JP2013122414A - 非破壊検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】異種金属の重ね接合部おいて確実に金属接合された強度の高い接合状態になっていることを精度良く検査する非破壊検査システムを提供する。
【解決手段】非破壊検査システム100は、ハンドリングロボット11でワーク1の検査すべき異種金属材料の重ね接合部を所定の位置と角度に設定する。所定の波形のレーザ光を重ね接合部の表面に照射し、赤外線カメラ3により撮影し、データ処理装置4に赤外線画像を取得する。取得された赤外線画像に基づいて、データ処理装置4で取得された赤外線画像の画素ごとにフーリエ変換し、コンソール装置5にて位相画像を生成する。生成された位相画像に基づいて接合の良否を判定する。この非破壊検査の際に、レーザ光出射直後の赤外線画像の強度に基づいて近傍の縦壁による反射が大きいか否かを判定し、レーザ光の光軸と検査部位の表面とのなす角を微調整して、ノイズの少ない赤外線画像を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非破壊検査システムの技術に関し、特に、異種金属等を重ね合わせ接合したものの接合部分(重ね接合部)を非破壊検査する非破壊検査システムの技術に関する。
従来から、異種金属を、例えば、抵抗スポット溶接や摩擦攪拌接合等によって重ね合わせ接合する技術が知られている。
そして、特許文献1には、そのような異種金属の接合方法及び接合構造が記載されている。
また、特許文献2には、材料接合部の非破壊試験方法として、材料接合部の溶融部と溶融部を囲む非溶融部に対して、時間的に、例えば、矩形波のパルス状又は正弦波状に所定の周期で加熱して、材料接合部を透過した熱画像(本願発明の「赤外線画像」に対応)を取得して、溶融部の有無を検出する技術が記載されている。
さらに、特許文献3には、赤外線ロックイン・サーモグラフィにより、被検査体の内部に存在する異物の厚さを検出する非破壊検査技術及びその非破壊検査技術を用いた非破壊検査装置の技術が記載されている。そして、異なる周波数での矩形波状又は正弦波状の加熱に対して、所定の周期で取得した熱画像(本願発明の「赤外線画像」に対応)の画素を演算処理してそれぞれの周波数に対する位相画像を取得し、各位相画像に基づいて異物の厚さを検出できることが記載されている。
特開2009−00700号公報 特表2010−513883号公報 独国特許出願公開第102008030691A1号公報
ところで、最近の車両においては、シャーシ部材等の軽量化のために、例えば、鋼板とアルミニウム合金とを異種金属接合することが求められている。
しかしながら、異種金属の重ね接合部おいて確実に金属接合された強度の高い接合状態になっていることを非破壊検査で精度良く検査する技術が確立されていなかった。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、異種金属の重ね接合部において確実に金属接合された強度の高い接合状態になっていることを非破壊で精度良く検査する非破壊検査システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、異種金属材料の重ね接合部に対して、その一方側の表面へ加熱照射源からの予め設定された所定の波形の加熱を行い、所定の波形の加熱による一方側の表面からの放射エネルギに対し、赤外線カメラにより所定の周期で赤外線画像を取得し、取得された赤外線画像の単位画素ごとの輝度に基づいて赤外線の量と位相を演算処理して取得し、接合の良否を判定する赤外線ロックイン・サーモグラフィによる非破壊検査方法を用いた非破壊検査システムであり、
被検査体を搬送及び把持する被検査体取扱装置と、被検査体取扱装置を制御して被検査体を、重ね接合部の表面を加熱照射源及び赤外線カメラに対して所定の位置及び向きに設定する検査位置制御手段と、加熱照射源からの加熱光の照射制御をする加熱制御手段と、加熱制御手段からの予め設定された所定の波形の加熱に基づいて赤外線カメラにより取得された赤外線画像を取得する赤外線画像取得手段と、取得された赤外線画像の単位画素ごとの輝度に基づいて赤外線の量と位相を演算処理して取得し、さらに位相画像を生成する位相画像取得手段と、取得された位相画像に基づいて予め設定された所定の判定値より大きい位相遅れの領域が重ね接合部にあるか否かを判定する良否判定手段と、を備え、赤外線画像取得手段が、予め設定された所定の波形の加熱に基づいて赤外線カメラにより取得された赤外線画像のうちの加熱の初期に取得された赤外線画像の赤外線強度が、予め決められた強度閾値を超えたときに、検査位置制御手段は、当該の重ね接合部の表面の加熱照射源及び赤外線カメラに対しての所定の位置を保ったまま当該の重ね接合部の向きを調整し、その後、再度、加熱手段は加熱光を照射し、赤外線画像取得手段は赤外線画像を取得することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、被検査体取扱装置は、検査位置制御手段により被検査体の重ね接合部の表面の位置及び向きを加熱照射源からの加熱光の照射と赤外線カメラによる赤外線画像の取得に対して所定の同一条件となるように設定することができる。その結果、赤外線カメラは、精度の良い赤外線ロックイン・サーモグラフィによる非破壊検査に用いることができる赤外線画像を取得することができる。
また、赤外線カメラにより取得された赤外線画像の単位画素ごとの輝度の時間推移を、位相画像取得手段が演算処理し、精度の良い位相画像を取得することができ、接合の良否判定が容易にできる。
さらに、赤外線画像取得手段が、予め設定された所定の波形の加熱に基づいて赤外線カメラにより取得された赤外線画像のうちの加熱の初期に取得された赤外線画像の赤外線強度が、予め決められた強度閾値を超えたときに、検査位置制御手段は、当該の重ね接合部の表面の加熱照射源及び赤外線カメラに対しての所定の位置を保ったまま当該の重ね接合部の向きを調整し、その後、再度、加熱手段は加熱光を照射し、赤外線画像取得手段は赤外線画像を取得する。従って、例えば、重ね接合部の近傍に縦壁があり、加熱照射源からの加熱光が重ね接合部の表面で乱反射して、被検査体の重ね接合部の近傍にある従壁に反射して赤外線カメラへ入射したり、重ね接合部の一方側の表面への加熱照射源からの加熱光が縦壁に反射して重ね接合部の一方側の表面に入射し、その後一方側の表面からの放射エネルギとして赤外線カメラへ入射したりすることにより発生するノイズが赤外線画像の精度に影響を与える場合に、そのような赤外線画像へのノイズを低減した非破壊検査ができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明の構成に加え、被検査体は、重ね接合部の近傍に縦壁があり、重ね接合部の一方側の表面への前記加熱照射源からの加熱に対する一方側の表面からの放射エネルギが縦壁に反射して赤外線カメラに入射する可能性がある構造であることを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、赤外線カメラが、加熱された一方側の表面からの放射エネルギが縦壁に当たって反射したものを赤外線画像の中にノイズとして含むことを避けることができ、重ね接合部の近傍に縦壁がある場合でも精度の良い位相画像を取得でき、接合の良否判定が適切にできる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の発明の構成に加え、被検査体は、重ね接合部の近傍に縦壁があり、重ね接合部の一方側の表面への加熱照射源からの加熱光が縦壁に反射して重ね接合部の一方側の表面に入射する可能性がある構造であることを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、重ね接合部の一方側の表面への加熱照射源からの加熱光が縦壁に反射して重ね接合部の一方側の表面に入射し、その後一方側の表面からの放射エネルギとして赤外線カメラへ入射することにより発生するノイズが赤外線画像の精度に影響を与える場合に、そのような赤外線画像へのノイズを低減した非破壊検査ができる。その結果、重ね接合部の近傍に縦壁がある場合でも精度の良い位相画像を取得でき、接合の良否判定が適切にできる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明の構成に加え、検査位置制御手段は、重ね接合部の表面の加熱照射源及び赤外線カメラに対しての前記所定の位置を保ったまま所定の向きのみを調整する複数の検査部位走査プログラムを予め記憶し、予め設定された波形の加熱のタイミングをトリガとして赤外線カメラにより取得された赤外線画像のうちの加熱の初期に取得された赤外線画像の赤外線強度が、予め決められた強度閾値を超えたときに、予め記憶された複数の検査部位走査プログラムを切り替えて、重ね接合部の表面の加熱照射源及び赤外線カメラに対しての所定の位置を保ったまま所定の向きのみを調整し、その後、再度、加熱手段は加熱光を照射し、赤外線画像取得手段は赤外線画像を取得することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、容易に重ね接合部の表面の加熱照射源及び赤外線カメラに対しての所定の位置を保ったまま所定の向きのみを調整し、その後、再度、加熱手段は加熱光を照射し、赤外線画像取得手段は赤外線画像を取得することができる。従って、非破壊検査結果の精度が不十分であることが分かってから、重ね接合部の表面の加熱照射源及び赤外線カメラに対しての所定の位置と向きを設定する検査部位走査プログラムを調整し直して、再度被検査体を非破壊検査工程に戻して、検査をやり直すという不具合を事前に防止でき、精度良い非破壊検査ができる。
