記録層3の溝をたとえばスパッタリング法により非磁性材料6で埋め込み(同図(f)参照)、再度エッチングなどを用いて媒体の表面を平坦化する(同図(g)参照)。
そして、平坦化された媒体表面に保護層7を形成して、DTRメディア10を作製する(同図(h)参照)。
なお、BPMについても、上述のDTRメディアと同様の加工プロセスを用いて製造することができる。
こうしたDTRメディア等の製造に好適に用いられる本発明に係る垂直磁気記録媒体の層構成の一実施の形態としては、基板に近い側から、例えば密着層、軟磁性層、シード層、下地層、磁気記録層(垂直磁気記録層)、保護層などを積層したものである。
上記基板としては、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ソーダタイムガラス等のガラス基板が挙げられるが、中でもアルミノシリケートガラス基板が好適である。また、アモルファスガラス、結晶化ガラスを用いることができる。なお、化学強化したガラスを用いると、剛性が高く好ましい。本発明において、基板主表面の表面粗さはRmaxで10nm以下、Raで0.3nm以下であることが好ましい。
基板上には、垂直磁気記録層の磁気回路を好適に調整するための軟磁性層を設けることが好適である。かかる軟磁性層は、第一軟磁性層と第二軟磁性層の間に非磁性のスペーサ層を介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成することが好適である。これにより第一軟磁性層と第二軟磁性層の磁化方向を高い精度で反並行に整列させることができ、軟磁性層から生じるノイズを低減することができる。具体的には、第一軟磁性層、第二軟磁性層の組成としては、例えばCoTaZr(コバルト−タンタル−ジルコニウム)またはCoFeTaZr(コバルト−鉄−タンタル−ジルコニウム)またはCoFeTaZrAlCr(コバルト−鉄−タンタル−ジルコニウム−アルミニウム−クロム)またはCoFeNiTaZr(コバルト−鉄−ニッケル−タンタル−ジルコニウム)とすることができる。上記スペーサ層の組成は例えばRu(ルテニウム)とすることができる。
軟磁性層の膜厚は、構造及び磁気ヘッドの構造や特性によっても異なるが、全体で15nm〜100nmであることが望ましい。なお、上下各層の膜厚については、記録再生の最適化のために多少差をつけることもあるが、概ね同じ膜厚とするのが望ましい。
また、基板と軟磁性層との間には、密着層を形成することも好ましい。密着層を形成することにより、基板と軟磁性層との間の付着性を向上させることができるので、軟磁性層の剥離を防止することができる。密着層の材料としては、例えばTi含有材料を用いることができる。
また、シード層は、下地層の配向ならびに結晶性を制御するために用いられる。全層を連続成膜する場合には特に必要のない場合もあるが、軟磁性層と下地層の相性如何によっては結晶成長性が劣化することがあるため、シード層を用いることにより、下地層の結晶成長性の劣化を防止することができる。シード層の膜厚は、下地層の結晶成長の制御を行うのに必要最小限の膜厚とすることが望ましい。厚すぎる場合には、信号の書き込み能力を低下させてしまう原因となる。
また、上記下地層は、垂直磁気記録層の結晶配向性(結晶配向を基板面に対して垂直方向に配向させる)、結晶粒径、及び粒界偏析を好適に制御するために用いられる。下地層の材料としては、面心立方(fcc)構造あるいは六方最密充填(hcp)構造を有する単体あるいは合金が好ましく、例えばRu、Pd,Pt,Tiやそれらを含む合金が挙げられるが、これらに限定はされない。本発明においては、特にRuまたはその合金が好ましく用いられる。Ruの場合、hcp結晶構造を備えるCoPt系垂直磁気記録層の結晶軸(c軸)を垂直方向に配向するよう制御する作用が高く好適である。なお、低ガス圧プロセスと高ガス圧プロセスによる積層構造の場合、同じ材料の組合わせはもちろん、異種材料を組合わせることもできる。
また、本発明においては、上記垂直磁気記録層は、Kuが5.0×10erg/cc以上の高磁気異方性材料を含有する。
上記高磁気異方性材料としては、具体的には例えばCoPt又はFePtを主成分とする材料が好ましく挙げられる。
また、上記高磁気異方性材料としては、例えばCoPt又はFePtを主成分とする材料に、SiO2、SiO、TiO2、TiO、Cr2O3、Zr2O3、Ta2O5、Al2O3、W2O5、Mo2O5、V2O5、またはNb2O5のいずれかの酸化物材料が含有され、グラニュラー構造の磁気記録層とすることが好ましい。
上記垂直磁気記録層に例えばCoPt又はFePtを主材料とするKuが5.0×10erg/cc以上の高磁気異方性材料を用いることにより、磁気特性を劣化させることなく、磁気記録層の膜厚を低減することができる。言い換えれば、磁気記録層を薄膜にしても、高保磁力(Hc)、高Msが得られる。
したがって、この垂直磁気記録層の膜厚は、従来は20nm程度必要であったが、本発明においては、例えば15nm以下に薄膜化することが可能である。
また、補助記録層を、交換結合制御層を介して垂直磁気記録層の上部に設けることによって、磁気記録層の高密度記録性と低ノイズ性に加えて高熱耐性を付け加えることができる。補助記録層の組成は、例えばCoCrPtBとすることができる。
また、前記垂直磁気記録層と前記補助記録層との間に、交換結合制御層を有することが好適である。交換結合制御層を設けることにより、前記垂直磁気記録層と前記補助記録層との間の交換結合の強さを好適に制御して記録再生特性を最適化することができる。交換結合制御層としては、例えば、Ruなどが好適に用いられる。
上記垂直磁気記録層の形成方法としては、スパッタリング法で成膜することが好ましい。特にDCマグネトロンスパッタリング法で形成すると均一な成膜が可能となるので好ましい。
また、DTRメディア等の表面には、保護層を設けることが好適である。保護層を設けることにより、メディア上を浮上飛行する磁気ヘッドからメディア表面を保護することができる。保護層の材料としては、たとえば炭素系保護層が好適である。また、保護層の膜厚は3〜7nm程度が好適である。
