JP2013144825A - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な磁気特性と表面品位を得るため、熱延鋼板のスケール酸洗性を改善する。
【解決手段】質量%で、C:0.0080%以下、Si:1.5〜3.5%、Al:0.1〜1.0%、Si+Al:1.9%以上、Mn:0.02〜1.0%、S:0.0050%以下、N:0.0050%以下、Ti:0.0050%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなるスラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、熱延鋼板に焼鈍を施さずに酸洗し、冷間圧延し、次いで、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法であって、上記熱間圧延において、(x)1100〜1180℃に加熱したスラブを、加熱炉から取り出した後、幅方向に圧下してスラブ表面の一次スケールを剥離させ、高圧水で除去し、(y)次の粗圧延において、圧延中に生じる二次スケールを除去するため、高圧水によるスケール除去を圧下直前に行わない圧延と、該スケール除去を圧下直前に行う圧延を交互に行って、粗バーとし、(z)上記粗バーを1050〜1100℃に再加熱して、仕上げ終了温度が950℃以上の仕上げ圧延に供し熱延鋼板とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気特性に優れる無方向性電磁鋼板を安価に製造する方法、特に、熱延板焼鈍を省略して、省略しない場合と同等以上の磁気特性を有する無方向性電磁鋼板を安価に製造する方法に関するものである。
通常、α−γ変態のない非変態系の高級グレードの無方向性電磁鋼板(JIS 50A470以上)は、熱延板に熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延を施し、次いで、仕上げ焼鈍を施して製造される。
熱延板焼鈍は、リジングの発生抑制と磁気特性の改善のために行うが、熱延を工夫して、熱延板焼鈍を省略できれば、製造コストを低減できるだけでなく、納期管理や工程管理の煩雑さも低減できる。この観点から、これまで多くの方法が提案されてきた。
特許文献1に記載の方法は、熱間圧延の仕上げ温度を高め、自己焼鈍によって、熱延板内の組織を再結晶させて結晶粒を成長させ、製品のリジングを抑制し、さらに、磁束密度を向上させようとするものである。
しかし、所望の熱延組織を得るためには、スラブの加熱温度を通常より高くする必要がある。スラブ加熱温度の上昇は、不純物の再固溶、微細析出を招き、鉄損特性の劣化に繋がる。
特許文献2及び3には、磁束密度と鉄損特性の向上を目的に、スラブ加熱温度を低温化し、一方で、熱延仕上げ温度を高めるため、仕上げ圧延前に粗バーを再加熱する技術が提案されている。この技術により、熱延鋼板に焼鈍を施した場合と同等以上の良好な磁気特性が得られるようになった。しかし、熱延鋼板のスケール酸洗性の改善は、まだ、課題として残されている。
特公昭62−61644号公報 特許第4207231号公報 特許第4705463号公報
本発明は、スラブ加熱温度は低温とし、仕上げ温度を高温にするため、粗バーを再加熱して熱間圧延を行う無方向性電磁鋼板の製造において、良好な磁気特性と表面品位を得るため、熱延鋼板のスケール酸洗性を改善することを課題とし、該課題を解決する無方向性電磁鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱延鋼板のスケールを酸洗で除去し易くして、良好な表面品位を得るため、熱延条件を最適化することを検討した。
その結果、スラブ加熱温度を特定の温度範囲にするとともに、加熱炉から取り出したスラブを幅方向に圧下し、スラブ表面の一次スケールを剥離させて、高圧水で除去し、次いで、次の粗圧延において、高圧水によるスケール除去を圧下直前に行わない圧延と、該スケール除去を圧下直前に行う圧延を交互に行うことで上記課題を解決できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は次の通りである。
(1)質量%で、C:0.0080%以下、Si:1.5〜3.5%、Al:0.1〜1.0%、Si+Al:1.9%以上、Mn:0.02〜1.0%、S:0.0050%以下、N:0.0050%以下、Ti:0.0050%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなるスラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、熱延鋼板に焼鈍を施さずに酸洗し、冷間圧延し、次いで、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法であって、上記熱間圧延において、
(x)1100〜1180℃に加熱したスラブを、加熱炉から取り出した後、幅方向に圧下してスラブ表面の一次スケールを剥離させ、高圧水で除去し、
(y)次の粗圧延において、圧延中に生じる二次スケールを除去するため、高圧水によるスケール除去を圧下直前に行わない圧延と、該スケール除去を圧下直前に行う圧延を交互に行って、粗バーとし、
