JPH09206981A - はんだ材料 - Google Patents
はんだ材料Info
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- JPH09206981A JPH09206981A JP1415196A JP1415196A JPH09206981A JP H09206981 A JPH09206981 A JP H09206981A JP 1415196 A JP1415196 A JP 1415196A JP 1415196 A JP1415196 A JP 1415196A JP H09206981 A JPH09206981 A JP H09206981A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 各種添加成含を含有するPb−Sn系はんだ
材料の濡れ性を高める。 【構成】 Pb−Sn系はんだ合金において、Ag及び
Biの1種または2種からなる第1元素の含有用(重量
%)が、In,Sb,Cu,As,Ni,Mg,Ca,
Ta,Ti,Zn,Sr,Be,Tl,Ge及びGaの
1種または2種以上からなる第2元素の含有量(重量
%)と等しいかあるいは第2元素の含有量より多い。
材料の濡れ性を高める。 【構成】 Pb−Sn系はんだ合金において、Ag及び
Biの1種または2種からなる第1元素の含有用(重量
%)が、In,Sb,Cu,As,Ni,Mg,Ca,
Ta,Ti,Zn,Sr,Be,Tl,Ge及びGaの
1種または2種以上からなる第2元素の含有量(重量
%)と等しいかあるいは第2元素の含有量より多い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、はんだ材料に関す
るものであり、さらに詳しく述べるならば、特に電子部
品を基板に接合する用途に適したはんだ材料に関するも
のである。より詳しく述べるならば、本発明のはんだ材
料は、自動車の電装品のように絶えず振動にさらされ、
かつ冷熱サイクルによる繰返し応力がかかるために疲労
が起こり易い環境で使用される部品のはんだ付に適した
はんだ材料である。
るものであり、さらに詳しく述べるならば、特に電子部
品を基板に接合する用途に適したはんだ材料に関するも
のである。より詳しく述べるならば、本発明のはんだ材
料は、自動車の電装品のように絶えず振動にさらされ、
かつ冷熱サイクルによる繰返し応力がかかるために疲労
が起こり易い環境で使用される部品のはんだ付に適した
はんだ材料である。
【0002】
【従来の技術】本出願人ははんだ材の耐疲労性を向上す
る目的でSn−Pb系共晶はんだにIn,Sbを添加
し、さらにこれらにAgも添加したはんだ合金を特開平
1−237095号にて開示した。このはんだ材に添加
されたIn,Sbは、はんだ付後にそれらの金属間化合
物またはSnとの金属間化合物を生成して、金属組織の
中でPbとSnの結晶粒間および結晶粒内に析出し、こ
れら金属間化合物はPbとSnの結晶粒成長を抑制する
効果を有しており、これにより耐疲労性を向上する。さ
らに同じ目的でAg,Au,As,Cu,Ni,In,
Ca,Mg,Ta,Ti,Zn,Sr,Be,Sb,P
d,Te,Tlを添加したはんだ合金を特開平3−12
8192号に開示した。また、同じくIn,Ga,S
b,Ag,Au,Alを添加したはんだ合金を特開平3
−106591号にて開示した。
る目的でSn−Pb系共晶はんだにIn,Sbを添加
し、さらにこれらにAgも添加したはんだ合金を特開平
1−237095号にて開示した。このはんだ材に添加
されたIn,Sbは、はんだ付後にそれらの金属間化合
物またはSnとの金属間化合物を生成して、金属組織の
中でPbとSnの結晶粒間および結晶粒内に析出し、こ
れら金属間化合物はPbとSnの結晶粒成長を抑制する
効果を有しており、これにより耐疲労性を向上する。さ
らに同じ目的でAg,Au,As,Cu,Ni,In,
Ca,Mg,Ta,Ti,Zn,Sr,Be,Sb,P
