JP5702483B1 - 交換レンズの絞り装置 - Google Patents

交換レンズの絞り装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5702483B1
JP5702483B1 JP2014044425A JP2014044425A JP5702483B1 JP 5702483 B1 JP5702483 B1 JP 5702483B1 JP 2014044425 A JP2014044425 A JP 2014044425A JP 2014044425 A JP2014044425 A JP 2014044425A JP 5702483 B1 JP5702483 B1 JP 5702483B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
click
aperture
interchangeable lens
fixed cylinder
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014044425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015169786A (ja
Inventor
雄司 戸山
雄司 戸山
佐藤 和広
和広 佐藤
ウェーバー ウベ
ウェーバー ウベ
グリューンワルド マーティン
グリューンワルド マーティン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosina Co Ltd
Original Assignee
Cosina Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosina Co Ltd filed Critical Cosina Co Ltd
Priority to JP2014044425A priority Critical patent/JP5702483B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5702483B1 publication Critical patent/JP5702483B1/ja
Publication of JP2015169786A publication Critical patent/JP2015169786A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)

Abstract

【課題】 レンズ鏡筒の外観をシンプル化し、操作のし易さ及び利便性の向上を図るとともに、クリック機構に対する切換構造の簡略化を図り、小型化及び低コスト化、更にはデザイン性の向上を図る。【解決手段】 固定筒部2の結像側となる後端2rの近傍に位置する外周面2eに絞りリング3を装填し、かつ固定筒部2に、弾性部5dにより弾性支持されることにより絞りリング3に圧接する係合体4を有する係合部5を配設するとともに、絞りリング3に、回動時に、絞り値に対応した位置で係合体4が係合する複数の被係合部6…を形成してなるクリック機構部Ucと、固定筒部2の後端面2rsに配設した操作部7を有する操作機構部Udと、絞りリング3に対する係合体4の圧接を所定の変位量Mpに基づいて解除可能な解除機構部Urと、操作部7の操作に基づく変位量Mpを解除機構部Urに伝達する伝達機構部Umとを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、絞りリングを所定の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構を有する交換レンズの絞り装置に関する。
従来、レンズ鏡筒の固定筒部に対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング及びこの絞りリングを複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構を有するレンズの絞り装置は、特許文献1で開示される絞リング及び特許文献2で開示されるクリックストップ装置が知られている。
特許文献1に記載される絞リングは、当該絞リングの内周面に、当該内周面の周方向に複数のクリック係止溝を所定間隔おきに形成するとともに、当該内周面に対面する固定胴の外周面に、板ばねにより押圧されたクリックボールを配し、このクリックボールを絞リングの内周面に圧接させることにより、各係止位置での指定絞による撮影が行えるように構成したものである。また、特許文献2に記載されるクリックストップ装置は、絞プリセット環の内周面に、当該内周面の周方向に複数のクリック溝を所定間隔おきに形成するとともに、当該内周面に対面する固定環に板ばねにより押圧されたクリックボールを配し、このクリックボールを絞プリセット環の内周面に圧接させて構成したものである。
しかし、このような従来におけるレンズの絞り装置は、カメラの高性能化及び多機能化により、例えば、マニュアル操作可能な絞りリングを有する一眼レフタイプのデジタルカメラに、ビデオカメラ機能を内蔵させた場合、ビデオカメラ機能による撮影時に、絞りリングが機能し、クリック機構で発生するクリック時の振動やクリック音をマイクロホンが拾ってしまうなど、クリック機構を有する絞り装置が少なからず他の機能に悪影響を及ぼす虞れがあった。また、マニュアル操作可能な絞りリングのクリック機構は、絞り値の目安になるため、撮影時に所望の絞り値に速やかに設定できるメリットがある反面、絞りを連続して可変する場合やマニアックに操作するなど絞り値に捕らわれない撮影を行う場合等においては、スムースな操作性を確保する観点から必ずしも必要なものではない。したがって、操作性及び操作感を変えることなくクリック感のみを解消できれば、ユーザの利便性及び快適性をより高めることができるが、従来のレンズでは係る要請に応えることができない問題があった。
そこで、本出願人は、この問題を解決するためのレンズの絞り装置を既に特許文献3により提案した。この絞り装置は、ビデオカメラ機能における撮影品質(集音品質)を高めるなど、必要に応じてクリック機構部の悪影響を排除するとともに、クリックモード又は非クリックモードにおいて絞りリングの操作力が異なることによる操作ミス等の不具合を回避することを目的としたものであり、具体的には、レンズ鏡筒の固定筒部に対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング及びこの絞りリングを複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構部を有する絞り装置であって、固定筒部又は絞りリングの、一方に、弾性支持された係合体を有する係合部を配設するとともに、他方に、係合体が圧接し、かつ絞りリングを回動させた際に、絞り値に対応した位置で係合体が係合可能な複数の被係合部を形成してなる被係合面を有する被係合基体部とを設けてなるクリック機構部と、係合部又は被係合基体部の少なくとも一方の位置を変更することにより、係合体と被係合面が圧接するクリックモード,又は係合体と被係合面が離間してクリック機能が解除される非クリックモードに切換可能なモード切換機構部とを設けたものである。
