JP5787088B2 - 塗工白板紙 - Google Patents

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Description

本発明は、塗工白板紙に関するものである。
塗工白板紙は、多層抄きされた原紙に顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗工した白板紙であり、主として、化粧品、医薬品、石鹸、ギフト品等の包装箱に用いられている。これらの包装箱は、店頭に陳列した際のディスプレイ効果として、強光沢で美粧性に優れることが求められており、さらにまた長期陳列に耐えうる表面保護性も求められている。
包装箱に光沢性、保護性を付与する方法として、塗工白板紙の表面に透明な樹脂液を塗工する方法(ニス引き)が行われている。高い光沢性と平滑性をさらに付与するために、ニス引き後の塗工白板紙を高温ロールでプレス加工する方法(プレスコート)も行われている。現在は、二ス用コーターとUV乾燥設備を印刷機の後に設置して、印刷後の塗工白板紙にそのまま連続して二ス加工を行うことにより、より効率的かつ経済的に包装箱を製造することができることから、インライン二ス(UV二ス)加工が使用されるケースが増えてきている。これらの表面加工による光沢性や平滑性の向上は、塗工白板紙に依存するところも大きく、塗工白板紙からの改良が求められている。
ニス引き後の光沢(以降、ニス光沢と呼ぶ)に優れる塗工板紙の従来技術としては、例えば、特許文献1に、ゲルを特定量含む共重合体ラテックスと、特定の粒径を有する共重合体ラテックスと、顔料とを含有する塗工層を設けることが提案されている。
また、プレスコート後に高い光沢を得られる塗工白板紙の従来技術として、特許文献2に、最外塗工層にメジアン径が0.8μm以下であるカオリンを特定量と、立方状および/または柱状の軽質炭酸カルシウムを含有させることが提案されている。
特開2008−248431号公報 特開2005−200805号公報
しかし、特許文献1に記載の塗工板紙について本発明者らが確認したところ、最外塗工層に使用する顔料の種類、粒径、粒度分布によっては白紙の平滑性が劣り、美粧性を損ねることがわかった。
また、特許文献2に記載の塗工白板紙では、軽質炭酸カルシウムの粒度分布が不揃いである場合、二ス光沢の低下やムラが生じるおそれのあることが確認された。
上記のように、これまでに、光沢性と平滑性および印刷適性に優れ、かつ二ス光沢にも優れる塗工白板紙は知られていないのが実情であった。
以上の事情に鑑み、本発明は、白紙光沢と平滑性、印刷適性に優れるとともに、高い二ス光沢を有する塗工白板紙を提供することを課題とする。
本発明者等は、塗工白板紙の最外塗工層に用いる塗工液の顔料について研究を重ねた結果、特定の形状と粒径、および粒度分布を有する軽質炭酸カルシウムを顔料に含有させることが課題を解決する上での重要な技術要素であることを見出した。
本発明は、以下の構成を有している。
[1]原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を2層以上有する塗工白板紙において、最外塗工層に含まれる顔料中に針状および/または柱状の軽質炭酸カルシウムを最外塗工液に含まれる全顔料の5〜70質量%含有し、該軽質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする塗工白板紙。
[2]軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜0.6μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が6以下であることを特徴とする[1]記載の塗工白板紙。
[3]最外塗工層に前記軽質炭酸カルシウムと、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜1.5μmである重質炭酸カルシウムとを含有することを特徴とする[1]または[2]のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
[4]軽質炭酸カルシウムは、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消化水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰スラリーを得る工程(B)、および該消石灰スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする[1]から[3]のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
本発明により、白紙光沢と平滑性、印刷適性に優れるとともに、高い二ス光沢を有する塗工白板紙を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[最外塗工層]
本発明の塗工白板紙において、最外塗工層(あるいは最外塗工液)は顔料と接着剤を主成分とし、その他必要に応じて各種助剤を添加する。
[顔料]
(軽質炭酸カルシウム)
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは、針状および/または柱状の形状を有し、レーザー回折法による前記軽質炭酸カルシウムの粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする。