d,Te,Tlを添加したはんだ合金を特開平3−12
8192号に開示した。また、同じくIn,Ga,S
b,Ag,Au,Alを添加したはんだ合金を特開平3
−106591号にて開示した。
【0003】しかし、InとSbの添加による耐疲労性
が向上するものの、Pb−Sn系共晶はんだ合金より濡
れ性が低下し、そのためにはんだ付け性が損なわれると
いう問題点が新たに生じた。
が向上するものの、Pb−Sn系共晶はんだ合金より濡
れ性が低下し、そのためにはんだ付け性が損なわれると
いう問題点が新たに生じた。
【0004】はんだ合金の濡れ性はJISZ3197に
規定される広がり試験により定量的に測定できる。さら
に、共晶はんだの広がり率に及ぼす単独添加元素の影響
は、接合する母材を銅、黄銅、軟鋼とした場合はAl,
Sb,As,Bi,Cd,Cu,P,Znなどについて
調査されており(技術文献「60%錫−40%鉛半田の
ぬれ性に及ぼす不純物元素の影響」日本錫センター発
行)、いずれも顕著な影響は確認されていない。また組
み合わせ添加については、同様にAl+Sb,As+S
b,Al+Zn+Cdなどのごく限られた組み合わせに
ついて調査されており、同様に顕著な影響は確認されて
いない。
規定される広がり試験により定量的に測定できる。さら
に、共晶はんだの広がり率に及ぼす単独添加元素の影響
は、接合する母材を銅、黄銅、軟鋼とした場合はAl,
Sb,As,Bi,Cd,Cu,P,Znなどについて
調査されており(技術文献「60%錫−40%鉛半田の
ぬれ性に及ぼす不純物元素の影響」日本錫センター発
行)、いずれも顕著な影響は確認されていない。また組
み合わせ添加については、同様にAl+Sb,As+S
b,Al+Zn+Cdなどのごく限られた組み合わせに
ついて調査されており、同様に顕著な影響は確認されて
いない。
【0005】これに対し、本発明者は図1に示すような
試験片を調製し、はんだ付け状況を観察したところ、I
n,Sb等の元素はPb−Sn系共晶はんだ合金に添加
されると基板ランド部の銅板に対する接合不良を起こり
易くすることを確認できた。なお図1において、1はフ
ェノール樹脂からなる基板、2は基板1の一面に形成さ
れた黄銅からなるランド部、3はランド部2を貫通する
リード線、4ははんだである。
試験片を調製し、はんだ付け状況を観察したところ、I
n,Sb等の元素はPb−Sn系共晶はんだ合金に添加
されると基板ランド部の銅板に対する接合不良を起こり
易くすることを確認できた。なお図1において、1はフ
ェノール樹脂からなる基板、2は基板1の一面に形成さ
れた黄銅からなるランド部、3はランド部2を貫通する
リード線、4ははんだである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来は、疲労が起こり
易い環境で使用される電装品への適用を目的としIn,
Sbを添加して耐疲労性を向上させても濡れ性の低下を
もたらしていたために、はんだ付け作業を時間をかけて
行うなど、作業性の低下を招く接合法を採用しなけれ
ば、接合不良が起こるので、はんだ合金が組成的にもっ
ている耐疲労性を十分に引き出すことができなかった。
また、従来はPb−Snはんだ合金に添加されるどの元
素が濡れ性を低下させるかは知られていなかった。
易い環境で使用される電装品への適用を目的としIn,
Sbを添加して耐疲労性を向上させても濡れ性の低下を
もたらしていたために、はんだ付け作業を時間をかけて
行うなど、作業性の低下を招く接合法を採用しなけれ
ば、接合不良が起こるので、はんだ合金が組成的にもっ
ている耐疲労性を十分に引き出すことができなかった。
また、従来はPb−Snはんだ合金に添加されるどの元
素が濡れ性を低下させるかは知られていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究を行い、後述する試験方法による
と,各元素はPb−Snはんだ合金の広がり率を向上す
る元素群と広がり率を低下する元素群に予め分けること
