JP5810830B2 - 印刷用艶消し塗被紙 - Google Patents

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本発明は、印刷用艶消し塗被紙に関するものである。
艶消し塗被紙は、意図的に白紙面の光沢を低くすることで、読みやすく、また落ち着きや深みのある印象を与える塗被紙であり、その特色から美術印刷、カタログ、パンフレット、カレンダー、ポスター等に広く利用されている。
艶消し塗被紙は、一般的に2種類の方法で白紙光沢度を低くしている。1つはグロス系(高光沢系)の塗被紙に使用される顔料よりも粒子の粗い顔料を配合した塗被液を原紙に塗被し、そのまま製品とするか、あるいは軽度のカレンダー処理を施して製品とする方法である。他の1つは、粗面化カレンダーロールを用いて、ロール表面のミクロン単位の粗面パターンを平滑に塗被された顔料塗被層表面に転写する方法である。
艶消し塗被紙は、上述した製造方法ゆえに、凹凸のある表面を有するため、印刷工程、製本工程、運搬工程において、印刷部と白紙部とが接触し、摩擦された際に印刷インキが白紙部に転移する品質上のトラブル(以後、インキ擦れ汚れと称す)が発生し易いという固有の問題を抱えている。特に、最表面塗被層の顔料中に炭酸カルシウムを多く含有させた場合にインキ擦れ汚れは顕著となる傾向にあるため、炭酸カルシウムではなく、粒子径の大きいカオリンを顔料主成分とすることがある(例えば、特許文献1)。しかし、顔料中のカオリンの含有量が多いと、塗被液の流動性が悪くなり、ブレードコーターによる塗工においてスクラッチおよびストリークが多発するおそれがある。加えて、カオリンの含有量が多いと、高い白色度を得られ難く、またインキ乾燥性の低下をもたらすおそれがある。このため、艶消し塗被紙の顔料としてカオリンを積極的に使用することには問題があり、特に塗工適性の点ではカオリンよりも優れる炭酸カルシウムを顔料主成分とすることが多いのが実情である。
塗被層中の顔料として炭酸カルシウムを積極的に使用する従来技術としては、例えば特許文献2では、平均吸油量が40mL/100g以上の針状、柱状、又は紡錘状の炭酸カルシウムを顔料として使用することを提案しているが、炭酸カルシウム粒子の粒径が大きい場合にはインキ擦れ汚れが発生するおそれがあり、粒度分布が揃っていない場合には印刷表面強度の低下が発生するおそれがある。
特許文献3では、長径4.0μm以下、短径1.0μm以下の紡錘状軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムを混合した炭酸カルシウムを顔料100重量%中の70重量%以上含み、かつ混合炭酸カルシウムの中の40重量%以上が紡錘状軽質炭酸カルシウムであることを提案しているが、軽質炭酸カルシウムの粒子形状が紡錘状であると、塗被層がポーラスな状態になり難く、インキ乾燥性やインキ擦れ汚れに対して良好な艶消し塗被紙を得られないおそれがある。
特許文献4では、平均粒子径が1.3μm以上の二次粒子形状の凝集性軽質炭酸カルシウムと平均粒子径が2.0μm以上の重質炭酸カルシウムを顔料100重量部に対し50〜90重量部含有させ、かつ該軽質炭酸カルシウムと該重質炭酸カルシウムの配合比率が1:1〜1:8であることを提案している。しかし、凝集性軽質炭酸カルシウムを使用すると接着強度が弱くなり印刷表面強度が低下するとともに、塗被液の保水性が低下し易く、ブレードコーターによる塗工において高濃度の塗被液を調製する必要が生じ、塗工適性の低下をもたらすおそれがある。
特許文献5では、顔料塗被層に、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程で、生石灰を水または弱液で消和した後、緑液で苛性化反応により製造された針状又は柱状の軽質炭酸カルシウムを顔料成分100重量%に対して30〜90重量%含有させることを提案しているが、本製法によって得られる軽質炭酸カルシウムの粒度分布の均一性は高いとは言えず、インキ擦れ汚れを生じさせる不定形の軽質炭酸カルシウムが含まれるおそれがある。また、軽質炭酸カルシウムの長径が3.0〜5.0μmと大きく、ブレードコーターによる塗工においてスクラッチおよびストリークが発生するおそれがある。
上記の如く、艶消し塗被紙に関する従来の技術は、艶消し塗被紙に求められるインキ擦れ汚れ、インキ乾燥性、印刷表面強度、塗工適性、白色度のうち少なくとも1つを満足し得ない可能性を内包している。
特開2007−239106号公報 特開2002−105888号公報 特開平6−73695号公報 特開平8−27694号公報 特開平11−81191号公報
本発明は、従来技術では困難であった、インキ乾燥性、印刷表面強度、塗工適性、白色度に優れ、かつインキ擦れ汚れを改善する印刷用艶消し塗被紙を提供することを目的とする。
本発明者等は、印刷用艶消し塗被紙に用いる塗被液の顔料について研究を重ねた結果、特定の形状と粒径を有する軽質炭酸カルシウムを顔料に含有させることが重要な技術要素であることを見出した。
本発明は、以下の構成を有している。
[1]原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも1層有する印刷用艶消し塗被紙において、最表面塗被層に含まれる顔料100質量%のうち、炭酸カルシウムを75質量%以上含有し、該炭酸カルシウム中に針状又は/および柱状の軽質炭酸カルシウムを5〜60質量%含み、該軽質炭酸カルシウムのうち3.0μm以上の長径を有する粒子の数の比率が20%以下であり、かつ該軽質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜2.5μmであることを特徴とする印刷用艶消し塗被紙。
[2]軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.4〜2.0μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする[1]に記載の印刷用艶消し塗被紙。
[3]原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を2層有する印刷用艶消し塗被紙において、下塗り塗被層に含まれる顔料中に重質炭酸カルシウムを含有し、該重質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜2.0μmであり、かつ該印刷用艶消し塗被紙の白色度が89%以上であることを特徴とする[1]又は[2]のいずれか一項に記載の印刷用艶消し塗被紙。
[4][1]から[3]のいずれか一項に記載の印刷用艶消し塗被紙の製造方法であって、最表面塗被層に含まれる前記軽質炭酸カルシウム、粒子径1.0μm以下の累積体積が20%以下である消石灰粒子を原料として製造工程を含むことを特徴とする印刷用艶消し塗被紙の製造方法
[5][1]から[3]のいずれか一項に記載の印刷用艶消し塗被紙の製造方法であって、最表面塗被層に含まれる前記軽質炭酸カルシウム、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消化水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰スラリーを得る工程(B)、および該消石灰スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造工程を含むことを特徴とする印刷用艶消し塗被紙の製造方法
