以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。この発明の実施形態の左右、前後、上下とは、自転車10のサドル44に運転者がハンドル36に向かって着座した状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
図1は、この発明の一実施形態にかかる自転車10および自転車10に連結されたトレーラー12を示す側面図である。
図1を参照して、自転車10は、前後方向に延びるフレーム14およびフレーム14の後端部から上方に延びるカバー部16を有する。フレーム14は、前フレーム部18および後フレーム部20を有する。カバー部16は、後フレーム部20に設けられる。カバー部16の詳細は後述する。
前フレーム部18は、ヘッドチューブ22、ダウンチューブ24、サドルチューブ26、ブラケット部28、チェーンステイ30、一対のサドルステイ32(図1では1本のみ図示)、ハンドルステム34、ハンドル36、フロントフォーク38、およびサドルパイプ40を含む。
ヘッドチューブ22は、前フレーム部18の前端部に設けられる。ダウンチューブ24は、ヘッドチューブ22から後方斜め下方に向かって延びるように設けられる。サドルチューブ26は、ダウンチューブ24の後端部から上方斜め後方に向かって延びるように設けられる。ブラケット部28は、ダウンチューブ24の後端部およびサドルチューブ26の下端部から後方に向かって延びるように設けられる。
チェーンステイ30は、ブラケット部28の後端部から後方に向かって延びるように設けられる。一対のサドルステイ32は、サドルチューブ26の上端部から後方斜め下方に向かって延びるように設けられる。一対のサドルステイ32の下端部は、チェーンステイ30にそれぞれ接続される。
ハンドルステム34は、ヘッドチューブ22に回転可能に挿入される。ハンドル36は、ハンドルステム34の上端部に固定される。フロントフォーク38は、ハンドルステム34の下端部に固定される。フロントフォーク38の下端部には、前輪42が回転可能に支持される。
サドルパイプ40は、サドルチューブ26に挿入される。サドルパイプ40の上端部には、運転者用のサドル44が設けられる。
図2は、前フレーム部18の後端部および後フレーム部20を示す平面図であり、図3は、前フレーム部18の後端部および後フレーム部20を示す後方斜視図であり、図4は、前フレーム部18の後端部および後フレーム部20を示す背面図であり、図5は、カバー部16および後フレーム部20を示す前方斜視図である。なお、図2においては、図面が煩雑になることを避けるために、後述の荷台部48の図示を省略している。
図1〜図5を参照して、後フレーム部20は、本体部46および荷台部48を含む。図2〜図5を参照して、本体部46は、一対の後輪50,52(図2および図4参照)を支持する一対の支持フレーム部54,56、および支持フレーム部54,56を支持しかつ支持フレーム部54,56の間を左右方向に延びる複数(この実施形態では3本)のクロスフレーム部58,60,62(図4においてはクロスフレーム部60,62のみ図示)を含む。なお、図1においては、図面が煩雑になることを避けるために後輪50のスポークの図示は省略している。
図3を参照して、支持フレーム部54は、板状の爪部54a,54b、平面視略C字状(略U字状)の保護フレーム部54c,54d、および保護フレーム部54cと保護フレーム部54dとを連結する連結フレーム部54e部を含む。
図2および図4を参照して、爪部54aと爪部54bとは、左右方向において互いに対向するように設けられる。後輪50は、車軸64aを介して爪部54a,54bに回転可能に支持される。この実施形態では、車軸64aは、図示しない締結部材(たとえばナット)によって爪部54a,54bに取り付けられる。これにより、車軸64aが爪部54a,54bに支持される。
図3を参照して、保護フレーム部54cは、爪部54aと爪部54bとを連結しかつ爪部54a,54bから前方斜め上方に延びるように設けられる。保護フレーム部54dは、爪部54aと爪部54bとを連結しかつ保護フレーム部54cよりも下方において爪部54a,54bから前方斜め下方に延びるように設けられる。連結フレーム部54eは、爪部54bの前方において上下方向に延びて保護フレーム部54c,54dを連結する。
支持フレーム部56は、支持フレーム部54と略左右対称となる構成を有し、爪部54a,54b、保護フレーム部54c,54dおよび連結フレーム部54eと同様の爪部56a,56b、保護フレーム部56c,56dおよび連結フレーム部56eを有する。図2および図4を参照して、後輪52は、車軸64bを介して爪部56a,56bに回転可能に支持される。これにより、一対の後輪50,52は、左右方向に並んで配置されかつ後フレーム部20に支持される。この実施形態では、車軸64bは、図示しない締結部材(たとえばナット)によって爪部56a,56bに取り付けられる。これにより、車軸64bが爪部56a,56bに支持される。この実施形態では、爪部54b,56bが第2支持部に相当する。