ができ、しかも各元素の広がり率を向上(低下)に対す
る寄与はその重量%とほぼ一致するために、前者の元素
群の添加量の合計が後者の元素群の添加量の合計と等し
いかあるいはそれ以上に多い場合に広がり率を良好にで
きることを見出し、本発明を完成した。
決するために鋭意研究を行い、後述する試験方法による
と,各元素はPb−Snはんだ合金の広がり率を向上す
る元素群と広がり率を低下する元素群に予め分けること
ができ、しかも各元素の広がり率を向上(低下)に対す
る寄与はその重量%とほぼ一致するために、前者の元素
群の添加量の合計が後者の元素群の添加量の合計と等し
いかあるいはそれ以上に多い場合に広がり率を良好にで
きることを見出し、本発明を完成した。
【0008】したがって、本発明は、Pb−Sn系はん
だにおいて、Ag及びBiの1種または2種からなり広
がり率を向上する第1元素の含有量(重量%)がIn,
Sb,As,Ni,Mg,Ca,Ta,Ti,Zn,S
r,Be,Tl,Ge及びGaの1種または2種以上か
らなり広がり率を低下する第2元素の含有量(重量%)
と等しいかあるいは第2元素の含有量より多いことを特
徴とする濡れ性に優れたはんだ材料に関するものであ
る。
だにおいて、Ag及びBiの1種または2種からなり広
がり率を向上する第1元素の含有量(重量%)がIn,
Sb,As,Ni,Mg,Ca,Ta,Ti,Zn,S
r,Be,Tl,Ge及びGaの1種または2種以上か
らなり広がり率を低下する第2元素の含有量(重量%)
と等しいかあるいは第2元素の含有量より多いことを特
徴とする濡れ性に優れたはんだ材料に関するものであ
る。
【0009】上記の第2元素中で、In,Sb及びAg
は金属間化合物を結晶粒界に生成することにより、はん
だ付後の使用中に発生する繰返し応力が原因するはんだ
合金組織の結晶組織の粗大化を防止し、耐疲労性を向上
する特殊な元素である。さらに、その他の第2元素は鋳
造による2次相を加工と適切な熱処理により微細な金属
間化合物にするはんだ付方法(特開平3−128192
号)を用いて耐疲労性を向上させるのに有効である。し
たがって接合部品の用途や要求特性によってこれらの元
素を添加することが好ましいが、濡れ性の悪化を招くの
で、その総量は第1群元素以下にすることが必要であ
る。
は金属間化合物を結晶粒界に生成することにより、はん
だ付後の使用中に発生する繰返し応力が原因するはんだ
合金組織の結晶組織の粗大化を防止し、耐疲労性を向上
する特殊な元素である。さらに、その他の第2元素は鋳
造による2次相を加工と適切な熱処理により微細な金属
間化合物にするはんだ付方法(特開平3−128192
号)を用いて耐疲労性を向上させるのに有効である。し
たがって接合部品の用途や要求特性によってこれらの元
素を添加することが好ましいが、濡れ性の悪化を招くの
で、その総量は第1群元素以下にすることが必要であ
る。
【0010】さらに、本発明のはんだ合金においては、
Pbの含有量が19.8〜60重量%(以下「%」は特
記しない限り重量%を指す)であり、Snの含有量が4
0〜80重量%の組成をもつことが好ましい。Pbの含
有量が60%を超え、Snの含有量が40%を下回る
と、Pbの組織が多すぎて全体の強度を低下させ、さら
に融点が高くなりすぎてはんだ付性を悪くする。逆にP
bの含有量が19.8%を下回り、Snの含有量が80
%を超えるとはんだ付性が大幅に低下するからである。
なお、好ましいPb及びSnの含有量はそれぞれ29.
8〜50%及び70%以下である。
Pbの含有量が19.8〜60重量%(以下「%」は特
記しない限り重量%を指す)であり、Snの含有量が4
0〜80重量%の組成をもつことが好ましい。Pbの含
有量が60%を超え、Snの含有量が40%を下回る
と、Pbの組織が多すぎて全体の強度を低下させ、さら
に融点が高くなりすぎてはんだ付性を悪くする。逆にP
bの含有量が19.8%を下回り、Snの含有量が80
%を超えるとはんだ付性が大幅に低下するからである。
なお、好ましいPb及びSnの含有量はそれぞれ29.
