JP2013132643A - はんだ接着体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの被着体と、前記被着体上に接着し、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み且つ融点が450℃未満の合金であり、亜鉛の含有率が1質量%以下であるはんだ層と、を有するはんだ接着体である。
【選択図】なし
Description
一方で、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム、ニオブは、はんだ付けが困難な材料として知られている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、これらの被着体にはんだを接続するためには、無機非金属化合物及び無機金属化合物にはんだを接着する場合のように追加のプロセスを必要とし、その結果、工程が煩雑になってしまうという短所があり、接着工程を煩雑にすることなく、この要請に応えられていないのが現状である。
また前記はんだ接着体を簡便な方法で得ることができるはんだ接着体の製造方法を提供することを課題とする。
前記はんだ層は、前記第一の態様又はその好ましい態様において、固相線温度以上液相線温度以下の温度で接着されてなることが好ましい。
また、前記被着体と前記はんだ層とが、前記第一の態様又は前述したいずれかの好ましい態様において、超音波接続工程を用いない方法により接着されてなることが好ましい。
更に、前記被着体は、前記第一の態様又は前述したいずれかの好ましい態様において、シリコン被着体であることが好ましい。
また、前記被着体が、前記第二の態様又はその好ましい態様において、シリコンであることが好ましい。
また、本発明にかかるはんだ接着体の製造方法は、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの被着体上に、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み且つ融点が450℃未満の合金であり、亜鉛の含有率が1質量%以下であるはんだ材料を接触させること、並びに、前記被着体上の前記はんだ材料を固相線温度以上液相線温度以下の温度で熱処理して、前記はんだ材料によるはんだ層を被着体上に接着させること、を含むはんだ接着体の製造方法である。
また、本発明によれば、はんだ付けが困難な材料とされているシリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの被着体上に接触させた前記はんだ材料を固相線温度以上液相線温度以下の温度で熱処理して、前記はんだ材料によるはんだ層を被着体上に接着させるので、接着のための特殊な工程を特に追加することなく、特殊な接着装置を要せずに前記被着体の表面にはんだ層を有するはんだ接着体を提供できる。
また本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示すものとする。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明のはんだ接着体は、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの被着体と、前記被着体上に接着し、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み且つ融点が450℃未満の合金であり、亜鉛の含有率が1質量%以下であるはんだ層と、を有する。
前記はんだ接着体は、被着体であるシリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの表面に、前記はんだ層が直接的に接着して形成したものである。
また「接着」とは、被着体とはんだ層とが機械的に接合していればよく、通常のはんだ付けのようにはんだ材料を構成する金属原子が被着体中に拡散していなくてもよい。
前記はんだ接着体における前記はんだ層は、必要に応じてさらに配線部材や電子回路素子等と接着していてもよい。すなわち、被着体と配線部材や電子回路素子等とがはんだ層を介して接着していてもよい。前記はんだ層が配線部材や電子回路素子等と接着していることで、前記被着体と配線部材や電子回路素子等とを機械的及び電気的に接続することができる。
前記はんだ層を構成するはんだ材料は、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み且つ融点が450℃未満の合金であり、亜鉛の含有率が1質量%以下である。これにより、はんだ層と前記被着体とを接着することができ、また材料コストの上昇も抑えることができる。一般に、融点が450℃以上のものはロウ材を呼ばれる。このような高融点のロウ材を電子回路基板などに適用すると、接着に高温度での加熱を要し、回路などの破損を生じさせるおそれがあるため、好ましくない。
