JP2002504461A - 折りたたみ式二輪車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 折りたたみ式二輪車が、ヘッド部分（１６）、サドル支柱マウント（１７）、および底部ブラケット（１５）を定める実質的に剛性の主構造フレーム（１０）を有する。後輪サブフレーム（２２）が、底部ブラケット（１５）の回りに、フレーム（１０）に軸ピン取り付けしてあり、後輪（２３）を支持している。サブフレーム（２２）は、後輪がフレーム内でヘッド部分（１６）とサドル支柱マウント（１７）との間にある折りたたまれた位置と、サブフレームが後方にフレームを越えて突き出ている能動位置との間で動けるように構成してある。ペダル装置（１９、２０、２１）は、底部ブラケット（１５）にジャーナル軸受けによって取りつけられ、エンドレスチェーン（２５）によって後輪（２３）を駆動する。前輪キャリヤーがフレームのヘッド部分（１６）にジャーナル軸受けによって取りつけられ、前輪（３１）を回転自在に支持するアーム（３０）を有する。アーム（３０）は、サブフレームがその折りたたまれた位置にあって前輪（３１）が後輪（２３）の近くにある折りたたまれた位置と、このアームが大体下方に前輪キャリヤーから突き出ている能動位置との間で、動けるように、前輪キャリヤーに軸ピン取り付けしてある。フレーム（１０）は二つの対向側面パネル（５０）を支持し、側面パネル（５０）の寸法は、折りたたまれた後輪サブフレーム、後輪、前輪キャリヤー、折りたたまれたアーム、および前輪のすべてが、実質的に完全に、これらの側面パネルから成る境界の内部にあり、また、サブフレームとアームがそれぞれの能動位置にあるとき、前輪と後輪が、側面パネルから成る境界の外部にあるように、なっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、乗り物として使用しないとき、容易に持ち運びできるように折りた
たむことのできる折りたたみ式二輪車たとえば自転車、スクーター、または軽量
のペダル支援原動機付き自転車に関する。

【０００２】 保管または運搬のために折りたたむことのできる自転車またはスクーター（以
下、単に自転車と呼ぶ）には、いろいろな設計のものがある。これらの一部は、
ダイヤ形構成の通常の自転車フレームと、メインフレームに丁番付けされたアー
ムに支持された標準直径の車輪、またはフレームの折りたたみができるように取
りはずせる車輪とを有する。しかし、頻繁に折りたたまれる場合、これらのもの
の形状と寸法は、運搬に非常に不便である。メインフレームが折りたたみ位置に
丁番付けされ、突出部品がメインフレームに対して丁番付けまたは入れ子式取り
付けされるように設計するという提案もなされているが、これらの自転車は使用
のために広げること、あるいは運搬のために折りたたむことが難しくなりがちで
ある。さらに、多くの設計は、広げたときにやや不安定であり、したがって乗っ
たとき不安定である。折りたたんだときに運搬がより容易な折りたたみ式自転車
を製造する試みにおいて、折りたたんだ自転車を入れる独立の硬質ケースまたは
柔軟バッグを使用することも知られているが、その場合、自転車の使用中にケー
スまたはバッグを運ぶことが問題になる。

【０００３】 ＧＢ−２１１９３２４−Ａ号明細書（Ｓｅｌｌａｒｓ）には、主レームをその
ものとしては有さないが、主荷重支持構造物として機能するケース部分を有し、
該部分内にハンドルバーアセンブリとシートアセンブリとを折りたたむことので
きる自転車が記載されている。後輪は軸ピンによってアームに取りつけられ、該
アームは一部が前記ケース内にあるようにピボット旋回することができ、前記ケ
ースは開かれたときに後輪の上に来る第二の部分によって完成される。この構成
の欠点は、主チェーンホイール（ペダルによって駆動される）がケース内にはい
るように割合に小さな直径のものでなければならず、また自転車がおりたたまれ
たとき突出してはならない、ということである。この問題を克服し、適当な歯車
装置を得るために、第二の大きな直径のチェーン駆動ホイールがピボット旋回ア
ーム部分に備えられ、そのため全体として、構造の機械的複雑さと重量とが大き
く増大することになる。

【０００４】 ＷＯ−８５／０１７１１−Ａ号明細書（Ｍｉｌｌｅｒ）には、ケースを有し、
該ケースが、該ケースの側面積を小さくししたがって後輪が露出するようにする
ために、該ケースの主要部分に丁番付けされた部分を有する自転車が示されてい
る。前輪は、広げられて、ケースの下部前端に近い位置にロックされるように構
成されている。この構成の欠点は、自転車が広げられたとき、ケースの長さによ
って前輪と後輪との距離が決定されることである。後輪回転軸の位置がケース内
に固定されており、また前輪回転軸がケースの垂直前端を大きく越えた位置にあ
ることはできないからである。自転車は、使用時の安全のために、前輪回転軸と
後輪回転軸との間に、ある最小寸法を有していなければならないので、割合に長
くしたがって重いケースが必要になる。