8〜50%及び70%以下である。
【0011】さらにはんだ合金に添加される第1元素の
含有量が0.1%未満であると広がり率向上が少ないた
めに濡れ性と接合強度が低下し、一方15%を超えると
はんだの融点が高くなり作業性が損なわれる他に、電子
部品がはんだ接合の際に受ける熱影響が無視できなくな
る、偏析などにより粗大な2次相の析出があり、はんだ
強度を大幅に低下するなどの問題が起こる。一方、第2
元素の含有量が0.05%未満であると、その添加効果
が少なく、15%を超えると濡れ性と接合強度が低下す
る。この対策として第1元素の添加量を多くすることが
できるが、すると添加元素の総量が多くなってはんだの
融点が一挙に高まるので、好ましくない。好ましい添加
量は第1元素は0.15〜5%、第2元素は0.05〜
5%である。
含有量が0.1%未満であると広がり率向上が少ないた
めに濡れ性と接合強度が低下し、一方15%を超えると
はんだの融点が高くなり作業性が損なわれる他に、電子
部品がはんだ接合の際に受ける熱影響が無視できなくな
る、偏析などにより粗大な2次相の析出があり、はんだ
強度を大幅に低下するなどの問題が起こる。一方、第2
元素の含有量が0.05%未満であると、その添加効果
が少なく、15%を超えると濡れ性と接合強度が低下す
る。この対策として第1元素の添加量を多くすることが
できるが、すると添加元素の総量が多くなってはんだの
融点が一挙に高まるので、好ましくない。好ましい添加
量は第1元素は0.15〜5%、第2元素は0.05〜
5%である。
【0012】本発明の好ましい成分系はIn−Sb−A
gあるいはIn−Sb−Ag−Cu系である。この成分
系では、In,Sbの二元素ははんだづけ直後にはほと
んどが固溶しているが、電子部品の使用中の熱により相
互にあるいはSnを含めた各元素で金属間化合物を作
り、耐疲労性を高めることができる。Agは主としてS
n,Inとの金属間化合物を形成するが、Ag,Sn及
びInの結合ははんだ付け後の凝固過程でも起こる。一
般に溶融もしくは半溶融状態のはんだに金属間化合物が
生成するとはんだが流れ難くなるので、広がり率が低下
する筈であるが、実際は上述のように、InとSbは広
がり率を低下させ、Agは広がり率を向上させることが
分かった。そこで広がり率を向上する手段につき研究
し、耐疲労性を損なうことなくはんだ付性を共晶はんだ
と同等に確保する方策について各添加元素の添加量と濡
れ性との関係を求める研究を行い、図2示す結果が得ら
れた。
gあるいはIn−Sb−Ag−Cu系である。この成分
系では、In,Sbの二元素ははんだづけ直後にはほと
んどが固溶しているが、電子部品の使用中の熱により相
互にあるいはSnを含めた各元素で金属間化合物を作
り、耐疲労性を高めることができる。Agは主としてS
n,Inとの金属間化合物を形成するが、Ag,Sn及
びInの結合ははんだ付け後の凝固過程でも起こる。一
般に溶融もしくは半溶融状態のはんだに金属間化合物が
生成するとはんだが流れ難くなるので、広がり率が低下
する筈であるが、実際は上述のように、InとSbは広
がり率を低下させ、Agは広がり率を向上させることが
分かった。そこで広がり率を向上する手段につき研究
し、耐疲労性を損なうことなくはんだ付性を共晶はんだ
と同等に確保する方策について各添加元素の添加量と濡
れ性との関係を求める研究を行い、図2示す結果が得ら
れた。
【0013】図2には、JIS Z 3197の広がり
試験法に準拠し、試験片として酸化銅板(150℃,1
時間酸化)を使用し、フラックスとしてSR−21(J
ISB級)のイソプロパノール25%溶液を使用した行
った60−40共晶はんだに添加された単独元素が広が
り率に及ぼす影響を示す。これにより、AgとBiは広
がり率を向上させ、InとSbは広がり率を低下させる
ことが分かる。
試験法に準拠し、試験片として酸化銅板(150℃,1
時間酸化)を使用し、フラックスとしてSR−21(J
ISB級)のイソプロパノール25%溶液を使用した行
った60−40共晶はんだに添加された単独元素が広が
り率に及ぼす影響を示す。これにより、AgとBiは広
がり率を向上させ、InとSbは広がり率を低下させる
ことが分かる。
【0014】さらに、Ag,In及びSbの添加量を変
化させて同様の試験を行った結果を、Ag(%)/{I
n+Sb+Cu+As+Ni+Mg+Ca+Ta+Ti
+Zr+Sr+Be+Tl+Ge+Ga(%)}を横軸
とし、広がり率を縦軸として図3に示す。図3よりAg
はSbとInの悪影響を打ち消して広がり率を向上させ
る;Ag(%)/(Sb+In+Cu+As+Ni+M
g+Ca+Ta+Ti+Zr+Sr+Be+Tl+Ge
+Ga)(%)比率が1.5以上では共晶組成以上の広
がり率が得られる;Ag(%)/(Sb+In+Cu+
As+Ni+Mg+Ca+Ta+Ti+Zr+Sr+B
