JP2013144722A - 粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の粘着テープ100は、20℃における引張り弾性率が1.5N/mm2以上100N/mm2以下である粘着剤層10を備える。粘着剤層10は、好ましくは、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体を含む樹脂組成物から形成される。
【選択図】図1
Description
好ましい実施形態においては、上記粘着剤層が、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体を含む樹脂組成物から形成される。
好ましい実施形態においては、上記樹脂組成物が結晶性樹脂を含み、該結晶性樹脂が結晶性ポリプロピレン系樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記結晶性樹脂の含有割合が、上記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体と該結晶性樹脂との合計重量に対して65重量%以下である。
好ましい実施形態においては、上記樹脂組成物中の1−ブテン由来の構成単位の合計含有割合が、該樹脂組成物中の樹脂の総重量に対して1.0重量%以上60重量%以下である。
好ましい実施形態においては、粘着剤層の厚みが10μm〜300μmである。
好ましい実施形態においては、基材層をさらに備え、粘着剤層形成材料と基材層形成材料とを共押し出し成形して得られる。
図1は、本発明の好ましい実施形態による粘着テープの概略断面図である。粘着テープ100は、粘着剤層10と、粘着剤層10の片側に設けられた基材層20とを備える。図示例では、粘着テープ100は基材層20を備えているが、本発明の粘着テープは基材層を備えていなくてもよい。図示しないが、本発明の粘着テープは、実用的には、使用に供されるまで粘着剤層表面にセパレータが設けられている。また、本発明の粘着テープは、さらに任意の適切な他の層を備え得る。
上記粘着剤層の20℃における引張り弾性率は、好ましくは1.5N/mm2以上であり、さらに好ましくは2N/mm2以上である。粘着剤層の引張り弾性率をこのような範囲とすることにより、ウエハ裏面の研削加工時の割れや欠けの発生を抑制し得る粘着テープを提供することができる。具体的には、このような粘着剤層によれば、粘着テープを当該ウエハ形状にカットする際のテープカット性に優れ、カットによりウエハ外縁に糊玉やバリが発生するのを良好に抑制することができる。このように、ウエハ外縁の高い平滑性を達成することにより、研削加工において、割れや欠けの発生を良好に抑制することができる。一方、粘着剤層の20℃における引張り弾性率は、好ましくは100N/mm2以下であり、さらに好ましくは50N/mm2以下である。
上記基材層は、任意の適切な樹脂により形成される。好ましくは、後述の共押し出し成形が可能な熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリエチレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂の具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMA)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック重合体(SEBS)、高分子量ポリエチレン(HDPE)、低分子量ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低分子量ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。
上述のとおり、本発明の粘着テープは、実用的には、粘着剤層表面にセパレータが設けられて提供され得る。本発明の粘着テープは、例えば、粘着剤層表面にセパレータが設けられた状態で、ロール状に巻き取ることができる。セパレータは、実用に供するまで粘着テープを保護する保護材としての機能を有し得る。セパレータとしては、例えば、シリコン系剥離剤、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチック(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン)フィルム、不織布または紙などが挙げられる。
本発明の粘着テープは、好ましくは、上記粘着剤層の形成材料および上記基材層の形成材料が共押し出し成形されて製造される。共押し出し成形によれば、層間の接着性が良好な粘着テープを、少ない工程数で、かつ、有機溶剤を使用することなく製造することができる。なお、本明細書において「粘着剤層の形成材料(粘着剤層形成材料)」とは、上記樹脂組成物と上記その他の成分との混合物を意味する。
1.引張り弾性率
20℃において、幅10mm、長さ80mmのサンプル(厚み30μmの粘着剤層)を、引張試験機(島津製作所社製、テンシロン)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度0.5m/minの条件で長さ方向に引っ張り、応力−ひずみ曲線を測定した。引張り弾性率は下記式(I)により算出した。
Et=(σ2−σ1)/(ε2−ε1)・・・・・(I)
Et:引張り弾性率[MPa]
σ1:ひずみε1=0.05%の引張り応力[MPa]
σ2:ひずみε2=0.25%の引張り応力[MPa]
2.貯蔵弾性率
サンプル(厚み30μmの粘着剤層)のせん断による貯蔵弾性率を、動的粘弾性スペクトル測定器(レオメトリックサイエンティフィック社製、製品名「ARES」)を用いて、周波数10Hz、昇温速度5℃/分で−50℃〜100℃の範囲で測定した。
3.非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体の分子量
試料を1.0g/lのTHF溶液に調製して一晩静置した後、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、得られたろ液をTOSOH社製のHLC−8120GPCにて、以下の条件で測定し、ポリスチレン換算により算出した。