本発明により、インキ乾燥性、印刷表面強度、塗工適性、白色度に優れ、かつインキ擦れ汚れを改善する印刷用艶消し塗被紙を得ることができる。
[塗被層]
本発明の印刷用艶消し塗被紙において、塗被層(あるいは塗被液)は顔料と接着剤を主成分とし、その他必要に応じて各種助剤を添加する。なお、塗被層は1層でも良いし、2層以上の多層でも良く、また原紙の片面のみに存在しても良いし、両面に存在しても良い。
[顔料]
(軽質炭酸カルシウム)
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは、針状又は/および柱状の形状を有し、レーザー回折法による前記軽質炭酸カルシウムの粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜2.5μmであることを特徴とする。
軽質炭酸カルシウムの形状は針状、柱状、立方状、紡錘状等があるが、本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは針状又は/および柱状である必要がある。その理由としては、針状又は/および柱状という形状の特質から、塗被層表面および塗被層中において配向ムラが生じ難く、また塗被層中において適度な空隙を有し易いため、特にインキ乾燥性およびインキ擦れ汚れに優れるためである。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムのD50は0.3〜2.5μmであり、好ましくは0.4〜2.0μmであり、さらに好ましくは0.5〜1.5μmである。D50が0.3μm未満では、白紙光沢が高くなり、艶消し塗被紙としての適性を損なうおそれがあり、また接着強度が低下するため、印刷表面強度が低下するおそれがある。D50が2.5μmを超えると、インキ擦れ汚れを改善する効果が低下するおそれがあり、また白色度が低下するおそれがある。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムのD90/D10は8以下とするのが好ましく、より好ましくは6以下であり、さらに好ましくは5以下である。D90/D10が8を超えると、粒度分布が不揃いとなり、インキ擦れ汚れを発生させる不定形の粒子が含まれるおそれがある。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムのうち、3.0μm以上の長径を有する粒子の数の比率は20%以下であり、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。3.0μm以上の長径を有する粒子の数の比率が20%を超えると、ブレードコーターによる塗工において、ブレードの先端に長大な軽質炭酸カルシウム粒子が詰まり、スクラッチおよびストリークが発生するおそれがある。また、長大な粒子の存在により、インキ擦れ汚れを発生させるおそれがある。
本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは最表面塗被層に含有する必要がある。その理由としては、印刷用艶消し塗被紙のインキ乾燥性、印刷表面強度、白色度、インキ擦れ汚れは、主として最表面塗被層によって決定付けられるためである。なお、本発明に使用する軽質炭酸カルシウムは、最表面塗被層以外の層(以降、下塗り塗被層と呼ぶ)に必ずしも含有する必要はない。
最表面塗被層には、塗被層に含まれる顔料100質量%のうち、炭酸カルシウムを75質量%以上含有し、かつ該炭酸カルシウムの中には本発明で規定する軽質炭酸カルシウムを5〜60質量%含む必要がある。塗被層に含まれる顔料100質量%のうち、炭酸カルシウムが75質量%未満では、印刷表面強度の低下と白色度の低下をもたらすおそれがある。最表面塗被層の顔料に含まれる炭酸カルシウムのうち、本発明で規定する軽質炭酸カルシウムの質量割合が5質量%未満では、インキ擦れ汚れの改善効果が少なく、また60質量%を超えると、白紙光沢が高くなり、艶消し塗被紙としての適性を損なうおそれがある。なお、炭酸カルシウムの中に含む本発明で規定する軽質炭酸カルシウムの割合とは、本発明で規定する軽質炭酸カルシウムと本発明で規定する軽質炭酸カルシウム以外の炭酸カルシウムとから構成される混合炭酸カルシウム100質量%に対する、本発明で規定する軽質炭酸カルシウムの質量割合を意味する。
軽質炭酸カルシウムを得る方法は特に限定しないが、分散、粉砕、分級のし易さから消石灰に炭酸ガスを吹き込んで反応させる「液−ガス法」が好ましい。特に、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消和水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰を得る工程(B)、および該消石灰に二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造されることを特徴とする軽質炭酸カルシウムであれば、所望の粒子形状、粒子径、粒度分布が得られ易い。
前記(A)、(B)、(C)の各工程について詳述する。
生石灰は、石灰石を焼成したものであればよく、焼成装置に関しては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、ロータリーキルン、カーハーディー炉、コマ式炉、カルマチック炉、流動焼成炉、混合焼き立炉など、石灰石を転化する装置であれば特に限定はない。焼成温度および焼成時間は適宜調整可能であるが、石灰石を低温かつ長時間で生石灰を生成させた方が、高温かつ短時間で生成させた生石灰よりも針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすい。また、生石灰中の二酸化炭素含有率が低い方が、針状形状の軽質炭酸カルシウムが得られやすく、石灰石の焼け残り成分としてJIS R 9011:2006に規定されている炭酸バリウム逆滴定法による二酸化炭素含有率が1.5%以下であることが好ましい。より好ましいのは二酸化炭素含有率が1.0%以下である。軽質炭酸カルシウムは塗被液用顔料として利用するため、原料としてなるべく白色度の高い石灰石を用いるのがよい。特に、Fe、Mnなどの着色成分が問題となる場合があるので、なるべく着色成分含有量が少ない石灰石を用いることに留意する必要がある。
消石灰の製造方法としては、生石灰すなわち酸化カルシウムに理論水和量の2倍前後の水を加えて消和を行う乾式消和法を用いる方が好ましい。乾式消和において、添加する消和水量は、生石灰に対するモル比で2.5以下であるのが好ましい。消和水量が、生石灰モル比で2.5を超えると、生石灰に消和水を添加した際に水が局在化するため、微細な消石灰が多く生成し、得られる軽質炭酸カルシウムの形状が紡錘状になり、紙に塗被すると平滑性、光沢発現性などの品質が低下する。
