JP2013138624A - 豆腐類の連続式凝固装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 凝固剤入り豆乳を搬送しながら凝固させるための無端状の凝固用コンベヤCの下方側に配される凹状部材10の少なくとも一部が補助コンベヤ11を備えるか、又は凝固用コンベヤCと凹状部材10の間に配されて凝固用コンベヤCの搬送を補助する無端状の中間補助コンベヤEを備え、凝固用コンベヤCは、前記凹状部材の内側に沿うように凹状の凝固槽を形成して搬送され、前記補助コンベヤ11又は前記中間補助コンベヤEは、凝固用コンベヤCと共に駆動する。
【選択図】 図1
Description
また、上記特許文献1と2では、この固定の凹状部材の裏側の洗浄は凝固用コンベヤを大きく緩ませて、その隙間から人手によって行われる。すなわち、コンベヤと凹状部材の間の洗浄を十分に行なうことが難しいと言う問題を有する。
さらに、豆腐類の連続式凝固装置では、省スペースを図るため、凹状の形を深くして、そのブロック状の豆腐から縦取り(豆腐1丁の最短辺を深さ方向にする、いわゆる“平取り”に対して、豆腐1丁の最長辺や第二の長辺を深さ方向にする、いわゆる“縦取り”という。)を行い、豆腐包装時に綺麗な切断面をフィルム側にして商品の見栄えを良くしたり、更にこれにより搬送距離を短くしたい場合は深さを2丁分以上にする“数段取り”を行う場合には凝固用コンベヤの負荷軽減を考慮した設計が重要になる。
凝固用コンベヤの形態は、特に限定しないが、前記凹状部材の内側に沿うように、薄くて周回方向にある程度の強度があって、少なくとも無端状で側壁に相当する両端部の起伏が可能になるように、横方向に屈曲性ないしは柔軟性のある無端状ベルトが望ましく、一般的には薄い食品用ベルトが好ましい。また、無端状で側壁に相当する両端部の起伏が可能になるように周回方向に沿った折り目等が形成されていてもよい。また、凝固用コンベヤは前記補助コンベヤと共用するか又は別途設けられた駆動モータとそれに連結される駆動軸を介して基台を周回するよう構成する。周回する前記凝固用コンベヤはその搬送部(往路)において、その上側に搬送物(凝固剤入り豆乳ないしは豆腐)を乗せて搬送し、その下側に位置する前記補助コンベヤによって支持されて移動し、その戻り部(復路)においてはその下側で支持するレールや板材・丸棒材等の固定支持部材や、折り返し箇所や方向変換箇所においてローラやローラ軸やスプロケット等の遊動支持部材で支持ないしは周回するように案内される。また各コンベヤの周回する軌道上、搬送部(往路)や戻り部(復路)や折り返し部等においては、加熱装置、保温装置、洗浄装置ないしは洗浄手段、蛇行防止装置、テンション調整装置など適宜設けられる。すなわち、前記凝固用コンベヤはその搬送部においては同方向で同調又は同期し移動する補助コンベヤで支持・案内されながら、安定して定速で搬送し周回できる形態であればよい。凝固用コンベヤの固定支持部材や遊動支持部材など周回補助部材等の構成や制御機構は特に限定しない。前記凝固用コンベヤは食品に接触が認められた不透水性の材質であればよく、例えば、金属製よりも、芯材に樹脂製布や金属ワイヤー等を芯材として表面に食品接触用の樹脂やゴムをコーティングした、薄めのベルト式コンベヤなどが挙げられる。例えば、アラミド繊維製の布からなる芯材に樹脂コーティングされたベルトが好ましい。前記凝固用コンベヤについては強度よりも屈曲性、屈曲耐性、柔軟性や衛生面を優先した選定になる。
前記補助コンベヤの形態は前記凝固用コンベヤの搬送部において前記凹状部材を形成すれば特に限定しない。前記補助コンベヤは無端状で側壁に相当する両端部が起伏可動に構成されるか、折り返した形に固定された構成であってもよい。両端部が起伏可変に構成された場合は、周回軌道上、周回させながら、凹状に形成されたり、平坦に形成されて上下に折り返されたり洗浄槽に潜らせたり、適宜起伏するようにロールやガイド等の案内部材を設ける。前記補助コンベヤは前記凝固用コンベヤと共用で設けられた駆動モータ又は別途設けられた駆動モータと連結される駆動軸を介して基台を周回するよう構成する。周回する前記補助コンベヤはその搬送部(往路)においてその下側で位置するレールや板材等の固定支持部材や方向変換箇所に位置するローラやローラ軸やスプロケット等の遊動支持部材等で支持されて、その上側に位置する前記凝固用コンベヤを支持して同じ方向に移動する。