JPH1177369A - 電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方法 - Google Patents

電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方法

Info

Publication number
JPH1177369A
JPH1177369A JP23420197A JP23420197A JPH1177369A JP H1177369 A JPH1177369 A JP H1177369A JP 23420197 A JP23420197 A JP 23420197A JP 23420197 A JP23420197 A JP 23420197A JP H1177369 A JPH1177369 A JP H1177369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solder
weight
alloy
fatigue resistance
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23420197A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Maeda
晃 前田
Keizo Kitakaze
敬三 北風
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP23420197A priority Critical patent/JPH1177369A/ja
Publication of JPH1177369A publication Critical patent/JPH1177369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L24/00Arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies; Methods or apparatus related thereto
    • H01L24/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L24/26Layer connectors, e.g. plate connectors, solder or adhesive layers; Manufacturing methods related thereto
    • H01L24/28Structure, shape, material or disposition of the layer connectors prior to the connecting process
    • H01L24/29Structure, shape, material or disposition of the layer connectors prior to the connecting process of an individual layer connector
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/013Alloys
    • H01L2924/0132Binary Alloys
    • H01L2924/01322Eutectic Alloys, i.e. obtained by a liquid transforming into two solid phases
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/10Details of semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/102Material of the semiconductor or solid state bodies
    • H01L2924/1025Semiconducting materials
    • H01L2924/10251Elemental semiconductors, i.e. Group IV
    • H01L2924/10253Silicon [Si]

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Die Bonding (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 融点は183℃前後で、特にSiダイボンド
のように熱膨張係数が大きく異なる部品をはんだ接合し
た際にも耐熱疲労性に優れたはんだ合金およびそれを用
いた接合方法を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 Pbに、Snを55〜75重量%、Ag
とPdの合計を0.005〜10重量%含有し、さらに
Bi含有量を3重量%以下かつZn含有量を0.3重量
%以下とする、あるいはPbに、Snを55〜75重量
%、Inを3〜18重量%、Znを0.05〜2.5重
量%およびZnとの合計が0.01〜5重量%となるN