また、前記保護層上に、更に潤滑層を設けることも好ましい。潤滑層を設けることにより、磁気ヘッドとメディア間の磨耗を抑止でき、DTRメディア等の耐久性を向上させることができる。潤滑層の材料としては、たとえばPFPE(パーフルオロポリエーテル)系化合物が好ましい。潤滑層は、例えばディップコート法で形成することができる。
以上説明した本発明に係る垂直磁気記録媒体を用いてDTRメディアやBPMを製造することにより、エッチング−埋め込み−平坦化というDTRメディア等の加工プロセスにおいて、磁気記録層の溝の断面形状がシャープで良好である。また、エッチングや埋め込み、平坦化のプロセスマージンが向上し、かつ加工時間を短縮できることでスループットが向上し、加工コストの低減も可能となる。
以下実施例、比較例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ガラス基板を得た。ディスク直径は65mmである。このガラス基板の主表面の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で測定したところ、Rmaxが2.18nm、Raが0.18nmという平滑な表面形状であった。なお、Rmax及びRaは、日本工業規格(JIS)に従う。
次に、枚葉式静止対向スパッタ装置を用いて、上記ガラス基板上に、DCマグネトロンスパッタリング法にて、順次、密着層、軟磁性層、シード層、下地層、垂直磁気記録層、交換結合制御層、補助記録層、保護層の各成膜を行った。
以下の各材料の記述における数値は組成を示すものとする。
まず、密着層として、10nmのCr-50Ti層を成膜した。
次に、軟磁性層として、非磁性層を挟んで反強磁性交換結合する2層の軟磁性層の積層膜を成膜した。すなわち、最初に1層目の軟磁性層として、25nmの (30Fe-70Co)-3Ta5Zr層を成膜し、次に非磁性層として、0.7nmのRu層を成膜し、さらに2層目の軟磁性層として、1層目の軟磁性層と同じ、(30Fe-70Co)-3Ta5Zr層を25nm成膜した。
次に、上記軟磁性層上に、シード層として、5nmのNi-7W層を成膜した。
次に,2層のRu層からなる下地層を成膜した。すなわち、12nm厚の低ガス圧成膜によるRu層と、12nm厚の高ガス圧成膜によるRu層からなる下地層を形成した。
次に、下地層の上に、磁気記録層を成膜した。まず、垂直磁気記録層として、膜厚3.0nmの94(Co-12Cr-18Pt)-3SiO2-3CoOを成膜した。次に、その上に交換結合制御層(Ru)を成膜し、またその上に、補助記録層として、膜厚2.0nmの87(Co-25Pt)・13TiO2を成膜した。磁気記録層の膜厚は、垂直磁気記録層、交換結合制御層、補助記録層等の合計で12.7nmとした。
そして次に、上記磁気記録層の上に、水素化ダイヤモンドライクカーボンからなる炭素系保護層を形成した。炭素系保護層の膜厚は5nmとした。
以上の製造工程により、実施例1の垂直磁気記録媒体が得られた。
(比較例)
垂直磁気記録層として、膜厚1.6mの61Co-13Cr-16Pt-5SiO2-5TiO2を成膜し、その上に交換結合制御層(Ru)を成膜し、またその上に補助記録層として、膜厚8.4nmの61Co-12Cr-16Pt-4.5TiO2-4.5SiO2-1Co3O4を成膜した。磁気記録層の膜厚は、垂直磁気記録層、交換結合制御層、補助記録層等の合計で19.0nmとした。磁気記録層の成膜工程以外は、実施例1と同様にして、比較例の垂直磁気記録媒体を得た。
(評価)
上記実施例、比較例の垂直磁気記録媒体を用いて、以下の評価を行った。
すなわち、上記実施例1、比較例の各垂直磁気記録媒体に対し、磁気特性、記録再生特性の評価を行った。静磁気特性の評価は、Kerr効果測定器を用いて、Kuを測定した。また、記録再生特性の評価は、R/Wアナライザーと垂直磁気記録方式用の磁気ヘッドを用いて、S/N比(シグナル/ノイズ比)を測定した。また、SPT/TMRヘッドを備えたスピンスタンドテスターを用いて、オーバーライト(以下O/Wと表記)特性を測定した。
得られた結果を纏めて下記表1に示した。
Figure 2010272183
表1の結果から、実施例1の垂直磁気記録媒体は、比較例に比べて磁気記録層の膜厚を薄くできて、なお且つ良好な静磁気特性とともに良好な記録再生特性を備えていることが確認できた。
(DTRメディアの製造)
上記実施例、比較例の垂直磁気記録媒体を用いて、前述の図1に示す工程にしたがって、120nmトラックピッチのDTRメディアを製造した。
まず、上記垂直磁気記録媒体上に石英モールドを用いたUVナノインプリント法によりDTRのパターニングを行った。次に誘導結合型プラズマ反応性エッチング法(ICP-RIE)によるレジスト残膜と炭素系保護層(DLC)の除去を行った。更にイオンビームエッチング法(IBE)を用いて磁気記録層のエッチングを行った。その後、SiO2やNiAlなどの非磁性材料ターゲットを用いたRF-Sputtering法を用いて、磁気記録層のエッチング後に生じた溝を埋め込んだ。そして再度IBEを用いて平坦化をした後、炭素系保護層(DLC)を成膜して、120nmトラックピッチのDTRメディアを製造した。
上記実施例の垂直磁気記録媒体を用いてDTRメディアを製造することにより、エッチング−埋め込み−平坦化というDTRメディアの加工プロセスにおいて、磁気記録層の溝の断面形状がシャープで良好となり、また、エッチングや埋め込み、平坦化のプロセスマージンが向上し、かつ加工時間を短縮できることでスループットが向上した。具体的には、上記実施例の垂直磁気記録媒体を用いることにより、タクト時間は117pphとなり、比較例(従来)の垂直磁気記録媒体を用いた場合に比べて、DTR加工プロセスでのスループットを約2倍に増加することができた。
なお、本実施例では、本発明に係る垂直磁気記録媒体を用いてDTRメディアを製造した場合を一例として挙げたが、本発明に垂直磁気記録媒体を用いて同様の加工プロセスによりBPMを製造することができ、この場合においても加工プロセスマージン及びプロセススループットの向上が可能となる。
1 垂直磁気記録媒体
2 基板〜下地層
3 磁気記録層
4 保護層
5 レジストパターン
6 埋め込み用非磁性材料
10 DTRメディア