【０００５】 本発明の主目的は、前述のような、折りたたみ式自転車の公知の設計において
知られているいろいろな欠点を小さくし、したがって、軽量で安全に使用され、
それにもかかわらず非使用時には容易な運搬または保管が可能な寸法の一体ケー
シング内に折りたたむように構成することのできる二輪車を提供することである
。

【０００６】 本発明によれば、 折りたたみ式二輪車であって、 ヘッド部分、サドル支柱マウント、および底部ブラケットを定める、実質的に
剛性の主構造要素、 主構造要素の底部ブラケットの回りに、主構造要素に軸ピン取り付けされ、後
輪を回転自在に支える後輪サブフレームであって、後輪が主構造要素内でヘッド
部分とサドル支柱マウントとの間にある折りたたまれた位置と、前記サブフレー
ムが主構造要素を越えて後方に突き出ている能動位置との間で動けるように構成
されている後輪サブフレーム、 後輪用の駆動手段 主構造要素のヘッド部分にジャーナル軸受けで取りつけられ、前輪を回転自在
に支えるアームを有する前輪キャリヤーであって、前記サブフレームが折りたた
まれた位置にあって前輪が前記サブフレームの後輪の近くにある折りたたまれた
位置と、前記アームが前記キャリヤーから大体下方に突き出ている能動位置との
間で動けるように、前記アームが前記キャリヤーに軸ピン取り付けされている前
輪キャリヤー、 から成り、 前記主構造要素が、二つの対向側面パネルから成るパネリングを定めるかまた
は支持し、前記パネリングの寸法が、折りたたまれた後輪サブフレーム、後輪、
前輪キャリヤー、折りたたまれたアーム、および前輪がすべて実質的に完全に、
前記側面パネルから成る境界の内部にあり、前記サブフレームと前記アームがそ
れぞれの能動位置にあるとき後輪と前輪が前記側面パネルから成る境界の外部に
あるようになっている、 ことを特徴とする折りたたみ式二輪車、が提供される。

【０００７】 本発明の構成によれば、前輪キャリヤーがジャーナル軸受けによって取りつけ
られるヘッド部分、サドル支柱マウント、および通常はペダルシャフトを支える
底部ブラケットの間に固定された関係がある。これらの要素間の関係は、自転車
が折りたたまれた位置にあるときも能動（広げられた）位置にあるときも不変で
ある。したがって、自転車の主フレームは、通常の“二重ダイヤ形フレーム”の
大人用自転車の寸法と形状を有することができるが、それにもかかわらず容易に
運搬できる寸法に折りたたむことができる。

【０００８】 本発明の好ましい実施態様の場合、主構造要素は、相互に連結された複数のフ
レーム部材で作られた硬質フレームから成り、パネリングが該フレームに取りつ
けられている。便利なように、このフレームはたとえば金属管または他の材料（
たとえば炭素繊維）で作った間隙のあるフレーム構造とすることができ、またパ
ネルはプラスチック材料またはプレス加工金属から成形することができる。代替
実施形態においては、前記二つの側面パネルを、割合に強く剛性の形を有するよ
うに成形することができ、これら二つのパネルが、協同して、主構造要素を定め
るケーシングを形成する。この場合、パネリングは一種のモノコック構造を形成
し、パネリング内の独立のフレームの必要がなくなる。同様に、後輪サブフレー
ムを成形構造要素とすることもできるであろう。

【０００９】 本発明の乗り物は、主として折りたたみ式自転車の形をとることを意図してい
るので、以後、もっぱら自転車に関してのみ述べる。しかし、本発明は自転車に
限定されるものであるとみなしてはならないと理解すべきである。

【００１０】 好ましくは、後輪用の駆動手段は、底部ブラケツトにジャーナル軸受けによっ
て取りつけられたペダルシャフト、該ペダルシャフトに取りつけられた第一の駆
動輪、後輪に同軸に連結された第二の駆動輪、および前記第一および第二の駆動
輪の回りを通るエンドレス柔軟テンション部材を有する。この場合、第一の駆動
輪と第二の駆動輪との距離は、後輪サブフレームの底部ブラケットの回りの軸ピ
ン旋回運動にも関わらず、変化しない。したがって、エンドレステンション部材
の張力は、後輪サブフレームの位置のいかんに関わらず、一定のままである。し
たがって、第一および第二の駆動輪がそれぞれスプロケットを有し、該スプロケ
ットの回りにエンドレスチェーンが延びる通常のチェーンホイールセットを使用
することができるが、適当なプーリーとともに、歯のついたベルトを使用するこ
とも可能であろう。

