JP2013134810A - レバー式コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】2つのハウジングを嵌合する前に、電線カバーの不正組付けを検知できるようにする。
【解決手段】レバー式コネクタは、第1ハウジング10に組み付けられる電線カバー50と、第1ハウジング10に設けたレバー30と、レバー30を、回動動作を行うための回動動作位置と、回動動作位置とは異なる待機位置との間でスライドさせるガイド手段(支持軸16、ガイド溝35)と、電線カバー50が不正な組付け状態でレバー30が回動動作位置へスライドしたときに、レバー30の回動を規制する回動規制手段(規制縁部15、機能突起40)と、電線カバー50が正規に組み付けられた状態でレバー30が回動動作位置へスライドしたときに、レバー30の回動動作を許容する規制解除手段(機能突起40、解除突起55)とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、レバー式コネクタに関するものである。
特許文献1には、レバーの回動動作を利用して電線カバーの組み付け状態を検知することが可能なレバー式コネクタが開示されている。このレバー式コネクタにおいては、レバーが第1ハウジングに設けられ、電線カバーが第2ハウジングに組み付けられ、レバーを回動することによって両ハウジングが嵌合されるようになっている。
電線カバーが正しく組み付けられている場合は、レバーを回動する過程で、レバーの検知溝が電線カバーの検知突起を通過する。電線カバーが正しく組み付けられていない場合は、レバーの回動過程で、レバーが、検知突起と干渉して回動動作を規制される。したがって、レバーの回動動作が支障なく行われるか否かに基づいて、電線カバーの組み付け状態を検知することができる。
特開2009−93930号公報
上記のレバー式コネクタでは、レバーと電線カバーが互いに異なるハウジングに設けられているので、2つのハウジングの嵌合作業を開始するまでは、電線カバーの組み付け状態を検知することができない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、2つのハウジングを嵌合する前に、電線カバーの不正組付けを検知できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、第1ハウジングと、前記第1ハウジングに組み付けられる電線カバーと、前記第1ハウジングに設けられ、回動動作によって前記第1ハウジングを第2ハウジングに嵌合させるレバーと、前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記レバーを、前記回動動作を行うための回動動作位置と、前記回動動作位置とは異なる待機位置との間でスライドさせるためのガイド手段と、前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記電線カバーが不正な組付け状態で前記レバーが前記待機位置から前記回動動作位置へスライドしたときに、前記レバーの回動を規制する回動規制手段と、前記電線カバーと前記レバーに設けられ、前記電線カバーが正規に組み付けられた状態で前記レバーが前記待機位置から前記回動動作位置へスライドしたときに、前記レバーの回動動作を許容する規制解除手段とを備えているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記レバーが前記待機位置にある状態で、前記レバーの操作部を前記電線カバーの組付け経路の外へ退避した位置に保持する位置保持手段を備えているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記レバーは、前記回動動作位置において初期姿勢から嵌合姿勢へ回動することで、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを嵌合させるようになっており、前記レバーが前記回動動作位置において前記規制解除手段により回動規制を解除されるときの規制解除姿勢は、前記初期姿勢と異なる姿勢とされているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記待機位置から前記回動動作位置へスライドする前記レバーを、前記規制解除手段で回動規制を解除されるときの規制解除姿勢に保持する姿勢保持手段を備えているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