図3を参照して、クロスフレーム部58の一端(左端)は連結フレーム部54eに接続され、他端(右端)は連結フレーム部56eに接続される。クロスフレーム部60は、クロスフレーム部58よりも下方に設けられる。クロスフレーム部60の一端(左端)は保護フレーム部54dに接続され、他端(右端)は保護フレーム部56dに接続される。クロスフレーム部62はクロスフレーム部58,60よりも後方に設けられる。クロスフレーム部62の一端(左端)は爪部54bに接続され、他端(右端)は爪部56bに接続される。
図2〜図5を参照して、後フレーム部20はさらに、前後方向に延びる連結フレーム部66,68(図2、図3および図5参照)および上下方向に延びる連結フレーム部70,72(図4および図5参照)を含む。図2および図5を参照して、連結フレーム部66,68の一端(前端)はそれぞれクロスフレーム部58に接続され、他端(後端)はそれぞれクロスフレーム部62に接続される。図3、図4および図5を参照して、連結フレーム部70,72の一端(上端)はそれぞれクロスフレーム部58に接続され、他端(下端)はそれぞれクロスフレーム部60に接続される。連結フレーム部70,72はそれぞれ、自転車10の左右方向(幅方向)における中心側に傾くように下から上に延びる。
図2および図5を参照して、クロスフレーム部58および連結フレーム部66に接続されるように板状の支持部材74aが設けられ、クロスフレーム部62および連結フレーム部66に接続されるように板状の支持部材74bが設けられる。図2、図3および図5を参照して、クロスフレーム部58および連結フレーム部68に接続されるように板状の支持部材74cが設けられ、クロスフレーム部62および連結フレーム部68に接続されるように板状の支持部材74dが設けられる。
図2〜図4を参照して、支持部材74a,74b,74c,74dに支持されるように軸受部材76が設けられる。なお、図面が煩雑になることを避けるために、図5においては軸受部材76の図示を省略している。軸受部材76は、板状部76a、板状部76aの前端部から上方に延びる軸受部76b、および板状部76aの後端部から上方に延びる軸受部76cを含む。図3を参照して、軸受部76bは、左右方向における中央部に半円状の凹部76dを有する。同様に、軸受部76cは、左右方向における中央部に凹部(図示せず)を有する。
図2〜図4を参照して、チェーンステイ30に一対のブラケット部78a,78bが設けられる。ブラケット部78aは、クロスフレーム部58,60の上方においてチェーンステイ30に固定され、ブラケット部78bは、チェーンステイ30の後端部に固定される。
図3および図4を参照して、ブラケット部78aとブラケット部78bとの間に、前後方向に延びる円柱状の軸部材80が設けられる。軸部材80の前端部は、締結部材(図示せず:たとえばボルト)を介してブラケット部78aに支持され、軸部材80の後端部は、締結部材82(たとえばボルト)を介してブラケット部78bに支持される。軸部材80は、周方向に回動できるように軸受部76b(図3参照)の凹部76d(図3参照)および軸受部76cの凹部(図示せず)に嵌められる。これにより、前フレーム部18は、軸部材80を中心としてローリング(揺動)できるように後フレーム部20によって支持される。
図2を参照して、チェーンステイ30の後端部から左右方向に延びるように一対の取付部84a,84bが設けられる。クロスフレーム部62から前方に延びるように一対の取付部86a,86bが設けられる。取付部84aと取付部86aとを連結するようにスプリング88aが設けられ、取付部84bと取付部86bとを連結するようにスプリング88bが設けられる。この実施形態では、前フレーム部18が軸部材80を中心としてローリング(揺動)した場合には、前フレーム部18を元の位置に戻そうとする力がスプリング88a,88bによって発生される。
なお、図面が煩雑になることを避けるために、図2においてはスプリング88a,88bを簡略化して示し、図3および図4においては取付部84a,84b,86a,86bおよびスプリング88a,88bを図示しておらず、図5においては取付部86a,86bを図示していない。また、上記においては詳細な説明は省略したが、取付部84a,84b,86a,86bは、スプリング88a,88bを取り付けることができる構成であればよい。
なお、スプリング88a,88bをチェーンステイ30およびクロスフレーム部62に直接取り付けることができる場合には、取付部84a,84b,86a,86bは設けなくてもよい。また、スプリング88a,88bの代わりに他の弾性部材を用いることによって、前フレーム部18を元の位置に戻そうとする力を発生してもよい。
