JP7290310B2 - レンズの絞り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レンズ鏡筒に備える絞り調整リングの回動変位により内部の光路を形成する絞り開口部の大きさを変更するレンズの絞り装置に関する。
従来、カメラ等のレンズにおけるレンズ鏡筒に備える絞り調整リングの回動変位により、当該レンズ鏡筒の内部の周方向に沿って所定間隔置きに配した複数の絞り羽根部の少なくとも一部の部位を径方向へ変位させることにより、当該レンズ鏡筒の内部の光路を形成する絞り開口部の大きさを変更可能に構成したレンズの絞り装置としては、特許文献1に開示されるカメラ用絞り装置が知られている。
同文献1に記載される絞り装置は、複数枚の絞り羽根を同時に同じ方向へ回転させて絞り開口を小さくしたとき、絞り羽根が撓まされても、絞り開口を形成する基準面からの変位量を少なくすることができるようにしたカメラ用絞り装置の提供を目的としたものであり、具体的には、6枚の絞り羽根を、羽根軸を地板の羽根取付孔に回転可能に嵌合させ、連結ピンを絞り駆動リングのカム溝に挿入するとともに、各絞り羽根を、羽根軸を設けている基端部から中央部まではフラットに形成し、先端部を、最先端に向けて地板側に緩く湾曲するように形成したものである。これにより、絞り羽根の各先端部は、絞り開口を小さくしていくと、最初は、全体として、絞り開口を形成する基準面よりも地板側に存在しているが、最小絞り開口の制御状態に近づくにつれ、基準面を越えて反対側に撓まされていくように構成される。
特開2009-162924号公報
しかし、上述した特許文献1に開示される絞り装置をはじめ、従来のこの種絞り装置は、次のような問題点があった。
即ち、絞り装置は、複数の絞り羽根を周方向に所定間隔おきに配した絞り羽根機構を備えるため、複数の絞り羽根の組合わせにより形成される絞り開口部の形状は多角形状になり、特許文献1の場合、6枚の絞り羽根の使用により六角形状になる。この結果、強い光や点光源を撮影した場合、光の回折現象が発生し、光源の回りに光の筋が放射方向に延びる光芒現象を生じる。この光の筋の数は、絞り羽根の数量や絞り値等により変化するため、カメラユーザーによっては、この光芒現象を楽しむ撮影も行われている。
一方、この場合、光源を正確に撮影したい観点からは、その要請に応えることができないため、特定の絞りの位置において、絞り開口部の形状が円形状になるように、絞り開口部を形成する絞り羽根の縁辺部の形状を円弧状に形成することも行われている。しかし、特定の位置における絞り羽根の縁辺部を円弧状に形成することは、反面、他の絞りの位置における絞り開口部の形状を歪ませることにもなり、この手法を採用するには限界がある。このため、通常は、開放位置及び小絞り位置においてそれぞれ円形状が生じるように形成されているのが一般的であり、より正確な光源を撮影したいカメラユーザーの要望に対して十分に応える観点からは更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したレンズの絞り装置の提供を目的とするものである。
本発明は、上述した課題を解決するため、レンズ鏡筒2に備える絞り調整リング3の回動変位により、当該レンズ鏡筒2の内部の周方向Ffに沿って所定間隔Ps置きに配した複数の絞り羽根部4…の少なくとも一部の部位を径方向Fdへ変位させて、レンズ鏡筒2の内部の光路Cを形成する絞り開口部5の大きさを変更可能な絞り羽根機構Mを備えるレンズの絞り装置1を構成するに際して、L形状のプレート材11により形成した複数の絞り羽根部4…の、一端4p…側に、固定筒部12により回動可能に支持される回動部13…を設け、他端4q…側に、絞り調整リング3の回動変位が伝達される係合部14…を設けるとともに、一端4p…側における内部側の第一縁辺部Xp…に第一の円弧形状部Scp…を形成し、他端4q…側における内部側の第二縁辺部Xq…に第二の円弧形状部Scq…を形成し、第一