前記補助コンベヤの戻り部(復路)においてはその下側で支持するレールや板材等の固定支持部材や、折り返し箇所や方向変換箇所に位置するローラやローラ軸やスプロケット等の遊動支持部材等で支持ないしは案内される。前記補助コンベヤは搬送部において凝固用コンベヤと同調又は同期して、安定して定速で周回できる形態であれば、固定支持部材や遊動支持部材など周回補助部材やその構成や制御機構は特に限定しない。前記補助コンベヤは少なくとも直線搬送に向くものであれば特に限定しない。例えば、金属製または樹脂製なしはゴム製のベルト又はコンベヤであってもよく、平ベルトや丸ベルト等であってもよい。また芯材に樹脂製布や金属ワイヤー等を備えた樹脂製ないしはゴム製のベルトないしはコンベヤなどであってもよく、少なくとも周回方向に大きな強度のある形態が好ましく、一般的には厚みや剛性のあるベルト材料が選ばれる。また少なくとも1つ以上の無端状チェーンに多数の丸棒や角材や平板等の支持部材が備わったバーコンベヤないしはキャタピラコンベヤや、多数の平板部品同士が前後にピンや蝶番等によって連結した無端状コンベヤ(例えば椿本チェーン製「トップチェーン」「スラットバンドチェーン」「ワイドトップチェーン」、ハバジット製「スラットトップチェーン」「スナップオンチェーン」「ケースチェーン」)も含めた支持部材連結型コンベヤが好ましい。前記支持部材連結型コンベヤの支持部材の材質は金属製、樹脂製など特に限定しない。また前記補助コンベヤとしてはチェーンコンベヤや遊動ローラ(又は駆動ローラも含む)が基台に固定されたローラテーブル、ローラコンベヤ等の固定型コンベヤであってもよい。
各補助コンベヤの形態は特に限定しないが、無端状に形成され、駆動モータやレールや板材やローラ等で支持又は案内されながら、凝固用コンベヤを支持又は案内しながら定速で周回できる形態であればよい。例えば、補助コンベヤは金属や樹脂製で、硬質の平板がチェーンを介して前後に多数連結したキャタピラ式チェーンコンベヤや硬質平板に配設した連結部を介して連結したチェーンないトッププレート型コンベヤ等の、食品用樹脂、ゴム、金属製部品からなるベルトコンベヤが適用できる。また凝固用コンベヤの進行方向に回転するローラが多数平行に配設されたローラコンベヤが凹状部材の底部側や左右側壁に備えた形態でもよい。前記ローラやローラ軸は受動式(遊動式)ないしは自動式(駆動式)の少なくとも1つが混在していてもよい。柔軟な凝固用コンベヤの場合は特に小径で密に並んだローラコンベヤが好ましく、剛性のある凝固用コンベヤの場合は大径ないしは粗に並ぶローラコンベヤであってもよい。
本発明において、当該「共に同方向に駆動する」とは、共に凝固剤入り豆乳を同じ方向に搬送するように周回駆動することを意味する。その周回駆動する各コンベヤは同期や同調して、同じ搬送速度であることが最も好ましいが、お互いに少し異なる速度でもよい。例えば凝固用コンベヤに対して補助コンベヤが少し遅ければ凝固用コンベヤに適度なテンションを与え、また逆に凝固用コンベヤに対して補助コンベヤが少し速ければ凝固用コンベヤの駆動を補助し、搬送物(凝固剤入り豆乳)から受ける荷重負荷由来のベルト張力(即ち搬送物による負荷)を減らすことになる。好ましくは補助コンベヤと凝固用コンベヤと同速度で同期又は同調して駆動する。なお、同期とは、例えば2つのコンベヤが同じタイミングの動作(起動、停止等)で搬送することを言い、同調とは、2つのコンベヤが同じ速度や加減速度であってその速度や加減速度を同じように共に合わせて駆動することを言いうものとして使用する。
これに対して、本発明によれば、前記底部側補助コンベヤとその左右に位置する側壁側補助コンベヤの少なくとも一方が凝固用コンベヤの搬送を補助するので、凝固用のコンベヤにかかる搬送物による負荷を大幅に軽減できる。