iを含有させた電子部品用はんだ合金である。この電子
部品用はんだ合金を用い、被接合部品の少なくとも何れ
かの表面にNiを含有する層を形成または全体にNiを
含有させて接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器の部品接
合等に用いられるはんだ付け用はんだ合金に関するもの
で、詳細には耐熱疲労性に優れ、熱膨張係数が大きく異
なる部品のはんだ付けに使用する電子部品用はんだ合金
およびそれを用いた接合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来電子機器のはんだ接合にはSn−P
bを基本としたはんだが用いられているが、部品の温度
負荷軽減から特に63Sn−37Pb近傍組成で融点が
183℃前後であるはんだが幅広く使用されている。
【0003】一方はんだ接合部は、組立工程における熱
履歴、動作状態における温度上昇と非動作状態における
常温との繰り返し温度変化等を受け、特に部品の熱膨張
係数の違いに起因する繰り返し歪の疲労からはんだ接合
部に亀裂が発生・進展して、接合強度ならびに電気的接
続の信頼性を低下させる。
【0004】近年、多機能・部品実装密度の増大に伴い
更に温度変化は過酷となり、一層亀裂進展速度の小さい
高耐熱疲労はんだ合金が要求されるようになった。この
要求に応えるべく、はんだ接合強度を向上させるために
Pb−Snはんだをべ−スとしてこれにSb、Ag、I
n、Bi、Cu等微量の元素を添加して特にはんだ素材
の機械的特性やはんだ付け性、耐食性等を改善したはん
だが種々提案されている(例えば、特開平7−1785
87号公報、特開平6−126484号公報など)。
【0005】しかしながら、これらのはんだ合金を用い
た場合、プリント基板へのピン接続等熱膨張係数の差が
さほど大きくない部品の接合においては耐熱疲労性の改
善効果が見られるものの、Siダイボンドのように、S
iと1桁以上熱膨張係数が異なるような部品を接続した
場合には、はんだ接合部にかかる歪みが過大となり、顕
著な改善効果が見られないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するために提案されたものであって、融点は18
3℃前後で、特にSiダイボンドのように熱膨張係数が
大きく異なる部品をはんだ接合した際にも耐熱疲労性に
優れた電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
Pbに、Snを55〜75重量%、AgとPdの合計を
0.005〜10重量%含有し、さらにBi含有量を3
重量%以下かつZn含有量を0.3重量%以下とした電
子部品用はんだ合金である。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の電
子部品用はんだ合金において、Niを0.01〜2.0
重量%含有したものである。
【0009】請求項3に係る発明は、Pbに、Snを5
5〜75重量%、Inを3〜18重量%、Znを0.0
05〜2.5重量%およびZnとの合計が0.01〜5
重量%となるNiを含有した電子部品用はんだ合金であ
る。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項3記載の電
子部品用はんだ合金において、Biを3〜18重量%含
有したものである。
【0011】請求項5に係る発明は、はんだ合金で被接
合部品同士を接合する接合方法であって、上記被接合部
品の少なくとも何れかの表面はNiを含有する層が形成
され、または上記被接合部品の少なくとも何れかの全体
はNiを含有し、請求項1〜4のいずれかに記載の電子
部品用はんだ合金を用いて接合する接合方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者は、融点183℃近傍の
はんだ合金の耐熱疲労特性が従来Pb−Snはんだと比
較して大きく優れること等を条件とした電子部品用はん
だ合金の開発を目的として研究を重ねた結果、以下の知
見を得た。
【0013】1.Sn−Pbはんだに所定量のAg、P
dを添加してはんだ接合部内に板粒状(Ag,Pd)S
x(x=2〜4)金属間化合物を生成分散させること
により、この金属間化合物が、はんだ接合部に繰り返し
応力により発生した亀裂伝播の障害となりこれにより進
展抑制効果を示し、かつ本合金にZn、Biが含有する
とSn富裕相とPb富裕相との境界にこれらZn、Bi
元素が偏析して、逆に亀裂感受性が増しAg、Pd共添
効果が相殺される。この共添効果の相殺は、Zn0.3
重量%以下、Bi3重量%以下とすることによってなく
なる。
【0014】2.上記金属間化合物を生成分散したはん
だ材にさらにNiを添加すると板粒状の金属間化合物の
周辺にNiが偏析して母相との界面強度を増して、さら
に亀裂進展抑制効果が顕著となる。
【0015】3.Sn−Pbはんだに所定量のIn、N
i、Znを添加し、はんだ接合部内に針状のSn−Ni
−In金属間化合物を生成分散させることにより、はん
だ接合部に繰り返し応力により発生した亀裂の進展を抑
制する効果が得られる。
【0016】4.Sn−Pbはんだに所定量のIn、N