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくとも軟磁性層と下地層と磁気記録層と保護層を備える垂直磁気記録媒体において、
    前記磁気記録層は、垂直磁気異方性エネルギー(Ku)が5.0×10erg/cc以上の高磁気異方性材料を含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記高磁気異方性材料は、CoPt又はFePtを主成分とする材料であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記高磁気異方性材料は、SiO2、SiO、TiO2、TiO、Cr2O3、Zr2O3、Ta2O5、Al2O3、W2O5、Mo2O5、V2O5、またはNb2O5のいずれかの酸化物材料が含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記垂直磁気記録媒体は、ディスクリートトラックメディアまたはビッドパターンドメディアに用いる垂直磁気記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の垂直磁気記録媒体に対して、ナノインプリントプロセスを用いてパターニングを行った後、ドライエッチング法を用いて前記保護層及び前記磁気記録層をエッチングし、エッチング後の溝をスパッタリング法により非磁性材料で埋め込み、再度エッチングによって表面の平坦化を行うことを特徴とするディスクリートトラックメディア等の製造方法。
JP2009124787A 2009-05-24 2009-05-24 垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法 Pending JP2010272183A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009124787A JP2010272183A (ja) 2009-05-24 2009-05-24 垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009124787A JP2010272183A (ja) 2009-05-24 2009-05-24 垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010272183A true JP2010272183A (ja) 2010-12-02