縁辺部Xp…と第二縁辺部Xq…間の境界部(Xm)に第三の円弧形状部Scm…を形成することにより、各絞り羽根部4…の一端4p…側における縁辺部Xp…,他端4q…側における縁辺部Xq…,及び当該一端4p…側と当該他端4q…側の中間部Xmに、円弧形状部Scp,Scq,Scmを形成し、絞り調整リング3の、三つの回動変位位置Rp,Rq,Rmで、円形状となる円形開口部5p,5q,5mを生じさせる絞り羽根機構Mを備えることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、絞り羽根機構Mは、複数の絞り羽根部4…として、少なくとも十二枚の絞り羽根部4…を含ませることができる。なお、絞り羽根部4…は、各円弧形状部Scp,Scq,Scmの一又は二以上を、絞り調整リング3のクリック機構15における選定したクリック位置(Rp,Rq,Rm)に対応して設けることが望ましい。
このような構成を有する本発明に係るレンズの絞り装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 複数の絞り羽根部4…における各絞り羽根部4…の、少なくとも、一端4p側における縁辺部Xp,他端4q側における縁辺部Xq,及び当該一端4p側と当該他端4q側の中間部Xmに、円弧形状部Scp,Scq,Scmを形成し、絞り調整リング3の、少なくとも三つの回動変位位置Rp,Rq,Rmで、円形状となる円形開口部5p,5q,5mを生じさせる絞り羽根機構Mを設けてなるため、少なくとも三種の円弧形状部Scp,Scq,Scmにより、少なくとも三つの円形開口部5p,5q,5mを生じさせることができる。この結果、有効な絞り範囲において、光芒現象が生じない撮影シーンをより増加させることができ、より正確な光源を撮影したいカメラユーザーの要望に十分に応えることができるとともに、必要により光芒現象も利用可能になり、レンズとしての多様性及び趣味性をより高めることができる。
(2) 絞り羽根部4を、L形状のプレート材11により形成するとともに、一端4p側における内部側の第一縁辺部Xpに第一の円弧形状部Scpを形成し、他端4q側における内部側の第二縁辺部Xqに第二の円弧形状部Scqを形成し、第一縁辺部Xpと第二縁辺部Xq間の境界部(Xm)に第三の円弧形状部Scmを形成したため、L形状のプレート材11における縁辺部Xp,Xqの配置関係を効果的に利用できる。これにより、各円弧形状部Scp,Scq,Scm同士の干渉を回避し、各円弧形状部Scp,Scq,Scm以外の縁辺部Xp,Xqにより形成される絞り開口部5の形状(多角形状)が受ける歪み等の影響を最小限に抑えることができる。
(3) 絞り羽根部4…を構成するに際し、一端4p側に、固定筒部12により回動可能に支持される回動部13を設けるとともに、他端4q側に、絞り調整リング3の回動変位が伝達される係合部14を設けたため、絞り羽根機構Mの構造は、従来の基本的な構造を踏襲できる。これにより、追加部品や追加構造を生じることなく容易かつ低コストに実施することができる。
(4) 好適な態様により、絞り羽根機構Mを構成する複数の絞り羽根部4…として、少なくとも十二枚の絞り羽根部4…を含ませて構成すれば、絞り開口部5の基本形状を十二角形状にできるため、多角形状による絞り開口部5であっても、より光芒現象を抑えることができるとともに、レンズとしての多様性及び趣味性に係わる良好なパフォーマンスを確保する観点から最適な形態として実施できる。
(5) 好適な態様により、絞り羽根部4…における各円弧形状部Scp,Scq,Scmの一又は二以上を、絞り調整リング3のクリック機構15における選定したクリック位置(停止位置)Rp,Rq,Rmに対応して設ければ、各円弧形状部Scp,Scq,Scmの位置を容易かつ確実に切換可能になるため、目的の撮影シーンに対して、シャッターチャンスを逃すなどの弊害を回避することができる。
