JP2013142830A - 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

光学積層体、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて優れた干渉縞防止性を有するとともに、シクロオレフィン系基材と光学機能層との密着性にも優れた光学積層体、偏光板及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】シクロオレフィン系基材上にプライマー層が形成され、上記プライマー層上に1又は2以上の光学機能層が形成された光学積層体であって、上記プライマー層は、高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂とを含有するプライマー層用組成物を用いてなることを特徴とする光学積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学積層体、偏光板及び画像表示装置に関する。
陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電子ペーパー等の画像表示装置においては、一般に最表面には反射防止のための光学積層体が設けられている。このような反射防止用の光学積層体は、光の散乱や干渉によって、像の映り込みを抑制したり反射率を低減したりするものである。
このような光学積層体としては、透明性基材の表面にハードコート性や反射防止性を付与する光学機能層を形成した構成を有し、従来、透明性基材として、耐熱性、耐薬品性、光学特性に優れるシクロオレフィン系基材を用いたものが知られている。
しかしながら、シクロオレフィン系基材の表面は、極性が極めて低いため、その上に設ける光学機能層との密着性が低くなるという問題があった。
このため、シクロオレフィン系基材と光学機能層との密着性向上を目的として、これらの層間にプライマー層を設けることが行われている。
このような光学積層体として、例えば、特許文献1には、オレフィン系樹脂フィルムからなる基材と、ハロゲンを含有しない変性ポリオレフィン系樹脂が含有されているアンカーコート層と、ハードコート層からなるハードコートフィルムが開示されている。
しかしながら、プライマー層の厚みが厚くなると、シクロオレフィン系基材と光学機能層との密着性は良好になるものの、干渉縞が発生するという問題があった。
また、例えば、特許文献2には、このような干渉縞の問題を改善することを目的として、シクロオレフィン系フィルム(A)上にオレフィン系樹脂(E)を含むアンカー層(B)と、(メタ)アクリル樹脂(C)を含むハードコート層(D)とも設けてなるハードコートフィルムが開示されている。
しかしながら、このようなハードコートフィルムであっても、干渉縞は僅かに生じてしまい、近年、画像表示装置に求められる極めて高い表示画質の要求に充分に応えることができないものであった。
特開2005−281537号公報 特開2006−110875号公報
本発明は、上記現状に鑑み、極めて優れた干渉縞防止性を有するとともに、シクロオレフィン系基材と光学機能層との密着性にも優れた光学積層体、該光学積層体を用いてなる偏光板、及び、画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、シクロオレフィン系基材上にプライマー層が形成され、上記プライマー層上に1又は2以上の光学機能層が形成された光学積層体であって、上記プライマー層は、高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂とを含有するプライマー層用組成物を用いてなることを特徴とする光学積層体である。
本発明の光学積層体において、上記高屈折率単官能モノマーは、シクロオレフィン系基材の屈折率及び/又はプライマー層に隣接した光学機能層の屈折率よりも高いことが好ましい。
また、上記高屈折率単官能モノマーは、分子中にベンゼン環骨格を有することが好ましい。
また、上記プライマー層用組成物における高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂との質量比(高屈折率単官能モノマー/変性ポリオレフィン系樹脂)が、8/2〜1/9であることが好ましい。
また、上記変性ポリオレフィン系樹脂は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、ニトロ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物によりグラフト変性されたポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
また、上記プライマー層は、厚みが200nm〜5.0μmであることが好ましい。
また、上記プライマー層の屈折率(n)、シクロオレフィン系基材の屈折率(n)、及び、上記プライマー層に隣接した光学機能層の屈折率(n)が、n≦n≦nなる関係を有することが好ましい。
また、本発明の光学積層体において、上記シクロオレフィン系基材の両面に、上記プライマー層及び上記光学機能層が形成されていることが好ましい。
また、本発明の光学積層体において、上記光学機能層は、アンダーコート層、高屈折率層及び低屈折率層が順次積層された構成を有することが好ましい。
また、本発明の光学積層体において、上記光学機能層は、高屈折率層及び低屈折率層が順次積層された構成を有することが好ましい。
また、本発明は、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光素子の表面に上述の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。
更に、本発明は、最表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、プライマー層を備えた光学積層体について鋭意検討した結果、以下の知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、シクロオレフィン系基材、プライマー層及び光学機能層が積層されてなる光学積層体には、シクロオレフィン系基材及びプライマー層の界面での反射光とプライマー層及び光学機能層の界面での反射光との干渉により生じる干渉縞、プライマー層及び光学機能層の界面での反射光と光学機能層の表面での反射光の干渉により生じる干渉縞、並びに、シクロオレフィン系基材及びプライマー層の界面での反射光と光学機能層の表面での反射光との干渉により生じるにより生じる干渉縞があることを見出した。
また、シクロオレフィン系基材、プライマー層及び光学機能層に屈折率差があり、かつ、プライマー層に厚みムラがある場合に発生することも見出した。
このため、干渉縞の問題の解決手段として、プライマー層の厚みを均一にすることが考えられる。しかしながら、通常、プライマー層は、所定の材料を含有したプライマー層用組成物を塗布することで形成されており、該プライマー層用組成物の塗布量を完全に均一にすることは技術的に困難であった。このため、塗布量にある程度のバラツキが出ることは不可避であり、形成されるプライマー層の厚みムラを完全に解消することはできなかった。
