JP2013129920A - 印刷用塗被紙の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも片面当たり1層以上有する印刷用塗被紙の製造方法において、原紙と接する塗被層の顔料としてレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下である針状の軽質炭酸カルシウムを含有し、該塗被層をフィルムトランスファー方式の塗被装置にて塗被することを特徴とする印刷用塗被紙の製造方法。
【選択図】 なし
Description
[1]原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも片面当たり1層以上有する印刷用塗被紙の製造方法において、原紙と接する塗被層の顔料としてレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下である針状の軽質炭酸カルシウムを含有し、該塗被層をフィルムトランスファー方式の塗被装置にて塗被することを特徴とする印刷用塗被紙の製造方法。
[2]前記軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜0.6μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%(D10)の比(D90/D10)が6以下であることを特徴とする[1]に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
[3]原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも片面当たり2層以上有する印刷用塗被紙の製造方法において、原紙と接する塗被層をフィルムトランスファー方式の塗被装置にて塗被することを特徴とする[1]または[2]いずれか記載の印刷用塗被紙の製造方法。
[4]原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも片面当たり2層以上有する印刷用塗被紙の製造方法において、最表面の塗被層をフィルムトランスファー方式の塗被装置にて塗被することを特徴とする[1]〜[3]いずれか記載の印刷用塗被紙の製造方法。
[5]フィルムトランスファー方式の塗被装置がロッドメタリングサイズプレスコーターであることを特徴とする[1]〜[4]いずれか記載の印刷用塗被紙の製造方法。
[6]ロッドメタリングサイズプレスコーターに付設するロッドホルダの材質が、ポリエチレンであることを特徴とする[5]に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
[7]軽質炭酸カルシウムは、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消和水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰を得る工程(B)、および該消石灰に二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか記載の印刷用塗被紙の製造方法。
本発明の印刷用塗被紙において、原紙と接する塗被層(あるいは塗被液)は顔料と接着剤を主成分とし、その他必要に応じて助剤を添加する。
(軽質炭酸カルシウム)
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは、針状の形状を有し、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする。
生石灰は、石灰石を焼成したものであればよく、焼成装置に関しては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、ロータリーキルン、カーハーディー炉、コマ式炉、カルマチック炉、流動焼成炉、混合焼き立炉など、石灰石を転化する装置であれば特に限定はない。焼成温度および焼成時間は適宜調整可能であるが、石灰石を低温かつ長時間で生石灰を生成させた方が、高温かつ短時間で生成させた生石灰よりも針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすい。また、生石灰中の二酸化炭素含有率が低い方が、針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすく、石灰石の焼け残り成分としてJIS R 9011:2006に規定されている炭酸バリウム逆滴定法による二酸化炭素含有率が1.5%以下であることが好ましい。より好ましいのは二酸化炭素含有率が1.0%以下である。
軽質炭酸カルシウムは塗被液用顔料として利用するため、原料としてなるべく白色度の高い石灰石を用いるのがよい。特に、Fe、Mnなどの着色成分が問題となる場合があるので、なるべく着色成分含有量が少ない石灰石を用いることに留意する必要がある。
生石灰の平均の大きさが5mmを超える場合は、生石灰に添加する消和水温度は、特に限定はなく、20℃前後の常温のものを用いても構わない。
バッチ方式の好適な消和水の添加方法としては、消和水の添加は一括で行うのではなく、分割添加又は連続的に5〜30分程度の時間をかけて添加する方が好ましい。連続方式の好適な消和水の添加方法としては、生石灰をミキサの一方の端に供給し、これを混合・攪拌しつつ他方の端に移動させるまでの間にミキサ上に複数の消和水供給口を設け、さらにミキサ出口に近い供給口は、スプレー方式とするのがよい。
本発明において原紙と接する塗被層用塗被液に使用する顔料としては、本発明で規定する軽質炭酸カルシウム以外に、本発明の効果を妨げない範囲において、例えば重質炭酸カルシウム、本発明以外の軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、サチンホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、製紙スラッジを原料とした再生顔料等の無機系顔料、あるいはプラスチックピグメント等の有機系顔料等、一般の塗被紙用として知られている顔料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
