JP2013141753A - 積層フィルム - Google Patents

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雅之 北川
Masanobu Takeda
昌信 武田
Toshikazu Iijima
俊和 飯島
Yukinori Ueda
征典 植田
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Abstract

【課題】銀層を形成した積層フィルムであって銀層の腐食が発生し難く、高い耐久性を有し、かつ、赤外線反射性能に優れ、遮熱性と断熱性を有する窓貼り用に好適な積層フィルムおよびそれが貼り付けられた窓を提供する。
【解決手段】合成樹脂からなる基材の片面に、熱線反射層、ハードコート層を順に形成した積層フィルムであって、熱線反射層が金属層または、金属層と金属酸化物層および/または金属窒化物層からなり、金属層が銀を主成分とし、少なくとも金および/またはパラジウムを、金原子およびパラジウム原子の合計として2〜5質量%含む積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成樹脂からなる基材に金属層を形成した積層フィルムに関し、優れた赤外線反射性能を有し、かつ、長期間使用した場合においても、高い耐久性を有する積層フィルムに関するものである。また、住宅・ビルなどの窓ガラスに貼合した場合に、室外からの日射熱の流入が抑制でき、かつ、室内の暖房熱の流出も抑制できる窓貼り用に好適な積層フィルムに関するものである。
従来、住宅・ビルなどの開口部(例えば窓)に合成樹脂からなるフィルムに金属層を形成した積層フィルムが使用されている。当該積層フィルムは金属層の赤外線反射機能により、室外からの日射熱(例えば近赤外線)を反射することにより、室内への日射熱の流入を抑制し、夏場の冷房負荷低減に寄与する。
当該積層フィルムの金属層には、赤外線反射性能を有する金、銀、銅、アルミなどの金属が一般的に使用されており、中でも電気伝導度が最も高く、赤外線反射性能に優れる銀が好適に使用されている。
一方、銀は大気中の硫黄成分による硫化反応により腐食し易い性質を有している。銀を用いた積層フィルムを住宅・ビルなどの窓ガラスに貼合した場合、銀が露出しているフィルム端部から腐食が進行し、銀層に亀裂が生じるとともに、銀層とその上下の層との密着力が低下し、各層の間で剥離が生じることが問題となっている。
また、近年、省エネ意識の高まり受け、遮熱性(日射熱の流入を抑制し夏場の冷房負荷低減に寄与する性能)と断熱性(暖房熱の流出を抑制し冬場の暖房負荷低減に寄与する性能)を備え、年間を通じて省エネ効果が期待できる窓貼り用フィルムが必要とされている。しかし、上述した要求性能、つまり、銀層の赤外線反射機能により遮熱性と断熱性を備え、住宅・ビルなどの窓ガラスに貼合した場合に、銀層が腐食せず、充分な耐久性を有する積層フィルムがないのが実状である。
例えば、プラスチックフィルムからなる基材の片面にアンカー層を形成し、その上に銀蒸着層を形成し、更にその上に腐食防止層を形成した耐久性反射フィルムが提案されている(特許文献1参照)。本方法は、フィルム上にアンカー層を形成し下地と銀層の密着性を高めるとともに、銀層の上に腐食防止層としてハードコート層を形成し銀層の保護を狙ったものである。しかし、本方法は銀自体の耐腐食性に関しては何ら検討されていない。よって、銀が露出しているフィルム端部の腐食を抑制することができず、銀の腐食が進行することにより銀層に亀裂が生じ、それに伴い銀層とハードコート層の間に剥離が生じてしまう。また、本方法ではハードコート層の剥離防止のため、ハードコート層の上に粘着層を形成した構成も提案されている。本構成を採用し窓ガラスに貼合した場合、赤外線を反射する銀層の室内側に赤外線を吸収するフィルム、アンカー層が存在するため、暖房熱(例えば遠赤外線)を反射することができず断熱効果を得ることができないといった課題が生じる。
一方、銀層自体の組成に着目し、耐腐食性に優れる金、銅、アルミなどの金属を分散させた銀合金を使用した透明導電性熱線反射フィルムが提案されている(特許文献2参照)。しかし、本方法は、銀以外の金属種には言及しているものの、導電性と可視光線吸収率に着目し金属種を選定しているばかりか、具体的な配合比率についても何ら検討がされていないため、銀の腐食を抑制する効果については不明である。また、本方法に記載のフィルムも特許文献1記載のフィルムと同様の理由で断熱効果を得ることができない。
特開2002−122717号公報 特開2001−310407号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、銀層を形成した積層フィルムでありながら銀層の腐食が発生し難く、高い耐久性を有し、かつ、赤外線反射性能に優れ、遮熱性と断熱性を有する窓貼り用に好適な積層フィルムおよびそれが貼り付けられた窓を提供することを課題とする。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の積層フィルムは、合成樹脂からなる基材の片面に、熱線反射層、ハードコート層を順に形成した積層フィルムであって、熱線反射層が金属層または、金属層と金属酸化物層および/または金属窒化物層からなり、金属層が銀を主成分とし、少なくとも金および/またはパラジウムを、金原子およびパラジウム原子の合計として2〜5質量%含むことを特徴とするものである。
