JP2005240158A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒界偏析元素を多く含み、Si含有量が高くても、磁気特性を劣化させることなく表面欠陥を低減することのできる方向性電磁鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】 質量比で、C:0.020〜0.090%、Si:2.0〜4.5%、Mn:0.02〜0.10%、Se:0.01〜0.04%及びCu:0.005〜0.50%、Sn:0.01〜0.25%並びにSb:0.005〜0.15%から選ばれる1種又は2種以上とを含有し、S:0.0020%以下に制限され、残部不可避不純物を除きFeからなる出発素材を準備する段階と、前記出発素材を長手方向に延在する凹部が形成されたスラブに形成する段階と、前記スラブを加熱炉に装入して1300℃以上に加熱する段階と、加熱されたスラブを、前記凹部を下側としかつ、粗圧延開始時のスラブ下面温度が1200℃以上となるように加熱炉から粗圧延機まで搬送する段階とを行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、変圧器や発電機等の鉄心に用いて好適な方向性電磁鋼板の製造方法に関し、特に表面欠陥が低減されかつ、磁気特性の優れた方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
方向性電磁鋼板は、変圧器や発電機等の鉄心に用いられ、磁束密度が高く、かつ鉄損が低いことが要求される。これらの鉄損特性は材料の固有電気抵抗値と密接な関係があるため、電磁鋼板では抵抗値の増大を目的としてSi等の成分が意図的に含有され、その結果、加工性が低下し、特に熱間圧延によって表面割れや表面疵が顕著に発生しやすい。表面疵の程度の著しいものは、単に外観の不具合のみにとどまらず、占積率の低下や層間絶縁性の低下等、磁気特性の劣化につながるため、製造工程上の重要な問題の一つとなっている。
また、方向性電磁鋼板では、インヒビタとして析出物や偏析元素を利用して最終焼鈍後の鋼板に磁気特性に有利な{110}<001>方位の二次再結晶粒を発達させている。しかしながら、インヒビタとして用いられるSe、S、Sb等の偏析元素は、高温加熱時に粒界に偏析するために、熱間脆性により熱間圧延の際に表面割れや表面疵が発生しやすく、特にSi含有量が高い場合にこれら表面欠陥が顕著になる。
かかる表面欠陥の発生を防止する方法としては種々提案されている。例えば特許文献1には、方向性電磁鋼板の出発素材中のSi含有量を高めた場合にスラブ加熱中あるいは熱間圧延中に生じる熱間粒界割れに関し、スラブ加熱炉抽出後に急冷処理を施すことが有効であることが、特許文献2、特許文献3、特許文献4には熱間割れに起因するヘゲに関し、熱間圧延の粗圧延、仕上圧延の圧下率配分の変更することが有効なことが開示されている。
一方、特許文献5には、スラブ抽出時の表面温度が高いときにスラブ表面層の粒界に固溶したSeやSがその後の粗圧延段階で粒界剥離を引き起こし線状へげ等の原因になるとの問題の解決手段として、スラブ加熱を低酸化性雰囲気で行い、スラブ表面温度に応じて抽出から粗圧延までの時間を制御すること有効であることが示されている。また特許文献6には、フォルステライト被膜構造の乱れによる線状模様に対して、電磁鋼スラブ加熱時のOを制御し、雰囲気を非酸化性にすることが有効であることが示されている。
さらに、特許文献7、特許文献8にはスラブ加熱後に行なわれる粗圧延の第1パスを軽圧下とすること、さらにその後動的再結晶を積極的に行なわせることによりスラブ表層部の結晶粒を細粒化することにより表面割れを防ぐ方法が開示されている。