本発明の好適実施形態に係る絞り装置に備える絞り羽根機構の正面から見た一部抽出図を含む各絞り羽根部のレイアウト構成図、 同絞り装置を備えるレンズの一部を示す断面側面図、 同絞り装置の一部を具体的に示す断面側面図、 同絞り装置に備える絞り羽根部の側面図、 同絞り装置に備える絞り羽根部の正面図、 同絞り装置に備える絞り羽根部の変位説明図、 同絞り装置の正面から見た構成であって絞り羽根部を開放側へ変位させた状態の構造図、 同絞り装置の正面から見た構成であって絞り羽根部を絞り側へ変位させた状態の構造図、 同絞り装置に備える絞り羽根機構における各種絞り開口部を生じさせた状態の各絞り羽根部のレイアウト構成図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る絞り装置1を備えるレンズLの概略構成について、図2を参照して説明する。
図2のレンズLは、例えば、一眼レフカメラ等のデジタルカメラに用いることができる交換レンズの一部を示す。このレンズLは、固定筒部12を含むレンズ鏡筒2を備える。レンズ鏡筒2の内部には、レンズ支持枠21を備え、このレンズ支持枠21の内周面には複数のレンズ体La,Lb,Lc…が支持される。また、この種の交換レンズは、通常、マニュアル又はオートのフォーカシング調整機構及びズーミング調整機構を備えるが本実施形態では図示を省略した。
次に、本実施形態に係る絞り装置1の構成について、図1~図8を参照して具体的に説明する。
図2において、符号3は、レンズ鏡筒2の外周面上に、回動操作可能に配設した絞り調整リングを示す。この絞り調整リング3はレンズ鏡筒2の内方に配した固定筒部12に対して前後方向(光軸方向Fc)の変位が規制され、周方向Ff(図7)にのみ回動操作することができる。また、絞り調整リング3と固定筒部12間にはクリック機構15を設ける。なお、例示のクリック機構15は、主クリック機構15mと副クリック機構15sの組合わせにより機能する形態を示す。即ち、通常、クリック機構15は、主クリック機構15mのみで構成されるが、例示のクリック機構15は、主クリック機構15mに加え、副クリック機構15sを追加している。この副クリック機構15sは、主クリック機構15mにおけるクリック位置に対してピッチを半ピッチ分だけ異ならせることにより、主クリック機構15mにおける任意の隣接する二つのクリック位置間の中央位置において、副クリック機構15sにおける任意のクリック位置が生じるように設定している。これにより、主クリック機構15mにおけるクリック数をNcに設定した場合、全体のクリック数は実質的に2×Ncにすることができるとともに、クリック位置の間隔を実質的に1/2にすることができる。
この場合、主クリック機構15mは、固定筒部12に設けた段差面部12mに、周方向Ffに沿って所定間隔おきに形成した複数のクリック溝部22…を有する。なお、このクリック溝部22の断面形状はV溝状に形成することができる。他方、この段差面部12mに対面する絞り調整リング3の前端面には、クリック係合部23を設ける。このクリック係合部23は、絞り調整リング3の前端面に形成した断面円形の収容穴部24に、コイルスプリング25を収容した後、クリックボール26を収容して構成する。これにより、クリックボール26は、圧縮したコイルスプリング25により弾性変位可能に支持され、前方に付勢されることにより段差面部12mに圧接し、各クリック溝部22…に係合可能となる主クリック機構部15mが構成される。また、副クリック機構15sは、光軸を対称軸に、主クリック機構部15mに対する180゜反対側の位置に設ける点を除いて主クリック機構部15mと同様に構成する。
一方、固定筒部2の内部には、絞り羽根機構Mを配設するとともに、上述した絞り調整リング3の回動変位を、当該絞り羽根機構Mに伝達する伝達機構部31を配設する。なお、クリック機構15については、以降の説明を容易にするため、主クリック機構15mのみで構成されるクリック機構15を想定して説明する。