電線カバーを第1ハウジングに組み付けるときには、予め、レバーを待機位置へスライドさせておく。電線カバーを組み付けた後は、レバーを待機位置から回動動作位置へスライドさせ、回動動作位置においてレバーの回動操作を行う。このとき、電線カバーが正規の組付け状態であれば、規制解除手段によってレバーの回動規制が解除されるので、レバーを回動することができる。これに対し、電線カバーの組付けが不正である場合は、回動規制手段によってレバーを回動させることができない。したがって、回動動作位置へ変位させたレバーを回動できるか否かに基づいて、電線カバーの組付け状態を検知することができる。本発明によれば、レバーを、電線カバーの組付け対象である第1ハウジングに設けているので、第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合する前に、電線カバーの組付け状態を検知することができる。
<請求項2の発明>
レバーが待機位置にある状態で電線カバーを組み付ける際には、レバーの操作部が、位置保持手段によって電線カバーの組付け経路の外へ退避した位置に保持されるので、電線カバーを組み付ける際に、電線カバーが操作部と干渉せずに済む。
<請求項3の発明>
電線カバーが組み付けられた第1ハウジングを、第2ハウジングとの嵌合作業を行う現場へ納品する場合、レバーを予め初期姿勢に保持しておくことが好ましい。この点に着目し、本発明では、レバーが回動動作位置において規制解除手段により回動規制を解除されるときの規制解除姿勢を、初期姿勢とは異なる姿勢とした。したがって、レバーを回動動作位置へスライドさせた後に、必ず、レバーを初期姿勢へ回動することを作業マニュアルに定めておけば、レバー回動作業のし忘れを未然に防止して、電線カバーが不正な組付け状態のままで納品されるのを回避することができる。
<請求項4の発明>
レバーを待機位置から回動動作位置へスライドさせたとき、レバーが規制解除姿勢に保たれるので、規制解除手段による回動規制の解除が、確実に行われ、ひいては、電線カバーの組付け状態を確実に検知することができる。
実施形態1のレバー式コネクタにおいて両ハウジングが正規嵌合した状態をあらわす側面図 レバーが待機位置へスライドして規制解除姿勢に保持されている状態をあらわす側面図 レバーが待機位置へスライドして規制解除姿勢に保持され、電線カバーが組み付けられた状態をあらわす側面図 電線カバーを組み付けた後、レバーを待機位置から回動動作位置へスライドさせた状態をあらわす側面図 第1ハウジングと第2ハウジングを嵌合可能に対向させた状態をあらわす側面図 電線カバーの組み付けが不正であって、レバーが回動動作位置へスライドしたときに回動規制が解除されなかった状態をあらわす平面図 電線カバーが正しく組み付けられ、レバーが回動動作位置へスライドして回動規制を解除された状態をあらわす平面図 電線カバーが第1ハウジングから外され、レバーが回動規制されている状態をあらわす背面図 図8のX−X線断面図 第1ハウジングと電線カバーのロック構造をあらわす断面図 第1ハウジングの背面図 レバーの規制解除姿勢における背面図 電線カバーの背面図
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図13を参照して説明する。本実施形態のレバー式コネクタは、第1ハウジング10と、レバー30と、電線カバー50と、第2ハウジング60とを備えて構成されている。尚、以下の説明においては、各方向を次のように定義する。両ハウジング10,60の嵌合方向と平行な方向を上下方向とし、第1ハウジング10は、第2ハウジング60に対し、その上方から下向きに嵌合される。また、図1〜5にあらわれる面を左側面とし、図1〜5における右方(電線カバー50から電線12が導出される方向)を後方とする。