特開昭54−072039号公報 特開昭61−173227号公報 特開2013−134425号公報
しかし、上述した特許文献3で開示されるレンズの絞り装置は、次のような解決すべき課題も残されていた。
第一に、クリックモードと非クリックモードを切換えるモード切換リングを、レンズ鏡筒の外周部に配するため、全体の構成が大掛かりになる。即ち、レンズ鏡筒の外周部には、絞りリングに加えて、フォーカスリングやズームリング等の他の操作リングが存在するため、更に切換用の操作リングを追加することは、レンズ鏡筒における外周部の構成を煩雑化し、結局、操作のし易さや利便性にも少なからず影響する。このように、同文献3の絞り装置におけるクリックモードと非クリックモードの切換構造は、構成の複雑化及び操作性の低下を招くとともに、加えて、大型化及び高コスト化も生じることになり、これらのデメリットを解消するためには更なる改善の余地があった。
第二に、モード切換リングを、レンズ鏡筒の外周部に配設するため、特に、レンズ(交換レンズ)の外観性を損なうデメリットも存在した。即ち、デザインコンセプトがシンプル化の場合、モード切換リングは、レンズ鏡筒の外周部に露出或いは突出するため、レンズ鏡筒の外観性(デザイン性)を高めるには無視できない存在となる。一方、クリックモードと非クリックモードのモード切換機能は、利便性の観点から必要度の高い機能でもある。結局、シンプル化によるデザイン性の向上とクリックモード又は非クリックモードの切換機能を搭載する双方のメリットを同時に確保する観点からも更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した交換レンズの絞り装置の提供を目的とするものである。
本発明に係る交換レンズLの絞り装置1は、上述した課題を解決するため、レンズ鏡筒Cの固定筒部2に対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング3及びこの絞りリング3を複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構部Ucを有する絞り装置を構成するに際して、固定筒部2の結像側となる後端2rの近傍に位置する外周面2eに配設した絞りリング3と、固定筒部2に、弾性部5dにより弾性支持されることにより絞りリング3に圧接する係合体4を有する係合部5を配設し、かつ絞りリング3に、回動時に、絞り値に対応した位置で係合体4が係合する複数の被係合部6…を形成してなるクリック機構部Ucと、固定筒部2の後端面2rsに配設するとともに、最後端部7rを当該固定筒部2の後端面2rsよりも前方に位置させた操作部7を有する操作機構部Udと、絞りリング3に対する係合体4の圧接を所定の変位量Mpに基づいて解除可能な解除機構部Urと、操作部7の操作に基づく変位量Mpを解除機構部Urに伝達する伝達機構部Umとを備えてなることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、クリック機構部Ucは、係合体4となるクリックボール4bと、被係合部6となるクリック溝6sとの組合わせにより構成できる。一方、操作部7は、変位量が0となるクリックポジションXc又は回動変位により変位量Mpを解除機構部Urに伝達する非クリックポジションXnを選択可能に構成できる。また、操作機構部Udには、操作部7を、クリックポジションXcと非クリックポジションXn間を座屈的に変位させる座屈機構部Udsを設けることができる。他方、解除機構部Urを構成するに際しては、シャッタプレート部11を設け、非クリックポジションXnにおいて、当該シャッタプレート部11を変位量Mpに基づき係合体4と被係合部6間に挿入するようにしてもよいし、或いは非クリックポジションXnにおいて、係合部5を固定筒部2の径方向Fd内方へ変位させるようにしてもよいし、或いは非クリックポジションXnにおいて、弾性部5dの少なくとも後端5drを被係合部6から離間する方向Ftへ変位させるようにしてもよい。さらに、伝達機構部Umには、操作部7の回動操作に基づく回動変位を直進方向の変位に変換する運動変換機構Umcを含ませることができる。
このような構成を有する本発明に係る交換レンズLの絞り装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 基本的な構成要素である、クリック機構部Ucに対するクリックポジションXcと非クリックポジションXnを切換えるための操作部7を、固定筒部2の後端面2rsに配設したため、使用する交換レンズLをカメラ本体に装着した際には、操作部7を外部に対して露出することなく完全に隠すことができる。したがって、従来のように、レンズ鏡筒Cの外周部に配する切換リング等の切換手段の存在を排除できる。この結果、レンズ鏡筒Cにおける外周部の構成をシンプル化し、クリックポジションXcと非クリックポジションXnの切換構造の簡略化、更には操作性の向上及び利便性(使い勝手)の向上を図れるとともに、加えて、絞り装置1の小型化及び低コスト化にも寄与できる。
(2) 操作部7を含むクリックポジションXcと非クリックポジションXnの切換手段を、全て交換レンズLとカメラ本体間に隠すことができる。したがって、レンズ鏡筒Cの外周部をよりシンプル化し、デザイン性をより高める場合であっても、外観上、邪魔な存在になることはなく、デザイン設計における設計自由度の向上を図れるとともに、交換レンズLの外観におけるシンプル性の向上及びデザイン性の向上を図ることができる。
(3) クリックポジションXcと非クリックポジションXnの切換機能に基づく基本的な作用効果を失うことはない。したがって、例えば、ビデオカメラ機能による撮影時に、クリック時の振動やクリック音をマイクロホンが拾ってしまう不具合を解消できる。これにより、ビデオカメラ機能における撮影品質(集音品質)を高めることができるなど、必要に応じてクリック機構部Ucの悪影響を排除できる。しかも、クリックポジションXcと非クリックポジションXnを任意に選択できるため、両ポジションXc,Xnのメリットを使い分けることができ、ユーザの利便性及び快適性を高めることができる。具体的には、クリックポジションXcを選択すれば、絞り値の目安にすることができるため、マニュアル操作時に所望の絞り値を速やかに設定できるとともに、非クリックポジションXnを選択すれば、絞りを連続して可変する場合或いは絞りリング3をマニアックに操作するなど絞り値に捕らわれない撮影を行う場合等にスムースな操作を確保できる。加えて、クリック感のみを解消し、いずれのポジションXc,Xnにおいても操作性及び操作感を大きく変えることはないため、操作力が異なることにより操作ミス等が発生する不具合を回避できる。
