JP2013132950A - 操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵装置では、操作部材2を含む操作機構3は、操作部材2の操舵角度θを検出する操舵角センサと、操作部材2の操舵方向を検出する操舵方向検出ユニット11とを含む。操舵方向検出ユニット11は、操作部材2の操舵方向に回転可能なねじシャフト40と、ねじシャフト40に螺合するナット41と、ねじシャフト40の回転に伴ってナット41を移動させるナットガイド42と、ナット41が所定位置以上移動することを規制するストッパ43と、ストッパ43にナット41が近接したことを検出する近接検出センサ92と、操舵角センサに異常が発生したことに応答してナット41およびストッパ43の間隔Yを狭める軸長可変機構90とを含む。
【選択図】図3
Description
このようなステアバイワイヤ式の操舵装置では、回転操作部材の回転を検出する構成が重要であり、この構成に異常が生じてしまうと、操舵用アクチュエータが正常であっても、操舵不能になってしまう。回転操作部材の回転を検出する構成として、特許文献1では角度センサが1つしか設けられていないのだが、特許文献2の舵取装置では、当該構成の冗長化を図るために、メインの操舵角センサとバックアップ用の操舵角センサとが設けられている。そのため、特許文献2の舵取装置では、メインの操舵角センサの異常時においても、バックアップ用の操舵角センサによって操舵を継続できる。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、操舵角センサの異常時においても操舵を継続できる構成を、部品点数増加やコスト上昇を回避しつつ実現できるステアバイワイヤ式の操舵装置を提供することを目的とする。
ここで、操舵装置は、軸長可変機構も含んでいる。これにより、操舵角センサに異常が発生すると、軸長可変機構によってナットおよびストッパの間隔が狭められることによって、操作部材の操舵を開始してからナットがストッパに近接するまでのタイミングが短くなるので、その分、操作部材の操舵に対する車輪の転舵の応答性を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、操舵角センサに異常が発生すると、ストッパに設けられた軸長可変機構では、副部が、主部への拘束が解除されることによって、付勢部材の付勢力により主部からナット側へ離間するので、ナットおよびストッパの間隔を確実に狭めることができる。
図1は、本発明の一実施形態における操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、操舵装置1は、車両に適用される。操舵装置1は、ステアリングホイール等の回転可能な操作部材2を含む操作機構3と、操作部材2の操舵に基づいて車輪4を転舵させる転舵機構5とを有している。操舵装置1は、いわゆるステアバイワイヤ式の操舵装置であって、操作機構3と転舵機構5とが機械的に非連結となっている。
回転軸6は、操作部材2に固定されている。これにより、操作部材2および回転軸6は、回転軸6の軸中心周りに一体回転可能である。そのため、操作部材2を回転操作したときの角度(「操舵角度」ということにする)は、回転軸6の回転角度と等しい。
操舵角センサ8は、たとえばレゾルバやロータリーエンコーダー等であって、回転軸6の回転角度(つまり、操作部材2の操舵角度θ)を検出する。ここでの回転角度(操舵角度)は、回転軸6および操作部材2の回転量(操作部材2の操舵量)と、回転方向(操作部材2の操舵方向)とを含むベクトルである。操舵角センサ8は、ハウジング7に収容されている。
操舵方向検出ユニット11は、操作部材2の操舵方向を検出するものであり、以降で詳説する。
転舵軸13は、車体12の幅方向(車幅方向であり、図1では左右方向)に延びる軸状体である。
ハウジング14は、車幅方向に延びる中空体であり、その中空部分に転舵軸13が挿通されている。この状態で、転舵軸13の軸方向(車幅方向と同じ)における両端部は、ハウジング14からはみ出している。そして、転舵軸13は、車幅方向にスライド可能である。
ナックルアーム16は、各タイロッド15において転舵軸13に連結された側とは反対側の端部に連結されている。ナックルアーム16に対して車輪4が連結されている。
転舵アクチュエータ17は、一例として、電動モータ(図示せず)と、この電動モータの駆動力(電動モータの出力軸の回転力)を転舵軸13の軸方向のスライドに変換するボールねじ装置(図示せず)とを含む。転舵アクチュエータ17の電動モータ(図示せず)が駆動力を発生すると、転舵軸13が車幅方向にスライドし、このスライドが転舵軸13の軸方向両端部のタイロッド15に伝達されることで、ナックルアーム16が回動し、車輪4の転舵が達成される。
また、操舵装置1は、車速Vを検出する車速センサ18と、操舵角センサ8や操舵方向検出ユニット11や車速センサ18の検出信号が入力される制御装置19とをさらに含んでいる。制御装置19は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれ、マイクロコンピュータで構成されている。