特開昭61-283102号公報 特開平2-182832号公報 特開平3-10020号公報 特開平3-115626号公報 特開昭63-100128号公報 特開平2-159319号公報 特開平4-197502号公報 特開平3-294001号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の方法では、表面性状を改善することは可能であるが、優れた磁気特性を維持することに問題がある。また、特許文献5、6に記載の方法では、粒界剥離による線状へげ及びフォルステライト被膜構造の乱れによる線状模様の防止に効果があるものの、熱延板の表面割れ起因の表面欠陥を防止することは困難である。一方、特許文献7、8により示されている手段は、スラブの高温加熱によるγ粒径の粗大化や電磁鋼板組成のMn/S比を低下させたときに起こるFeSのγ粒界への析出とそれに起因する熱間脆性を解決しようとするものであり、インヒビタとして用いられるSe、S、Sb等が高温加熱時に粒界に偏析するために生ずる熱間圧延時の表面割れやそれに基づく表面疵の発生、特にSi含有量が高い場合に起こりやすいこれら表面欠陥の防止対策として不十分である。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とし、粒界偏析元素が多く含み、Si含有量が高くても、磁気特性を劣化させることなく表面欠陥を低減することのできる方向性電磁鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る方向性電磁鋼板の製造方法は、質量比で、C:0.035〜0.090%、Si:2.0〜4.5%、Mn:0.02〜0.10%、Se:0.01〜0.04%及びCu:0.005〜0.50%、Sn:0.01〜0.25%並びにSb:0.005〜0.15%から選ばれる1種又は2種以上とを含有し、S:0.0020%以下に制限され残部不可避不純物を除きFeからなる出発素材を準備する段階と、前記出発素材を長手方向に延在する凹部が形成されたスラブに形成する段階と、前記スラブを加熱炉に装入して1300℃以上に加熱する段階と、加熱されたスラブを、前記凹部を下側としかつ、粗圧延開始時のスラブ下面温度が1200℃以上となるように加熱炉から粗圧延機まで搬送する段階と、粗圧延並びに仕上げ圧延を含む熱間圧延及び冷間圧延によって最終板厚の冷延板を得る圧延段階と、前記段階によって得られた冷延板に対して脱炭・一次再結晶焼鈍を施した後、最終仕上げ焼鈍を施す段階とを順次行なうものである。
上記発明における出発素材は、さらに、質量比で、Al:0.006〜0.10%、N:0.004〜0.015%を含有すること、あるいはCr:0.01〜0.15%、Te:0.005〜0.1%、Ge:0.005〜0.1%、As:0.005〜0.1%、Bi:0.005〜0.1%、Mo:0.005〜0.1%を含有することができる。
本発明においてスラブに形成される凹部は、スラブ長手方向にその端部から100mm以上入った位置からスラブ中心線に沿って長手方向に延在するように形成され、その深さは1〜20mmであることが望ましい。
本発明により、粒界偏析元素が多く含み、Si含有量が高くても、磁気特性を劣化させることなく表面欠陥を低減することができる。具体的には、Si:3.45%、Se:0.018%、Cu:0.10%の成分系において表面欠陥の発生率の発生は10%以下と低くすることができ、製品特性であるB8値を1.893Tと十分高い値とすることができる。
さて、発明者らは、Siを3%程度含有し、さらにインヒビタ成分としてSeおよびSbを含む鋼スラブを用いて方向性電磁鋼板を製造するにおいて、熱間圧延時の粗圧延工程で発生する表面割れに起因する製品板の表面欠陥(へゲ欠陥)を低減するため、種々の実験を積み重ねた結果、(1)成分の適正化、(2)粗圧延開始温度の適正化及び(3)スラブ形状の適正化の3点を併せて行なうことによりヘゲ欠陥の発生率を著しく低減できることを見出した。以下、これらの点を中心に本発明の実施形態を説明する。
(出発素材組成)
C:0.020〜0.090%(質量比、以下同様)
Cは熱延組織の改善に有効であるが、多すぎると脱炭が困難になるので0.020〜0.090%に限定する。
Si:2.0〜4.0%
Siは鋼板の比抵抗を高めて鉄損を低減させるために必要な成分である。しかしながら、その含有量が4.5%を上回ると冷間圧延性が損なわれ、一方2.0%に満たないと比抵抗が低下するだけでなく、2次再結晶・純化のために行われる最終高温焼鈍中に、α−γ変態が生じて結晶方位がランダム化し、十分な鉄損改善効果が得られないので、その含有量は2.0〜4.5%とする。
Mn:0.02〜0.12%
Mnは、熱間脆化を防止するため含有量は少なくとも0.02%を必要とするが、多すぎると磁気特性を劣化させるのでその上限は0.12%とする。
Se:0.005〜0.06%