(4) 操作部7の最後端部7rは、固定筒部2の後端面2rsよりも前方に位置させたため、操作部7の一部が後端面2rsから無用に突出してしまう不具合を回避でき、交換レンズLの信頼性及び装着性をより高めることができる。
(5) 好適な態様により、クリック機構部Ucを構成するに際し、係合体4となるクリックボール4bと、被係合部6となるクリック溝6sとの組合わせにより構成すれば、最も円滑に機能するクリック機構部Ucとして構築できるため、本発明の目的を達成する観点から最適な絞り装置1を実現できる。
(6) 好適な態様により、操作部7を、変位量が0となるクリックポジションXc又は回動変位により変位量Mpを解除機構部Urに伝達する非クリックポジションXnを選択可能に構成すれば、操作部7を、クリックポジションXcと非クリックポジションXnの二位置へ選択的に切換えるのみで、容易かつ迅速に目的のポジションXc又はXnに切換えることができる。
(7) 好適な態様により、操作機構部Udに、操作部7を、クリックポジションXcと非クリックポジションXn間を座屈的に変位させる座屈機構部Udsを設ければ、操作性及び操作感を高めることができる。加えて、クリックポジションXc又は非クリックポジションXnへの確実な切換を行うことができるとともに、切換えたポジションXc又はXnを確実に保持固定できる。
(8) 好適な態様により、解除機構部Urを構成するに際し、シャッタプレート部11を設け、非クリックポジションXnにおいて、当該シャッタプレート部11を変位量Mpに基づき係合体4と被係合部6間に挿入するようにし、又は非クリックポジションXnにおいて、係合部5を固定筒部2の径方向Fd内方へ変位させるようにすれば、係合体4と被係合部6…間を物理的に遮断できるため、クリック機能を確実に解除できるとともに、交換レンズLの揺れや向きなどに左右されることなく、信頼性及び安定性の高い解除機構部Urを構築できる。
(9) 好適な態様により、解除機構部Urを構成するに際し、非クリックポジションXnにおいて、弾性部5dの少なくとも後端5drを被係合部6から離間する方向Ftへ変位させるようにすれば、少ない部品点数による実施が可能になるため、解除機構部Urの構成簡易化により、機構の小型化及び軽量化を図れるとともに、低コスト化及び実施の容易化にも寄与できる。
(10) 好適な態様により、伝達機構部Umに、操作部7の回動操作に基づく回動変位を直進方向の変位に変換する運動変換機構Umcを含ませれば、配設スペースが限られているような場合であっても、設計自由度を高めることができるため、各種交換レンズLに対して柔軟に対応できる。
本発明の好適実施形態に係る絞り装置を内蔵した一部抽出拡大図を含む交換レンズの背面方向から見た要部の内部構造図、 同絞り装置を内蔵した交換レンズの外観側面図及び一部抽出拡大図を含む外観背面図、 同絞り装置の要部を示す平面方向から見た作用説明用内部構造図、 同絞り装置の要部を示す背面方向から見た作用説明用内部構造図、 同絞り装置の要部を示す背面方向から見た他の作用説明用内部構造図、 本発明の変更実施形態(第一変更実施形態)に係る絞り装置の要部を示す平面方向から見た内部構造図、 同第一変更実施形態に係る絞り装置の要部を示す背面方向から見た作用説明用内部構造図、 本発明の他の変更実施形態(第二変更実施形態)に係る絞り装置の要部を示す平面方向から見たクリックポジションに切換えた際の内部構造図、 同第二変更実施形態に係る絞り装置の要部を示す平面方向から見た非クリックポジションに切換えた際の内部構造図、 本発明の他の変更実施形態(第三変更実施形態)に係る絞り装置の要部を示す平面方向から見たクリックポジションに切換えた際の内部構造図、 同第三変更実施形態に係る絞り装置の要部を示す平面方向から見た非クリックポジションに切換えた際の内部構造図、 本発明の他の変更実施形態(第四変更実施形態)に係る絞り装置の要部を示す外観背面図、 同第四変更実施形態に係る絞り装置の要部を示す平面方向から見た内部構造図(図12中D−D線断面図)、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る絞り装置1の理解を容易にするため、絞り装置1を備える交換レンズLの概略構成について、図2を参照して説明する。
図2に示す交換レンズLは、例えば、一眼レフカメラ等のデジタルカメラにおける交換レンズとして用いることができる。この場合、交換レンズLを用いるデジタルカメラには、一眼レフ等のスチルカメラ機能に加えてビデオ撮影を行うことができるビデオカメラ機能を備えている。
交換レンズLにおいて、Cはレンズ鏡筒を示す。このレンズ鏡筒Cは、固定筒部2を備え、この固定筒部2は、結像側となる後端2rに、レンズマウント部11を有するとともに、被写体側となる前端2fには、アクセサリ装着部12を有する。レンズマウント部11は、固定筒部2の後端2rに位置する後端面2rsの径よりも小さい径を有し、この後端面2rsから後方へ所定幅だけ突出する。これにより、レンズマウント部11は、仮想線で示すカメラ本体Aのカメラマウント部Amに対して着脱可能となる。なお、アクセサリ装着部12にはフードやフィルタ類を着脱可能である。
また、例示の交換レンズLは、固定筒部2の外周面における前寄り位置に装填したフォーカスリング15を備えるとともに、固定筒部2の後端2rの近傍に位置する外周面2eに装填した絞りリング3を備える。フォーカスリング15は、固定筒部2に対して回動操作することにより、固定筒部2の内部に配した複数のフォーカスレンズを光軸方向に変位させ、フォーカシング調整を行うことができる。一方、絞りリング3は、固定筒部2に対して回動操作することにより、固定筒部2の内部に配した絞り機構を変位させ、絞り調整を行うことができ、本実施形態に係る絞り装置1を構成する。
次に、本実施形態に係る絞り装置1の要部の構成について、図1〜図4(図7)を参照して具体的に説明する。
絞り装置1は、レンズ鏡筒Cの固定筒部2に対して回動操作可能に装填した上述の絞りリング3を備えるとともに、この絞りリング3を複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構部Ucを備え、これらは絞り装置1における基本的な構成部分となる。
絞りリング3は、上述したように、固定筒部2の後端2rの近傍に位置する外周面2eに装填する。装填に際しては、固定筒部2の外周面2eに、周方向Fe全周に沿ったリング溝21を設け、このリング溝21に絞りリング3を回動自在に嵌め込むことにより装填する。これにより、図3(a)に示すように、絞りリング3の後面3rとリング溝21を形成する後壁面21rが対面接触する。この場合、リング溝21は、固定筒部2の後端2rの近傍に設けるも、図3(b)に示すように、このリング溝21の後壁面21rと固定筒部2の後端面2rs間は所定の間隔Lhが確保されるように考慮し、この間隔Lh内に、図3(a)に示す、クリック機構部Uc、更には本実施形態に係る絞り装置1の要部を構成する操作機構部Ud,解除機構部Ur及び伝達機構部Umを配設する。特に、リング溝21の後壁面21rと固定筒部2の後端面2rs間における固定筒部2は、固定筒本体部2mとこの固定筒本体部2mの後面2mrに重ねて当該後面2mrを覆う後面カバー部2cにより構成する。
