JP7072829B2 - 豆腐の凝固装置 - Google Patents

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Description

本発明は、豆腐の凝固装置に関する。
連続的に豆腐を製造する豆腐の凝固装置が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1は、底部のスチールベルトと、スチールベルトの両端にシリコーンゴムなどの柔軟性のある側壁によって、断面凹状の凝固槽を形成し、凝固剤入り豆乳を凝固熟成させて、絹ごし豆腐状のシート状豆腐を連続的に成型する豆腐製造用コンベアであって、左右のガイド部材を駆動させるような側方コンベヤを不要とする衛生的な豆腐製造用コンベヤを提供することが開示されている。
特開2001-321112号公報
特許文献1に搬送ベルトの側方に側壁としての1枚の帯状のシリコーンゴムからなるガイド部材を設けることが開示されている。しかしながら、発明者の知見によれば、帯状のシリコーンゴムの場合、1~2年使用すると、ゴム材質の経年変化や、前後の回転ローラで周回する際に、シリコーンゴムに張力がかかり、割ける、欠けるなどにより、漏れが生じて、無用な洗浄箇所が発生し、不衛生になることがある。一方、シリコーンゴムは白く半透明であり初期には衛生的であるが、比較的苛性ソーダに弱く、耐久性に乏しく、1~2年で交換の必要もある。このことは、ユーザーにとって高額(特注品)な費用がかかるため、経済的負担が大きくなる。また、シリコーンゴムはしなやかなため、経年的にそり癖がつき、外側に反り返りなどして、内側下部に搬送ベルトとの隙間が生じる結果、隙間に豆腐粕が入り込み、団子状の粕が豆腐の両端側面近傍に付着する恐れもあり、そのまま包装されると商品性に欠け、異物クレーム問題につながる可能性もある。さらに、シリコーンゴム自体が欠け落ちて異物混入のリスクもある。そして、帯状のシリコーンゴムであるため、成型される豆腐の高さは50~70mmが限界であるという課題も生じていた。
本発明は、メンテナンスが容易で安価な側壁を有する豆腐の凝固装置を提供する。
本発明の豆腐の凝固装置は、シート状の豆腐を成型する豆腐の凝固装置であって、搬送ベルトと、前記搬送ベルトの幅方向の両端に設けられる側壁と、を備え、前記搬送ベルトと前記側壁により画定される空間に注入される凝固剤入りの豆乳を搬送しながら当該豆乳を凝固させてシート状の豆腐を成型し、前記側壁が、前記搬送ベルトの搬送方向に沿って、互いに接触する様に並べられた複数の側壁片を含む。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記複数の側壁片が前記搬送ベルトの幅方向の両端に固定されている。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記複数の側壁片が、前記搬送ベルトの幅方向の両端の上側において駆動する無端ベルトに設けられている。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記無端ベルトの無限軌道が、直線軌道部分と湾曲軌道部分を含み、前記湾曲軌道部分において、前記側壁片に洗浄液を噴射する洗浄装置を更に備える。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記無端ベルトが、前記搬送ベルトの主面に垂直な面に配置された無限軌道面に沿って駆動し、前記複数の側壁片が、前記無限軌道面に対して平行な面方向であって、かつ前記搬送ベルトの幅方向の両端において、当該搬送ベルトの主面に対して垂直方向に起立するように設けられている。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記無端ベルトの無限軌道が、直線軌道部分と当該直線軌道部分の途中で垂直方向に湾曲する湾曲軌道部分を含み、前記湾曲軌道部分において、前記側壁片に洗浄液を噴射する洗浄装置を更に備える。