Seは方向性電磁鋼板の2次再結晶を制御するインヒビタとして有用な成分であり、抑制力確保の観点からは、含有量は少なくとも0.005%を必要とする。しかし、0.06%を超えるとその効果が損なわれるだけでなく、熱間脆化が著しくなり、スラブ形状を本発明にしたがうものとしても表面欠陥を改善できなくなる。そのため含有量は0.005〜0.06%とする。
Cu:0.005〜0.50%、Sn:0.01〜0.25%及びSb:0.005〜0.15%から選ばれる1種又は2種以上
Cu、SnおよびSbは偏析型のインヒビタ元素であり、Seとともに二次再結晶の抑制剤として作用する。本発明ではこれらの少なくとも1種の含有が必要である。これら各元素はCuについては0.005%未満、Snについては0.01%未満、Sbについては0.005%未満では抑制効果が十分に発揮されず、磁気特性改善効果も不十分となる。しかし、Cuについては0.50%超、Snについては0.25%超、Sbについては0.15%超のときは熱間脆化が著しくなり、スラブ形状を本発明にしたがうものとしても表面欠陥を改善できなくなる。そのため、これら元素の含有量は、それぞれCu:0.0005〜0.60%、Sn:0.01〜0.25%、Sb:0.005〜0.15%の範囲とする。
S:0.0020%以下
Sは鋼中Mnと結合し、MnSとして析出することによりインヒビタ作用を有する元素として知られている。しかしながら、スラブの高温加熱時には粒界に析出して熱間脆性を引き起こすものであり、特にSi含有量が高く、かつ本発明のように粒界偏析元素の含有量が高い場合は、表面欠陥の発生を顕著にする弊害がある。したがって、本発明では、比較的表面欠陥に与える影響が少ないSeを主たるインヒビタ形成元素として使用し、Sは0.0020%以下に限定する。
Al:0.006〜0.10%、N:0.004〜0.015%
本発明では、上記のとおり主たるインヒビタとしてMnSeを利用するが、併せてAlNをインヒビタとして利用することも可能である。その場合、粒成長抑制力の効果を発揮させる観点からは、Al:0.005%以上、N:0.004%以上が必要でなるが、これら元素の含有量が多すぎる場合にはかえって磁気特性を低下させるので、これらの元素を含有させる場合には上記範囲とする。
Cr:0.01〜0.15%、Te:0.005〜0.1%、Ge:0.005〜0.1%、As:0.005〜0.1%、Bi:0.005〜0.1%、Mo:0.005〜0.1%、P:0.01〜0.2%
Cr、Te、Ge、As、Bi、Mo、Pは磁気特性改善成分として知られており、これらの元素を含有させることも可能である。これら元素の含有量の好適範囲は、Cr:0.01〜0.15%、Te、Ge、As、Bi、Moはそれぞれ0.005〜0.1%、P:0.01〜0.2%である。
(スラブの製造)
上述の組成を有する出発素材溶鋼は、適当な手段、たとえば連続鋳造機によってスラブとする。本発明では、たとえば図1に示すようにこのスラブ1を、その長手方向に凹部2が延在するようにする。このような形状のスラブを製造するには、例えば、連続鋳造するに際してスラブ幅方向両端部の厚みがスラブ幅方向中央部の厚みよりも厚い凹型の断面形状を有するモールドを用いればよい。あるいは、通常の矩形断面のスラブを鋳造したのち、スラブ幅方向両端部をスラブ幅方向に圧延もしくはプレスすることにより、幅方向両端部が幅方向中央部より厚くすることによっても製造可能である。
図1は、このような形状を有するスラブの例示であり、スラブ1の側端に凸条部3が設けられ、それにより長手方向に凹部2が延在するようになっている。この場合において、凸条部3の幅wは50〜100mmとするのがスラブ搬送時に必要な凹部深さを確保するために好ましい。また、凹部2の深さd(凸条部3と凹部2の高さの差)は、後に説明する搬送時の歪導入を防止するために1〜20mmとすることが好ましい。なお、凹部2は図1(a)に示すようにスラブ1に片面側において形成すればよいが、図1(b)に示すように両面側に形成してもよい。
上記のように形成されたスラブはついで加熱炉に装入され、1300℃以上に加熱される。スラブ加熱温度が1300℃に満たないとインヒビタの固溶が十分でなく、続く工程においてMnSe,AlN等の微細な均一な分散析出状態が得られない。
(スラブの搬送)