この場合、クリック機構部Ucは、図3(a)に示すように、固定筒本体部2mに係合部5を配設するとともに、絞りリング3の後面3rに複数の被係合部6…を形成して構成する。
係合部5は、固定筒本体部2mの光軸方向Fsに貫通形成した断面円形のボール収容孔22を備え、このボール収容孔22に、絞りリング3側から、係合体4を構成する移動自在のクリックボール4bと弾性部5dを構成する圧縮状態のコイルスプリング5dsを収容して構成する。これにより、コイルスプリング5dsの後端は後面カバー部2cにより規制されるとともに、クリックボール4bはコイルスプリング5dsにより弾性支持されるため、絞りリング3の後面3rに圧接する。したがって、ボール収容孔22に収容したクリックボール4bとコイルスプリング5dsにより係合部5が構成される。他方、複数の被係合部6…は、絞りリング3の後面3rに、当該絞りリング3を回動させた際に、絞り値に対応した位置でクリックボール4bに係合する複数のクリック溝6s…により形成する。クリック溝6sは、図3(a)に示すように、断面形状が矩形となり、かつクリックボール4bが係合する方向から見た形状は、径方向に一定の幅を有する形状となる(図7参照)。
クリック機構部Ucを構成するに際し、係合体4となるクリックボール4bと、被係合部6となるクリック溝6sとの組合わせにより構成すれば、最も円滑に機能するクリック機構部Ucとして構築できるため、本発明の目的を達成する観点から最適な絞り装置1を実現できる利点がある。
以上により、レンズ鏡筒Cの固定筒部2に対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング3及びこの絞りリング3を複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構部Ucを有する絞り装置1の基本構造が構成される。
一方、本実施形態に係る絞り装置1は、このような基本構造に対して、さらに、操作機構部Ud,解除機構部Ur及び伝達機構部Umにより構成したポジション(モード)切換手段を備えており、これにより、クリック機構部Ucに本来のクリック機能を発揮させるクリックポジションXc、又はこのクリック機能を解除する非クリックポジションXcに切換えることができる。この場合、固定筒本体部2mの後面2mrであって、係合部5に近接する位置に、凹部を形成し、後面カバー部2cに覆われる所定形状の収容空間Siを設け、この収容空間Siを利用して、操作機構部Ud,解除機構部Ur及び伝達機構部Umを配設する。なお、収容空間Siは伝達機構部Umのガイド機能も兼ねている。
操作機構部Udは、固定筒部2の後端面2rsに配設した操作部7を有する。この際、係合部5に対して固定筒部2の周方向Feにおける所定距離だけ離間した位置に、光軸方向Fsに貫通する支持軸孔、即ち、固定筒本体部2mに貫通形成した軸受孔23と後面カバー部2cに貫通形成した操作孔24を設け、この軸受孔23と操作孔24により操作部7を回動自在に支持する。操作部7は、図3及び図4に示すように、軸方向中間に配した偏心カム部7c,軸方向一端に配した支軸部7s及び軸方向他端に配した操作頭部7hを一体形成し、支軸部7sを軸受孔23に挿入し、操作頭部7hを操作孔24に挿入する。これにより、偏心カム部7cは収容空間Si内に配される。この場合、操作部7の最後端部7rとなる操作頭部7hの先端面は、固定筒部2の後端面2rsとなる後面カバー部2cの外面よりも前方に位置させる。このように構成することにより、操作部7の一部が後端面2rsから無用に突出してしまう不具合を回避でき、交換レンズLの信頼性及び装着性をより高めることができる利点がある。なお、操作頭部7hの先端面には、マイナス溝を設け、例えば、マイナスドライバ等の操作治具により外部から回動操作できるようにする。図2に、交換レンズLを背面方向から見た外観図を示す。
また、偏心カム部7cは、収容空間Siの一側、即ち、固定筒部2の径方向外側の側壁により回動変位が規制されるようにする。これにより、偏心カム部7cは固定筒部2の径方向内側への回動変位が許容され、回動範囲は略180〔゜〕となる。これにより、変位量が0となるクリックポジションXcと、回動変位により変位量Mpを解除機構部Urに伝達する非クリックポジションXnとを設けることができる。なお、操作頭部7hの先端面には、図2に示すように、ドット状のマーキング25を表示し、クリックポジションXcと非クリックポジションXnの各ポジションを目視により判別できるようにする。このように、操作部7を、クリックポジションXc又は非クリックポジションXnを選択可能に構成すれば、当該操作部7を、クリックポジションXcと非クリックポジションXnの二位置へ選択的に切換えるのみで、容易かつ迅速に目的のポジションXc又はXnに切換えることができる。
さらに、偏心カム部7cの周縁であって、固定筒部2の径方向内側に位置する周縁には、図4に示すように、バネ部材27を圧接する。例示の場合、レバー状のバネ部材27の一端を、収容空間Si内の所定位置にネジ28等を用いて固定するとともに、バネ部材27の他端側に、自由端となる当接部27sを形成し、この当接部27sを偏心カム部7cの周縁に圧接させる。これにより、クリックポジションXcと非クリックポジションXn間において、操作部7を座屈的に回動変位させる座屈機構部Udsを構成できる。なお、バネ部材27は、収容空間Si内において、できるだけ長くなるように、一又は二以上の折曲部を設けて形成する。これにより、当接部27sが変位した際の角度変化を小さくすることができる。このような座屈機構部Udsを設ければ、操作性及び操作感を高めることができる。加えて、クリックポジションXc又は非クリックポジションXnへの確実な切換を行うことができるとともに、切換えたポジションXc又はXnを確実に保持固定できる。
解除機構部Urは、絞りリング3に対する係合体4の圧接を、所定の変位量Mpに基づいて解除するものである。この場合、収容空間Siに、一枚の伝達プレート31を配設し、解除機構部Urと伝達機構部Umの構成に兼用させる。この伝達プレート31は全体が周方向Feに沿った円弧形状に形成する。そして、伝達プレート31の中間部には周方向Feに沿った係合長孔32を形成し、この係合長孔32にガイドピン33を挿通させることにより、伝達プレート31の移動方向を、収容空間Siの形状と共にガイドする。なお、ガイドピン33は固定筒本体部2mに螺着する。
また、伝達プレート31における操作部7側には、偏心カム部7cの周縁に係合する係合凹部34及び操作頭部7hが挿通する挿通孔35を形成する。これにより、係合凹部34に偏心カム部7cを係合させれば、偏心カム部7cの回動変位により伝達プレート31を従動変位させることができる。即ち、操作頭部7hの回動操作に基づく回動変位を直進方向の変位に変換する運動変換機構Umcが構成される。このように、伝達機構部Umに、運動変換機構Umcを含ませれば、配設スペースが限られているような場合であっても、設計自由度を高めることができるため、各種交換レンズLに対して柔軟に対応できる利点がある。