本発明によれば、異種金属の重ね接合部おいて確実に金属接合された強度の高い接合状態になっていることを非破壊で精度良く検査する非破壊検査システムを提供することができる。
非破壊検査システムの全体概要を示すブロック構成図と、非破壊検査システムで取り扱う被検査体を検査する検査室等の内部の側面模式図である。 図1で示した検査室の内部の平面配置図例である。 被検査体の異種金属間の重ね接合部の断面の例示の説明図であり、(a)は、アルミニウム合金と、塗装された両面メッキ鋼板とのフランジ部を、シール部材を介在させた後、摩擦攪拌接合した異種金属材料の重ね接合部の断面の例示の説明図、(b)は、アルミニウム合金と、塗装された2枚の両面メッキ鋼板とのフランジ部を、シール部材を介在させた後、摩擦攪拌接合した異種金属材料の重ね接合部の断面の例示の説明図である。 摩擦攪拌接合により異種金属材料を重ね合わせ接合した重ね接合部の断面説明図である。 図1における赤外線ロックイン・サーモグラフィを用いた非破壊検査データ処理装置の詳細ブロック構成図である。 被検査体の重ね接合部の表面にレーザ光が照射される角度を調整する説明図であり、(a)は、赤外線カメラに縦壁の反射光が入射することの説明図、(b)は、赤外線カメラに縦壁の反射光が入射するのを防ぐために、被検査体の重ね接合部の表面角度の設定変更の概念説明図である。 重ね接合部の表面にレーザ光を照射し、表面から放射される放射エネルギの時間変化を赤外線画像で取得する赤外線ロックイン・サーモグラフィの原理の説明図であり、(a)は、レーザ光照射、レーザ光による表面部分の加熱による放射エネルギ(表面放射エネルギ)、レーザ光による加熱が内部まで伝わり、その後表面に戻ってきて放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)の熱伝導度の差異による位相差の発生の説明図、(b)は、レーザ光照射のタイミングと赤外画像のサンプリングタイミングとを示すタイムチャートである。 データ処理装置、検査システム制御装置、及びコントローラによる被検査体の重ね接合部の表面角度の設定変更の制御の流れを示すフローチャートである。 図8の続きのフローチャートである。 摩擦攪拌接合された重ね接合部の表面に対するレーザ光の照射と赤外線画像の取得の模式説明図であり、(a)は、重ね接合部の長手方向に対して直角横方向から見た模式説明図、(b)は、重ね接合部の表面を上方から見た、非破壊検査のためにレーザ光の照射部分の移動の模式説明図である。 位相画像による接合の良否判定の例示説明図であり、(a)は、接合良好判定(OK品)の被検査体における位相画像の例示図、(b)は、接合不良判定(NG品)の被検査体における位相画像の例示図である。 位相画像による重ね接合部の別の良否判定の例示説明図であり、(a)は、接合良好判定の場合の例示であり、上段欄は接合良好の場合の確認した接合境界の破断面の平面写真、中段欄は接合良好の場合の位相画像の例示図、下段欄は位相画像における重ね接合部の平面幅方向の、例えば、中央での位相差例示図、(b)は、接合不良判定の場合の例示であり、上段欄は接合不良の場合の確認した接合境界の破断面の平面写真、中段欄は接合不良の場合の位相画像の例示図、下段欄は位相画像における重ね接合部の平面幅方向の、例えば、ほぼ中央での位相差例示図である。
以下に、本発明の実施形態に係る非破壊検査システム100について図を参照しながら詳細に説明する。
図1は、非破壊検査システムの全体概要を示すブロック構成図と、非破壊検査システムで取り扱う被検査体を検査する検査室等の内部の側面模式図であり、図2は、図1で示した検査室の内部の平面配置図例である。ちなみに、図1では、図2の平面配置図と対応させたものではなく、検査室20内を図2で左方向に回り込みながら周方向に見えるものを平面視に展開して表示してある。
図1に示すように非破壊検査システム100は、被検査体であるワーク(被検査体)1を扱うハンドリングロボット(被検査体取扱装置)11が設置され、壁20a(図2参照)や天井で囲まれた検査室20の上部にレーザ光射出部(加熱照射源)2、赤外線カメラ3が設置されている。レーザ光射出部2、赤外線カメラ3は、その位置を固定されている。ハンドリングロボット11は、ワーク1の重ね合わせ接合部(重ね接合部)35(図5参照)の検査部位の各検査部分の表面を、レーザ光射出部2の光射出口及び赤外線カメラ3のレンズから所定の予め設定された距離及び所定の向きで、例えば、平行ビームのレーザ光のスポットが当たり、赤外画像が取得できるように、位置を設定する。
なお、1つのワーク1に対して、線状の検査部位が1つのみとは限られるものではなく、複数個所存在することが多い。また、線状の検査部位は必ずしも直線状であることに限定されるものではなく、曲線状である場合もある。
以下では、説明の簡単化のため一つの検査部位についての非破壊検査の方法について説明する。
ハンドリングロボット11は、ワーク1を把持する明示しない把持部を有する多関節ロボットであり、その把持部の掴み、離しの制御をしたり、前記した検査部位の各検査部分の表面をレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対して所定の予め設定された距離及び所定の角度(所定の位置及び向き)に設定制御をしたりするコントローラ11aを有している。
ハンドリングロボット11は、前記した検査部位の各検査部分の表面を所定の予め設定された距離及び所定の角度に設定制御をするために、例えば、コントローラ11aに予め入力された一連の作業指令に基づき、ワーク1の所定の被把持部を把持しながら、ワーク1の位置や把持する角度を制御する。
このように検査部位の各検査部分の表面をレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対して所定の予め設定された距離及び所定の角度に設定制御するのは、レーザ光による検査部位の各検査部分の表面からの入熱量を所定の一定値に保つことと、その入熱による検査部位の各検査部分の表面から放射される放射エネルギの時間推移から正確な接合の良否の判定を可能とするためである。
検査室20に隣接して、被検査体受け渡し室21が設けられ、検査室20と被検査体受け渡し室21とは、シャッタ駆動部17で、例えば、上下方向に駆動される可動式の遮光用のシャッタ26で間仕切り可能になっている。ワーク1の検査中は、シャッタ26は降ろされ、検査室20内では、赤外線カメラ3に赤外線の外乱が入射されないようにされる。
被検査体受け渡し室21は、受け入れ口扉部22A(図2参照)、払い出し口扉部22B(図2参照)を除いて、その天井及び周囲が外板21aで囲まれている。受け入れ口扉部22A、払い出し口扉部22Bは、開閉自在な構成となっている。被検査体受け渡し室21には、次の検査を受けるワーク1を置く被検査体受け取り台23Aと、検査の終了したワーク1を置く被検査体払い出し台23Bが配置され、図示しない搬送装置で次に検査を受けるワーク1が被検査体受け取り台23Aに搬送されて載置され、又、検査されたワーク1が被検査体払い出し台23Bから運び出される。
図1に示すようにコントローラ11aは、非破壊検査システム100を統括制御する検査システム制御装置13と通信可能に接続されている。また、検査システム制御装置13は、コンソール装置5とも通信可能に通信回線で接続されるとともに、シャッタ駆動部17の駆動をも制御し、シャッタ26を上げ降ろし動作させる。
検査システム制御装置13は、コントローラ11aに予め入力された一連の作業指令に基づき、ワーク1の所定の被把持部をハンドリングロボット11に把持するようにコントローラ11aを介してして指令する。そして、検査システム制御装置13は、前記予め入力された一連の作業指令に基づき、予め設定された所定の順に、「検査部位の或る検査部分のレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置及び角度(向き)を固定して検査」→「検査部位を次の検査部分まで所定量移動」→「検査部位の次の検査部分のレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置及び角度を固定して検査」というように検査部位の一連の始点から終点までの各検査部分に対する検査作業を、コントローラ11aを介してハンドリングロボット11に繰り返させる。