なお、前記凹状部材の上に位置するコンベヤベルト上には、凝固剤入り豆乳を堰き止める上流側の堰が配され、この上流側の堰は、前記無端状のコンベヤベルトを前記凹状部材の底部に密接させる固定板として、前記無端状のコンベヤベルトを前記凹状部材の内側に沿うように押し下げることが好ましい。前記凹状部材の上流側の堰は、前記凹状部材の上流側の端部内側に沿うように配され、前記無端状のコンベヤベルトを前記凹状部材の端部内側に沿うように押し下げることが好ましい。また、生産中は、前記凝固用コンベヤの進行方向に対して後方側には固定堰が設けられ、凝固剤入り豆乳の漏れないように維持する。生産の最初には前方側にも移動堰を設けて凝固用コンベヤに乗せて、凝固剤入り豆乳を前方に漏れないようにする。生産の最後にも前記後方側の固定堰の固定を外して移動堰として移動させるか、又は別途に移動堰を差し入れて、凝固用コンベヤに乗せて移動させる。いずれの移動堰も連続凝固機の前端まで達したら近接スイッチ等で感知されてオペレータによって取り除かれる。
また、無端状のコンベヤを使用するので、それぞれのコンベヤのリターン側(戻り部)に洗浄槽や洗浄装置を配することができるので、生産中又は洗浄中に各コンベヤを周回駆動させながらコンベヤの自動洗浄が行なわれるようになる。従来よりも衛生的な豆腐類の製造を可能にできる。
本発明によれば、最も搬送物の荷重がかかる前記凝固用コンベヤの底部側を支持する凹状部材の底側を、共に同じ方向に駆動する補助コンベヤにすることによって、前記凝固用コンベヤにかかる張力・負担を軽減できる。側壁側は固定であり多少の負荷があるものの、構造がよりシンプルで構成部品が少なく、経済的である。
本発明によれば、搬送物である、凝固剤入り豆乳又は熟成中の豆腐類は、液状ないしは軟らかい状態であり、凝固した直後の温かい豆腐は陸上では自立しにくく扁平に変形しやすいため、底面のみならず、側面にも荷重がかかりやすく、水平方向(特にコンベヤ進行方向に対して横方向に)に広がる力が働いて、凝固用コンベヤと凹状部材の側壁の間には相応する摩擦力が発生し、それが凝固コンベヤに負荷をかける一因になっているが、前記凹状部材の側面部材を、共に同じ方向に駆動する側壁側用の補助コンベヤにすることによって、前記凝固用コンベヤにかかる張力・負担をある程度軽減できる。本発明では凹状部材の底部側は固定であるが、凝固槽で形成する凝固物が厚いほど凝固用コンベヤへの負荷の軽減効果は大きくなる。また凝固用コンベヤの両端部は凹状部材内側に沿って起伏が繰り返される部分であり、側壁側固定式の板と摺動するような形態では、最もシワが寄りやすく、傷がつきやすく、破損しやすいが、本発明によって、凝固用コンベヤの寿命を伸ばすことができる。
本発明によれば、搬送物の荷重がかかる前記凝固用コンベヤの底部側と両側壁側を支持する凹状部材の底面及び/又は側面の少なくとも一方を可動式補助コンベヤで構成し、共に同じ方向に駆動する底部側補助コンベヤ及び/又は左右一対の側壁側用補助コンベヤで構成することによって、前記凝固用コンベヤにかかる張力・負担を最大限軽減できる。凹状部材の底面及び側面の両方を可動式補助コンベヤで構成した場合、駆動部が増えて、装置コストやメンテナンス費用は少し高くなるが、凝固用コンベヤの破損に伴う高額な修理費用を考慮すれば、凝固用コンベヤ寿命が伸びることになれば、トータルでの費用は軽減される。
また、本発明によれば、凹状の凝固槽を形成する凝固用コンベヤの底部側と左右の側壁側からそれにかかる負荷を軽減すると共に、前記底部側補助コンベヤとその左右に位置する側壁側補助コンベヤを別々に配するか、または底部側と側壁側の一体型にした補助コンベヤを配することで、凝固槽を形成する凝固用コンベヤの深さを深くすることが容易になる。また、左右の角隅部や底部側固定部材には凝固用コンベヤの裏側を洗った洗浄水用の排水機能を持たせる構成にしてもよい。
本発明は、前記凝固用コンベヤの搬送部を支持する凹状部材が一体型の可動式の凹状部材である。一体型可動式の凹状部材は、例えば断面がコの字の平板を多数配設したチェーンコンベア、即ちコの字型キャタピラや、側壁が起伏して凹状に組み立てられるコの字型キャタピラなどの補助コンベヤである。一体型可動式の凹状部材は、両端にシリコンゴム等の伸縮性のゴム製部材で側壁を構成した金属ベルトであったり、小さめの平板が両端に蝶番等の可動継手部品を介して多数配設された側壁付き金属コンベヤである等の補助コンベヤであってもよい。プラスチック製プレートをヒンジ(継手ピン)連結されたプラスチックチェーンであってもよい。材質は金属製以外に硬質の樹脂製であってもよい。市販品のプレート連結式のコンベヤを利用して、容易に可動型の凹状部材を形成することができ、それを支持するレールやロール等もシンプルであり、装置コストも低減しやすい。