軽質炭酸カルシウムの形状は針状、柱状、立方状、紡錘状等があるが、本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは針状および/または柱状である必要がある。その理由としては、針状および/または柱状という形状の特質から、塗工層表面および塗工層中において配向し易く、また塗工層中において適度な空隙を有し易いため、被塗工表面の凹凸部の被覆性に優れるとともに(すなわち、平滑性向上に寄与するとともに)、ニス引き時にニスをムラなく塗工することができ、さらにまた、ニス光沢発現性にも優れる。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムのD50は0.2〜0.7μmであり、好ましくは0.3〜0.6μmであり、さらに好ましくは0.35〜0.55μmである。D50が0.2μm未満では、他顔料の隙間に細密充填され易く、被覆性が劣る上、接着強度も低下する。D50が0.7μmを超えると、塗工顔料中の軽質炭酸カルシウムが局在化するため、被塗工表面の被覆性が劣化し、平滑性が低下するおそれがあるとともに、白紙光沢が低下するおそれもある。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムのD90/D10は8以下であり、好ましくは6以下であり、さらに好ましくは5以下である。D90/D10が8を超えると、粒度分布が不揃いとなり、白紙光沢の低下、平滑性の低下、二ス光沢の低下やムラをもたらす可能性がある。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは最外塗工層に含有する必要がある。その理由としては、白紙光沢、平滑性、二ス光沢発現性は、主として最外塗工層によって決定付けられるためである。なお、本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは、最外塗工層以外の層(以降、下塗り塗工層と呼ぶ)に必ずしも含有する必要はない。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムの最外塗工層中における配合量は、最外塗工液に含まれる全顔料の5質量%以上、好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。なお、本発明の軽質炭酸カルシウの配合量多くすることで、白紙品質、印刷品質は向上する一方、二ス光沢は低下するおそれがあるため、配合量の上限は70質量%以下、好ましくは60質量%以下である。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムを得る方法は特に限定せず、従来公知の製造方法、例えば、水酸化カルシウム(消石灰)と炭酸ガスを反応させる方法、塩化カルシウムと炭酸ナトリウム無水物(ソーダ灰)を反応させる方法、消石灰とソーダ灰を反応させる方法等によって得られた針状および/または柱状の軽質炭酸カルシウムを、本発明で規定する粒子径、粒度分布になるように粉砕、分級することで得ることができる。特に、分散、粉砕、分級のし易さから消石灰と炭酸ガスを反応させる方法が好ましく、とりわけ、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消和水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰を得る工程(B)、および該消石灰に二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする軽質炭酸カルシウムは、所望の粒子形状、粒子径、粒度分布が得られ易く、より好ましい。
前記(A)、(B)、(C)の各工程による軽質炭酸カルシウムについて詳述する。
生石灰は、石灰石を焼成したものであればよく、焼成装置に関しては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、ロータリーキルン、カーハーディー炉、コマ式炉、カルマチック炉、流動焼成炉、混合焼き立炉など、石灰石を転化する装置であれば特に限定はない。焼成温度および焼成時間は適宜調整可能であるが、石灰石を低温かつ長時間で生石灰を生成させた方が、高温かつ短時間で生成させた生石灰よりも針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすい。また、生石灰中の二酸化炭素含有率が低い方が、針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすく、石灰石の焼け残り成分としてJIS R 9011:2006に規定されている炭酸バリウム逆滴定法による二酸化炭素含有率が1.5%以下であることが好ましい。より好ましいのは二酸化炭素含有率が1.0%以下である。軽質炭酸カルシウムは塗工液用顔料として利用するため、原料としてなるべく白色度の高い石灰石を用いるのがよい。特に、Fe、Mnなどの着色成分が問題となる場合があるので、なるべく着色成分含有量が少ない石灰石を用いることに留意する必要がある。
消石灰の製造方法としては、生石灰すなわち酸化カルシウムに理論水和量の2倍前後の水を加えて消和を行う乾式消和法を用いる方が好ましい。乾式消和において、添加する消和水量は、生石灰に対するモル比で2.5以下であるのが好ましい。消和水量が、生石灰モル比で2.5を超えると、生石灰に消和水を添加した際に水が局在化するため、微細な消石灰が多く生成し、得られる軽質炭酸カルシウムの形状が紡錘状になり、紙に塗工すると平滑性、光沢発現性などの品質が低下する。