上述のように、原料となる消石灰粒子が微細な粒子を多く含むと、生産される軽質炭酸カルシウムの品質は低下する。このため本発明者らは、レーザー回折法により消石灰粒子の体積粒度分布を測定することとした。体積粒度分布における粒径が1.0μm以下の微細な消石灰粒子の累積体積が20%を超えると、それを原料として用いた時に紡錘状の軽質炭酸カルシウムが生成される。この生成物である軽質炭酸カルシウムには、粗粒の粒子が混在し、粒径も不均一であるため、塗工用顔料に用いた場合には品質が劣る。従って、粒径が1.0μm以下の消石灰粒子の累積体積は20%以下とするのが好ましい。1.0μm以下の消石灰粒子の累積体積は、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。また、消石灰粒子の粒度分布をシャープにすることで、炭酸化反応が均一になり、軽質炭酸カルシウムの粒子径をより均一にすることができる。
微細な粒子の混入の少ない粒径の均一な消石灰を生成するためには、生石灰と消和水とを混合する混合機が、混合物あるいは反応物を浮遊拡散効果で3次元的に流動・攪拌できる構造を有していることが好ましい。具体的には、混合容器自体が回転するミキサおよび容器と攪拌羽根との隙間が少ないミキサが挙げられる。これらのミキサを用いることで、攪拌時にデッドスペースが生じず、常に混合物が流動するため、生石灰に消和水を添加した際に水が局在化せず、生成した消石灰の凝集を防止することができ、微細粒子および粗大粒子の少ない均一な消石灰粒子を得ることができる。混合機内の浮遊拡散効果が低いと、生石灰に消和水を添加した際に水が局在化するおそれがあるため、微細な消石灰が多く生成し、得られる軽質炭酸カルシウムの形状が紡錘状になり、紙に塗被すると平滑性、光沢発現性などの品質が低下する場合がある。
浮遊拡散効果を高めるためには、混合機での混合が攪拌羽根回転によって行なわれる場合は、該攪拌羽根回転の周速を0.5m/s以上とする必要がある。該攪拌羽根回転の周速は0.8m/s以上であることが好まく、1.5m/s以上にすることがさらに好ましい。また、混合機での混合が容器回転によって行なわれる場合は、該容器回転の周速が0.2m/s以上である必要がある。該容器回転の周速は0.4m/s以上であることが好ましい。さらに、分散混合用のせん断用攪拌羽根を設けることで、せん断効果を向上させ、微細粒子および粗大粒子の少ないより均一な消石灰粒子を得ることができる。
連続方式に好適な混合機としては、混合機内の反応物を循環させるために送り機構と戻り機構を有した拡散用攪拌羽根を用い、さらにスキ型ショベル羽根、鋸歯状ショベル羽根などの特殊攪拌羽根を用いることで、より浮遊拡散効果が得られるので好ましい。攪拌羽根周速を2.0m/s以上とすることで、生石灰と水とを均一に混合でき、消石灰粒子の凝集を防止することができる。また、混合機を1機だけではなく、2機以上用いてもよい。混合機を2機以上用いることで、個々の混合機の攪拌周速、滞留時間を変えることができ、粗大粒子が少ないより好適な消石灰を得ることができる。
生石灰の平均の大きさが5mm以下の場合、生石灰に添加する消和水温度は、低温であると消化反応が急激に進行し、得られる消石灰粒子の粒度分布の幅が広くなる。そのため、分級、粉砕工程を設ける場合に、作業に対する負荷が大きくなり、分級、粉砕設備にかかるコストが増大する。従って、消加水温度は40℃以上とするのが好ましく、60℃以上とするのがさらに好ましい。生石灰の平均の大きさが5mmを超える場合は、生石灰に添加する消和水温度は、特に限定はなく、20℃前後の常温のものを用いても構わない。
生石灰と消和水とを均一に混合するため、消和水の添加口は、1箇所ではなく、2箇所以上設けることが好ましい。また、消和水の添加方法としては、ノズル方式だけでなく、消和水を広範囲に噴霧できるスプレー方式を用いることも可能である。特に、粉末状生石灰や消和反応途中のものは、スプレー方式を用いることで、消和水の局在化を防止できるので好ましい。バッチ方式の好適な消和水の添加方法としては、消和水の添加は一括で行うのではなく、分割添加または連続的に5〜30分程度の時間をかけて添加する方が好ましい。連続方式の好適な消和水の添加方法としては、生石灰をミキサの一方の端に供給し、これを混合・攪拌しつつ他方の端に移動させるまでの間にミキサ上に複数の消和水供給口を設け、さらにミキサ出口に近い供給口は、スプレー方式とするのがよい。
生石灰と消和水を混合する時間としては、特に制限はないが、規定量の消和水を添加した後、1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、混合機内で攪拌するのがよい。生産性を考慮すると混合時間は8〜15分程度が好ましい。
このようにして得られた消石灰をそのまま炭酸化反応に供することもできるが、粗大粒子を除去すれば、炭酸化反応が均一になり、軽質炭酸カルシウムの粒径をより均一にすることができるようになる。消石灰粒子の粒径は、150μm以下とするのが好ましく、75μm以下とするのがより好ましく、50μm以下とするのがさらに好ましい。
粗大消石灰粒子を除去する方法としては、遠心分離式の分級機、振動スクリーン、スクリーン分級機などが挙げられる。分級機などで篩い分けされた粗大消石灰粒子は、粉砕機で粉砕し、分級工程へ戻す分級・粉砕閉回路とすることも可能である。分級・粉砕工程は、乾式または湿式のどちらの方式を用いてもよい。粉砕機での消石灰粒子の過粉砕は、得られる軽質炭酸カルシウムが紡錘状になり、品質低下の要因となるため、防止する必要がある。
炭酸化に供する消石灰スラリーの固形分濃度は、5質量%未満とすると、生産効率が低下し、40質量%を超えると微細な軽質炭酸カルシウムが生成されて、粘度も上昇して、操業性が劣る。従って、消石灰スラリーの固形分濃度は5〜40質量%であることが好ましい。消石灰スラリーの固形分濃度のより好ましい下限は8質量%であり、より好ましい上限は20質量%である。
また、炭酸化開始時の消石灰スラリー温度は、生成物である軽質炭酸カルシウムの結晶形状に影響を及ぼすため、調整する必要がある。炭酸化開始温度が20℃未満であると、炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスを吹き込んだ際、微細な針状結晶が凝集したものになり、一方、50℃を超えると針状と紡錘状のものが混在して、均一な粒径の炭酸カルシウム粒子が形成されず、塗工紙品質が発現しないおそれがある。従って、針状粒子を得るためには、炭酸化開始温度は20〜50℃であることが望ましい。
炭酸ガスまたは炭酸ガス含有ガスの吹き込み量は、特に制限はないが、結晶形状の点から、反応開始前の消石灰1kg当たり100%炭酸ガス(1気圧、20℃換算)を10L/min以下とするのが好ましく、5L/min以下とすることがより好ましい。10L/minを超えると紡錘状あるいは凝集状の炭酸カルシウム粒子が形成され、塗工紙品質が発現しないおそれがある。生産性の点からは、1.5L/min以上とするのが好ましい。