図2は、操舵装置1から操作機構3を抜き出して示した模式的な断面図であって、ナット41に設けられた軸長可変機構90の副部81が拘束位置にある様子を示している。図3は、図2において副部81が解除位置にある様子を示している。
ねじシャフト40は、軸状体であって、回転軸6に対して同軸状で連結されている。ねじシャフト40と回転軸6とは一体形成されていてもよいし、分離可能であってもよい。ねじシャフト40は、回転軸6に近い側から順に、第1ねじ形成部45、第1支持部46、第2ねじ形成部47および第2支持部48を一体的に有している。
第1支持部46の外周面は、凹凸のない円周面である。第1支持部46は、第1ねじ形成部45とほぼ同径である。
第2ねじ形成部47は、第1支持部46よりも少し大径である。そのため、第2ねじ形成部47において第1支持部46に隣接する端部には、段付き51が形成されている。第2ねじ形成部47の外周面には、ねじ部52が形成されている。なお、ねじ部52は、第2ねじ形成部47の外周面の全域に形成されていなくてもよい。図2では、第2ねじ形成部47の外周面において段付き51周辺の領域には、ねじ部52が形成されていない。
ねじシャフト40は、ハウジング7の一端開口20および他端開口21に挿通された状態でハウジング7に部分的に収容されている。また、ねじシャフト40は、ハウジング7内のホルダ27の開口30および軸挿通孔32に挿通された状態でホルダ27に部分的に収容されている。このとき、ねじシャフト40は、ハウジング7およびホルダ27のそれぞれに対して同軸状になっている。そのため、ねじシャフト40(回転軸6)の軸方向は、前述した軸方向Jと同じである。
ここで、第1ねじ形成部45のねじ部49に対して、環状の位置決めナット54が径方向外側から螺合しており、位置決めナット54は、軸受26に対してハウジング7の外側から当接している。位置決めナット54は、ねじシャフト40の一部とみなすことができる。軸受26は、位置決めナット54および段付き51によって軸方向Jにおける両側から挟持されることで、ねじシャフト40に対して位置決めされている。
第2支持部48は、ホルダ27の中空部分に配置されている。第2支持部48において第2ねじ形成部47側の端部は、前述した軸受34に対して内嵌されている。ここで、軸受34は、第2ねじ形成部47において第2支持部48側の段付き53とホルダ27の端壁29における位置決め凸部33とによって軸方向Jにおける両側から挟持されることで、ねじシャフト40に対して位置決めされている。
また、各副部81において、軸方向で同じ側の環状凹部87と軸方向で対向する位置には、環状凹部89が形成されている。環状凹部89は、軸方向から見て副部81の内周縁に沿う環状であって、軸方向で同じ側の環状凹部87から離間する方向へ窪んでいる。
このようなナット41は、前述した検出領域Xに配置されていて、ねじシャフト40の第2ねじ形成部47に対して外嵌されている。このとき、ナット41のねじ部55が第2ねじ形成部47のねじ部52に対して螺合している。つまり、ナット41は、ねじシャフト40に螺合しているとともに、ねじシャフト40と同軸状になっている。そのため、ナット41の軸方向は、前述した軸方向Jと同じである。
図2を参照して、ユーザが操作部材2を操舵することによって時計方向または反時計方向に回転させると、回転軸6およびねじシャフト40も操作部材2と共回りする。このとき、ねじシャフト40に螺合したナット41もねじシャフト40と共回りしようとする。しかし、ナット41の各挿通孔56に対してナットガイド42が挿通されていることによって、ナット41は回転できず、代わりに、ナットガイド42(換言すれば、ねじシャフト40の軸方向J)に沿ってスライドする。つまり、ナットガイド42は、ねじシャフト40の回転に伴ってナット41をねじシャフト40の軸方向Jに沿って移動させる。
ただし、以上の場合には、操作部材2を時計方向および反時計方向のいずれかに回転させきってから転舵アクチュエータ17による車輪4の転舵駆動が開始されるので、操作部材2を回転させ始めてから車輪4の転舵が開始されるまでに、タイムラグが生じ得る。図2では、操作部材2が、前述した操舵中立位置にある状態を示しているが(図3〜図5も同様)、ナット41の各副部81が拘束位置にある場合、軸方向Jで同じ側の副部81と近接検出センサ92との間には、軸方向Jにおいて間隔Yが生じている。間隔Yは、操作部材2を操舵中立状態から一方向へ回転させたときのナット41の移動量(ストローク)に相当する。そのため、操作部材2を操舵中立状態から回転させた場合には、ナット41が間隔Yだけ移動するまで、車輪4の転舵が開始されない。ましてや、たとえば時計方向において目一杯操作部材2を回転させておいてから操作部材2を反時計方向に回転させるような切り返し時には、切り返しを開始してから、ナット41が間隔Yの2倍だけ移動するまで、車輪4の転舵が開始されないので、前述したタイムラグが長くなる。