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記無端ベルトが、前記搬送ベルトの主面に平行な面に配置された無限軌道面に沿って駆動し、前記複数の側壁片が、前記無限軌道面に対して垂直な面方向であって、かつ前記搬送ベルトの幅方向の両端において、当該搬送ベルトの主面に対して垂直方向に起立するように設けられている。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記無端ベルトの無限軌道が、直線軌道部分と当該直線軌道部分の途中で水平方向に湾曲する湾曲軌道部分を含み、前記湾曲軌道部分において、前記側壁片に洗浄液を噴射する洗浄装置を更に備える。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記搬送ベルトが第1の搬送ベルトであり、前記第1の搬送ベルトによって支持され、当該第1の搬送ベルトとともに移動可能な第2の搬送ベルトと、前記第2の搬送ベルトの幅方向の両端に密着しつつ、前記複数の側壁片の周囲を移動可能な側壁無端ベルトを更に備える。
本発明の豆腐の凝固装置の一態様として例えば、前記搬送ベルトの幅方向の両端に直接的に設けられるサブ側壁を更に備える。
本発明によれば、側壁が複数の側壁片により構成されているため、帯状の側壁に比較して、個々の側壁片を交換するだけでメンテナンスが容易となり、衛生管理の向上にも繋がる豆腐の凝固装置を提供できる。側壁片であれば、湾曲軌道部分において側壁片を個々に洗浄することも可能であり、豆腐の日持ち向上や豆腐粕の付着による異物クレームなどの抑制にも繋がる。更に、直線軌道部分において凝固剤入り豆乳の漏れを防ぐために側壁片の形状を適宜選択可能であり、例えば、豆乳の深さを70mm以上、最大300mmにすることもできるため、豆腐の凝固装置の長さを短縮でき、省スペースな豆腐の凝固装置を提供する
ことができる。
本発明に係る豆腐の凝固装置の一例を示す側面構成図で側壁の第1実施形態を示す。 図1の平面構成図。 本発明に係る側壁の第2実施形態の一例を示し、(a)平面図、(b)側面図。 本発明に係る側壁の第3実施形態の一例を示し、(a)平面図、(b)側面図。 図3に続く第3実施形態の変形例1を示し、(a)平面図、(b)側面図。 図3に続く第3実施形態の変形例2を示し、(a)平面図、(b)側面図。 本発明に係る側壁の第4実施形態の一例を示す側面図。 図7に続く第4実施形態の変形例1を示す側面図。 本発明に係る側壁片の接合構造の一例を示す平面図、(a)片胴付き、(b)片胴付き、(c)二重突合わせ、(d)楔突き、(e)そぎ継ぎ、(f)半円形接合。 本発明に係る側壁片の接合構造の他の例を示し、(a)平面図、(b)側面図。 本発明に係る側壁の第5実施形態の実施例1の一例を示し、(a)側面図、(b)平面図。 図11に続く第5実施形態の実施例2を示し、(a)側面図、(b)平面図。 図11に続く第5実施形態の実施例3を示し、(a)側面図、(b)平面図。 図11に続く第5実施形態の実施例4を示し、(a)側面図、(b)平面図。 本発明に係る第6実施形態の一例を示し、(a)側面図、(b)平面図。 本発明に係る第7実施形態を示し、(a)側面図、(b)(a)の矢印X方向から見た図、(c)変形例。
以下、図面を用いて、本発明に係る豆腐の凝固装置の具体的な実施の形態について詳述する。
図1は、本実施形態の豆腐の凝固装置を示す側面構成図、図2は図1の平面構成図である。図1及び図2を用いて豆腐の凝固装置を詳述する。
豆腐の凝固装置1は、凝固剤入り豆乳T(凝固前の豆腐T、以下単に「豆腐T」とも呼ぶ)を注入する注入部10と、注入部10から注入された液状の凝固剤入り豆乳を搬送中に凝固させる搬送部20と、搬送部20の動きに連動する側壁30と、凝固したシート状の豆腐Tを搬出する搬出部40と、主に側壁30を洗浄する洗浄装置50とを、備えている。そして、豆腐の凝固装置1は、連続的に注がれる凝固剤入り豆乳を搬送部20で搬送しながらシート状の豆腐Tを連続的に成型する豆腐の凝固装置である。