i、Znを添加した合金に、さらに所定量のBiを添加
すると、Sn−In−Ni金属間化合物が一層微細分散
して亀裂進展抑制効果がさらに顕著となる。
【0017】5.被接合部品の片方または双方の全体ま
たは表面にNiを含有している部材を用いる、または被
接合部品の片方または双方にNiをコ−ティングするこ
とによって亀裂進展抑制効果はさらに顕著となる。
【0018】本発明のはんだ合金は、かかる知見に基づ
いて創出されたものであって、Pbに、Sn55〜75
重量%、合計が0.005〜10重量%のAgおよびP
dを含有し、Zn0.3重量%以下、Bi3重量%以下
のSn−Pb−Ag−Pd4元合金(発明合金1と称す
る)とすることによって、接合部内に板粒状(Ag,P
d)Snx(x=2〜4)金属間化合物を生成分散させ
ることを特徴とする。
【0019】AgとPdの合計は、0.005重量%未
満ではその効果が十分に得られず、10.0重量%を越
えるとはんだ濡れ性が悪くなるとともに融点が高くな
り、コスト的にも不利になる。
【0020】また、ZnおよびBiの含有量を規制する
のは、上記のように、Zn、Biを含有すると亀裂進展
の経路となるSn富裕相とPb富裕相の境界強度が低下
して亀裂感受性が増してAg、Pd共添効果を相殺して
むしろ逆効果となるためである。
【0021】さらにZn、BiはPb−Snはんだ原料
作製時には不純物として含有しやすい金属でありJIS
でも等級によって含有量を管理することになっている
が、さらには被接合部品に含有されている場合、接合方
法によってはさらにはんだ合金内に入り込む可能性があ
る。上記含有量の範囲は、本発明の亀裂進展抑制効果を
保つ限界値について検討を行った結果に基づくものであ
る。これは例えばデイップのようなはんだ浴にて接合す
る場合の浴管理にも適用されることは至極当然である。
【0022】上記発明合金1にNi0.01〜2重量%
を添加して5元合金(発明合金2と称する)とすること
によって、亀裂進展抑制効果をより高めることができ
る。
【0023】発明合金1にNiをさらに添加して亀裂進
展抑制効果を顕著なものとしたものが発明合金2である
が、Niを発明合金1に添加することによって(Ag,
Pd)Snx(x=2〜4)金属間化合物の周辺にNi
が偏析して母相との界面強度を増して、さらに亀裂進展
抑制効果が顕著となる。
【0024】Niは、0.01重量%未満ではその効果
が得られず、2.0重量%を超えるとはんだ濡れ性が低
下し、融点上昇とともに部品の温度負荷が大きくなり、
コスト的にも不利になる。
【0025】本発明のはんだ合金は、Pbに、Sn55
〜75重量%、In3〜18重量%、Zn0.01〜
2.5重量%、Znとの合計が0.005〜5重量%と
なるNiを含有する5元合金(発明合金3と称する)と
することによって、はんだ接合部内に針状のSn−Ni
−In金属間化合物を生成分散させ、はんだ接合部に繰
り返し応力により発生した亀裂の進展を抑制することが
できる。
【0026】発明合金3においてIn、Niを添加した
理由は、はんだ接合部内にSn−In−Ni金属間化合
物を生成・分散させるためであり、Zn添加は生成した
Sn−In−Ni金属間化合物の形状を針状にして、熱
および熱サイクルがはんだ接合部に負荷された場合に生
じる応力歪みにより発生した亀裂の進展を抑制する効果
がある。
【0027】Inは、3重量%未満だと顕著な効果が得
られず、18重量%を超えると接合を司るSn−In−
Ni金属間化合物層の成長を促進して耐熱疲労性を悪化
させる。また耐食性および固相線温度の低下等を招き、
かつコスト的に不利になる。Znは0.005重量%未
満だとSn−In−Ni金属間化合物の形状が針状にな
らず、顕著な効果が得られず、2.5重量%を超えると
はんだ濡れ性の低下や応力腐食感受性の増加、融点の上
昇を生じる。
【0028】発明合金3に、さらにBi3〜18重量%
を添加して6元合金(発明合金4と称する)とすること
によって、Sn−In−Ni金属間化合物が一層微細分
散して亀裂進展抑制効果がさらに顕著となる。
【0029】発明合金3にBiを添加してさらに亀裂進
展抑制効果を顕著なものとしたのが合金4であるが、そ
の含有量をBi3〜18重量%としたのは、3重量%未
満では発明3合金より顕著な効果は得られず、18重量
%を超えると接合強度低下、はんだ付け性への悪影響、
亀裂感受性の増加、融点の低下等を生じ、In、Ni、
Zn共添効果を相殺するためである。
【0030】また本発明合金1〜4は、被接合部品にN
iを含有しているものを用いるか、または、さらにNi
を被接合部品の表面層に含有するかコ−ティングするこ
とによって、一層亀裂進展抑制効果が顕著なものとな
る。また、この被接合部品を用いた場合、本発明合金2
〜4のNi含有はんだ合金においても被接合部品からの
拡散現象のためにNiが過剰にならず耐熱疲労性を損ね
ることがない。この接合方法は、本発明合金特有の接合
方法であり、被接合部品のNiの含有については部品の
表面層でも、または全てであってもよい。
【0031】本発明のはんだ合金は、そのまま溶融して
例えばデイップ方式のはんだ浴としてもよいし、あるい
はロジン系樹脂や溶剤、活性剤等と混合してクリ−ムは
