JP2013143471A - 電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】下地電極を形成することなく、積層体の底面に外部電極を形成できる。
【解決手段】積層体12は、複数の絶縁体層16,17が積層されて構成されている。ビアホール導体v11,v22〜v24は、z軸方向の最も負方向側に位置する絶縁体層17をz軸方向に貫通するように設けられている。外部電極14a,14bは、積層体12においてz軸方向の負方向側に位置している底面に露出している複数のビアホール導体v11,v22〜v24の端部を覆うようにめっきにより形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】積層体12は、複数の絶縁体層16,17が積層されて構成されている。ビアホール導体v11,v22〜v24は、z軸方向の最も負方向側に位置する絶縁体層17をz軸方向に貫通するように設けられている。外部電極14a,14bは、積層体12においてz軸方向の負方向側に位置している底面に露出している複数のビアホール導体v11,v22〜v24の端部を覆うようにめっきにより形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子部品に関し、より特定的には、複数の絶縁体層が積層されてなる積層体を備えた電子部品に関する。
従来の電子部品としては、例えば、特許文献1に記載の電子部品が知られている。特許文献1に記載の電子部品は、積層体、2つの外部電極及びコイルを備えている。積層体は、複数の絶縁体層が積層されて構成されている。コイルは、積層方向と平行なコイル軸を有している。2つの外部電極は、積層体において積層方向の下側に位置する底面に設けられている。コイルの両端はそれぞれ、2つの外部電極に対してビアホール導体により接続されている。
ところで、特許文献1に記載の電子部品では、以下に説明するように、外部電極の形成に下地電極が必要になるという問題がある。2つの外部電極は、積層方向の最も下側に位置する絶縁体層にビアホール導体を形成した後、導電性ペーストを塗布することにより形成される。ただし、特許文献1には記載されていないが、一般的には、導電性ペーストを塗布して得られる電極を下地電極として、めっきが施される。このように、特許文献1に記載の電子部品では、外部電極の形成に下地電極の形成が必要である。
そこで、本発明の目的は、下地電極を形成することなく、積層体の底面に外部電極を形成できる電子部品を提供することである。
本発明に係る電子部品は、複数の絶縁体層が積層されて構成されている積層体と、積層方向の最も下側に位置する前記絶縁体層を積層方向に貫通するように設けられている複数のビアホール導体と、前記積層体において積層方向の下側に位置している底面に露出している前記複数のビアホール導体の端部を覆うようにめっきにより形成された外部電極と、を備えていること、を特徴とする。
本発明によれば、下地電極を形成することなく、積層体の底面に外部電極を形成できる。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品について説明する。
(電子部品の構成)
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る電子部品10の斜視図である。図2は、図1に示した電子部品10の積層体12の分解斜視図である。以下、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10の短辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10の長辺に沿った方向をy軸方向と定義する。x軸、y軸及びz軸は互いに直交している。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る電子部品10の斜視図である。図2は、図1に示した電子部品10の積層体12の分解斜視図である。以下、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10の短辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10の長辺に沿った方向をy軸方向と定義する。x軸、y軸及びz軸は互いに直交している。
電子部品10は、図1及び図2に示すように、積層体12、外部電極14a,14b、コイルL及びビアホール導体V1,V2,v23,v24(図1には図示せず)を備えている。積層体12は、直方体状をなしており、コイルLを内蔵している。
積層体12は、図2に示すように、絶縁体層16a〜16k,17がz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に並ぶように積層されることにより構成されている。絶縁体層16a〜16k,17はそれぞれ、長方形状をなしており、例えば、Ni−Cu−Zn系フェライトからなる磁性体材料により作製されている。また、絶縁体層17は、絶縁体層16よりも高い空孔率を有しており、z軸方向の最も負方向側に位置している。積層体12では、高い空孔率を有する絶縁体層は、z軸方向の最も負方向側に位置している絶縁体層17のみである。
