JP2013137505A - レンズの絞り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ビデオカメラ機能における撮影品質(集音品質)を高めるなど、必要に応じてクリック機構部の悪影響を排除するとともに、絞りリングの操作力が異なることによる操作ミス等の不具合を回避する。
【解決手段】 絞りリング3の内周面3i又は固定筒部2cの外周面2cfの、一方に、弾性支持された係合体4を有する係合部5を配設するとともに、他方に、係合体4が圧接し、絞りリング3を回動させた際に、絞り値に対応した位置で係合体4が係合可能な複数の被係合部6c…を形成した被係合面6fを有する被係合基体部6とを設けたクリック機構部Ucと、絞りリング3又は被係合基体部6の一方を軸方向Fsに変位させることにより、係合体4と被係合面6fが圧接するクリックモードMc,又は係合体4と被係合面6fが離間する非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 絞りリング3の内周面3i又は固定筒部2cの外周面2cfの、一方に、弾性支持された係合体4を有する係合部5を配設するとともに、他方に、係合体4が圧接し、絞りリング3を回動させた際に、絞り値に対応した位置で係合体4が係合可能な複数の被係合部6c…を形成した被係合面6fを有する被係合基体部6とを設けたクリック機構部Ucと、絞りリング3又は被係合基体部6の一方を軸方向Fsに変位させることにより、係合体4と被係合面6fが圧接するクリックモードMc,又は係合体4と被係合面6fが離間する非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umとを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、絞りリングを所定の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構を有するレンズの絞り装置に関する。
従来、レンズ鏡筒の固定筒部に対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング及びこの絞りリングを複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構を有するレンズの絞り装置は、特許文献1で開示される絞リング及び特許文献2で開示されるクリックストップ装置が知られている。
特許文献1に記載される絞リングは、当該絞リングの内周面に、当該内周面の周方向に複数のクリック係止溝を所定間隔おきに形成するとともに、当該内周面に対面する固定胴の外周面に、板ばねにより押圧されたクリックボールを配し、このクリックボールを絞リングの内周面に圧接させることにより、各係止位置での指定絞による撮影が行えるように構成したものである。また、特許文献2に記載されるクリックストップ装置は、絞プリセット環の内周面に、当該内周面の周方向に複数のクリック溝を所定間隔おきに形成するとともに、当該内周面に対面する固定環に板ばねにより押圧されたクリックボールを配し、このクリックボールを絞プリセット環の内周面に圧接させて構成したものである。
しかし、上述した従来におけるレンズの絞り装置(絞リング,クリックストップ装置)は、次のような問題点があった。
第一に、カメラの高性能化及び多機能化により、例えば、マニュアル操作可能な絞りリングを有する一眼レフタイプのデジタルカメラに、ビデオカメラ機能を内蔵する場合、ビデオカメラ機能による撮影時に絞りリングを操作した際に、クリック機構で発生するクリック時の振動やクリック音をマイクロホンが拾ってしまうなど、クリック機構を有する絞り装置が少なからず他の機能に悪影響を及ぼす虞れがある。
第二に、マニュアル操作可能な絞りリングのクリック機構は、絞り値の目安になるため、撮影時に所望の絞り値に速やかに設定できるメリットがある反面、絞りを連続して可変する場合やマニアックに操作するなど絞り値に捕らわれない撮影を行う場合等においては、スムースな操作性を確保する観点から必ずしも必要なものではない。したがって、操作性(操作フィーリング)を変えることなくクリック感のみを解消できれば、ユーザの利便性及び快適性をより高めることができるが、従来のレンズでは係る要請に応えることができない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したレンズの絞り装置の提供を目的とするものである。