炭酸化反応はバッチ式でも連続式でもどちらでもよく、炭酸化反応槽も炭酸ガスを吹き込むことができればよい。バッチ式の反応槽として、円筒型または円筒で下部のみ円錐になっている円筒コーン型などの反応槽を用いて、炭酸ガスを反応槽下部から吹き込むのが効率の点から好ましい。さらに、半回分式反応槽の下部の円錐に多数の穴をあけることで、炭酸ガスが微細な気泡となり、これらの微細な泡が消石灰スラリーと接触するので、効率的かつ均一に反応させることができる。
また、反応槽に攪拌機を備え、攪拌しながら炭酸化を行うことにより、炭酸ガスが微細になり、消石灰スラリーとの接触が良くなり、反応が均一かつ効率的に行われる。攪拌機の攪拌周速としては、2.0m/s以上であるのが好ましく、さらに好ましいのは2.5m/s以上である。攪拌機としては、一軸または二軸型のタンク用攪拌機、コーレスミキサ、高速攪拌式ディスパーザーなどを用いることができる。さらに反応槽中に邪魔板を設置することで、消石灰スラリーのせん断力を高めることができる。
炭酸化反応前の消石灰スラリーに種晶を添加してもよい。種晶としてアラゴナイト系針状軽質炭酸カルシウムを予め添加しておくことで、類似の針状結晶が効率よく生成される。種晶の添加率は、水酸化カルシウム:アラゴナイト系針状軽質炭酸カルシウム=99.7:0.3〜95:5となるようにするのが好ましい。
炭酸化反応の炭酸ガス含有ガスの好適なものとしては、二酸化炭素を含有する混合ガス、例えば、石灰石焼成排ガス、パルプ製造プラントの石灰焼成排ガス、セメント製造キルン排ガス、発電ボイラー排ガス、ゴミ焼却排ガスなどが挙げられる。炭酸ガス含有ガスとして上記排ガスを用いる場合、排ガス中の石灰石、石灰、硫黄酸化物、未燃カーボン等のダストをバグフィルター、電気集塵機、乾式スクラバー、湿式スクラバーもしくはこれらの組合せを用いることによって排ガスを浄化することが好ましい。
炭酸カルシウムスラリーを塗被液用顔料として用いるためには、脱水して脱水組成物とする脱水工程と、該脱水工程により得られる脱水組成物に水分を加えてスラリー状の分散組成物とする分散工程と、所望の粒径に調整する粉砕工程を備えてもよい。
脱水工程は、濾過、遠心分離、加圧脱水、圧搾などの操作により、固形分濃度70%程度まで脱水を行うことができる。好適な脱水装置としては、フィルタープレス、ベルトプレスなどがある。脱水工程後の脱水ケーキの固形分濃度が低い場合は、乾燥工程を付加して所望の固形分濃度まで上げることができる。乾燥機としては、ロータリードライヤー、ディスクドライヤー気流乾燥機、流動乾燥機などがある。また、脱水工程と乾燥工程が一体となった乾燥機能付きフィルタープレスを用いることもできる。
なお、軽質炭酸カルシウムを本発明範囲の粒径とするために脱水工程後に分散工程および粉砕工程を設けることが好ましいが、分散処理後の平均粒子が所望の平均粒径の範囲にある場合、粉砕を行わずに、そのまま塗工用顔料として使用してもよい。
消石灰の製造方法としては、乾式消和法の他に、理論水和量を大きく超える量の水の存在下で消和を行い、消石灰スラリーの状態で得られる湿式消和法を用いることもできる。湿式消和法で製造された消石灰粒子の粒径は1μm以下の微細な粒子が多く、粗大な粒子も混在するため、本発明の軽質炭酸カルシウム粒子を得るためには、粗大消石灰粒子および微細消石灰粒子を除去する必要がある。
粗大消石灰粒子を除去する方法としては、振動スクリーン、スクリーン分級機などが挙げられる。振動スクリーンなどを通過した微細消石灰粒子を含む消石灰スラリーは、遠心分離機、サイクロン型分級機など用いて、微細消石灰粒子を除去することができる。
(併用可能な顔料)
本発明に使用する顔料としては、本発明で規定する軽質炭酸カルシウム以外に、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、サチンホワイト、ホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の無機系あるいは有機系顔料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択し、組み合わせて使用することができる。
前述したように、最表面塗被層には顔料として炭酸カルシウムを顔料100質量%のうち75質量%以上含有させ、該炭酸カルシウムのうち本発明で規定する軽質炭酸カルシウムの質量割合が5〜60質量%である必要があるが、本発明で規定する軽質炭酸カルシウムと併用して使用する炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウムが好ましい。最表面塗被層に併用する顔料として重質炭酸カルシウムが好ましいのは、塗工適性、白色度に優れ、かつ白紙光沢を抑えることができるためである。なお、一般に、艶消し塗被紙における最表面塗被層中の顔料に含有する炭酸カルシウムの配合量が多いと、塗被紙表面の摩擦抵抗が大きくなり、インキ擦れ汚れを悪化させる。しかし、本発明に使用する軽質炭酸カルシウムを最表面塗被層に含有した場合、炭酸カルシウムが多配合であっても、インキ擦れ汚れを悪化させることはない。これは、本発明に使用する軽質炭酸カルシウムの存在により、多孔質で均一な塗被層が形成されるためと考えられる。
下塗り塗被層を設ける場合、下塗り塗被層に使用する顔料は特に制約されるものではないが、重質炭酸カルシウムが好ましい。下塗り塗被層に使用する顔料として重質炭酸カルシウムが好ましいのは、塗工適性、白色度に優れ、かつ本発明に使用する軽質炭酸カルシウムを最表面塗被層に含有することによって得られる種々の発明の効果を損なうことがないためである。これは例えば、下塗り塗被層に顔料としてカオリンを用いた場合と比較すると顕著であり、カオリンを配合するとインキ乾燥性が損なわれ、また白紙光沢が高くなりすぎるとともに、湿潤塗被層の乾燥性や塗被液の流動性等の塗工適性も悪化する傾向となる。
下塗り塗被層に顔料として使用する重質炭酸カルシウムは、レーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜2.0μmであることが好ましい。D50が0.5μm未満では、白紙光沢が高くなるおそれがあるとともに、塗被液の粘度が高くなり、塗工適性が低下するおそれがある。D50が2.0μmを超えると、インキ乾燥性の悪化および平滑性が低下するおそれがある。
[接着剤]
本発明に使用する接着剤としては、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉系、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール等の合成物、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
[助剤]
本発明に使用する助剤としては、本発明の効果を損なわない範囲において、青色又は/および紫色の染料や顔料、蛍光染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、消泡剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
[原紙]