・カラム:TSKgel SuperHZM−H/HZ4000/HZ3000/HZ2000
・カラムサイズ:6.0mmI.D.×150mm
・カラム温度:40℃
・溶離液:THF
・流量:0.6ml/min
・注入量:20μl
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
4.結晶性ポリプロピレン系樹脂の分子量
試料を140℃で溶解させて0.10%(w/w)o−ジクロロベンゼン溶液を調製し、その溶液を孔径1.0μmの焼結フィルターでろ過し、得られたろ液をWaters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC 2000型にて、以下の条件で測定し、ポリスチレン換算により算出した。
・カラム:TSKgel GMH6−HT,TSKgel GMH6−HTL
・カラムサイズ:7.5mmI.D.×300mmそれぞれ2本
・カラム温度:140℃
・溶離液:o−ジクロロベンゼン
・流量:1.0ml/min
・注入量:0.4ml
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
5.メルトフローレート
JISK7210に準じて測定した。
粘着剤層形成材料として、メタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」、1−ブテン由来の構成単位:2重量%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート:10g/10min)100部を用いた。
基材層形成材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、商品名「エバフレックスP−1007」、酢酸ビニル濃度:10重量%、メルトフローレート:9g/10min)を用いた。
上記粘着剤形成材料と、基材層形成材料とをそれぞれの押し出し機に投入し、Tダイ溶融共押し出し(押し出し機:ジー・エム・エンジニアリング社製、商品名「GM30−28」/Tダイ:フィードブロック方式;押出温度180℃)を行い、溶融状態の樹脂とタッチロール成形部へ通紙したSi塗布PETセパレータ(三菱化学社製、商品名「ダイアホイルMRF」:38μm)とを積層した後、冷却し、粘着剤層の厚みが30μm、基材層の厚みが100μmの粘着テープを得た。なお、各層の厚みは、Tダイ出口の形状により制御した。
粘着剤層形成材料として、メタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」、1−ブテン由来の構成単位:2重量%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート:10g/10min)80部、および、メタロセン触媒により重合した結晶性ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロピレン社製、商品名「WINTEC WFX4」、Mw=363,000、Mw/Mn=2.87、メルトフローレート:7g/10min)20部を含む樹脂組成物(樹脂組成物中の1−ブテン由来の構成単位の合計含有割合:1.6重量%、樹脂組成物のメルトフローレート:9g/10min)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
粘着剤層形成材料として、メタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」、1−ブテン由来の構成単位:2重量%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート:10g/10min)70部、および、メタロセン触媒により重合した結晶性ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロピレン社製、商品名「WINTEC WFX4」、Mw=363,000、Mw/Mn=2.87、メルトフローレート:7g/10min)30部を含む樹脂組成物(樹脂組成物中の1−ブテン由来の構成単位の合計含有割合:1.4重量%、樹脂組成物のメルトフローレート:9g/10min)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
粘着剤層形成材料として、メタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」、1−ブテン由来の構成単位:2重量%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート:10g/10min)60部、および、メタロセン触媒により重合した結晶性ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロピレン社製、商品名「WINTEC WFX4」、Mw=363,000、Mw/Mn=2.87、メルトフローレート:7g/10min)40部を含む樹脂組成物(樹脂組成物中の1−ブテン由来の構成単位の合計含有割合:1.2重量%、樹脂組成物のメルトフローレート:9g/10min)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
粘着剤層形成材料として、メタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」、1−ブテン由来の構成単位:2重量%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート:10g/10min)60部、および、結晶性プロピレン−(1−ブテン)共重合体(三井化学社製、商品名「タフマーXM7070」、1−ブテン由来の構成単位:34重量%、Mw=240,000、Mw/Mn=2.2、メルトフローレート:10g/10min)40部を含む樹脂組成物(樹脂組成物中の1−ブテン由来の構成単位の合計含有割合:14.8重量%、樹脂組成物のメルトフローレート:10g/10min)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