本発明に係るレンズの絞り装置1は、上述した課題を解決するため、レンズ鏡筒2の固定筒部2cに対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング3及びこの絞りリング3を複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構部Ucを有する絞り装置を構成するに際して、絞りリング3の内周面3i又は固定筒部2cの外周面2cfの、一方に、弾性支持された係合体4を有する係合部5を配設するとともに、他方に、係合体4が圧接し、かつ絞りリング3を回動させた際に、絞り値に対応した位置で係合体4が係合可能な複数の被係合部6c…を形成してなる被係合面6fを有する被係合基体部6とを設けてなるクリック機構部Ucと、絞りリング3又は被係合基体部6の少なくとも一方を軸方向Fsに変位させることにより、係合体4と被係合面6fが圧接するクリックモードMc,又は係合体4と被係合面6fが離間してクリック機能が解除される非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umとを備えることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、クリック機構部Ucには、係合体4となるクリックボール4rを用いるとともに、被係合部6c…となるクリック溝6cs…を用いることができる。また、モード切換機構部Umには、係合部5又は被係合基体部6の少なくとも一方の位置を変更することにより、クリックモードMc,又は非クリックモードMnに切換えた際に、係合部5又は被係合基体部6の位置をロックするロック機構部12を設けることができる。
このような構成を有する本発明に係るレンズの絞り装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 係合部5又は被係合基体部6の少なくとも一方の位置を変更することにより、係合体4と被係合面6fが圧接するクリックモードMc,又は係合体4と被係合面6fが離間してクリック機能が解除される非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umとを備えるため、非クリックモードMnに切換えることにより、例えば、ビデオカメラ機能による撮影時に、クリック時の振動やクリック音をマイクロホンが拾ってしまう不具合を解消できる。これにより、ビデオカメラ機能における撮影品質(集音品質)を高めることができるなど、必要に応じてクリック機構部Ucの悪影響を排除できる。
(2) クリックモードMcと非クリックモードMnを任意に選択できるため、両モードMc,Mnのメリットを使い分けることができ、ユーザの利便性及び快適性を高めることができる。具体的には、クリックモードMcを選択すれば、絞り値の目安にすることができるため、マニュアル操作時に所望の絞り値を速やかに設定できるとともに、非クリックモードMnを選択すれば、絞りを連続して可変する場合或いは絞りリング3をマニアックに操作するなど絞り値に捕らわれない撮影を行う場合等にスムースな操作を確保できる。しかも、クリック感のみを解消し、いずれのモードMc,Mnにおいても操作性(操作フィーリング)を変えないため、操作力が異なることによる操作ミス等の不具合を回避できる。
(3) 絞りリング3の内周面3i又は固定筒部2cの外周面2cfの、一方に、係合部5を配設するとともに、他方に、被係合基体部6を配設したクリック機構部Ucを備えるため、部品点数の増加及び大型化を伴うことなく、低コストに実施できる。しかも、絞りリング3を軸方向Fsに変位させることにより、クリックモードMc又は非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umを容易に構築できる。
(4) 絞りリング3又はモード切換リング部11の少なくとも一方を軸方向Fsに変位させることにより、係合体4が被係合面6fに圧接するクリックモードMc,又は係合体4が被係合面6fに対して軸方向Fsに離間する非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umを備えるため、僅かな操作ストロークにより切換可能になるため、切換操作を行う際における容易性及び迅速性を高めることができる。