一方、形成するプライマー層の厚みが10〜20nm程度と極めて薄いものであると、その厚みムラも極めて小さなものとなるため、人間の目で認識可能な干渉縞は発生せず、結果、干渉縞が問題となることはない。しかしながら、このような極めて薄いプライマー層では、光学積層体の搬送時や取り扱い時の衝撃で生じる応力を緩和することができず、シクロオレフィン系基材と光学機能層との密着性が低下してしまうことがあった。
このため、通常、プライマー層は、数百nm〜数μm程度の厚みで形成し、上記応力の緩衝機能を付与する必要がある。しかしながら、このような厚いプライマー層では、その厚みムラも大きくなってしまうため、人間の目で認識可能な干渉縞が発生してしまうものであった。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討した結果、プライマー層を特定の構成材料を含むものとすることで、該プライマー層の屈折率を極めて高度に制御することができ、プライマー層の応力緩衝機能を損なうことなく、上述した干渉縞の発生も充分に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の光学積層体は、シクロオレフィン系基材上にプライマー層が形成され、上記プライマー層上に1又は2以上の光学機能層が形成された構造を有する。
上記シクロオレフィン系基材としては特に限定されず、例えば、厚みが20〜250μm程度のシクロオレフィン化合物の重合体をフィルム状に成形したものが挙げられる。上記シクロオレフィン化合物としては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン等が挙げられ、これらに置換基を導入したものであってもよい。
このようなシクロオレフィン系基材としては、具体的には、ノルボルネンフィルム(NB)、ZEONOR(商品名:日本ゼオン社製)、ARTON(商品名:JSR社製)、エスシーナ(商品名:積水化学工業社製)等が挙げられる。
本発明の光学積層体において、上記プライマー層は、高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂とを含有するプライマー層用組成物を用いて形成されたものである。
上記高屈折率単官能モノマーは、上記プライマー層の屈折率を調整する成分であり、上記プライマー層用組成物が当該高屈折率単官能モノマーを含有することで、上記プライマー層の屈折率を高度に制御することができる。また、原料モノマーが単官能モノマーであるため、その重合体は直鎖状であり、プライマー層の硬度を適度に抑え、光学積層体の搬送時や取り扱い時に生じる応力の緩衝機能や、蒸着やスパッタリング等の後加工時に加わる熱歪の緩衝機能を阻害することもない。
ここで、上記原料モノマーが多官能モノマーであると、その重合体は三次元的に架橋した構造をとるため、プライマー層の硬度が過度に高くなり上記応力や熱歪の緩衝機能が不充分となってしまう。また、多官能モノマーを原料モノマーとしてプライマー層を形成すると、プライマー層形成時に硬化収縮が大きくなり、シクロオレフィン系基材に対する密着性が低下してしまう。
ただし、本発明の光学積層体では、上記本発明の効果を阻害しない範囲であれば、上記多官能モノマーがプライマー層の原料モノマー中に含有されていてもよい。
ここで、上記高屈折率単官能モノマーを含まないプライマー層用組成物を用いてなるプライマー層は、通常、その屈折率は上記シクロオレフィン系基材及び光学機能層の屈折率よりも低い。このため、本発明の光学積層体では、上記高屈折率単官能モノマーは、上記シクロオレフィン系基材の屈折率及び/又はプライマー層に隣接した光学機能層の屈折率よりも高いものであることが好ましい。このような屈折率を有することで、プライマー層の屈折率を上記シクロオレフィン系基材及び光学機能層の屈折率に近づけ、干渉縞の発生を好適に防止することができる。
具体的には、本発明の光学積層体では、上記プライマー層の屈折率(n)、シクロオレフィン系基材の屈折率(n)、及び、上記プライマー層に隣接した光学機能層の屈折率(n)が、n≦n≦nなる関係を有することが好ましい。
当該関係を有することで、シクロオレフィン系基材、プライマー層及び光学機能層で屈折率差を無くすか、又は、屈折率のグラデーションを生成することができ、干渉縞を好適に防止することができる。
ここで、上記プライマー層の屈折率(n)は、後述する高屈折率単官能モノマーが重合してなる重合体の屈折率と変性ポリオレフィン系樹脂の屈折率の加重平均により算出される。
このような高屈折率単官能モノマーとしては、例えば、分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーが好適に用いられる。
上記プライマー層は、変性ポリオレフィン系樹脂をシクロオレフィン系基材に対する密着性を発揮する上で必須の材料とするが、この変性ポリオレフィン系樹脂は、一般的にシクロオレフィン系基材や光学機能層を構成する材料と比較して屈折率が低い材料である。このため、変性ポリオレフィン系樹脂を含むプライマー層は、シクロオレフィン系基材や光学機能層と比較して低屈折率となってしまう。
しかしながら、上記分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーは、一般的にシクロオレフィン系基材や光学機能層を構成する材料と比較して屈折率が高い材料であるため、上記変性ポリオレフィン系樹脂を含むプライマー層の高屈折率化を担保する機能を果たす。また、上記分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーは、分子中のベンゼン環による立体障害により、単官能モノマー同士が過度に密接することがないため、プライマー層の硬度を適度に抑えることもできる。
また、上記分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーは、屈折率が高く少量の添加にて屈折率を調整することができるため、上記プライマー層の密着を阻害しにくい。また、上記分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーは、密着性を付与する成分である変性ポリオレフィン系樹脂との相溶性が比較的良いため、プライマー層を形成する際のプライマー層用組成物が白濁することなく、また、塗膜としての透明性等の光学特性に悪影響を及ぼさず、臭気が低く取り扱い性に優れる。
また、上記分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーとしては、例えば、エトキシ化O−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、O−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルカルバゾール等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記のほか、臭素、窒素、硫黄等を含有するモノマーも高屈折率単官能モノマーとして用いることができる。臭素を含有するモノマーとしては、例えば、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニルアクリレート等が挙げられ、窒素を含有するモノマーとしては、例えば、イミドアクリレート、アクリロイルモルフォリン、ビニルピロリドン等が挙げられ、硫黄を含有モノマーとしては、高屈折率モノマーとして従来公知のものが挙げられる。
