JP2013122332A - 電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属箔にペースト状の塗工材を塗工した塗膜箔に対し、マイグレーションを抑制しつつ効率良く乾燥させ、電極を低コストで製造することができる電極の製造方法を提供する。
【解決手段】送出する金属箔3に塗工材4を塗工して塗膜箔2を形成する塗工工程と、送出により移動する塗膜箔2が、送出経路のインライン上に沿って配置された乾燥装置10の乾燥炉20を通りながら、加熱により塗膜箔2を乾燥させる乾燥工程と、を有する電極の製造方法において、乾燥炉20は、3つに区画して配置された4つの乾燥室21,22,23,24からなり、乾燥工程で塗膜箔2が最初に通過する第1乾燥室21と、第1乾燥室21に次いで通過する第2乾燥室22とを少なくとも有し、第1乾燥室21の容積V1が、送出経路に沿う送出方向Fに対して直交する断面S1の面積を第2乾燥室22の断面S2より小さくして、第2乾燥室22の容積V2よりも小さくなっている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電池の電極について、送出する金属箔にペースト状の塗工材を塗工して塗膜が形成された塗膜箔を、送出しながらインライン上の乾燥装置の炉内を通じて乾燥させる電極の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン電池等の二次電池が、例えば、ハイブリッドカーや電気自動車のほか、携帯電話やポータブル機器等の電源に用いられている。リチウムイオン電池の場合、電池の製造工程の中には、送出装置により、ロール状に捲回された原反箔から金属箔を平面状に送出させながら、塗工装置において、バックアップロールで支持されたこの金属箔(集電体)に、ダイから吐出した塗工材を塗工して塗工箔を形成する塗工工程が行われている。その次工程の乾燥工程は、その送出経路のインライン上に設置された乾燥装置の炉内を通じて塗工箔を乾燥させている。塗工材は、複数の活物質のほか、これらの活物質同士、及び活物質と集電体とを結着するバインダ樹脂等を、塗工工程前に予め溶媒(水または有機溶剤)中に混ぜ合わせて作製されたペースト状の塗工液である。この塗工材には、電極が正極の場合、活物質として正極活物質が含有され、さらにこの正極活物質に導電性を付する導電材が含有される。また、電極が負極の場合には、活物質として負極活物質が含有される。
ところで、乾燥工程において、乾燥装置の炉内で塗工箔を急激に乾燥させると、塗膜に含まれる溶媒の蒸発により、塗膜表層に亀裂が発生するほか、乾燥中にバインダ樹脂が塗膜の表層側に移動して固化することで、塗膜に偏析(マイグレーション)が生じ問題となる。塗膜に亀裂やマイグレーションが発生すると、塗膜と集電体との密着力が低下し、乾燥工程以降の工程で、塗膜と集電体とが剥がれてしまう虞があり、このような電池は、品質管理上、製品として使用できない。従来、上述した問題を回避する乾燥工程の一例として、特許文献1,2が開示されている。
図9に、特許文献1に係る乾燥工程を説明する図を示す。特許文献1は、図9に示すように、乾燥炉170を搬送経路に沿って連続する3つのエリア172,174,176に分け、塗工工程後、集電体シート120に形成した塗膜を、入口側の第1エリア172から第2エリア174を介して出口側の第3エリア76に、搬送装置で搬送しながらこの順に通過させて乾燥させている。塗膜は、最初に第1エリア172で、ヒータ192と共に加湿器100により100℃、90%RH以上の熱風を吹き付けた後、第2エリア174で120℃の熱風を吹き付け、最後の第3エリア176で150℃の熱風を吹き付けて乾燥させている。
また、特許文献2は、樹脂液を塗布したシート素材を乾燥させるのに、予めシート素材の表面に高温の水蒸気(約100℃の飽和蒸気)を吹き付けておくことで、樹脂液の乾燥速度を、マイグレーションを引き起こさない乾燥速度とほぼ同等に調整したものである。
特開2004−319117号公報 特開平11−14250号公報