注入部10は、注入パイプ11と仕切板12(搬送方向の後方側にある、固定堰ともいう。)とを有し、注入パイプ11は、にがり等の凝固剤入りの液状の凝固前の豆腐Tを搬送部20に注入し、仕切板12は注入された凝固前の豆腐Tが搬送される方向と反対側に流れ込むことを制止させる。注入時においては、豆腐Tは凝固剤入りの液状の豆乳であり、その後搬送部で静置、熟成された凝固して豆腐Tとなるが、本実施形態の説明では「豆腐」で統一している。
なお、仕切板(固定堰)12と共に、生産の最初と最後だけ使用する移動堰を使用してもよい。最初に、搬送方向の前方側に移動堰を置いて、その移動堰と固定堰で囲まれた部分に凝固剤入り豆乳を注ぎ入れて、装置を起動する。終了時は、固定堰の前方に移動堰を差し込んでシート状豆腐の後端を支持しながら移動させる。いずれも移動堰は凝固機出口で取り除くことになる。
搬送部20は、無端状の搬送ベルト21と、搬送ベルト21の移動を行う一対の回転ローラ22と、回転ローラ22を駆動させるモーターなどの駆動装置23とを有している。また、側壁30は、搬送ベルト21の進行方向に一致する長手方向に垂直な幅方向の両端に設置され、搬送ベルト21の移動に追従して搬送ベルト21の搬送方向と同一方向に同時に移動する。第1実施形態では、側壁30の移動は回転ローラ22の回転により行われる。
搬送ベルト21は、スチール製又はステンレス製又はチタン製であることが望ましい。スチール製又はステンレス製又はチタン製であれば、洗浄のために蒸気を吹き付けることも、洗剤を使用することも可能である。また、洗浄することにより長期間使用しても細菌やカビが発生するようなこともなくなる。また、豆腐Tの温度を維持するためにヒータで加熱・保温することもでき、高熱にも十分に耐え得ることができる。ただし、搬送ベルト21は、食品に接触しても問題のない不透水性の材質(耐熱性、耐薬品性、溶出物の抑制などの点から優れたもの)で、搬送張力に耐えうる材質(例えば縦方向に金属ワイヤやアラミド繊維等の高張力繊維糸等を内蔵するベルトが好ましい。)であれば、樹脂製、ゴム製等、種々のもので構成可能であり、その材質は特に限定されない。
側壁30は、複数の側壁片31からなり、各側壁片31は、搬送ベルト21の搬送方向に沿って、互いに接触する様に連続的に並べられている。側壁30は、搬送ベルト21の幅方向の両端(両側)に対向して配置され、搬送ベルト21と一対の側壁30により豆腐Tが注入可能な空間を形成している。
側壁30の側壁高さ、すなわち側壁片31の高さは、例えば70mm以上の高さに設定することができ、豆腐の最も長い辺ないしは2番目に長い辺を高さ方向にとる、または後に複数の豆腐を重ねた高さでとることができる深取り式の方法が可能となる。側壁30の側壁高さ(側壁片31の高さ)の上限は特に限定されないが、300mm程度に設定することができる。このような構成によれば、いわゆる平取り式に比べて、同じ熟成時間とした場合、凝固装置1の長さを短く設計できる。
搬送ベルト21と側壁30により画定される空間に注入される凝固剤入りの豆腐Tを搬送しながら当該豆腐Tを凝固させてシート状の豆腐Tを成型するため、側壁片31は、特に注入部10近傍に於いて、シール性を確保する必要があり、側壁片31同士は豆腐Tの漏れを抑えるように隙間を極力少なくするように配列されている。
当該シール性において重要な点は、連続的に注がれる凝固剤入り豆乳Tが数分後には凝固するため、少なくとも連続凝固空間の最初の数mが確実にシール性を保持することである。また隙間に流入した僅かな凝固剤入り豆乳Tが凝固することによって、シール性が高まることも利用できる。その隙間に入り込んだ豆腐Tは洗浄機構50によって除去される。
側壁片31は、ステンレス製、チタン製、樹脂製、ゴム製、それらの複合材などから成形され、本実施形態では、側面視で略四角形状をなしているが、L字状、三角形状、台形状などでも良く、側壁片31の搬送ベルト21側の面がフラットな面であれば良い。また、搬送ベルト21側と反対側の面には、補強構造が形成されていても良い。側壁片31が搬送方向と直交する方向に、2重、3重と多重に重なりあって、シール性を確保する形態であってもよい(後述する図10参照)。側壁片31は、食品衛生法規基準適合であることは勿論であるが、軽量で漏れ防止機能を有することが好ましく、高温の豆腐Tが注入され、凝固していく間も、豆腐Tの弾力性と柔軟性が失われないことが重要である。