本発明に使用する原紙としては、特に限定されるものではなく、一般の印刷用塗被紙に用いられる米坪30〜300g/m程度の原紙を適宜選択して使用することができる。原紙のパルプ原料も特に限定されるものではなく、脱墨パルプ、機械パルプ、化学パルプ等、印刷用塗被紙のパルプ原料として一般的に用いられるパルプ原料の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。原紙を得る抄紙機についても特に限定されるものではなく、オントップフォーマー抄紙機、ギャップフォーマー抄紙機、ヤンキー抄紙機等の従来公知の抄紙機で適宜抄紙することができる。
さらに、本発明に使用する原紙には、必要に応じてクリア塗被層を施して表面処理することもできる。原紙にクリア塗被層を施す場合、塗被装置としてはロッドメタリングサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、インクラインドサイズプレスコーター等の従来公知の装置を適宜使用することができる。クリア塗被層は接着剤を主成分とするが、接着剤として、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉系、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール等の合成物、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系、酢酸ビニル系共重合体、アクリル系共重合体等のビニルポリマー系の中から、1種類又は2種類以上を適宜選択して使用することができる。
また、本発明に使用する原紙は、塗被液を塗被する前に、予めカレンダー処理を施して原紙表面を平滑化しておくこともできる。
[塗被および仕上げ]
原紙に塗被層を形成する装置としては、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の従来公知の塗被装置の中から適宜選択して使用することができる。もちろん、これらの塗被装置はオンマシンでもよく、オフマシンでもよい。また、原紙上の湿潤塗被層を乾燥させる方法としては、熱風乾燥、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の従来公知の乾燥方法の中から適宜選択して使用することができる。
なお、原紙に塗被する塗被液の固形分濃度は、下塗り塗被液および最表面塗被液ともに特に限定されるものではないが、一般的には20〜70質量%の範囲で調整される。また、塗被量についても特に限定されるものではないが、一般的には下塗り塗被層および最表面塗被層とも乾燥重量でそれぞれ片面当り3〜30g/m程度の範囲で調整される。
かくして得られた塗被紙は、必要に応じてスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、マットカレンダー、粗面化カレンダー等で、JIS P 8142に準拠して測定される白紙光沢度が50%以下となる程度に加圧および平滑化仕上げを施すこともできる。
以下に、具体例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらによって制約を受けるものではない。なお、実施例および比較例において%および部とあるものはすべて質量%および質量部を示す。
参考例1
(軽質炭酸カルシウムの調製)
攪拌機付容器に70℃の消和水9kgを仕込み、攪拌しながら工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を1kg添加して、120分間消化した。得られた消石灰スラリーを40℃まで冷却し、12%の消石灰スラリー10kgを調製した。次に、消石灰スラリーに種結晶として針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)を固形分換算で消石灰:針状軽質炭酸カルシウム=99:1となる比率で添加した。攪拌周速5.0m/s、炭酸ガス(ガス濃度100%)を10L/minの流量でpH=7〜8となるまで炭酸化させ、軽質炭酸カルシウムを得た。
前記軽質炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィット(株式会社宇野澤組鐵工所製)により脱水・乾燥操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサ(日本アイリッヒ株式会社製)を用いて軽質炭酸カルシウムに対し1.0%ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、東亜合成社製)を加えて分散し、固形分濃度70%の塗工用軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
(原紙の作成)
LBKPからなるパルプスラリー100%に、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121−6S、奥多摩工業社製)を紙中灰分が15%になるように添加した後、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、カチオン澱粉(商品名:エースK100、王子コーンスターチ社製)0.5%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、荒川化学工業社製)0.1%、カチオン性ポリアクリルアミド(商品名:リアライザーR−300、ソマール社製)0.1%を順次添加し、紙料を調製した。この紙料を運転抄速1200m/minでギャップフォーマーにより紙層を形成し、2基のシュープレスで搾水後、多筒式ドライヤーで乾燥した後、原紙片面当たり固形量として0.5g/mとなるように澱粉(商品名:エースA、王子コンスターチ社製)をロールコーターでサイズプレス処理を行い、1ニップのマシンカレンダーで平滑化処理して90g/mの原紙を得た。
(下塗り塗料の調製)
平均粒径が1.3μmでD95粒径が4.5μmの重質炭酸カルシウムからなる顔料スラリー100部に、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、JSR社製)6部(いずれも固形分換算)、さらに、助剤として消泡剤を添加し、最終的に固形分濃度62%の下塗り塗料を調製した。
(上塗り塗料の調製)
上記軽質炭酸カルシウムスラリー25部、微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、BASF社製)25部、平均粒径1.1μmの重質炭酸カルシウム(商品名:FMT90、ファイマテック社製)50部からなる顔料スラリーに、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)9部(いずれも固形分換算)、テトラ型蛍光染料0.13部(不揮発成分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度63%の上塗り塗料を調製した。
(塗被紙の作成)