しかしながら、特許文献1,2には、以下のような問題があった。特許文献1は、乾燥炉内の3つのエリアのうち、入口側の第1エリア172で、予め90%RH以上で湿度を高くした熱風を吹き付けて塗膜に湿気を含ませているため、乾燥装置に、熱風を加湿する加湿器100のほか、水供給源から水を加湿器100に供給する設備を必要とする。そのため、乾燥装置が大型化すると共に、加湿器100の設置に伴い、加湿に必要なコストが余分に掛かってしまう。また、特許文献1では、加湿した状態にある塗膜でマイグレーションを引き起こさないよう、第1エリア172において熱風の湿度管理と、第2エリア174と第3エリア176において、第1エリア172内の湿度に合わせてそれぞれ温度調整とを同時に行わなければならず、温度と湿度との複雑な制御が必要となる。
特許文献2は、樹脂液を塗布したシート素材に高温の水蒸気を吹付けて、このシート素材に湿気を含ませているため、加湿したシート素材に対する湿度管理と、マイグレーションを引き起こさない乾燥速度で加熱する温度調整とを同時に行う必要があり、特許文献1と同様、温度と湿度との複雑な制御が必要となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、金属箔にペースト状の塗工材を塗工した塗膜箔に対し、マイグレーションを抑制しつつ効率良く乾燥させ、電極を低コストで製造することができる電極の製造方法を提供することを目的とする。
上記の問題点を解決するために、本発明の電極の製造方法は、次の構成を有している。
(1)送出する金属箔に塗工材を塗工して塗膜箔を形成する塗工工程と、送出により移動する塗膜箔が、送出経路のインライン上に沿って配置された乾燥装置の乾燥炉を通りながら、加熱により塗膜箔を乾燥させる乾燥工程と、を有する電極の製造方法において、乾燥炉は、複数箇所で区画して配置された複数の乾燥室からなり、乾燥工程で塗膜箔が最初に通過する第1乾燥室と、第1乾燥室に次いで通過する第2乾燥室とを少なくとも有し、第1乾燥室の容積が、送出経路に沿う送出方向に対して直交する断面の面積を小さくして、第2乾燥室の容積よりも小さくなっていることを特徴とする。
(2)(1)に記載する電極の製造方法において、第1乾燥室は、塗工材に含まれる溶媒で、塗膜箔から蒸発した溶媒の濃度を、より飽和状態に近付けた雰囲気にすることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載する電極の製造方法において、第1乾燥室では、熱風を送風しない雰囲気の下、赤外線ヒータにより、塗膜箔を加熱することを特徴とする。
(4)(3)に記載する電極の製造方法において、第2乾燥室以降の乾燥室では、塗膜箔が、熱風を送風した雰囲気下に晒されることを特徴とする。
(5)(4)に記載する電極の製造方法において、熱風が送風された乾燥室から排気される排気熱により、送出に用いるロールで、塗膜箔または金属箔の少なくともいずれかと接触するロールを加温し、塗膜箔を、ロールに蓄熱された熱で予熱することを特徴とする。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する電極の製造方法において、第1乾燥室内の内部の圧力と、第1乾燥室の上流側で隣接する第1乾燥室の外部の圧力との差圧が零であること、または第1乾燥室の内部の圧力が、許容誤差の範囲内で外部の圧力より高いことを特徴とする。
なお、本発明の電極の製造方法で「許容誤差の範囲」とは、第1乾燥室内、及び第1乾燥室の外部において、例えば、空気層の密度分布のバラツキ、空気層の温度分布のバラツキ、人為的な計測誤差等に起因して微妙に生じる誤差を対象とする。そして、このような誤差について、例えば、10Pa以内の範囲等、塗膜箔から蒸発する溶媒の蒸発速度にほとんど影響が及ばない程度に収まって許容し得る範囲をいう。
上記構成を有する本発明の電極の製造方法の作用・効果について説明する。