なお、コントローラ11aには、「各検査部位の或る検査部分のレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置及び角度(向き)を固定して検査」→「検査部位を次の検査部分まで所定量移動」→「検査部位の次の検査部分のレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置及び角度を固定して検査」というような検査部位の一連の始点から終点までの各検査部分に対する検査作業を、コントローラ11aを介してハンドリングロボット11に繰り返させる一連の作業指令(プログラム)は、コントローラ11aに少なくとも3種類予め入力されている。
この3種類の一連の作業指令は、(1)検査部位の各検査部分の表面をレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対して所定の予め設定された距離を保ったまま、例えば、検査部位の移動方向から見てレーザ光の光軸に対する検査部位の各検査部分の表面とのなす角度が直角(基準の角度(図6の(b)で「0°」と表示)の状態で前記した検査部位の一連の始点から終点までの各検査部分に対する検査作業を実行するプログラムPAと、(2)基準の角度(図6の(b)で「0°」表示)に対して、検査部位の移動方向から見て、所定の角度、例えば、+2°変更した状態で前記した検査部位の一連の始点から終点までの各検査部分に対する検査作業を実行するプログラムPBと、(3)所定の角度、例えば、−2°変更した状態で前記した検査部位の一連の始点から終点までの各検査部分に対する検査作業を実行するプログラムPCとである。
そして、後記するように検査システム制御装置13が、コントローラ11aに対して最初は前記したプログラムPAを適用させて、検査部位の各検査部分にレーザ光照射をして赤外線画像を取得しているとする。その際に、データ処理装置4が取得したレーザ光のスポットが検査部位の各検査部分の表面に照射された直後に取得された初期の赤外線画像の全体の赤外線強度(輝度)が所定の強度閾値(輝度閾値)を超えたときには、通信回線を介してそのことをデータ処理装置4から通知され、コントローラ11aに対して当該の検査部位の始点に戻ってプログラムPB又はプログラムPBで検査部位にレーザ光照射を照射し赤外線画像を取得し直す。この制御の詳細については、後記する図8、図9のフローチャートの中で説明する。
ここで、プログラムPA,PB,PCが特許請求の範囲に記載の「検査部位走査プログラム」に対応する。
被検査体受け取り台23A上のワーク1の所定の検査部位の検査が終了すると、検査システム制御装置13は、シャッタ駆動部17を制御してシャッタ26を上げて、ハンドリングロボット11に検査の終わったワーク1を被検査体払い出し台23Bに載置させ、新たに検査するワーク1を被検査体受け取り台23Aから検査室20内へ取り込ませ、シャッタ26を下げる。
ちなみに、検査システム制御装置13は、例えば、画像処理機能を有した、制御用計算機であり、その記憶装置に非破壊検査システム100を統括制御するプログラムを予め格納され、そのプログラムを実行することで検査システム制御装置13の統括制御機能を実現する。
ここで、検査システム制御装置13、コントローラ11aは、特許請求の範囲に記載の「検査位置制御手段」を構成する。
レーザ光射出部2は、自身から射出するレーザ光強度を、例えば、矩形波パルス状、階段状の矩形波形状、正弦波状、三角波状の所定の波形に制御するレーザ光調光部(加熱制御手段)6と接続され、レーザ光調光部6はデータ処理装置4に制御される。
このレーザ光調光部6に制御されたレーザ光強度の所定の波形が、特許請求範囲に記載の「予め設定された所定の波形」に対応する。このレーザ光強度の所定の波形は、重ね接合部35における少なくとも異種金属材料の種類及びその厚さに基づいて、重ね接合部35の異種金属材料間の境界部分を通過して深く熱伝導した後に、加熱側の表面に戻って放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)が接合の良否を判定に用いられるのに適切なものになるように、所定の波形を適宜設定する。これは、検査を開始する前に、例えば、品質保証担当の検査技術者が予め試行実験を行い、前記した所定の波形を容易に設定することができる。
なお、所定の波形とは、波形の高さ(レーザ光強度)、波形時間的長さ、前記した矩形波パルス状、階段状に増加してその後減少するステップ増減矩形波形状、正弦波状、三角波状、台形波状等の波形の形状を全て含んで意味している。このレーザ光強度の所定の波形は、検査技術者がコンソール装置5に後記する入力部51(図5参照)を用いて入力することにより設定される。
データ処理装置4は、コンソール装置5及び検査システム制御装置13と通信回線で通信可能に接続している。コンソール装置5は、マウスやキーボード等の入力装置を含む入力部51、液晶表示装置等の表示部52、カラー印刷ができるプリンタ装置で構成された出力部53等を有している。
データ処理装置4、コンソール装置5については、その機能を図5の説明の中で詳細に説明する。
次に、図3、図4を参照しながらワーク1の検査部位である重ね接合部35について説明する。図3は、被検査体の異種金属間の重ね接合部の断面の例示の説明図であり、(a)は、アルミニウム合金と、塗装された両面メッキ鋼板とのフランジ部を、シール部材を介在させた後、摩擦攪拌接合した異種金属材料の重ね接合部の断面の例示の説明図、(b)は、アルミニウム合金と、塗装された2枚の両面メッキ鋼板とのフランジ部を、シール部材を介在させた後、摩擦攪拌接合した異種金属材料の重ね接合部の断面の例示の説明図である。
図3の(a)に示すワーク1Aの重ね接合部35は、車両のシャーシ部材であるワーク1Aにおいて、アルミニウム合金のダイキャスト部材であるアルミニウム合金部材31と、鋼板33とがシール部材32を介在させて、フランジ部1aにおいて摩擦攪拌接合されている例である。ここで、鋼板33は、例えば、先ず、両面とも防錆のために亜鉛メッキをされ、さらに、その外側両面に電着塗装がされているが、図示上での明示を省略してある。ちなみに、フランジ部1aのアルミニウム合金部材31と、鋼板33との間にシール部材32が挟み込まれているのは、水等の浸入を防止する水密構造とするためと、電食防止のためである。
図3の(b)に示すワーク1Bの重ね接合部35は、車両のシャーシ部材であるワーク1Bにおいて、アルミニウム合金のダイキャスト部材であるアルミニウム合金部材31と、2枚重ねの鋼板33A,33Bとがシール部材32を介在させて、フランジ部1aにおいて摩擦攪拌接合されている例である。鋼板33Aと鋼板33Bの間にシール部材32を介在させていないのは、同種金属だからである。
図4は、摩擦攪拌接合により異種金属材料を重ね合わせ接合した重ね接合部の断面説明図である。ここで、図4は、図3の(a)に例示した重ね接合部35を示しており、ツールのプローブ42及びショルダ41aで攪拌され、組成流動した領域が攪拌領域45で示され、その中でプローブ42の部分で攪拌され、アルミニウム合金部材31と鋼板33の本体部分とが攪拌されて金属接合した部分が符号45aで示した接合界面45aである。
摩擦撹拌接合法を重ね合わせ接合に用いる場合のツールは、例えば、図4に示すように円柱体形状の先端部41の先端にプローブ42を有し、先端部41の下面外周側にショルダ41aを形成している。そして、ツールを回転させながら異種金属材料側に押圧し、フランジ部1a(図3参照)に沿って水平方向にツールを移動させることによって摩擦撹拌接合法による重ね接合部35(図3参照)が線上に所望の長さだけ形成される。
なお、ツールの円柱体形状の先端部41のプローブ42の形状は、重ね合わせ接合される異種金属材料の種類や厚さに応じて適宜選択されるものである。
接合界面45aでは、金属結合界面が形成され、異種金属間は強度の強い接合となる。ちなみに、接合界面45aに、金属間化合物が形成されている場合でも、異種金属間は強度の強い接合となる。
攪拌領域45の接合界面45aの両側には、摩擦撹拌接合時に先端部41のショルダ41aが当接して攪拌したショルダ部45bが形成され、メッキ層46、電着塗装された塗装材47が残っている。従って、ショルダ部45bでは、アルミニウム合金部材31と鋼板33とは接合されていない。
なお、攪拌領域45の下端側の接合界面45a及びショルダ部45bの内、少なくとも接合界面45aには、シール部材32が存在せず、外側に押し出され、好ましくは両方の領域にはシール部材32が存在せず、外側に押し出されることが好ましい。
ちなみに、攪拌領域45の表面側には、アルミニウム合金部材31の重ね接合部35ではない表面とでは色や光沢が異なる表面痕65が形成される。
(データ処理装置4)
次に、図5から図7を参照しながらデータ処理装置4、コンソール装置5について詳細に説明する。図5は、図1における赤外線ロックイン・サーモグラフィを用いた非破壊検査データ処理装置の詳細ブロック構成図である。図6は、被検査体の重ね接合部の表面にレーザ光が照射される角度を調整する説明図であり、(a)は、赤外線カメラに縦壁の反射光が入射することの説明図、(b)は、赤外線カメラに縦壁の反射光が入射するのを防ぐために、被検査体の重ね接合部の表面角度の設定変更の概念説明図である。図7は、重ね接合部の表面にレーザ光を照射し、表面から放射される放射エネルギの時間変化を赤外線画像で取得する赤外線ロックイン・サーモグラフィの原理の説明図であり、(a)は、レーザ光照射、レーザ光による表面部分の加熱による放射エネルギ(表面放射エネルギ)、レーザ光による加熱が内部まで伝わり、その後表面に戻ってきて放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)の熱伝導度の差異による位相差の発生の説明図、(b)は、レーザ光照射のタイミングと赤外画像のサンプリングタイミングとを示すタイムチャートである。図7では、レーザ光の波形は、例示的に矩形波で示してあり、適宜設定されるものである。