本発明によれば、凹状部材としては底部側と両側壁側を多数のプレートで一体的にコの字型に形成する補助コンベヤであるため、駆動手段も1つでよく装置コストを抑えて、凝固用コンベヤにかかる搬送物荷重による負荷を最小にできるとともに、補助コンベヤ用駆動部は側壁側と底部側に分けることなく1つでよく、装置コストを低減できる。
本発明によれば、固定式の凹状部材と前記凝固用コンベヤとの間に、無端状の左右側壁側補助コンベヤないしは無端状の底部側補助コンベヤの少なくとも1つのコンベヤが介在して、凝固用コンベヤの搬送を補助する形態である。前記側壁側補助コンベヤないしは前記底部側補助コンベヤは前記凝固用コンベヤと共に同じ方向に駆動し、同期又は同調して駆動する形態が好ましい。また前記凝固用コンベヤと前記固定式の凹状部材との間には、前記凝固用コンベヤを支持するように少なくとも1本以上又は複数本の無端状の中間補助コンベヤを凹状の凝固用コンベヤの裏側で側壁側及び/又は底部側に配してもよい。
本発明は、前記凝固用コンベヤと前記固定式の凹状部材の間に中間補助コンベヤを備える形態であり、補助コンベヤの数や形態や配置によって、凝固用コンベヤの底部側や側壁側への荷重負担を軽減することができる。
本発明によれば、本願出願人が前記特許文献に記載して既に提供した、固定式の凹状部材と凝固用コンベヤからなる豆腐類の連続式凝固装置について、本発明の形態に変更することも容易であり、固定の凹状部材をそのまま利用して、その内側に底部側及び/又は左右側壁側を可動式に改造すれば、既存機を入れ替えるための経済的負担が低減し、凝固用のコンベヤにかかる負荷を軽減した形態にすることができる。
本願発明によれば、凝固用コンベヤを多重構造(多層構造)とする形態であってもよく、凝固剤入り豆乳や豆腐に直接に接する最上側(最外周側)の凝固用コンベヤの負荷を軽減する。
本発明の豆腐類の連続式凝固装置における前記補助コンベヤは金属ベルトや芯材(布や金属ワイヤ等)入りの樹脂ベルトや、平板を連結させたキャタピラ型であって金属製や樹脂製のコンベヤなど強靭性があって、潤滑性や透水性のある汎用コンベヤやベルトであってもよく、直接凝固剤入り豆乳に接しないので敢えて食品用の表面材質でなくてもよい。一方、豆乳や凝固剤入り豆乳と接する凝固用コンベヤ(ベルト)は、少なくとも表面材質は食品用の樹脂製やステンレス等の金属製であり、芯材(布や金属ワイヤ等)入りで強靱なベルト材質の方がよいが、敢えて強靭性は求められず、食品用の表面材質であって、不透水性、耐薬品性、柔軟性、離型性が求められる。なお、本発明ではこれらの要求事項を満たす範囲内で、補助コンベヤないしは中間補助コンベヤの材質は凝固用コンベヤと同じ材質又は同じ形態又は同じ機構のコンベヤであってもよい。
本発明によれば、各コンベヤのリターン側の空間を利用して、周回ごとにコンベヤを洗浄する。凝固用コンベヤや各補助コンベヤについて、洗浄薬液の散水装置や洗浄槽等の洗浄装置による自動洗浄が容易になる利点を有する。また生産中でも清水や温水や蒸気等による簡易洗浄殺菌も実施しやすく、より衛生的な製造を長時間可能とする。補助コンベヤには樹脂製モノフィラメントから成る濾布など透水性・洗浄性の優れたベルト材質を使用して、洗浄性を向上させることも可能である。
そして、上記各補助コンベヤを洗浄する洗浄槽を設けることで衛生的な構造になり(搬送させながら洗浄でき)、凝固用コンベヤに折り目や薄い部分等がある場合や、凹凸が形成されていても、これらの隙間にある汚れを洗浄槽で洗浄除去する。よって、凹状状態を長く維持して搬送しても衛生的であるなど種々の効果を生じる
本実施の形態は、図1(a)(b)(c)ないし図3に示すように、基台2の上方に配される凹状部材10と、基台2の長手方向に沿うように駆動する凝固用コンベヤCと、補助コンベヤ(中間補助コンベヤ)Eを備えた豆腐類の連続式凝固装置Z1である。なお、豆腐類の連続式凝固装置Z1により、凝固されたシート(ブロック)状の豆腐Tは、絹ごし豆腐やソフト豆腐の場合は壊さず、木綿豆腐や生揚げ生地等の場合、図12や図13に示すように、壊し装置Miで壊されて、次の成型機21,22に搬送され、切断分配装置やパック詰め装置に搬送される。