んだを調整し、リフロ−方式によりはんだ付けするよう
にしてもよい。この場合、使用されるロジン系樹脂、溶
剤、活性剤としては、通常のクリ−ムはんだに使用可能
なものであれば何れも使用できる。
【0032】本発明においてSn55〜75重量%とし
たのは、図1に示した通りSn−Pb系合金のSn含有
量と固相線・液相線温度との関係から、この範囲を超え
ることによって合金の液相線温度が183℃から20℃
以上上昇し、部品の耐熱温度や接合プロセスを変える必
要が生じて、コスト的に不利になるからである。
【0033】また共晶組成からずれるとともに共晶組織
以外の析出が多くなるが、これにより本発明の効果が十
分得られないからである。例えば発明合金3、4のよう
にInまたはBi等の低融点元素を添加した場合にはS
n55〜75重量%の範囲外でも183℃近傍の液相線
温度となり、かつ場合によっては固相線温度が183℃
よりも大きく低下するが、本発明合金は所定金属間化合
物を所定形状に析出させる必要があるため、できる限り
Sn、Pbについては共晶組織である必要がある。従っ
てこれらからもSn55〜75重量%とする必要があ
る。
【0034】
【実施例】本発明の電子部品用はんだ合金およびその接
合方法を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお
実施例において、溶融温度はDSC曲線および冷却凝固
曲線から推定した。またはんだ濡れ性は、メニスコグラ
フ法にて評価した。具体的には、短冊状の銅合金試料に
ミルフラックスを塗布した後、240℃の各はんだ合金
浴槽に浸漬し、「浮力≦張力」となるまでの浸漬時間に
よって評価した。
【0035】この浸漬時間の63Sn−Pbはんだとの
比が1.2以下の場合をA、1.2〜1.5の場合を
B、1.5〜2までをC、2以上の場合をDと評価し
た。
【0036】耐熱疲労性についてはSiチップとCuブ
ロックをはんだ接合し、ヒ−トサイクル(−55℃×3
0min〜125℃×30min/cycle)を最高
1000サイクルまで施した後、顕微鏡ではんだ接合断
面観察を行い、Siチップ端部から接合部内へ生じた亀
裂の長さの左右平均をもって評価を行った。この左右平
均亀裂長さの63Sn−Pbとの比が1以上をD、1〜
0.75をC、0.75〜0.5をB、0.5以下をA
と評価した。
【0037】実施例1.表1は、本発明合金(試料番号
12〜17)と、比較材であるAg、Pd単独またはA
gとPdの合計が0.004重量%以下(試料番号1〜
11)およびAgとPdの合計が11重量%以上(試料
番号18〜20)の液相線温度、はんだ濡れ性および耐
熱疲労性を評価した結果を示すものである。
【0038】
【表1】
【0039】試料番号1〜11および試料番号18〜2
0と比較して、試料番号12〜17は、液相線温度が1
80〜191℃で180℃近傍であり、比較的良好なは
んだ濡れ性(はんだ濡れ性評価でB以上)を保ちながら
耐熱疲労性に優れる(評価AまたはB)。
【0040】実施例2.表2は、本発明合金(試料番号
33、34、36〜38)と、比較材であるAg、Pd
無添加(試料番号21)、Ag、Pd単独またはAgと
Pdの合計が0.003重量%以下(試料番号22〜3
0)、AgとPdの合計が11重量%以上(試料番号3
1、32、35)およびAgとPdの合計が3重量%で
あるがSnが40および81重量%であるもの(試料番
号39および40)の液相線温度、はんだ濡れ性および
耐熱疲労性を評価した結果を示すものである。
【0041】
【表2】
【0042】試料21のPb−Snのみの組成では、特
に耐熱疲労性に劣ることがわかる。試料22〜25のP
b−SnにAgを単独添加した組成では、耐熱疲労性が
ほとんど改善されていないことがわかる。試料26〜2
9のPb−SnにPdを単独添加した組成では、はんだ
濡れ性および耐熱疲労性がPb−Snのみの組成と同等
もしくは劣ることがわかる。
【0043】試料30はPb−SnにAgおよびPdを
同時に添加した組成であるが、耐熱疲労性が劣る。これ
はAgおよびPdの添加量不足により金属間化合物がほ
とんど生成されないためである。
【0044】試料31、32、35はPb−SnにAg
およびPdを同時に添加した組成であるが、融点が20
0℃を超し、耐熱疲労性劣改善効果が見られない。これ
は、AgおよびPdの添加過多により融点が上昇し、2
40℃では十分な熱量でないことによるものと考えら
れ、また(Ag,Pd)SnX(x=2〜4)の他にA
gまたはさらにPdが単独またはAg−Sn金属間化合
物がSn富裕層とPb富裕層との境界に多く存在して熱
疲労強度を弱めることになり、AgとPdの共添効果が
相殺されてしまうことによるものと考えられる。
【0045】試料39、40のPb−SnにAg、Pd
を同時に添加した組成であるが、Snの含有量が55〜
75重量%の範囲外のため液相線温度が上昇し、従って
240℃では十分な濡れ性が得られず、また金属組織が
粗となり、耐熱疲労性改善効果も得られなかった。これ
は初期接合状態が劣ったためであると考えられる。
【0046】一方、本発明のはんだ合金である試料3
3、34、36〜38は、Pb−SnにAgおよびPd