図2および図4を参照して、複数(この実施形態では2つ)の連結部90,92が後フレーム部20に設けられる。より具体的には、クロスフレーム部62の一端部(左端部)に連結部90が設けられ、クロスフレーム部62の他端部(右端部)に連結部92が設けられる。この実施形態では、連結部90,92は、クロスフレーム部62よりも後方に延びるようにクロスフレーム部62に設けられる。
図2を参照して、連結部90は、平面視において鉤状に屈曲した形状を有する支持部材90a、支持部材90aに支持される筒状の係止部材90b、および支持部材90aが取り付けられる取付部材90cを含む。詳細な説明は省略するが、取付部材90cは、クロスフレーム部62を後方から挟むことができるように側面視略C字形状を有する。この実施形態では、支持部材90aは複数(この実施形態では2つ)の締結部材94によって取付部材90cに取り付けられる。締結部材94は、たとえばボルトおよびナットを含む。係止部材90bは、ボルト96およびナット98を介して支持部材90aに支持される。取付部材90cは、クロスフレーム部62に溶接される。連結部92は、連結部90と左右対称となる構成を有し、支持部材90a、係止部材90bおよび取付部材90cと同様の支持部材92a、係止部材92bおよび取付部材92cを有する。支持部材92aは複数の締結部材94によって取付部材92cに取り付けられ、係止部材92bは、ボルト96およびナット98を介して支持部材92aに支持される。
トレーラー12(図1参照)は、係止部材90b,92bに着脱可能に接続される。トレーラー12としては公知の種々のトレーラーを用いることができるので詳細な説明は省略するが、トレーラー12は、たとえば、係止部材90b,92bに係止可能な係止部材(図示せず)を有する。たとえば、トレーラー12の係止部材を自転車10の係止部材90b,92bに引っ掛けることによって自転車10にトレーラー12を連結することができる。図1を参照して、この実施形態では、トレーラー12の前端部がカバー部16の後述する一対の基部B1,B2(図5および図6参照)の間に位置するように、自転車10とトレーラー12とが連結される。
図3〜図5を参照して、後フレーム部20の荷台部48は、平面視略U字形状の枠部100、左右方向に延びかつ枠部100に接続されるクロスフレーム部102、枠部100とクロスフレーム部102とを連結するように前後方向に延びる縦フレーム部104,106,108、および枠部100の前端部から後方斜め下方に延びる支持フレーム部110,112を有する。
枠部100は、左右対称となる形状を有する。枠部100は、左右方向に延びるフロントフレーム部100a、フロントフレーム部100aの左端から後方に延びるサイドフレーム部100b、フロントフレーム部100aの右端から後方に延びるサイドフレーム部100c、サイドフレーム部100bの後端から下方に延びるリアフレーム部100d、およびサイドフレーム部100cの後端から下方に延びるリアフレーム部100eを含む。リアフレーム部100dは、その下端部にフランジ部100fを有し、リアフレーム部100eは、その下端部にフランジ部100gを有する。
図3および図5を参照して、フロントフレーム部100aの中央部は、後方に向かって凹むように略U字状に屈曲している。正面視逆U字状の一対の柵部材114a,114bがフロントフレーム部100aに設けられる。柵部材114a,114bは、フロントフレーム部100aから前方に延びた後、上方に延びる。
クロスフレーム部102の中央部は、後方に向かって凹むように略U字状に屈曲している。正面視逆U字状の柵部材114cがクロスフレーム部102に設けられる。柵部材114cは、クロスフレーム部102から後方に延びた後、上方に延びる。
縦フレーム部104は、フロントフレーム部100aの左端部とクロスフレーム部102の左端部とを連結し、縦フレーム部106は、フロントフレーム部100aの中央部とクロスフレーム部102の中央部とを連結し、縦フレーム部108は、フロントフレーム部100aの右端部とクロスフレーム部102の右端部とを連結する。側面視逆U字状の柵部材114dが縦フレーム部104に設けられ、側面視逆U字状の柵部材114eが縦フレーム部108に設けられる。柵部材114dは、縦フレーム部104から左方向に延びた後、上方に延びる。柵部材114eは、縦フレーム部108から右方向に延びた後、上方に延びる。
荷台部48に荷物(図示せず)を積む場合には、荷物は、たとえば、柵部材114a,114b,114c,114d,114eの内側において、フロントフレーム部100a、クロスフレーム部102、および縦フレーム部104,106,108に支持される。
図3〜図5を参照して、支持フレーム部110は、その下端部にフランジ部110aを有し、支持フレーム部112は、その下端部にフランジ部112aを有する。