本発明において原紙と接する塗被層用塗被液に使用する接着剤としては、水溶性接着剤や水分散性接着剤を単独又は併用して使用することができる。水溶性接着剤と水分散性接着剤を併用する場合の配合比率は特に限定されるものではないが、原紙と接する塗被層が下塗り塗被層に該当する場合は、水溶性接着剤を多く配合することが好ましい。水溶性接着剤を多く配合する理由としては、下塗り塗被層への上塗り塗被層の浸透を抑制するためである。
水溶性接着剤としては、例えば、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、デキストリン、冷水可溶性澱粉などの澱粉誘導体、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロール誘導体、ポリビニルアルコールやその変性品などが使用できるが、その中でも、原紙と接する塗被層塗被液の流動性が良好である澱粉誘導体が好ましい。
水分散性接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルまたは、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性した重合体または共重合体ラテックス等が挙げられる。
本発明において原紙と接する塗被層用塗被液に使用する助剤としては、分散剤、消泡剤、防腐剤、粘性改良剤、着色剤、潤滑剤、耐水化剤等の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
原紙と接する塗被層上に上塗り塗被層を設ける場合、上塗り塗被層(あるいは上塗り塗被液)については、特に限定されるものではなく、一般に塗被紙に使用されている顔料および接着剤を主成分とする塗被液から形成され、塗被紙の品質要求に応じて適宜設計・選択できる。
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、本発明で規定する軽質炭酸カルシウム、本発明以外の軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、サチンホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の無機系あるいは有機系顔料を例示できる。この中でも特に、本発明で規定する軽質炭酸カルシウムを用いることが好ましく、該軽質炭酸カルシウムを使用することで塗被紙の白色度、光沢、平滑性を向上させることができる。
接着剤としては、原紙と接する塗被層と同様に、水溶性接着剤や水分散性接着剤を単独又は併用して使用することができ、特に限定されるものではないが、水溶性接着剤を多く配合すると、塗被紙の光沢および平滑発現性が低下する傾向にあるため注意が必要である。
また、必要に応じて、分散剤、消泡剤、防腐剤、粘性改良剤、着色剤、潤滑剤、耐水化剤等の助剤を使用することも可能である。
本発明に使用する原紙としては、特に限定するものではないが、原料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、TMP等)、古紙パルプ(DIP等)の1種類以上が適宣混合され、紙料の調製が行われる。紙料中に必要に応じてホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム等の填料を添加し、さらに必要に応じて紙力増強剤、歩留り向上剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤などの内添サイズ剤、耐水化剤、紫外線防止剤などの一般に公知公用の抄紙用薬品が添加された酸性紙又は中性紙であればよい。勿論、本発明で規定する軽質炭酸カルシウムを填料として用いてもよい。原紙の坪量は、一般的には30〜70g/m2程度であり、抄紙機は特に限定されることはなく、例えば、長網式抄紙機、オントップフォーマー式抄紙機、ツインワイヤー式抄紙機、ギャップフォーマー式抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の抄紙機を使用することができる。なお、本発明の印刷用塗被紙の製造装置は、オンマシン方式であっても、オフマシン方式であっても構わないが、生産効率の観点からオンマシン方式が好ましい。
本発明において、原紙と接する塗被層を形成するための塗被装置としては、高速塗工適性、断紙防止効果等の生産性、品質等を考慮するとフィルムトランスファー方式の塗被装置で塗被することが好ましく、フィルムトランスファー方式の塗被装置としては、ゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーターがあり、これらの塗被装置のうちロッドメタリングサイズプレスコーターを使用することがより好ましい。
この中でも特に、高速塗工適性、断紙防止効果等の生産性、品質等を考慮すると、フィルムトランスファー方式の塗被装置で塗被することが好ましく、フィルムトランスファー方式の塗被装置としては、ゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーターがあり、これらの塗被装置のうちロッドメタリングサイズプレスコーターを使用することがより好ましい。
キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度キャレンダー前水分などが要求される品質に応じて適宣選択される。使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは、金属もしくは、その表面に硬質クロムメッキなどで鏡面処理したロールである。また弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂ポリアクリレート樹脂などの樹脂ロール、コットン、ナイロン、アラミド樹脂などを形成したロールが適宣使用される。
なお、キャレンダーによる仕上げ後の塗被紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置などを適宣組み合わせて使用することも可能である。
(軽質炭酸カルシウムの調製)