(z)上記粗バーを1050〜1100℃に再加熱して、仕上げ終了温度が950℃以上の仕上げ圧延に供し熱延鋼板とする
ことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)前記仕上げ圧延の後、熱延鋼板に注水せず、750℃以上で巻き取ることを特徴とする前記(1)に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)前記仕上げ圧延の後、熱延鋼板に1〜7秒間注水せず、その後、注水して650℃以下で巻き取ることを特徴とする前記(1)に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(4)前記粗バーの再加熱を、製造ライン上で行なうことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(5)前記スラブが、さらに、質量%で、REM:0.0005〜0.02%を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(6)前記スラブが、さらに、質量%で、Sn:0.01〜0.2%を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、熱延板焼鈍を省略して、熱延板焼鈍を施した製品と同等以上の磁気特性を有し、かつ、表面品位の良好な無方向性電磁鋼板を安価に製造することができる。
本発明の無方向性電磁鋼板の製造方法(以下「本発明方法」ということがある。)は、質量%で、C:0.0080%以下、Si:1.5〜3.5%、Al:0.1〜1.0%、Si+Al:1.9%以上、Mn:0.02〜1.0%、S:0.0050%以下、N:0.0050%以下、Ti:0.0050%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなるスラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、熱延鋼板に焼鈍を施さずに酸洗し、冷間圧延し、次いで、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法であって、上記熱間圧延において、
(x)1100〜1180℃に加熱したスラブを、加熱炉から取り出した後、幅方向に圧下してスラブ表面の一次スケールを剥離させ、高圧水で除去し、
(y)次の粗圧延において、圧延中に生じる二次スケールを除去するため、高圧水によるスケール除去を圧下直前に行わない圧延と、該スケール除去を圧下直前に行う圧延を交互に行って、粗バーとし、
(z)上記粗バーを1050〜1100℃に再加熱して、仕上げ終了温度が950℃以上の仕上げ圧延に供し熱延鋼板とする
ことを特徴とする。
以下、本発明について詳述する。
まず、スラブの成分組成を限定する理由について説明する。以下、%は質量%を意味する。
<C:0.0080%以下>
Cは、鉄損特性を劣化させる有害な元素であるので、0.0080%以下(0%を含む)とする。好ましくは0.0050%以下、より好ましくは0.0030%以下である。
<Si:1.5〜3.5%>
Siは、鋼の固有抵抗を増加させ、鉄損を低下させる元素であるので、下限を1.5%とした。過剰に含有すると加工性が劣化するので、上限を3.5%とした。好ましくは2.0〜3.1%である。
<Al:0.1〜1.0%>
Alも、鋼の固有抵抗を増加させ鉄損を低下させる元素であり、下限を0.1%とした。過剰に含むと加工性が劣化するので、上限を1.0%とした。好ましくは0.3〜0.7%である。
<Si+Al:1.9%以上>
熱延中に鋼に変態が起きると、最適な熱延条件は本発明の条件と異なってくる。鋼を非変態系とするため、Si+Alの下限を1.9%とした。好ましくは2.1%以上である。上限は、SiとAlの上限で定まるが、好ましくは4.0%以下である。
<Mn:0.02〜1.0%>
Mnは、鋼の固有抵抗を高め、また、硫化物を粗大化して無害化する元素である。0.02%以上で添加効果が発現するが、過剰な添加はコストの上昇に繋がるので、0.02〜1.0%とする。好ましくは0.1〜0.4%である。
<S:0.0050%以下>
<N:0.0050%以下>
<Ti:0.0050%以下>
S、N、Tiなどは、MnS、Cu2S、AlN、TiN、TiCなどの化合物を形成する。これら化合物が微細に析出すると、粒成長性が劣化する。本発明では、析出物の無害化が可能なので、それぞれの元素の上限を0.0050%とする。いずれも0%を含む。好ましくは0.0020%以下である。
<REM:0.0005〜0.02%>
ここで、REMは、原子番号が57のLaから71のRuまでの15元素に、ScとYを加えた17元素の総称である。REMは、Sを、REM−S又はREM−O−Sとして固定し、硫化物の微細析出を抑制する。0.0005%以上の含有で効果が発現するが、過剰な含有は、鋳造の際のノズル閉塞の原因となるので、0.0005〜0.02%とした。好ましくは0.002〜0.01%である。
<Sn:0.01〜0.2%>