側壁片31の材料として、ステンレス製(バネ鋼が好ましい。)やチタン製の金属の場合、表面加工(例えば鏡面研磨や電解研磨等)ができ、洗浄性も良い。また、ポリエステルやポリエチレンやポリプロピレンなどの一般的な樹脂のほか、フッ素樹脂やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などのエンジニアリングプラスティック等でも良く、特に耐熱性樹脂を採用すれば、金属と同様に薬液洗浄や高温殺菌や薬剤殺菌も可能になり、衛生的で、豆腐Tの日持ちを更に向上させることができる。金属や樹脂は、ゴム材質に比較して、衛生的で、傷つきにくく、長持ちする(初期コストは多少高価でもメンテナンスコストが下がる)利点もある。
搬出部40は、搬送部20で凝固した豆腐Tを搬出、出荷する装置であり、搬出ベルト41と、切断部42と、収納容器43とを有している。凝固した豆腐Tは、搬出ベルト41で搬送され、切断部42で所望の大きさに切断され、収納容器43に収納されて、包装機で密封されて出荷される。
洗浄装置50は、側壁片31に洗浄液を噴射して側壁片31及び搬送ベルト21を洗浄する装置である。洗浄装置50は、隣り合う側壁片31の隙間が開放される場所にあれば、隙間に残る豆腐粕等を確実に洗浄することができる。本実施形態では、側壁片31同士の間隔が開く注入部10の手前に設置されているが、側壁片31同士が開くように周回軌道を構成して洗浄装置50を設けてもよい(後述する図13参照)。
洗浄装置50は、側壁片31を洗浄する側壁30専用と、搬送ベルト21専用を設けても良い。自動洗浄により洗浄性を向上し、衛生管理の行き届いた豆腐の凝固装置1を提供でき、豆腐粕の付着による異物クレームなどを抑制して、豆腐の日持ちを向上することができる。
図3は、側壁の第2実施形態の一例を示す。図3に基づいて側壁の第2実施形態を説明する。
側壁30の第2実施形態は、側壁片31が、搬送ベルト21に1本又は複数本のボルト32とナットで固定されている。側壁片31と搬送ベルト21が一体的に取り付けているため、他の機構により動きを同期させる必要は無く、側壁片31は、搬送ベルト21と同時に移動する。また、側壁片31の下面と搬送ベルト21とが密着するため、液状の豆腐Tの漏れを防止できる。
図4~図6は、側壁の第3実施形態の一例を示し、図4は第3実施形態、図5は第3実施形態の変形例1、図6は第3実施形態の変形例2である。図4~図6に基づいて側壁の第3実施形態を説明する。
第3実施形態は、隣り合う側壁片31同士の間にゴムや樹脂などの弾性体33を介在させ、側壁片31同士間で弾性体33が圧縮されて隙間を無くすようにしている。図5は、第3実施形態の変形例1で、図4に於いては弾性体33の断面形状が略四角形であったが、図5では、断面略三角形状となっている。図6は第3実施形態の変形例2であり、弾性体33の一方の側は側壁片31に固定され、反対側は側壁片31に着脱自在に取り付けられ、回転ローラ22で回転する位置では、弾性体33の一方の側で側壁片31の動きに連動している。
図7及び図8は、側壁の第4実施形態の一例を示し、図7は第4実施形態、図8は第4実施形態の変形例1である。図7及び図8に基づいて側壁の第4実施形態を説明する。
第4実施形態は、側壁片31が、弾性体33を介して搬送ベルト21に固定されている。図7の第4実施形態では、各側壁片31の下面に弾性体33がそれぞれ固定されているが、図8の第4実施形態の変形例1では、弾性体33が帯状で搬送ベルト21に固定されている。弾性体33を設けて圧縮させることにより、側壁片31と搬送ベルト21との間の隙間を無くすようにしている。第2実施形態よりも更に側壁片31の下面と搬送ベルト21との密着性を良好にして、液体状の豆腐Tの漏れを防止している。