【００１１】 ペダルシャフトは、一対の対向ペダルを支持し、これらのペダルは、使用の必
要がないときには、ケースに平行になるように折りたたむことができ、あるいは
シャフトから取りはずすことができる。それぞれのペダルシャフトにそれぞれの
ペダルを取りつけることにより、クランクアームそれ自身をペダルシャフトに取
りはずし自在に連結して、ペダルの取りはずしができるようにすることができる
。有利なのは、自転車が折りたたまれた状態にあるとき、クランクシャフトとペ
ダルを主構造要素の対向側面パネル内にしまい込むことができるようにすること
である。

【００１２】 駆動列は、ペダルをこぐときに乗り手を助けるために、電動機および繰り返し
充電可能な電池を有することができる。たとえば、そのような電動機は後輪また
は前輪のタイヤを直接駆動することができる。主要な動力を供給するためには、
もっと強力な電動機を使用することができる。あるいは、小さな内燃機関を使用
することができる。どちらの場合にも、たとえば上り坂で原動機を補助するため
に、ペダルを備えることができるが、スクーターの場合、ペダルは完全になくす
ことができる。

【００１３】 本発明の好ましい実施態様は、サドル支柱マウントに連結されたサドルアセン
ブリを有し、該アセンブリは、該アセンブリが実質的に完全に、側面パネルから
成る境界の内部にある第一の位置と、該アセンブリが自転車の乗り手による使用
が適当な位置にサドルを配置する能動位置との間で動くことができる。たとえば
、このサドルアセンブリは、サドル支柱マウント内を滑動することができ、かつ
所望の高さ位置に固定することのできるサドル支柱を有することができる。この
サドル支柱自身は、すべての乗り手に対して十分な高さを与えるように、入れ子
式とすることができる。

【００１４】 本発明の二輪車は、好ましくは、前輪キャリヤーに連結されたハンドルバーア
センブリを有し、該ハンドルバーアセンブリは、該アセンブリが実質的に完全に
、側面パネルから成る境界の内部にある第一の位置と、該ハンドルバーアセンブ
リが前輪の操作のために使用できる能動位置との間で動くことができる。

【００１５】 ハンドルバーアセンブリのハンドル、ハンドルバーアセンブリの一部を構成す
るステアリングコラム、およびまた前輪用のキャリヤーはすべて、類似の設計の
ロッキング継手を有することができ、この継手は、結合される部品が互いにピボ
ット旋回運動すること、およびまた能動位置にロックされることを可能にする。
そのような継手は、横軸の回りに一緒に軸ピン取り付けされた二つの部品と、こ
れらの部品が同軸に整列するときピボット領域をしっかりと包囲し、このとき二
つの部品間の相対軸ピン旋回運動を防ぐように、動かすことができるスリーブと
を有することができる。これらの部品の一つは、スリーブをそのロック位置に固
定するために、スリーブの一端の対応するめねじに係合することのできるおねじ
を有することができる。迅速取りはずし差し込みピンタイプのねじを切った連結
具を使用することができる。また、スリーブは、円錐内面を有することができ、
該円錐内面は、スリーブが二つの部品をロックして一緒にするとき、部品間の相
対運動に抵抗するために、他の部品の対応する円錐面に係合する。

【００１６】 本発明の自転車においては、少なくとも後輪に対して、サスペンションを備え
ることができる。たとえば、弾性緩衝器を後輪サブフレームと構造部材との間に
備えることができ、それによって、後輪が能動位置にあるとき後輪がサスペンシ
ョン偏位をするようにすることができる。

【００１７】 後輪は、後輪サブフレームに取りつけられて該サブフレームと一緒に動く泥除
けを有することができる。そのような泥除けは、自転車が折りたたまれた状態に
あるときも能動状態にあるときも、チェーンとスプロケットを包囲して、使用者
をチェーンとスプロケットに接触することから保護するシールドを有することが
できる。

【００１８】 パネリングは、上部カバーを有することができ、該カバーは、自転車が折りた
たまれたとき閉じられると、側面パネルの間に延びる。そのようなカバーは、一
対のカバー部分を有することができ、これらの部分の各一つがそれぞれ側面パネ
ルの一つに丁番付けされ、また前記カバー部分は、サドルアセンブリとハンドル
バーアセンブリがそれぞれの能動位置に動くことを許す解放位置に動くことがで
きる。カバー部分の適当な輪郭は、サドルアセンブリとハンドルバーアセンブリ
とがそれぞれの能動位置におかれたとき、カバー部品がその閉鎖位置に戻ること
を許すようなものとすることができる。同様のカバーを、構造要素の底部に備え
ることができる。