第1ハウジング10は、合成樹脂製であり、その内部には、上方から複数の端子金具11が挿入されている(図2を参照)。各端子金具11に接続された電線12は、第1ハウジング10の上方へ導出されている。図8,10,11に示すように、第1ハウジング10には、その上面における左右両側縁から上方へ立ち上がる一対の側壁部13が形成されている。両側壁部13の内面には、前後一対ずつのロック突起14が形成されている。また、図1〜5に示すように、両側壁部13の上端縁は、両ハウジング10,60の嵌合方向と略直角に延びる左右一対の規制縁部15(本発明の構成要件である回動規制手段と位置保持手段を兼ねる)となっている。この両規制縁部15は、後述するレバー30の回動動作位置と待機位置との間でスライドするときの変位方向と平行である。
図1〜5に示すように、第1ハウジング10の左右両外側面には、前後方向における中央位置から外方へ突出する一対の支持軸16(本発明の構成要件であるガイド手段)が形成されている。図9に示すように、各支持軸16の外周には、規制縁部15と平行をなす上下一対の姿勢保持面17(本発明の構成要件である姿勢保持手段)が形成されている。図1〜5に示すように、第1ハウジング10の左右両外側面のうち支持軸16よりも後方の領域には、支持軸16を中心とする円弧状の逃がし溝18が形成されている。
図1〜5に示すように、第1ハウジング10の左右両外側面のうち支持軸16よりも前方の領域には、一対の第1係止突起19(本発明の構成要件である位置保持手段)と一対の第2係止突起20と一対の第3係止突起21が形成されている。図2,3に示すように、第1係止突起19は、レバー30の係止孔39を係止させることで、待機位置にあるレバー30を規制解除姿勢に保持し、レバー30の操作部34を第1ハウジング10に対する電線カバー50の組付け経路の外へ退避させるものである。図1,4に示すように、第2係止突起20は、係止孔39を係止させることで、回動動作位置にあるレバー30を規制解除姿勢(嵌合姿勢)に保持する。図5に示すように、第3係止突起21は、係止孔39を係止させることで、回動動作位置にあるレバー30を初期姿勢に保持する。
レバー30は、合成樹脂製であり、図6〜8,12に示すように、左右対称な一対の板状をなすアーム部31と、両アーム部31を繋ぐ操作部34とを一体に形成したものである。図1〜5に示すように、両アーム部31は、本体部32と、本体部32の外周縁からアーム状に延出する延出部33とからなり、操作部34は延出部33の延出端同士を繋ぐ形態である。両本体部32には、延出部33の延出方向に対して斜めをなすガイド溝35(本発明の構成要件であるガイド手段)が形成されている。ガイド溝35における一方の端部は、180°以上の範囲に亘る弧状面を有する軸受部36となっている。ガイド溝35のうち軸受部36以外の領域は、軸受部36の直径寸法よりも幅狭であって直線状に延びる姿勢保持部37(本発明の構成要件である姿勢保持手段)となっている。
図1〜5に示すように、両本体部32には、軸受部36とは異なる位置を中心とする略円弧状をなすカム溝38が形成されている。図9に示すように、カム溝38の入口は、本体部32の外周縁に開口されている。図1〜5に示すように、両本体部32の内面には、係止孔39(本発明の構成要件である位置保持手段)が形成されている。また、図8,12に示すように、両本体部32には、その内面から突出する機能突起40(本発明の構成要件である回動規制手段、規制解除手段、位置保持手段を兼ねる)が形成されている。図1〜5に示すように、機能突起40の形成位置は、ガイド溝35の延長線上であって、ガイド溝35における軸受部36とは反対側の端部に近い位置である。
電線カバー50は、合成樹脂製であり、図1,3〜5に示すように、左右対称な一対の側面壁51と、両側面壁51の上端縁に略直角に繋がる上面壁52と、両側面壁51の前端縁と上面壁52の前端縁とに繋がる前面壁53とを一体に形成したものである。両側面壁51の下端縁部には、左右方向へ拡開するように弾性変形可能な前後一対ずつのロック片54が形成されている。また、両側面壁51の外側面には、その下端縁に近い位置であって後側のロック片54よりも後方の位置から突出する一対の解除突起55(本発明の構成要件である規制解除手段)が形成されている。
かかる電線カバー50は、その両側面壁51を側壁部13の内側面に沿わせるようにして、第1ハウジング10の上方から組み付けられる。電線カバー50を組み付けた状態では、第1ハウジング10から上方へ導出された電線12が、電線カバー50の内部で後方へ転向され、電線カバー50の後方へ引き出されるようになっている。第2ハウジング60は、第1ハウジング10に対し下から嵌合される。第2ハウジング60の左右両外側面には、左右一対のカムフォロア61が形成されている。