枠部100のフランジ部100fは、正面視逆U字状の取付部材116aを介して保護フレーム部54cに取り付けられ、枠部100のフランジ部100gは、正面視逆U字状の取付部材116bを介して保護フレーム部56cに取り付けられる。支持フレーム部110のフランジ部110aは、側面視逆U字状の取付部材116cを介してクロスフレーム部60に取り付けられ、支持フレーム部112のフランジ部112aは、側面視逆U字状の取付部材116dを介してクロスフレーム部60に取り付けられる。これにより、荷台部48が本体部46に支持される。
取付部材116aは、たとえば、保護フレーム部54cに溶接され、取付部材116bは、たとえば、保護フレーム部56cに溶接される。取付部材116c,116dはそれぞれ、たとえば、クロスフレーム部60に溶接される。フランジ部100f,100g,110a,112aはそれぞれ、たとえば、図示しない締結部材(ボルトおよびナット等)によって取付部材116a,116b,116c,116dに固定されてもよく、取付部材116a,116b,116c,116dに溶接されてもよい。
図2を参照して、取付部材116a,116bは、一対の後輪50,52の前端よりも後方に設けられる。また、取付部材116a,116bおよび爪部54b,56bは、自転車10の幅方向(左右方向)において、一対の後輪50,52よりも内側に設けられる。さらに、取付部材116a,116bおよび爪部54b,56bは、自転車10の幅方向(左右方向)において、後述するペダル168a,168bよりも外側に設けられる。なお、図2においては、自転車10の幅方向におけるペダル168a,168bの位置を示すためにペダル168a,168bを後フレーム部20に近い位置に示しているが、実際には、ペダル168a,168bは図2に示す位置よりも前方に位置する。
図5を参照して、後フレーム部20はさらに、本体部46の前端部に設けられる板状の支持部材118,120を含む。支持部材118は、クロスフレーム部58の略中央部およびクロスフレーム部60の略中央部を連結しかつクロスフレーム部58,60よりも前方に延びる。支持部材118は、その中央部に貫通孔118aを有する。支持部材118は、たとえば、クロスフレーム部58,60に溶接される。支持部材120は、保護フレーム部54cの前端部および保護フレーム部54dの前端部を連結しかつ保護フレーム部54c,54dよりも前方に延びる。支持部材120は、その中央部に貫通孔120aを有する。支持部材120は、たとえば、保護フレーム部54c,54dに溶接される。支持部材118,120は、取付部材116a,116bよりも前方に設けられる。この実施形態では、支持部材118および支持部材120が第1支持部に相当する。なお、図面が煩雑になることを避けるために、図2〜図4においては、支持部材118,120の図示を省略している。
図6は、カバー部16を示す分解斜視図である。
図6を参照して、カバー部16は、フレーム部16aおよび屋根部16bを含む。なお、図5においては、フレーム部16aの構造を理解しやすくするために屋根部16bの図示を省略している。
図5および図6を参照して、フレーム部16aは、基礎フレーム部122、および基礎フレーム部122に着脱可能に取り付けられる着脱フレーム部124を含む。なお、図6において、屋根部16bおよび着脱フレーム部124は同じ方向から見た図であり、基礎フレーム部122は、屋根部16bおよび着脱フレーム部124とは異なる方向から見た図である。この実施形態では、着脱フレーム部124が第3支持部に相当する。
基礎フレーム部122は、上下方向に延びる一対の主フレーム部126,128、主フレーム部126から後方斜め下方に延びる補助フレーム部130、主フレーム部128から後方斜め下方に延びる補助フレーム部132、および主フレーム部126,128から前方に延びかつ主フレーム部126と主フレーム部128とを連結するように左右に延びるクロスフレーム部134を含む。この実施形態では、主フレーム部126および補助フレーム部130によって基部B1が構成され、主フレーム部128および補助フレーム部132によって基部B2が構成される。
主フレーム部126は、円筒状の筒状部126a、および筒状部126aの下端部に設けられるフランジ部126bを含む。筒状部126aは、その上端部に切れ込み部126c(図5参照)を有する。この実施形態では、筒状部126aの上端部の前側に、上下方向に延びるように切れ込み部126cが形成される。切れ込み部126cは、後述する締結部材160(図5参照)によって筒状部126aの上端部を締め付けることができるように、たとえば公知のサドルチューブに形成される切れ込み部と同様に形成される。詳細な説明は省略するが、主フレーム部128は、主フレーム部126と同様の構成を有し、筒状部128aおよびフランジ部128bを含む。筒状部128aは、その上端部に切れ込み部128c(図5参照)を有する。