コイルLは、図2に示すように、コイル導体18a〜18j及びビアホール導体v12〜v20により構成されている。すなわち、コイルLは、コイル導体18a〜18jがビアホール導体v12〜v20により接続されることにより構成されている。コイルLは、z軸方向に延在するコイル軸を有しており、時計回り方向(矢印Aの方向)に旋廻しながらz軸方向の正方向側に向かって進行する螺旋状をなしている。また、コイルLは、端部t1,t2を有しており、コイルLの端部t1は、コイルLの端部t2よりもz軸方向の正方向側に位置している。
コイル導体18a〜18jはそれぞれ、図2に示すように、絶縁体層16b〜16k上に設けられている。また、コイル導体18b〜18jはそれぞれ、Agからなる導電性材料からなり、7/8ターンのターン数を有しており、線状導体が折り曲げて形成されている。コイル導体18aは、3/4ターンのターン数を有している。すなわち、コイル導体18a〜18jは、環状の軌道の一部(コイル導体18aでは1/4、コイル導体18b〜18jでは1/8)が切り欠かれた形状をなしている。そして、コイル導体18a〜18jは、z軸方向から平面視したときに、互いに重なり合って、環状の軌道を構成している。また、コイルLの端部t1は、コイル導体18aの矢印Aの方向の下流側の端部であり、コイルLの端部t2は、コイル導体18jの矢印Aの方向の上流側の端部である。
ビアホール導体v12〜v20は、コイル導体18a〜18jを接続している。より詳細には、ビアホール導体v12は、コイル導体18aの端部t1から矢印Aの方向に5/8ターンだけ離れた位置とコイル導体18bの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v13は、コイル導体18bの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18cの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v14は、コイル導体18cの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18dの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v15は、コイル導体18dの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18eの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v16は、コイル導体18eの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18fの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v17は、コイル導体18fの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18gの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v18は、コイル導体18gの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18hの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v19は、コイル導体18hの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18iの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。ビアホール導体v20は、コイル導体18iの矢印Aの方向の上流側の端部とコイル導体18jの矢印Aの方向の下流側の端部とを接続している。
ビアホール導体v1〜v11は、図2に示すように、絶縁体層16b〜16k,17をz軸方向に貫通しており、一直線に繋がることにより1本のビアホール導体V1を構成している。ビアホール導体V1のz軸方向の正方向側の端部は、コイルLの端部t1に接続されている。また、ビアホール導体V1のz軸方向の負方向側の端部は、積層体12のz軸方向の負方向側の面(底面)に露出している。
ビアホール導体v21,v22は、図2に示すように、絶縁体層16k,17をz軸方向に貫通しており、一直線に繋がることにより1本のビアホール導体V2を構成している。ビアホール導体V2のz軸方向の正方向側の端部は、コイルLの端部t2に接続されている。また、ビアホール導体V2のz軸方向の負方向側の端部は、積層体12のz軸方向の負方向側の面(底面)に露出している。
ビアホール導体v23は、z軸方向の最も負方向側に位置している絶縁体層17をz軸方向に貫通しており、絶縁体層17のy軸方向の正方向側の短辺近傍の矩形状のエリア内に複数設けられている。よって、ビアホール導体v23のz軸方向の負方向側の端部は、積層体12の底面から露出している。なお、ビアホール導体v23は、ビアホール導体v11を除く複数のビアホールを指す。