また、積層フィルムの熱線反射層/ハードコート層形成面と反対面に粘着層を形成した窓貼り用フィルムであって、ハードコート層の面から測定した波長
5.5〜50μmの遠赤外線反射率が85%以上であり、かつ、日射熱侵入率が0.6以下であることを特徴とするものである。
さらに、上記いずれかの窓貼り用フィルムがガラス板に貼り付けられた窓である。
本発明によれば、銀層を形成した積層フィルムでありながら銀層の腐食が発生し難く高い耐久性を有し、かつ、赤外線反射性能に優れ、遮熱性と断熱性を有する窓貼り用に好適な積層フィルムを提供することができる。
本発明の積層フィルムは、合成樹脂からなる基材の片面に、熱線反射層、ハードコート層を順に形成した積層フィルムであって、熱線反射層が金属層または、金属層と金属酸化物層および/または金属窒化物層からなり、金属層が銀を主成分とし、金および/またはパラジウムを、金原子およびパラジウム原子の合計として2〜5質量%含むものである。
本発明で用いる基材は、透明性、耐候性に優れたフィルムであれば特に限定されることはないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル、ナイロンなどが好ましく、金属膜を形成する際に必要となる耐熱性、コストなどを考慮するとポリエチレンテレフタレートがより好ましい。いずれのフィルムも易接着層を設けたり、コロナ処理、プラズマ処理、ケン化などの表面処理を施したものであっても良い。これら処理を施したフィルムに金属層(必要に応じて金属酸化物層/金属窒化物層)を有することにより、層間の密着性が向上し、銀層の腐食、亀裂の発生を抑制することができるため好ましいことである。本基材の厚みについては、特に制限はないが機械的強度、耐熱性、窓貼り用途に用いた場合の取り扱い性を考慮すると10〜150μmであることが好ましい。厚みが薄いと表面処理工程や金属層形成工程で熱収縮による皺が発生しやすくなる傾向がある。また、厚みが厚すぎると材料費が上がるばかりか、窓に施工する際の施工性に劣るため、防犯性能を付与するなど特別な場合を除いて好ましくない。
次に熱線反射層は、金属層、または金属層と金属酸化物層および/または金属窒化物層とからなる。金属を含有する金属層で赤外線反射機能を発現する。さらに、必須ではないが、金属酸化物層および/または金属窒化物層を併用することにより、可視光透過率を上昇させることができる。
本発明で用いる金属層については、赤外線反射性能に優れる銀を主成分とし、少なくとも金および/またはパラジウムを、金原子およびパラジウム原子の合計として2〜5質量%含むことが必須である。これら金属の含有量が2質量%を下回ると硫化による銀の腐食、亀裂を抑制する効果を発現することができない。また、5質量%を超えて添加しても、コストが上がるだけでコストアップに見合う改善効果を得ることができない。さらに、金、パラジウムは、銀と比較して可視光の吸収が大きく、添加量が上がるに従い積層フィルムとしての可視光透過性能が低下するため好ましくない。金とパラジウムの比率については、金のみ、あるいはパラジウムのみを添加しても良いし、2〜5質量%の範囲でこれらを併用しても良い。金属層は上述した比率で金、パラジウムを添加した銀合金1層でも良いし、金、パラジウムの比率が異なる銀合金を2層以上積層した多層構成としても良い。金属層の総厚みについては、特に制限はないが、必要とする赤外線反射性能と可視光透過性能を考慮し、5〜20nmの範囲で適宜選択することが好ましい。厚みが薄いと透明性に優れるが、赤外線反射性能が低下してしまう。逆に厚すぎると透明性が低下し、金属の使用量が増加し経済的にも好ましくない。
上述した金属層の金属組成は、ICP発光、XPS、XRFなど既知の分析方法を用いて定量することができる。例えば、ICP発光分析を用いれば、金属層の上にハードコート層などの保護層を設けた場合においても、各金属の組成を正確に分析することができ好ましい。
本発明の熱線反射層には、上述した金属層の上に金属酸化物層および/または金属窒化物層を積層したり、金属層を金属酸化物層および/または金属窒化物層でサンドイッチした構成であっても良い。本構成を採用することで、銀を含む金属層とハードコート層、若しくは、銀を含む金属層と基材の界面反射を抑制することができ、可視光透過率を向上させることが可能となる。つまり、銀単体の屈折率が0.3以下と低く、他の層との間で界面反射がおこり、可視光透過性能が低下するのに対し、屈折率が1.5〜3程度の金属酸化物、金属窒化物を積層した構成とすることにより、可視光線の界面反射を低減することができるためである。これら物質としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、錫ドープ酸化インジウム(ITO)などの金属酸化物、窒化ケイ素などの金属窒化物を挙げることができ、適宜選択して用いることができる。厚みについては、10〜100nmであることが好ましく、さらに好ましくは30〜60nmである。厚みが薄い場合、可視光透過性能の大幅な向上は見られない。逆に厚く積層しても可視光透過性能の更なる向上は得られないばかりか、経済的に劣り好ましくない。これら金属酸化物(あるいは金属窒化物)については、金属層とあわせて、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法など公知の技術を用い形成することができる。