上記で得た原紙に、上記で得た下塗り塗料をジェットファウンテン方式で塗布液を供給するブレードコーターにより塗工速度1300m/minで、片面当たりの乾燥重量が9g/mとなるように両面塗被、乾燥を行い、下塗り塗被層を設けた。次いで、下塗り塗被層上に上塗り塗料をジェットファウンテン方式ブレードコーターにより塗工速度1300m/minで、片面当たりの乾燥重量が10g/mとなるように両面塗被、乾燥を行い、上塗り塗被層(最表面塗被層に該当)を設けた。このようにして得られた塗被紙を、温度100℃に加熱した金属ロールと樹脂ロールが傾斜配置されているマルチニップカレンダで、線圧200kN/m、通紙速度1000m/minの条件化で、片面に金属ロールと樹脂ロールにそれぞれ1回ずつ接触するように合計2ニップの通紙を行い、米坪128g/mの塗被紙を得た。
(実施例
実施例では、参考例1で得られた軽質炭酸カルシウムスラリーを解砕メディアとして直径1.0〜1.4mmのガラスビーズを用いてサンドグラインダーで湿式粉砕処理を20分間行い、塗工用軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した以外は、参考例1と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(実施例
実施例では、参考例1の軽質炭酸カルシウムスラリーを下記に変更した以外は、参考例1と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(軽質炭酸カルシウムの調製)
攪拌機付容器に60℃の消和水12.6kgを仕込み、攪拌しながら工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を1kg添加して、120分間消化した。得られた消石灰を330メッシュ(45μm)の篩で分級した後、遠心分離機を用いて、微粒スラリーと粗粒スラリーに分離した。分離した粗粒消石灰スラリーを40℃まで冷却し、12%の消石灰スラリー10kgを調製した。次に、消石灰スラリーに種結晶として針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)を固形分換算で消石灰:針状軽質炭酸カルシウム=99:1となる比率で添加した。攪拌周速5.0m/s、炭酸ガス(ガス濃度100%)を8L/minの流量でpH=7〜8となるまで炭酸化させ、軽質炭酸カルシウムを得た。
前記軽質炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィットにより脱水・乾燥操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサを用いて軽質炭酸カルシウムに対し1.0%ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、前出)を加えて分散し、軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。さらに、上記軽質炭酸カルシウムスラリーを、解砕メディアとして直径1.0〜1.4mmのガラスビーズを用いてサンドグラインダーで湿式粉砕処理を60分間行い、固形分濃度70%の顔料評価用軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
(実施例
実施例では、参考例1の軽質炭酸カルシウムスラリーを下記に変更した以外は、参考例1と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(軽質炭酸カルシウムの調製)
混合機としてチョッパー羽根を取外し、全てをショベル羽根にした連続式プロシェアミキサWA150型を用いて、混合機の一端から工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を4kg/min投入し、他端から消石灰が排出されるまでの滞留時間を8分とし、ショベル羽根周速3.0m/s、30℃の消和水を2.58kg/minをノズル方式で2箇所から添加した。得られた消石灰をカットポイント35μmで分級した後、35℃の水と混合し10%消石灰スラリー10kgを調製した。攪拌周速5.0m/s、炭酸/空気混合ガス(ガス濃度20%)を12L/minの流量でpH=7〜8になるまで炭酸化し、軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。
前記軽質炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィットにより脱水・乾燥操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサを用いて軽質炭酸カルシウムに対し1.0%ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、前出)を加えて分散し、軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。さらに、上記軽質炭酸カルシウムスラリーを、解砕メディアとして直径1.0〜1.4mmのガラスビーズを用いてサンドグラインダーで湿式粉砕処理を60分間行い、固形分濃度70%の顔料評価用軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
(実施例
実施例では、実施例の上塗り塗料を下記に変更した以外は、実施例と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(上塗り塗料の調製)
実施例の軽質炭酸カルシウムスラリー30部、平均粒径1.1μmの重質炭酸カルシウム(商品名:FMT90、前出)70部からなる顔料スラリーに、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)9部(いずれも固形分換算)、テトラ型蛍光染料0.13部(不揮発成分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度63%の上塗り塗料を調製した。
(実施例
実施例では、実施例の下塗り塗料を下記に変更した以外は、実施例と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(下塗り塗料の調製)
平均粒径が0.4μmの重質炭酸カルシウムからなる顔料スラリー100部に、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)6部(いずれも固形分換算)、さらに、助剤として消泡剤を添加し、最終的に固形分濃度62%の下塗り塗料を調製した。
(実施例
実施例では、実施例の下塗り塗料を下記に変更した以外は、実施例と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(下塗り塗料の調製)
平均粒径が2.2μmの重質炭酸カルシウムからなる顔料スラリー100部に、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)4部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)6部(いずれも固形分換算)、さらに、助剤として消泡剤を添加し、最終的に固形分濃度62%の下塗り塗料を調製した。
(比較例1)
比較例1では、実施例の軽質炭酸カルシウムスラリーを下記に変更した以外は、実施例と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(軽質炭酸カルシウムの調製)