更に、本発明では、屈折率調整を目的として、上述した密着性、応力の緩衝機能を阻害しない範囲で、高屈折率の2官能以上のモノマーも添加することができる。
このような高屈折率の2官能以上のモノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートのEO変性体、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートのPO変性体、ビスフェノールAタイプのエポキシアクリレート、ECH変性フタル酸ジアクリレート、フルオレンジアクリレート等が挙げられる。
また、上記変性ポリオレフィン系樹脂は、上記プライマー層に密着性を付与する成分であり、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、ニトロ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する公知の化合物によりグラフト変性されたポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
このような変性ポリオレフィン系樹脂は、側鎖に上記官能基を有することで、シクロオレフィン系基材に対する密着性が極めて優れたものとなる。
上記オレフィン系樹脂としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1,4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜20、好ましくは2〜6のα−オレフィン、又は、シクロペンテン、シクロヘキセン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、ジビニルベンゼン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の鎖状あるいは環状ポリエン、あるいは、スチレン、置換スチレン等の重合体若しくは共重合体等が挙げられる。
本発明の光学積層体において、上記プライマー層は、上記高屈折率単官能モノマーと上記変性ポリオレフィン系樹脂とを含有するプライマー層用組成物を用いて形成される。
上記プライマー層用組成物における高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂との質量比としては、上述した上記プライマー層の屈折率(n)が、上記シクロオレフィン系基材の屈折率(n)及び上記プライマー層に隣接した光学機能層の屈折率(n)に対して上記関係を満たすように調整することが好ましい。具体的には、上記高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂との質量比(高屈折率単官能モノマー/変性ポリオレフィン系樹脂)が、8/2〜1/9であることが好ましい。当該質量比の範囲とすることで、上記プライマー層の屈折率(n)を1.52〜1.54の範囲に制御でき、その結果、上記シクロオレフィン系基材の屈折率(n)及び上記プライマー層に隣接した光学機能層の屈折率(n)に対して上記関係を満たすようにすることができる。
上記高屈折率単官能モノマーの配合量が上記範囲より多い場合、干渉縞を充分に防止できず、また、シクロオレフィン系基材に対する密着性に劣ることがあり、逆に、高屈折率単官能モノマーの配合量が上記範囲より少ない場合、干渉縞を充分に防止できないことがある。上記高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂との質量比(高屈折率単官能モノマー/変性ポリオレフィン系樹脂)は、4/6〜2/8であることがより好ましい。
また、上記プライマー層用組成物は、必要に応じて、レベリング剤、有機又は無機微粒子、光重合開始剤、熱重合開始剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防汚剤、スリップ剤、屈折率調整剤、分散剤等のその他の成分を含有していてもよい。これらは公知のものを使用することができる。
また、上述した高屈折率単官能モノマーが分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーである場合、該高屈折率単官能モノマーは、ベンゼン環を有するため耐光性に劣るので、上記プライマー層用組成物に紫外線吸収剤を含むことが好ましい。更に、上記プライマー層用組成物に酸化防止剤や光安定剤(HALS)を添加することも好ましい態様である。
上記プライマー層用組成物は、上述の高屈折率単官能モノマー、変性ポリオレフィン系樹脂、及び、必要に応じて光重合開始剤、並びに、他の成分を溶媒中に混合分散させて調製することができる。
上記混合分散は、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー等の公知の装置を使用して行うとよい。
上記溶媒としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル)等が挙げられる。
なかでも、上記溶媒としては、上述した高屈折率単官能モノマー、変性ポリオレフィン系樹脂及び他の添加剤を溶解又は分散させ、プライマー層用組成物を好適に塗工できる点で、トルエン及び/又はシクロヘキサノンが好ましい。
上記プライマー層用組成物は、総固形分が3〜10%であることが好ましい。3%未満であると、残留溶剤が残ったり、白化が生じるおそれがある。10%を超えると、プライマー層用組成物の粘度が高くなり、塗工性が低下して表面にムラやスジが出たり、所望の膜厚が得られないおそれがある。上記固形分は、4〜7%であることがより好ましい。
また、上記プライマー層は、厚みが200nm〜5.0μmであることが好ましい。200nm未満であると、充分な応力緩衝機能が発揮されず、上記プライマー層のシクロオレフィン系基材に対する密着性が低下することがあり、5.0μmを超えると、透明性等の光学特性に影響を及ぼすことがある。上記プライマー層の厚みのより好ましい下限は700nm、より好ましい上限は1.0μmである。
上記光学機能層は、本発明の光学積層体にハードコート性や反射防止性を付与する層であり、上記プライマー層上に1又は2以上積層されている。
本発明の光学積層体において、上記プライマー層及び光学機能層は、上述したシクロオレフィン系基材の一方の面上に設けられた構成であってもよく、上記シクロオレフィン系基材の他方の面上にも上記プライマー層及び1又は2以上の光学機能層が形成された構成であってもよい。
上記光学機能層としては、アンダーコート層、高屈折率層及び低屈折率層が順次積層された構成を有することが好ましい。
また、別の態様に係る本発明の光学積層体における光学機能層としては、高屈折率層及び低屈折率層が順次積層された構成を有するものが挙げられる。