次に、レバー式コネクタの組付け手順を説明する。まず、図2,9に示すように、支持軸16にガイド溝35を嵌合させることによって、レバー30を第1ハウジング10に取り付ける。支持軸16にガイド溝35を嵌合した状態では、レバー30は、図2,3,9に示す待機位置と、待機位置よりも後方の図1,4,5に示す回動動作位置との間で、両ハウジング10,60の嵌合方向と略直角な方向(つまり、規制縁部15と平行な前後方向)へスライド可能である。スライドする過程では、姿勢保持面17と姿勢保持部37の上下両内面との係止により、レバー30は回動を規制されて規制解除姿勢に保持される。規制解除姿勢では、レバー30の延出部33が本体部32から斜め上前方へ延びている。
図2,3に示すように、レバー30が、スライド経路の前端である待機位置にスライドした状態では、第1係止突起19と係止孔39との係止によるセミロック構造により、レバー30は待機位置に保持される。レバー30が待機位置にあって規制解除姿勢に保持されている状態では、操作部34は、前後方向において、第1ハウジング10に対する電線カバー50の組付け経路(第1ハウジング10の上面のうち電線12が導出される領域を上方へ延長した空間)の前方へ外れた位置に退避している。
また、図4に示すように、レバー30がスライド経路の後端である回動動作位置にスライドした状態では、軸受部36が支持軸16と嵌合するので、支持軸16とガイド溝35との関係においてはレバー30が支持軸16を中心に回動可能となる。しかし、係止孔39と第2係止突起20との係止によるセミロック構造により、レバー30の回動が規制される。この係止孔39と第2係止突起20の係止は、その係止力を上回る回動力をレバー30を付与すれば解除される。しかし、図8に示すように、レバー30の機能突起40が第1ハウジング10の規制縁部15に対し上から当接しているので、レバー30は、図1〜5における時計回り方向(規制解除姿勢から初期位置に向かう方向)への回動を規制され、この機能突起40と規制縁部15による回動規制は、単にレバー30に回動力を付与しただけでは解除されない。
第1ハウジング10に取り付けたレバー30は、待機位置へスライドさせ、操作部34を電線カバー50の組付け経路の外方(前方)へ退避させ、その状態で、電線カバー50を、第1ハウジング10に対し上から被せるようにして組み付ける。電線カバー50が正しく組み付けられた状態では、図10に示すように、ロック片54がロック突起14に係止することにより、電線カバー50が組付け状態にロックされる。また、図3に示すように、電線カバー50の解除突起55が、規制縁部15に対し上方から接近して対向するように待機する。
この後、レバー30に係止孔39と第1係止突起19との係止力を上回る力を付与し、図4に示すように、レバー30を待機位置から回動動作位置へスライドさせる。レバー30が回動動作位置に到達すると、図7に示すように、レバー30の機能突起40が、電線カバー50の解除突起55に乗り上がり、両アーム部31が弾性的に拡開変形する。このとき、機能突起40は、規制縁部15の厚さ方向(左右方向)へ位置ずれするので、規制縁部15の厚さ方向における機能突起40と規制縁部15との係止代が、ごく僅かとなる。これにより、機能突起40と規制縁部15との係止によるレバー30の回動規制状態は、実質的に解除される。したがって、レバー30に小さな回動力を付与するだけで、レバー30を図4における時計回り方向(規制解除姿勢から初期姿勢に向かう方向)へ回動させることができる。
電線カバー50が正しく組み付けられた状態で、レバー30を回動動作位置へスライドさせた後は、図5に示すように、レバー30を、回動動作位置に保持したままで規制解除姿勢から初期姿勢へ回動させ、カム溝38の入口を下向きに開口させるとともに、第1ハウジング10と第2ハウジング60を上下に対向させる。この後、両ハウジング10,60を浅く嵌合させて、カム溝38の入口にカムフォロア61を進入させ、レバー30を図1〜5における反時計回り方向(規制解除姿勢から初期姿勢への回動方向とは逆方向)へ回動操作する。すると、カム溝38とカムフォロア61との係合によるカム作用により、両ハウジング10,60が嵌合される。この間、弾性的に拡開変形していたアーム部31が閉じる方向へ弾性復帰し、機能突起40が逃がし溝18内を移動する。そして、図1に示すように、レバー30が嵌合姿勢に到達すると、両ハウジング10,60が正規の嵌合状態となる。この嵌合姿勢は、規制解除姿勢と同じ姿勢である。以上により、レバー式コネクタの組付けが完了する。