一方、伝達プレート31における係合部5側は、シャッタプレート部11として形成する。この場合、伝達プレート31の中間位置を折曲して段差部11sを形成し、この段差部11sから係合部5側をシャッタプレート部11として用いる。これにより、伝達プレート31の段差部11sを境として、係合部5側がシャッタプレート部11を有する解除機構部Urとして構成される。このため、固定筒本体部2mには、当該段差部11sが挿通し、かつ段差部11sの変位を許容する開孔部36を形成する。これにより、シャッタプレート部11は、固定筒本体部2mの前面2mf側に位置するため、当該前面2mfには、図3(a)に示すように、シャッタプレート部11を収容し、かつ変位を許容する凹状の収容スペース37を形成する。
さらに、伝達機構部Umは、操作部7の操作に基づく変位量Mpを解除機構部Urに伝達する機能を有し、段差部11sを境として、伝達プレート31の操作部7側を、当該伝達機構部Umとして構成する。
このような構成により、シャッタプレート部11を周方向Feへ変位量Mpだけ反復的に変位させることができ、前進変位させた際には、変位量Mpに基づいて係合体4と被係合部6…間に位置させることができる。したがって、クリック機構部Ucのクリック機能を解除できる。他方、後退変位させた際には、係合体4と被係合部6…間から離間させることができるため、クリック機構部Ucにおける本来のクリック機能を復帰させることができる。このように、解除機構部Urを構成するに際し、シャッタプレート部11を用いれば、係合体4と被係合部6…間を物理的に遮断できるため、クリック機能を確実に解除できるとともに、交換レンズLの揺れや向きなどに左右されることなく、信頼性及び安定性の高い解除機構部Urを構築できる利点がある。
次に、本実施形態に係る絞り装置1の使用方法及び機能について、図1〜図5を参照して説明する。
今、本実施形態に係る絞り装置1を備える交換レンズLを、図2に示すようなビデオカメラ機能を内蔵した一眼レフタイプのデジタルカメラ(カメラ本体)Aに装着して使用する場合を想定する。
まず、このデジタルカメラAを通常のスチルカメラとしての写真撮影に用いる場合について説明する。この場合、使用者は、絞り値を撮影時の目安にするため、絞り装置1のクリック機構部Ucを機能させるクリックポジションXcを選択できる。したがって、使用者は、交換レンズLをデジタルカメラAに装着する前に、交換レンズLの背面、即ち、後端面2rsに開口した操作孔24から操作部7(操作頭部7h)を見て、操作部7がクリックポジションXcにあるか非クリックポジションXnにあるかを確認する。この際、非クリックポジションXnにあれば、使用者は、マイナスドライバ等の操作治具を用いて、操作部7の操作頭部7hを、略180〔゜〕回動操作し、クリックポジションXcに切換える。
切換時には、操作頭部7hを、図5に示す矢印Frc方向に回動操作する。これにより、一体の偏心カム部7cも同方向に回動変位し、この偏心カム部7cの周縁に係合する伝達プレート31は、ガイドピン33等にガイドされて、直進方向へ移動する。即ち、操作頭部7hの回動変位は運動変換機構Umcにより直進変位に変換され、操作部7側へ変位量Mpだけ後退移動する。この結果、シャッタプレート部11も係合部5から離間する方向へ変位し、クリックボール4sとクリック溝6s…間の遮断が解除される。この際、偏心カム部7cにはバネ部材27が圧接しているため、回動初期から略90〔゜〕まで回動させる際は、バネ部材27の弾性に抗して、いわば押しのけるように回動させることになり、略90〔゜〕回動させた後は、バネ部材27の弾性に押されるように、僅かな力で、或いは力を付与しなくても回動させることができる。即ち、座屈的に回動変位させることができる。
図3(a)及び図4に示す実線がクリックポジションXcの状態を示す。これにより、クリック溝6s…に対してクリックボール4sが圧接し、クリック機構部Ucの本来の機能を発揮する。即ち、絞りリング3を回動変位させた際に、絞り値の目盛毎にクリック係止し、使用者はクリック感を得ることができる。また、クリックポジションXcでは、図4に示すように、偏心カム部7cの周縁にバネ部材27が圧接し、操作部5の位置はこのクリックポジションXcに確実に保持される。
次に、このデジタルカメラAを動画撮影用のビデオカメラとして用いたり、或いはスチルカメラとして使用するも、絞りを連続変化させるマニアックな撮影を行う場合について説明する。この場合、使用者は、絞り装置1におけるクリック機構部Ucの機能を解除(無効)する非クリックポジションXnを選択できる。したがって、使用者は、交換レンズLをデジタルカメラAから一旦取外し、交換レンズLの後端面2rsにおける操作孔24に、マイナスドライバ等の操作治具を挿入し、操作部7の操作頭部7hを、反対方向へ略180〔゜〕回動操作し、非クリックポジションXnに切換える。そして、切換えたなら、再度、交換レンズLをデジタルカメラAに装着する。
切換時には、操作頭部7hを、図5に示す矢印Frs方向に回動操作する。これにより、一体の偏心カム部7cも同方向に回動変位し、この偏心カム部7cの周縁に係合する伝達プレート31は、ガイドピン33等にガイドされて、直進方向へ移動する。即ち、操作頭部7hの回動変位は運動変換機構Umcにより直進変位に変換され、係合部5側へ変位量Mpだけ前進移動するとともに、シャッタプレート部11は、クリックボール4sとクリック溝6s…間に差し込まれる。図3(b)及び図5がこの状態を示している。これにより、クリックボール4sとクリック溝6s…間が遮断され、クリック溝6s…に対するクリックボール4sの圧接が解除されるため、クリック機構部Ucの本来の機能が発揮されなくなる。即ち、絞りリング3を回動変位させた際にはクリック感が何ら発生することはなく、連続した絞り操作を行うことができる。この結果、例えば、ビデオカメラ機能による撮影時に、絞りリングが機能し、クリック機構で発生するクリック時の振動やクリック音をマイクロホンが拾ってしまう弊害を解消できる。なお、この切換時にも座屈的に回動変位させることができる。
よって、このような本実施形態に係る交換レンズLの絞り装置1によれば、基本的な構成要素である、クリック機構部Ucに対するクリックポジションXcと非クリックポジションXnを切換えるための操作部7を、固定筒部2の後端面2rsに配設したため、使用する交換レンズLをカメラ本体に装着した際には、操作部7を外部に対して露出することなく完全に隠すことができる。したがって、従来のように、レンズ鏡筒Cの外周部に配する切換リング等の切換手段の存在を排除できる。この結果、レンズ鏡筒Cにおける外周部の構成をシンプル化し、クリックポジションXcと非クリックポジションXnの切換構造の簡略化、更には操作性の向上及び利便性(使い勝手)の向上を図れるとともに、加えて、絞り装置1の小型化及び低コスト化にも寄与できる。また、操作部7を含むクリックポジションXcと非クリックポジションXnの切換手段を、全て交換レンズLとカメラ本体間に隠すことができる。したがって、レンズ鏡筒Cの外周部をよりシンプル化し、デザイン性をより高める場合であっても、外観上、邪魔な存在になることはなく、デザイン設計における設計自由度の向上を図れるとともに、交換レンズLの外観におけるシンプル性の向上及びデザイン性の向上を図ることができる。
