JP5787088B2 - 塗工白板紙 - Google Patents
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Description
また、プレスコート後に高い光沢を得られる塗工白板紙の従来技術として、特許文献2に、最外塗工層にメジアン径が0.8μm以下であるカオリンを特定量と、立方状および/または柱状の軽質炭酸カルシウムを含有させることが提案されている。
また、特許文献2に記載の塗工白板紙では、軽質炭酸カルシウムの粒度分布が不揃いである場合、二ス光沢の低下やムラが生じるおそれのあることが確認された。
上記のように、これまでに、光沢性と平滑性および印刷適性に優れ、かつ二ス光沢にも優れる塗工白板紙は知られていないのが実情であった。
[1]原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を2層以上有する塗工白板紙において、最外塗工層に含まれる顔料中に針状および/または柱状の軽質炭酸カルシウムを最外塗工液に含まれる全顔料の5〜70質量%含有し、該軽質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする塗工白板紙。
[2]軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜0.6μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が6以下であることを特徴とする[1]記載の塗工白板紙。
[3]最外塗工層に前記軽質炭酸カルシウムと、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜1.5μmである重質炭酸カルシウムとを含有することを特徴とする[1]または[2]のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
[4]軽質炭酸カルシウムは、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消化水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰スラリーを得る工程(B)、および該消石灰スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする[1]から[3]のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
[最外塗工層]
本発明の塗工白板紙において、最外塗工層(あるいは最外塗工液)は顔料と接着剤を主成分とし、その他必要に応じて各種助剤を添加する。
(軽質炭酸カルシウム)
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは、針状および/または柱状の形状を有し、レーザー回折法による前記軽質炭酸カルシウムの粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする。
生石灰は、石灰石を焼成したものであればよく、焼成装置に関しては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、ロータリーキルン、カーハーディー炉、コマ式炉、カルマチック炉、流動焼成炉、混合焼き立炉など、石灰石を転化する装置であれば特に限定はない。焼成温度および焼成時間は適宜調整可能であるが、石灰石を低温かつ長時間で生石灰を生成させた方が、高温かつ短時間で生成させた生石灰よりも針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすい。また、生石灰中の二酸化炭素含有率が低い方が、針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすく、石灰石の焼け残り成分としてJIS R 9011:2006に規定されている炭酸バリウム逆滴定法による二酸化炭素含有率が1.5%以下であることが好ましい。より好ましいのは二酸化炭素含有率が1.0%以下である。軽質炭酸カルシウムは塗工液用顔料として利用するため、原料としてなるべく白色度の高い石灰石を用いるのがよい。特に、Fe、Mnなどの着色成分が問題となる場合があるので、なるべく着色成分含有量が少ない石灰石を用いることに留意する必要がある。
本発明に使用する最外塗工層用の顔料としては、本発明で規定する軽質炭酸カルシウム以外に、重質炭酸カルシウム、本発明以外の軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、サチンホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の無機系あるいは有機系顔料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択し、組み合わせて使用することができる。この中でもカオリンおよび重質炭酸カルシウムは高い二ス光沢が得られるので好ましいが、カオリンは白色度が低いため、高白色度が要求される白板紙においてカオリンを選択する場合には、重質炭酸カルシウムも併せて選択するのが好ましい。
なお、重質炭酸カルシウムとしては、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜1.5μmである重質炭酸カルシウムがより好ましい。D50が0.5μm未満では、塗工面の被覆性と表面強度が劣るおそれがあり、D50が1.5μmを超えると、平滑性が劣るおそれがあるためである。重質炭酸カルシウムを併用する場合、重質炭酸カルシウムの配合量は特に制約されないが、最外塗工液に含まれる全顔料の5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。5質量%未満では、所望とする白色度が得られないおそれがあり、60質量%を超えると、白紙光沢および平滑度が低下するおそれがある。
本発明に使用する最外塗工層用の接着剤としては、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉系、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール等の合成物、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
本発明に使用する最外塗工層用の助剤としては、本発明の効果を損なわない範囲において、青色および/または紫色の染料や顔料、蛍光染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、消泡剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
下塗り塗工層(あるいは下塗り塗工液)については、特に限定されるものではなく、一般に塗工白板紙に使用されている顔料および接着剤を主成分とする塗工液から形成され、塗工白板紙の品質要求に応じて適宜設計・選択できる。
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、本発明で規定する軽質炭酸カルシウム、本発明以外の軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、サチンホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の無機系あるいは有機系顔料を例示できる。
接着剤としては、例えば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉系、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール等の合成物、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系を例示できる。
また、必要に応じて、青色および/または紫色の染料や顔料、蛍光染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、消泡剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の助剤を使用することも可能である。