本実施形態では、電線カバー50の組付けが不正である場合に、両ハウジング10,60の嵌合作業を開始する前に、予め不正な組付けを検知することができる。図6に示すように、電線カバー50の位置が正規の組付位置よりも少し前方へずれていた場合には、レバー30を回動動作位置へスライドさせたときに、機能突起40が解除突起55に到達しない。そのため、機能突起40と規制縁部15との係止によるレバー30の回動規制状態が維持されたままである。したがって、レバー30を規制解除姿勢から初期姿勢へ回動させようとしても、機能突起40が規制縁部15に係止しているので、レバー30の回動操作を行うことはできない。
したがって、本実施形態によれば、電線カバー50を第1ハウジング10に組み付けてレバー30を待機位置から回動動作位置へスライドさせた後に、レバー30を回動動作位置において規制解除姿勢から初期姿勢へ回動することができるか否かに基づいて、電線カバー50の組付け状態を検知することができる。
本実施形態のレバー式コネクタは、第1ハウジング10に、電線カバー50と、回動動作によって両ハウジング10,60を嵌合させるレバー30とを設け、さらに、レバー30を、嵌合のための回動動作を行う回動動作位置と、回動動作位置とは異なる待機位置との間でスライドさせるためのガイド手段(支持軸16、ガイド溝35)と、電線カバー50が不正な組付け状態でレバー30が待機位置から回動動作位置へスライドしたときに、レバー30の回動を規制する回動規制手段(規制縁部15、機能突起40)と、電線カバー50とレバー30に設けられ、電線カバー50が正規に組み付けられた状態でレバー30が待機位置から回動動作位置へスライドしたときに、レバー30の回動動作を許容する規制解除手段(機能突起40、解除突起55)とを備えている。このように、本実施形態のレバー式コネクタでは、レバー30を、電線カバー50の組付け対象である第1ハウジング10に設けているので、第1ハウジング10と第2ハウジング60を嵌合する前に、レバー30の回動操作を利用して電線カバー50の組付け状態を検知することができる。
また、第1ハウジング10とレバー30には、レバー30が待機位置にある状態で、レバー30の操作部34を電線カバー50の組付け経路の外へ退避した位置に保持する位置保持手段(第1係止突起19、係止孔39、規制縁部15、機能突起40)を備えている。この構成によれば、レバー30が待機位置にある状態で電線カバー50を組み付ける際には、レバー30の操作部34が、位置保持手段によって電線カバー50の組付け経路の外へ退避した位置に保持されるので、電線カバー50を組み付ける際に、電線カバー50が操作部34と干渉せずに済む。
また、レバー30は、回動動作位置において初期姿勢から嵌合姿勢へ回動することで、第1ハウジング10と第2ハウジング60を嵌合させるようになっており、レバー30が回動動作位置において規制解除手段(機能突起40、解除突起55)により回動規制を解除されるときの規制解除姿勢は、回動方向において初期姿勢とは異なる姿勢とされている。この構成の技術的意義は、次の通りである。
第1ハウジング10に対する電線カバー50の組付け作業と、第1ハウジング10と第2ハウジング60の嵌合作業とが異なる場所で行われるようになっている場合、電線カバー50が組み付けられた第1ハウジング10を、第2ハウジング60との嵌合現場へ納品する際に、レバー30を予め初期姿勢に保持しておくことが好ましい。この点に着目し、本実施形態では、レバー30が回動動作位置において規制解除手段により回動規制を解除されるときの規制解除姿勢を、初期姿勢とは異なる姿勢とした。したがって、レバー30を回動動作位置へスライドさせた後に、必ず、レバー30を初期姿勢へ回動することを作業マニュアルに定めておけば、レバー30回動作業のし忘れを未然に防止して、電線カバー50が不正な組付け状態のままで納品されるのを回避することができる。