上記アンダーコート層は、主に本発明の光学積層体にハードコート性を付与する層であり、例えば、バインダー樹脂を含有するアンダーコート層用組成物を用いて形成された樹脂層であることが好ましい。
本発明において、「アンダーコート層」とは、一般にJISK5600−5−4(1999)で規定される4.9N荷重の鉛筆硬度試験で「HB」以上の硬度を示すものである。
上記バインダー樹脂としては、透明性のものが好ましく、例えば、紫外線又は電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(熱可塑性樹脂等、塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂を挙げることができる。より好ましくは電離放射線硬化型樹脂である。なお、本明細書において、「樹脂」は、モノマー、オリゴマー等の樹脂成分も包含する概念である。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができる。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等及びこれらをエチレンオキサイド(EО)等で変性した多官能化合物、又は、上記多官能化合物と(メタ)アクリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。
上記電離放射線硬化型樹脂は、溶剤乾燥型樹脂と併用して使用することもできる。上記電離放射線硬化型樹脂と併用して使用することができる溶剤乾燥型樹脂としては特に限定されず、一般に、熱可塑性樹脂を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等を挙げることができる。
上記バインダー樹脂として使用できる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
また、上記アンダーコート層用組成物は、必要に応じて、レベリング剤、有機又は無機微粒子、光重合開始剤、熱重合開始剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防汚剤、スリップ剤、屈折率調整剤、分散剤等のその他の成分を含有していてもよい。これらは公知のものを使用することができる。
本発明のアンダーコート層用組成物は、上述のバインダー樹脂、及び、必要に応じて光重合開始剤、並びに、他の成分を溶媒中に混合分散させて調製することができる。
上記混合分散は、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー等の公知の装置を使用して行うとよい。
上記溶媒としては、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル)等が挙げられる。
なかでも、上記溶媒としては、上述した樹脂成分及び他の添加剤を溶解又は分散させ、アンダーコート層用組成物を好適に塗工できる点で、メチルイソブチルケトン、及び/又は、メチルエチルケトンが好ましい。
上記アンダーコート層用組成物は、総固形分が25〜45%であることが好ましい。25%未満であると、残留溶剤が残ったり、白化が生じるおそれがある。45%を超えると、アンダーコート層用組成物の粘度が高くなり、塗工性が低下して表面にムラやスジが出たり、干渉縞が発生するおそれがある。上記固形分は、35〜45%であることがより好ましい。
上記アンダーコート層用組成物を用いてなるアンダーコート層は、層厚みが1〜15μmであることが好ましい。
1μm未満であると、硬度が不充分となるおそれがある。15μmを超えると、残留溶剤が残ったり、塗膜密着性が低下するおそれがある。上記アンダーコート層の層厚みは、3〜7μmであることがより好ましい。
上記層厚みは、アンダーコート層の断面を、電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察することにより測定して得られた値である。
上記高屈折率層は、上記アンダーコート層よりも屈折率が高い層であり、後述する低屈折率層と上記アンダーコート層との間に設けられる。
上記高屈折率層としては特に限定されず、従来公知のものが挙げられ、例えば、上記アンダーコート層で説明したバインダー樹脂及び溶媒に高屈折率微粒子を含む組成物を用いて形成することができる。
上記高屈折率微粒子としては、例えば、屈折率が1.50〜2.80の金属酸化物微粒子等が好適に用いられる。上記金属酸化物微粒子としては、具体的には、例えば、酸化チタン(TiO、屈折率:2.71)、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.10)、酸化セリウム(CeO、屈折率:2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜1.95)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、酸化アンチモン(Sb、屈折率:2.04)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)及びアンチモン酸亜鉛(ZnSb、屈折率:1.90〜2.00)等が挙げられる。なかでも、酸化錫(SnO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム錫酸化物(ITO)、燐錫化合物(PTO)、酸化アンチモン(Sb)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)及びアンチモン酸亜鉛(ZnSb)は、導電性金属酸化物であり、微粒子の拡散状態を制御し、導電パスを形成することで、帯電防止性を付与できるという利点がある。
上記低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれかで構成される。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述したバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
また、上述したシリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
これらの低屈折率層は、その屈折率が1.47以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の厚みは限定されないが、通常は10nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、電離放射線で硬化する官能基、熱硬化する極性基等の硬化反応性の基を有するものが好ましい。また、これらの反応性の基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、重合体とは、上記のような反応性基などを一切もたないものである。
上記電離放射線で硬化する官能基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとしては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、分子中にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等もある。