データ処理装置4は、画像処理機能に特化した画像処理計算機であり、図5に示すように画像処理制御部(加熱制御手段)4a、画像取得部(赤外線画像取得部)4b、高速フーリエ変換部(位相画像取得手段)4cを含んでいる。そして、画像取得部4bは、例えば、赤外線画像を多数記憶可能な高速入出力に適したメモリを含んでいる。
コンソール装置5は、例えば、パーソナルコンピュータ又はエンジニアリングコンピュータであり、機能部として制御部(良否判定手段)5a、位相画像演算部(位相画像取得手段)5b、記憶部(位相画像取得手段)5cを有するとともに、キーボードやマウス等の入力部51、カラー液晶表示装置等の表示部52、カラープリンタ装置等の出力部53を有している。
データ処理装置4は、コンソール装置5の制御部5aからの指令によって制御される。
画像処理制御部4aは、コンソール装置5の制御部5aからの前記した予め設定された所定の波形に対応した加熱制御指令によって、レーザ光調光部6がレーザ光射出部2を制御して、レーザ光射出部2からレーザ光の強度が所定の波形のレーザ光を出力する。例えば、所定の波形として矩形波が設定された場合の例で説明すると、レーザ光調光部6は、画像処理制御部4aからの加熱制御指令に従って、レーザ光射出部2からレーザ光を所定の時間幅T1(図7参照)だけ出力させる。
また、画像処理制御部4aは、コンソール装置5の制御部5aからの赤外線画像の所定の取得総枚数を設定する第1の画像取得制御指令の入力設定に基づいて、画像取得部4bに対して、前記したレーザ光の加熱制御指令をトリガ信号として、期間T2内に所定の周期T3(図7参照)、例えば、300Hzのサイクルで、所定の取得総枚数N1の赤外線画像を取得させる第1の画像取得制御指令を入力して、画像取得部4bのメモリに所定の取得総枚数N1の赤外線画像を一時記憶させる。
このとき、所定の取得総枚数N1分の取得された赤外線画像は、各画素(ピクセル)に対して輝度をデジタル化して、画像取得部4bのメモリに一時記憶される。ここで、「画素」が、特許請求の範囲に記載の「単位画素」に対応する。
画像処理制御部4aは、さらに、コンソール装置5の制御部5aからの初期輝度判定用の第2の画像取得制御指令の入力設定に基づいて、期間T2の初期の所定枚数N1Aを画像取得部4bのメモリから読み出して、所定枚数N1A分の画像全体の赤外線強度の平均値の演算を行い、赤外線強度を取得する。そして、画像処理制御部4aは、前記したレーザ光の波形に応じて予め操作者によって設定されてコンソール装置5から入力された強度閾値と、演算された前記赤外線強度とを比較して、強度閾値より演算された画像全体の赤外線強度の方が小さいか否かを判定する。
画像処理制御部4aは、演算された画像全体の赤外線強度の方が強度閾値より小さいときは、レーザ光の加熱に対する赤外線画像の取得が正常に行われていると判定して、コンソール装置5の制御部5aからのフーリエ変換に用いる赤外線画像枚数を設定する第3の画像取得制御指令の入力設定に基づいて、高速フーリエ変換部4cに対して、期間T2の初期の所定の時間遅れΔT(図7では図示省略)後の所定枚数N1Bの赤外線画像を画像取得部4bのメモリから読み出して、高速フーリエ変換させる画像処理演算指令を入力する。
所定枚数N1Bは、期間T2内から所定の時間遅れΔTを差し引いた時間内に周期T3で取得できる赤外線画像の枚数である。
ちなみに、期間T2の初期の所定枚数N1Aの赤外線画像は、前記した期間T2の初期の所定の時間遅れΔT後の所定枚数N1Bの赤外線画像には含まれない赤外線画像であり、加熱制御指令をトリガ信号として画像取得部4bで取得された初期のものである。
所定の周期T3は、赤外線カメラ3の撮影速度の仕様そのものに限定されるものではなく、赤外線カメラ3の撮影速度の仕様が高速の場合は、赤外線画像から各画素の赤外線量と位相を演算処理可能な範囲で、適宜選択できる。
また、所定の時間遅れΔT及び所定枚数N1Bは、所定の波形のレーザ光により加熱されて、重ね接合部35における少なくとも異種金属材料の種類及びその厚さに応じて、重ね接合部35の異種金属材料間の境界部分を通過して深く熱伝導した後に、加熱側の表面に戻って放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)に基づく赤外線画像が、接合の良否を判定に用いられるのに適切なものになるように、適宜設定される。
この所定の時間遅れΔT及び所定枚数N1Bも、検査を開始する前に、例えば、品質保証担当の検査技術者が予め試行実験を行い容易に設定することができ、検査技術者がコンソール装置5に入力部51(図5参照)を用いて入力することにより設定される。
なお、画像処理制御部4aは、画像取得部4b及び高速フーリエ変換部4cにおいて、ワーク1の検査部位の検査部分ごとに識別子を付して、データ処理させる。
もし、画像処理制御部4aは、演算された画像全体の赤外線強度の方が強度閾値以上のときは、レーザ光の加熱に対する赤外線画像の取得が正常に行われていないと判定して、高速フーリエ変換部4cに対して、画像取得部4bのメモリに前記一時記憶された所定枚数N1の内の前記した所定枚数N1Bの赤外線画像に対する短時間高速フーリエ変換を中止させるとともに、画像取得部4bに対して所定の取得総枚数N1の赤外線画像データを消去させる。
また、画像処理制御部4aは、検査システム制御装置13に通信回線を介して、当該検査部位の始点から終点に対するそれまでの検査が不適切であるとの信号を送信して、検査システム制御装置13からコントローラ11aに、「当該検査部位の或る検査部分のレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置及び角度(向き)を固定して検査」→「検査部位を次の検査部分まで所定量移動」→「検査部位の次の検査部分のレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置及び角度を固定して検査」というように検査部位の一連の始点から終点までの各検査部分に対する検査作業を、コントローラ11aを介してハンドリングロボット11に繰り返させる一連の作業指令(プログラム)を、現在その検査部位に対して用いているプログラムを、例えば、標準のプログラムPAからプログラムPBに切り替えさせる。もし、現在その検査部位に対して用いているプログラムが、例えば、プログラムPBの場合は、プログラムPBからプログラムPCに切り替えさせる。
高速フーリエ変換部4cは、画像処理制御部4aが赤外線画像の取得が正常に行われたとの判定した後に入力した画像処理演算指令を受け、画像取得部4bに一時記憶された所定の取得総枚数N1の内の前記した所定枚数N1Bの赤外線画像を読み出す。
その後、高速フーリエ変換部4cは、所定枚数N1Bの赤外線画像の画素ごとに所定枚数N1B間で、短時間フーリエ変換の高速フーリエ変換演算をし、各画素の輝度の短時間フーリエ変換した結果を、コンソール装置5の記憶部5cの短時間フーリエ変換結果記憶領域に記憶させる。そして、高速フーリエ変換部4cは、前記した短時間フーリエ変換の演算が終了したことを、画像処理制御部4aを介して制御部5aへ通知する。画像処理制御部4aは、短時間フーリエ変換の演算が終了した通知を受け、画像取得部4bに対して一時記憶された所定の取得総枚数N1分の赤外線画像を消去させる。
つまり、本実施形態の高速フーリエ変換部4cでは、通常の短時間フーリエ変換のような周波数分析をし、画素ごとの輝度(赤外線の量)の時間推移に対する位相(赤外線の位相)の解析を行う演算処理をする。
この高速フーリエ変換部4cによる画素ごとの輝度の時間推移に対する位相の解析を行う演算処理が、特許請求の範囲に記載の「赤外線画像の単位画素ごとの輝度に基づいて赤外線の量と位相を演算処理して取得」に対応する。
これで、被検査体の検査部位の一連の検査部分のうちの1つの各検査部分の赤外線ロックイン・サーモグラフィの演算処理が終わる。
なお、画像処理制御部4aにおいて、前記したように期間T2の初期の所定枚数N1A分の平均値の赤外線強度演算の結果の赤外線強度が強度閾値以上と判定したときは、画像処理制御部4aが、検査システム制御装置13に通信回線を介して、当該検査部位の始点から今回の検査部分に達するまでの検査が不適切であるとの信号を送信する。そして、検査システム制御装置13がその信号を受けた場合は、検査システム制御装置13は、コンソール装置5に既に入力された高速フーリエ変換部4cからの当該検査部位の始点からこれまでの検査部分までの一連の演算処理結果を消去するように指令し、コンソール装置5は、制御部5aにおいて当該検査部位の始点からそれまでの検査部分までの一連の短時間フーリエ変換の演算結果及び位相画像を記憶部5cから消去する。