弾性体33は、例えばシリコーンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、フッ素ゴム、樹脂などからなり、種々様々な形状を用いることが可能である。例えば、断面形状が、四角、三角、円、楕円、かまぼこ、L字状などであり、全体形状として、平板状、帯状、リング状などを選択することが可能である。
また、側壁片31と搬送ベルト21との固定に関しボルト32とナットを説明したが、接着剤などでも良く、搬送ベルト21の周回軌道において、回転ローラ22の近傍で搬送ベルト21や側壁片31に無理の掛からない固定方法を選択することが可能である。
図9は、隣り合う側壁片31同士の密着性を良好にした結合構造を示す。(a)は、中央部を厚く両端部を薄くして、それぞれが結合する片胴付きである。(b)は、(a)と同様であるが両側の厚さの薄い部分が対角線上に配置されている構造で、片胴付きの一種である。(c)は、片側が切欠し反対側が突き出す二重突合わせである。(d)は両側が楔の凹凸である楔突きである。(e)は台形の斜辺同士が接合するそぎ継ぎである。(f)は両側が半円状の凹凸での結合である。
図9に示された結合構造は、一例であり、隣り合う側壁片31同士が豆腐Tの搬送中(豆乳から豆腐へ凝固する)は密着して液状の豆腐Tの漏れや侵入を防止し、回転ローラ22近傍ではスムーズに分離でき、洗浄が容易で、再び結合する際に負荷のない構造であれば、図9の結合構造に限定しない。
図10は、側壁片31の接合構造の他の例を示し、側壁片31が搬送方向と直交する方向に、2重(または3重以上の多重)に重なりあって、シール性を確保している。理解のため、図10(b)の側面図では、手前側の側壁片31、ボルト32を実線で示し、奥側の側壁片31、ボルト32を破線で示している。
図11~図14は、側壁の第5実施形態を示し、図11は第5実施形態の実施例1、図12は第5実施形態の実施例2、図13は第5実施形態の実施例3、図14は第5実施形態の実施例4である。図11~図14に基づいて側壁の第5実施形態を説明する。
第5実施形態では、側壁30の側壁片31の移動が搬送ベルト21の動きと独立し、側壁片31が固定されている無端ベルト34で行われている。無端ベルト34は、搬送ベルト21の上側に配置され、モーター等で駆動する副回転ローラ35に連動して移動する。即ち、複数の側壁片31が、搬送ベルト21の幅方向の両端の上側において駆動する無端ベルト34に設けられている。無端ベルト34に固定された側壁片31は、搬送ベルト21の動きに追従するよう無端ベルト34で動きを調整されている。
無端ベルト34は、無限軌道を描き、直線軌道部分Aと湾曲軌道部分Bとで構成され、湾曲軌道部分Bは、副回転ローラ35で折り返し軌道となる部分を指している(図11、図12。豆腐片の受け皿は省略。)。また、湾曲軌道部分Bには、洗浄装置50が配置されている。湾曲軌道部分Bでは、各側壁片31の両側が開放される部分であり、側壁片31全体を洗浄し易く、付着した豆腐片を確実に除去することが可能である。(図13参照。豆腐片の受け皿は省略。)
また、第5実施形態では、側壁30の上側に押さえ板36を設けて側壁片31を上から押さえ、搬送ベルト21に密着させてシール性を高める。側壁30の下側に支持板37を設けて搬送ベルト21と共に、無端ベルト34の下方への撓みを抑制して、上方からの押さえ板36による押える力を受け止めている。
第5実施形態では、搬送部20と側壁30を分離することにより、側壁片31のメンテナンスを容易にし、側壁片31の洗浄を確実にしている。
図11~図14は、側壁30の移動配置が異なる例である。
図11の第5実施形態の実施例1では、無端ベルト34が搬送ベルト21の主面に垂直な面に配置された無限軌道面(図11(a)における紙面上の面)に沿って駆動する。そして、複数の側壁片31が、この無限軌道面に対して平行な面方向であって、かつ搬送ベルト21の幅方向の両端において、当該搬送ベルト21の主面に対して垂直方向に起立するように設けられている。即ち、搬送ベルト21の幅方向の両端それぞれに側壁30が設けられているが、搬送部20の上方に副回転ローラ35が設けられ、側壁30の側壁片31は、搬送部20の上方向で移動軌跡を描いている。