詳しくは、操舵角センサ8に異常が発生していない通常時には、電磁クラッチ83がONになってつながっていて、ナット41の各副部81は、図2に示す拘束位置にある。しかし、前述したように操舵角センサ8に異常が発生すると、制御装置19は、操舵角センサ8から検出結果(操舵角度θ)が入力されなくなったことに応じて、電磁クラッチ83をOFFにして切る。すると、今まで拘束位置にあった各副部81は、電磁クラッチ83によって主部80への拘束が解除されることにより、図3に示すように、付勢部材82の付勢力によって、主部80から軸方向Jで同じ側のストッパ43側へ離間し、前述した解除位置まで到達する。これにより、各副部81が拘束位置にあった場合(図2参照)に比べて、軸方向Jで同じ側における副部81(ナット41)と近接検出センサ92(ストッパ43)との(軸方向Jにおける)間隔Yが狭くなる。つまり、軸長可変機構90は、操舵角センサ8に異常が発生したことに応答して、間隔Yを狭める。これによって、操作部材2の操舵を開始してからナット41がストッパ43に近接するまでのタイミング(換言すれば、操舵方向の検出時間)が短くなるので、その分、操作部材2の操舵に対する車輪4の転舵の応答性を向上させることができる。この結果、操作部材2の切り返し時等における操作部材2の操作性の向上を図ることができる。
外側窪み95は、副部81が解除位置あるときに内側窪み94に対して径方向外側から対向する位置に設けられている。係合部96は、ブロック状であって内側窪み94に収容されている。ばね部材97は、内側窪み94に収容されていて、内側窪み94の底と係合部96との間において圧縮されている。各副部81が解除位置まで移動すると、各副部81の内側窪み94と、主部80において対応する外側窪み95とが径方向において対向し、内側窪み94の係合部96が、ばね部材97の付勢力によって外側窪み95に嵌り込む。これにより、各副部81は軸方向Jにおいて動けなくなり、解除位置に固定された状態になる。
図4は、図2の変形例を示していて、ストッパ43に設けられた軸長可変機構90の副部99が拘束位置にある様子を示している。図5は、図4において副部99が解除位置にある様子を示している。なお、図4および図5では、図1〜図3において説明した部材と同じ部材には、同じ符号を付して、その説明を省略する。
図4に示す変形例では、ナット41は、前述した実施形態の主部80(図2参照)とほぼ同じ形状であって、内周部84、外周部85および連結部86を有している。ただし、外周部85の内周面には、抜止リブ88(図2および図3参照)が設けられておらず、外周部85の内周面は、ほぼ全域に亘って一定の内径を有している。
また、前述の実施形態では、ストッパ43が、ナットガイド42の長手方向における両端側に設けられていたので、操舵方向検出ユニット11は、操作部材2の時計方向および反時計方向の両方向の操舵方向を検出できる(図2参照)。しかし、当該両方向のうちいずれか一方の操舵方向が検出できればよいのであれば、ストッパ43は、ナットガイド42の長手方向における一端側または他端側だけに設けられていればよい。
また、前述した付勢部材82および100として、コイルばねの他に、ゴムブロック等を用いることができる。
また、電磁クラッチ83および105の代わりに、ON・OFFによって係合したり外れたりする係合部および被係合部を有する機械的構成のクラッチを用いることもできる。
Claims (3)
- 操舵するための操作部材を含む操作機構と、前記操作機構とは機械的に非連結であって、前記操作部材の操舵に基づいて車輪を転舵させる転舵機構とを有する操舵装置であって、
前記操作機構は、前記操作部材の操舵角度を検出する操舵角センサと、前記操作部材の操舵方向を検出する操舵方向検出手段とを含み、
前記操舵方向検出手段は、
前記操作部材の操舵方向に回転可能なねじシャフトと、
前記ねじシャフトに螺合するナットと、
前記ねじシャフトと平行に配置され、前記ねじシャフトの回転に伴って前記ナットをねじシャフトの軸方向に沿って移動させるナットガイドと、
前記ナットガイドの長手方向の少なくとも一端側に設けられ、前記ナットが前記軸方向に所定位置以上移動することを規制するストッパと、
前記ストッパに設けられ、前記ストッパに前記ナットが近接したことを検出する近接検出手段と、
前記操舵角センサに異常が発生したことに応答して、前記軸方向における前記ナットおよびストッパの間隔を狭める軸長可変機構とを含むことを特徴とする、操舵装置。 - 前記軸長可変機構は、前記ナットに設けられ、主部、前記主部に内蔵される2つの副部、前記各副部を前記主部から前記軸方向において前記ストッパ側へ離間するように付勢する付勢部材、前記付勢部材の付勢力に抗して前記各副部を前記主部に拘束する拘束手段、および、前記操舵角センサに異常が発生したことに応じて前記拘束手段による前記各副部の拘束を解除する解除手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の操舵装置。
- 前記軸長可変機構は、前記ストッパに設けられ、主部、前記主部に内蔵される副部、前記副部を前記主部から前記軸方向において前記ナット側へ離間するように付勢する付勢部材、前記付勢部材の付勢力に抗して前記副部を前記主部に拘束する拘束手段、および、前記操舵角センサに異常が発生したことに応じて前記拘束手段による前記副部の拘束を解除する解除手段を含むことを特徴とする、請求項1記載の操舵装置。
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