e+Tl+Ge+Ga(%))比率が4以上ではその効
果は飽和するなどの結果が得られている。
化させて同様の試験を行った結果を、Ag(%)/{I
n+Sb+Cu+As+Ni+Mg+Ca+Ta+Ti
+Zr+Sr+Be+Tl+Ge+Ga(%)}を横軸
とし、広がり率を縦軸として図3に示す。図3よりAg
はSbとInの悪影響を打ち消して広がり率を向上させ
る;Ag(%)/(Sb+In+Cu+As+Ni+M
g+Ca+Ta+Ti+Zr+Sr+Be+Tl+Ge
+Ga)(%)比率が1.5以上では共晶組成以上の広
がり率が得られる;Ag(%)/(Sb+In+Cu+
As+Ni+Mg+Ca+Ta+Ti+Zr+Sr+B
e+Tl+Ge+Ga(%))比率が4以上ではその効
果は飽和するなどの結果が得られている。
【0015】広がり率を共晶はんだと同様に保持するた
めに、90%以上あればよいので、図2及び3からAg
%が(In+Sb+Cu+As+Ni+Mg+Ca+T
a+Ti+Zr+Sr+Be+Tl+Ge+Ga)
(%)の1倍以上添加することにより十分な濡れ性を確
保することが分かる。望ましくは91%以上を確保する
として1.25倍以上が好ましい。また、それぞれの添
加元素の含有量は、In:0.05〜3.0%、Ag;
0.15〜10.0%、Sb:0.05〜1.5%その
他の第2元素の合計量がAg量以下、であることが好ま
しい。また、Sbに代えてあるいはSbとともにCuを
添加することもできる。この場合の添加量もしくはSb
との合計量は0.05〜1.5%である。
めに、90%以上あればよいので、図2及び3からAg
%が(In+Sb+Cu+As+Ni+Mg+Ca+T
a+Ti+Zr+Sr+Be+Tl+Ge+Ga)
(%)の1倍以上添加することにより十分な濡れ性を確
保することが分かる。望ましくは91%以上を確保する
として1.25倍以上が好ましい。また、それぞれの添
加元素の含有量は、In:0.05〜3.0%、Ag;
0.15〜10.0%、Sb:0.05〜1.5%その
他の第2元素の合計量がAg量以下、であることが好ま
しい。また、Sbに代えてあるいはSbとともにCuを
添加することもできる。この場合の添加量もしくはSb
との合計量は0.05〜1.5%である。
【0016】上記組成のはんだはフローはんだ付の場合
のはんだ槽表面で酸化物生成を促進して、ノロの発生が
多いという問題がある。この対策としては0.001〜
0.1%のPを添加することが有効である。
のはんだ槽表面で酸化物生成を促進して、ノロの発生が
多いという問題がある。この対策としては0.001〜
0.1%のPを添加することが有効である。
【0017】以下、説明する実施例においては、耐疲労
性試験の代用試験としてクリープ試験を行った。これは
クリープ試験の破断モードが疲労試験の破断モードと同
じであって、組織粗大化が起こった場所で破断が起こる
ので、耐クリープ性は耐疲労性の評価に使用できること
による。
性試験の代用試験としてクリープ試験を行った。これは
クリープ試験の破断モードが疲労試験の破断モードと同
じであって、組織粗大化が起こった場所で破断が起こる
ので、耐クリープ性は耐疲労性の評価に使用できること
による。
【0018】
実施例1 図4(表1)に示す組成のはんだを用い図5に示すラン
ド部2によりリード線5のはんだ付けを行った。はんだ
付け方法及び広がり率はJIS Z 3197により測
定した。図5に示すはんだ接合構造の仕様は以下のとお
りである。 片面銅張ランド径: φ3.7mm スルーホール: φ1.7mm リード線(銅線): φ1.2mm はんだ付後80℃雰囲気で1.2kgの荷重をかけ、破
断するまでの時間測定。耐力荷重は試験後のはんだの面
積を測定し荷重1.2kgを割って求めた。
ド部2によりリード線5のはんだ付けを行った。はんだ
付け方法及び広がり率はJIS Z 3197により測
定した。図5に示すはんだ接合構造の仕様は以下のとお
りである。 片面銅張ランド径: φ3.7mm スルーホール: φ1.7mm リード線(銅線): φ1.2mm はんだ付後80℃雰囲気で1.2kgの荷重をかけ、破
断するまでの時間測定。耐力荷重は試験後のはんだの面
積を測定し荷重1.2kgを割って求めた。
【0019】共晶はんだの寿命を1とし、その他のはん
だの寿命を共晶はんだに対して比較した値を図4(表
1)に示す。この結果より、InとSbを複合添加する
クリープ寿命は大幅に長くなるが、広がり率は低下する
ことが分かる。本発明実施例No.2、3、共晶合金
(No.19)、比較例No26.28について横軸に
寿命時間を対数目盛でプロットし、縦軸に応力をプロッ
トすると図6の如く各材質毎にほぼ直線で得られた。N
o.19〜29に比較例を示す。比較例19は共晶はん
だで広がり率は良いが耐疲労性が良くなくない。比較例
20〜24はAg,In,Sbを単独に添加した場合