上記熱硬化する極性基として好ましいのは、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカ等の無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等が挙げられる。
上記電離放射線で硬化する官能基と熱硬化する極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
また、フッ素系樹脂としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も用いることができる。この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が例示される。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
更には、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合性化合物や重合体とともに、上記に記載したような各バインダー樹脂を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
上記低屈折率層の形成においては、低屈折率剤及び樹脂等を添加してなる低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5mPa・s(25℃)、好ましくは0.7〜3mPa・s(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた反射防止層を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ、密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
樹脂の硬化手段は、後述するアンダーコート層における硬化手段と同様であってよい。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤がフッ素系樹脂組成物に添加されることが好ましい。
本発明の光学積層体の製造方法としては、例えば、上記アンダーコート層を有する構成の場合、以下の方法が挙げられる。
すなわち、上記シクロオレフィン系基材上に、上述したプライマー層用組成物を用いて形成するプライマー層の厚みに応じた厚さの塗膜を形成し、熱により乾燥させた後、紫外線を照射することにより半硬化させる。
次に、上記アンダーコート層用組成物を該塗膜上に塗布しアンダーコート層用塗膜を形成し、必要に応じて乾燥させた後、上記アンダーコート層用塗膜を硬化させてアンダーコート層を形成するとともに、上記プライマー層用組成物の塗膜も硬化させてプライマー層を形成する。
そして、上記高屈折率層及び低屈折率層を上記アンダーコート層上に公知の方法で形成することで本発明の光学積層体を製造することができる。
また、上記アンダーコート層を有さない構成の場合、上記プライマー層用組成物を用いてなる塗膜を半硬化させた後、その上に上記高屈折率層及び低屈折率層を上記アンダーコート層上に公知の方法で形成する方法が挙げられる。
更に、上記シクロオレフィン系基材の両面にプライマー層及び光学機能層が形成されている構成の場合、上記シクロオレフィン系基材の一方の面上に上記プライマー層及び光学機能層を形成した後、上記シクロオレフィン系基材の他方の面上に同様にしてプライマー層及び光学機能層を形成する方法が挙げられる。
なお、上記プライマー層用組成物及びアンダーコート層用組成物を塗布して塗膜を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の公知の各種方法を挙げることができる。
また、上記プライマー層用組成物及びアンダーコート層用組成物の塗布量(乾燥塗布量)としては、目的とするプライマー層及びアンダーコート層の厚みに応じて適宜決定される。
上記プライマー層用組成物の塗膜を半硬化させる方法としては、熱、紫外線、又は、電子線により硬化させる方法が挙げられる。
また、上記アンダーコート層用塗膜の乾燥の方法としては特に限定されないが、一般的に30〜120℃で3〜120秒間乾燥を行うとよい。
上記プライマー層用組成物の塗膜及びアンダーコート層用塗膜を硬化させる方法としては、構成成分に応じて公知の方法を適宜選択すればよい。例えば、含有するバインダー樹脂成分が紫外線硬化型のものであれば、塗膜に紫外線を照射することにより硬化させればよい。
上記紫外線を照射する場合は、紫外線照射量が80mJ/cm以上であることが好ましく、100mJ/cm以上であることがより好ましく、130mJ/cm以上であることが更に好ましい。
本発明光学積層体は、硬度が、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重4.9N)において、HB以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましい。
また、本発明の光学積層体は、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。80%未満であると、画像表示装置に装着した場合において、色再現性や視認性を損なうおそれがある他、所望のコントラストが得られないおそれがある。上記全光線透過率は、90%以上であることがより好ましい。
上記全光線透過率は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361に準拠した方法により測定することができる。
また、本発明の光学積層体は、ヘイズが1%以下であることが好ましい。1%を超えると、所望の光学特性が得られず、本発明の光学積層体を画像表示表面に設置した際の視認性が低下する。
上記ヘイズは、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に準拠した方法により測定することができる。
また、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光素子の表面に、シクロオレフィン系基材を貼り合わせる等して本発明の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板も本発明の1つである。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。上記偏光素子と本発明のハードコートフィルムとのラミネート処理においては、光透過性基材にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好となる。
本発明はまた、最表面に上記光学積層体又は上記偏光板を備えてなる画像表示装置でもある。上記画像表示装置は、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タッチパネル、電子ペーパー等が挙げられる。