軸ローラ4の径を小さくでき(金属ベルトのように大径のローラ4を使用しなくても良くなる上、金属ベルトやロールの自重や張力による負荷を小さくできる。)、これにより凝固用コンベヤCの周回範囲(外周)を小さくできるとともに、後工程の切断分配コンベヤ等への乗り移りの距離を近づけることができ、乗り移りがスムーズにできる。
また、図示はしないが、駆動軸とのスリップを防ぐため、ベルト裏面、横方向に凹凸を有する形状にして、駆動軸の凹凸と噛み合うように構成してもよい。コンベヤベルト両端に設けられた等間隔の穴に応じたピンを備えるような蛇行防止とスリップ防止を兼ね備えた形態であってもよい。また、コンベヤとの摩擦を高めた金属製ないしは樹脂・ゴム製軸ローラであることが好ましい。また、凝固用コンベヤCの下方側の復路(ロール軸4からロール軸4までの間)に別途駆動装置を設けても良い。
ここで、中間補助コンベヤEとしては、図4(a)(b)(固定の凹状部材10は一点鎖線で示す。)に示すように、平板を連結させたキャタピラ式のコンベヤE1,E2を使用することが可能である。図4(a)に示すキャタピラ式の中間補助コンベヤE1は、短冊状平板(金属製、樹脂製プレート)P1の両端部が蝶番で連結されている。(b)に示すキャタピラ式の中間補助コンベヤE2は、断面コの字型プレートP2を1本以上のチェーンに等間隔に取り付けられた両端固定式平板のキャタピラ式補助コンベヤ(支持部材連結型コンベヤ)の一例である。凹状に組み立てられる断面コの字型プレートE2は、短冊状平板の両端をほぼ垂直に折り返した固定型コの字平板である。(a)に示すキャタピラ式の中間補助コンベヤE1は、短冊状平板(金属製プレート、樹脂製プレート)の両端部が蝶番で連結されて、その両端部が垂直位置や水平位置等に適宜可変可能な形態であってもよい。両端折り返しが固定の場合は基台を周回させた戻り部で洗浄槽に潜らせることが難しいが、両端折り返しが可動の場合は水平位置にして洗浄槽を潜らせるように案内することも可能である。これに対して、図4(a)に示す平板プレートの中間補助コンベヤE1は、洗浄槽を通過させ易い。
凝固用コンベヤCや中間補助コンベヤE1,E2には、各々のリターン側に洗浄槽Sc,Seが配されている(図1(b))。すなわち、無端状の中間補助コンベヤE1,E2のリターン側の空間を利用して、各々のコンベヤの洗浄を行なう。凝固用コンベヤCや中間補助コンベヤE1,E2の洗浄は一つの洗浄槽Sで行なうことも可能である。なお、図1(d)は中間補助コンベヤE2を配した状態の断面図である。
ポリアリレート繊維(クラレ製「ベクトラン」(登録商標)、米国ハネウエル製スペクトラ繊維)等)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール(PBO)繊維(東洋紡績製「ザイロン」等)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維(東洋紡績製「プロコン」(登録商標)、東レ製「トルコン」(登録商標))、フッ素繊維(東レ製「トヨフロン(登録商標)」「テフロン(登録商標)」)、高強度ポリビニルアルコール(PVA)系繊維(クラレ製クラロンK−II)、ポリケトン繊維(旭化成製「サイバロン(登録商標)」)などが挙げられ、これらに限定するものではなく、これらを複合して、紡績した糸ないしは、任意に組み合わせて織り上げた布でもよい。また多少の強度が劣っても、従来の一般樹脂製の繊維や天然素材の繊維(木綿・麻糸・絹など)からなる布でもよい。いずれの材質でも、細いモノフィラメント(0.5mm以下)ないしはそれを撚り合わせたマルチフィラメントないしは紡糸で、高張力繊維、耐疲労性(耐屈曲疲労性)を有することが好ましい。布の織り方は、平織り、綾織りなど、少なくとも厚みが薄く、縦方向に伸びにくい織り方であれば限定しない。特に伸びが大きい布であると、豆腐Tの重量による摩擦が大きく、布の伸縮によるシャクリ現象が発生するので、好ましくない。また高強度の不織布タイプでもよい。モノフィラメントが0.5mm以上の繊維から成る布は折り曲げRが大きく、豆腐の角が丸くなり、好ましくない。