前記はんだ材料は、接着性をより高め且つより適切な材料コストにできる点で、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み、融点が96℃以上327℃以下の合金であることが好ましく、錫と、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含み、融点が96℃以上232℃以下の合金であることがより好ましい。
例えば、図1に示される冷却曲線を描くはんだ材料Xの液相線温度と固相線温度は、以下のようにして求められる。
液相状態のはんだ材料Xを冷却する際に得られた冷却曲線から、液相状態のはんだ材料Xを冷却する際に現れる直線領域(冷却曲線の傾きが一定となる領域、以下同じ)を延長した第一の直線Aと、固相状態のはんだ材料Xを冷却する際に現れる直線領域を延長した第二の直線Bと、第一の直線Aを描く際に適用される直線領域と第二の直線Bを描く際に適用される直線領域との間に存在する直線領域を延長した第三の直線Cとを得る。
このとき、前記第一の直線Aと第三の直線Cとの交点の温度を、液相線温度とする。
前記第二の直線Bと第三の直線Cとの交点の温度を、固相線温度とする。
なお、はんだ材料の冷却曲線は、はんだ材料の温度変化を経時的に測定可能な方法、例えば、熱電対が接続されたレコーダによって得られる。
また前記はんだ材料の液相線温度及び固相線温度は、はんだ材料を構成する金属の種類及び混合比率を適宜選択することで所望の範囲とすることができる。
前記はんだ接着体における被着体は、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブである。これらは、いずれもはんだ付けが困難な材料として知られている金属である。本明細書では、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム及びニオブを、個々を区別することなく総称する場合に、「難はんだ付け性金属」と称する場合がある。
前記難はんだ付け性金属は、前記被着体としてはんだ層が直接的に接着される。前記難はんだ付け性金属の被着体は、該被着体の表面に存在しうる酸化物層を介することなく、はんだ層と接着可能である。
また、前記難はんだ付け性金属の表面は、表面凹凸があってもよく、鏡面処理されていてもよい。
被着体として使用可能なチタンとしては、例えばJISH4650に記載のチタンやチタン合金などが挙げられる。
被着体として使用可能なモリブデンとしては、例えばJISH4460に記載のモリブデン線材等が挙げられる。
被着体として使用可能なタングステンとしては、例えばJISH4460に記載のタングステン線材等が挙げられる。
被着体として使用可能なタンタルとしては、例えばJISH4701に記載のタンタル箔材等が挙げられる。
被着体として使用可能なジルコニウムとしては、例えばJISH1650に記載のジルコニウム合金等が挙げられる。
錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み、液相線温度と固相線温度の差が3℃以上300℃以下であって、亜鉛の含有率が1質量%以下であり、インジウムの含有率が1質量%以下のはんだ層と、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、又はジルコニウムの被着体;
錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み、液相線温度と固相線温度の差が5℃以上100℃以下であるものであって、亜鉛の含有率が1質量%以下であり、インジウムの含有率が1質量%以下のはんだ層と、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、又はジルコニウムの被着体;
錫と、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含み、液相線温度と固相線温度の差が5℃以上100℃以下であるものであって、亜鉛の含有率が1質量%以下であり、インジウムの含有率が1質量%以下のはんだ層と、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、又はジルコニウムの被着体。
錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み、液相線温度と固相線温度の差が3℃以上300℃以下であって、亜鉛の含有率が1質量%以下であり、インジウムの含有率が1質量%以下のはんだ層と、シリコンの被着体;
錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み、液相線温度と固相線温度の差が5℃以上100℃以下であるものであって、亜鉛の含有率が1質量%以下であり、インジウムの含有率が1質量%以下のはんだ層と、シリコンの被着体;
錫と、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属とを含み、液相線温度と固相線温度の差が5℃以上100℃以下であるものであって、亜鉛の含有率が1質量%以下であり、インジウムの含有率が1質量%以下のはんだ層と、シリコンの被着体。