一方、本実施形態に係る交換レンズLの絞り装置1であっても、クリックポジションXcと非クリックポジションXnの切換機能に基づく基本的な作用効果を失うことはない。したがって、例えば、ビデオカメラ機能による撮影時に、クリック時の振動やクリック音をマイクロホンが拾ってしまう不具合を解消できる。これにより、ビデオカメラ機能における撮影品質(集音品質)を高めることができるなど、必要に応じてクリック機構部Ucの悪影響を排除できる。しかも、クリックポジションXcと非クリックポジションXnを任意に選択できるため、両ポジションXc,Xnのメリットを使い分けることができ、ユーザの利便性及び快適性を高めることができる。具体的には、クリックポジションXcを選択すれば、絞り値の目安にすることができるため、マニュアル操作時に所望の絞り値を速やかに設定できるとともに、非クリックポジションXnを選択すれば、絞りを連続して可変する場合或いは絞りリング3をマニアックに操作するなど絞り値に捕らわれない撮影を行う場合等にスムースな操作を確保できる。加えて、クリック感のみを解消し、いずれのポジションXc,Xnにおいても操作性及び操作感を大きく変えることはないため、操作力が異なることにより操作ミス等が発生する不具合を回避できる。という基本的な効果を享受できる。
次に、本発明の変更実施形態に係る絞り装置1について、図6〜図13を参照して説明する。
図6及び図7は、第一変更実施形態に係る絞り装置1の要部を示す。この絞り装置1は、係合部5を固定筒部2の径方向Fd内方へ変位させるものであり、図1〜図5に示した基本実施形態のようなシャッタプレート部11は使用しない。即ち、係合部5を伝達プレート31の先端(他端)に支持し、操作に基づく変位量Mpにより、シャッタプレート部11を変位させる代わりに係合部5自体を固定筒部2の径方向Fd内方へ変位させるようにしたものである。
このため、基本実施形態における運動変換機構Umcは使用しない。図6に示すように、伝達プレート31の中間位置を回動部40により回動自在に支持するとともに、操作部7における偏心カム部7cの回動変位を伝達プレート31の一端側に直接伝達し、伝達プレート31を回動部40を支点にして回動変位させるようにした。この場合、係合部5は、図6に示すように、独立した係合ユニット41として構成する。即ち、係合ユニット41は、ボール収容筒42を備え、伝達プレート31の他端の近傍に位置するプレート部31sにより、ボール収容筒42の一端側の外周面を支持する。そして、ボール収容筒42の内部に、被係合部6側から、クリックボール4b,コイルスプリング5ds,滑動ボール43の順に収容し、クリックボール4bをクリック溝6sに圧接させるとともに、滑動ボール43を後面カバー部2cの内面に当接させる。滑動ボール43を設けることにより伝達プレート31の変位を円滑に行うことができる。なお、符号44は固定筒本体部2mに貫通形成し、係合ユニット41の変位を許容する空間部を示し、45は伝達プレート31の一端側を偏心カム部7cの周縁に常時当接させるための付勢スプリングを示す。
これにより、偏心カム部7cを、図7に示す実線位置、即ち、クリックポジションXcに変位させれば、伝達プレート31は時計方向へ回動変位し、クリックボール4bをクリック溝6sに圧接(係合)させることができる。他方、偏心カム部7cを、図7に示す仮想線位置、即ち、非クリックポジションXnに変位させれば、伝達プレート31は反時計方向へ回動変位し、クリックボール4bを固定筒部2の径方向Fd内方へ変位してクリック溝6sから離間する。即ち、クリックボール4bとクリック溝6sの圧接(係合)を解除することができる。
このような第一変更実施形態によれば、基本実施形態と同様に、係合体4と被係合部6…間を物理的に遮断できるため、クリック機能を確実に解除できるとともに、交換レンズLの揺れや向きなどに左右されることなく、信頼性及び安定性の高い解除機構部Urを構築できる利点がある。その他、図6及び図7において、図1〜図5と同一構成部分及び同一機能部分については、同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図8及び図9は、第二変更実施形態に係る絞り装置1の要部を示す。第二変更実施形態は、弾性部5dの少なくとも後端5drを、被係合部6に対して離間するFt方向へ変位させるようにしたものである。したがって、構造上は、図8に示すように、コイルスプリング5dsの後端5drを操作部7により直接支持する。これにより、操作部7自体を前進させた位置がクリックポジションXcとなり、後退させた位置が非クリックポジションXnとなる。
したがって、具体的な構造としては、前述した操作部7における偏心カム部7cの代わりに、例えば、楕円形等の非円形形状部7rを設けるとともに、他方、固定筒本体部2mの後面2mrに、非円形形状部7rの回動が許容される円形凹状のクリックポジション嵌合部51を形成し、また、このクリックポジション嵌合部51に対して、同軸上となり、かつこの後面2mrに対向する後面カバー部2cの前面2cfに非円形形状部7rが嵌合可能な非円形凹状の非クリックポジション嵌合部52を形成する。
これにより、図8に示すように、操作部7を押込み、非円形形状部7rをクリックポジション嵌合部51に収容するとともに、収容した状態で、操作部7を回動操作し、非円形形状部7rを、クリックポジション嵌合部51に嵌合する位置以外の位置に、位置させれば、非円形形状部7rは、後面カバー部2cの前面2cfに圧接した状態で係止し、クリックポジションXcに切換えることができる。他方、図8の状態から、操作部7を回動操作し、非円形形状部7rを、クリックポジション嵌合部51に嵌合する位置に、位置させれば、非円形形状部7rは、図9に示すように、矢印Ft方向へ変位することにより、クリックポジション嵌合部51に圧接した状態で入り込み、非クリックポジションXnに切換えることができる。非クリックポジションXnでは、コイルスプリング5dsの後端5drが後方へ変位し、クリックボール4bに付加される弾性力が無くなり又は減少し、実質的なクリック機能は解除される。