このように長手方向に凹部が延在し、かつ高温加熱されたスラブは、熱間圧延に供される。本発明ではその際、加熱されたスラブを、前記凹部を下側としかつ、粗圧延開始時のスラブ下面温度が1200℃以上となるように加熱炉から粗圧延機まで搬送する。このことによって、熱間圧延時の表面欠陥の発生、ひいては製品板での表面欠陥(へゲ欠陥)を著しく抑制することができる。
このような効果が得られる原因についての発明者の見解は、本発明の解釈に影響を与えるものではないが、次のとおりである。まず、スラブの幅方向中央部であって長手方向に凹部が延在するものとし、加熱炉から抽出した後、粗圧延機で第1パスに至るまで凹部を下面として搬送することによりテーブルローラとスラブとの接触が低減し、ローラテーブルとの衝撃による歪導入や、接触による不均一な温度低下による歪導入が防止される。また、スラブ下面温度を粗圧延開始まで1200℃以上に保つことにより、スラブ中心部とスラブ表層の温度差が低減され、この温度差に起因する熱応力による過大な歪の発生、ひいては粗圧延時の粒界割れの発生が防止される。その結果、熱間粗圧延時の表面欠陥が抑制され、製品板のヘゲ欠陥が低減されるのである。
このようにして加熱炉から熱間圧延機まで搬送されたスラブは、通常の工程に従い粗圧延及び仕上げ圧延が施され、得られた熱延板は熱延板焼鈍、酸洗等の高磁束密度方向性電磁鋼板を製造する際に利用される通常の手段を採用して冷間圧延に付され、最終板厚の冷延板とされる。
この冷間圧延にあたり、1回の冷間圧延により最終板厚とする冷延1回法を採用することも、中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施す冷延2回法を採用することもできる。また、最終冷間圧延を、100〜350℃での温間圧延とすること、あるいは100〜360℃で10〜60分間のパス間時効処理を付加することもできる。さらに最終冷間圧延後、磁区細分化のため鋼板表面に線状の溝を設ける処理を行なうことも可能である。
最終板厚とされた冷延板は、高磁束密度方向性電磁鋼板を製造する際に利用される通常の手段を採用して脱炭・一次再結晶焼鈍が施されたのち、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布され最終仕上げ焼鈍に供される。
この最終仕上げ焼鈍後は未反応の焼鈍分離剤を除去したのち、通例に従い鋼板表面に張力付与被膜の形成処理を行ない、さらに必要に応じて磁区細分化処理を行なう。これらの手段は特に制限されるものではなく、高磁束密度電磁鋼板の製造のため広く公知とされているものの中から適宜選択すればよい。また、張力付与被膜の形成前に鋼板表面を鏡面化し鉄損の低減を図ってもよい。
質量比で、C:0.081%、Si:3.23%、Mn:0.08%、Se:0.025%、Cu:0.2%を含有し残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を出発素材とした。これを幅:1200mm、幅方向中央部の厚さ:200mm、幅方向両端部厚さ:220mm、幅(w):80mmの片面に凹部を形成したスラブに鋳造した(鋼A)。このスラブにおける凹部のdは20mmである。比較材として、幅:1200mm、厚さ:220mm(一定)のスラブを鋳造した(鋼B)。
得られたスラブをガス加熱炉で1250℃の温度に加熱後、誘導式電気加熱炉によって1440℃の温度に20分間保持したのち抽出し、これをローラテーブルによって粗圧延機まで搬送した。この際、鋼Aは、スラブ凹部が下向きとなるよう、すなわちローラテーブル側となるようにして搬送しするとともに搬送時間を変えることによって粗圧延開始時のスラブ下面温度を1100〜1300℃の間で変化させた。搬送したスラブに対し粗圧延を施して板厚35mmのシートバーとした後、熱間仕上げ圧延を行ない板厚2.0mmの熱延板とした。
得られた熱延板に900℃で1分間の熱延板焼鈍を施したのち、酸洗を行ない、1次冷間圧延により中間板厚1.5mmとしてから水素中において1050℃で2分間の中間焼鈍を施した後、2次冷間圧延により最終板厚:0.22mmの冷延板とした。得られた冷延板に湿水素中840℃で2分間の脱炭焼鈍を施したのち、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布・乾燥後、水素中1200℃で5時間の仕上げ焼鈍を施し製品とした。