樹脂コーティング7は、裏面については凹状部材10との摩擦が少なく、表面については食品衛生上の規格基準(各国の規格基準)に適合する樹脂で、豆腐との剥離性がよく、屈曲部の剥離やひび割れが起きにくい(耐屈曲疲労性ある)方が好ましい。この樹脂コーティング7も厚くなりすぎると、柔軟性に欠き、屈曲部のアール(R)も大きくなり好ましくない。特に絹ごし豆腐の場合、角のアール(R)が10mm以上大きいと見栄えが悪くなり、両端の豆腐だけ量目不足を起こす可能性がある。豆腐の角のアールが5mm以下であれば実質問題になりにくい。豆乳が入れられる側の一方側表面に少なくとも樹脂コーティング7が施されていれば良いが、裏面も含め全体樹脂コーティングが好ましい。そして、全体樹脂コーティングが施されることで、不透水性とすることが好ましい。特に、前記凹状部材10が金属製又は鋼鉄製等の固定で不透水性構造とされる場合は、アラミド繊維3にフッ素樹脂を含浸なしいはコーティング7を行ったベルトを凝固用コンベヤCとして採用することで、屈曲の繰り返しによるコーティングの剥離等がなく(耐屈曲疲労性が高く)、豆腐の荷重がかかった状態でも、滑りが良くなる。また、フッ素樹脂含浸のアラミド繊維布製ベルトは張りがあって伸びや歪みが殆どなく、0.5〜5mm程度と薄くても引張強度があり、磨耗に強く(特に凹状部材10との摩擦にも強く)、破損が少なく、また撥水性があり豆腐の剥離性が良く、汚れも付着しにくく衛生的で、熱(高温)に強く(上記凝固槽の加熱手段が配される場合)、耐薬品性にも優れている。なお、中間補助コンベヤEについても、上記素材のものを使用可能である。
ここで、上流側の堰9の下流側では、豆乳が供給されるので、豆乳の重みによって無端状の凝固用コンベヤCを凹状部材Cの底部に接触させる。これは、豆乳が供給されると、無端状のコンベヤ上で凝固して固定の錘のように均一に荷重がかかりやすくなるからである。また、装置の大きなものや“縦取り”(豆腐一丁の寸法のうち最大の辺を深さに合わせる)にする。すなわち無端状の凝固用コンベヤCで構成される凝固槽の深さを深くすることによって豆乳ないしは豆乳凝固物を下流側に搬送すれば一層効果的である。
また、図示しないが、生産終了時にも着脱式堰を豆腐Tの後端に使用し、この着脱式の堰は、前記凹状部材10の上流側の端部10tから下流側の端部まで移動することで、生産終了の堰の役割を果たすものでも良い。前記凝固用の上流側の堰9を前記上流側の堰9とした場合、この豆腐後端を保持する着脱式堰は、補助的な上流側の堰と言える。
一方、下流の堰は、生産開始時だけ、着脱式堰を使用して、シート(ベルト)状豆腐Tが形成された後は、着脱式堰は取り去り、その豆腐T自身が堰になる。なお、これら下流側の着脱式の堰や上記補助的な上流側着脱式堰も、前記上流側堰9と同じように、前記凹状部材10の上流側端部10tに沿って、コンベヤを押し下げて、凹状部材10の内側に沿うように密着させる作用効果がある。
図1(a)(b)(c)に示すように、駆動手段Mにより駆動ローラ4を駆動させて、凝固用コンベヤCを駆動させるとともに、駆動手段Mにより駆動ローラE4を駆動させて、中間補助コンベヤEを駆動させると、各コンベヤC,Eは、洗浄槽Se,Scで周回するごとに洗浄された状態で搬送される。
そして、本願出願人が既に提供した豆腐類の連続式凝固装置の凹状部材10をそのまま使用して、補助コンベヤを追加する改造を比較的容易に行いやすく、凝固用コンベヤCにかかる負荷を軽減することができる。また、凝固用コンベヤCと補助コンベヤEと全て固定の凹状部材からなる多層構造になっているので、凝固用コンベヤCへの負荷が軽減し、強度は比較的低くても柔軟性のある不透水性の素材を凝固用コンベヤCに採用できる。その結果、皺の発生による豆腐表面の凹凸が少なくなり、両端の豆腐の下側角部の丸みが少なくなり、見栄えのよい豆腐類が製造される。
凝固用コンベヤCには、薄い部分3cや3dや折り目Ctがあるので、ベルト積層部材3の位置では、この部分を境にして左右端Ctが折り込まれて凹状(凝固槽Ca,Cb)を形成するが、後方(上流側)と前方(下流側)の軸ローラ4の位置では、平ベルトの状態に戻されて搬送可能状態になる(図2)。凝固用コンベヤCの凹状部分(凝固槽Ca,Cb)にニガリ等の凝固剤を添加・混合した豆乳(凝固剤入り温豆乳で、豆乳固形分濃度3〜15%wt、温度も40〜99℃以上、好ましくは60〜95℃が通常である。)をその供給手段6から供給すると、凝固されながら凝固用コンベヤCにより下流側に搬送されて行き、その搬送の過程で凝固された状態の豆腐(シートないしはベルト状の豆腐)Tが連続的に繰り出される。このように連続成型機21,22にて連続的に凝固成型されたシート(ベルト)状の豆腐は、コンベヤにて搬送されながら、直交する方向に切断(横切り)されブロック状の豆腐となり、ブロック状の豆腐Tの上において移動可能な刃(コンベヤの幅方向に間隔調整可能な刃)を備える切断分配装置(縦切り)にて搬送方向に切断されて1丁単位の豆腐となる。