粘着剤層形成材料として、メタロセン触媒により重合した非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体(住友化学社製、商品名「タフセレンH5002」、1−ブテン由来の構成単位:2重量%、Mw=230,000、Mw/Mn=1.8、メルトフローレート:10g/10min)20部、および、メタロセン触媒により重合した結晶性ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロピレン社製、商品名「WINTEC WFX4」、Mw=363,000、Mw/Mn=2.87、メルトフローレート:7g/10min)80部を含む樹脂組成物(樹脂組成物中の1−ブテン由来の構成単位の合計含有割合:0.4重量%、樹脂組成物のメルトフローレート:8g/10min)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを得た。
フラスコに、25℃にて、アクリル酸n−ブチル100部、アクリル酸3部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部、希釈溶剤としての酢酸エチル200部を投入した。次いで、撹拌しながら、フラスコに窒素ガスを約1時間導入し、内部の空気を窒素で置換した。次いで、フラスコを加温して、フラスコ内の温度を60℃まで上昇させ、約6時間保持して重合を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー固形分100部に対して、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)2部と多官能エポキシ化合物(三菱瓦斯化学製、商品名「テトラッドC」)0.5部とを添加した後、酢酸エチルで希釈しながら均一になるまで攪拌して粘着剤溶液を得た。
PETセパレータ上に、得られた粘着剤溶液を塗布し、乾燥オーブンにて130℃で3分間乾燥して、厚み15μmの粘着剤層を形成した。
得られた粘着剤層を、エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製、商品名「エバフレックスP−1007」)を厚み115μmになるように押し出して得られた基材に貼り合わせて粘着テープを得た。
2−エチルヘキシルアクリレート75モル、アクリロイルモルホリン25モル、2−ヒドロキシエチルアクリレート22モルからなる配合組成物をトルエン溶液中で共重合させて、アクリル系共重合ポリマーを得た。こうして得られたアクリル系共重合ポリマーに、11モルの2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加反応させ、ポリマー分子内側鎖に炭素−炭素二重結合を導入した。次いで、このポリマー固形分100部に対して、さらにポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」)0.2部、アセトフェノン系光重合開始剤(BASF製、「イルガキュア651」)3部を混合して粘着剤溶液を得た。こうして得られた粘着剤溶液を用いたこと以外は、比較例2と同様にして粘着テープを得た。
実施例および比較例で得られた粘着テープを以下の評価に供した。結果を表1に示す。
(1)粘着力(対シリコン)
得られた粘着テープを50℃にて2日間エージングした後、4インチ半導体ウエハのミラー面(シリコン製)に対する粘着力を、JIS Z 0237(2000)に準じた方法(貼り合わせ条件:2kgローラー1往復、剥離速度:300mm/min、剥離角度180°)により測定した。
(2)テープカット性(糊玉、バリ)
得られた粘着テープを、室温にて、バックグラインド用保護テープ貼り付け装置(日東精機(株)製、DR−3000III)を用いて半導体ウエハのパターン面に貼り付け、当該ウエハ形状にカッター(OLFA製、商品名「アートナイフ替刃 XB10」)でカットした。カットした後、ウエハの外縁に生じた糊玉、バリ数をカウントすることにより、テープカット性を評価した。なお、カットする際のカッター温度を、室温・80℃とし、それぞれについてテープカット性を評価した。
(3)研削性(ウエハの割り、欠け)
上記評価(2)で粘着テープを貼り付けたウエハの裏面を研削機((株)Disco製、DGP−8760)で仕上げ厚みが50μmとなるように研削した。研削後、ウエハの割れの有無の確認、および、10μm以上の欠けをカウントすることにより、研削性を評価した。
表1から明らかなように、各実施例の粘着テープはテープカット性に極めて優れているのに対し、比較例2,3では優れたテープカット性が得られない。
20 基材層
100 粘着テープ
Claims (7)
- 20℃における引張り弾性率が1.5N/mm2以上100N/mm2以下である粘着剤層を備える、半導体ウエハ加工用の粘着テープ。
- 前記粘着剤層が、非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体を含む樹脂組成物から形成される、請求項1に記載の粘着テープ。
- 前記樹脂組成物が結晶性樹脂を含み、該結晶性樹脂が結晶性ポリプロピレン系樹脂を含む、請求項2に記載の粘着テープ。
- 前記結晶性樹脂の含有割合が、前記非晶質プロピレン−(1−ブテン)共重合体と該結晶性樹脂との合計重量に対して65重量%以下である、請求項3に記載の粘着テープ。
- 前記樹脂組成物中の1−ブテン由来の構成単位の合計含有割合が、該樹脂組成物中の樹脂の総重量に対して1.0重量%以上60重量%以下である、請求項2から4のいずれかに記載の粘着テープ。
- 粘着剤層の厚みが10μm〜300μmである、請求項1から5のいずれかに記載の粘着テープ。
- 基材層をさらに備え、粘着剤層形成材料と基材層形成材料とを共押し出し成形して得られる、請求項1から6のいずれかに記載の粘着テープ。
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