(5) 好適な態様により、クリック機構部Ucに、係合体4となるクリックボール4rを用いるとともに、被係合部6c…となるクリック溝6cs…を用いれば、最も円滑に機能するクリック機構部Ucとして構築できるため、本発明の目的を達成する観点から最適な絞り装置1を構成できる。
(6) 好適な態様により、モード切換機構部Umに、クリックモードMc又は非クリックモードMnに切換えた際に、係合部5又は被係合基体部6の位置をロックするロック機構部12を設ければ、使用時に、ショックや振動等により、誤ってクリックモードMc又は非クリックモードMnが他方のモードMn側又はMc側に不用意に切換わってしまう不具合を回避できる。
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
最初に、本実施形態に係る絞り装置1の理解を容易にするため、参考例に係る絞り装置1を備えるレンズLの概略構成について、図3を参照して説明する。
図3のレンズLは、例えば、一眼レフカメラ等のデジタルカメラに用いることができる交換レンズを示す。また、想定するデジタルカメラには、一眼レフカメラ機能に加えてビデオカメラ機能を備えている。
レンズLにおいて、2はレンズ鏡筒を示す。このレンズ鏡筒2は、固定筒部2cを備え、この固定筒部2cには、前端に取付けたフィルタ枠21を備えるとともに、固定筒部2cの内面に配したレンズ支持枠22を備える。フィルタ枠21の先端にはフィルタを着脱できるとともに、レンズ支持枠22の内周面には複数のレンズ体La,Lb,Lc,Ld…が支持される。なお、この種の交換レンズは、通常、マニュアル又はオートのフォーカシング機構及びズーミング機構を備えているが本参考例では図示を省略した。
一方、固定筒部2cの外周面には、絞りリング3を回動操作可能に装填する。絞りリング3は固定筒部2cに対して前後方向(軸方向Fs)の変位が規制され、周方向Ff(図8参照)にのみ回動させることができる。この絞りリング3の回動変位は、公知の構造により構成される所定のリンク機構を介して図示を省略した絞り機構に伝達される。これにより、絞りリング3を回動操作すれば、絞り(絞り値)の大きさを任意に調整することができる。
また、絞りリング3の前における固定筒部2cの外周面には、モード切換機構部Umを構成するモード切換リング部11を回動可能に装填する。この場合、モード切換リング部11は、絞りリング3との関係では固定筒部2cの一部となる。モード切換リング部11は、図4に示すように、前寄りに配した操作リング31と後寄りに配した被係合基体部6の二つのリング部品の組合わせにより構成する。被係合基体部6は、筒部11fと、この筒部11fの外周面から外方に直角に突出し、かつ全周に沿って形成した係合面形成部11pとを一体に形成する。これにより、筒部11fは固定筒部6cの外周面に一体形成したストッパ部33とフィルタ枠21の後端間に挟まれ、前後方向(軸方向Fs)への変位が規制されるとともに、周方向Ffへの回動変位が許容される。
さらに、前述した絞りリング3と被係合基体部6間には、クリック機構部Ucを配設する。このクリック機構部Ucは、絞りリング3を複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能にするクリック機能を備え、絞りリング3の前端面3sに配設した係合部5と固定筒部2c側に配した被係合基体部6により構成する。この場合、係合部5は、弾性支持される係合体4を備える。具体的には、絞りリング3の前端面3sに、軸方向Fsに形成した収容凹部3shを設け、この収容凹部3shに、コイルスプリング34を収容した後、係合体4となるクリックボール4rを収容して構成する。他方、図8(c)に示すように、被係合基体部6の後面には、クリックボール4rが圧接し、絞りリング3を回動変位させた際に、絞り値に対応した位置でクリックボール4rが係合可能な複数の被係合部6c…を形成した被係合面6fを設ける。各被係合部6c…は径方向に沿ったクリック溝6cs…により形成する。なお、クリック溝6csの断面形状は、図7(a)に示すように、円弧形状に湾曲形成し、その形状は、クリックボール4rが係合した際に良好なクリック感が得られるように選定する。これにより、クリック機構部Uc、即ち、絞りリング3に、弾性支持されたクリックボール4rを有する係合部5を配設するとともに、固定筒部2cに、クリックボール4rが圧接し、かつ絞りリング3を回動させた際に、絞り値に対応した位置でクリックボール4rが係合可能な複数のクリック溝6cs…を形成してなる被係合面6fを有する被係合基体部6とを配設したクリック機構部Ucが構成される。