(1)送出する金属箔に塗工材を塗工して塗膜箔を形成する塗工工程と、送出により移動する塗膜箔が、送出経路のインライン上に沿って配置された乾燥装置の乾燥炉を通りながら、加熱により塗膜箔を乾燥させる乾燥工程と、を有する電極の製造方法において、乾燥炉は、複数箇所で区画して配置された複数の乾燥室からなり、乾燥工程で塗膜箔が最初に通過する第1乾燥室と、第1乾燥室に次いで通過する第2乾燥室とを少なくとも有し、第1乾燥室の容積が、送出経路に沿う送出方向に対して直交する断面の面積を小さくして、第2乾燥室の容積よりも小さくなっていることを特徴とするので、塗工工程後、塗膜に湿り気を持った状態の塗膜箔が、乾燥工程において、加熱されている第1乾燥室に入ると、塗工材に含まれる溶媒(例えば、有機溶剤系溶媒、水系溶媒等)が、最初に第1乾燥室内で塗膜から蒸発し始める。このとき、第1乾燥室をはじめ各乾燥室において、乾燥工程では、乾燥室を流出入する空気の流れはそれぞれ定常状態で、乾燥室内において空気の流れが平衡状態にあることから、第1乾燥室の容積が、第2乾燥室の容積と比べ、上記断面の面積を小さくして小さくなっていると、第1乾燥室内の空気中に蒸発する溶媒の濃度が、第2乾燥室内の空気中に蒸発する溶媒の濃度よりも高くなる。第1乾燥室内では、蒸発した溶媒の濃度が、高い状態にあればある程、室内の溶媒による雰囲気は、より短い時間で飽和状態となり、この状態から先、第1乾燥室内において、塗膜箔の塗膜に残存している溶媒が、塗膜の塗膜表面から蒸発するのを抑制することができる。よって、塗膜箔が、加熱された雰囲気下の第1乾燥室を通過しても、湿った状態の塗膜が第1乾燥室で急激に乾燥してしまうことが起こり難くなり、塗膜の急激な乾燥に起因したマイグレーションの発生を抑制することができる。
すなわち、塗膜箔の塗膜は、複数の活物質(電極が、正極の場合は正極活物質、負極の場合は負極活物質)のほか、これらの活物質同士、及び活物質と金属箔とを結着するバインダ樹脂等を、塗工工程前に予め溶媒(水または有機溶剤)中に混ぜ合わせて作製されたペースト状の塗工液からなる。塗膜箔(塗膜)が、加熱状態の雰囲気にある乾燥炉内に入ると、塗膜に含まれる溶媒が蒸発し、第1乾燥室内の雰囲気は、蒸発した溶媒により、濃度が次第に高くなり、飽和状態に近付いていく。
その一方で、塗膜箔が、加熱状態の雰囲気にある乾燥炉内に入ると、塗膜に含まれる溶媒が蒸発しながら、活物質同士のほか、活物質と金属箔とがバインダ樹脂によって結着され、乾燥した状態の塗膜が得られる。塗膜箔が最初に第1乾燥室を通過するとき、まず塗膜の表面側に存在する溶媒が蒸発し始め、塗膜表面側の溶媒の濃度が次第に小さくなっていく。これに対し、塗膜の厚み方向内部で、金属箔と塗膜との界面近傍で、塗膜表面とは反対側(塗膜裏面側)に存在する溶媒の濃度は、第1乾燥室に入る前の初期濃度に近い状態にあり、塗膜表面側と塗膜裏面側との間で溶媒の濃度差が生じてくる。
この溶媒の濃度差の大きさが大きく、かつこの濃度差が起きる時間が短い急激な乾燥速度で、塗膜を乾燥させると、塗膜裏面側に残存する溶媒が、乾燥室内の雰囲気下で急激に蒸発してしまい、この急激な溶媒の蒸発に伴って、塗膜裏面側にあるバインダ樹脂も、塗膜表面側に移動してしまう。そして、塗膜裏面側に残存していた溶媒が蒸発し終えたところで、塗膜表面側に移動したバインダ樹脂が、塗膜表面側で固化してしまい、塗膜において、バインダ樹脂による偏析(マイグレーション)が、塗膜表面側と塗膜裏面側との間で起きる。マイグレーションが生じると、特に金属箔と塗膜との界面で、金属箔と塗膜(活物質等)との密着力が低下する。
本発明の電極の製造方法では、第1乾燥室内の空気中に蒸発する溶媒の濃度が、第2乾燥室内の空気中に蒸発する溶媒の濃度よりも高く、第1乾燥室内では、蒸発した溶媒の濃度が、高い状態にあればある程、室内の溶媒による雰囲気は、より短い時間で飽和状態となる。第1乾燥室内では、この状態から先、塗膜箔の塗膜に残存している溶媒が、塗膜の塗膜表面から蒸発するのを抑制できるため、塗膜表面側に残存する溶媒の濃度の低下が小さく抑えられ、塗膜裏面側に残存する溶媒の濃度についても、第1乾燥室に入る前の初期濃度に近い状態で、維持され易くなる。そのため、塗膜箔が第1乾燥室に入っても、塗膜において、塗膜表面側に残存する溶媒の濃度と、塗膜裏面側に残存する溶媒の濃度との間で溶媒の濃度差が、より小さく抑制できている。