を同時に含有する組成であるが、液相線温度が200℃
未満であり38を除き比較的良好なはんだ濡れ性を有
し、耐熱疲労性には全体として優れていることがわか
る。
【0047】実施例3.表3の試料41〜50は、Pb
−Sn−Ag−Pdに、さらに、Bi、ZnまたはBi
とZnを添加した組成のもの、または添加はしていない
が不純物として含有している組成のものである(Bi、
Zn量について発光分光分析にて定量を行った)。
【0048】
【表3】
【0049】Biの添加および含有は固相線温度の低下
傾向が見られるのが一般的であるが、液相線温度に与え
る顕著な影響は見られない。むしろ耐熱疲労性の低下が
見られ、AgおよびPdの共添効果を相殺していること
がわかる。
【0050】試料41〜44および50を比較すると、
3重量%以上添加で表2の試料21のPb−Snのみの
組成とほぼ同程度またはそれより低下するものと推定で
きる。
【0051】試料47〜50の結果から、Znの添加お
よび含有は試料21に比べて濡れ性および耐熱疲労性の
著しい低下を招くことがわかる。Ag,Pd共添試料の
耐熱疲労性がPb−Snのみの組成である表2の試料2
1と比較して優れるBiおよびZnの限界値は、各々B
i3重量%以下、Zn0.3重量%以下である。
【0052】実施例4.図2は、本発明合金の一組成の
62Sn−2Ag−1Pd−0.01Bi−0.002
Zn−Pbに、さらにNiを0〜3重量%まで添加した
組成であり、500または1000サイクル後のはんだ
接合部の左右平均亀裂長さによる耐熱疲労性評価結果を
示す。
【0053】図2より明らかなように、本発明合金1は
Niの添加により、さらに顕著な改善効果が見られるこ
とがわかる。しかし、0.01重量%以下では顕著な改
善効果は見られず2.5重量%を超えると接合界面にN
i3Sn4金属間化合物層厚を増して耐熱疲労性を悪化
するので、Niの添加量を0.01重量%〜2.5重量
%とすることが必要である。
【0054】実施例5.表4および5の試料番号51〜
90は、Inを添加したものまたは添加していないもの
の評価結果を示すものである。なお、表5には前掲の試
料21も併せて記載している。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】試料51〜53および試料21(表2記載
の試料21と同一組成)のPb−Snのみの組成では、
実施例2でも示したとおり特に耐熱疲労性に劣ることが
わかる。
【0058】試料54〜56のPb−SnにInを単独
添加した組成および57〜60のZnとNiのみ添加し
た組成では、耐熱疲労性がほとんど改善されていないこ
とがわかる。
【0059】試料61〜90のIn、ZnおよびNiを
含むものの中で、Inの含有量が18重量%を超える組
成(試料63および82)、ZnとNiの合計量が5重
量%を超える組成(試料65、67および79)、Zn
含有量が2.5重量%を超える組成(試料番号66およ
び80)、Zn含有量が0.005重量%を下回る組成
(試料番号74)、In含有量が3重量%を下回る組成
(試料70および90)、ZnとNiの合計量が0.0
01重量%を下回る組成(試料番号68および88)の
ものは、耐熱疲労性がほとんど改善されていないことが
わかる。
【0060】試料72および73のPb−SnにInと
Niを共添した組成では、耐熱疲労性がほとんど改善さ
れていないことがわかる。
【0061】試料81のPb−SnにInとZnを共添
した組成では、特に耐熱疲労性がほとんど改善されてい
ないことがわかる。
【0062】試料84および86ののようにSnの含有
量が35重量%あるいは83重量%と低い組成あるいは
高い組成で、液相線温度が高いものは、耐熱疲労性がほ
とんど改善されていないことがわかる。
【0063】一方、表4の試料61、62、64および
69、表5の試料75〜78、83、85、87および
89においては、Inが3〜18重量%、Zn0.00
5〜重2.5量%で、ZnとNiとの合計が0.01〜
5重量%の範囲であるため、比較的良好なはんだ濡れ性
(C以上)を保ちつつ耐熱疲労性に優れていたた(B以
上)。
【0064】実施例6.図3は、本発明合金の一組成の
Pb−57Sn−8In−1Ni−0.5Znに、Bi
を1〜30重量%まで添加した組成であり、500また
は1000サイクル後のはんだ接合部の左右平均亀裂長
さによる耐熱疲労性評価結果を示すものである。
【0065】図から明らかなように、本発明合金3にB
iを添加することによりさらに亀裂進展抑制効果が得ら
れることがわかる。その添加量については3重量%未満
では改善効果が顕著でなく、18重量%を超えると亀裂
感受性を増してIn、Ni、Znの添加による効果を相
殺することがわかる。またBiを添加しすぎるとはんだ
合金自体硬く脆くなることが知られており、はんだ接合
強度信頼性の劣ることも懸念される。
【0066】実施例7.表6の試料101〜120は、
本発明合金1〜4でSiチップとCuおよび42All
oy(42Ni−Fe)ブロックとを接合し、耐熱疲労
性評価を行った結果である。
【0067】
【表6】
【0068】ここで、発明合金組成は各々以下のように
した。 (1)本発明合金1:62Sn−2Ag−1Pd−0.