ビアホール導体v24は、z軸方向の最も負方向側に位置している絶縁体層17をz軸方向に貫通しており、絶縁体層17のy軸方向の負方向側の短辺近傍の矩形状のエリア内に複数設けられている。よって、ビアホール導体v24のz軸方向の負方向側の端部は、積層体12の底面から露出している。なお、ビアホール導体v24は、ビアホール導体v22を除く複数のビアホールを指す。
外部電極14aは、積層体12の底面に露出しているビアホール導体v11,v23の端部を覆うようにめっきにより形成されている。本実施形態では、外部電極14aは、積層体12の底面において、y軸方向の正方向側に位置する辺に沿って設けられている。これにより、外部電極14aは、コイルLの端部t1に対して電気的に接続されている。
外部電極14bは、積層体12の底面に露出しているビアホール導体v22,v24の端部を覆うようにめっきにより形成されている。本実施形態では、外部電極14bは、積層体12の底面において、y軸方向の負方向側に位置する辺に沿って設けられている。これにより、外部電極14bは、コイルLの端部t2に対して電気的に接続されている。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下では、複数の電子部品10を同時に作成する際の電子部品10の製造方法について説明する。図3は、外部電極14a,14bの形成時の工程断面図である。
以下に、電子部品10の製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下では、複数の電子部品10を同時に作成する際の電子部品10の製造方法について説明する。図3は、外部電極14a,14bの形成時の工程断面図である。
まず、図2の絶縁体層16a〜16kとなるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)及び酸化ニッケル(NiO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、平均粒径が2μmであるフェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで焼成後の空孔率が10vol%以下となるように混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、厚さが20μmである絶縁体層16a〜16kとなるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、図2の絶縁体層17となるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)及び酸化ニッケル(NiO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、平均粒径が2μmであるフェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤、球状ポリマーを加えてボールミルで空孔率が焼成後の35vol%以下となるように混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。球状ポリマーは、平均粒径が8μmである架橋ポリエチレンからなる焼失材である。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、厚さが20μmである絶縁体層17となるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、図2に示すように、絶縁体層16b〜16k,17となるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビアホール導体v1〜v24を形成する。具体的には、絶縁体層16b〜16k,17となるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
次に、図2に示すように、絶縁体層16b〜16kとなるべきセラミックグリーンシートのz軸方向の正方向側の主面(以下、表面と称す)上にコイル導体18a〜18jを形成する。具体的には、絶縁体層16b〜16kとなるべきセラミックグリーンシートの表面上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル導体18a〜18jを形成する。なお、コイル導体18a〜18jを形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、図2に示すように、絶縁体層16a〜16k,17となるべきセラミックグリーンシートをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。絶縁体層16a〜16k,17となるべきセラミックグリーンシートの積層・圧着は、1枚ずつ積層して仮圧着してマザー積層体を得た後、未焼成のマザー積層体を静水圧プレスなどにより加圧して本圧着を行う。