上述のように、原料となる消石灰粒子が微細な粒子を多く含むと、生産される軽質炭酸カルシウムの品質は低下する。このため本発明者らは、レーザー回折法により消石灰粒子の体積粒度分布を測定することとした。体積粒度分布における粒径が1.0μm以下の微細な消石灰粒子の累積体積が20%を超えると、それを原料として用いた時に紡錘状の軽質炭酸カルシウムが生成される。この生成物である軽質炭酸カルシウムには、粗粒の粒子が混在し、粒径も不均一であるため、塗工用顔料に用いた場合には品質が劣る。従って、粒径が1.0μm以下の消石灰粒子の累積体積は20%以下とするのが好ましい。1.0μm以下の消石灰粒子の累積体積は、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。また、消石灰粒子の粒度分布をシャープにすることで、炭酸化反応が均一になり、軽質炭酸カルシウムの粒子径をより均一にすることができる。
微細な粒子の混入の少ない粒径の均一な消石灰を生成するためには、生石灰と消和水とを混合する混合機が、混合物あるいは反応物を浮遊拡散効果で3次元的に流動・攪拌できる構造を有していることが好ましい。具体的には、混合容器自体が回転するミキサおよび容器と攪拌羽根との隙間が少ないミキサが挙げられる。これらのミキサを用いることで、攪拌時にデッドスペースが生じず、常に混合物が流動するため、生石灰に消和水を添加した際に水が局在化せず、生成した消石灰の凝集を防止することができ、微細粒子および粗大粒子の少ない均一な消石灰粒子を得ることができる。混合機内の浮遊拡散効果が低いと、生石灰に消和水を添加した際に水が局在化するおそれがあるため、微細な消石灰が多く生成し、得られる軽質炭酸カルシウムの形状が紡錘状になり、紙に塗工すると平滑性、光沢発現性などの品質が低下する場合がある。
浮遊拡散効果を高めるためには、混合機での混合が攪拌羽根回転によって行なわれる場合は、該攪拌羽根回転の周速を0.5m/s以上とする必要がある。該攪拌羽根回転の周速は0.8m/s以上であることが好まく、1.5m/s以上にすることがさらに好ましい。また、混合機での混合が容器回転によって行なわれる場合は、該容器回転の周速が0.2m/s以上である必要がある。該容器回転の周速は0.4m/s以上であることが好ましい。さらに、分散混合用のせん断用攪拌羽根を設けることで、せん断効果を向上させ、微細粒子および粗大粒子の少ないより均一な消石灰粒子を得ることができる。
連続方式に好適な混合機としては、混合機内の反応物を循環させるために送り機構と戻り機構を有した拡散用攪拌羽根を用い、さらにスキ型ショベル羽根、鋸歯状ショベル羽根などの特殊攪拌羽根を用いることで、より浮遊拡散効果が得られるので好ましい。攪拌羽根周速を2.0m/s以上とすることで、生石灰と水とを均一に混合でき、消石灰粒子の凝集を防止することができる。また、混合機を1機だけではなく、2機以上用いてもよい。混合機を2機以上用いることで、個々の混合機の攪拌周速、滞留時間を変えることができ、粗大粒子が少ないより好適な消石灰を得ることができる。
生石灰の平均の大きさが5mm以下の場合、生石灰に添加する消和水温度は、低温であると消化反応が急激に進行し、得られる消石灰粒子の粒度分布の幅が広くなる。そのため、分級、粉砕工程を設ける場合に、作業に対する負荷が大きくなり、分級、粉砕設備にかかるコストが増大する。従って、消加水温度は40℃以上とするのが好ましく、60℃以上とするのがさらに好ましい。生石灰の平均の大きさが5mmを超える場合は、生石灰に添加する消和水温度は、特に限定はなく、20℃前後の常温のものを用いても構わない。
生石灰と消和水とを均一に混合するため、消和水の添加口は、1箇所ではなく、2箇所以上設けることが好ましい。また、消和水の添加方法としては、ノズル方式だけでなく、消和水を広範囲に噴霧できるスプレー方式を用いることも可能である。特に、粉末状生石灰や消和反応途中のものは、スプレー方式を用いることで、消和水の局在化を防止できるので好ましい。バッチ方式の好適な消和水の添加方法としては、消和水の添加は一括で行うのではなく、分割添加または連続的に5〜30分程度の時間をかけて添加する方が好ましい。連続方式の好適な消和水の添加方法としては、生石灰をミキサの一方の端に供給し、これを混合・攪拌しつつ他方の端に移動させるまでの間にミキサ上に複数の消和水供給口を設け、さらにミキサ出口に近い供給口は、スプレー方式とするのがよい。
生石灰と消和水を混合する時間としては、特に制限はないが、規定量の消和水を添加した後、1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、混合機内で攪拌するのがよい。生産性を考慮すると混合時間は8〜15分程度が好ましい。
このようにして得られた消石灰をそのまま炭酸化反応に供することもできるが、粗大粒子を除去すれば、炭酸化反応が均一になり、軽質炭酸カルシウムの粒径をより均一にすることができるようになる。消石灰粒子の粒径は、150μm以下とするのが好ましく、75μm以下とするのがより好ましく、50μm以下とするのがさらに好ましい。
粗大消石灰粒子を除去する方法としては、遠心分離式の分級機、振動スクリーン、スクリーン分級機などが挙げられる。分級機などで篩い分けされた粗大消石灰粒子は、粉砕機で粉砕し、分級工程へ戻す分級・粉砕閉回路とすることも可能である。分級・粉砕工程は、乾式または湿式のどちらの方式を用いてもよい。粉砕機での消石灰粒子の過粉砕は、得られる軽質炭酸カルシウムが紡錘状になり、品質低下の要因となるため、防止する必要がある。