本発明のはんだ接着体の製造方法は、シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの被着体に接触している、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み且つ融点が450℃未満の合金であり、亜鉛の含有率が1質量%以下であるはんだ材料を、固相線温度以上液相線温度以下の温度で熱処理して、前記はんだ材料によるはんだ層を被着体上に接着させること(以下、接着工程という)を含み、必要に応じて、その他の工程を含みうる。被着体上のはんだ材料を特定の温度範囲で熱処理することで、前記難はんだ付け性金属の被着体上にはんだ層を接着することが可能となる。
ここで「固相線温度以上液相線温度以下の温度」とは、液相と固相とが共存可能な状態となる温度である。はんだ接着体の生産効率及び、液相と固相との共存状態での接着による良好な接着性の観点から、前記接着工程における温度は、固相線温度以上液相線温度未満の温度、又は固相線温度を超え、液相線温度以下の温度であることが好ましく、固相線温度を越え、液相線温度未満の温度であることがより好ましい。液相線温度と固相線温度とがほぼ同一となるはんだ材料については、温度制御を厳密に行うことによって、前記被着体へはんだ層を接着させることができる。
なお、はんだ接着時における液相の占める割合は、用いるはんだ組成の平衡状態図より求めることができる。
(a)はんだの作製
棒はんだ(Sn50質量%−Pb50質量%;新富士バーナー(株)製)と板鉛(Pb;輝陽産業(株)製)を用いて、錫10部及び鉛90部となるように秤量し、次いで黒鉛ルツボの中で440℃で溶融し、更に鋳型に流し込み急冷することにより固形状のはんだ1を得た。
得られたはんだ1は、冷却曲線を熱電対及びペンレコーダを用いて調べた結果、液相線温度302℃、固相線温度275℃であった。
被着体にはシリコンを選択し、シリコン被着体として、p型半導体シリコン基板(信越化学工業製)を用いた。表面は、通常の梨地面とした。被着体をホットプレート(アズワン(株)製;HP−1SA)の上で加熱し、温度が一定となるまで充分に時間を置いた。温度は表面温度計で被着体の表面を測定した。被着体の上に上記で作製したはんだ1を乗せ、ホットプレートと同じ温度に設定したはんだこて(太洋電機産業(株)製RV−802AS)を用いて被着体に押し付けた。
なお、ホットプレート及びはんだこての温度を、表1のようにそれぞれ調節した。
接着性については、引張り試験機(Quad社製:薄膜密着強度測定機Romulus)とφ1.8mmの接着面を有するスタッドピン(Quad社製:φ1.8mm銅製スタッドピン)とを用いて、めっきの密着性試験方法(JIS H8504)に準じて引張り接着強さを測定し、以下の基準により評価した。A、BおよびCを合格とし、Dを不合格とした。
A:引張り接着強さ3N/φ1.8mm以上であり、よく接着した。
B:引張り接着強さ1.5N/φ1.8mm以上、3N/φ1.8mm未満で接着した。
C:引張り接着強さ1.5N/φ1.8mm未満で接着したが、はんだが弾き気味、または接着はするが固形分が多いなどの理由により、接着作業性に難があった。
D:接着しなかった(はじいてしまい接着しない、固形分が多く接着しない、凝固し接着しない、という状態をそれぞれ含む)。
それぞれの接着温度における接着性の評価結果を表1に示す。なお、表1中「−」は未評価を意味する。
実験例1において、はんだの組成を錫10部及び鉛90部から錫20部及び鉛80部に変更してはんだ2を作製し、これを用いた以外は実験例1と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ2は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度280℃、固相線温度183℃であった。結果を表1に示す。
実験例1において、はんだの組成を錫10部及び鉛90部から錫30部及び鉛70部に変更してはんだ3を作製し、これを用いた以外は実験例1と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ3は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度255℃、固相線温度183℃であった。結果を表1に示す。
実験例1において、はんだの組成を錫10部及び鉛90部から錫45部及び鉛55部に変更してはんだ4を作製し、これを用いた以外は実験例1と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ4は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度227℃、固相線温度183℃であった。結果を表2に示す。
実験例1において、はんだは棒はんだ(Sn50質量%−Pb50質量%)をそのまま使用してはんだ5として、これを用いた以外は、実験例1と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。はんだ5は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度214℃、固相線温度183℃であった。結果を表2に示す。