補助フレーム部130は、筒状部126aから後方斜め下方に延びる略円筒状の筒状部130a、および筒状部130aの下端部に設けられる板状の取付部130bを有する。筒状部130aの後端部は下方に向かって屈曲する。この実施形態では、筒状部130aの下端部はプレス成形される。筒状部130aの下端部に取付部130bの上端部が差し込まれるとともに、筒状部130aの下端部と取付部130bの上端部とが溶接される。詳細な説明は省略するが、補助フレーム部132は補助フレーム部130と同様の構成を有し、筒状部132aおよび取付部132bを有する。
着脱フレーム部124は、上下方向に延びる一対の主フレーム部136,138、主フレーム部136と主フレーム部138とを連結するように左右方向に延びるクロスフレーム部140、主フレーム部136の上端部から前方斜め上方に延びる補助フレーム部142、主フレーム部138の上端部から前方斜め上方に延びる補助フレーム部144、および主フレーム部136,138および補助フレーム部142,144の上端部に接続される支持フレーム部146を含む。
主フレーム部136は、接続部136a、鉛直部136b、傾斜部136c、鉛直部136dおよびフランジ部136e(図5参照)を有する。接続部136a、鉛直部136b、傾斜部136cおよび鉛直部136dはそれぞれ円筒形状を有し、接続部136aの外径は、鉛直部136b、傾斜部136cおよび鉛直部136dのそれぞれの外径よりも大きい。
接続部136a、鉛直部136bおよび鉛直部136dは、上下方向に対して平行に延びる。鉛直部136bは、接続部136aの上端部に接続される。傾斜部136cは、鉛直部136bの上端から右側(自転車10の幅方向における内側)に傾きつつ前方斜め上方に延びる。鉛直部136dは、傾斜部136cの上端から上方に延びる。フランジ部136e(図5参照)は、鉛直部136dの上端部に設けられる。詳細な説明は省略するが、主フレーム部138は主フレーム部136と左右対称となる形状を有し、接続部136a、鉛直部136b、傾斜部136c、鉛直部136dおよびフランジ部136eと同様の接続部138a、鉛直部138b、傾斜部138c、鉛直部138dおよびフランジ部138eを有する。
クロスフレーム部140は、鉛直部136bの上端部と鉛直部138bの上端部とを連結する。補助フレーム部142は鉛直部136dの下端部に接続され、補助フレーム部144は鉛直部138dの下端部に接続される。補助フレーム部142はその上端部にフランジ部142aを有し、補助フレーム部144はその上端部にフランジ部144aを有する。
支持フレーム部146は、前後方向に延びる一対のサイドフレーム部148,150、およびサイドフレーム部148とサイドフレーム部150とを連結するように左右に延びる複数(この実施形態では3つ)のクロスフレーム部152,154,156を有する。サイドフレーム部148,150の前端部は、自転車10の幅方向における内側に向かって屈曲しつつ前方斜め下方に延びる。
クロスフレーム部152は、サイドフレーム部148の前端とサイドフレーム部150の前端とを連結し、クロスフレーム部154は、サイドフレーム部148の略中央部とサイドフレーム部150の略中央部とを連結し、クロスフレーム部156は、サイドフレーム部148の後端部とサイドフレーム部150の後端部とを連結する。
支持フレーム部146はさらに、複数(この実施形態では4つ)の板材158a,158b,158c,158dを有する。板材158aは、サイドフレーム部148およびクロスフレーム部156に接続され、板材158bは、サイドフレーム部150およびクロスフレーム部156に接続され、板材158cは、サイドフレーム部148およびクロスフレーム部154に接続され、板材158dは、サイドフレーム部150およびクロスフレーム部154に接続される。
図5を参照して、フランジ部136eと板材158aとが接続され、フランジ部138eと板材158bとが接続され、フランジ部142aと板材158cとが接続され、フランジ部144aと板材158dとが接続される。フランジ部136e,138e,142a,144aは、たとえば、図示しない締結部材(たとえば、ボルトおよびナット)によって板材158a,158b,158c,158dに固定されてもよく、板材158a,158b,158c,158dに溶接されてもよい。
図6を参照して、屋根部16bは、支持フレーム部146を上方から覆うように支持フレーム部146に支持される。この実施形態では、屋根部16bは、前端部が下方に向かって屈曲した板材からなる。屋根部16bは、たとえば、図示しない取付部材(ボルトおよびナット、紐、あるいはテープ等)を用いて支持フレーム部146に固定される。なお、屋根部16bとしてシート状の柔らかい部材(たとえば、布材、ビニールシート、またはテント用生地等)を用いてもよい。