本発明では、基材であるフィルム上に形成した熱線反射層の上にハードコート層を形成することが必須である。ハードコート層としては樹脂が好ましい。樹脂としては、高透明で耐久性があるものが好ましい。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂などアンダーコート層と同様の樹脂を単独、または混合物として使用することができる。また、ハードコート層は樹脂の溶液を、グラビアコーティング法、リバースロールコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法などの方法で塗布し、乾燥する。ハードコート層は樹脂が架橋されていることが好ましい。紫外線、電子線などを照射し架橋させることができる。また樹脂の高分子の官能基を反応しうる架橋剤を添加して、化学反応により架橋させることができる。層の厚みについては、0.5〜3μmであることが好ましく、0.5〜1μmであることがより好ましい。ハードコート層の厚みが薄いと、熱線反射層を均一に被覆することができず、被覆されていない部位から銀層が腐食してしまう。逆に厚い場合、ハードコート層の赤外線吸収量が増加し、赤外線反射率が低下する傾向にある。
また、上述した金属層には銅を0.1〜2.0質量%含むことが好ましい。銅は耐腐食性に優れていることに加え、銅を添加することにより、例えばスパッタリング法を用いて製膜した場合にヒロック(半球状の突起物)が膜表面に生成することを抑制でき、膜質の向上を図ることができる。0.1質量%を下回ると本効果を得ることができないし、2.0質量%を超えて添加した場合、銀の含有量が低下し、赤外線反射性能が低下してしまう。
次に基材と熱線反射層との間にアンダーコート層を形成しても良い。アンダーコート層を形成することにより、層間の密着性が向上し、銀層の腐食、亀裂の発生をより抑制することができるため好ましいことである。アンダーコート層を形成する樹脂は、高透明で耐久性があるものであれば特に限定されることはない。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂などを単独、または混合物として使用することができる。これらアンダーコート層は、樹脂または樹脂組成物の溶液を、グラビアコーティング法、リバースロールコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法などの公知の技術で塗布し、乾燥した後、必要に応じて紫外線、電子線などを照射し硬化させることにより形成することができる。アンダーコート層の厚みについては、0.5〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。アンダーコート層の厚みが薄いと、基材表面を均一に被覆することができないばかりか、耐腐食性を向上させる効果が十分に得られない傾向がある。逆に、過度に厚く形成しても、更なる耐擦過性向上は見られない。
本発明の積層フィルムは、JIS K5600に準じたクロスカット法による密着性試験において、層間剥離が生じないことが好ましい。なお、クロスカット法とは積層フィルムの表面(ハードコート層面)にカッターナイフで碁盤の目状に切りかきを入れ、その上に粘着テープを貼り付けた後、引き剥がすことによって各層の密着力を測定する試験である(詳細は後述する)。つまり、粘着テープの粘着力が各層間の密着力を超えた場合に剥離が生じることとなり、この場合、密着力が劣っているが故に各層の間から空気中の水分などが侵入し、銀層の腐食が生じ易くなるとともに、ハードコート層に亀裂が生じ易くなる。
本発明の積層フィルムは、熱線反射層とハードコート層とを形成した面の反対面に粘着層を形成し、窓貼り用途に好適に使用することができる。その際、ハードコート層の面から測定した波長5.5〜50μmの遠赤外線反射率が85%以上であり、かつ、日射熱侵入率が0.6以下であることが好ましい。ハードコート層は、窓貼り用途に使用した場合に室内側の最表面に位置する層であり、当該層側から測定した遠赤外線反射率は暖房熱の反射率を示す。遠赤外線反射率が85%以上を満足することにより、住宅の省エネ指標「次世代省エネ基準」で規定される熱貫流率4.0W/m2・Kを満足することが可能となる。
また、日射熱侵入率が0.6以下を満足することより、室外から室内への日射の侵入を抑制することが可能なる。熱貫流率、日射熱侵入率が上述した値を満足することにより、夏場・冬場と問わず年間を通じて省エネ性能を発現でき、窓貼り用途に好適な積層フィルムを得ることができる。