本実施の形態は、図6(a)(b)(c)に示すように、凝固剤入り豆乳を搬送しながら凝固させるための無端状の凝固用コンベヤCと、凝固用コンベヤCの下方側に配され凹状に組み立てられる無端状の底部側補助コンベヤ11pとその左右に位置する無端状の側壁側補助コンベヤ11qとを備えた豆腐類の連続式凝固装置Z2である。
なお、側壁側補助コンベヤ11qと凹状部材10a(10)との組み合わせにより構成される場合は、さらに前記中間補助コンベヤE(E1,E2)が組み合わされても良い。帆布や芯線に含浸ないしは貼付(塗布、コーティング)ないしは含浸される樹脂は、ウレタン樹脂(熱可塑性ポリウレタン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニール樹脂、熱可塑性ポリオレフィン、ポリプロピレン樹脂など「食品用ベルト」といわれるものを広く採用することができる。
本発明としては、各コンベヤが、通常の平滑な表面の食品用ベルトでもよく、少なくとも豆乳が入れられる側(接液側、表側)の一方側表面には樹脂コーティングが施された布製等を芯材とするベルトであることが好ましい。またコンベヤはゴム製であってもよく、芯材がなくてもよい。芯材はコンベヤの張力を付与して、また凹状に折り返す妨げにならないことが好ましく、布以外に、網状部材や縦方向(周回方向)に沿って構成された糸状部材でもよい。これら芯材の材質は、木綿・麻等の天然繊維や各種化学合成繊維や、特に縦糸に剛性があり、伸びない材質が好ましく、細い金属線(スチールワイヤー等)でもよい。また、更に装置コスト軽減上、前記凹状部材が金属製(ステンレス、チタン、アルミ等)又は樹脂製の固定式の板やレール状部材ないしは可動部材を採用してもよい。特に前記布は、アラミド繊維からなる布で、フッ素樹脂コーティングが施された不透水性であることが好ましい。アラミド繊維からなる芯材に樹脂コーティングされたベルトで構成することで、コンベヤの伸びを抑えて強度も増して、ベルト自体を薄くすることができ熱伝達率がよく、高温凝固では凝固時間を短縮できるとともに、凹状部材との摩擦にも耐久性を発揮する。熱伝達率が向上すれば、凹状部材に保温・加熱手段を備えることによって、逆に従来より凝固温度をある程度下げても弾力のある保水性のよい高品質な豆腐を製造できる。また、後述するように、凹形状態から平ベルトに戻すときや、折り目をつける場合も、その弾性力により平ベルトの状態に戻り易い。アラミド繊維からなる布で、フッ素樹脂コーティングが施された不透水性であると、凹状部材が鋼鉄製や金属製であっても、上記種々の効果を発揮する。例えば、前記凝固用コンベヤCのベルト素材としては、市販のフッ素樹脂含浸クロスやフッ素樹脂ベルトと言われるもの等が好適である。
図6(a)(b)(c)に示すように、駆動手段Mにより駆動ローラ4を駆動させて、凝固用コンベヤCを駆動させるとともに、駆動手段Mにより駆動ローラE4を駆動させて、駆動手段Maにより底部側補助コンベヤ11pと駆動手段Mbにより左右の側壁側補助コンベヤ11qを駆動させると、各凝固用コンベヤC,底部側補助コンベヤ11p,左右の側壁側補助コンベヤ11qは、洗浄槽Sc,Sp,Sq,Seで周回するごとに洗浄されて状態で搬送される。底部側補助コンベヤ11pと左右の側壁側補助コンベヤ11qは、凝固用コンベヤCと共に駆動する。
本実施の形態によれば、凹状部材10の左右の側壁部10bを高くして凝固用コンベヤCの凝固槽を深く(左右の側壁部Cbを高く)しても、凝固用コンベヤCは軸ローラ4,4の位置で平ベルトに戻されて折り返されて周回させることから、軸ローラ4、4の径を小さくできて、省スペースとコスト低減を図ることができる。