図5および図6を参照して、主フレーム部126(筒状部126a)の上端部および主フレーム部128(筒状部128a)の上端部に、主フレーム部136(接続部136a)および主フレーム部138(接続部138a)がそれぞれ差し込まれる。
図5を参照して、筒状部126aの上端部に締結部材160が設けられ、筒状部128aの上端部に締結部材162が設けられる。締結部材160,162としては、たとえば、公知の種々のサドルクランプと同様の構成を有するクランプを用いることができる。自転車10においては、締結部材160,162によって筒状部126a,128aの上端部を締め付けることによって、接続部136a,138aを筒状部126a,128aに固定することができる。これにより、着脱フレーム部124を基礎フレーム部122(基部B1,B2)に取り付けることができる。また、締結部材160,162による締め付けを弱めることによって、筒状部126a,128aから接続部136a,138aを取り外すことができる。すなわち、基礎フレーム部122(基部B1,B2)から着脱フレーム部124を取り外すことができる。
図3および図5を参照して、主フレーム部126(図5参照)のフランジ部126b(図5参照)は、荷台部48のフランジ部100fとともに取付部材116aに取り付けられ、主フレーム部128(図5参照)のフランジ部128b(図5参照)は、荷台部48のフランジ部100gとともに取付部材116bに取り付けられる。これにより、図5を参照して、カバー部16の主フレーム部126,128は、取付部材116a,116bを介して後フレーム部20の本体部46に接続される。より具体的には、主フレーム部126,128は、自転車10の幅方向において後輪50,52よりも内側でかつペダル168a,168bよりも外側において後フレーム部20に接続される。フランジ部126b,128bは、たとえば図示しない締結部材(たとえば、ボルトおよびナット)によって取付部材116a,116bに取り付けられてもよく、取付部材116a,116bに溶接されてもよい。
補助フレーム部130の取付部130bは、後フレーム部20の爪部54bに接続され、補助フレーム部132の取付部132bは、後フレーム部20の爪部56bに接続される。これにより、補助フレーム部130,132は、自転車10の幅方向において後輪50,52よりも内側でかつペダル168a,168bよりも外側において後フレーム部20に接続される。取付部130b,132bは、たとえば図示しない締結部材(たとえば、ボルトおよびナット)によって爪部54b,56bに取り付けられてもよく、爪部54b,56bに溶接されてもよい。
以上のようにして、カバー部16は、後輪50,52の前端よりも後方でかつ後輪50,52の後端よりも前方において、後フレーム部20に接続される。カバー部16は、支持部材118,120よりも後方において後フレーム部20に接続される。カバー部16は、爪部54b,56bに接続される。カバー部16の基部B1,B2は、自転車10の幅方向において後輪50,52よりも内側でかつペダル168a,168bよりも外側において後フレーム部20に接続される。
図1を参照して、上述のようにして後フレーム部20に接続されたカバー部16によって、サドル44の上方が覆わる。具体的には、カバー部16の屋根部16bによってサドル44の上方が覆われる。この実施形態では、屋根部16bは、少なくとも、サドル44よりも後方からサドル44よりも前方に延びる。基礎フレーム部122の上端は、ハンドル36の上端よりも下方に位置する。
図1を参照して、ブラケット部28に、駆動ユニット164が設けられる。駆動ユニット164は、クランク166、一対のペダル168a,168b、円板状の回転部材170、および電動モータ172を含む。
この実施形態では、クランク166は、クランク軸および一対のクランクアームを含む。クランク166は、回転可能にブラケット部28に支持される。ペダル168aは、クランク166の一端部(左端部)に設けられ、ペダル168bは、クランク166の他端部(右端部)に設けられる。回転部材170は、クランク166に設けられ、クランク166から伝達される回転に基づいて回転する。回転部材170としては、たとえばスプロケットまたはプーリーを用いることができる。電動モータ172は、クランク166の回転を補助する。駆動ユニット164には、電動モータ172の駆動等に用いられる電力を蓄えるためのバッテリ174が設けられる。