混合機としてチョッパー羽根を取外し、全てをショベル羽根にした連続式プロシェアミキサWA150型(大平洋機工社製)を用いて、混合機の一端から工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を4kg/min投入し、他端から消石灰が排出されるまでの滞留時間を8分とし、ショベル羽根周速3.0m/s、30℃の消和水を2.58kg/minをノズル方式で2箇所から添加した。得られた消石灰をカットポイント35μmで分級した後、35℃の水と混合し10%消石灰スラリー10kgを調製した。攪拌周速5.0m/s、炭酸/空気混合ガス(ガス濃度20%)を16L/minの流量でpH=7〜8になるまで炭酸化し、軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。
前記炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィット(株式会社宇野澤組鐵工所製)により脱水・操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサを用いて軽質炭酸カルシウムに対し1.0%ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50,東亜合成社製)を加えて分散し、軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。さらに、上記軽質炭酸カルシウムスラリーを、解砕メディアとして直径1.0〜1.4mmのガラスビーズを用いてサンドグラインダーで湿式粉砕処理を60分間行い、固形分濃度71%の顔料評価用軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
製造例1において、分級した消石灰を混合する水の温度を50℃とした以外は、製造例1と同様にして軽質炭酸カルシウムを得た。
攪拌機付容器に60℃の消和水9kgを仕込み、攪拌しながら工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を1kg添加して、120分間消化した。得られた消石灰を330メッシュ(45μm)の篩で分級した後、遠心分離機を用いて、微粒スラリーと粗粒スラリーに分離した。分離した粗粒消石灰スラリーを40℃まで冷却し、12%の消石灰スラリー10kgを調製した。次に、消石灰スラリーに種結晶として針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS,奥多摩工業社製)を固形分換算で消石灰:針状軽質炭酸カルシウム=99:1となる比率で添加した。攪拌周速5.0m/s、炭酸ガス(ガス濃度100%)を12l/minの流量でpH=7〜8となるまで炭酸化させ、軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。前記炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィット(株式会社宇野澤組鐵工所製)により脱水・操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサを用いて軽質炭酸カルシウムに対し1.0%ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50,東亜合成社製)を加えて分散し、軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
市販の針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS,奥多摩工業社製)を得た。
市販の立方状軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15,白石カルシウム社製)を得た。
市販の紡錘状軽質炭酸カルシウム(商品名;TP121−7C,奥多摩工業株式会社製)を得た。
走査型電子顕微鏡(日立社製S−3500N)による写真撮影を行い、倍率7000倍にて粒子形状を観察した。
(粒径測定)
レーザー回折法(日機装社製マイクロトラックHRAX−100)による粒度分布を測定した。累積体積が10%、50%、90%に相当する粒径をD10、D50、D90として、50体積%(D50)の粒子径を平均粒子径とし、さらに90体積%(D90)と10体積%(D10)の比(D90/D10)を求めた。
参考までに、X線透過式粒度分布測定装置(セディグラフ5100,マイクロメリテックス社製)による粒度分布も測定した。累積体積が10%、50%、90%に相当する粒径をd10、d50、d90として求めたが、本発明例と比較例のd10が小さく、測定範囲外であった。
(原紙の製造)
広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)50部、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)15部、チラシを含む新聞脱墨パルプ(DIP)35部の割合で混合して離解し、リファイナーで叩解処理したパルプスラリー10%に、カチオン化澱粉(商品名:エースK、王子コーンスターチ社製)を0.5%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287,荒川科学工業社製)0.1%、ポリアクリルアミド(商品名:ポリストロン851,荒川化学工業社製)0.02%、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121,奥多摩工業社製)を紙中灰分が10%になるように順次添加し、得られた紙料をギャップフォーマー抄紙機で抄紙し、米坪40.0g/m2の原紙を得た。
顔料として重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドラカーブ−90,備北粉化工業社製)25部、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム75部(固形分換算)に対して、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースA,王子コーンスターチ社製)6部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:OJ1000H,JSR社製)8部(いずれも固形分換算)を加え、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて固形分濃度58%の原紙と接する塗被層用塗被液Aを調製した。