炭酸化に供する消石灰スラリーの固形分濃度は、5質量%未満とすると、生産効率が低下し、40質量%を超えると微細な軽質炭酸カルシウムが生成されて、粘度も上昇して、操業性が劣る。従って、消石灰スラリーの固形分濃度は5〜40質量%であることが好ましい。消石灰スラリーの固形分濃度のより好ましい下限は8質量%であり、より好ましい上限は20質量%である。
また、炭酸化開始時の消石灰スラリー温度は、生成物である軽質炭酸カルシウムの結晶形状に影響を及ぼすため、調整する必要がある。炭酸化開始温度が20℃未満であると、炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き込んだ際、微細な針状結晶が凝集したものになり、一方、50℃を超えると針状と紡錘状のものが混在して、均一な粒径の炭酸カルシウム粒子が形成されず、塗工紙品質が発現しないおそれがある。従って、針状粒子を得るためには、炭酸化開始温度は20〜50℃であることが望ましい。
炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスの吹き込み量は、特に制限はないが、結晶形状の点から、反応開始前の消石灰1kg当たり100%炭酸ガス(1気圧、20℃換算)を10L/min以下とするのが好ましく、5L/min以下とすることがより好ましい。10L/minを超えると紡錘状あるいは凝集状の炭酸カルシウム粒子が形成され、塗工紙品質が発現しないおそれがある。生産性の点からは、1.5L/min以上とするのが好ましい。
炭酸化反応はバッチ式でも連続式でもどちらでもよく、炭酸化反応槽も炭酸ガスを吹き込むことができればよい。バッチ式の反応槽として、円筒型または円筒で下部のみ円錐になっている円筒コーン型などの反応槽を用いて、炭酸ガスを反応槽下部から吹き込むのが効率の点から好ましい。さらに、半回分式反応槽の下部の円錐に多数の穴をあけることで、炭酸ガスが微細な気泡となり、これらの微細な泡が消石灰スラリーと接触するので、効率的かつ均一に反応させることができる。
また、反応槽に攪拌機を備え、攪拌しながら炭酸化を行うことにより、炭酸ガスが微細になり、消石灰スラリーとの接触が良くなり、反応が均一かつ効率的に行われる。攪拌機の攪拌周速としては、2.0m/s以上であるのが好ましく、さらに好ましいのは2.5m/s以上である。攪拌機としては、一軸または二軸型のタンク用攪拌機、コーレスミキサ、高速攪拌式ディスパーザーなどを用いることができる。さらに反応槽中に邪魔板を設置することで、消石灰スラリーのせん断力を高めることができる。
炭酸化反応前の消石灰スラリーに種晶を添加してもよい。種晶としてアラゴナイト系針状軽質炭酸カルシウムを予め添加しておくことで、類似の針状結晶が効率よく生成される。種晶の添加率は、水酸化カルシウム:アラゴナイト系針状軽質炭酸カルシウム=99.7:0.3〜95:5となるようにするのが好ましい。
炭酸化反応の炭酸ガス含有ガスの好適なものとしては、二酸化炭素を含有する混合ガス、例えば、石灰石焼成排ガス、パルプ製造プラントの石灰焼成排ガス、セメント製造キルン排ガス、発電ボイラー排ガス、ゴミ焼却排ガスなどが挙げられる。炭酸ガス含有ガスとして上記排ガスを用いる場合、排ガス中の石灰石、石灰、硫黄酸化物、未燃カーボン等のダストをバグフィルター、電気集塵機、乾式スクラバー、湿式スクラバーもしくはこれらの組合せを用いることによって排ガスを浄化することが好ましい。
炭酸カルシウムスラリーを塗工液用顔料として用いるためには、脱水して脱水組成物とする脱水工程と、該脱水工程により得られる脱水組成物に水分を加えてスラリー状の分散組成物とする分散工程と、所望の粒径に調整する粉砕工程を備えてもよい。
脱水工程は、濾過、遠心分離、加圧脱水、圧搾などの操作により、固形分濃度70%程度まで脱水を行うことができる。好適な脱水装置としては、フィルタープレス、ベルトプレスなどがある。脱水工程後の脱水ケーキの固形分濃度が低い場合は、乾燥工程を付加して所望の固形分濃度まで上げることができる。乾燥機としては、ロータリードライヤー、ディスクドライヤー気流乾燥機、流動乾燥機などがある。また、脱水工程と乾燥工程が一体となった乾燥機能付きフィルタープレスを用いることもできる。
なお、軽質炭酸カルシウムを本発明範囲の粒径とするために脱水工程後に分散工程および粉砕工程を設けることが好ましいが、分散処理後の平均粒子が所望の平均粒径の範囲にある場合、粉砕を行わずに、そのまま塗工用顔料として使用してもよい。
消石灰の製造方法としては、乾式消和法の他に、理論水和量を大きく超える量の水の存在下で消和を行い、消石灰スラリーの状態で得られる湿式消和法を用いることもできる。湿式消和法で製造された消石灰粒子の粒径は1μm以下の微細な粒子が多く、粗大な粒子も混在するため、本発明の軽質炭酸カルシウム粒子を得るためには、粗大消石灰粒子および微細消石灰粒子を除去する必要がある。
粗大消石灰粒子を除去する方法としては、振動スクリーン、スクリーン分級機などが挙げられる。振動スクリーンなどを通過した微細消石灰粒子を含む消石灰スラリーは、遠心分離機、サイクロン型分級機など用いて、微細消石灰粒子を除去することができる。
(併用可能な顔料)
本発明に使用する最外塗工層用の顔料としては、本発明で規定する軽質炭酸カルシウム以外に、重質炭酸カルシウム、本発明以外の軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、サチンホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の無機系あるいは有機系顔料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択し、組み合わせて使用することができる。この中でもカオリンおよび重質炭酸カルシウムは高い二ス光沢が得られるので好ましいが、カオリンは白色度が低いため、高白色度が要求される白板紙においてカオリンを選択する場合には、重質炭酸カルシウムも併せて選択するのが好ましい。