クランク166の回転は、回転部材170および伝達機構Tを介して後輪50に伝達される。図1および図2を参照して、伝達機構Tは、前後方向に延びかつ回転部材170(図1参照)に接続される回転部材176、クランク166よりも後方において自転車10の幅方向に延びかつ回転部材176に接続される回転部材178(図2参照)、回転部材178よりも後方に延びかつ回転部材178に接続される回転部材180(図2参照)、および車軸64aと同軸状に設けられかつ回転部材180と後輪50とを連結する回転部材182を有する。この実施形態では、回転部材176が第1回転部に相当し、回転部材178が第2回転部に相当し、回転部材180および回転部材182が第3回転部に含まれる。
回転部材176としては、たとえばチェーンまたはベルトを用いることができる。図1を参照して、回転部材176は、回転部材170を介してクランク166から伝達される回転に基づいて回転する。
図2を参照して、回転部材178は、自転車10の幅方向に延びる円柱状の軸部材178a、軸部材178aと一体的に回転するように軸部材178aの一端部(右端部)に設けられる円板状の接続部材178b、および軸部材178aと一体的に回転するように軸部材178aの他端部(左端部)に設けられる円板状の接続部材178cを含む。接続部材178b,178cとしてはそれぞれ、たとえばスプロケットまたはプーリーを用いることができる。
軸部材178aの一端部は、支持部材118(図5参照)の貫通孔118a(図5参照)に通されるとともに、図示しない軸受部材を介して支持部材118に回転可能に支持される。軸部材178aの他端部は、支持部材120(図5参照)の貫通孔120a(図5参照)に通されるとともに、軸受部材184(図1参照)を介して支持部材120に回転可能に支持される。
回転部材176は、接続部材178bに接続される。回転部材176の回転は、接続部材178bを介して軸部材178aに伝達される。これにより、軸部材178aが回転する。
回転部材180としては、たとえばチェーンまたはベルトを用いることができる。回転部材180は、接続部材178cに接続される。軸部材178aの回転は、接続部材178cを介して回転部材180に伝達される。これにより、回転部材180が回転する。
回転部材182は、たとえばスプロケットまたはプーリーを含む。回転部材180の回転は、回転部材182を介して後輪50に伝達される。これにより、クランク166の回転が伝達機構Tを介して後輪50に伝達され、後輪50が回転する。すなわち、自転車10では、後輪50が駆動輪として機能する。なお、この実施形態では、クランク166の前転のみが後輪50に伝達されるように、回転部材182はさらに一方向クラッチを含む。
以下、自転車10の作用効果を説明する。
自転車10では、前フレーム部18が後フレーム部20によってローリング可能に支持されるので、運転者がペダル168a,168bを踏み込む際に前フレーム部18が左右に揺れ動く場合がある。しかし、自転車10では、サドル44の上方を覆うカバー部16が後フレーム部20に設けられるので、前フレーム部18が左右に揺れ動いても、カバー部16が前フレーム部18とともに左右に揺れ動くことを防止できる。これにより、運転者がペダル168a,168bを踏み込む際にカバー部16に左右方向の慣性力が発生することを防止できる。その結果、運転者は、前フレーム部18のバランスを容易にとることができ、自転車10の快適な走行が可能になる。
自転車10では、カバー部16は、回転部材178を支持する支持部材118,120よりも後方において後フレーム部20に接続される。したがって、後フレーム部20においてカバー部16を支持するための構成を、支持部材118,120よりも前方に設けなくてよい。この場合、一対の後輪50,52および回転部材178を支持する機能が求められる後フレーム部20を、カバー部16を支持するために支持部材118,120よりも前方まで延ばさなくてよい。それにより、後フレーム部20をコンパクトに構成できる。
自転車10では、カバー部16は後輪50,52の前端よりも後方において後フレーム部20に接続される。したがって、後フレーム部20においてカバー部16を支持するための構成を、後輪50,52の前端よりも前方に設けなくてよい。この場合、後輪50,52を支持する機能が求められる後フレーム部20を、カバー部16を支持するために後輪50,52の前端よりも前方まで延ばさなくてよい。それにより、後フレーム部20をコンパクトに構成できる。
自転車10では、カバー部16は後輪50,52の後端よりも前方において後フレーム部20に接続される。したがって、後フレーム部20においてカバー部16を支持するための構成を、後輪50,52の後端よりも後方に設けなくてよい。この場合、後輪50,52を支持する機能が求められる後フレーム部20を、カバー部16を支持するために後輪50,52の後端よりも後方まで延ばさなくてよい。それにより、後フレーム部20をコンパクトに構成できる。また、自転車10では、後輪50,52の後端よりも前方においてカバー部16を後フレーム部20に接続できるので、カバー部16の前後方向の長さを短くできる。それにより、カバー部16をコンパクトに構成できる。