【００１９】 以下、添付の図面を参照しつつ、本発明によって構成、製作した折りたたみ式
自転車の二つの特定実施形態を、単なる例として、詳細に説明する。

【００２０】 まず、図１から７を参照する。これらの図には、本発明の自転車の第一の実施
形態が示してある。この自転車は、金属（たとえば、アルミニウムまたはチタン
）部材１１で作られた主レーム１０を有する。金属部材１１は、溶接により結合
されて、横から見たとき大体長方形の、一種の、間隙のあるフレームを形成する
。フレーム１０は横部材１２を有するが、フレーム側面部材の間には空隙１３が
あり、図１の１４に破線で示す通常のブリーフケースまたは他の手荷物が収容で
きるようになっている。このフレームは金属以外の材料で作ることもできるであ
ろう。

【００２１】 主フレームは、底部ブラケット１５、ヘッド部分１６、およびサドル支柱マウ
ント１７を有し、これらはすべて固定相対配置されている。底部ブラケット１５
は、ペダルシャフト１８（以下で詳しく説明する）を回転自在に支持している。
ペダルシャフト１８は一対の対向クランク１９、２０を支持しており、各クラン
クはそれぞれのペダル２１を回転自在に支持している。また、底部ブラケット１
５の回りには、後輪サブフレーム２２がジャーナル軸受けによって取りつけられ
ており、サブフレーム２２はその外側端に後輪２３を支持している。ペダルシャ
フト１８には、前部チェーンホイール２４が取りつけてあり、チェーンホイール
２４はチェーン２５によって後部スプロケット２６に動力を伝えるように連結さ
れている。スプロケット２６は後輪に同軸に取りつけられている。図面には示し
ていないが、フリーホイール機構が前部チェーンホイール２４とペダルシャフト
１８との間に備えてある。

【００２２】 成形プラスチックチェーンガード２７が後輪サブフレーム２２に取りつけてあ
り、チェーン２５の上部および下部走行部分を覆っており、また前部チェーンホ
イール２４の一部を包囲している。ガード２７はさらに後方に延びて、後輪２３
の一部の回りに延び、後輪２３の泥除けとして機能するようになっている。

【００２３】 ヘッド部分１７はステアリングコラム２８を回転自在に支持し、ステアリング
コラム２８は、上端にハンドルバーアセンブリ２９を、下端に一対のアーム３０
を有していて、アーム３０の下端の間に前輪３１が取りつけてある。これらのア
ームは、また、前輪の扇形部分を覆う泥除け３２を支持している。

【００２４】 ハンドルバーアセンブリ２９は、一対のハンドル３４が軸ピン取り付けされる
中心部分３３を有する。以下で図８Ａと８Ｂを参照して説明する継手を使用して
、これらのハンドルが図１および２に示すそれぞれの位置にロックされるが、解
除された場合、これらのハンドルは、図４に矢印Ａで示すように、折りたたむこ
とができる。同様の継手は、また、ハンドルバーアセンブリの中心部分３３にも
備えられ、該中心部分をヘッド部分１６に隣接するステアリングコラム２８に連
結する。これにより、ハンドル３４を上方に折り曲げたあと、図３に破線と矢印
Ｂで示すように、ハンドルバーアセンブリ全体を下方に折り曲げることができる
。

【００２５】 アーム３０の上端は、横部材に固定してあり、該部材は、この場合も、図８Ａ
と８Ｂに示す継手によって、ステアリングコラム２８の下端に連結してある。こ
れにより、この連結が解除された場合、アーム３０、前輪２４、および泥除け３
２から成るアセンブリ全体を、図３に示す位置まで折り曲げることができる。こ
の継手には、フレーム上部の内部から操作できる遠隔解除機構を備えることがで
きる。

【００２６】 サドル支柱マウントは、サドル支柱３５を滑動自在に支持し、支柱３５は上端
に通常の自転車サドル３６を有し、サドル３６の下方には、電池から電力供給さ
れる尾灯３７が支持されている。ロック（図示せず）が、サドル支柱を所望の設
定位置に固定するために備えてある。そのようなロックは通常の自転車で使用さ
れるものと同様のものとすることができ、ネジ付きのクランプ部材とともにスプ
リットクランプリングを有し、クランプ部材の締めつけにより、サドル支柱３５
に対するつかみが与えられ、フレーム１０に対する運動に抗して支柱３５がロッ
クされるようなものである。好ましくは、このクランプ部材は、スパナの必要な
しで手操作できるレバーの形のものである。