攪拌機付容器に60℃の消和水9kgを仕込み、攪拌しながら工業用生石灰(CO2含有率0.3%)を1kg添加して、120分間消化した。得られた消石灰スラリーを50℃まで冷却し、12%の消石灰スラリー10kgを調製した。次に、消石灰スラリーに種結晶として針状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP123CS、奥多摩工業社製)を固形分換算で消石灰:針状軽質炭酸カルシウム=99:1となる比率で添加した。攪拌周速5.0m/s、炭酸ガス(ガス濃度100%)を20L/minの流量でpH=7〜8となるまで炭酸化させ、軽質炭酸カルシウムを得た。
前記軽質炭酸カルシウムスラリーをフィルタープレス・ドライヤーロールフィットにより脱水・乾燥操作を行い、固形分濃度73%のケーキを得た。次いで、インテンシブミキサを用いて軽質炭酸カルシウムに対し1.0%ポリアクリル酸ソーダ分散剤(商品名:アロンT−50、前出)を加えて分散し、固形分濃度70%の塗工用軽質炭酸カルシウムスラリーを調製した。
(比較例2)
比較例2では、実施例の上塗り塗料を下記に変更した以外は、実施例と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(上塗り塗料の調製)
実施例の軽質炭酸カルシウムスラリー25部、微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、前出)30部、平均粒径1.1μmの重質炭酸カルシウム(商品名:FMT90、前出)45部からなる顔料スラリーに、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)9部(いずれも固形分換算)、テトラ型蛍光染料0.13部(不揮発成分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度63%の上塗り塗料を調製した。
(比較例3)
比較例3では、実施例の上塗り塗料を下記に変更した以外は、実施例と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(上塗り塗料の調製)
実施例の軽質炭酸カルシウムスラリー100部からなる顔料スラリーに、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)9部(いずれも固形分換算)、テトラ型蛍光染料0.13部(不揮発成分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度63%の上塗り塗料を調製した。
(比較例4)
比較例4では、比較例1の上塗り塗料中の軽質炭酸カルシウムを紡錘状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121−7C、奥多摩工業社製)に下記に変更した以外は、比較例1と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(比較例5)
比較例5では、比較例1の上塗り塗料中の軽質炭酸カルシウムを立方状軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15、白石工業社製)に下記に変更した以外は、比較例1と同様にして艶消し塗被紙を得た。
参考例2
(原紙の作成)
LBKPからなるパルプスラリー100%に、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121−6S、前出)を紙中灰分が15%になるように添加した後、パルプスラリーの全固形分に対して硫酸アルミニウム0.5%、カチオン澱粉(商品名:エースK100、前出)0.5%、アルキルケテンダイマーサイズ剤(商品名:サイズパインK−287、前出)0.1%、カチオン性ポリアクリルアミド(商品名:リアライザーR−300、前出)0.1%を順次添加し、紙料を調製した。この紙料を運転抄速1200m/minでギャップフォーマーにより紙層を形成し、2基のシュープレスで搾水後、多筒式ドライヤーで乾燥した後、原紙片面当たり固形量として0.5g/m2となるように澱粉(商品名:エースA、前出)をロールコーターでサイズプレス処理を行い、1ニップのマシンカレンダーで平滑化処理して50g/m2の原紙を得た。
(塗料の調製)
参考例1の軽質炭酸カルシウムスラリー45部、微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、前出)25部、平均粒径1.1μmの重質炭酸カルシウム(商品名:FMT90、前出)30部からなる顔料スラリーに、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)9部(いずれも固形分換算)、テトラ型蛍光染料0.25部(不揮発成分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度63%の塗料を調製した。
(塗被紙の作製)
上記で得た原紙に、上記で得た塗料をジェットファウンテン方式で塗布液を供給するブレードコーターにより塗工速度1300m/minで、片面当たりの乾燥重量が10g/mとなるように両面塗被、乾燥を行い、塗被層(最表面塗被層に該当)を設けた。このようにして得られた塗被紙を、温度100℃に加熱した金属ロールと樹脂ロールが傾斜配置されているマルチニップカレンダで、線圧200kN/m、通紙速度1000m/minの条件化で、片面に金属ロールと樹脂ロールにそれぞれ1回ずつ接触するように合計2ニップの通紙を行い、米坪70g/mの塗被紙を得た。
(実施例
実施例では、参考例2の軽質炭酸カルシウムスラリーを実施例の軽質炭酸カルシウムスラリーに変更した以外は、参考例2と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(実施例
実施例では、参考例2の軽質炭酸カルシウムスラリーを実施例の軽質炭酸カルシウムスラリーに変更した以外は、参考例2と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(実施例
実施例では、参考例2の軽質炭酸カルシウムスラリーを実施例の軽質炭酸カルシウムスラリーに変更した以外は、参考例2と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(実施例10
実施例10では、参考例2の塗料を下記塗料に変更した以外は、参考例2と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(塗料の調製)
実施例の軽質炭酸カルシウムスラリー50部、平均粒径1.1μmの重質炭酸カルシウム(商品名:FMT90、前出)50部からなる顔料スラリーに、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)9部(いずれも固形分換算)、テトラ型蛍光染料0.25部(不揮発成分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度63%の塗料を調製した。