また、当該検査部位の始点からそれまでの検査部分に対するそれまでの検査が不適切であると判定されるまでに、当該査部位の一部に対して接合の良否の判定が既に位相画像に基づいて行われていた場合には、その接合の良否の判定結果も消去される。
(コンソール装置5)
コンソール装置5の制御部5aは、入力部51からの入力により前記したレーザ光射出部2から出力させる所定の波形の強度のレーザ光、例えば、図7に示した例では、矩形波状の強度のレーザ光の所定の時間幅T1の設定、所定の周期T3、前記した第1の画像取得制御指令の入力設定に対応する所定の取得総枚数N1(又は期間T2)の設定、前記した第2の画像取得制御指令の入力設定に対応する初期輝度判定用に用いる所定枚数N1Aの赤外線画像の取得の開始と終了のタイミングの設定(所定の取得総枚数N1の何枚目から何枚目までを用いるかの設定)、判定値である強度閾値の設定、前記した第3の画像取得制御指令の入力設定に対応する時間遅れΔT及び所定枚数N1Bの設定、短時間フーリエ変換の演算処理後に着目する特定の周波数ωの設定等を行い、前記設定されたパラメータの内の必要なものをデータ処理装置4の画像処理制御部4aに入力する機能を有する。
短時間フーリエ変換の演算処理後に着目する特定の周波数ωの値は、所定の波形のレーザ光により加熱されて、重ね接合部35における少なくとも異種金属材料の種類及びその厚さに応じて、重ね接合部35の異種金属材料間の境界部分を通過して深く熱伝導した後に、加熱側の表面に戻って放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)に基づく赤外線画像が、接合の良否を判定に用いられるのに適切なものになるように、適宜設定されるものである。
また、制御部5aは、データ処理装置4の画像処理制御部4aから短時間フーリエ変換の演算が終了した通知を受けたとき、検査システム制御装置13にワーク1を当該検査部位の新たな検査部分がレーザ光で照射加熱されるように移動の指令を出力し、当該検査部位の始点から終点まで検査が全て終了したときは、当該検査部位の検査終了の信号を検査システム制御装置13に入力する。すると、検査システム制御装置13は、当該ワーク1に他の未検査の検査部位があるか検索して、あれば、次の検査部位の検査を、コントローラ11a、データ処理部4に指令する。
さらに、制御部5aは、データ処理装置4の画像処理制御部4aから短時間フーリエ変換の演算が終了した通知を受けたとき、位相画像演算部5bに、例えば、前記した特定の周波数ωに対応する位相画像生成の指令を出力する。位相画像演算部5bは、制御部5aから位相画像生成の指令を受けて、記憶部5cからその検査部位の各検査部分の短時間フーリエ変換の演算結果を読み出して、前記したレーザ光の加熱制御信号のトリガ信号を基準とした位相画像を生成し、前記したワーク1の検査部位の検査部分ごとに識別子を付して、記憶部5cの位相画像記憶領域に格納する。このとき、位相画像演算部5bは、得られた位相画像の各画素に対する前記演算された位相遅れのデジタル値に対して、所定のバンド幅で所定の色を指定して、位相遅れが小さいものから位相遅れが大きくなるに従って、白色、濃い赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色、濃い緑色、青色、群青色と表示するように、画像化処理をしてワーク1の検査部位の検査部分ごとに識別子を付して、記憶部5cの位相画像記憶領域に格納する。
そして、制御部5aは、記憶部5cの位相画像を読み出し、入力部51から予め設定入力された判定基準の位相遅れ(所定の判定値)BSTD(図12参照)に基づいて、検査部位の各検査部分の異種金属材料の重ね接合の良否を判定し、出力部53にカラー画像の位相画像とともに出力する。
図6の(a)は、図3の(a)を例にしたレーザ光(加熱光)61の反射レーザ光62が赤外線カメラ2に入射する説明図である。レーザ光射出部2からフランジ部1aの重ね接合部35の表面31aに対して垂直にレーザ光射出部2からレーザ光61が照射され、その重ね接合部35の近傍に縦壁31bが存在する場合、照射部分61aの表面痕65において乱反射した反射レーザ光(図7の(a)に示す表面放射エネルギ)が縦壁31bに反射して赤外線カメラ3に入射する反射レーザ光62となってしまう。このような場合、レーザ光61によって加熱された熱が重ね接合部35の表面31aから内部に重ね接合部35の接合界面45a(図4参照)の下側までレーザ光61により加熱された熱が伝わり、それが再び表面31aに戻って放射される放射エネルギ(図7の(a)に示す内部伝熱後の戻りエネルギ)に対しても、縦壁31bで反射されて反射レーザ光62として赤外線カメラ3に入射してしまう。つまり、フレア現象を起こしてしまう。その結果、重ね接合部35の表面31aの各微小部分からの内部伝熱後の戻りエネルギを正しく検出した赤外線画像を取得できなくなる。
特に、レーザ光61による周期T2の照射加熱の波形が正弦波の場合、入射されるレーザ光61のその表面反射光(図7の(a)に示す表面放射エネルギ)が直接赤外線カメラ3に入射する成分と、表面反射光が照射部分61aの表面痕65で乱反射して縦壁31bに当たりそれから反射して赤外線カメラ3に入射する反射レーザ光62と、入熱されて内部伝熱後に戻って放射される放射エネルギ(図7の(a)に示す内部伝熱後の戻りエネルギ)を赤外線画像として同時に捉えることになる。そして、その後のフーリエ変換後の位相画像の作成の段階で、レーザ光61による表面加熱の際の遅れ時間ΔTまでの表面反射光は除去されてしまうので問題は無いが、遅れ時間ΔT以後の縦壁31bで反射して、反射レーザ光62として赤外線カメラ2に入射する表面放射エネルギや内部伝熱後の戻りエネルギの分は、内部伝熱後の戻りエネルギの表面分布を正確に表さないでそのままノイズとして残ってしまう。
なお、図6の(a)では、レーザ光射出部2からフランジ部1aの重ね接合部35の表面31aに対して入射したレーザ光61が縦壁31bで反射して反射レーザ光62として赤外線カメラ3に入射する場合を例に、示してあるが、赤外線画像の取得が正常に行われていないと判定する場合は、これに限定されるものではない。
フランジ部1aの重ね接合部35が縦壁31bに接近している場合は、レーザ光61による照射部分61aが縦壁31bの下部に当たり、それが縦壁31bで反射して重ね接合部35の表面31aに入射し、その後に表面反射光として赤外線カメラ3に入射する場合も、赤外線画像の取得が正常に行われていないと判定することとする。
この場合においては、例えば、レーザ光61が縦壁31bで反射して重ね接合部35の表面31aに入射すると、重ね接合部35の表面31aが均一にレーザ光61により加熱されないことになり、内部伝熱後の戻りエネルギの表面分布を正確に表さないからである。
以下では、このような検査部位の近傍の縦壁31bによる内部伝熱後の戻りエネルギの表面分布を正確に表さないでノイズとなる効果を、単に「検査部位近傍の縦壁による反射による赤外線画像へのノイズ」と称する。
そこで、画像処理制御部4aは、レーザ光の加熱制御指令をトリガ信号として、所定の周期T3(図8参照)、例えば、300Hzのサイクルで、所定の取得総枚数N1の赤外線画像を取得し、その取得した取得総枚数N1の内の初期の所定枚数N1A(図7に表示せず)に対して演算された前記した赤外線強度の方が強度閾値以上のときは、縦壁31bからの反射レーザ光62や、レーザ光61が縦壁31bに反射して重ね接合部35の表面31aを照射した後の反射光が赤外線カメラ3へ入射する量が多いとして、赤外線画像の取得が正常に行われていないと判定する。
そのように判定された場合、検査システム制御装置13は、ワーク1Aを、縦壁31bからの反射が少なくなるように図6の(b)に示すように検査部位の移動方向から見た角度を直角(図6の(b)中「0°」で表示)のものを、所定の角度、例えば、+2°側に検査部位の表面を傾けるようにコントローラ11aに指令を出して、当該検査部位の一連の始点から終点までの検査部分の赤外線画像の取得をやり直させる。
なお、ハンドリングロボット11は、多関節型ロボットであり、単に1箇所の関節部の角度を変更しただけでは、レーザ光61の光軸の検査部位の表面に対する検査部位の移動方向から見た角度を変えることは容易にできるが、検査部位の表面とレーザ光射出部2及び赤外線カメラ3との相対的距離(位置)も変化してしまう。そのため、予め、前記したように検査位置制御のプログラムPA,PB,PCの3種類を用意しておき、コントローラ11aにおいて切り替えて用いることで、容易にフレアのない赤外線画像を取得して正確な接合の良否の判定が可能とするようにしている。
ちなみに、検査部位の移動方向から見た角度を直角に対して、±2°程度変化させても、検査部位の表面とレーザ光射出部2及び赤外線カメラ3との相対的距離(位置)が同じならば、検査部位へのレーザ光61による入熱量に大きな変化は無く、接合の良否の判定を正確に行う上で不都合は生じない。