【００２７】 後輪サブフレーム２２は間隔をとって配置された一対のアーム３９（図７）を
有し、これらのアームはそれぞれ上部部材および下部部材４０、４１から作られ
ている。これらの部材の前端において、アームは、図１と７に示す能動状態と図
３に示す折りたたまれた状態との間で動けるように、ペダルシャフト１８の軸の
回りに底部ブラケット１５にジャーナル軸受けによって取りつけられている。能
動状態の場合、上部部材４０に固定された三角板５６が主フレーム１０に備えら
れた弾性接触部材６５に係合し、図１に実線で示す位置からのさらなる反時計回
りの運動が制限されるようになっている。しかし、弾性接触部材６５は、後輪が
図１に矢印Ｃで示すサスペンション偏位を行うのを許容する。

【００２８】 やはり図７に示されているのは、随意の電動機４２である。この電動機は、後
輪２３のタイヤ４３と係合する駆動輪を有する。繰り返し充電可能な電池をフレ
ーム１０によって支えることができ、適当な制御装置が電動機４２への電力供給
のために備えてある。ころがり抵抗を小さくするために、電動機には、ハンドル
バーアセンブリ２９に制御装置を調節自在に備えることができ、該制御装置によ
り、電動機駆動輪とタイヤ４３との係合を完全に解除することができる。

【００２９】 この自転車には、前輪および後輪キャリパーまたはＶブレーキ４４、４５（図
７）を、これらのブレーキをハンドルバーアセンブリのブレーキレバー４８に連
結するボーデン索４６、４７とともに取りつけることができる。代りに、ドラム
またはディスクブレーキを使用することもできるであろう。

【００３０】 一対の成形プラスチック側面パネル５０のうち各一つが主フレーム１０の各側
に取りつけられて、フレームの前部と後部を包みこんで、包囲を形成し、自転車
が図５と６に示すように折りたたまれたとき、該包囲内に、前述のすべての要素
が収容できるようにされる。各側面パネルの上端５１には、それぞれのカバーフ
ラップ５２が軸ピン取り付けされ、これらは図面に示す閉鎖位置と図４に破線で
示す解放位置との間で動くことができる。解放された場合、ハンドルバーアセン
ブリ２９とサドル支柱３５とはそれぞれの折りたたみ状態と能動状態との間で動
くことができるが、どちらの状態においても、カバーフラップ５２はその閉鎖位
置に動かすことができる。それぞれのカバーフラップにはそれぞれのハンドル５
３を備えることができ、これらのハンドルは図３〜６に示す持ち上げ位置と、自
転車に乗るときの、図１に示す引き下げ位置との間で動かすことができる。これ
らのハンドルは、持ち上げ位置にあるとき、折りたたまれた自転車の運搬を容易
にする。

【００３１】 側面パネル５０には、その下部前方かどに一対の回転自在の地面接触輪（ｇｒ
ｏｕｎｄ ｗｈｅｅｌ）５４が備えてある。自転車を折りたたんだとき、パネル
によって定められるケースの後端を、それぞれ図３と７に示す二つの位置の間で
滑ることのできるハンドル４９によって持ち上げることができる。このハンドル
を使用することにより、折りたたんだ自転車は、地面接触輪５４を転がして容易
にあちこち運ぶことができる。このハンドルはＵ字形であり、したがって自転車
の手荷物掛けとしても使用することができる。

【００３２】 電池によって電力供給されるヘッドライト５６が、側面パネル５０の前面、地
面接触輪５４の近くに取りつけてある。また、ロック機構（図示せず）を側面パ
ネルにとりつけて、後輪サブフレーム２２と前輪アーム３０との一つまたは両方
の折りたたみが解除されないようにすることができる。

【００３３】 図８Ａと８Ｂは、前述の各種要素間の継手の詳細を示す。この継手はその自由
端に一つのフォークを定める第一の部分５７を有し、該フォークは一対のアーム
５８を有する。これらのアームの間には、第二の部分６０の自由端に備えられた
ブレード５９が配置され、二つの部分はピン６１によって軸ピン結合されている
。スリーブ６２が第一の部分５７を包囲しており、また一端に、第二の部分６０
に切られた対応するおねじとかみ合うことのできるめねじを備えている。このス
リーブの他端には、円錐内面を有するように成形された内向きフランジ６３が備
えてあり、該フランジは第一の部分５７に成形された対応する面６４と係合する
ことができる。スリーブが図８Ａに示す位置にあって固定されている場合、第一
と第二の部分５７、６０は、相対運動しないようになっているが、スリーブが第
二の部分から解放され、滑動して第二の部分から離れると、二つの部分は、図８
Ｂに示すように、９０°をなす位置まで相対的に動くことができる。