上記原紙両面に、ロッドメタリングサイズプレスコーター(ロッド種類:表面が平滑なロッド、ロッド径:15mm、ロッドホルダ材質:ポリエチレン)を用いて、乾燥後重量が片面当たり6g/m2になるように原紙と接する被層用塗被液Aを両面同時に塗被、乾燥後を行った。このようにして得られた両面塗被紙を加熱した金属ロールと樹脂ロールからなる熱キャレンダーにて平滑化処理を施し、印刷用塗被紙を得た。
実施例1のロッドメタリングサイズプレスコーターのロッドホルダ材質をポリウレタンに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
製造例2で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Bとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
製造例3で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Cとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Dとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Dとした以外は、実施例2と同様にして印刷用塗被紙を得た。
製造例5で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Eとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
製造例6で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Fとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
原紙と接する塗被層用塗被液の顔料として重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ−90,備北粉化工業社製)50部、カオリン(商品名:ウルトラホワイト90,BASF社製)50部に置き換え、原紙と接する塗被層用塗被液Gとした以外は、実施例1同様にして印刷用塗被紙を得た。
JIS P 8148:2001に準じて、分光白色度測定計(SC−10WT,スガ試験機社製)を用いて測定した。
JIS P 8142:1993に準じて、光沢度計(GM−25,村上色彩研究所社製)を用いて75度光沢度を測定した。
パーカープリントサーフ(PPS)表面平滑度試験機(MODEL M−569型,MESSMER BUCHEL社製)を用いて5回測定し、その平均値を求めた。なお、数値が小さいほど平滑性が高くなる。
RI印刷試験機(石川島産業機械製)でオフセット輪転機用新聞印刷インキ(NEWS WEBMASTER/プロセス黒G2,サカタインクス社製)を0.7cc練った後、印刷を行い、印刷面光沢を目視評価した。
◎:印刷光沢が高く、良好。
○:印刷光沢はあるが、個人差などにより十分とは言えない場合あり。
△:印刷光沢が低く、光沢感としては不十分。
×:印刷光沢がほとんどなく、劣る。
RI印刷試験機(石川島産業機械製)にて1色目に印刷インキ(TOYOKING TKU CC藍,東洋インキ製造社製)を0.5cc使用して印刷を行い、その後2色目に印刷インキ(紙試験用インキ紅,東洋インキ製造社製)を0.3cc使用して経過時間を変えながら重ね刷りした際の2色目紅インキの着肉ムラを目視評価した。
◎:着肉ムラが無く、着肉性がよい。
○:着肉ムラが若干見られるが、実用上問題ないレベル。
△:着肉ムラが見られ、実用上許容できないレベル。
×:着肉ムラがひどく、劣る。
RI印刷試験機(石川島産業機械製)にてタック値13のインキを0.6cc練り印刷を行い、ブランケットに残ったインキをコート紙に転写して白抜け部分を目視評価した。
◎:パイリングが発生せず、良好。
○:パイリングが少し発生するが、実用上問題ないレベル。
△:パイリングが発生し、実用上許容できないレベル。
×:パイリングが多く発生し、劣る。
各実施例、比較例の原紙と接する塗被層用塗被液を用い、ロッドメタリングサイズプレスコーターにて24時間、塗被速度1200m/分で塗被を行い、各ロッドホルダの磨耗度を目視評価した。
◎:ロッドホルダ磨耗がなく、良好
○:若干のロッドホルダ磨耗が発生しているが、問題ないレベル
△:ロッドホルダ磨耗が発生し、許容できないレベル
×:ロッドホルダ磨耗がひどく、劣る。
(原紙と接する塗被層用塗被液Hの調製)
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム100部(固形分換算)に対して、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースA,王子コーンスターチ社製)25部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:OJ1000H,JSR社製)5部(いずれも固形分換算)を加え、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて固形分濃度30%の原紙と接する塗被層用塗被液Hを調製した。
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム75部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドラカーブK−9,備北粉化工業社製)25部からなる顔料スラリー(固形分換算)に対して、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースA,王子コーンスターチ社製)5部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:OJ1000H,JSR社製)10部(いずれも固形分換算)を加え、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて固形分濃度60%の上塗り塗被層用塗被液Aを調製した。
実施例1で調製した原紙上に、上記原紙と接する塗被層用塗被液Hをロッドメタリングサイズプレスコーター(ロッド種類:表面が平滑なロッド、ロッド径:15mm、ロッドホルダ材質:ポリエチレン)を用いて、乾燥後重量が片面あたり3g/m2になるように両面同時に塗被、乾燥後、ソフトニップキャレンダーで平滑化処理を施した。このようにして得られた原紙と接する塗被層上に上塗り塗被層用塗被液Aをファウンテンアプリケーションタイプのブレードコーターを用いて片面あたり8g/m2(固形分)となるように一方の面に塗被、乾燥後、他方の面に塗被乾燥を行った。このようにして得られた両面塗被紙を加熱した金属ロールと樹脂ロールからなる熱キャレンダーにて平滑化処理を施し、印刷用塗被紙を得た。