上記LCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、本発明の光学積層体又は本発明の偏光板が形成されてなるものである。
本発明が上記光学積層体を有する液晶表示装置の場合、光源装置の光源は光学積層体の下側(基材側)から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
上記PDPは、表面ガラス基板と当該表面ガラス基板に対向して間に放電ガスが封入されて配置された背面ガラス基板とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がPDPである場合、上記表面ガラス基板の表面、又はその前面板(ガラス基板又はフィルム基板)に上述した光学積層体を備えるものでもある。
その他の画像表示装置は、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質等の発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うELD装置、又は、電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるCRTなどの画像表示装置であってもよい。この場合、上記のような各表示装置の最表面又はその前面板の表面に上述した光学積層体を備えるものである。
本発明の光学積層体は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータなどのディスプレイ表示に使用することができる。特に、液晶パネル、PDP、ELD、タッチパネル、電子ペーパー等の高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
本発明の光学積層体は、上述した構成からなるものであるため、極めて優れた干渉縞防止性を有するとともに、シクロオレフィン系基材と光学機能層との密着性にも優れたものとなる。このため、本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電子ペーパー等のディスプレイ、特に高精細化ディスプレイに好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
なお、文中、「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り、質量基準である。
また、光透過性基材、プライマー層及びアンダーコート層の屈折率は、分光光度計(島津製作所社製のUV−3100PC)を用いて、波長380〜780nmの平均反射率(R)を測定した。得られた平均反射率(R)から、以下の式を用い、屈折率(n)の値を求めた。
R(%)=(1−n)/(1+n
乾燥膜厚の測定はミツトヨ社製のIDF−130を用いて行った。
バインダー成分(1)として、三井化学社製の変性ポリオレフィン樹脂、商品名P−901(OH価50、固20%、トルエン希釈)を用いた。
バインダー成分(2)として、三井化学社製の変性ポリオレフィン樹脂、商品名P−902(酸価55、固20%、トルエン希釈)を用いた。
バインダー成分(3)として、東亞合成社製の高屈折率単官能モノマー、商品名TO−1463(エトキシ化O−フェニルフェノールアクリレート)を用いた。
バインダー成分(4)として、東亞合成社製の高屈折率単官能モノマー、商品名アロニックスM−110(パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート)を用いた。
バインダー成分(5)として、新中村化学工業社製の高屈折率2官能モノマー、商品名ABE−300(エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート)を用いた。
バインダー成分(6)として、新中村化学工業社製の高屈折率2官能モノマー、商品名A−BPEF(9,9-ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン)を用いた。
バインダー成分(7)として、日本化薬社製の多官能アクリレート、商品名KAYARAD−PET−30(PETA(ペンタエリスリトールトリアクリレート:3官能)を用いた。
バインダー成分(8)として、東亞合成社製の多官能オリゴマー、商品名アロニックスM−9050(ポリエステルアクリレート)を用いた。
バインダー成分(9)として、共栄社化学工業社製の商品名LINC−3A(フッ素モノマー)を用いた。
高屈折率微粒子分散液として、住友大阪セメント社製のZrO微粒子のMEK分散液、商品名MZ−230X(固形分30%分散液)を用いた。
低屈折率微粒子として、中空シリカ微粒子のMIBK分散液(平均1次粒径50nm、固形分20%、空隙率40%)を用いた。
光重合開始剤(1)として、BASF社製の商品名イルガキュアー184を用いた。
光重合開始剤(2)として、BASF社製の商品名イルガキュアー127を用いた。
防汚剤として、信越化学工業社製のX−22−164E(反応性シリコーン系防汚剤)を用いた。
紫外線吸収剤として、BASF社製の商品名TINUVIN477を用いた。
溶剤(1)として、メチルエチルケトン(略語:MEK)を用いた。
溶剤(2)として、トルエンを用いた。
溶剤(3)として、シクロヘキサノン(略語:アノン)を用いた。
溶剤(4)として、メチルイソブチルケトン(略語:MIBK)を用いた。
光透過性基材として、日本ゼオン社製の熱可塑性環状オレフィン系フィルム、商品名ZEONOR ZF16−100(厚さ100μm、屈折率1.53)を用いた。
(プライマー層用組成物の調製)
それぞれ、下記に示す組成の成分を配合してプライマー層用組成物を調製した。
(プライマー層用樹脂組成物1)
バインダー成分(1)P−901 16.8質量部
バインダー成分(3)TO−1463 1.4質量部
溶剤(2)トルエン 15.0質量部
溶剤(3)アノン 66.6質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184 0.2質量部
(プライマー層用樹脂組成物2)
バインダー成分(2)P−902 14.4質量部
バインダー成分(4)M−110 1.9質量部
溶剤(2)トルエン 17.0質量部
溶剤(3)アノン 66.5質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184 0.2質量部
(プライマー層用樹脂組成物3)
バインダー成分(1)P−901 16.8質量部
バインダー成分(3)TO−1463 1.4質量部
溶剤(2)トルエン 15.0質量部
溶剤(3)アノン 66.6質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184 0.2質量部
紫外線吸収剤 TINUVIN477 0.06質量部
(プライマー層用樹脂組成物4)
バインダー成分(1)P−901 24.0質量部
溶剤(2)トルエン 9.3質量部
溶剤(3)アノン 66.5質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184 0.2質量部
(プライマー層用樹脂組成物5)
バインダー成分(1)P−901 9.6質量部