なお、重質炭酸カルシウムとしては、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜1.5μmである重質炭酸カルシウムがより好ましい。D50が0.5μm未満では、塗工面の被覆性と表面強度が劣るおそれがあり、D50が1.5μmを超えると、平滑性が劣るおそれがあるためである。重質炭酸カルシウムを併用する場合、重質炭酸カルシウムの配合量は特に制約されないが、最外塗工液に含まれる全顔料の5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。5質量%未満では、所望とする白色度が得られないおそれがあり、60質量%を超えると、白紙光沢および平滑度が低下するおそれがある。
[接着剤]
本発明に使用する最外塗工層用の接着剤としては、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉系、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール等の合成物、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
[助剤]
本発明に使用する最外塗工層用の助剤としては、本発明の効果を損なわない範囲において、青色および/または紫色の染料や顔料、蛍光染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、消泡剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
[下塗り塗工層]
下塗り塗工層(あるいは下塗り塗工液)については、特に限定されるものではなく、一般に塗工白板紙に使用されている顔料および接着剤を主成分とする塗工液から形成され、塗工白板紙の品質要求に応じて適宜設計・選択できる。
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、本発明で規定する軽質炭酸カルシウム、本発明以外の軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、サチンホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の無機系あるいは有機系顔料を例示できる。
接着剤としては、例えば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉系、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール等の合成物、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系を例示できる。
また、必要に応じて、青色および/または紫色の染料や顔料、蛍光染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、消泡剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の助剤を使用することも可能である。
[原紙]
本発明に使用する原紙としては、特に限定されるものではなく、一般の塗工白板紙に用いられる米坪150〜650g/m程度の多層抄き原紙を適宜選択して使用することができる。原紙のパルプ原料も特に限定されるものではなく、晒ないしは未晒の機械パルプ、化学パルプ、あるいは脱墨ないしは未脱墨の古紙パルプ等、塗工白板紙のパルプ原料として一般的に用いられるパルプ原料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
片面印刷を目的として原紙の片面に塗工層を設けるタイプの塗工白板紙では、多層構成の原紙において塗工層を設けられる原紙の最表層(第1層、表面層)に晒化学パルプ、前記最表層下に隣接する第2層(表面下層)に脱墨古紙パルプ、第3層以降の各層(それぞれ中層)および最下層(裏面層)に未脱墨の古紙パルプをそれぞれ使用することが好ましい。また、両面印刷を目的として原紙の両面に塗工層を設けるタイプの塗工白板紙では、原紙両面の最表層(表面層)に晒化学パルプ、前記両面の最表層下に隣接する第2層(表面下層)に脱墨パルプをそれぞれ使用することが好ましい。
前記のように、原紙の中層には白色度が低く灰色を呈している未脱墨古紙パルプを使用しているが、原紙の表面層および表面下層に白色度の高い晒化学パルプや脱墨古紙パルプを適用して原紙の白色度を向上させることにより、原紙表面から透過視認される中層灰色を目立たなくさせることができ、印刷仕上り、および紙器加工後の見栄えを向上させることができる。
その他、多層抄きの各層の原紙には、必要に応じて、填料、青色および/または紫色の染料や顔料、サイズ剤、紙力剤、歩留向上剤等を適宜添加することも可能である。
[塗工および仕上げ]
原紙に塗工層を形成する装置としては、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の従来公知の塗工装置の中から適宜組み合わせて使用することができるが、本発明の効果をより好ましく発現させるには、下塗り塗工層はロッドコーターまたはブレードコーターで、最外塗工層はブレードコーターまたはエアーナイフコーターで形成することが望ましい。もちろん、これらの塗工装置はオンマシンでもよく、オフマシンでもよい。