以下に本発明について、実施例を用いてさらに具体的に説明する。実施例中に示す特性値の測定に供する評価用試験体の作製方法ならびに特性値の測定・算出方法は次のとおりである。
A.評価用試験体の作製
(1)積層フィルムを50mm角にカットする。
(2)前記(1)項でカットしたフィルムのハードコート層を形成した面と反対面の相対する2辺に約7.5mm幅の両面テープ(PROSELF(登録商標) No.539R:株式会社ニトムズ製)を接着する。なお、粘着層を形成した積層フィルムについては、本操作は省略する。
(3)前記(2)項で作製したフィルムを50mm角フロートガラス(3mm厚み)に貼合し評価用試験体とする。なお、粘着層を形成した積層フィルムについては、粘着層を介してフロートガラスに貼合する。
B.遠赤外線反射率
(1)規格:JIS R3106:1998に準拠
(2)測定方法:
i)分光測光器「IR Prestige−21(株式会社島津製作所製)」、正反射測定ユニット「SRM−8000A(株式会社島津製作所製)」を用い、評価用試験体の波長5〜25μmの分光反射率を測定する。なお、標準板にはAl蒸着鏡を用いる。
ii)前記分光反射率からJIS本文付表3に記載の番号λ1(波長5.5μm)〜λ30(波長50μm)の選定波長における分光反射率を抽出する。なお、λ25(波長25.2μm)〜λ30(波長50μm)の反射率はλ24(波長23.3μm)の値を用いる。
iii)抽出した分光反射率にそれぞれJIS本文付表3に記載のAl蒸着鏡の標準反射率を乗じ、λ1〜λ30の選定波長における評価試験体の反射率とする。iv)前記反射率の平均値を遠赤外線反射率とする。
(3)測定条件:波長範囲「5〜25μm」アボダイス係数「Happ−Genzel」、積算回数「10回」、分解能「4.0cm−1」。
C.耐腐食性
(1)測定方法:
i)試験体を60℃×90%環境下の恒温恒湿層内に静置する。
ii)25時間ごとに試験体を取り出し、目視にて外観を観察し腐食(灰色に変色している部位)ならびに銀層・ハードコート層の亀裂有無を確認する。本試験を100時間まで継続する。
(2)判定基準:「○」:腐食・亀裂無し、「×」腐食・亀裂有り 。
D.クロスカット法(密着性)
(1)規格:JIS K5600−5−6:1996に準拠
(2)測定方法:
i)カッターナイフを用い、試験体表面にタテ方向6本、ヨコ方向6本の切りかきを1mm間隔で入れる(1mm角の正方形のマス目が25個形成される)。
ii)No.31粘着テープ(日東電工(株)製)を試験体表面の切りかき部に貼り付け、指で擦り圧着させる。
iii) ii)で貼り付けたテープの一端を60°方向に、約0.5〜1秒の時間をかけて引き剥がす。
(3)判定基準:「○」:25個全てのマス目で剥離無し、「×」:1/25個以上のマス目で剥離有り・
E.日射熱侵入率
(1)規格:JIS A5759:2008に準拠
(2)測定方法:
i)分光測光器「UV−3150(株式会社島津製作所製)」を用い、評価用試験体の波長300〜2500nmの分光透過率、分光反射率を5nm間隔で測定する。
ii) i項で測定した分光透過率にJIS本文付表13記載の重価係数を乗じて加重平均し日射透過率を算出する。i項で測定した分光反射率にAl蒸着鏡の標準反射率を乗じて加重平均し日射反射率を算出する。
iii)前記日射透過率、日射反射率から、日射熱侵入率を算出する。
F.可視光透過率
(1)規格:JIS R3106−1998に準拠
(2)測定方法:
i)分光測光器「UV−3150(株式会社島津製作所製)」を用い、評価用試験体の波長400〜780nmの分光透過率を10nm間隔で測定する。ii)前記透過率にJIS本文付表1に記載の重価係数を乗じた後、平均値を算出し可視光透過率(%)とした。
(3)測定条件:波長範囲「400〜780nm」、スキャンスピード「高速」、
分解能力「10nm」 。
[実施例1]50μm厚のPETフィルムの片面に、アクリル系ハードコート剤「オプスター(登録商標。(以下同じ。))Z7535(JSR(株)製)」を塗布し、乾燥した後にUV照射し、厚さ3μm厚のアンダーコート層を形成した。さらに、当該アンダーコート層上をプラズマ処理し、積層フィルムの基材とした。次に、当該基材のアンダーコート層上に銀中に金を2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて厚さ15nmの熱線反射層を形成した。さらに、当該熱線反射層上にアクリル系樹脂「オプスターZ7535(JSR(株)製)」を塗布し、乾燥した後にUV照射し、厚さ0.8μmのハードコート層を形成し積層フィルムを得た。