図3に、絞り装置1の要部の構成を断面側面図により示す。伝達機構部31は、固定筒部12の内周面に回動自在に装填した回動伝達筒部32と、この回動伝達筒部32に係合する操作プレートリング33と、絞り調整リング3と回動伝達筒部32間を連結する伝達ピン部34を備える。この場合、回動伝達筒部32の後端に係合凹部32cを形成し、この係合凹部32cに、操作プレートリング33から前方へ突出する係合突片部33sを収容して係止させる。また、回動伝達筒部32の前端近傍の外周面には、伝達ピン部34の内端を螺着結合し、かつ外端部34cを、絞り調整リング3の内周部に設けた係合凹部35に収容して係合させる。このため、固定筒部12には、伝達ピン部34が貫通し、かつ伝達ピン部34の変位をガイドするガイド孔部36を形成する。
他方、固定筒部12の後端には、中心方向へ突出するリングプレート状の絞り羽根支持部37を一体に形成する。そして、この絞り羽根支持部37の前面部37fに、絞り羽根機構Mを配設する。この絞り羽根機構Mは、周方向Ffに配設した複数(例示は十二枚)の絞り羽根部4…により構成される。
図4及び図5に、絞り羽根部4の具体的形状を示す。図4は絞り羽根部4の側面形状、図5は絞り羽根部4の正面形状をそれぞれ示す。絞り羽根部4は、一枚のL形状のプレート材11により形成し、図5に示すように、外側(山側)は円弧形状に形成する。また、L形状のプレート材11の一端4p側における内部側(光軸側)には第一縁辺部Xpを形成するとともに、この第一縁辺部Xpに対して直角関係となる他端4q側における内部側(光軸側)には第二縁辺部Xqを形成する。
そして、一端4p側における第一縁辺部Xpに第一の円弧形状部Scpを形成するとともに、他端4q側における第二縁辺部Xqに第二の円弧形状部Scqを形成し、さらに、第一縁辺部Xpと第二縁辺部Xq間の境界位置(一端4p側と他端4q側の中間部Xm)に第三の円弧形状部Scmを形成する。この場合、第一の円弧形状部Scpの曲率半径は、最も大きくなり、例示の場合、開放位置で絞り開口部5が円形状になる曲率半径を選定した。図5に示す領域A1が第一の円弧形状部Scpの範囲となる。第三の円弧形状部Scmの曲率半径は、最も小さくなり、例示の場合、小絞り位置で絞り開口部5が円形状になる曲率半径を選定した。図5に示す領域A3が第三の円弧形状部Scmの範囲となる。第二の円弧形状部Scqの曲率半径は、第一の円弧形状部Scpと第三の円弧形状部Scmの中間の曲率半径を選定した。図5に示す領域A2が第二の円弧形状部Scqの範囲となる。即ち、曲率半径の大きさは、(Scp)>(Scq)>(Scm)の関係となる。
このように、絞り羽根部4を形成するに際し、L形状のプレート材11により形成するとともに、一端4p側における内部側の第一縁辺部Xpに第一の円弧形状部Scpを形成し、他端4q側における内部側の第二縁辺部Xqに第二の円弧形状部Scqを形成し、第一縁辺部Xpと第二縁辺部Xq間の境界部(Xm)に第三の円弧形状部Scmを形成すれば、L形状のプレート材11における縁辺部Xp,Xqの配置関係を効果的に利用できるため、各円弧形状部Scp,Scq,Scm同士の干渉を回避し、各円弧形状部Scp,Scq,Scm以外の縁辺部Xp,Xqにより形成される絞り開口部5の形状(多角形状)が受ける歪み等の影響を最小限に抑えることができる。
また、絞り羽根部4は、絞り羽根支持部37への組付時に、一端4p側が固定端側となり、他端4q側が自由端側となる。このため、図4及び図5に示すように、絞り羽根部4の一端4p側の近傍に、絞り羽根支持部37(固定筒部12)により回動可能に支持される突起軸を用いた回動部13を設けるとともに、他端4q側の近傍に、絞り調整リング3の回動変位が伝達される突起軸を用いた係合部14を設ける。絞り羽根部4…を、このように構成すれば、絞り羽根機構Mの構造は、従来の基本的な構造を踏襲できるため、追加部品や追加構造を生じることなく容易かつ低コストに実施することができる。