Snは、集合組織を改善し、また、焼鈍時の窒化及び酸化を抑制する元素である。0.01%以上の含有で効果が発現するが、過剰な含有は、加工性の劣化の原因となるので、0.01〜0.2%とした。好ましくは0.05〜0.15%である。
次に、本発明方法における製造条件について説明する。
スラブ加熱温度は、硫化物などの不純物の再固溶−微細析出を防ぎ、鉄損特性を劣化させないために、また、酸洗工程で除去し難いスケールを熱延後に残さないために、1180℃以下とする。加熱温度が低すぎると、熱延仕上げ温度が低下するので、スラブ加熱温度の下限を1100℃とする。好ましくは1150〜1170℃である。
加熱炉からスラブを取り出し、粗圧延を行う前に、スラブ表面の一次スケールを除去する。具体的には、スラブを幅方向に圧下し、スラブ表面の一次スケールを剥離させ、そのスケールに高圧水を噴射して除去する。
スラブの幅方向における圧下量は特に定めないが、スラブの成分組成に応じて、スケールの組成や厚さが変化するので、その変化に応じて圧下量を変える。スケールを除去する高圧水は、圧力100〜200kg/cm2でスプレー状に噴出する。
次に、一次スケールを除去したスラブを、所定の厚さまで粗圧延する。粗圧延では、通常、複数回の圧延を行うが、本発明方法では、高圧水によるスケール除去を圧下直前に行わない圧延と、該スケール除去を圧下直前に行う圧延を交互に行って、粗圧延中に生じる二次スケールを除去する。このときの高圧水も、圧力100〜200kg/cm2でスプレー状に噴出する。
上記のようにスラブ表面上の二次スケールを除去するので、熱延終了後の熱延鋼板の表面にスケールが残存していても、後の酸洗で容易に除去することができる。
高圧水によるスケール除去を圧下直前に行わない圧延と、該スケール除去を圧下直前に行う圧延を交互に行うと、粗圧延中に生じる二次スケールを除去できる理由は定かでないが、スケール除去を行わない圧延で、スラブ表面の二次スケールを剥離させ、次に、高圧水でスケールを除去する操作を複数回繰り返すことで、効果的に、スケールの除去ができていると推測される。
熱延鋼板のスケール酸洗性の改善においては、上記操作が、後述する熱延仕上げ温度や巻取り温度の調整より効果的である。
次に、粗バーの熱間圧延において、950℃以上の仕上げ温度を確保するため、粗バーを、仕上げ圧延に供する前に1050〜1100℃に再加熱する。スラブ加熱温度が1100〜1180℃であると、製造ラインを通過する間のスラブ温度の低下で、熱延仕上げ温度が950℃未満に低下する。
950℃以上の熱延仕上げ温度を確保するため、粗バーを1050℃以上に再加熱する。ただし、再加熱温度が高すぎると、熱延後のスケールが、酸洗で除去できない強固なものになるので、再加熱温度の上限を1100℃とする。好ましくは1070〜1090℃である。
粗バーの再加熱は、粗圧延から仕上げ圧延の間のテーブルで行う。加熱は、バーナー加熱や誘導加熱が好ましいが、他の方法でも構わない。なお、加熱装置と同位置にカバーを設置すれば、効率的な加熱を行うことができる。
仕上げ圧延の直前に、粗バーに、再度、高圧水を噴射してスケールを除去する。仕上げ圧延の全圧下量、パススケジュールなどは特に特定しない。熱延鋼板の仕上げ厚は、最適な冷延圧下率を得るため、また、熱間圧延の生産性を向上させるため、1.8〜3.0mmが適当である。
本発明方法においては、熱延仕上げ温度を950℃以上とすることにより、熱延板焼鈍を省略しても、自己焼鈍により、熱延板焼鈍を施した製品と同等以上の磁気特性を得ることができる。熱延仕上げ温度は、好ましくは970℃以上である。
熱延仕上げ後の熱延鋼板は、以下の二つの巻取り方法のいずれかで巻き取る。
第一の方法は、仕上圧延の終了後、熱延鋼板に注水せず、750℃以上の温度で巻き取る方法である。この方法では、巻取り後も結晶粒の成長を期待でき、製品において、より高い磁束密度を期待できる。好ましくは790℃以上で巻き取る。
上記巻取り方法においては、通常、熱延鋼板表面のスケールがやや強固になり、酸洗工程での負荷が大きくなるが、粗圧延でのスケール除去を本発明方法のように行うことで、熱延鋼板のスケール酸洗性に問題は起きない。
第二の方法は、仕上げ圧延の終了後、1〜7秒間、無注水とし、その後、熱延鋼板に注水し、650℃以下の温度で巻き取る方法である。無注水の時間が1秒より短いと、熱延鋼板の組織に未再結晶部が残り易い。無注水の時間が7秒を超えると、巻取り温度が上昇して650℃を超えてしまう。無注水の時間は、好ましくは2〜5秒である。
巻取り温度を650℃以下とすることで、スケールの剥離性が改善され、酸洗性が良好になる。巻取り温度は、好ましくは630℃以下である。
第二の方法で巻き取った熱延鋼板の結晶粒径は、第一の方法で巻き取った熱延鋼板の結晶粒径より小さいので、製品の磁束密度はやや劣るが、スケールが残り難いので、製品の表面品位は良好である。
巻き取った熱延鋼板には、焼鈍を施すことなく、塩酸水溶液などで酸洗を施す。ショットブラストで、物理的にスケールを破壊してから、酸洗してもよい。酸洗後、熱延鋼板を、製品厚さまで冷間圧延する。冷間圧延の圧下率は、高い磁束密度を得るため、70〜90%が好ましい。