本発明に使用する原紙としては、特に限定されるものではなく、一般の塗工白板紙に用いられる米坪150〜650g/m2程度の多層抄き原紙を適宜選択して使用することができる。原紙のパルプ原料も特に限定されるものではなく、晒ないしは未晒の機械パルプ、化学パルプ、あるいは脱墨ないしは未脱墨の古紙パルプ等、塗工白板紙のパルプ原料として一般的に用いられるパルプ原料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
片面印刷を目的として原紙の片面に塗工層を設けるタイプの塗工白板紙では、多層構成の原紙において塗工層を設けられる原紙の最表層(第1層、表面層)に晒化学パルプ、前記最表層下に隣接する第2層(表面下層)に脱墨古紙パルプ、第3層以降の各層(それぞれ中層)および最下層(裏面層)に未脱墨の古紙パルプをそれぞれ使用することが好ましい。また、両面印刷を目的として原紙の両面に塗工層を設けるタイプの塗工白板紙では、原紙両面の最表層(表面層)に晒化学パルプ、前記両面の最表層下に隣接する第2層(表面下層)に脱墨パルプをそれぞれ使用することが好ましい。
前記のように、原紙の中層には白色度が低く灰色を呈している未脱墨古紙パルプを使用しているが、原紙の表面層および表面下層に白色度の高い晒化学パルプや脱墨古紙パルプを適用して原紙の白色度を向上させることにより、原紙表面から透過視認される中層灰色を目立たなくさせることができ、印刷仕上り、および紙器加工後の見栄えを向上させることができる。
その他、多層抄きの各層の原紙には、必要に応じて、填料、青色および/または紫色の染料や顔料、サイズ剤、紙力剤、歩留向上剤等を適宜添加することも可能である。
原紙に塗工層を形成する装置としては、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の従来公知の塗工装置の中から適宜組み合わせて使用することができるが、本発明の効果をより好ましく発現させるには、下塗り塗工層はロッドコーターまたはブレードコーターで、最外塗工層はブレードコーターまたはエアーナイフコーターで形成することが望ましい。もちろん、これらの塗工装置はオンマシンでもよく、オフマシンでもよい。
(製造例1)
混合機としてチョッパー羽根を取外し、全てをショベル羽根にした連続式プロシェアミキサWA150型(大平洋機工社製)を用いて、混合機の一端から工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を4kg/min投入し、他端から消石灰が排出されるまでの滞留時間を8分とし、ショベル羽根周速3.0m/s、30℃の消和水を2.58kg/minをノズル方式で2箇所から添加した。得られた消石灰をカットポイント35μmで分級した後、35℃の水と混合し10%消石灰スラリー10kgを調製した。攪拌周速5.0m/s、炭酸/空気混合ガス(ガス濃度20%)を16L/minの流量でpH=7〜8になるまで炭酸化し、軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。
前記炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィット(株式会社宇野澤組鐵工所製)により脱水・操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサを用いて軽質炭酸カルシウムに対しポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)を1.0部(固形分)加えて分散し、軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。さらに、上記軽質炭酸カルシウムスラリーを、解砕メディアとして直径1.0〜1.4mmのガラスビーズを用いてサンドグラインダーで湿式粉砕処理を60分間行い、固形分濃度71%の軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
製造例1において、得られた消石灰をカットポイント100μmで分級し、45℃の水で混合した以外は、製造例1と同様にして軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。
攪拌機付容器に60℃の消和水9kgを仕込み、攪拌しながら工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を1kg添加して、120分間消化した。得られた消石灰を330メッシュ(45μm)の篩で分級した後、遠心分離機を用いて、微粒スラリーと粗粒スラリーに分離した。分離した粗粒消石灰スラリーを40℃まで冷却し、12%の消石灰スラリー10kgを調製した。次に、消石灰スラリーに種結晶として針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)を固形分換算で消石灰:針状軽質炭酸カルシウム=99:1となる比率で添加した。攪拌周速5.0m/s、炭酸ガス(ガス濃度100%)を12L/minの流量でpH=7〜8となるまで炭酸化させ、軽質炭酸カルシウムを得た。
市販の紡錘状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP121−7C、奥多摩工業社製)を得た。
市販の柱状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)をサンドミルで粉砕し、分級を行い、微細柱状軽質炭酸カルシウムを得た。
市販の柱状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)を得た。
市販の立方状軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15、白石カルシウム社製)を得た。
走査型電子顕微鏡(日立社製S−3500N)による写真撮影を行い、倍率7000倍にて粒子形状を観察した。
(粒径測定)
レーザー回折法(日機装社製マイクロトラックHRAX−100)による粒度分布を測定した。累積体積が10%、50%、90%に相当する粒径をD10、D50、D90として、50体積%(D50)の粒子径を平均粒子径とし、さらに90体積%(D90)と10体積%(D10)の比(D90/D10)を求めた。
(原紙の調製)
原紙第1層目の表面層に晒化学パルプ、第2層目の表面下層に脱墨古紙パルプ、第3層目の中層、第4層目の中層、および第5層目の裏面層に未脱墨パルプをそれぞれ使用して5層に抄き合わせた後にマシンカレンダ処理して、米坪290g/m2の塗工白板紙の原紙を得た。
重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製、D50=1.11μm)100部、ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.25部、酸化澱粉(商品名:王子エースY、王子コーンスターチ社製)3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA7070、日本エイアンドエル社製)14部(固形分)を加え、固形分濃度62%の下塗り塗工液を調製した。
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム30部、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)30部、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製、D50=1.11μm)35部、二酸化チタン(商品名:KA−100、韓国コスモケミカル社製)5部、ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.25部、酸化澱粉(商品名:王子エースY、王子コーンスターチ社製)3部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA4046、日本エイアンドエル社製)12部(固形分)を加え、固形分濃度64%の最外塗工液を調製した。