次に、マザー積層体をカット刃により所定寸法の積層体12にカットする。これにより未焼成の積層体12が得られる。この未焼成の積層体12には、脱バインダー処理及び焼成がなされる。焼成時に球状ポリマーが焼失することにより、絶縁体層17内に空孔が形成される。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行う。焼成は、例えば、800℃〜900℃で2.5時間の条件で行う。
次に、積層体12に対してバレル研磨加工を施して、面取りを行う。そして、Niめっき及びSnめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。具体的には、積層体12の底面には、ビアホール導体v11,v22〜v24のz軸方向の負方向側の端部が露出している。そこで、めっき工法によって、ビアホール導体v11,v23のz軸方向の端部を起点に導体膜を成長させることにより、図3に示すように、外部電極14aを形成する。同様に、めっき工法によって、ビアホール導体v22,v24のz軸方向の端部を起点に導体膜を成長させることにより、図3に示すように、外部電極14bを形成する。この際、絶縁体層17の空孔内にめっき液が浸入し、図3に示すように、空孔内に導体が形成される。以上の工程により、図1に示すような電子部品10が完成する。
(効果)
以上のように構成された電子部品10によれば、下地電極を形成することなく、積層体12の底面に外部電極14a,14bを形成できる。より詳細には、特許文献1に記載の電子部品では、2つの外部電極は、積層方向の最も下側に位置する絶縁体層にビアホール導体を形成した後、導電性ペーストを塗布することにより形成される。ただし、特許文献1には記載されていないが、一般的には、導電性ペーストを塗布して得られる電極を下地電極として、めっきが施される。このように、特許文献1に記載の電子部品では、外部電極の形成に下地電極の形成が必要である。
以上のように構成された電子部品10によれば、下地電極を形成することなく、積層体12の底面に外部電極14a,14bを形成できる。より詳細には、特許文献1に記載の電子部品では、2つの外部電極は、積層方向の最も下側に位置する絶縁体層にビアホール導体を形成した後、導電性ペーストを塗布することにより形成される。ただし、特許文献1には記載されていないが、一般的には、導電性ペーストを塗布して得られる電極を下地電極として、めっきが施される。このように、特許文献1に記載の電子部品では、外部電極の形成に下地電極の形成が必要である。
一方、電子部品10では、積層体12の底面において、複数のビアホール導体v11,v22〜v24の端部が露出している。これにより、積層体12に対してめっきを施した場合には、ビアホール導体v11,v22〜v24の端部を覆うように外部電極14a,14bが形成されるようになる。よって、電子部品10では、外部電極14a,14bの形成のために、導電性ペーストを塗布して下地電極を形成する必要がない。その結果、導電性ペーストの使用量を低減でき、電子部品10の製造コストを低減できる。また、下地電極の形成工程が不要であるので、電子部品10の製造が容易となる。
また、電子部品10では、外部電極14a,14bが積層体12に固着する強度(以下、固着強度と呼ぶ)が大きくなり、外部電極14a,14bが積層体12からはがれにくくなる。より詳細には、積層体12の底面を構成している絶縁体層17は、絶縁体層16よりも高い空孔率を有している。これにより、外部電極14a,14bをめっきにより形成する際に、めっき液が空孔内に進入して、空孔内に導体が形成される。よって、外部電極14a,14bは、絶縁体層17の空孔内に侵入し、絶縁体層17に対してより強固に固着するようになる。
本願発明者は、電子部品10において外部電極14a,14bの固着強度が大きくなることを明らかにするために、以下に説明する実験を行った。まず、第1のサンプルとして、図1及び図2に示す構造を有する電子部品10を作製した。また、第2のサンプルとして、電子部品10の絶縁体層17を絶縁体層16に置き換えた電子部品を作製した。第1のサンプル及び第2のサンプルのサイズは、1.0mm×0.5mmである。
第1のサンプル及び第2のサンプルを回路基板上にはんだにより実装した。そして、200Nのロードセルにより加圧スピード0.5mm/secで第1のサンプル及び第2のサンプルを回路基板から引き剥がした。本願発明者は、MODEL1311 DWを用いて、第1のサンプル及び第2のサンプルが引き剥がされた際の力の大きさを測定した。
以上の実験では、第2のサンプルは、10Nの大きさで、外部電極14a,14bが積層体12から剥離されて、回路基板から引き剥がされたのに対して、第1のサンプルは、14Nの大きさで、外部電極14a,14bが積層体12から剥離されて、回路基板から引き剥がされた。よって、第1のサンプルのように、高い空孔率を有する絶縁体層17上に外部電極14a,14bを形成することによって、外部電極14a,14bの積層体12に対する固着力を大きくできることが分かる。