冷延後、再結晶−粒成長させて所要の磁性を確保するため、800〜1100℃で仕上げ焼鈍を行う。必要に応じて絶縁皮膜を施して製品とする。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
<実施例1>
質量%で、C:0.0027%、Si:2.1%、Al:0.3%、Mn:0.2%、S:0.018%、N:0.0018、Ti:0.0015%、残部Fe及び不可避的不純物の溶鋼を連続鋳造してスラブとし、該スラブに、表1に示す条件で熱間圧延を施し、厚さ2.3mmの熱延鋼板コイルを製造した。その後、熱延鋼板に焼鈍を施すことなく、熱延鋼板を、温度85℃、濃度9%のHCl水溶液に約40秒浸漬して酸洗した。
酸洗後、熱延鋼板を0.5mmに冷間圧延して冷延鋼板とし、その後、該冷延鋼板に、1000℃、30秒の仕上げ焼鈍を施し、最後に絶縁皮膜を鋼板表面に施し製品とした。
上記製品の表面品位を目視で検査し、次の基準で評価した。スケールを除去しきれない場合に製品表面にできる長手方向の模様が、全長にわたって観察される場合を×、部分的に該模様が観察されるが全長の5%以下の場合を○、全く上記模様が観察されない場合を◎とした。また、JIS C 2556に基づきエプスタイン法で磁気特性を評価した。表1に、磁気特性、及び、表面品位の評価結果を併せて示す。表1から、熱延板に焼鈍を施さなくとも、製品において、優れた磁気特性と表面品位が得られることが解る。
Figure 2013144825
<実施例2>
表2に示す成分組成の鋼を連続鋳造してスラブとし、1160℃に加熱し、脱炉後、幅方向に圧下し、高圧水で一次スケールを除去した。7パスの粗圧延を行ったが、1、3、5、及び、7パスにおいて、圧下前に高圧水によりスケール除去した。その後、誘導加熱で、粗バーを1070℃に加熱し、高圧水でスケールを除去して仕上げ圧延に供した。
仕上げ圧延は7パスで行い、仕上げ温度は950〜980℃とし、水冷せずに、800〜850℃で、熱延鋼板を巻き取った。仕上げ厚は2.3mmである。
その後、熱延鋼板に焼鈍を施すことなく、温度85℃、濃度9%のHCl水溶液に約40秒浸漬して酸洗し、0.5mmに冷間圧延して冷延鋼板とした。冷延鋼板に、1000℃、30秒の仕上げ焼鈍を施し、最後に絶縁皮膜を鋼板表面に施し製品とした。表面品位と磁気特性を、実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を、表2に併せて示す。
Figure 2013144825
前述したように、本発明によれば、熱延板焼鈍を省略して、熱延板焼鈍を施した製品と同等以上の磁気特性を有し、かつ、表面品位の良好な無方向性電磁鋼板を安価に製造することができる。よって、本発明は、電磁鋼板製造産業において利用可能性が高いものである。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.0080%以下、Si:1.5〜3.5%、Al:0.1〜1.0%、Si+Al:1.9%以上、Mn:0.02〜1.0%、S:0.0050%以下、N:0.0050%以下、Ti:0.0050%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなるスラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、熱延鋼板に焼鈍を施さずに酸洗し、冷間圧延し、次いで、仕上げ焼鈍を施す無方向性電磁鋼板の製造方法であって、上記熱間圧延において、
    (x)1100〜1180℃に加熱したスラブを、加熱炉から取り出した後、幅方向に圧下してスラブ表面の一次スケールを剥離させ、高圧水で除去し、
    (y)次の粗圧延において、圧延中に生じる二次スケールを除去するため、高圧水によるスケール除去を圧下直前に行わない圧延と、該スケール除去を圧下直前に行う圧延を交互に行って、粗バーとし、
    (z)上記粗バーを1050〜1100℃に再加熱して、仕上げ終了温度が950℃以上の仕上げ圧延に供し熱延鋼板とする
    ことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記仕上げ圧延の後、熱延鋼板に注水せず、750℃以上で巻き取ることを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記仕上げ圧延の後、熱延鋼板に1〜7秒間注水せず、その後、注水して650℃以下で巻き取ることを特徴とする請求項1に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記粗バーの再加熱を、製造ライン上で行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 前記スラブが、さらに、質量%で、REM:0.0005〜0.02%を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 前記スラブが、さらに、質量%で、Sn:0.01〜0.2%を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
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