図7において、例えば、時間幅T1の矩形波X0でレーザ光射出部2から出力させる矩形波状の強度のレーザ光を示し、曲線X1がレーザ光による検査部位の各検査部分の表面部分からの放射エネルギの時間変化を示す。ワーク1の重ね接合部35の接合界面45a(図4参照)の下側までレーザ光で加熱された熱が伝わり、それが再び表面に戻って放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)は、周波数が低いものとなり曲線X2A,X2Bのようになる。従って、ワーク1の重ね接合部35の接合界面45aが正常に形成されているか否かを赤外線ロックイン・サーモグラフィで検出するためには、高速フーリエ変換部4cでの短時間フーリエ変換の結果に基づいて位相画像を生成する際に着目する特定の周波数ωを、重ね合わせ接合される異種金属材料に応じた伝熱特性、表面側(レーザ光を照射する側)の金属材料の厚さを考慮して、伝熱特性が低いほど、又、表面側の金属材料の厚さが厚いほど周波数ωを小さくするとともに、また、所定の波形の時間幅T1を長く設定する。
ワーク1の重ね接合部35のアルミニウム合金部材31(図4参照)と鋼板33(図4参照)の接合界面45aに金属間化合物の形成を含む金属結合界面を形成している場合は、同じ深さの内部伝熱後に戻って放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)の曲線X2Aのように相対的に位相遅れの小さいものが得られる。これに対し、接合界面45aに金属間化合物の形成を含む金属結合界面の形成がなされておらず、シール部材32(図4参照)が残っていたり、小さなボイド、つまり、小さな接合欠陥が生じていたりして十分に摩擦攪拌接合していない場合は、鋼板33(図4参照)にまでレーザ光による表面加熱が異種金属材料の境界を越えてさらに深く伝熱するのに時間が掛かり、その後表面に戻って放射される放射エネルギの位相遅れは、内部伝熱後に戻って放射される放射エネルギ(内部伝熱後の戻りエネルギ)の曲線X2Bのように相対的に大きくなる。
次に、図8、図9を参照しながら、適宜、図1、図5、図6、図7、図10を参照し、データ処理装置、検査システム制御装置、及びコントローラによる被検査体の重ね接合部35の表面角度の設定変更の制御の流れについて説明する。図8、図9は、データ処理装置、検査システム制御装置、及びコントローラによる被検査体の重ね接合部の表面角度の設定変更の制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS01では、検査システム制御装置13は、NGC=0とする。NGCは、前記したプログラムPA,PB,PCのいずれを選択するかを示す指示フラグであり、NGC=0は、検査部位の表面に対してレーザ光61の光軸を検査部位の移動方向から見て、直角にする場合(プログラムPAを用いる場合)であり、NGC=1は、+2°にする場合(プログラムPBを用いる場合)であり、NGC=2は、−2°にする場合(プログラムPCを用いる場合)であり、NGC=3は、NGC=0〜2のいずれによっても、画像処理制御部4aがレーザ光調光部6へ出力する加熱制御指令をトリガ信号として所定の時間遅れΔTの間の初期に取得するように設定されて取得したN1A枚の赤外線画像に対する各赤外線画像における全体の赤外線強度(輝度)のN1A枚分の平均値の赤外線強度が強度閾値を超え、適切な撮影が取れなかった場合を示す。
ステップS02では、コントローラ11aは、検査システム制御装置13からのNGC=0の指示を受けて、プログラムPAをコントローラ11aの記憶部から読み出し、検査部位の始点、終点及び移動方向を取得する。
ステップS03では、コントローラ11aは、検査部位の始点にワーク1を移動し、ワーク1の向きを検査部位の表面がレーザ光61の光軸に対して移動方向から見て直角になるように設定する。
ステップS04では、データ処理装置4の画像処理制御部4aは、加熱制御指令をレーザ光調光部6に出力し、レーザ光射出部2、レーザ光調光部6が、加熱制御指令に従い、所定の波形のレーザ光61の照射を開始する。
ステップS05では、画像取得部4bが、画像処理制御部4aからの第1の画像取得制御指令に基づき、加熱制御指令をトリガとして、所定の周期T3で赤外線画像を所定の枚数N1枚取得する。具体的には、画像取得部4bが、加熱制御指令をトリガとして、期間T2(図7参照)の間にN1枚の赤外線画像を取得して、画像取得部4bのメモリに一時記憶する。
ステップS06では、画像処理制御部4aは、所定の期間T2内での所定の波形のレーザ光61の照射とそれに対する赤外線画像の取得が終了したか否かをチェックする。終了していない場合(No)は、ステップS05へ戻り、終了した場合(Yes)は、ステップS07へ進む。
ステップS07では、画像処理制御部4aは、画像取得部4bのメモリに一時記憶された所定枚数N1の内の初期の所定枚数N1Aの赤外線画像を読み出し、その後で各赤外線画像に対して各画素の輝度を積算して全体の輝度をそれぞれ演算し、その後に所定枚数N1A分の平均の赤外線画像の全体の輝度(赤外線強度)を算出する(「レーザ光の照射直後の赤外線画像全体の輝度を演算」)。
ステップS08では、画像処理制御部4aは、全体の輝度が輝度閾値(強度閾値)以上か否かをチェックする。全体の輝度が輝度閾値以上の場合(Yes)は、検査システム制御装置13にその旨の判定結果信号を出力し、結合子(A)に従って、図9のステップS11へ進み、全体の輝度が輝度閾値未満の場合(No)は、ステップS09へ進む。
ステップS09では、検査システム制御装置13は、コントローラ11aと通信して、検査部位の終点を越えた位置か否かをチェックする。検査部位の終点を越えた場合(Yes)は、一つの検査部位に対する検査を終了する。検査部位の終点を越えていない場合(No)は、画像処理制御部4aは、高速フーリエ変換部4cに所定枚数N1Bの赤外線画像を画像取得部4bのメモリから読み出して、高速フーリエ変換させる。そして、ステップS10へ進み、コントローラ11aは、ワーク1を移動方向に所定量だけ移動する。このとき、検査部位の表面のレーザ光61の光軸に対する角度は一定に保持されたままであり、また、レーザ光射出部2及び赤外線カメラ3との相対距離も一定に保たれたままである。
ちなみに、この所定量だけ移動は、図10の(b)に示すように重ね接合部35の表面痕65を連続して検査できるようにレーザ光61の照射部分61aが隙間無く接続するか、一部移動方向で重複するような移動量である。
ステップS11では、検査システム制御装置13は、NGC=NGC+1とNGCの値を1だけインクレメントし、そのNGCの値をコントローラ11aに入力する。
ステップS12では、画像処理制御部4aは、当該検査部位のステップS05において取得された赤外線画像を画像取得部4bのメモリから消去する。また、当該検査部位の一連の検査部分(照射部分61aに対応する部分)の高速フーリエ変換部4cで演算された短時間フーリエ変換の演算結果で、通信回線を通じてコンソール装置5の記憶部5cに記憶されたもの、短時間フーリエ変換の演算結果を用いて、位相画像演算部5bにおいて演算して得られ、記憶部5cに記憶された当該検査部位の位相画像をも消去させる(「当該検査部位のそれまでに取得した赤外線画像等を消去」)。このとき、コンソール装置5の表示部51にその旨のメッセージを表示させると都合が良い。また、その旨の処理をしたログ記録を記憶部5cに記録させると都合が良い。
ステップS13では、コントローラ11aは、検査システム制御装置13からステップS11において入力されたフラグNGCの値が1か否かチェックする(「NGC=1?」)。NGC=1の場合(Yes)は、ステップS14へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS15へ進む。ステップS14では、コントローラ11aは、当該検査部位の始点にワーク1を移動し、ワーク1の向きを検査部位の表面がレーザ光61の光軸に対して移動方向から見て(図6の(b)参照)直角に対し+2°となるように設定する。つまり、コントローラ11aは、プログラムPBを選択して、当該検査部位の始点にワーク1を移動し、ワーク1の向きを検査部位の表面がレーザ光61の光軸に対して移動方向から見て(図6の(b)参照)直角に対し+2°となるように設定する。その後、結合子(B)に従って図8のステップS04へ戻る。
ステップS15では、コントローラ11aは、検査システム制御装置13からステップS11において入力されたフラグNGCの値が2か否かチェックする(「NGC=2?」)。NGC=2の場合(Yes)は、ステップS16へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS17へ進む。ステップS16では、コントローラ11aは、当該検査部位の始点にワーク1を移動し、ワーク1の向きを検査部位の表面がレーザ光61の光軸に対して移動方向から見て(図6の(b)参照)直角に対し−2°となるように設定する。つまり、コントローラ11aは、プログラムPCを選択して、当該検査部位の始点にワーク1を移動し、ワーク1の向きを検査部位の表面がレーザ光61の光軸に対して移動方向から見て(図6の(b)参照)直角に対し−2°となるように設定する。その後、結合子(B)に従って図8のステップS04へ戻る。
ステップS15においてNoでステップS17へ進むと、コントローラ11aは、検査システム制御装置13を介してコンソール装置5の表示部52にエラーメッセージを出力して、検査を中止する。