実験例1において、棒はんだ(Sn50質量%−Pb50質量%)から棒はんだ(Sn95質量%−Pb5質量%;(有)イーマテリアル製)に変更し、且つはんだの組成を錫10部及び鉛90部から錫60部及び鉛40部に変更してはんだ6を作製し、これを用いた以外は実験例1と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ6は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度188℃、固相線温度183℃であった。結果を表3に示す。
実験例6において、はんだの組成を錫60部及び鉛40部から錫62部及び鉛38部に変更してはんだ7を作製し、これを用いた以外は実験例6と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ7は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度と固相線温度は分離ができず183℃であった。結果を表3に示す。
実験例6において、はんだの組成を錫60部及び鉛40部から錫63部及び鉛37部に変更してはんだ8を作製し、これを用いた以外は実験例6と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ8は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度185℃、固相線温度183℃であった。結果を表3に示す。
実験例6において、はんだの組成を錫60部及び鉛40部から錫70部及び鉛30部に変更してはんだ9を作製し、これを用いた以外は実験例6と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ9は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度192℃、固相線温度183℃であった。結果を表3に示す。
実験例6において、はんだの組成を錫60部及び鉛40部から錫80部及び鉛20部に変更してはんだ10を作製し、これを用いた以外は実験例6と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ10は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度205℃、固相線温度183℃であった。結果を表4に示す。
実験例6において、はんだの組成を錫60部及び鉛40部から錫90部及び鉛10部に変更してはんだ11を作製し、これを用いた以外は実験例6と同様にして、各接着温度における接着性の評価を行った。また得られたはんだ11は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度218℃、固相線温度183℃であった。結果を表4に示す。
実験例1において、棒はんだと板鉛から錫平板棒((有)イーマテリアル製)とチップ状ビスマス((有)イーマテリアル製)に変更し、且つはんだの組成を錫10部及び鉛90部から錫42部及びビスマス58部となるように変更して、はんだ12を作製し、これを用いた以外は上記と同様にして、接着温度と接着性の評価を行った。また得られたはんだ12は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度141℃、固相線温度139℃であった。結果を表5に示す。
実験例12において、更に純銀丸線(日陶科学(株)製)を用いて、はんだの組成を錫42部及びビスマス58部から錫42部、ビスマス57部及び銀1部となるように変更して、はんだ13を作製し、これを用いた以外は上記と同様にして、接着温度と接着性の評価を行った。また得られたはんだ13は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度140℃、固相線温度138℃であった。結果を表5に示す。
実験例12において、はんだの組成を錫42部及びビスマス58部から錫61部及びビスマス39部となるように変更して、はんだ14を作製し、これを用いた以外は上記と同様にして、接着温度と接着性の評価を行った。また得られたはんだ14は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度177℃、固相線温度138℃であった。結果を表6に示す。
実験例12において、はんだの組成を錫42部及びビスマス58部から錫56部及びビスマス44部となるように変更して、はんだ15を作製し、これを用いた以外は上記と同様にして、接着温度と接着性の評価を行った。また得られたはんだ15は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度167℃、固相線温度138℃であった。結果を表6に示す。
実験例12において、はんだの組成を錫42部及びビスマス58部から錫52部及びビスマス48部となるように変更して、はんだ16を作製し、これを用いた以外は上記と同様にして、接着温度と接着性の評価を行った。また得られたはんだ16は、冷却曲線を調べた結果、液相線温度158℃、固相線温度138℃であった。結果を表6に示す。