【００３４】 図９Ａと９Ｂは、ペダルシャフト１８、前部スプロケット２４、およびクラン
ク１９、２０とともに、底部ブラケット１５の構成を示す。各クランクは、該ク
ランクに備えられたそれぞれのヘッド付きピン６６を引っ張ることにより、ペダ
ルシャフト１８から取りはずすことができる。

【００３５】 各クランクは、突き出た正方形スタブ（ｓｔｕｂ）シャフト６７を有し、シャ
フト６７は、ペダルシャフト１８の対応する正方形部分の穴６９に挿入すること
ができる。ボール７０がスタブシャフト６７の半径方向の開口に捕捉されて保持
され、ピン６６はボール７０と係合できるボス６８を有していて、ボールを外に
突き出た位置に保持するようになっており、このときボールは穴６９内の内側溝
によって受けることができる。ピン６６を、ばねの作用に抗してピン６６のヘッ
ド７１によって外向きに引っ張ると、ボール７０は自由になって、内側に動き、
したがってスタブシャフト６７がペダルシャフト１８から解放される。

【００３６】 各スタブシャフトの正方形部分は、不規則形状を有し、したがってスタブシャ
フトのペダルシャフトとの係合がただ一つの回転位置でのみ可能であるように変
形することができる。

【００３７】 クランク１９、２０がペダルシャフトから解放されると、これらは、図５に示
すように、それぞれのペダルとともに主フレームの境界内部に保持することがで
きる。

【００３８】 前述の、折りたたみ式自転車の第一の実施形態は、容易に折りたたんで図５に
示す状態にすることができ、このときすべての要素が、完全に、側面パネル５０
と取りつけられたカバーフラップ５２とから成る境界の内部にあるようにするこ
とができる。ばね保持装置を主フレーム内に配置し、解除するまで、前輪と後輪
を図３に示す位置に保持するようにすることができる。図３の状態の場合、ハン
ドル５３を持ち上げて、折りたたんだ自転車を簡単に運搬できるようにすること
ができ、あるいは折りたたんだ自転車を、地面接触輪５４ともう一つのハンドル
４９とを用いて、車輪を転がして運ぶことができる。この折りたたまれた自転車
は一つの旅行かばんのようなものであり、持ち運ぶ人は自転車のすべての能動要
素との接触からケーシングによって保護される。この自転車を折りたたまれた状
態から広げることは、割合に簡単かつ迅速に行われ、形状と設計の構造的頑丈さ
との割りに、安全かつ乗るのが簡単な自転車が与えられる。要素を折りたたまれ
た状態から広げることはすべて、上方から実施することができ、そのあと、能動
状態にある要素をロックすることができる。

【００３９】 図１０と１１に、本発明の第二の実施形態を示す。これらの図において、図１
から９に示すものと同種の部品は同じ参照番号で示す。図１０と１１の実施形態
は、独立の主フレームが備えられず、側面パネル７２が、底部ブラケット１５、
ヘッド部分１６、およびサドル支柱３５のための直接のマウントとして機能する
のに十分な強度と剛性とを有するように成形されているという点で、前述の第一
の実施形態と異なる。図１１からもっともよくわかるように、この成形品は、厚
い部分７３（前部）と７４（後部）とを有するように成形され、これらの部分に
それぞれの要素が直接取り付けできるようになっている。また、側面パネル７２
が、第一の実施形態の場合と同様に、通常のブリーフケースまたは他の手荷物の
ための空隙１３を定める。同様に、後部サブフレームは後輪２３を底部ブラケッ
ト１５から支持するための成形構造要素を有することができる。

【００４０】 この第二の実施形態のその他の側面はすべて、第一の実施形態のそれと同じで
あり、ここではこれ以上詳しくは述べない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 能動状態にある自転車の第一の実施形態の側面図である。