以上のように、本実施形態によれば、重ね接合部35の検査部位がフランジ部1a(図6の(a)参照)の縦壁31bの近傍にある場合でも、赤外線ロックイン・サーモグラフィによる非破壊検査方法を用いて、レーザ光射出部2からのレーザ光61による表面加熱により検査部位の各検査部分の表面からの放射エネルギの時間推移を赤外線カメラ3による所定の周期T3の赤外線画像として取得するときに、前記した「検査部位近傍の縦壁による反射による赤外線画像へのノイズ」を減ずるようにワーク1を傾けることができる。その結果、検査部位のレーザ光射出部2及び赤外線カメラ3と検査部位の表面との相対距離を所定の値に一定に保ちながら、移動方向から見たレーザ光61の光軸と検査部位の表面とのなす角を微小調整して、前記した「検査部位近傍の縦壁による反射による赤外線画像へのノイズ」を低減でき、摩擦攪拌接合による重ね接合部35の接合の良否を正確に判定できる。
また、検査時のレーザ光61の光軸と検査部位の表面とのなす角を微小調整するためにワーク1を保持するプログラムを、検査部位の移動方向から見てレーザ光61の光軸と検査部位の表面とのなす角を直角の場合のプログラム(プログラムPA)に対して、予め所定の値の+−の値としたプログラム(プログラムPB,PC)を作成して、コントローラ11aに登録しておくことで、容易に切り替えて非破壊検査ができ、検査工程の戻り処理や、ハンドリングロボット11の検査プログラムをその都度チューニングするような時間的ロスを無くし、効率の良い正確な検査ができる。
図10は、摩擦攪拌接合された重ね接合部の表面に対するレーザ光の照射と赤外線画像の取得の模式説明図であり、(a)は、重ね接合部の長手方向に対して直角横方向から見た模式説明図、(b)は、重ね接合部の表面を上方から見た、非破壊検査のためにレーザ光の照射部分の移動の模式説明図である。
ここでは、非破壊検査のためにレーザ光61の照射部分61aの移動が、重ね接合部35の攪拌領域45の表面痕65に沿って、一部重なって連続的につながるようには表示されていないが、重ね接合部35が十分に長い場合は、このような検査でも良いが、重ね接合部35が短い場合は、レーザ光61の照射部分61aは、一部重なって連続的につながるようにすることが接合強度を確保する点で望ましい。ちなみに、図10の(b)における「始点側」は、摩擦攪拌接合の開始側を意味し、「終点側」は、摩擦攪拌接合の終端側を意味する。
図10の(a)では、レーザ光射出部2からのレーザ光61は、摩擦攪拌接合の表面痕65(図10の(b)参照)に対して必ずしも垂直に照射されていないように模式的に表示しているが、垂直、又は垂直から−2°、垂直から+2°で照射されるようにワーク1が設定される。
このようにすることで、重ね接合部35の非破壊検査の効率向上が図れるとともに、ワーク1のフランジ部1a(図3参照)のような狭い領域の検査部位の各検査部分にレーザ光61を照射して、検査部位以外にレーザ光61が照射されて赤外線カメラ3で検査部分の表面からの放射エネルギを正確に測定するのを阻害することを防止する点でも好都合である。
ちなみに、図1、図2、図5、図10の(a)における赤外線カメラ3は、模式的に検査部位の表面を斜めから撮影しているように図示化してあるが、レーザ光射出部2に近い光軸で、可能な限り検査部位の表面に対して垂直方向に近い光軸で撮影することが赤外線画像で検査部位の表面から放射される放射エネルギをより正確に測定する上で好ましい配置である。
また、レーザ光射出部2の光学系は、レーザ光61の照射部分61aの上面から見た平面形状が表面痕65の幅方向をカバーする、例えば、円形状とする。
そして、赤外線カメラ3の画角63(図10の(a)参照)は、照射部分61aよりも広い余裕を取った範囲を撮影画像の視野とするものに設定することが好ましい。
図11は、位相画像による接合の良否判定の例示説明図であり、(a)は、接合良好判定(OK品)の被検査体における位相画像の例示図、(b)は、接合不良判定(NG品)の被検査体における位相画像の例示図である。図11のカラー原画に示すように、OK品では、レーザ光61の照射部分61aの上下幅方向の中央の部分で良好な金属接合を示す白色、黄色、赤色、橙色を示しており、NG品では、レーザ光61の照射部分61aの上下幅方向の中央の部分で緑色、青色を示した青みがかった領域が含まれ金属接合が不良であることを示している。
図12は、位相画像による重ね接合部の別の良否判定の例示説明図であり、(a)は、接合良好判定の場合の例示であり、上段欄は接合良好の場合の確認した接合境界の破断面の平面写真、中段欄は接合良好の場合の位相画像の例示図、下段欄は位相画像における重ね接合部の平面幅方向の、例えば、中央での位相差例示図、(b)は、接合不良判定の場合の例示であり、上段欄は接合不良の場合の確認した接合境界の破断面の平面写真、中段欄は接合不良の場合の位相画像の例示図、下段欄は位相画像における重ね接合部の平面幅方向の、例えば、ほぼ中央での位相差例示図である。
カラー原画の図12の(a)の上段欄の破断面は、金属接合の境界面を破断して表面状態を観察したものであり、ビード表面に光沢がある。これに対しカラー原画図12の(b)の上段欄の破断面は、金属接合の境界面を破断して表面状態を観察したものであり、ビード表面に光沢が無く黒ずんでいる。
カラー原画の図12の(a)の中段欄の画像処理された位相画像では、接合界面45a(図4参照)の幅Aに対して、良好な金属接合を示す白色、赤色、橙色、黄色を示している。図12の(a)の中段欄の幅Aの上下方向の中央に対して画素(ピクセル)ごとの位相遅れを数値で表示したものが図12の(a)の下段欄に示したグラフである。図12の(a)の下段欄のグラフにおいて、縦軸の上側程位相遅れが小さいことを示し、縦軸の下側程位相遅れが大きいことを示している。このグラフの細線に示すように画素(ピクセル)ごとの位相遅れは、幅Aの上下方向の、例えば、中央において判定基準の位相遅れ(所定の判定値)BSTDに対して位相遅れが小さいことを示し、良好な金属接合を数値的に容易に判定できることが示されている。
カラー原画の図12の(b)の中段欄の画像処理された位相画像では、接合界面45a(図4参照)の幅Aに対して、良好な金属接合を示さず緑色、青色の青みがかった部分が含まれている。図12の(b)の中段欄の幅Aの上下方向の、例えば、ほぼ中央に対して画素(ピクセル)ごとの位相遅れを数値で表示したものが図12の(b)の下段欄に示したグラフである。このグラフの細線に示すように画素(ピクセル)ごとの位相遅れは、幅Aの上下方向のほぼ中央において判定基準の位相遅れBSTDに対して位相遅れが大きいことを示し、良好な金属接合となっていない部分を数値的に容易に判定できることが示されている。
なお、図12の(a),(b)の下段欄には中段欄の幅Aの上下方向の、例えば、中央位置に対する画素の列に対して例示してあるが、これを中段欄の幅Aの上下方向における他の画素の列に対しても行うことで、接合界面45aに対して容易に位相画像で異種金属材料の金属接合の良否を判定できる。
ちなみに、判定基準の位相遅れBSTDは、摩擦攪拌接合による重ね接合をしたサンプルに対し、期間T2、周波数ωの設定及びそれに基づいて得られた位相画像における判定基準の位相遅れBSTDが、適切か否かを前以って破断面を検査して確認することによって、本実施形態の赤外線ロックイン・サーモグラフィによる非破壊検査で正確に検査できることが保証される。
重ね接合部35の良否判定方法としては、例示として、図12に示したように重ね接合部35の位相画像における重ね接合部35の幅Aに対して幅方向の特定の位置に対して重ね接合部35の長手方向に線状に画素(ピクセル)ごとの位相遅れと判定基準の位相遅れBSTDとを比較して判定したが、それに限定されるものではない。
重ね接合部35の幅Aで、長手方向の所定の長さ、例えば、長さLBの矩形に含まれる全画素(ピクセル)の平均位相遅れを位相画像に基づいて算出し、その平均位相遅れの値が判定基準の平均位相遅れの値よりも位相遅れが大きいとき良好な金属接合となっていないと判定するようにしても良い。
なお、平均位相遅れの値を算出する矩形の重ね接合部35の幅方向の長さは、重ね接合部35の幅Aと限定されるものではなく、それよりも小さい値として、重ね接合部35の幅A方向に複数の前記矩形を設定して、それぞれの矩形における平均位相遅れを算出して良好な金属接合か否かの判定に用いても良い。
そのほかに、カラーマップとして、重ね接合部35の幅Aで重ね接合部35の長手方向の所定の長さの領域を設定し、その領域に含まれる緑色、青色を含む青みがかった領域の画素数が、前記設定された領域に含まれる画素数のどれだけの割合を占めるかを判定し、その割合が判定基準の割合の値よりも大きいとき、接合不良と判定するようにしても良い。この場合、前記設定される領域の形状は矩形に限定されるものではなく、前以って予め設定された重ね接合部35の長手方向の形状に沿った領域形状でも良い。
なお、本実施形態では、アルミニウム合金部材31と鋼板33とを異種金属材料として例示したがそれに限定されるものではない。