このように、クリック機構部Ucを構成するに際し、係合体4となるクリックボール4rを用いるとともに、被係合部6c…となるクリック溝6cs…を用いれば、最も円滑に機能するクリック機構部Ucとして構築できるため、本発明の目的を達成する観点から最適な絞り装置1を構成できる。さらに、クリック機構部Ucを構成するに際し、固定筒部2cに対して回動操作可能に装填し、かつ絞りリング3の端面3sに対向する端面11sを有するモード切換リング部11を設け、絞りリング3の端面3s又はモード切換リング部11の端面11sの、一方に、係合部5を配設するとともに、他方に、被係合基体部6を配設して構成すれば、モード切換リング部11を利用して、クリックモードMcと非クリックモードMnの切換機能を付加できるため、本来の絞りリング3及びクリック機構部Ucの円滑な機能を変更する(損なう)ことなく実施できる利点がある。
一方、被係合基体部6の後面であって、クリック溝6cs…を形成した被係合面6fに対する180〔゜〕反対側の位置は、図7(b)に示すように、クリック溝6cs…を設けない平坦面6nを形成する。これにより、被係合面6fに対してクリックボール4rを圧接させれば、クリック機構部Ucにより良好なクリック感が得られるクリックモードMcとして機能させることができるとともに、被係合基体部6を周方向Ffへ180〔゜〕回動変位させ、平坦面6nに対してクリックボール4rを圧接させれば、クリック機構部Ucのクリック機能は解除されるため、クリック感が生じない非クリックモードMnとして機能させることができる。この場合、非クリックモードMnでは、クリック溝6cs…のみが除かれる形態となるため、絞りリング3を回動操作する際における操作トルクの大きさが変更される等の操作フィーリングの変更は生じない。
また、被係合基体部6の前面であって、被係合面6fの略中央位置に対する180〔゜〕反対側の位置には、図8(c)に示す切欠状の係止凹部35を軸方向Fsに形成する。他方、被係合基体部6の前方に配する操作リング31の後面には、図4及び図8(b)に示すように、周方向へ等間隔に配した三つの板バネ36a,36b,36cを取付ける。一つの板バネ36aは、図6に示すように、円弧状に湾曲形成し、一端側を二つの固定ネジ37,37により操作リング31の後面に固定するとともに、他端側は自由端とする。これにより、板バネ36a…は被係合基体部6の前面に圧接し、操作リング31は前方へ付勢される。
さらに、操作リング31の後面における所定位置には、図8(b)に示す係止ピン38を後方へ突出させて固定する。この係止ピン38は、係止凹部35に対して係止可能である。操作リング31の前面であって、係止ピン38に対する180〔゜〕反対側の位置には、図8(b)及び図4に示す係止ピン39を前方へ突出させて固定する。他方、図8(a)及び図4に示すように、フィルタ枠21の後面における180〔゜〕対向する位置には、一対の切欠状の係止凹部40u,40dを軸方向Fsに形成する。各係止凹部40u,40dには、前述した係止ピン39が係止可能となる。即ち、クリックモードMc又は非クリックモードMnに切換えた際に、係合部5又は被係合基体部6の位置がロックされるロック機構部12が構成される。このようなロック機構部12を設けることにより、使用時に、ショックや振動等により、誤ってクリックモードMc又は非クリックモードMnが他方のモードMn側又はMc側に不用意に切換わってしまう不具合を回避できる。
以上により、クリックボール4rが被係合面6fに圧接するクリックモードMc,又はモード切換リング部11を回動変位させることにより、被係合面6fがクリックボール4rに対して周方向Ffに離間し、かつクリックボール4rがクリック溝6cs…を設けない平坦面6nに圧接する非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umが構成される。このようなモード切換機構部Umを設ければ、モード切換リング部11の位置変更により、クリックモードMcと非クリックモードMnの切換を円滑かつ確実に行うことができる。