で、広がり率とクリープ寿命の両方を満足するものはな
かった。比較例25〜29はAg,In,Sb,Cuを
複合で添加した場合であり、いずれも広がり率とクリー
プ寿命の両方を満足する結果は得られなかった。これに
対して、Agの添加量をそのほかの元素の添加合計量よ
り多くした本発明実施例では広がり率がいずれも90%
を超え、かつクリープ寿命も6以上という優れた結果が
得られている。
だの寿命を共晶はんだに対して比較した値を図4(表
1)に示す。この結果より、InとSbを複合添加する
クリープ寿命は大幅に長くなるが、広がり率は低下する
ことが分かる。本発明実施例No.2、3、共晶合金
(No.19)、比較例No26.28について横軸に
寿命時間を対数目盛でプロットし、縦軸に応力をプロッ
トすると図6の如く各材質毎にほぼ直線で得られた。N
o.19〜29に比較例を示す。比較例19は共晶はん
だで広がり率は良いが耐疲労性が良くなくない。比較例
20〜24はAg,In,Sbを単独に添加した場合
で、広がり率とクリープ寿命の両方を満足するものはな
かった。比較例25〜29はAg,In,Sb,Cuを
複合で添加した場合であり、いずれも広がり率とクリー
プ寿命の両方を満足する結果は得られなかった。これに
対して、Agの添加量をそのほかの元素の添加合計量よ
り多くした本発明実施例では広がり率がいずれも90%
を超え、かつクリープ寿命も6以上という優れた結果が
得られている。
【0020】実施例2 下記5種類の合金: 1:共晶合金 2:63%Sn−0.7%Sb−1.0%Ag−1.0
%In 3:63%Sn−0.3%Sb−1.5%Ag−0.5
%In 4:63%Sn−0.7%Sb−1.0%Ag−1.0
%In−0.005%P 5:63%Sn−0.3%Sb−1.5%Ag−0.5
%In−0.005%P を500kg溶解し、溶解炉内にて温度が250℃±1
0の状態で、表面は大気に露出された状態で放置しては
んだ浴表面に浮いたカス状の物質(すなわちノロ)をか
き集めて秤量した。その結果得られたノロの累積重量を
次表に示す。
%In 3:63%Sn−0.3%Sb−1.5%Ag−0.5
%In 4:63%Sn−0.7%Sb−1.0%Ag−1.0
%In−0.005%P 5:63%Sn−0.3%Sb−1.5%Ag−0.5
%In−0.005%P を500kg溶解し、溶解炉内にて温度が250℃±1
0の状態で、表面は大気に露出された状態で放置しては
んだ浴表面に浮いたカス状の物質(すなわちノロ)をか
き集めて秤量した。その結果得られたノロの累積重量を
次表に示す。
【0021】 表2 ノロ発生量(kg) 合金 2時間後 4時間後 8時間後 1 1.98 5.01 9.58 2 11.87 12.63 15.10 3 4.69 10.12 11.76 4 2.48 9.56 12.80 5 2.10 5.00 8.60
【0022】この表より,Ag,InとSbの添加はノ
ロの発生を多くするが、Pの微量添加によりノロが少な
くなることが分かる。
ロの発生を多くするが、Pの微量添加によりノロが少な
くなることが分かる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると耐
疲労性がに優れ、且つ濡れ性に優れたはんだ材料を提供
することにより、はんだの濡れ不良による接合不良が大
幅に提言することができ、基板と部品とのはんだ付けの
信頼性を大幅に向上する。
疲労性がに優れ、且つ濡れ性に優れたはんだ材料を提供
することにより、はんだの濡れ不良による接合不良が大
幅に提言することができ、基板と部品とのはんだ付けの
信頼性を大幅に向上する。
【図1】電子部品のはんだ付けの例を説明する図面であ
る。
る。
【図2】共晶はんだに加えられた単独金属元素が広がり
率に及ぼす影響を示すグラフである。
率に及ぼす影響を示すグラフである。
【図3】共晶はんだに加えられたIn,Sb,Agが広
がり率に及ぼす影響を、横軸をAg/(In+Sb)比
率として示すグラフである。
がり率に及ぼす影響を、横軸をAg/(In+Sb)比
率として示すグラフである。
【図4】実施例1における組成および性能を示す図表
(表1)である。
(表1)である。
【図5】クリープ試験に供したはんだ接合構造の図であ
る。
る。
【図6】クリープ試験における破断時間(h)と応力
(MPa)の関係を示すグラフである。
(MPa)の関係を示すグラフである。
1 基板 2 ランド部 3 リード線 4 はんだ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 靖久 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊工 業株式会社内 (72)発明者 石田 英樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 成田 雄彦 愛知県名古屋市緑区鳴海町字長田75−1ソ ルダーコート株式会社内 (72)発明者 原 四郎 愛知県名古屋市緑区鳴海町字長田75−1ソ ルダーコート株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 Pb−Sn系はんだ合金において、Ag