【図２】 図１の自転車の平面図であるが、ペダルクランクのペダルシャフトへの連結を
も示す。

【図３】 図１の自転車の側面図であり、要素を折りたたまれた状態で示すが、また能動
状態にあるサドルおよびハンドルバーアセンブリを破線で示す。

【図４】 図３の折りたたまれた自転車の端面図であるが、また能動状態にあるハンドル
バーアセンブリと開かれた上部カバーとの両方を破線で示す。

【図５】 図３と同様の図であるが、わかりやすいように側面パネルが取り除いてある。

【図６】 図４と同様の図であるが、わかりやすいように側面パネルが取り除いてある。

【図７】 図１の自転車を変形した形態の自転車の側面図であるが、側面パネルと上部カ
バーとが破線で示してある。

【図８Ａ】 図１〜７の自転車で使用する、二つの要素間の継手の一部切り欠き図である。

【図８Ｂ】 図８Ａに示す線VIII−VIIIに沿う、図８Ａの継手の断面図である。

【図９Ａ】 それぞれ、自転車の底部ブラケットの断面詳細図、および解放位置にある一つ
のペダルクランクの拡大断面図である。

【図９Ｂ】 それぞれ、自転車の底部ブラケットの断面詳細図、および解放位置にある一つ
のペダルクランクの拡大断面図である。

【図１０】 それぞれ、図１および２と同様の図であるが、本発明の自転車の第二の実施形
態を示す。

【図１１】 それぞれ、図１および２と同様の図であるが、本発明の自転車の第二の実施形
態を示す。

【符号の説明】

１０ 主構造フレーム １５ 底部ブラケット １６ ヘッド部分 １７ サドル支柱マウント １９、２０、２１ ペダル装置 ２２ 後輪サブフレーム ２３ 後輪 ２５ エンドレスチェーン ３０ アーム ３１ 前輪 ５０ 側面パネル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ， ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，Ｌ Ｔ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ， ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，Ｕ Ａ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 モーア，リチャード，ジョン，アルバート イギリス国 エイヴォン ビーエイ２ ５ エヌエル バース エントリー ヒル ド ライヴ グランヴィル ロッジ （番地な し) Ｆターム(参考） 3D012 BA02 BA03 BA04 【要約の続き】 ーから突き出ている能動位置との間で、動けるように、 前輪キャリヤーに軸ピン取り付けしてある。フレーム （１０）は二つの対向側面パネル（５０）を支持し、側 面パネル（５０）の寸法は、折りたたまれた後輪サブフ レーム、後輪、前輪キャリヤー、折りたたまれたアー ム、および前輪のすべてが、実質的に完全に、これらの 側面パネルから成る境界の内部にあり、また、サブフレ ームとアームがそれぞれの能動位置にあるとき、前輪と 後輪が、側面パネルから成る境界の外部にあるように、 なっている。