図12の第5実施形態の実施例2では、無端ベルト34が、搬送ベルト21の主面に平行な面に配置された無限軌道面(図12(b)における紙面上の面)に沿って駆動する。そして、複数の側壁片31が、この無限軌道面に対して垂直な面方向であって、かつ搬送ベルト21の幅方向の両端において、当該搬送ベルト21の主面に対して垂直方向に起立するように設けられている。即ち、搬送ベルト21の幅方向の両端それぞれに側壁30が設けられているが、搬送部20の側方に副回転ローラ35が設けられ、側壁30の側壁片31は、搬送部20の側方の水平方向で移動軌跡を描いている。尚、側壁30の側方には、押さえ板36、支持板37に加えてガイド板38を設け、側壁片31が所定の方向に進むようにガイドしている。
図11の配置(実施例1)によれば、装置の水平方向のサイズをコンパクトにすることができ、図12の配置(実施例2)によれば、装置の垂直方向のサイズをコンパクトにすることができる。
図13の第5実施形態の実施例3では、無端ベルト34の無限軌道が、直線軌道部分Aと直線軌道部分Aの途中で垂直方向に湾曲する湾曲軌道部分Bを含み、湾曲軌道部分Bにおいて、側壁片や隙間に付着した豆腐屑を洗い落とす洗浄液を噴射する洗浄装置50が備えられている。図13の中央の湾曲軌道部分Bは破線で示したようなロールにより形成する。このロールと副回転ローラ35によって、図示したように略凸状の軌道を形成する。尚、側壁片31が硬質の部材の場合、図における略凸状の湾曲軌道部分Bの湾曲が強すぎて、側壁片31を円滑に移動させることが困難な場合もあり得る。そこで、破線で示すような直線的な軌道を採用した略三角形の軌道により湾曲軌道部分Bを形成することで、側壁片31が硬質の部材であっても円滑に移動させるようにしてもよい。
湾曲軌道部分Bは、両副回転ローラ35近傍と直線軌道部分Aの中間地点近傍の3箇所あり、洗浄装置50は、少なくとも一つの副回転ローラ35と、中間地点近傍にある湾曲軌道部分Bに設置されている。実施例1と同様に、搬送ベルト21の幅方向の両端それぞれに側壁30が設けられているが、搬送部20の上方に副回転ローラ35が設けられ、側壁30の側壁片31は、搬送部20の上方向で移動軌跡を描いている。
図14の第5実施形態の実施例4では、無端ベルト34の無限軌道が、直線軌道部分Aと直線軌道部分Aの途中で水平方向に湾曲する湾曲軌道部分Bを含み、湾曲軌道部分Bにおいて、側壁片31の洗浄液を噴射する洗浄装置50が備えられている。尚、図13で説明した様に、破線で示すような直線的な軌道を採用した略三角形の軌道により湾曲軌道部分Bを形成することで、側壁片31が硬質の部材であっても円滑に移動させるようにしてもよい。
実施例3と同様に、湾曲軌道部分Bは、両副回転ローラ35近傍と直線軌道部分Aの中間地点近傍の3箇所あり、洗浄装置50は、中間地点近傍にある湾曲軌道部分Bに設置されている。実施例2と同様に、搬送ベルト21の幅方向の両端それぞれに側壁30が設けられているが、搬送部20の側方に副回転ローラ35が設けられ、側壁30の側壁片31は、搬送部20の水平方向で移動軌跡を描いている。
図13の配置(実施例3)によれば、装置の水平方向のサイズをコンパクトにすることができ、図14の配置(実施例4)によれば、装置の垂直方向のサイズをコンパクトにすることができる。
図15は、本発明に係る第6実施形態の一例を示す。本実施形態においては、他の無端状の搬送ベルト60が、搬送ベルト21の外側を取り囲むように設けられるとともに、一対の側壁無端ベルト70が、搬送部20の上側において両側の側壁30および複数の側壁片31の周囲を取り囲むように設けられつつ、この周囲を移動する。搬送ベルト60及び側壁無端ベルト70は、例えば樹脂等により構成され、スチール等により構成される搬送ベルト21に比べて、その張力は低いことが好ましいが、材料や張力の程度は特に限定されない。