(変形例)
以下に変形例に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。図4は、変形例に係る電子部品10aの分解斜視図である。
以下に変形例に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。図4は、変形例に係る電子部品10aの分解斜視図である。
電子部品10aと電子部品10との相違点は、コイルLの向きである。より詳細には、電子部品10では、コイルLのコイル軸は、z軸方向と平行であった。一方、電子部品10aでは、コイルLのコイル軸は、x軸方向と平行である。このような電子部品10aにおいても、絶縁体層17に複数のビアホール導体v70,72,74,76が形成されることにより、外部電極14a,14bを容易に形成することが可能となる。
(その他の実施形態)
本発明に係る電子部品は、前記実施形態に係る電子部品10,10aに限らずその要旨の範囲内において変更可能である。
本発明に係る電子部品は、前記実施形態に係る電子部品10,10aに限らずその要旨の範囲内において変更可能である。
なお、電子部品10,10aでは、z軸方向の最も負方向側に位置している絶縁体層のみが高い空孔率を有する絶縁体層17であるが、絶縁体層17が複数層設けられていてもよい。また、積層体12の全体が絶縁体層17のみにより構成されていてもよい。
また、電子部品10,10aでは、絶縁体層17の空孔率は、35vol%であるとした。しかしながら、絶縁体層17の空孔率の値はこれに限らない。絶縁体層17の空孔率は、30vol%以上50vol%以下であることが好ましい。なお、絶縁体層16の空孔率は、10vol%以下であることが好ましい。
ここで、空孔率の測定方法の一例について説明する。空孔率の測定は、以下の手順によって行う。まず、FIB装置(FEI製FIB200TEM)により収束イオンビーム加工した絶縁体層16,17の面を走査電子顕微鏡(日本電子製JSM−7500FA)により観察する。次に、走査電子顕微鏡によって得られた画像を画像処理ソフト(WINROOF(三谷商事(株)))により測定した。各工程の条件及び手順を以下に示す。
収束イオンビーム加工
入射角5度で絶縁体層16,17を加工した。
入射角5度で絶縁体層16,17を加工した。
走査電子顕微鏡
加速電圧:15kV
試料傾斜:0度
信号:2次電子
倍率:5000倍
加速電圧:15kV
試料傾斜:0度
信号:2次電子
倍率:5000倍
画像処理ソフト
まず、所定の計測範囲を定める。
次に、2値価処理を行い空孔のみを抽出する。
最後に、画像処理ソフトの「総面積・個数計測」により総面積、個数、空孔の面積率及び測定範囲の面積を測定する。
まず、所定の計測範囲を定める。
次に、2値価処理を行い空孔のみを抽出する。
最後に、画像処理ソフトの「総面積・個数計測」により総面積、個数、空孔の面積率及び測定範囲の面積を測定する。
また、電子部品10,10aでは、積層体12にはコイルLが内蔵されているが、コイルL以外の回路素子が内蔵されていてもよい。
また、電子部品10,10aでは、z軸方向の最も負方向側の絶縁体層の内、外部電極14a,14bが形成される部分のみ、他の部分よりも高い空孔率を有していてもよい。
以上のように、本発明は、電子部品に有用であり、特に、下地電極を形成することなく、積層体の底面に外部電極を形成できる点において優れている。
L コイル
V1,V2,v1〜v24 ビアホール導体
10,10a 電子部品
14a,14b 外部電極
16a〜16k,17 絶縁体層
18a〜18j コイル導体
V1,V2,v1〜v24 ビアホール導体
10,10a 電子部品
14a,14b 外部電極
16a〜16k,17 絶縁体層
18a〜18j コイル導体
Claims (5)
- 複数の絶縁体層が積層されて構成されている積層体と、
積層方向の最も下側に位置する前記絶縁体層を積層方向に貫通するように設けられている複数のビアホール導体と、
前記積層体において積層方向の下側に位置している底面に露出している前記複数のビアホール導体の端部を覆うようにめっきにより形成された外部電極と、
を備えていること、
を特徴とする電子部品。 - 前記積層体は、第1の絶縁体層、及び、該第1の絶縁体層よりも高い空孔率を有する第2の絶縁体層が積層されることにより構成されており、
積層方向の最も下側に位置する前記絶縁体層は、前記第2の絶縁体層であること、
を特徴とする請求項1に記載の電子部品。 - 前記第2の絶縁体層は、積層方向の最も下側に位置する前記絶縁体層のみであること、
を特徴とする請求項2に記載の電子部品。 - 前記積層体は、回路素子を内蔵しており、
前記外部電極は、前記回路素子と電気的に接続されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品。 - 前記回路素子は、コイルであること、
を特徴とする請求項4に記載の電子部品。
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