そして、このように構成する絞り羽根部4…を十二枚用意し、レンズ鏡筒2(固定筒部12)の内部における絞り羽根支持部37の前面部37fに、周方向Ffに沿って所定間隔Ps置きに配設する。各絞り羽根部4…の位置関係を図1に示す。この場合、絞り羽根支持部37に対して絞り羽根部4を組付けるに際しては、図3に示すように、絞り羽根支持部37に軸受孔部38を光軸方向Fcに形成し、この軸受孔部38に、絞り羽根部4の回動部13を挿入する。これにより、絞り羽根部4の回動部13は、軸受孔部38を支点に回動自在に支持される。他の絞り羽根部4…も同様に組付けを行う。このため、図示は省略したが、同様の軸受孔部38…が周方向Ffに沿って一定間隔置きに計十二形成されている。これにより、絞り羽根機構Mが構成される。
このように、絞り羽根機構Mを構成する複数の絞り羽根部4…として、少なくとも十二枚の絞り羽根部4…を含ませて構成すれば、絞り開口部5の基本形状を十二角形状にできるため、多角形状による絞り開口部5であっても、より光芒現象を抑えることができるとともに、レンズとしての多様性及び趣味性に係わる良好なパフォーマンスを確保する観点から最適な形態として実施できる。
一方、この絞り羽根機構Mには、前述した操作プレートリング33が対面する。この操作プレートリング33には、図7に示すように、径方向Fdに対して傾斜する係合スリット部39…を、周方向Ffに沿って一定間隔置きに計十二形成し、各絞り羽根部4…における係合部14…を対応する係合スリット部39…に挿入して係合させる。この場合、一枚の絞り羽根部4は、図7に示すように、絞り羽根部4が開放位置において係合部14が係合スリット部39の外側端に位置するように、当該係合スリット部39の位置を選定する。
これにより、レンズ鏡筒2に備える絞り調整リング3の回動変位により、当該レンズ鏡筒2の内部の周方向Ffに沿って所定間隔Ps置きに配した複数の絞り羽根部4…の少なくとも一部の部位を径方向Fdへ変位させて、レンズ鏡筒2の内部の光路Cを形成する絞り開口部5の大きさを変更可能な絞り羽根機構Mを備えるレンズの絞り装置1が構成される。
次に、本実施形態に係るレンズの絞り装置1の全体機能及び細部機能について、図1~図9を参照して説明する。
最初に、絞り装置1の全体機能(基本的機能)について、図2~図8を参照して説明する。
今、絞り調整リング3は、操作プレートリング33が図7に示す開放位置Koにあるものとする。この絞り位置Koにおいて、カメラユーザーが、絞り調整リング3を絞り方向へ回動操作すれば、この回動変位は、図3に示すように、係合凹部35に、伝達ピン部34の外端部34cが係合(係止)しているため、この伝達ピン部34を介して回動伝達筒部32に伝達される。これにより、回動伝達筒部32は、絞り調整リング3と一体に回動変位する。また、この回動伝達筒部32の回動変位により、係合凹部32cに係合突片部33sが係合(係止)する操作プレートリング33も一体に回動変位する。さらに、操作プレートリング33に形成された各係合スリット部39…には、各絞り羽根部4…における自由端側となる他端4q側の係合部14…が係合しているため、各係合部14…は操作プレートリング33の回動変位に追従する。
この際、各絞り羽根部4…の固定端側となる一端4p…側における各回動部13…の位置は固定されているため、各係合部14…は係合する係合スリット部39…に沿って変位する。即ち、操作プレートリング33の回動変位とともに、自由端側となる各絞り羽根部4…の他端4q…が固定筒部12の中心方向へ変位し、絞り調整リング3を、図8に示す小絞り位置Kcまで回動操作すれば、各絞り羽根部4…の中間部Xmは固定筒部12の中心近傍まで変位する。これにより、絞り開口部5は、開放位置における最大開口から小絞り位置における最小開口まで変化する絞り調整を行なうことができる。なお、図8中、矢印Frは、開放位置Koから小絞り位置Kcまでの操作プレートリング33の変位範囲を示す。
次に、絞り装置1における細部機能(要部の機能)について、主に、図1,図5,図6及び図9を参照して説明する。