一方、操作リング31には、外側端から前方へ延出した筒形の操作部31gを一体形成し、この操作部31gの前部によりフィルタ枠21の後部を覆うとともに、前述した絞りリング3の前端には、前方へ延出した筒形のカバー部3cを一体形成し、このカバー部3cの前部により操作部31gの後部を覆う。これにより、図3に示すように、レンズLの外観性が確保される。
次に、上述した参考例に係る絞り装置1の機能及び使用方法について、図3〜図8を参照して説明する。
まず、クリックモードMcに切換えた場合について説明する。クリックモードMcでは、図4に示すように、コイルスプリング34に付勢されたクリックボール4rが被係合面6fに圧接する。この状態では、固定されたフィルタ枠21の後面に設けた一方の係止凹部40uに、操作リング31の前面に設けた係止ピン39が係止するとともに、操作リング31の後面に設けた係止ピン38が被係合基体部6の前面に設けた係止凹部35に係止するため、被係合基体部6の周方向Ffへの回動変位が規制される。したがって、絞りリング3を回動操作し、絞り調整すれば、クリックボール4rが被係合面6f上を摺動して移動するため、各クリック溝6cs…の位置では、図7(a)に示すように、クリックボール4rをクリック溝6csに対してクリック係合させることができる。
一方、クリックモードMcから非クリックモードMnに切換える場合について説明する。この場合、ユーザは操作リング31を手で持ち、図5に示すように、後方へ変位させた後、180〔゜〕回動変位させる。この場合、操作リング31と被係合基体部6間には、板バネ36a…が介在するため、この板バネ36a…の弾力に抗して後方へ変位させれば、係止ピン39が係止凹部40uから抜け、係止ピン39と係止凹部40uの係止が解除されるため、操作リング31を回動変位させることができる。この際、被係合基体部6は、係止凹部35及び係止ピン38を介して操作リング31に係止するため、被係合基体部6も操作リング31の回動変位と一体に回動変位する。そして、操作リング31を180〔゜〕回動変位させれば、係止ピン39は、板バネ36a…の弾力により付勢されているため、他方の係止凹部40dに自動で係止する。これにより、非クリックモードMnに切換えられ、かつ被係合基体部6の位置はロック機構部12によりロックされる。
この結果、図5及び図7(b)に示すように、クリックボール4rは平坦面6nに圧接する。平坦面6nには、クリック溝6cs…を設けないため、クリック機構部Ucによるクリック機能は解除される。したがって、絞りリング3を、例えば、マニュアル操作により回動変位させてもクリック感を生じることはない。なお、この非クリックモードMnからクリックモードMcに切換える場合には、同様の操作を反対方向に行えばよく、これにより、上述したクリックモードMcに戻すことができる。
このように、参考例に係るレンズの絞り装置1によれば、被係合基体部6の位置を変更することにより、クリックボール4rと被係合面6fが圧接するクリックモードMc,又はクリックボール4rと被係合面6fが離間してクリック機能が解除される非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umを設けたため、非クリックモードMnに切換えることにより、例えば、ビデオカメラ機能による撮影時に、クリック時の振動やクリック音をマイクロホンが拾ってしまう不具合を解消できる。これにより、ビデオカメラ機能における撮影品質(集音品質)を高めることができるなど、必要に応じてクリック機構部Ucの悪影響を排除できる。しかも、クリックモードMcと非クリックモードMnを任意に選択できるため、両モードMc,Mnのメリットを使い分けることができ、ユーザの利便性及び快適性を高めることができる。具体的には、クリックモードMcを選択すれば、絞り値の目安にすることができるため、マニュアル操作時に所望の絞り値を速やかに設定できるとともに、非クリックモードMnを選択すれば、絞りを連続して可変する場合或いは絞りリング3をマニアックに操作するなど絞り値に捕らわれない撮影を行う場合等にスムースな操作を確保できる。加えて、クリック感のみを解消し、いずれのモードMc,Mnにおいても操作性(操作フィーリング)を変えないため、操作力が異なることによる操作ミス等の不具合を回避できる。
次に、本発明の好適実施形態に係るレンズの絞り装置1について、図1を参照して説明する。