溶媒の濃度差を小さく抑制することにより、第1乾燥室に入った塗膜箔の塗膜が、乾燥速度をより低くして乾燥できるため、塗膜において、塗膜裏面側のバインダ樹脂が、塗膜裏面側に残存する溶媒の急激な蒸発に伴って塗膜表面側に移動するのを抑制することができる。すなわち、塗膜において、塗膜裏面側に残存していた溶媒の急激な蒸発によって、塗膜表面側に移動したバインダ樹脂が塗膜表面側で固化して生じるマイグレーションが抑制され、金属箔と塗膜(活物質等)との密着力が低下するのを抑制することができる。
よって、塗膜箔が、加熱された雰囲気下の第1乾燥室を通過しても、湿った状態の塗膜が第1乾燥室で急激に乾燥してしまうことが起こり難くなり、塗膜の急激な乾燥に起因したマイグレーションの発生を抑制することができる。特に、本発明の電極の製造方法は、このようなマイグレーションの発生を、電極が正電極か負電極かによらず、また溶媒の種類によらず、抑制することができる。
また、第1乾燥室は、送出方向に沿った第1乾燥室の全長を、少なくとも第2乾燥室の全長より小さくせず、断面の面積を小さくすることにより、容積を小さく設定されている。そのため、塗膜箔が第1乾燥室を通過する時間が、塗膜の加熱に必要な時間より短くなって、塗膜を効果的に加熱できないということが生じず、塗膜への加熱、乾燥を効率良く行うことができる。
また、従来、マイグレーションが起きないよう、塗膜の加湿後、熱風で塗膜を乾燥させていたため、乾燥装置には乾燥炉のほかに加湿器を設備し、塗膜の乾燥に、温度と湿度との複雑な制御が必要であったが、本発明の電極の製造方法は、塗膜に加湿を必要とせず、例えば、第1乾燥室の温度制御のみ等、塗膜を乾燥させるのに必要な制御が複雑化しない。また、塗膜を加湿する必要がないため、加湿器を設置しない分、乾燥装置が小型化でき、加湿に伴う余分なコストが掛からず、塗膜の乾燥を低コストで実現できる。
従って、金属箔にペースト状の塗工材を塗工した塗膜箔に対し、マイグレーションを抑制しつつ効率良く乾燥させ、電極を低コストで製造することができる、という優れた効果を奏する。
(2)(1)に記載する電極の製造方法において、第1乾燥室は、塗工材に含まれる溶媒で、塗膜箔から蒸発した溶媒の濃度を、より飽和状態に近付けた雰囲気にすることを特徴とするので、塗膜箔が第1乾燥室を通過中に、塗膜表面からの溶媒の蒸発を抑制し、塗膜に残存する溶媒を、塗膜内部に含んだままの状態で、塗膜箔を第2乾燥室に送ることができる。
(3)(1)または(2)に記載する電極の製造方法において、第1乾燥室では、熱風を送風しない雰囲気の下、赤外線ヒータにより、塗膜箔を加熱することを特徴とするので、赤外線ヒータから放射された赤外線を、塗膜に吸収させてこの塗膜を加熱すると、塗膜表面や塗膜内部がより均一な温度分布で加熱され、塗膜を一様に予熱することができる。
(4)(3)に記載する電極の製造方法において、第2乾燥室以降の乾燥室では、塗膜箔が、熱風を送風した雰囲気下に晒されることを特徴とするので、例えば、第1乾燥室を、温度300℃を超える高温で加熱した雰囲気に設定し、第2乾燥室を、温度100℃近傍の熱風を送風する雰囲気に設定した乾燥炉等で、塗膜箔を乾燥させる場合、第2乾燥室で、熱風を送風すると共に、この送風に伴う排気が行われると、第2乾燥室内の圧力が、送風と排気を行わない第1乾燥室内の圧力よりも低くなる。溶媒が圧力の低い雰囲気下に晒されると、溶媒は、物性上、蒸発し易くなる。このことから、第1乾燥室において、残存する溶媒の蒸発を抑制しつつ、高温のヒータで均一に予熱した塗膜箔(塗膜)を、第1乾燥室よりも低温で低圧の第2乾燥室に通すことにより、塗膜に残存する溶媒の湿り気を、マイグレーションを引き起こす急激な乾燥速度よりも緩やかな乾燥速度で、塗膜表面から塗膜内部に向けて徐々に取り除くことができ、マイグレーションの発生を抑制して塗膜を効率良く乾燥することができる。