上述したように、絞り装置1の使用時において、絞り調整リング3が、図7に示す位置、即ち、開放位置Koにある場合、絞り羽根機構Mの各絞り羽根部4…は、図9(a)に示す位置となる。この位置では、図7に示すように、最も曲率半径が大きい第一の円弧形状部Scpにより最も開口面積が大きい絞り開口部5が形成されるとともに、図9(a)に示す円形状の円形開口部5pが形成される。
図6は、絞り羽根部4における回動部13から延出した直線(Rp,R2…)により、前述した絞り調整リング3に付設したクリック機構15のクリック位置Rp,R2,Rm,R4,R5,R6,R7…R12,Rqを順番に示している。この場合、クリック位置Rpが絞り調整リング3の開放位置(図7)に対応するとともに、クリック位置Rqが絞り調整リング3の小絞り位置(図8)に対応する。
したがって、絞り調整リング3が開放位置Koとなる最初(一番目)のクリック位置Rpにあれば、各絞り羽根部4…の係合部14…は、図9(a)の位置に変位し、第一の円弧形状部Scp…の組合わせにより円形状の絞り開口部5、即ち、円形開口部5pが形成される。そして、絞り調整リング3を絞り方向へ回動操作し、三番目のクリック位置Rqへ変位させれば、各絞り羽根部4…の係合部14…は、図1の位置に変位し、第二の円弧形状部Scq…の組合わせにより円形状の絞り開口部5、即ち、円形開口部5qが形成される。さらに、絞り調整リング3を絞り方向へ回動操作し、十三番目のクリック位置Rmへ変位させれば、各絞り羽根部4…の係合部14…は、図9(b)の位置に変位し、第三の円弧形状部Scm…の組合わせにより円形状の絞り開口部5、即ち、円形開口部5mが形成される。
このように、絞り羽根部4…における各円弧形状部Scp,Scq,Scmの一又は二以上を、絞り調整リング3のクリック機構15における選定したクリック位置(停止位置)Rp,Rq,Rmに対応して設ければ、各円弧形状部Scp,Scq,Scmの位置を容易かつ確実に切換可能になるため、目的の撮影シーンに対して、シャッターチャンスを逃すなどの弊害を回避することができる。
他方、これら三つのクリック位置Rp,Rq,Rm以外のクリック位置R2,R4,R5,R6,R7…R12では、領域A1,A2及びA3以外における第一縁辺部Xp又は第二縁辺部Xqが含まれる絞り開口部5が形成される。図9(c)に、一例として、クリック位置R6における絞り開口部5の形状を示す。この場合、十二角形状の絞り開口部5eが形成される。他のクリック位置R2,R4,R5…においても、十二角形状を基本とした同様の絞り開口部5が形成される。
これにより、三つのクリック位置Rp,Rq,Rmでは、円形状となる円形開口部5p,5q,5mがそれぞれ形成されるため、強い光や点光源を撮影した場合であっても、光芒現象の発生が回避され、正確な光源を撮影することができる。一方、三つのクリック位置Rp,Rq,Rm以外のクリック位置R2,R4,R5,R6,R7…R12では、十二角形状の絞り開口部5を基本として適度の光芒現象を発生させることができる。
よって、このような本実施形態に係るレンズの絞り装置1によれば、基本構成として、複数の絞り羽根部4…における各絞り羽根部4…の、少なくとも、一端4p側における縁辺部Xp,他端4q側における縁辺部Xq,及び当該一端4p側と当該他端4q側の中間部Xmに、円弧形状部Scp,Scq,Scmを形成し、絞り調整リング3の、少なくとも三つの回動変位位置Rp,Rq,Rmで、円形状となる円形開口部5p,5q,5mを生じさせる絞り羽根機構Mを設けてなるため、少なくとも三種の円弧形状部Scp,Scq,Scmにより、少なくとも三つの円形開口部5p,5q,5mを生じさせることができる。