01Bi−0.001Zn−Pb (2)本発明合金2:62Sn−2Ag−1Pd−0.
5Ni−0.01Bi−0.001Zn−Pb( ただ
し、Bi,Znは添加したものではなく、不純物として
含有している量を化学分析で同定したものである ) (3)本発明合金3:61Sn−8In−0.5Ni−
0.5Zn−Pb (4)本発明合金4:57Sn−8In−0.5Ni−
0.5Zn−8Bi−Pb (5)比較材:63Sn−Pb(表2および表5の試料
21相当)
【0069】また、SiチップのメタライズはTi/N
i/AuとTi/Cu/Auの2種類とし、Cuブロッ
クはNiめっきなしおよびNiめっき有りとした。42
AlloyはNiめっきなしとした。
【0070】さらに、耐熱疲労性評価はAをさらに細か
く分けて、左右平均亀裂長さのPb−63Snとの比が
0.5〜0.4をA2、0.4以下をA1と評価した。
なお、表6において、発明接合方法とは、上記ブロック
をNiを含有する材料とする、ブロックの表面にNiめ
っきを施すかあるいはブロック表面層にNiを含有する
ものである。
【0071】試料101、102、103、105、1
06の発明合金1を本発明方法で接合した場合良好な接
合状態を保ったまま、試料104の比較方法で接合した
場合よりも、さらに改善効果が顕著となったことがわか
る。
【0072】試料107〜124のNiを含有している
本発明合金2、3、4を用いて接合した試料において
も、試料125〜130の63Sn−Pbを本発明方法
および比較接合方法で接合した場合と比較して大きく耐
熱疲労性が改善されていることがわかる。また、本発明
合金2、3、4を用いて接合した場合でも、試料104
の比較接合方法に比べて、本発明方法によって耐熱疲労
特性が向上した。Niの過剰添加は液相線温度の上昇等
によってはんだ濡れ性や耐熱疲労性に悪影響を与えるこ
とを先に述べたが、本発明方法においてはNiを含有し
ている本発明合金2、3、4に適応しても、Ni量が過
多にならずに良好な耐熱疲労性を保っていることがわか
る。また、本発明方法で本発明合金1〜4以外のはんだ
で接合しても耐熱疲労性は改善されないこともわかる。
さらに、本実施例からSiチップをNi含有部品と置き
換えても同様の効果が得られることは容易に推測され
る。
【0073】
【発明の効果】請求項1〜4に係る発明によれば、熱膨
張係数の大きく異なる電子部品についても熱サイクルに
対して著しく安定なはんだ接合状態を可能とする電子部
品用はんだ合金を提供することができ、電子部品の機械
的および電気的接合の信頼性を長期にわたって保証でき
る。
【0074】請求項5に係る発明によれば、請求項1〜
4のいずれかに記載の電子部品用はんだ合金を用いて、
被接合部材同士を接合し、熱膨張係数の大きく異なる電
子部品に対しても熱サイクルに対して著しく安定なはん
だ接合状態を可能とすることができ、電子部品の機械的
および電気的接合の信頼性を長期にわたって保証でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Pb−Sn2元系状態図である。
【図2】 本発明の一実施例になるはんだ合金の、Ni
添加量と500および1000サイクル後の耐熱疲労性
評価結果との相関図である。
【図3】 本発明の他の実施例になるはんだ合金の、B
i添加量と500および1000サイクル後の耐熱疲労
性評価結果との相関図である。
【符号の説明】
1 500サイクル、2 1000サイクル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pbに、Snを55〜75重量%、Ag
    とPdの合計を0.005〜10重量%含有し、さらに
    Bi含有量を3重量%以下かつZn含有量を0.3重量
    %以下とした電子部品用はんだ合金。
  2. 【請求項2】 Niを0.01〜2.0重量%含有した
    ことを特徴とする請求項1記載の電子部品用はんだ合
    金。
  3. 【請求項3】 Pbに、Snを55〜75重量%、In
    を3〜18重量%、Znを0.005〜2.5重量%お
    よびZnとの合計が0.01〜5重量%となるNiを含
    有したことを特徴とする電子部品用はんだ合金。
  4. 【請求項4】 Biを3〜18重量%含有したことを特
    徴とする請求項3記載の電子部品用はんだ合金。
  5. 【請求項5】 はんだ合金で被接合部品同士を接合する
    接合方法であって、上記被接合部品の少なくとも何れか
    の表面はNiを含有する層が形成され、または上記被接
    合部品の少なくとも何れかの全体はNiを含有し、請求
    項1〜4のいずれかに記載の電子部品用はんだ合金を用