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 折りたたみ式二輪車であって、 ヘッド部分、サドル支柱マウント、および底部ブラケットを定める、実質的に
   剛性の主構造要素、 主構造要素の底部ブラケットの回りに、主構造要素に軸ピン取り付けされ、後
   輪を回転自在に支える後輪サブフレームであって、後輪が主構造要素内でヘッド
   部分とサドル支柱マウントとの間にある折りたたまれた位置と、前記サブフレー
   ムが主構造要素を越えて後方に突き出ている能動位置との間で動けるように構成
   されている後輪サブフレーム、 後輪用の駆動手段 主構造要素のヘッド部分にジャーナル軸受けで取りつけられ、前輪を回転自在
   に支えるアームを有する前輪キャリヤーであって、前記サブフレームが折りたた
   まれた位置にあって前輪が前記サブフレームの後輪の近くにある折りたたまれた
   位置と、前記アームが前記キャリヤーから大体下方に突き出ている能動位置との
   間で動けるように、前記アームが前記キャリヤーに軸ピン取り付けされている前
   輪キャリヤー、 から成り、 前記主構造要素が、二つの対向側面パネルから成るパネリングを定めるかまた
   は支持し、前記パネリングの寸法が、折りたたまれた後輪サブフレーム、後輪、
   前輪キャリヤー、折りたたまれたアーム、および前輪がすべて実質的に完全に、
   前記側面パネルから成る境界の内部にあり、前記サブフレームと前記アームがそ
   れぞれの能動位置にあるとき後輪と前輪が前記側面パネルから成る境界の外部に
   あるようになっている、 ことを特徴とする折りたたみ式二輪車。
2. 【請求項２】 主構造要素が、互いに連結されたフレーム部材から成るフレ
   ームを有し、前記パネリングが前記フレームに取りつけられることを特徴とする
   請求項１に記載の二輪車。
3. 【請求項３】 前記二つの側面パネルが互いに連結されて、主構造要素を定
   めるケーシングを形成することを特徴とする請求項１に記載の二輪車。
4. 【請求項４】 サドル支柱マウントに連結されたサドルアセンブリを有し、
   該アセンブリが、該アセンブリが実質的に完全に、側面パネルから成る境界の内
   部にある第一の位置と、該アセンブリを自転車の乗り手が使用できる能動位置と
   の間で動くことができることを特徴とする請求項１から３の中のいずれか１つに
   記載の二輪車。
5. 【請求項５】 サドルアセンブリがサドル支柱を有し、該サドル支柱が主構
   造要素のサドル支柱マウントに滑動できるように取りつけられることを特徴とす
   る請求項４に記載の二輪車。
6. 【請求項６】 前輪キャリヤーに連結されたハンドルバーアンブリを有し、
   該ハンドルバーアセンブリが、該アセンブリが実質的に完全に、側面パネルから
   成る境界内にある第一の位置と、該ハンドルバーアセンブリが二輪車の運転のた
   めに使用できる能動位置との間で動くことができることを特徴とする請求項１か
   ら５の中のいずれか１つに記載の二輪車。
7. 【請求項７】 後輪サブフレームと前輪アームとをそれぞれの能動位置に固
   定するために、それぞれのロック手段が備えてあることを特徴とする請求項１か
   ら６の中のいずれか１つに記載の二輪車。
8. 【請求項８】 弾性緩衝器が後輪サブフレームのために備えてあり、該緩衝
   器により、後輪がその能動位置にあるとき後輪がサスペンション偏位を行うこと
   ができることを特徴とする請求項１から７の中のいずれか１つに記載の二輪車。
9. 【請求項９】 後輪用の前記駆動手段が、底部ブラケットにジャーナル軸受
   けによって取りつけられたペダルシャフト、該ペダルシャフトに取りつけられた
   第一の駆動輪、後輪に同軸に連結された第二の駆動輪、および前記第一および第
   二の駆動輪の回りを通るエンドレス柔軟テンション部材を有することを特徴とす
   る請求項１から８の中のいずれか１つに記載の二輪車。
10. 【請求項１０】第一および第二の駆動輪がそれぞれスプロケットを有し、該
    スプロケットの回りに延びるエンドレスチェーンが存在することを特徴とする請
    求項９に記載の二輪車。
11. 【請求項１１】ペダルシャフトが一対のペダルを支持し、使用の必要のない
    ときには、該ペダルを前記シャフトからとりはずすことができることを特徴とす
    る請求項９または１０に記載の二輪車。
12. 【請求項１２】後輪サブフレームが後輪用の泥除けを有し、該泥除けが、前
    記サブフレームがその能動位置と折りたたまれた位置との間で動く時に、前記サ
    ブフレームとともに動くことを特徴とする請求項１から１１の中のいずれか１つ
    に記載の二輪車。
13. 【請求項１３】前記パネリングが上部カバーを有し、シートアセンブリとハ
    ンドルバーアセンブリとが側面パネルから成る境界内にあるとき、前記上部カバ
    ーが側面パネルの間に延びることを特徴とする請求項４または５と請求項６とに
    記載の二輪車。
14. 【請求項１４】上部カバーが一対のカバー部分を有し、これらの部分の各一
    つがそれぞれ側面パネルの一つに丁番付けされ、また前記カバー部分が、サドル
    アセンブリとハンドルバーアセンブリがそれぞれの能動位置に動くことを許す解
    放位置に動くことができることを特徴とする請求項１３に記載の二輪車。
15. 【請求項１５】上部カバーが、サドルアセンブリとハンドルバーアセンブリ
    とがそれぞれの能動位置にあるとき、前記カバーが二つの側面パネルの間に延び
    ることを許す輪郭を有することを特徴とする請求項１３または１４に記載の二輪
    車。
16. 【請求項１６】主構造要素に、折りたたまれた二輪車の持ち運びを容易にす
    るためのハンドルが備えられることを特徴とする請求項１から１５の中のいずれ
    か１つに記載の二輪車。
17. 【請求項１７】折りたたまれた二輪車を動かすのが容易になるように、少な
    くとも一つの回転自在の地面接触輪が主構造要素の下部に備えられることを特徴
    とする請求項１から１６の中のいずれか１つに記載の二輪車。
18. 【請求項１８】前記地面接触輪が主構造要素の下部のかどまたはその近くに
    備えられ、主構造要素の反対の端には、前記地面接触輪を転がして主構造要素を
    運ぶことを可能にするハンドルが備えられることを特徴とする請求項１７に記載
    の二輪車。
19. 【請求項１９】後輪サブフレームおよび前輪アームがそれぞれの能動位置に
    あるとき、主構造要素内に空隙が定められ、該空隙内に手荷物を収容できること
    を特徴とする請求項１から１８の中のいずれか１つに記載の二輪車。
20. 【請求項２０】車輪の一つを駆動するように配置された電動機または内燃機
    関を有することを特徴とする請求項１から１９の中のいずれか１つに記載の二輪
    車。