このような第二変更実施形態によれば、少ない部品点数による実施が可能になるため、解除機構部Urの構成簡易化により、機構の小型化及び軽量化を図れるとともに、低コスト化及び実施の容易化にも寄与できる。なお、第二変更実施形態による構成では、操作機構部Udは、解除機構部Ur及び伝達機構部Umを兼ねている。その他、図8及び図9において、図1〜図5と同一構成部分及び同一機能部分については、同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図10及び図11は、第三変更実施形態に係る絞り装置1の要部を示す。第三変更実施形態は、図8及び図9に示した第二変更実施形態に対して、クリックボール4bの代わりに、先端が球面形状のクリックロッド4mを使用するとともに、このクリックロッド4mの中間位置に形成した鍔状のストッパ部4msの前後に前スプリング5dxと後スプリング5dyを配したものである。この場合、前スプリング5dxはクリック溝6s側に配し、後スプリング5dyは操作頭部7h側に配するとともに、力量設定を、前スプリング5dx<<後スプリング5dyの関係に設定する。また、後スプリング5dyの後端は、操作部7の前端面に当接させる。操作部7は、操作頭部7hに加え、その前方にネジ部61を有し、このネジ部61を固定筒本体部2mに螺合させる。
これにより、図10に示すように、操作部7を回動操作することにより、前進端位置まで移動させれば、クリックポジションXcに切換えることができる。他方、図10の状態において、操作部7を反対方向へ回動操作することにより、後退端位置まで移動させれば、図11に示す非クリックポジションXnに切換えることができる。第三変更実施形態も図8及び図9に示した第二変更実施形態と同様、非クリックポジションXnでは、前スプリング5dx及び後スプリング5dyを含む弾性部5の後端5dr、即ち、後スプリング5dyの後端が後方へ変位し、クリックボール4bに付加される弾性力が無くなり又は減少し、実質的なクリック機能は解除される。
このような第三変更実施形態も、少ない部品点数による実施が可能になるため、解除機構部Urの構成簡易化により、機構の小型化及び軽量化を図れるとともに、低コスト化及び実施の容易化にも寄与できる。加えて、クリックポジションXcと非クリックポジションXnの中間位置に設定することも可能となるため、クリック感の任意の強弱設定も行うことができる。なお、第三変更実施形態による構成においても、操作機構部Udは、解除機構部Ur及び伝達機構部Umを兼ねている。その他、図10及び図11において、図1〜図5及び図8及び図9と同一構成部分及び同一機能部分については、同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
図12及び図13は、第四変更実施形態に係る絞り装置1の要部を示す。第四変更実施形態は、図1〜図11に示した基本実施形態及び各変更実施形態に対して、操作部7の形態を変更したものである。図1〜図11に示した各実施形態は、いずれもドライバ等の操作治具を用いて操作を行うものであるが、図12及び図13は、折畳式の操作ツマミ71を備える操作部7を使用し、操作するに際して別途は操作治具を不要としたものである。例示の場合、操作頭部7hの端面に、操作ツマミ71の一端を回動軸72を介して回動可能に取付けた。この際、操作ツマミ71の他端は回動軸72を支点に回動可能となり、使用しないときは、図13に実線で示す位置まで傾倒して格納状態にできる。したがって、格納状態の操作ツマミ71は、後面カバー部2cの面に対して略平行となり、格納状態の操作ツマミ71を含む操作部7は後面カバー部2cの後端面2rsから突出しないように、後面カバー部2cの後端面2rsには、凹状のツマミ収容部73を設ける。
他方、使用するときは、図13に仮想線で示す操作ツマミ71のように、後面カバー部2cの面に対して略直角となるように起立させることができる。73sは、操作ツマミ71を起立させる際に指先を入れるための指入部を示す。そして、起立させた操作ツマミ71は、手で持つことにより、操作部7を回動操作できる。その他、操作部7を回動操作したときの作用(機能)は、図1〜図5又は図6及び図7に示した実施形態の場合と同じになる。なお、図12及び図13において、図1〜図5に示した部分と同一構成部分及び同一機能部分については、同一符号を付して、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
以上、好適実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。例えば、クリック機構部Ucの係合部5を構成するに際して、クリックボール4bとコイルスプリング5dsを組合わせた例を示したが、先端側を湾曲させた板バネを用いた係合部5など、他の同一機能を有する係合部5を排除するものではない。同様に、被係合部6…としてクリック溝6s…を形成した場合を示したが、凸条に形成し、係合部5側に、当該凸条に係合する部材を弾性支持するなど、他の同一機能を発揮する被係合部6…を用いる場合を排除するものではない。さらに、座屈機構部Udsは必ずしも必要となるものではなく必要により設けることができるとともに、他の機構(位置ロック機構等)により置換することもできる。
本発明に係る絞り装置1は、デジタルカメラやビデオカメラ等の各種光学機器、特に、スチルカメラ機能とビデオカメラ機能の双方を備えるカメラ機器類に装着する交換レンズに利用できる。
1:絞り装置,2:固定筒部,2r:固定筒部の後端,2e:固定筒部の外周面,2rs:固定筒部の後端面,3:絞りリング,4:係合体,4b:クリックボール,5:係合部,5d:弾性部,5dr:弾性部の後端,6…:被係合部,6s…:クリック溝,7:操作部,7r:操作部の最後端部,11:シャッタプレート部,Uc:クリック機構部,Ud:操作機構部,Ur:解除機構部,Um:伝達機構部,Uds:座屈機構部,Umc:運動変換機構,L:交換レンズ,C:レンズ鏡筒,Mp:変位量,Xc:クリックポジション,Xn:非クリックポジション,Fd:径方向

Claims (8)

  1. レンズ鏡筒の固定筒部に対して回動操作可能に装填することにより絞りを調整可能な絞りリング及びこの絞りリングを複数の絞り値に対応した位置でクリック係合可能なクリック機構部を有する交換レンズの絞り装置において、前記固定筒部の結像側となる後端の近傍に位置する外周面に配設した前記絞りリングと、前記固定筒部に、弾性部により弾性支持されることにより前記絞りリングに圧接する係合体を有する係合部を配設し、かつ前記絞りリングに、回動時に、前記絞り値に対応した位置で前記係合体が係合する複数の被係合部を形成してなるクリック機構部と、前記固定筒部の後端面に配設するとともに、最後端部を当該固定筒部の後端面よりも前方に位置させた操作部を有する操作機構部と、前記絞りリングに対する前記係合体の圧接を所定の変位量に基づいて解除可能な解除機構部と、前記操作部の操作に基づく前記変位量を前記解除機構部に伝達する伝達機構部とを備えてなることを特徴とする交換レンズの絞り装置。
  2. 前記クリック機構部は、前記係合体となるクリックボールと、前記被係合部となるクリック溝との組合わせにより構成することを特徴とする請求項1記載の交換レンズの絞り装置。
  3. 前記操作部は、前記変位量が0となるクリックポジション又は回動変位により前記変位量を前記解除機構部に伝達する非クリックポジションを選択可能に構成することを特徴とする請求項1又は2記載の交換レンズの絞り装置。
  4. 前記操作機構部は、前記操作部を、前記クリックポジションと前記非クリックポジション間を座屈的に変位させる座屈機構部を備えることを特徴とする請求項3記載の交換レンズの絞り装置。