搬送ベルト60は、一対の上側副回転ローラ61と一対の下側副回転ローラ62の回転により移動する。搬送ベルト60は、搬送部20の上側においては、搬送ベルト21の上面により支持されながら、搬送ベルト21とともに移動する。また、第1実施形態と同様に、本実施形態でも側壁30の移動は回転ローラ22の回転により行われつつ、側壁無端ベルト70が、搬送部20の上側において移動する側壁30および複数の側壁片31の周囲を、一対の側壁回転ローラ71の回転により移動する。
本実施形態では、第1の搬送ベルトである搬送ベルト21ではなく、第2の搬送ベルトである搬送ベルト60が、豆腐(凝固剤入り豆乳)Tを直接搬送するため、第2の搬送ベルトである搬送ベルト60が不透水性の食品用搬送ベルトと位置づけられる。一方、第1の搬送ベルトである搬送ベルト21も豆腐Tを搬送しつつ、その主たる役割は搬送ベルト60の支持であり、支持搬送ベルトとして位置づけられる。そのため本実施形態においては、搬送ベルト21は無端チェーンに平板が多数取り付けられたフラットバーコンベアやスラットバンドチェーンなどの透水性コンベアであってもよい。
このような構成においては、搬送ベルト60と一対の不透水性の側壁無端ベルト70が、搬送部20の上側または側方側において密着する。本実施形態では、一対の側壁無端ベルト70の下方端面または下方表面は、搬送ベルト60の両端、特に搬送ベルト60の両端の上面または端面(側面)で密着している。さらに側壁無端ベルト70は、側壁30(側壁片31)よりも、搬送ベルト60の幅方向において内側の位置で、搬送ベルト60に密着しつつ移動する。よって、豆腐T(凝固剤入り豆乳の未凝固物)が搬送ベルト60と側壁無端ベルト70との接触部から漏れるのを抑制する。本実施形態においては、側壁30は無端チェーンに平板が多数取り付けられたフラットバーコンベアやスラットバンドチェーンなどの透水性コンベアであってもよい。
また、豆腐Tが搬送ベルト21と側壁30の間の隙間に入るのを抑制することができ、豆腐Tのロスを抑制することができるとともに、洗浄作業が簡素化され、洗浄用水の節約、排水負荷の軽減につながり得る。搬送ベルト60と一対の側壁無端ベルト70が互いに密着し、豆腐Tの漏れを防ぐのが望ましいため、搬送ベルト60、側壁無端ベルト70はある程度変形可能な素材で構成することが好ましい。
また、凝固装置1の長さが、従来の5~15m程度のものに比べて、例えば20~100m程度まで長くなっても、金属製で高い張力を有する搬送ベルト21が、搬送ベルト60を支持しているため、搬送ベルト60を複数に分割することなく、能力が大きく長尺な凝固装置1の設計を行うことができる。
側壁無端ベルト70の側壁高さは、例えば70mm以上の高さに設定することができ、いわゆる深取り式で、平取り式に比べて、同じ熟成時間とした場合、凝固装置1の長さを短く設計できる。その場合、搬送ベルト60に掛かる荷重は大きくなるが、この場合も、高い張力を有する搬送ベルト21が、搬送ベルト60を支持しているため、凝固装置1の長さの制約が少なく、凝固装置1の設置スペース当たりの生産能力を高めることができる。
さらに搬送ベルト21の外側に、搬送ベルト60を設けることによって、より衛生的となり、豆腐Tのロス削減、洗浄用水の節約、排水負荷の軽減等の効果を得ることもできる。
図16(a)、(b)、(c)は、本発明に係る第7実施形態の一例を示す。本実施形態においては、搬送ベルト21の幅方向の両端に、高さの小さいサブ側壁24が設けられている。サブ側壁24は搬送ベルト21と一体的に形成されるか、またはサブ側壁24が搬送ベルト21に固定されており、搬送ベルト21の幅方向の両端に直接的に、すなわち搬送ベルト21との間に隙間が形成されないように設けられている。サブ側壁24は側壁片31と同じ分割材料や無端状の柔軟性のある材料(シリコーンゴム、EPDMゴム、フッ素ゴムなど)により形成されるが、材料の種類は特に限定されない。サブ側壁24が分割材料の場合は側壁片31同士の隙間位置に重ならないように、サブ側壁24同士の隙間位置を設けるようにすることが好ましい。