図1に示す絞り装置1は、クリック機構部Ucを構成するに際して、固定筒部2cの外周面2cfに係合部5を配設するとともに、絞りリング3の内面3iに被係合基体部6を配設したものである。したがって、絞りリング3の一部が被係合基部6を兼用することになる。この場合、クリック溝6csは軸方向Fsに沿って形成するとともに、各クリック溝6cs…は内面3iの周方向に順次形成する。
また、モード切換機構部Umを構成するに際しては、絞りリング3を軸方向Fsへ変位させて切換できるようにした。即ち、絞りリング3を軸方向Fs後方へ変位させ、図1に実線で示す位置にセットすれば、クリックボール4rが被係合面6fに圧接するクリックモードMcに切換えできるとともに、絞りリング3を軸方向Fs前方へ変位させ、図1に仮想線で示す位置にセットすれば、クリックボール4rが被係合面6fに対して軸方向Fsに離間する非クリックモードMnに切換えできる。なお、51は、クリックモードMcに切換えたときに、クリックボール4rに係合するV溝を、52は、非クリックモードMnに切換えたときに、クリックボール4rに係合するV溝をそれぞれ示し、各V溝51,52は、絞りリング3の内周面3iの周方向Ffに沿って、少なくとも絞りリング3の回動範囲にわたって形成される。
したがって、図1に示すクリック機構部Ucによれば、固定筒部2cの外周面2cfに係合部5を配設するとともに、絞りリング3の内周面3iに被係合基体部6を配設したため、モード切換リング部11を使用することなしに、クリック機構部Ucを構成できる。これにより、部品点数の増加及び大型化を伴うことなく、低コストに実施できる。しかも、絞りリング3を軸方向Fsに変位させることにより、クリックモードMc又は非クリックモードMnに切換可能なモード切換機構部Umを容易に構築できる。また、モード切換機構部Umは、絞りリング3を軸方向Fsに変位させることにより、クリックボール4rが被係合面6fに圧接するクリックモードMc,又はクリックボール4rが被係合面6fに対して軸方向Fsに離間する非クリックモードMnに切換可能に構成したため、僅かな操作ストロークにより切換可能になり、切換操作を行う際における容易性及び迅速性を高めることができる。
一方、図2には、本発明の変更実施形態に係る絞り装置1を示す。図2に示す絞り装置1は、クリック機構部Ucを構成するに際して、図3〜図5の参考例に示した操作リング31と同様の形状を有するモード切換リング部11を用いるとともに、このモード切換リング部11の後面に係合部5を配設し、かつ絞りリング3の前面を被係合面6fとして用いたものである。したがって、絞りリング3の一部が被係合基部6を兼用する。この場合、被係合面6fには、径方向に沿ったクリック溝6csを形成するとともに、各クリック溝6cs…は周方向に順次形成する。また、係合部5を設けるに際しては、別途の係合体保持部61をモード切換リング部11の後面に固定し、この係合体保持部61に、前述した係合部5を設けた。なお、係合部5は、クリックボール4rが係合体保持部61から飛び出さないように、先端開口を小径に形成した。
さらに、モード切換機構部Umを構成するに際しては、モード切換リング部11を軸方向Fsへ変位させて切換できるようにした。即ち、モード切換リング部11を軸方向Fs後方へ変位させ、図2に仮想線で示す位置にセットすれば、クリックボール4rが被係合面6fに圧接するクリックモードMcに切換えできるとともに、モード切換リング部11を軸方向Fs前方に変位させ、図2に実線で示す位置にセットすれば、クリックボール4rが被係合面6fに対して軸方向Fsに離間する非クリックモードMnに切換えることができる。
このため、モード切換リング部11は軸方向Fsへ所定ストローク範囲にわたって変位可能に構成するとともに、係止ピン39は係止凹部40uに係合させることにより周方向Ffへの回動変位を規制するようにした。また、絞りリング3は、ストッパ部材62により軸方向Fsへの変位を規制する。さらに、モード切換リング部11の内周面には、図2に示すように、係止凹部63,64を設けるとともに、固定筒部2cの外周面に、当該係止凹部63,64に係合可能な係合部65を構成する。この係合部65は前述した係合部5と同様に構成できるとともに、係止凹部63,64の位置は、モード切換リング部11を軸方向Fsに変位させた際に、クリックモードMcと非クリックモードMnに位置決めできるように選定する。