前記の塗工白板紙用の基紙に対して、ロッドコーターを用いて前記の下塗り塗被液を片面あたり乾燥重量で10g/m2になるように塗工、乾燥して下塗り塗工紙を得た。次いで、得られた下塗り塗工液に対して、ブレードコーターを用いて前記の最外塗工液を片面当たり乾燥重量で10g/m2になるように塗工、乾燥して2層塗工紙を得た。得られた2層塗工紙に対して、金属ロール表面温度が200℃、2ニップのソフトカレンダーによる通紙処理を行って、塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例2で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例3で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例3の最外塗工液の調製において、製造例3で得られた軽質炭酸カルシウム65部、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)30部、二酸化チタン(商品名:KA−100、韓国コスモケミカル社製)5部とした以外は、実施例3と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、重質炭酸カルシウムを製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例5で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
(最外塗工液の調製)
製造例1で得られた軽質炭酸カルシウム40部、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)55部、二酸化チタン(商品名:KA−100、韓国コスモケミカル社製)5部、ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)0.25部、酸化澱粉(商品名:王子エースY、王子コーンスターチ社製)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:PA4046、日本エイアンドエル社製)15部(固形分)を加え、固形分濃度40%の最外塗工液を調製した。
実施例1の最外塗工液を前記最外塗工液とし、最外塗工層の塗工方式をエアーナイフコーターとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例6で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例7で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例4で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、カオリン(商品名:UW−Y、BASF社製)100部とした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例1の最外塗工液の調製において、重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製、D50=1.11μm)100部とした以外は、実施例1と同様にして塗工白板紙を得た。
実施例7の最外塗工液の調製において、製造例1で得られた軽質炭酸カルシウムを製造例6で得られた軽質炭酸カルシウムとした以外は、実施例7と同様にして塗工白板紙を得た。
JIS P 8148(2001)に準拠して、分光白色度測定計SC−10WT(スガ試験機製)を用いて測定した。
JIS P8142に準拠して、75度における白紙面の光沢度を測定した。
パーカープリントサーフ(PPS)表面平滑度試験機(機種名:MODEL M−569型、MESSMER BUCHEL社製、英国)を用い、バッキングディスク:ソフトラバー、クランプ圧力:1.96MPaで5回平滑度測定を行ない、その平均を求めた。
RI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:FUSION−G 墨、Sタイプ、大日本インキ化学工業社製)0.6cc使用して印刷を行い、光沢度計(GM−26D、村上色彩研究所製)を用いて60度光沢度を測定した。
RI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(FUSION−G EZ 墨、DICグラフィックス社製)0.2cc使用して印刷を行い、インキの転写均一性(印刷平滑性)とインキ着肉性を目視評価した。
◎:印刷平滑性、インキ着肉性が特に優れる。
○:印刷平滑性、インキ着肉性が優れる。
△:印刷平滑性、インキ着肉性がやや劣る。
×:印刷平滑性、インキ着肉性が劣る。
RI印刷試験機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:紙試験用SD50紅、東洋インキ社製)を、0.6ml使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。
◎:ピッキングが全く発生せず、良好。
○:ピッキングがわずかに発生するが、問題ないレベル。
△:ピッキングが発生し、実用上は許容できないレベル。
×:ピッキングが多く発生し、劣る。
RI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:FUSION−G 墨、Sタイプ、既述)を0.6cc使用して印刷を行い、3分後に白紙と印刷面を重ねて、再度RI印刷機にニップし、白紙に転写したインキ濃度を目視評価した。
◎:白紙に転写せず、インキセットが速い。
○:白紙にわずかに転写があり、インキセットがやや速い。
△:白紙に少し転写があり、インキセットがやや遅い。
×:白紙に転写があり、インキセットが遅い。
UV硬化型二ス(商品名:ダイキュアクリアUV1603、DICグラフィックス社製)をザーンカップ#4で10秒となるように調整した後に、UV硬化装置付き塗布装置(型式:SG610UV、デュプロ社製)を用いて前記UV硬化型二スを塗工白板紙表面に塗布、UV乾燥させて二ス表面加工を行った。得られた塗工白板紙の二ス加工部分について、光沢度計(GM−26D、村上色彩研究所製)を用いて60度光沢度を測定した。
Claims (4)
- 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗工層を2層以上有する塗工白板紙において、最外塗工層に含まれる顔料中に針状および/または柱状の軽質炭酸カルシウムを最外塗工液に含まれる全顔料の5〜70質量%含有し、該軽質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.2〜0.7μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする塗工白板紙。
- 軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜0.6μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が6以下であることを特徴とする請求項1記載の塗工白板紙。
- 最外塗工層に前記軽質炭酸カルシウムと、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜1.5μmである重質炭酸カルシウムとを含有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
- 軽質炭酸カルシウムは、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消化水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰スラリーを得る工程(B)、および該消石灰スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の塗工白板紙。
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