また、第1ハウジング10とレバー30には、待機位置から回動動作位置へスライドするレバー30を、規制解除手段(機能突起40、解除突起55)で回動規制を解除されるときの規制解除姿勢に保持するための姿勢保持手段(姿勢保持面17、姿勢保持部37)を備えている。この構成によれば、レバー30を待機位置から回動動作位置へスライドさせたとき、レバー30が規制解除姿勢に保たれるので、規制解除手段(機能突起40、解除突起55)による回動規制の解除が、確実に行われ、ひいては、電線カバー50の組付け状態を確実に検知することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、レバー側の回動規制手段と規制解除手段を、共用の機能突起としたが、レバー側の回動規制手段と規制解除手段は、互いに異なる専用手段としてもよい。
(2)上記実施形態では、レバーが回動規制を解除されるときの規制解除姿勢を、初期姿勢とは異なる姿勢としたが、規制解除姿勢と初期姿勢を同じ姿勢としてもよい。
(3)上記実施形態では、レバーが両ハウジングを正規嵌合させる嵌合姿勢と、レバーが規制解除手段により回動規制を解除される規制解除姿勢とを、同じ姿勢としたが、嵌合姿勢と規制解除姿勢は異なる姿勢としてもよい。
10…第1ハウジング
15…規制縁部(回動規制手段、位置保持手段)
16…支持軸(ガイド手段)
17…姿勢保持面(姿勢保持手段)
19…第1係止突起(位置保持手段)
30…レバー
34…操作部
35…ガイド溝(ガイド手段)
37…姿勢保持部(姿勢保持手段)
39…係止孔(位置保持手段)
40…機能突起(回動規制手段、規制解除手段、位置保持手段)
50…電線カバー
55…解除突起(規制解除手段)
60…第2ハウジング

Claims (4)

  1. 第1ハウジングと、
    前記第1ハウジングに組み付けられる電線カバーと、
    前記第1ハウジングに設けられ、回動動作によって前記第1ハウジングを第2ハウジングに嵌合させるレバーと、
    前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記レバーを、前記回動動作を行うための回動動作位置と、前記回動動作位置とは異なる待機位置との間でスライドさせるためのガイド手段と、
    前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記電線カバーが不正な組付け状態で前記レバーが前記待機位置から前記回動動作位置へスライドしたときに、前記レバーの回動を規制する回動規制手段と、
    前記電線カバーと前記レバーに設けられ、前記電線カバーが正規に組み付けられた状態で前記レバーが前記待機位置から前記回動動作位置へスライドしたときに、前記レバーの回動動作を許容する規制解除手段とを備えていることを特徴とするレバー式コネクタ。
  2. 前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記レバーが前記待機位置にある状態で、前記レバーの操作部を前記電線カバーの組付け経路の外へ退避した位置に保持する位置保持手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のレバー式コネクタ。
  3. 前記レバーは、前記回動動作位置において初期姿勢から嵌合姿勢へ回動することで、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングを嵌合させるようになっており、
    前記レバーが前記回動動作位置において前記規制解除手段により回動規制を解除されるときの規制解除姿勢は、前記初期姿勢と異なる姿勢とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレバー式コネクタ。
  4. 前記第1ハウジングと前記レバーに設けられ、前記待機位置から前記回動動作位置へスライドする前記レバーを、前記規制解除手段で回動規制を解除されるときの規制解除姿勢に保持する姿勢保持手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のレバー式コネクタ。
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