[実施例2]銀中に金を5質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例3]銀中に金を2質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例4]銀中に金を3質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例5]銀中に金を4質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例6]銀中に金を5質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例7]銀中にパラジウムを2質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例8]銀中にパラジウムを3質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例9]銀中にパラジウムを4質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[実施例10]実施例1と同様に基材を作製した後、当該基材のアンダーコート層上に金属酸化物膜としてITO(50nm)を形成し、その上に(実施例4と同様のスパッタリングターゲットを使用した金属膜を形成し、更にその上にITO(50nm)を形成し熱線反射層を形成した。さらに、実施例1と同様の方法でハードコート層を形成し積層フィルムを得た。
[比較例1]銀中に金を1質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[比較例2]銀中に金を1.5質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
[比較例3]銀中にパラジウムを1質量%、銅を0.2質量%含有するスパッタリングターゲット材を用いて熱線反射層を形成したことを除き実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
実施例1〜10および比較例1〜3の各試験体について、上述した測定方法を用い、耐腐食性、密着性、遠赤外線反射率、日射熱取得率、可視光透過率を測定した結果を表1および表2に示す。
銀中の金含有率を2.5質量%とした実施例1および2、銀中の金含有率を2、3、4、5質量%、銅の含有率を0.2質量%とした実施例3〜6、銀中のパラジウム含有率を2、3、4質量%、銅の含有率を0.2質量%とした実施例7、8、銀中の金含有率を3質量%、銅を0.2質量%とし、かつ銀層をITO層でサンドイッチした実施例10は、いずれも耐腐食性試験100時間後に銀の腐食および銀層の亀裂は発生しておらず、判定は「○」であった。また、クロスカット法による密着性試験においても、各層間に剥離は発生せず判定は「○」であった。さらに、全ての試験体で遠赤外線反射率は85%以上であり、かつ日射熱取得率は0.6以下であった。
一方、銀中の金含有率を1、1.5質量%、銅の含有率を0.2質量%とした比較例1、2、銀中のパラジウム含有率を1.0質量%、銅の含有率を0.2質量%とした比較例3は、いずれも耐腐食性試験100時間後に銀の腐食および銀層の亀裂が生じており、判定は「×」であった。
上述した結果から、銀中に金または/およびパラジウムを2〜5質量%添加することにより、銀の腐食が発生し難く耐久性に優れ、かつ、銀層の赤外線反射性能により、住宅・ビル等の窓ガラスに貼合した場合に遮熱性と断熱性を有する窓貼り用に好適な積層フィルムを得ることができた。
Figure 2013141753
Figure 2013141753
本発明の積層フィルムは、銀層を形成した積層フィルムでありながら銀層の腐食が発生し難く高い耐久性を有し、かつ、赤外線反射性能に優れているので、住宅・ビル等の窓ガラスに好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 合成樹脂からなる基材の片面に、熱線反射層、ハードコート層を順に形成した積層フィルムであって、熱線反射層が金属層または、金属層と金属酸化物層および/または金属窒化物層とからなり、金属層が銀を主成分とし、少なくとも金および/またはパラジウムを、金原子およびパラジウム原子の合計として2〜5質量%含むことを特徴とする積層フィルム。
  2. 金属層が銅を0.1〜2質量%含むことを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. 合成樹脂からなる基材と熱線反射層の間にアンダーコート層を形有することを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. JIS K5600に準じたクロスカット法による密着性試験において、層間剥離が生じないことを特徴とする請求項1〜3記載の積層フィルム。
  5. 請求項1〜4記載の積層フィルムの熱線反射層/ハードコート層形成面と反対面に粘着層を形成した窓貼り用フィルムであって、ハードコート層の面から測定した波長5.5〜50μmの遠赤外線反射率が85%以上であり、かつ、日射熱侵入率が0.6以下であることを特徴とする窓貼り用フィルム。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の窓貼り用フィルムがガラス板に貼り付けられた窓。
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