製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Iとした以外は、実施例5と同様にして印刷用塗被紙を得た。
比較例6の原紙と接する塗被層用塗被液Iの塗被方法をロッドメタリングサイズプレスコーターからファウンテンアプリケーションタイプのブレードコーターに変更した以外は、比較例6と同様にして印刷用塗被紙を得た。
(原紙と接する塗被層用塗被液Jの調製)
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム50部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ−90,備北粉化工業社製)50部からなる顔料スラリー(固形分換算)に対して、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースA,王子コーンスターチ社製)25部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ1000H,JSR社製)5部(いずれも固形分換算)を加え、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて固形分濃度30%の原紙と接する塗被層用塗被液Jを調製した。
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム100部(固形分換算)に対して、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースA,王子コーンスターチ社製)5部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:OJ1000H,JSR社製)10部(いずれも固形分換算)を加え、さらに助剤として消泡剤および染料を順次加えて固形分濃度30%の上塗り塗被層用塗被液Bを調製した。
実施例1で調製した原紙上に、上記原紙と接する塗被層用塗被液Jをロッドメタリングサイズプレスコーター(ロッド種類:表面が平滑なロッド、ロッド径:15mm、ロッドホルダ材質:ポリエチレン)を用いて、乾燥後重量が片面あたり3g/m2になるように両面同時に塗被、乾燥後、ソフトニップキャレンダーで平滑化処理を施した。このようにして得られた原紙と接する塗被層上に上塗り塗被層用塗被液Bをロッドメタリングサイズプレスコーター(ロッド種類:表面が平滑なロッド、ロッド径:15mm、ロッドホルダ材質:ポリエチレン)を用いて片面あたり6g/m2(固形分)となるように一方の面に塗被、乾燥後、他方の面に塗被乾燥を行った。このようにして得られた両面塗被紙を加熱した金属ロールと樹脂ロールからなる熱キャレンダーにて平滑化処理を施し、印刷用塗被紙を得た。
製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムを用い、原紙と接する塗被層用塗被液Kとした以外は実施例6と同様にして印刷用塗被紙を得た。
5日間、塗被速度1200m/分で24時間操業した場合の各塗被装置部での断紙回数について評価した。
◎:5日間での断紙回数が0〜5回
○:5日間での断紙回数が6〜8回
×:5日間での断紙回数が9回以上
Claims (7)
- 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも片面当たり1層以上有する印刷用塗被紙の製造方法において、原紙と接する塗被層の顔料としてレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下である針状の軽質炭酸カルシウムを含有し、該塗被層をフィルムトランスファー方式の塗被装置にて塗被することを特徴とする印刷用塗被紙の製造方法。
- 前記軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜0.6μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%(D10)の比(D90/D10)が6以下であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
- 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも片面当たり2層以上有する印刷用塗被紙の製造方法において、原紙と接する塗被層をフィルムトランスファー方式の塗被装置にて塗被することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
- 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも片面当たり2層以上有する印刷用塗被紙の製造方法において、最表面の塗被層をフィルムトランスファー方式の塗被装置にて塗被することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
- フィルムトランスファー方式の塗被装置がロッドメタリングサイズプレスコーターであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
- ロッドメタリングサイズプレスコーターに付設するロッドホルダの材質が、ポリエチレンであることを特徴とする請求項5に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
- 軽質炭酸カルシウムは、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消和水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰を得る工程(B)、および該消石灰に二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の印刷用塗被紙の製造方法。
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