(比較例6)
比較例6では、実施例10の軽質炭酸カルシウムスラリーを比較例1の軽質炭酸カルシウムスラリーに変更した以外は、実施例10と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(比較例7)
比較例7では、実施例10の塗料を下記塗料に変更した以外は、実施例10と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(塗料の調製)
実施例の軽質炭酸カルシウムスラリー50部、微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、前出)30部、平均粒径1.1μmの重質炭酸カルシウム(商品名:FMT90、前出)20部からなる顔料スラリーに、酸化澱粉(商品名:エースB、前出)2部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ3000H、前出)9部(いずれも固形分換算)、テトラ型蛍光染料0.25部(不揮発成分換算)、さらに、助剤として消泡剤及び染料を添加し、最終的に固形分濃度63%の塗料を調製した。
(比較例8)
比較例8では、比較例7の塗料中の顔料を実施例の軽質炭酸カルシウムスラリー100部に変更した以外は、比較例と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(比較例9)
比較例9では、比較例6の軽質炭酸カルシウムスラリーを紡錘状軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121−7C、前出)に下記に変更した以外は、比較例6と同様にして艶消し塗被紙を得た。
(比較例10)
比較例10では、比較例6の軽質炭酸カルシウムスラリーを立方状軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアントS15、前出)に下記に変更した以外は、比較例6と同様にして艶消し塗被紙を得た。
実施例、比較例で得られた塗被紙について、下記の評価を行い、その結果を表1および表2に示した。
(粒径測定)
レーザー回折法(日機装社製マイクロトラックHRAX−100)による粒度分布を測定した。累積体積が10%、50%、90%に相当する粒径をD10、D50、D90として求めた。
(白紙光沢度)
JIS P8142に準拠して、75度における白紙面の光沢度を測定した。
(白色度)
JIS P 8148(2001)に準拠して、分光白色度測定計SC−10WT(スガ試験機製)を用いて測定した。
(インキ擦れ汚れ)
RI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:FUSION−G 墨、Sタイプ、DICグラフィックス社製)を0.6cc使用して印刷を行い、3時間後に印刷物表面を未印刷のコピー用紙(白紙)で擦り、コピー用紙の擦れ汚れの状況を目視評価した。
◎:擦れ汚れが認められず、良好。
○:擦れ汚れが僅かに認められるが、実用上問題ないレベル。
△:擦れ汚れが発生し、実用上は許容できないレベル。
×:擦れ汚れが明確に認められ、劣る。
(インキ乾燥性)
RI印刷機で、印刷インキ(商品名:FUSION−G 墨、Sタイプ、既述)を0.6cc使用して印刷を行い、3分後に白紙と印刷面を重ねて、再度RI印刷機にニップし、白紙に転写したインキ濃度を目視評価した。
◎:白紙に転写がなく、インキ乾燥性が良好。
○:白紙に僅かに転写が認められるが、実用上問題ないレベル。
△:白紙に転写があり、実用上許容できないレベル。
×:白紙に多くの転写があり、劣る。
(印刷表面強度)
RI印刷試験機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:紙試験用SD50紅、東洋インキ社製)を、0.6ml使用して印刷を行い、印刷面のピッキングの程度を目視評価した。
◎:ピッキングが全く発生せず、良好。
○:ピッキングが発生するが、実用上許容できるレベル。
△:ピッキングが発生し、実用上は許容できないレベル。
×:ピッキングが多く発生し、劣る。
Figure 0005810830
Figure 0005810830
表1および表2より、本発明の軽質炭酸カルシウムを顔料として用いた実施例1〜10の印刷用艶消し塗被紙は、塗工性、印刷品質、印刷作業性に優れる。

Claims (5)

  1. 原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を少なくとも1層有する印刷用艶消し塗被紙において、最表面塗被層に含まれる顔料100質量%のうち、炭酸カルシウムを75質量%以上含有し、該炭酸カルシウム中に針状又は/および柱状の軽質炭酸カルシウムを5〜60質量%含み、該軽質炭酸カルシウムのうち3.0μm以上の長径を有する粒子の数の比率が20%以下であり、かつ該軽質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.3〜2.5μmであることを特徴とする印刷用艶消し塗被紙。
  2. 軽質炭酸カルシウムは、粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.4〜2.0μmであり、かつ90体積%の粒子径(D90)と10体積%の粒子径(D10)の比(D90/D10)が8以下であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用艶消し塗被紙。
  3. 原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被層を2層有する印刷用艶消し塗被紙において、下塗り塗被層に含まれる顔料中に重質炭酸カルシウムを含有し、該重質炭酸カルシウムのレーザー回折法による粒度分布曲線の50体積%の粒子径(D50)が0.5〜2.0μmであり、かつ該印刷用艶消し塗被紙の白色度が89%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用艶消し塗被紙。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷用艶消し塗被紙の製造方法であって、最表面塗被層に含まれる前記軽質炭酸カルシウム、粒子径1.0μm以下の累積体積が20%以下である消石灰粒子を原料として製造工程を含むことを特徴とする印刷用艶消し塗被紙の製造方法
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の印刷用艶消し塗被紙の製造方法であって、最表面塗被層に含まれる前記軽質炭酸カルシウム、生石灰に対するモル比が2.5以下の範囲で消化水を添加し混合することにより消石灰を得る工程(A)、該消石灰と水とを混合することにより消石灰スラリーを得る工程(B)、および該消石灰スラリーに二酸化炭素含有ガスを吹き込み炭酸化する工程(C)を経て製造工程を含むことを特徴とする印刷用艶消し塗被紙の製造方法
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