  5. 前記解除機構部は、シャッタプレート部を有し、前記非クリックポジションにおいて、当該シャッタプレート部を前記変位量に基づき前記係合体と前記被係合部間に挿入する構成を有することを特徴とする請求項3又は4記載の交換レンズの絞り装置。
  6. 前記解除機構部は、前記非クリックポジションにおいて、前記係合部を前記固定筒部の径方向内方へ変位させる構成を有することを特徴とする請求項3又は4記載の交換レンズの絞り装置。
  7. 前記解除機構部は、前記非クリックポジションにおいて、前記弾性部の少なくとも後端を前記被係合部から離間する方向へ変位させる構成を有することを特徴とする請求項3又は4記載の交換レンズの絞り装置。
  8. 前記伝達機構部は、前記操作部の回動操作に基づく回動変位を直進方向の変位に変換する運動変換機構を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の交換レンズの絞り装置。
JP2014044425A 2014-03-06 2014-03-06 交換レンズの絞り装置 Active JP5702483B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014044425A JP5702483B1 (ja) 2014-03-06 2014-03-06 交換レンズの絞り装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014044425A JP5702483B1 (ja) 2014-03-06 2014-03-06 交換レンズの絞り装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5702483B1 true JP5702483B1 (ja) 2015-04-15
JP2015169786A JP2015169786A (ja) 2015-09-28

Family

ID=52875918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014044425A Active JP5702483B1 (ja) 2014-03-06 2014-03-06 交換レンズの絞り装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5702483B1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6659136B2 (ja) 2015-12-17 2020-03-04 キヤノン株式会社 電子機器
JP6727583B2 (ja) * 2016-09-07 2020-07-22 株式会社シグマ レンズ鏡筒
WO2018055963A1 (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 富士フイルム株式会社 投射レンズ及びプロジェクタ
JP6659803B1 (ja) * 2018-11-02 2020-03-04 富士フイルム株式会社 投射レンズ及び投射装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010256622A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Sony Corp レンズ鏡筒及び撮像装置
JP2013101306A (ja) * 2011-10-12 2013-05-23 Olympus Imaging Corp 操作装置
JP2013134425A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Cosina Co Ltd レンズの絞り装置
JP2013137505A (ja) * 2012-10-01 2013-07-11 Cosina Co Ltd レンズの絞り装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010256622A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Sony Corp レンズ鏡筒及び撮像装置
JP2013101306A (ja) * 2011-10-12 2013-05-23 Olympus Imaging Corp 操作装置
JP2013134425A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Cosina Co Ltd レンズの絞り装置
JP2013137505A (ja) * 2012-10-01 2013-07-11 Cosina Co Ltd レンズの絞り装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015169786A (ja) 2015-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5702483B1 (ja) 交換レンズの絞り装置
JP5166597B1 (ja) レンズの絞り装置
JP5483233B2 (ja) レンズアダプタ
US8317416B2 (en) Barrier device for camera
JP5525093B1 (ja) カメラ用ロック解除装置
US8837062B2 (en) Lens unit
US10634868B2 (en) Lens barrel
JP5597955B2 (ja) 変倍レンズ鏡筒
JP2007258198A (ja) 蓋部材の支持構造及び電子機器
US10310358B2 (en) Lens barrel and camera
JP2013137505A (ja) レンズの絞り装置
JP6436727B2 (ja) レンズフード及びそれを有するレンズ装置
JP2012047804A (ja) レンズ装置
JP5788340B2 (ja) レンズ鏡筒の遮光構造
JP6116166B2 (ja) 絞り機構付きカメラ
JP6053464B2 (ja) レンズ鏡筒及び光学機器
JP5651088B2 (ja) レンズ装置
JP4455108B2 (ja) ズームレンズを有するカメラおよびズームレンズ鏡筒
JP6009876B2 (ja) 絞り機構付きカメラ
JP2002040517A (ja) バリア装置
JP7180616B2 (ja) レンズ鏡筒及びカメラ
JP2001324740A (ja) レンズフード
JP2020177094A (ja) レンズの絞り装置
JP2014186079A (ja) 交換レンズ
JP4821153B2 (ja) レンズフード

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5702483

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250