実験例1の作製工程において、板鉛(Pb)をそのまま使用し、これを試料S1とし、これを用いた以外は実験例1と同様にして、接着温度と接着性の評価を行った。また得られた試料S1は、冷却曲線を調べた結果、融点(すなわち液相線温度及び固相線温度)327℃であった。結果を表1に示す。
実験例5において、被着体をp型半導体シリコン基板の梨地面からn型半導体シリコン基板の梨地面に変更した以外は実験例5と同様にして、各接着温度におけるはんだ5の接着性の評価を行った。その結果、上記実験例5と同様に、固相線温度以上液相線温度以下の温度ではんだ材料を熱処理することで、前記接着体上に優れた接着性にてはんだ層を接着させることができた。
実験例5において、被着体をp型半導体シリコン基板の梨地面からp型半導体シリコン基板の鏡面に変更した以外は実験例5と同様にして、各接着温度におけるはんだ5の接着性の評価を行った。その結果、上記実験例5と同様に、固相線温度以上液相線温度以下の温度ではんだ材料を熱処理することで、前記接着体上に優れた接着性にてはんだ層を接着させることができた。
実験例5において、被着体をp型半導体シリコン基板の梨地面からp型半導体シリコン基板のテクスチャ形成面に変更した以外は実験例5と同様にして、温度と接着性の評価を行った。その結果、上記実験例5と同様に、固相線温度以上液相線温度以下の温度ではんだ材料を熱処理することで、前記接着体上に優れた接着性にてはんだ層を接着させることができた。
実験例5において、被着体をp型半導体シリコン基板の梨地面からクロム板の金属研磨面に変更した以外は実験例5と同様にして、各接着温度におけるはんだ5の接着性の評価を行った。その結果、上記実験例5と同様に、固相線温度以上液相線温度以下の温度ではんだ材料を熱処理することで、クロムの被着体上に優れた接着性にてはんだ層を接着させることができた。
実験例5において、被着体をp型半導体シリコン基板の梨地面からチタン(JIS2種)板の金属研磨面に変更した以外は実験例5と同様にして各接着温度におけるはんだ5の接着性の評価を行った。その結果、上記実験例5と同様に、固相線温度以上液相線温度以下の温度ではんだを熱処理することで、チタンの被着体上に優れた接着性にてはんだ層を接着させることができた。
実験例5において、被着体をp型半導体シリコン基板の梨地面からモリブデン板の金属研磨面に変更した以外は実験例5と同様にして各接着温度におけるはんだ5の接着性の評価を行った。その結果、上記実験例5と同様に、固相線温度以上液相線温度以下の温度ではんだを熱処理することで、モリブデンの被着体上に優れた接着性にてはんだ層を接着させることができた。
実験例16において、被着体をp型半導体シリコン基板の梨地面からn型半導体シリコン基板の梨地面に変更した以外は実施例16と同様にして各接着温度におけるはんだ16の接着性の評価を行った。その結果、はんだ材料の組成に拘わらず、固相線温度以上液相線温度以下の温度ではんだを熱処理することで、シリコンの被着体上に優れた接着性にてはんだ層を接着させることができた。
Claims (8)
- シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの被着体と、
前記被着体上に接着し、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み且つ融点が450℃未満の合金であり、亜鉛の含有率が1質量%以下であるはんだ層と、
を有するはんだ接着体。 - 前記はんだ層におけるインジウムの含有率が1質量%以下である請求項1記載のはんだ接着体。
- 前記はんだ層は、固相線温度以上液相線温度以下の温度で接着されてなる請求項1又は請求項2に記載のはんだ接着体。
- 前記被着体と前記はんだ層とが、超音波接続工程を用いない方法により接着されてなる請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の接着体。
- 前記被着体がシリコン被着体である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の接着体。
- シリコン、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、タンタル、ジルコニウム、ベリリウム又はニオブの被着体に接触している、錫、銅、銀、ビスマス、鉛、アルミニウム、チタン及びシリコンからなる群より選ばれる少なくとも2種の金属を含み且つ融点が450℃未満の合金であり、亜鉛の含有率が1質量%以下であるはんだ材料を、固相線温度以上液相線温度以下の温度で熱処理して、前記はんだ材料によるはんだ層を被着体上に接着させること、
を含む請求項1記載のはんだ接着体の製造方法。 - 前記はんだ材料におけるインジウムの含有率が1質量%以下である請求項6記載のはんだ接着体の製造方法。
- 前記被着体がシリコンである請求項6又は請求項7記載のはんだ接着体の製造方法。
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