得られた製品について表面性状を観察した。結果を表1に示す。ここで、表面欠陥の発生率はコイル長さに対する表面欠陥部長さ(合計値)の比(%)であり、5コイルの平均値である。表1より、本発明に従う条件では、表面欠陥の発生率の発生が低減されていることが確認できる。
表2に示す成分を含有し残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を幅1200mm、厚さ240mmのスラブを各成分につき2本ずつ鋳造した。鋳造されたスラブのうち1本に対して一対の竪ロールを有する竪型圧延機を用いて幅方向圧延を施し、スラブ幅方向端部に高さ20mm、幅50mmの凸条を形成した。この例においてはスラブ幅方向中央部に形成された凹部は深さ20mmである。鋳造されたスラブのうち他の1本に対しては上記凸条形成処理は行なわず比較材とした。
得られた各スラブをガス加熱炉で1200℃の温度に加熱後、誘導式電気加熱炉にて1420℃の温度で20分間保持したのち抽出し、これをローラテーブルによって粗圧延機まで搬送した。この際、凸条の形成された(凹部に形成された)スラブは、凹部が下向きとなるよう、すなわちローラテーブル側となるようにして搬送しするとともに粗圧延開始時のスラブ下面温度を1250℃となるようにした。搬送したスラブに対し粗圧延を施して板厚35mmのシートバーとした後、熱間仕上げ圧延を行ない板厚2.0mmの熱延板とした。
得られた熱延板に対し、実施例1の場合と同様の処理を行ない製品とし、表面性状の観察及を行なった。また、スラブに凹部を形成したものについては磁束密度B8(T)も測定した。結果を表2に併せて示す。
本発明に従う鋼C〜Iの化学組成を有しかつ凹部を有する例では、表面欠陥の発生率の発生は10%以下に低減され、磁気特性も良好である。これに対し、本発明に係る組成を有するが、凹部を有さないものは表面欠陥の発生率が高い。また、Seを含まない鋼KおよびCu、SnおよびSbのいずれをも含まない鋼Jは表面欠陥の劣化は認められいものの、二次再結晶不良となるか、もしくは磁気特性が劣った。また、S、Se、Cu、Sn、Sbのいずれかの成分が本発明の適正範囲を超える鋼L〜Pは表面欠陥および磁気特性の双方が劣っている。
本発明で利用する長手方向に延在する凹部が形成されたスラブの模式図である。
符号の説明
1:スラブ
2:凹部
3:凸条部

Claims (4)

  1. 質量比で、C:0.020〜0.090%、Si:2.0〜4.5%、Mn:0.02〜0.10%、Se:0.01〜0.04%及びCu:0.005〜0.50%、Sn:0.01〜0.25%並びにSb:0.005〜0.15%から選ばれる1種又は2種以上とを含有し、S:0.0020%以下に制限され、残部不可避不純物を除きFeからなる出発素材を準備する段階と、
    前記出発素材を長手方向に延在する凹部が形成されたスラブに形成する段階と、
    前記スラブを加熱炉に装入して1300℃以上に加熱する段階と、
    加熱されたスラブを、前記凹部を下側としかつ、粗圧延開始時のスラブ下面温度が1200℃以上となるように加熱炉から粗圧延機まで搬送する段階と、
    粗圧延並びに仕上げ圧延を含む熱間圧延及び冷間圧延によって最終板厚の冷延板を得る圧延段階と、
    前記段階によって得られた冷延板に対して脱炭・一次再結晶焼鈍を施した後、最終仕上げ焼鈍を施す段階とを順次行うことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 出発素材は、さらに質量比で、Al:0.006〜0.10%、N:0.004〜0.015%を含有することを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 出発素材は、さらに質量比で、Cr:0.01〜0.15%、Te:0.005〜0.1%、Ge:0.005〜0.1%、As:0.005〜0.1%、Bi:0.005〜0.1%、Mo:0.005〜0.1%を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 凹部はスラブ側端から100mm以上入った位置からスラブ中心線に沿って形成され、その深さは1〜20mmであるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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