また、本実施形態では、検査システム制御装置13は、ハンドリングロボット11は、コントローラ11aに予め入力された一連の作業指令に基づき、予め設定された所定の順に、検査部位の各検査部分のレーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置及び角度を固定して検査→検査部位を所定量移動→位置及び角度を固定して検査の作業を、繰り返させるものとしたがそれに限定されるものではない。図1、図2に示したように監視カメラ15A,15Bを配置して、そのカメラ映像を検査システム制御装置13に入力するように構成しても良い。その場合、検査システム制御装置13は、ハンドリングロボット11が把持したワーク1をその表面に表示又は刻印されている識別情報を監視カメラ15A,15Bで読み取り、検査対象のワーク1を識別して、コンソール装置5に入力する。
また、検査システム制御装置13は、監視カメラ15A,15Bからのカメラ画像により、ワーク1の検査部位の表面痕65をアルミニウム合金部材31の重ね接合部35ではない表面と区別して検出して、検査部位の公差に応じて、レーザ光射出部2と赤外線カメラ3に対する位置を予め入力された一連の作業指令による位置から補正するようにしても良い。
なお、ワーク1の距離や角度を検出するために、少なくとも監視カメラ15A,15Bの2台を用意し、三角法でワーク1の距離や角度を検出することは容易に公知のカメラ画像認識プログラムで実行できる。
《変形例》
本実施形態では、高速フーリエ変換部4cは、画像取得部4bのメモリに一時記憶された周期T3のN1B回分の赤外線画像を読み出して、各画素の輝度の短時間フーリエ変換した結果を、コンソール装置5の記憶部5cの短時間フーリエ変換結果記憶領域に記憶させるとしたがそれに限定されるものではない。
検査部位の検査部分に対してレーザ光を前記した所定の波形で一回のみの照射ではなく、期間T2の周期でN2回行なうようにしても良い(図7における仮想線で示した時間幅T1の矩形波のレーザ光の照射を参照)。その場合、先ず、画像処理制御部4aは、画像取得部4bに一時記憶されたN1×N2回分の赤外線画像の内の期間T2の初期の所定枚数N1AのN2回分の赤外線画像を読み出して、N1A×N2枚の各赤外線画像に対して画素ごとの輝度を積算し、1枚分の全体の赤外線の輝度を積算演算し、その後にN1A×N2枚の平均の全体の輝度を算出して、ステップS08において全体の輝度が輝度閾値(強度閾値)以上か否かのチェックに用いる。
その後、ステップS08において全体の輝度が輝度閾値(強度閾値)未満の場合は、画像処理制御部4aは、高速フーリエ変換部4cに画像取得部4bに一時記憶されたN1B×N2回分の赤外線画像を読み出させて、N1B×N2枚の赤外線画像の所定の予め設定された範囲に対して、N2回分のレーザ光の発光に対して、所定の時間遅れΔT後の同一のタイミングに取得された赤外線画像の各画素の輝度のデジタル値を平均化処理し、N1B枚の所定の周期T3の赤外線画像を生成する。
その後、高速フーリエ変換部4cは、所定枚数N1Bの積算平均された赤外線画像の画素ごとに所定枚数N1B間で、短時間フーリエ変換の高速フーリエ変換演算をし、各画素の輝度の短時間フーリエ変換した結果を、コンソール装置5の記憶部5cの短時間フーリエ変換結果記憶領域に記憶させる。そして、高速フーリエ変換部4cは、前記した短時間フーリエ変換の演算が終了したことを、画像処理制御部4aを介して制御部5aへ通知する。
このように、期間T2の周期でN2回レーザ光を照射して赤外線画像を取得し、N1B×N2枚の赤外線画像から同一タイミングのN1B回分の積算平均の赤外線画像を生成してから位相画像を生成することによって、ノイズを低減することができ、精度の良い位相画像を得ることができる。
また、高速フーリエ変換部4cによる短時間フーリエ変換の高速フーリエ変換演算を、前記した特定の周波数ωに対して行なうようにしても良い。つまり、本実施形態の高速フーリエ変換部4cでは、通常の短時間フーリエ変換のような周波数分析をするのではなく、特定の周波数ωに対して、画素ごとの輝度(赤外線の量)の時間推移に対する位相(赤外線の位相)の解析を行う演算処理をするものである。このようにすることでフーリエ変換の時間を短縮することができる。
1,1A,1B ワーク(被検査体)
2 レーザ光射出部(加熱照射源)
3 赤外線カメラ
4 データ処理装置(位相画像取得手段)
4a 画像処理制御部(加熱制御手段)
4b 画像取得部(赤外線画像取得部)
4c 高速フーリエ変換部(位相画像取得手段)
5 コンソール装置
5a 制御部(良否判定手段)
5b 位相画像演算部(位相画像取得手段)
5c 記憶部(位相画像取得手段)
6 レーザ光調光部(加熱制御手段)
11 ハンドリングロボット(被検査体取扱装置)
11a コントローラ(検査位置制御手段)
13 検査システム制御装置(検査位置制御手段)
15A,15B 監視カメラ(検査位置制御手段)
17 シャッタ駆動部
20 検査室
21 被検査体受け渡し室
21a 被検査体受け渡し室外板
23A 被検査体受け取り台
23B 被検査体払い出し台
26 シャッタ
31 アルミニウム合金部材(異種金属材料)
32 シール部材
33 鋼板(異種金属材料)
35 重ね接合部
45 攪拌領域
45a 接合界面
51 入力部
52 表示部
53 プリンタ
61 レーザ光(加熱光)
61a 照射部分
63 画角
65 表面痕
100 非破壊検査システム
STD 判定基準の位相遅れ(所定の判定値)
T2 期間(所定の第1の周期)
T3 周期(所定の第2の周期)

Claims (4)

  1. 異種金属材料の重ね接合部に対して、その一方側の表面へ加熱照射源からの予め設定された所定の波形の加熱を行い、
    前記所定の波形の加熱による前記一方側の表面からの放射エネルギに対し、赤外線カメラにより所定の周期で赤外線画像を取得し、
    取得された前記赤外線画像の単位画素ごとの輝度に基づいて赤外線の量と位相を演算処理して取得し、
    接合の良否を判定する赤外線ロックイン・サーモグラフィによる非破壊検査方法を用いた非破壊検査システムであり、
    被検査体を搬送及び把持する被検査体取扱装置と、
    前記被検査体取扱装置を制御して前記被検査体を、前記重ね接合部の表面を前記加熱照射源及び前記赤外線カメラに対して所定の位置及び向きに設定する検査位置制御手段と、
    前記加熱照射源からの加熱光の照射制御をする加熱制御手段と、
    前記加熱制御手段からの前記予め設定された所定の波形の加熱に基づいて前記赤外線カメラにより取得された前記赤外線画像を取得する赤外線画像取得手段と、
    取得された前記赤外線画像の単位画素ごとの輝度に基づいて赤外線の量と位相を演算処理して取得し、さらに位相画像を生成する位相画像取得手段と、
    取得された前記位相画像に基づいて予め設定された前記所定の判定値より大きい位相遅れの領域が前記重ね接合部にあるか否かを判定する良否判定手段と、
    を備え、
    前記赤外線画像取得手段が、前記予め設定された所定の波形の加熱に基づいて前記赤外線カメラにより取得された前記赤外線画像のうちの前記加熱の初期に取得された赤外線画像の赤外線強度が、予め決められた強度閾値を超えたときに、
    前記検査位置制御手段は、当該の重ね接合部の表面の前記加熱照射源及び前記赤外線カメラに対しての前記所定の位置を保ったまま当該の重ね接合部の向きを調整し、
    その後、再度、前記加熱手段は前記加熱光を照射し、前記赤外線画像取得手段は前記赤外線画像を取得することを特徴とする非破壊検査システム。
  2. 前記被検査体は、前記重ね接合部の近傍に縦壁があり、前記重ね接合部の一方側の表面への前記加熱照射源からの加熱に対する前記一方側の表面からの放射エネルギが前記縦壁に反射して前記赤外線カメラに入射する可能性がある構造であることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査システム。
  3. 前記被検査体は、前記重ね接合部の近傍に縦壁があり、前記重ね接合部の一方側の表面への前記加熱照射源からの前記加熱光が前記縦壁に反射して前記重ね接合部の一方側の表面に入射する可能性がある構造であることを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査システム。
  4. 前記検査位置制御手段は、
    前記重ね接合部の表面の前記加熱照射源及び前記赤外線カメラに対しての前記所定の位置を保ったまま前記所定の向きのみを調整する複数の検査部位走査プログラムを予め記憶し、
    前記予め設定された波形の加熱のタイミングをトリガとして前記赤外線カメラにより取得された前記赤外線画像のうちの前記加熱の初期に取得された赤外線画像の赤外線強度が、予め決められた強度閾値を超えたときに、
    前記予め記憶された複数の検査部位走査プログラムを切り替えて、前記重ね接合部の表面の前記加熱照射源及び前記赤外線カメラに対しての前記所定の位置を保ったまま前記所定の向きのみを調整し、
    その後、再度、前記加熱手段は前記加熱光を照射し、前記赤外線画像取得手段は前記赤外線画像を取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非破壊検査システム。
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