    いて接合することを特徴とする接合方法。
JP23420197A 1997-08-29 1997-08-29 電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方法 Pending JPH1177369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23420197A JPH1177369A (ja) 1997-08-29 1997-08-29 電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23420197A JPH1177369A (ja) 1997-08-29 1997-08-29 電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1177369A true JPH1177369A (ja) 1999-03-23

Family

ID=16967281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23420197A Pending JPH1177369A (ja) 1997-08-29 1997-08-29 電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1177369A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013132643A (ja) * 2011-12-22 2013-07-08 Hitachi Chemical Co Ltd はんだ接着体
JPWO2016084184A1 (ja) * 2014-11-27 2017-07-06 三菱電機株式会社 回転電機及び回転電機の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013132643A (ja) * 2011-12-22 2013-07-08 Hitachi Chemical Co Ltd はんだ接着体
JPWO2016084184A1 (ja) * 2014-11-27 2017-07-06 三菱電機株式会社 回転電機及び回転電機の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11413709B2 (en) High reliability lead-free solder alloys for harsh environment electronics applications
EP3062956B1 (en) Lead-free, silver-free solder alloys
US6156132A (en) Solder alloys
EP2589459B1 (en) Bi-Sn-BASED HIGH-TEMPERATURE SOLDER ALLOY
TW201615854A (zh) 用於焊料層次的低溫高可靠度合金
JP5614507B2 (ja) Sn−Cu系鉛フリーはんだ合金
WO2018174162A1 (ja) はんだ継手
CN107635716B (zh) 用于严苛环境电子器件应用的高可靠性无铅焊料合金
WO2010087241A1 (ja) 無鉛はんだ合金及び該はんだ合金を含む耐疲労性はんだ接合材並びに該接合材を使用した接合体
JP2000141079A (ja) 無鉛はんだ合金
JP2000349433A (ja) はんだ付け方法
KR100678803B1 (ko) 납 프리 땜납 합금과, 그것을 이용한 땜납 재료 및 땜납접합부
JP3776361B2 (ja) 鉛フリーはんだ及びはんだ継手
JP2005052869A (ja) 高温はんだ付用ろう材とそれを用いた半導体装置
JP2019136776A (ja) はんだ接合方法
EP3707285A1 (en) Low-silver tin based alternative solder alloy to standard sac alloys for high reliability applications
JPH1177369A (ja) 電子部品用はんだ合金およびそれを用いた接合方法
JP4359983B2 (ja) 電子部品の実装構造体およびその製造方法
JP2022026896A (ja) はんだ合金および成形はんだ
JPH0422595A (ja) クリームはんだ
JP7273049B2 (ja) 電子用途のコスト効率の良い鉛フリーはんだ合金
JP2022058311A (ja) 鉛フリーはんだ合金及びはんだ接合部
JPH09206981A (ja) はんだ材料