バインダー成分(5)ABE−300 2.9質量部
溶剤(2)トルエン 20.8質量部
溶剤(3)アノン 66.5質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184 0.2質量部
(プライマー層用樹脂組成物6)
バインダー成分(1)P−901 19.2質量部
バインダー成分(6)A−BPEF 1.0質量部
溶剤(2)トルエン 13.1質量部
溶剤(3)アノン 66.5質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184 0.2質量部
(アンダーコート層用樹脂組成物)
バインダー成分(7)PET−30 5.7質量部
バインダー成分(8)M−9050 23.1質量部
溶剤(4)MIBK 70.0質量部
光重合開始剤(1)イルガキュアー184 1.2質量部
(高屈折率層用組成物)
高屈折率微粒子分散液MZ−230X 10.6質量部
バインダー成分(7)PET−30 0.8質量部
溶剤(4)MIBK 88.6質量部
光重合開始剤(2)イルガキュアー127 0.03質量部
(低屈折率層用組成物)
中空シリカ微粒子分散液 15.0質量部
バインダー成分(7)PET−30 1.0質量部
バインダー成分(9)LINC−3A 1.0質量部
溶剤(4)MIBK 83.0質量部
光重合開始剤(2)イルガキュアー127 0.1質量部
防汚剤X−22−164E 0.05質量部
(実施例1)
シクロオレフィン系基材として、ZF16−100(熱可塑性環状オレフィン系フィルム、屈折率1.53)基材上に、プライマー層用樹脂組成物(1)を、バーコーターにて塗布し、70℃で1分間乾燥して、溶剤を除去した。次いでその塗膜に紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムジャパン社製:Hバルブ(商品名)〕を用いて、照射量50mJ/cmで紫外線照射を行い、塗膜を半硬化させて乾燥膜厚1.0μmのプライマー層を形成した。
その後に該半硬化させたプライマー層上に、アンダーコート層用樹脂組成物を、バーコーターにて塗布し、プライマー層と同条件にて乾燥した後に、照射量150mJ/cmで紫外線照射を行い、全ての塗膜を硬化させて乾燥膜厚6.0μmのアンダーコート層を形成し、本発明の光学積層体を製造した。
なお、プライマー層の屈折率は1.525、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(実施例2)
実施例1において、プライマー層用樹脂組成物(1)に代えて、プライマー層用樹脂組成物(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学積層体を製造した。
なお、プライマー層の屈折率は1.526、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(実施例3)
アンダーコート層の形成までを実施例1と同様に行った。プライマー層の屈折率は1.525、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
次いで、そのアンダーコート層上に、バーコーターを用いて上記低屈折率層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。その塗膜にアンダーコート層と同様に乾燥、紫外線照射を行い、乾燥膜厚100nmの低屈折率層を形成し、低屈折率層を有する光学積層体を製造した。
(実施例4)
アンダーコート層の形成までを実施例1と同様に行った。プライマー層の屈折率は1.525、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
次いで、そのアンダーコート層上に、バーコーターを用いて上記高屈折率層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。その塗膜にアンダーコート層と同様に乾燥、紫外線照射を行い、乾燥膜厚80nmの高屈折率層を形成した。
次いで、その高屈折率層上に、バーコーターを用いて上記低屈折率層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。その塗膜に高屈折率層と同様に乾燥、紫外線照射を行い、乾燥膜厚100nmの低屈折率層を形成し、高屈折率層、低屈折率層を有する光学積層体を製造した。
(実施例5)
実施例1において、プライマー層用樹脂組成物(1)に代えて、プライマー層用樹脂組成物(3)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学積層体を製造した。
なお、プライマー層の屈折率は1.525、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(実施例6)
プライマー層の形成までを実施例1と同様に行った。プライマー層の屈折率は1.525であった。
次いで、そのプライマー層上に、実施例4と同様の条件にて、高屈折率層、低屈折率層を形成し、高屈折率層、低屈折率層を有する光学積層体を製造した。
(実施例7)
実施例1と同様にして、シクロオレフィン系基材上にプライマー層及びアンダーコート層を形成した後、該シクロオレフィン系基材の他方の面上にも実施例1と同様にしてプライマー層及びアンダーコート層を形成し、シクロオレフィン系基材の両面にプライマー層及びアンダーコート層を有する光学積層体を製造した。各プライマー層の屈折率は1.526、各アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(実施例8)
実施例4と同様にして、シクロオレフィン系基材上に高屈折率層、低屈折率層を形成した後、該シクロオレフィン系基材の他方の面上にも実施例4と同様にしてプライマー層、アンダーコート層、高屈折率層及び低屈折率層を形成し、シクロオレフィン系基材の両面にプライマー層、アンダーコート層、高屈折率層及び低屈折率層を有する光学積層体を製造した。各プライマー層の屈折率は1.525、各アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(比較例1)
実施例1において、プライマー層用樹脂組成物(1)に代えて、プライマー層用樹脂組成物(4)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学積層体を製造した。
なお、プライマー層の屈折率は1.49、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(比較例2)
実施例1において、プライマー層用樹脂組成物(1)に代えて、プライマー層用樹脂組成物(5)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学積層体を製造した。
なお、プライマー層の屈折率は1.525、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(比較例3)
実施例1において、プライマー層用樹脂組成物(1)に代えて、プライマー層用樹脂組成物(6)を用いた以外は実施例1と同様にして、光学積層体を製造した。