この結果、有効な絞り範囲において、光芒現象が生じない撮影シーンをより増加させることができ、より正確な光源を撮影したいカメラユーザーの要望に十分に応えることができるとともに、必要により光芒現象も利用可能になり、レンズとしての多様性及び趣味性をより高めることができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、実施形態では、第二の円弧形状部Scq…の組合わせにより円形開口部5qが形成される位置として、三番目のクリック位置Rqを選定した場合を示したが、この位置は、第二の円弧形状部Scq…を形成する第二縁辺部Xqにおける位置を選定することにより、二番目のクリック位置R2や四番目のクリック位置R4、更には、他のクリック位置R5…に生じさせることも可能である。また、三つの回動変位位置Rp,Rq,Rmで円形開口部5p,5q,5mを生じさせる形態を示したが、絞り羽根部4を形成するL形状のプレート材11の形状変更により、四つ以上の回動変位位置Rp…において、円形開口部5p…を生じさせることも可能である。なお、プレート材11の形状変更には、例えば、第三縁辺部や第四縁辺部を追加する場合なども含まれる。したがって、一端4p側と他端4q側の中間部Xmには、一又は二以上の異なる位置Xm…が含まれる。一方、絞り羽根機構Mは、複数の絞り羽根部4…として、十二枚の絞り羽根部4…を用いた場合を示したが、十枚以下、或いは十三枚以上の任意の枚数により実施可能である。
本発明に係る絞り装置1は、デジタルカメラやビデオカメラ等の各種光学機器のレンズ、特に、レンズに備える絞り装置に利用することができる。この際、レンズは交換レンズ等の単品であってもよいし、非交換式のレンズとして光学機器に一体化されたレンズであってもよい。
1:絞り装置,2:レンズ鏡筒,3:絞り調整リング,4…:絞り羽根部,4p:絞り羽根部の一端,4q:絞り羽根部の他端,5:絞り開口部,5p:円形開口部,5q:円形開口部,5m:円形開口部,11:プレート材,12:固定筒部,13:回動部,14:係合部,15:クリック機構,Ff:周方向,Fd:径方向,Ps:所定間隔,C:光路,M:絞り羽根機構,Xp:縁辺部(第一縁辺部),Xq:縁辺部(第二縁辺部),Xm:一端側と他端側の中間部,Scp:円弧形状部(第一の円弧形状部),Scq:円弧形状部(第二の円弧形状部),Scm:円弧形状部(第三の円弧形状部),Rp:回動変位位置(クリック位置),Rq:回動変位位置(クリック位置),Rm:回動変位位置(クリック位置)

Claims (3)

  1. レンズ鏡筒に備える絞り調整リングの回動変位により、当該レンズ鏡筒の内部の周方向に沿って所定間隔置きに配した複数の絞り羽根部の少なくとも一部の部位を径方向へ変位させて、前記レンズ鏡筒の内部の光路を形成する絞り開口部の大きさを変更可能な絞り羽根機構を備えるレンズの絞り装置において、L形状のプレート材により形成した複数の絞り羽根部の、一端側に固定筒部により回動可能に支持される回動部を設け、他端側に前記絞り調整リングの回動変位が伝達される係合部を設けるとともに、前記一端側における内部側の第一縁辺部に第一の円弧形状部を形成し、前記他端側における内部側の第二縁辺部に第二の円弧形状部を形成し、前記第一縁辺部と前記第二縁辺部間の境界部に第三の円弧形状部を形成することにより、各絞り羽根部の前記一端側における縁辺部,前記他端側における縁辺部,及び当該一端側と当該他端側の中間部に、円弧形状部を形成し、前記絞り調整リングの、三つの回動変位位置で、円形状となる円形開口部を生じさせる絞り羽根機構を備えることを特徴とするレンズの絞り装置。
  2. 前記絞り羽根機構は、前記複数の絞り羽根部として、少なくとも十二枚の絞り羽根部を含むことを特徴とする請求項1記載のレンズの絞り装置。
  3. 前記絞り羽根部は、各円弧形状部の一又は二以上を、前記絞り調整リングのクリック機構における選定したクリック位置に対応して設けることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズの絞り装置。
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