及びBiの1種または2種からなる第1元素の含有量
(重量%)がIn,Sb,Cu,As,Ni,Mg,C
a,Ta,Ti,Zn,Sr,Be,Tl,Ge及びG
aの1種または2種以上からなる第2元素の含有量(重
量%)と等しいかあるいは第2元素の含有量より多いこ
とを特徴とする濡れ性に優れたはんだ材料。 - 【請求項2】 Pbの含有量が19.8〜60重量%で
あり、Snの含有量が40〜80重量%である請求項1
記載の濡れ性に優れたはんだ材料。 - 【請求項3】 第1元素の含有量が0.1〜15重量%
であり、第2元素の含有量が0.05〜15重量%であ
る請求項1または2記載の濡れ性に優れたはんだ材料。 - 【請求項4】 第2元素がIn及びSbである請求項3
記載の濡れ性に優れたはんだ材料。 - 【請求項5】 In:0.05〜3.0%、Ag:0.
15〜10.0%、Sb及びCuの1種または2種:
0.05〜1.5%、Pb;35〜50%、As、N
i、Mg、Cg、Ta、Ti、Zn、Sr、Be、T
l、Ge及びGaの1種または2種以上;下記含有量、
Sn:残部からなり、Ag%≧(In%+Sb%+Cu
%+:+As%+Ni%+Mg%+Ca%+Ta%+T
i%+Zn%+Sr%+Be%+Tl%+Ge%+Ga
%)を満足する成分比を有することを特徴とする濡れ性
に優れたはんだ材料。 - 【請求項6】 P:0.001〜0.1%をさらに含有
することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1
項記載の濡れ性に優れたはんだ材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1415196A JPH09206981A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | はんだ材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1415196A JPH09206981A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | はんだ材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09206981A true JPH09206981A (ja) | 1997-08-12 |
Family
ID=11853158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1415196A Pending JPH09206981A (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | はんだ材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09206981A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102717201A (zh) * | 2012-07-04 | 2012-10-10 | 深圳市斯特纳新材料有限公司 | 具有耐腐蚀的高强度高温焊料 |
US11285569B2 (en) | 2003-04-25 | 2022-03-29 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Soldering material based on Sn Ag and Cu |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP1415196A patent/JPH09206981A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11285569B2 (en) | 2003-04-25 | 2022-03-29 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Soldering material based on Sn Ag and Cu |
CN102717201A (zh) * | 2012-07-04 | 2012-10-10 | 深圳市斯特纳新材料有限公司 | 具有耐腐蚀的高强度高温焊料 |
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