なお、プライマー層の屈折率は1.524、アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(比較例4)
比較例1と同様にして、シクロオレフィン系基材上にプライマー層及びアンダーコート層を形成した後、該シクロオレフィン系基材の他方の面上にも比較例1と同様にしてプライマー層及びアンダーコート層を形成し、シクロオレフィン系基材の両面にプライマー層及びアンダーコート層を有する光学積層体を製造した。各プライマー層の屈折率は1.49、各アンダーコート層の屈折率は1.52であった。
(評価)
実施例及び比較例の光学積層体について、下記評価方法で干渉縞、密着性、耐クラック性を評価し、実施例3、4、6及び8については、反射率測定を、それぞれ評価した。その結果を表1に示した。
(干渉縞の評価)
フナテック社製の干渉縞検査ランプ(Naランプ)を用い、目視にて干渉縞の有無を検査し、下記基準で評価した。
○:干渉縞の発生がほとんど見られなかった
×:干渉縞がはっきり見えた
(密着性の評価)
下記に示す碁盤目密着性試験の密着率の測定を行った。
(碁盤目密着性試験)
光学積層体の塗布面側に1mm角で合計100目の碁盤目を入れ、ニチバン社製工業用24mmセロテープ(登録商標)を用いて5回連続剥離試験を行い、下記基準に基づいて算出される、剥がれずに残ったマス目の割合を求めた。
密着率(%)={剥がれなかったマス目の数/合計のマス目数(100)}×100
(耐クラック性の測定)
各光学積層体を、サンプル寸法:長さ20mm×幅5mmになるようにして試験片を作製し、引張り試験機(装置名Rheogel−E4000(引張モードを使用)、ユービーエム社製)にて、温度120℃、引張り速度0.055mm/s、変位量0.5mmの条件で引張り試験を実施した。実施したサンプルに関して、蛍光灯下にて、目視にて検査し、下記基準で評価した。
○:クラックの発生が見られなかったもの
×:クラックがはっきり見えたもの
(反射率の測定)
反射率の測定は、日本分光社製の商品名V7100型紫外可視分光光度計及び日本分光者製の商品名VAR−7010絶対反射率測定装置を用いて、入射角を5°、偏光子をN偏光、測定波長範囲を380〜780nmとして、光透過性基材側に黒テープを貼合し、それを装置に設置して測定を行った。なお、測定波長範囲にて求められた測定結果の平均値を反射率とした。
Figure 2013142830
表1から明らかなように、実施例1〜5の光学積層体は、比較例1に比べ干渉縞が抑制できていると共に、比較例2、3に比べて優れた密着性、耐クラック性を有している。また、実施例3、4では、屈折率を制御する層である低屈折率層又は高屈折率層及び低屈折率層を積層しており、反射防止特性にも優れている。
また、実施例5では、プライマー層に紫外線吸収剤を添加しており、耐光性にも優れている。
また、実施例6では、アンダーコート層を抜いた構成でも干渉縞の抑制、密着性、耐クラック性、反射防止特性に優れている。
また、実施例1のプライマー層及びアンダーコート層をシクロオレフィン系基材の両面に形成した実施例7、並びに、実施例4のプライマー層、アンダーコート層、高屈折率層及び低屈折率層をシクロオレフィン系基材の両面に形成した実施例8の光学積層体も、実施例1及び4の光学積層体と同様に干渉縞の抑制、密着性、耐クラック性、反射防止特性に優れている。
また、比較例1のプライマー層及びアンダーコート層をシクロオレフィン系基材の両面に形成した比較例4の光学積層体は、比較例1の光学積層体よりも干渉縞の発生がより顕著であった。
本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、タッチパネル、電子ペーパー等のディスプレイ、特に高精細化ディスプレイに好適に使用することができる。

Claims (12)

  1. シクロオレフィン系基材上にプライマー層が形成され、前記プライマー層上に1又は2以上の光学機能層が形成された光学積層体であって、
    前記プライマー層は、高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂とを含有するプライマー層用組成物を用いてなる
    ことを特徴とする光学積層体。
  2. 高屈折率単官能モノマーは、シクロオレフィン系基材の屈折率及び/又はプライマー層に隣接した光学機能層の屈折率よりも高い請求項1記載の光学積層体。
  3. 高屈折率単官能モノマーは、分子中にベンゼン環骨格を有する請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. プライマー層用組成物における高屈折率単官能モノマーと変性ポリオレフィン系樹脂との質量比(高屈折率単官能モノマー/変性ポリオレフィン系樹脂)が、8/2〜1/9である請求項1、2又は3記載の光学積層体。
  5. 変性ポリオレフィン系樹脂は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、ニトロ基及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物によりグラフト変性されたポリオレフィン系樹脂である請求項1、2、3又は4記載の光学積層体。
  6. プライマー層は、厚みが200nm〜5.0μmである請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体。
  7. プライマー層の屈折率(n)、シクロオレフィン系基材の屈折率(n)、及び、前記プライマー層に隣接した光学機能層の屈折率(n)が、n≦n≦nなる関係を有する請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学積層体。
  8. シクロオレフィン系基材の両面に、プライマー層及び光学機能層が形成されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の光学積層体。
  9. 光学機能層は、アンダーコート層、高屈折率層及び低屈折率層が順次積層された構成を有する請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の光学積層体。
  10. 光学機能層は、高屈折率層及び低屈折率層が順次積層された構成を有する請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の光学積層体。
  11. 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
    前記偏光素子の表面に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。
  12. 最表面に請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の光学積層体、又は、請求項11記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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