なお、塗工液の固形分濃度は、下塗り塗工液および最外塗工液ともに特に限定されるものではないが、一般的には20〜70質量%の範囲で調整される。また、塗工量についても特に限定されるものではないが、一般的には下塗り塗工層および最外塗工層とも乾燥重量でそれぞれ片面当り3〜30g/m程度の範囲で調整される。
かくして得られた塗工白板紙は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等で加圧および平滑化仕上げ処理を施す。なお、原紙および下塗り塗工層を形成した塗工白板紙を予めこれらカレンダーにて加圧および平滑化処理を施すことも可能である。
以下に、具体例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらによって制約を受けるものではない。なお、製造例、実施例、比較例において%および部とあるものはすべて質量%および質量部を示す。
(軽質炭酸カルシウムの調製)
(製造例1)
混合機としてチョッパー羽根を取外し、全てをショベル羽根にした連続式プロシェアミキサWA150型(大平洋機工社製)を用いて、混合機の一端から工業用生石灰(CO含有率0.3%)を4kg/min投入し、他端から消石灰が排出されるまでの滞留時間を8分とし、ショベル羽根周速3.0m/s、30℃の消和水を2.58kg/minをノズル方式で2箇所から添加した。得られた消石灰をカットポイント35μmで分級した後、35℃の水と混合し10%消石灰スラリー10kgを調製した。攪拌周速5.0m/s、炭酸/空気混合ガス(ガス濃度20%)を16L/minの流量でpH=7〜8になるまで炭酸化し、軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。
前記炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィット(株式会社宇野澤組鐵工所製)により脱水・操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサを用いて軽質炭酸カルシウムに対しポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)を1.0部(固形分)加えて分散し、軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。さらに、上記軽質炭酸カルシウムスラリーを、解砕メディアとして直径1.0〜1.4mmのガラスビーズを用いてサンドグラインダーで湿式粉砕処理を60分間行い、固形分濃度71%の軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
(製造例2)
製造例1において、得られた消石灰をカットポイント100μmで分級し、45℃の水で混合した以外は、製造例1と同様にして軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。
(製造例3)
攪拌機付容器に60℃の消和水9kgを仕込み、攪拌しながら工業用生石灰(CO含有率0.3%)を1kg添加して、120分間消化した。得られた消石灰を330メッシュ(45μm)の篩で分級した後、遠心分離機を用いて、微粒スラリーと粗粒スラリーに分離した。分離した粗粒消石灰スラリーを40℃まで冷却し、12%の消石灰スラリー10kgを調製した。次に、消石灰スラリーに種結晶として針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)を固形分換算で消石灰:針状軽質炭酸カルシウム=99:1となる比率で添加した。攪拌周速5.0m/s、炭酸ガス(ガス濃度100%)を12L/minの流量でpH=7〜8となるまで炭酸化させ、軽質炭酸カルシウムを得た。
(製造例4)
市販の紡錘状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP121−7C、奥多摩工業社製)を得た。
(製造例5)
市販の柱状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)をサンドミルで粉砕し、分級を行い、微細柱状軽質炭酸カルシウムを得た。
(製造例6)
市販の柱状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)を得た。
(製造例7)
市販の立方状軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15、白石カルシウム社製)を得た。
製造例で得られた軽質炭酸カルシウムについて、下記の観察および測定を行い、その結果を表1に示した。
(粒子形状観察)
走査型電子顕微鏡(日立社製S−3500N)による写真撮影を行い、倍率7000倍にて粒子形状を観察した。
(粒径測定)
レーザー回折法(日機装社製マイクロトラックHRAX−100)による粒度分布を測定した。累積体積が10%、50%、90%に相当する粒径をD10、D50、D90として、50体積%(D50)の粒子径を平均粒子径とし、さらに90体積%(D90)と10体積%(D10)の比(D90/D10)を求めた。
Figure 0005787088
(実施例1)
(原紙の調製)
原紙第1層目の表面層に晒化学パルプ、第2層目の表面下層に脱墨古紙パルプ、第3層目の中層、第4層目の中層、および第5層目の裏面層に未脱墨パルプをそれぞれ使用して5層に抄き合わせた後にマシンカレンダ処理して、米坪290g/mの塗工白板紙の原紙を得た。