したがって、図2に示すクリック機構部Uc及びモード切換機構部Umを用いれば、図3〜図5の参考例に対して、別途設ける被係合基部6を不要にできるとともに、図1の場合と同様、僅かな操作ストロークにより切換可能になり、切換操作を行う際における容易性及び迅速性を高めることができる。なお、図2に示す変更実施形態では、クリックモードMcと非クリックモードMnの操作感が異なる虞れがある。このため、必要に応じて、操作感ができるだけ近似するように、絞りリング3の操作トルクを高く設定するなどの手段を講じることができる。なお、図1及び図2において、図3〜図5に示した部分と同一の部分については同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
以上、好適実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、クリック機構部Ucの係合部5を構成するに際して、クリックボール4rとコイルスプリング34を組合わせた構成を示したが、先端側を湾曲させた板バネを用いた係合部5など、他の同一機能を有する係合部5を用いる場合を排除するものではない。同様に、被係合部6c…としてクリック溝6cs…を形成した場合を示したが、凸条に形成し、係合部5側に、当該凸条に係合する部材を弾性支持するなど、他の同一機能を発揮する被係合部6c…を用いる場合を排除するものではない。なお、平坦面6nとは、被係合部6c…を設けない意味であり、平坦面6nが湾曲しているか否かは問わない。一方、実施形態では、クリック機構部Ucを構成するに際し、固定筒部2cの外周面2cfに係合部5を設け、絞りリング3の内周面3iに被係合基体部6を設けた場合を示したが、絞りリング3の内周面3iに係合部5を設け、固定筒部2cの外周面2cfに被係合基体部6を設けてもよい。また、ロック機構部12も同様の機能を有する他の公知の構造を採用することができる。
本発明に係る絞り装置1は、デジタルカメラやビデオカメラ等の各種光学機器のレンズに利用することができる。この際、レンズは交換レンズ等の単品であってもよいし、非交換式のレンズとして光学機器に一体化されたレンズであってもよい。
1:絞り装置,,2:レンズ鏡筒,2c:固定筒部,2cf:固定筒部の外周面,3:絞りリング,3i:絞りリングの内周面,4:係合体,4r:クリックボール,5:係合部,6:被係合基体部,6c…:被係合部,6cs…:クリック溝,6f:被係合面,12:ロック機構部,Uc:クリック機構部,Um:モード切換機構部,Fs:軸方向,Mc:クリックモード,Mn:非クリックモード
Claims (3)
- レンズ鏡筒の固定筒部に対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング及びこの絞りリングを複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構部を有するレンズの絞り装置において、前記絞りリングの内周面又は前記固定筒部の外周面の、一方に、弾性支持された係合体を有する係合部を配設するとともに、他方に、前記係合体が圧接し、かつ前記絞りリングを回動させた際に、前記絞り値に対応した位置で前記係合体が係合可能な複数の被係合部を形成してなる被係合面を有する被係合基体部とを設けてなるクリック機構部と、前記絞りリング又は前記被係合基体部の少なくとも一方を軸方向に変位させることにより、前記係合体と前記被係合面が圧接するクリックモード,又は前記係合体と前記被係合面が離間してクリック機能が解除される非クリックモードに切換可能なモード切換機構部とを備えることを特徴とするレンズの絞り装置。
- 前記クリック機構部は、前記係合体となるクリックボールを有するとともに、前記被係合部となるクリック溝を有することを特徴とする請求項1記載のレンズの絞り装置。
- 前記モード切換機構部は、前記係合部又は前記被係合基体部の少なくとも一方の位置を変更することにより、前記クリックモード.又は前記非クリックモードに切換えた際に、前記係合部又は前記被係合基体部の位置をロックするロック機構部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズの絞り装置。
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