サブ側壁24の存在により、断面凹状に形成した凝固槽の底側両隅から豆腐T(特に凝固剤入り豆乳で未凝固状態)が漏れるのをより確実に抑制することができる。すなわち、高さの大きい側壁30を複数の側壁片31により構成することにより、メンテナンス性等は向上するが、側壁片31の間から豆腐Tが漏れる可能性は否定できない。しかしながら、搬送ベルト21に密着したサブ側壁24が下部に存在することにより、最も自重がかかる底側両隅から豆腐T(凝固剤入り豆乳)が漏れるのをより確実に抑制することができる。また、サブ側壁24は高さが小さいため(例えば5~50mmで、特に10~30mmが好ましい。)、搬送ベルト21の湾曲部で働く引張応力の負荷が小さく、従来の高さの大きな側壁に比べて、長期材質劣化(たとえばゴムの弾性が失われ硬化する劣化)によって割れて損傷する程度は小さい。
図16(a)、(b)の例は、図11の実施形態にサブ側壁24を追加した形態に該当するが、サブ側壁24は可能な限り他の実施形態に付加することが可能である。また、図16(a)、(b)ではサブ側壁24は側壁30(側壁片31)の下に設けられているが、図16(c)の変形例で示す様に、搬送ベルト21の幅を拡げることにより、側壁30(側壁片31)の外側に密着するように設けることもできる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明の豆腐の凝固装置は、例えば、メンテナスや衛生管理の向上、装置のコンパクト化を要求する分野に好適に用いられる。
1 豆腐の凝固装置
10 注入部
20 搬送部
21 搬送ベルト(第1の搬送ベルト)
22 回転ローラ
24 サブ側壁
30 側壁
31 側壁片
32 ボルト
33 弾性体
34 無端ベルト
35 副回転ローラ
40 搬出部
50 洗浄装置
60 搬送ベルト(第2の搬送ベルト)
70 側壁無端ベルト
T 豆腐(凝固剤入り豆乳)

Claims (3)

  1. シート状の豆腐を成型する豆腐の凝固装置であって、
    搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトの幅方向の両端に設けられる側壁と、を備え、
    前記搬送ベルトと前記側壁により画定される空間に注入される凝固剤入りの豆乳を搬送しながら当該豆乳を凝固させてシート状の豆腐を成型し、
    前記側壁が、前記搬送ベルトの搬送方向に沿って、互いに接触する様に並べられた複数の側壁片を含み、
    前記複数の側壁片が、前記搬送ベルトの幅方向の両端の上側において駆動する無端ベルトに設けられており、
    前記無端ベルトが、前記搬送ベルトの主面に垂直な面に配置された無限軌道面に沿って駆動し、
    前記複数の側壁片が、前記無限軌道面に対して平行な面方向であって、かつ前記搬送ベルトの幅方向の両端において、当該搬送ベルトの主面に対して垂直方向に起立するように設けられている、
    豆腐の凝固装置。
  2. 請求項記載の豆腐の凝固装置であって、
    前記無端ベルトの無限軌道が、直線軌道部分と当該直線軌道部分の途中で垂直方向に湾曲する湾曲軌道部分を含み、
    前記湾曲軌道部分において、前記側壁片に洗浄液を噴射する洗浄装置を更に備える、
    豆腐の凝固装置。
  3. シート状の豆腐を成型する豆腐の凝固装置であって、
    搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトの幅方向の両端に設けられる側壁と、を備え、
    前記搬送ベルトと前記側壁により画定される空間に注入される凝固剤入りの豆乳を搬送しながら当該豆乳を凝固させてシート状の豆腐を成型し、
    前記側壁が、前記搬送ベルトの搬送方向に沿って、互いに接触する様に並べられた複数の側壁片を含み、
    前記複数の側壁片が前記搬送ベルトの幅方向の両端に固定されており、
    前記搬送ベルトが第1の搬送ベルトであり、
    前記第1の搬送ベルトによって支持され、当該第1の搬送ベルトとともに移動可能な第2の搬送ベルトと、
    前記第2の搬送ベルトの幅方向の両端に密着しつつ、前記複数の側壁片の周囲を移動可能な側壁無端ベルトを更に備える、
    豆腐の凝固装置。
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