(下塗り塗工液の調製)
重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製、D50=1.11μm)100部、ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.25部、酸化澱粉(商品名:王子エースY、王子コーンスターチ社製)3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA7070、日本エイアンドエル社製)14部(固形分)を加え、固形分濃度62%の下塗り塗工液を調製した。
(最外塗工液の調製)
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム30部、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)30部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製、D50=1.11μm)35部、二酸化チタン(商品名:KA−100、韓国コスモケミカル社製)5部、ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.25部、酸化澱粉(商品名:王子エースY、王子コーンスターチ社製)3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA4046、日本エイアンドエル社製)12部(固形分)を加え、固形分濃度64%の最外塗工液を調製した。
(塗工白板紙の作成)
前記の塗工白板紙用の基紙に対して、ロッドコーターを用いて前記の下塗り塗被液を片面あたり乾燥重量で10g/mになるように塗工、乾燥して下塗り塗工紙を得た。次いで、得られた下塗り塗工液に対して、ブレードコーターを用いて前記の最外塗工液を片面当たり乾燥重量で10g/mになるように塗工、乾燥して2層塗工紙を得た。得られた2層塗工紙に対して、金属ロール表面温度が200℃、2ニップのソフトカレンダーによる通紙処理を行って、塗工白板紙を得た。
(実施例2)
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例2で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例3)
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例3で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例4)
実施例3の最外塗工液の調製において、製造例3で得られた軽質炭酸カルシウム65部、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)30部、二酸化チタン(商品名:KA−100、韓国コスモケミカル社製)5部とした以外は、実施例3と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例5)
実施例1の最外塗工液の調製において、重質炭酸カルシウムを製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例6)
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例5で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(実施例7)
(最外塗工液の調製)
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム40部、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)55部、二酸化チタン(商品名:KA−100、韓国コスモケミカル社製)5部、ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.25部、酸化澱粉(商品名:王子エースY、王子コーンスターチ社製)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA4046、日本エイアンドエル社製)15部(固形分)を加え、固形分濃度40%の最外塗工液を調製した。
(塗工白板紙の作成)
実施例1の最外塗工液を前記最外塗工液とし、最外塗工層の塗工方式をエアーナイフコーターとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例1)
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例6で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例2)
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例7で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例3)
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例4)
実施例1の最外塗工液の調製において、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)100部とした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例5)