自転車10では、カバー部16は、後輪50,52の車軸64a,64bを支持する爪部54b,56bにおいて後フレーム部20に接続される。この場合、カバー部16の前後方向の長さをより短くできるので、カバー部16をよりコンパクトに構成できる。
自転車10では、カバー部16は、前後方向に互いに離れた複数位置において後フレーム部20に接続される。この実施形態では、カバー部16は、取付部材116a,116bを介して後フレーム部20に接続されるとともに、取付部材116a,116bから後方に離れた爪部54b,56bにおいて後フレーム部20に接続される。これにより、後フレーム部20は、カバー部16を十分に安定して支持できる。
自転車10では基部B1,B2が後輪50,52よりも内側において後フレーム部20に接続されるので、自転車10の幅方向の寸法が大きくなることを防止できる。また、基部B1,B2がペダル168a,168bよりも外側において後フレーム部20に接続されるので、基部B1と基部B2との間に十分なスペースを確保できる。これにより、たとえば、自転車10でトレーラー12を牽引する際に、トレーラー12の前端部を基部B1と基部B2との間に配置することができる。この場合、自転車10の前端からトレーラー12の後端までの長さを短くでき、狭い路地等における自転車10の走行性を向上できる。
自転車10では、基部B1,B2から着脱フレーム部124を取り外すことができる。これにより、自転車10の高さを低くできるので、高さ方向のスペースを十分に確保できない保管場所においても自転車10を容易に保管できる。特に、自転車10では、基部B1,B2の上端がハンドル36の上端よりも下方に位置するので、基部B1,B2から着脱フレーム部124を取り外すことによって自転車10の高さを十分に低くできる。
自転車10はカバー部16を有するので、運転者は、雨が降っている場合でも、サドル44に座った状態で、書類が雨に濡れることを避けつつ、書類に文字を記入したり、書類の内容をチェックしたりすることができる。したがって、トレーラー12を連結することによって自転車10を荷物配達用の自転車として用いる場合には、配達人は、雨が降っている場合でも、書類が濡れることを避けつつ、書類に文字を記入したり、書類の内容をチェックしたりすることができる。これにより、効率よく配達を行うことができる。
上述の自転車10において、接続部136a,138a(図6参照)の外周面にそれぞれフランジ部を設け、この一対のフランジ部の下面が筒状部126a,128a(図6参照)の上端面によって支持されるように、接続部136a,138aを筒状部126a,128aに差し込んでもよい。このようなフランジ部を設けることによって、着脱フレーム部124を基礎フレーム部122に容易に取り付けることができるとともに、着脱フレーム部124の位置決めが容易になる。なお、筒状部126a,128aの内周面にそれぞれフランジ部を設け、この一対のフランジ部の上面によって接続部136a,138aの下端面を支持してもよい。
上述の実施形態では、基部B1,B2は支持部材118,120よりも後方において後フレーム部20に接続されているが、一対の基部の一部が支持部材118または支持部材120に接続されてもよい。
上述の実施形態では、基部B1の補助フレーム部130が爪部54bに接続され、基部B2の補助フレーム部132が爪部56bに接続されているが、各基部の補助フレームが爪部54a,54b,56a,56bよりも前方において後フレーム部20に接続されてもよい。言い換えると、爪部54a,54b,56a,56bよりも前方の位置のみにおいて、カバー部が後フレーム部20に接続されてもよい。
上述の実施形態では、後輪50が駆動輪として機能するように伝達機構Tが構成されているが、伝達機構の構成は上述の例に限定されず、前輪42、後輪50および後輪52のうちの少なくとも一輪が駆動輪として機能するように伝達機構が構成されていればよい。したがって、たとえば、前輪42が駆動輪として機能するように伝達機構が構成されてもよく、後輪52が駆動輪として機能するように伝達機構が構成されてもよい。
上述の実施形態では、主フレーム部126はフランジ部100fおよび取付部材116aを介して後フレーム部20に接続されているが、主フレーム部126が後フレーム部20に直接接続されてもよい。この場合、主フレーム部126は、たとえば、締結部材(ボルトおよびナット等)によって後フレーム部20に取り付けられてもよく、後フレーム部20に溶接されてもよい。同様に、主フレーム部128が後フレーム部20に直接接続されてもよい。
上述の実施形態では、後輪50,52は、別個の車軸64a,64bによってそれぞれ支持されているが、後輪50,52が共通の1つの車軸によって支持されてもよい。