本実施の形態は、図14に示すように、固定式の凹状部材10に沿うように、凹状に組み立てられる無端状の底部側補助コンベヤ11pとその左右に位置する無端状の側壁側補助コンベヤ11qとを備え、そして、この可動式の凹状部材11p,11qの内側に無端状の凝固用コンベヤCが配されている豆腐類の連続式凝固装置Z5である。すなわち、固定式の凹状部材10を土台として、可動式で凹状に組み立てられる無端状の補助コンベヤ11pとその左右に位置する無端状の補助コンベヤ11qとの可動式の凹状部材11を備える。洗浄槽ないしは洗浄手段は、固定式の凹状部材10に取り付けられて、洗浄時は凹状部材10を洗浄槽ないしは洗浄液の受け皿(樋)として利用して、凝固用コンベヤCや底部側補助コンベヤ11pや側壁側補助コンベヤ11qをCIP洗浄できるように構成して設けられてもよい。なお、可動式の凹状部材11p,11qは、固定式の凹状部材10の底部側10aを中心にその外周を周回するようにしたり、側壁側10bを中心にその外周を周回するようにしたりしても良い。
4,4A,4B,4C,E4 軸ローラ、
10 凹状部材、10a 底部(固定式の板)、10b 左右の側壁部(固定式の板)、
C 凝固用コンベヤ、Ca 底部、Cb 左右の側壁部(立ち上がり部)、
11 可動式の凹状部材(補助コンベヤ)、
11p 底部側補助コンベヤ(補助コンベヤ、可動式の凹状部材)、
11q 左右の側壁側補助コンベヤ(補助コンベヤ、可動式の凹状部材)、
E,E1,E2 中間補助コンベヤ(補助コンベヤ)、
S,Sc,Sp,Sq,Se 洗浄槽(洗浄手段)、
Claims (7)
- 凝固剤入り豆乳を搬送しながら凝固させるための無端状の凝固用コンベヤと、前記凝固用コンベヤの搬送部の下方側及び側面側に配される凹状部材を備え、
前記凝固用コンベヤは、その搬送部において前記凹状部材の内側に沿うように凹状の凝固槽を形成して凝固剤入り豆乳を搬送して、
前記凹状部材は、その底部側が無端状の底部側補助コンベヤにより構成され、この底部側補助コンベヤと前記凝固用コンベヤと共に同方向に駆動することを特徴とする豆腐類の連続式凝固装置。 - 凝固剤入り豆乳を搬送しながら凝固させるための無端状の凝固用コンベヤと、前記凝固用コンベヤの搬送部の下方側及び側面側に配される凹状部材を備え、
前記凝固用コンベヤは、その搬送部において前記凹状部材の内側に沿うように凹状の凝固槽を形成して凝固剤入り豆乳を搬送して、
前記凹状部材は、その左右の側壁側が無端状の側壁側補助コンベヤにより構成され、この側壁側補助コンベヤと前記凝固用コンベヤと共に同方向に駆動することを特徴とする豆腐類の連続式凝固装置。 - 凝固剤入り豆乳を搬送しながら凝固させるための無端状の凝固用コンベヤと、前記凝固用コンベヤの搬送部の下方側及び側面側に配される凹状部材を備え、
前記凝固用コンベヤは、その搬送部において前記凹状部材の内側に沿うように凹状の凝固槽を形成して凝固剤入り豆乳を搬送して、
前記凹状部材は、底部側が無端状の底部側補助コンベヤにより構成されるとともに、その左右の側壁側が無端状の底部側補助コンベヤにより構成され、これらの補助コンベヤと前記凝固用コンベヤと共に同方向に駆動することを特徴とする豆腐類の連続式凝固装置。 - 凝固剤入り豆乳を搬送しながら凝固させるための無端状の凝固用コンベヤと、前記凝固用コンベヤの搬送部の下方側及び側面側に配される凹状部材と、
これらの間に配され前記凝固用コンベヤと共に同方向に駆動する無端状の中間補助コンベヤを備え、
前記凝固用コンベヤは、その搬送部において前記凹状部材の内側に沿うように凹状の凝固槽を形成して凝固剤入り豆乳を搬送することを特徴とする豆腐類の連続式凝固装置。 - 前記中間補助コンベヤが断面コ字形状の支持部材連結型コンベヤであることを特徴とする請求項4項記載の豆腐類の連続式凝固装置。
- 前記底部側補助コンベヤ、左右の側壁側補助コンベヤ、又は、前記中間補助コンベヤが平板状の支持部材連結型コンベヤであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の豆腐類の連続式凝固装置。
- 前記凝固用コンベヤ及び/又は前記各補助コンベヤを洗浄する洗浄槽がこれらのコンベヤの周回軌道上の少なくとも戻り部に備えられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の豆腐類の連続式凝固装置。
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