Family

ID=43420083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009124787A Pending JP2010272183A (ja) 2009-05-24 2009-05-24 垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010272183A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013145621A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Toshiba Corp 垂直磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005222669A (ja) * 2004-01-05 2005-08-18 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体および磁気記憶装置
JP2008287853A (ja) * 2007-04-19 2008-11-27 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 垂直磁気記録媒体
JP2009009653A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Toshiba Corp 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置
JP2009070540A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Samsung Electronics Co Ltd 垂直磁気記録媒体及びその製造方法
JP2009099182A (ja) * 2007-10-16 2009-05-07 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体、磁気記録再生装置、および磁気記録媒体の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005222669A (ja) * 2004-01-05 2005-08-18 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体および磁気記憶装置
JP2008287853A (ja) * 2007-04-19 2008-11-27 Fuji Electric Device Technology Co Ltd 垂直磁気記録媒体
JP2009009653A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Toshiba Corp 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録装置
JP2009070540A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Samsung Electronics Co Ltd 垂直磁気記録媒体及びその製造方法
JP2009099182A (ja) * 2007-10-16 2009-05-07 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体、磁気記録再生装置、および磁気記録媒体の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013145621A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Toshiba Corp 垂直磁気記録媒体、その製造方法、及び磁気記録再生装置
US9911448B2 (en) 2012-01-16 2018-03-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Perpendicular magnetic recording medium, method of manufacturing the same, and magnetic recording/reproduction apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5260510B2 (ja) 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法
JP5360892B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
WO2010095725A1 (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
WO2009119709A1 (ja) 垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法
JP2009110641A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2009099247A (ja) 垂直磁気記録媒体およびその製造方法
JP2009223950A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
JP2012009089A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP2010182417A (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP5227634B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及び垂直磁気記録媒体の製造方法
JP4857232B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP2010086588A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP2010238332A (ja) 磁気記録媒体
JPWO2010027036A1 (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP2010009709A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP2010108559A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP2010272183A (ja) 垂直磁気記録媒体及びディスクリートトラックメディア等の製造方法
JP5395991B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP2010009710A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP5401147B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP2010049740A (ja) 磁気記録媒体の製造方法および磁気記録媒体
JP5455188B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP5594716B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造方法
JP2009099162A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP5593049B2 (ja) 垂直磁気記録媒体の製造管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20101019

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120522

A977 Report on retrieval

Effective date: 20131009

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A521 Written amendment

Effective date: 20140115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140408

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140708

A02 Decision of refusal

Effective date: 20141014

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02