実施例1の最外塗工液の調製において、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製、D50=1.11μm)100部とした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(比較例6)
実施例7の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例6で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例7と同様にして塗工白板紙を得た。
各実施例および比較例で得られた塗工白板紙を、下記の方法で評価し、その結果を表2に示した。
(白色度)
JIS P 8148(2001)に準拠して、分光白色度測定計SC−10WT(スガ試験機製)を用いて測定した。
(白紙光沢度)
JIS P8142に準拠して、75度における白紙面の光沢度を測定した。
(PPS平滑度)
パーカープリントサーフ(PPS)表面平滑度試験機(機種名:MODEL M−569型、MESSMER BUCHEL社製、英国)を用い、バッキングディスク:ソフトラバー、クランプ圧力:1.96MPaで5回平滑度測定を行ない、その平均を求めた。
(印刷光沢度)
RI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:FUSION−G 墨、Sタイプ、大日本インキ化学工業社製)0.6cc使用して印刷を行い、光沢度計(GM−26D、村上色彩研究所製)を用いて60度光沢度を測定した。
(印刷平滑性)
RI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(FUSION−G EZ 墨、DICグラフィックス社製)0.2cc使用して印刷を行い、インキの転写均一性(印刷平滑性)とインキ着肉性を目視評価した。
◎:印刷平滑性、インキ着肉性が特に優れる。
○:印刷平滑性、インキ着肉性が優れる。
△:印刷平滑性、インキ着肉性がやや劣る。
×:印刷平滑性、インキ着肉性が劣る。
(印刷表面強度)
RI印刷試験機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:紙試験用SD50紅、東洋インキ社製)を、0.6ml使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。
◎:ピッキングが全く発生せず、良好。
○:ピッキングがわずかに発生するが、問題ないレベル。
△:ピッキングが発生し、実用上は許容できないレベル。
×:ピッキングが多く発生し、劣る。
(インキセット評価)
RI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:FUSION−G 墨、Sタイプ、既述)を0.6cc使用して印刷を行い、3分後に白紙と印刷面を重ねて、再度RI印刷機にニップし、白紙に転写したインキ濃度を目視評価した。
◎:白紙に転写せず、インキセットが速い。
○:白紙にわずかに転写があり、インキセットがやや速い。
△:白紙に少し転写があり、インキセットがやや遅い。
×:白紙に転写があり、インキセットが遅い。
(UV二ス光沢)
UV硬化型二ス(商品名:ダイキュアクリアUV1603、DICグラフィックス社製)をザーンカップ#4で10秒となるように調整した後に、UV硬化装置付き塗布装置(型式:SG610UV、デュプロ社製)を用いて前記UV硬化型二スを塗工白板紙表面に塗布、UV乾燥させて二ス表面加工を行った。得られた塗工白板紙の二ス加工部分について、光沢度計(GM−26D、村上色彩研究所製)を用いて60度光沢度を測定した。
Figure 0005787088
表2から明らかなように、本発明により、白紙光沢と平滑性、印刷適性に優れるとともに、高いニス光沢を有する塗工白板紙を得ることができた。

Claims (4)

  1. 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を2層以上有する塗工白板紙において、最外塗工層に含まれる顔料中に針状および/または柱状の軽質炭酸カルシウムを最外塗工液に含まれる全顔料の5〜70質量%含有し、該軽質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする塗工白板紙。
  2. 軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜0.6μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が6以下であることを特徴とする請求項1記載の塗工白板紙。
  3. 最外塗工層に前記軽質炭酸カルシウムと、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜1.5μmである重質炭酸カルシウムとを含有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
  4. 軽質炭酸カルシウムは、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消化水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰スラリーを得る工程(B)、および該消石灰スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
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