(5)(4)に記載する電極の製造方法において、熱風が送風された乾燥室から排気される排気熱により、送出に用いるロールで、塗膜箔または金属箔の少なくともいずれかと接触するロールを加温し、塗膜箔を、ロールに蓄熱された熱で予熱することを特徴とするので、例えば、金属箔と接触する送出ロール、塗膜箔と接触する送出ロール等のロールに対し、排気熱を、ロールの芯材からロール外周面に伝熱させて、熱がロールに蓄熱されると、送出時に、ロールに蓄熱された熱が、ロールと接触する塗工中の金属箔や、塗膜箔に伝わって塗膜を温める。このとき、ロールは、金属箔の一面や、塗膜箔で塗膜が形成される面の反対側の面(金属箔の一面)と直に接触しながら回転する。これにより、ロールに蓄熱された熱が、塗工を直前とした金属箔の一面側全面や、塗工後の塗膜箔の塗膜にそれぞれ均一に伝わり、塗工された塗膜を、その面方向にムラなく加熱することができる。よって、第1乾燥室で塗膜を表面側から加熱するほかに、ロールに蓄熱された熱により、塗膜を、表面側とその反対側(金属箔の他面との界面側で、塗膜の裏面側)との双方から加熱することで、塗膜が、その厚み方向及び面方向に対し、より均一な状態で効率良く予熱され、塗膜の乾燥が表面側から一方的に進行するのを、抑制することができる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する電極の製造方法において、第1乾燥室内の内部の圧力と、第1乾燥室の上流側で隣接する第1乾燥室の外部の圧力との差圧が零であること、または第1乾燥室の内部の圧力が、許容誤差の範囲内で外部の圧力より高いことを特徴とするので、第1乾燥室外部の外気が、第1乾燥室の上流側で、塗膜箔の送出経路上の開口部から第1乾燥室内に流入するのを抑制することができる。これにより、第1乾燥室において、蒸発する溶媒の濃度が、外気の流入で一時的に低くならず、速やかに飽和状態になり易い。また、外気の流入がないことで、塗膜箔への予熱が促進できる。
すなわち、第1乾燥室外部の外気は、第1乾燥室内の空気中に蒸発した溶媒の濃度より低濃度である上、第1乾燥室内の雰囲気より低温である。このような第1乾燥室外部の外気が第1乾燥室内に流入すると、第1乾燥室で蒸発した溶媒の濃度は、流入前より低くなり、飽和状態となる濃度から遠ざかってしまう。また、低温の外気が第1乾燥室内に流入することで、第1乾燥室の雰囲気の温度が下がってしまう。その結果、塗膜箔に残存する溶媒の蒸発が進み、塗膜が急速に乾燥するのを十分に阻止できない上、低温の外気により、塗膜の予熱が阻害されてしまい、好ましくないからである。
実施形態に係る電極の製造方法の乾燥工程について、代表的な概略図として示した説明図である。 実施形態に係る塗膜箔を、図1中、A−A矢視断面で示した図である。 図1中、B−B矢視断面図であり、塗膜箔が通過する第1乾燥室内を示す図である。 図1中、C−C矢視断面図であり、塗膜箔が通過する第2乾燥室内を示す図である。 実施例1乃至6に係る電極の製造方法を説明する概略図である。 実施形態に係る電極の製造方法について、実施例1乃至6と、その比較例1乃至8に係る乾燥工程との設定条件、及び塗膜の剥離強度をまとめて示した表である。 実施例1,5、及び比較例1乃至6の塗膜の剥離強度について、図6に示した測定結果を再掲した表である。 変形例に係る電極の製造方法を説明する概略図である。 特許文献1に係る乾燥工程を概略的に示した説明図である。
以下、本発明に係る電極の製造方法について、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、例えば、ハイブリットカー、電気自動車の駆動電源に用いる電池として、リチウムイオン電池等、二次電池の電極を対象としており、この電極の製造工程のうち、塗工工程と乾燥工程について説明する。図1は、実施形態に係る電極の製造方法の乾燥工程について、代表的な概略図として示した説明図である。図2は、実施形態に係る塗膜箔を、図1中、A−A矢視断面で示した図である。
はじめに、塗膜箔2について簡単に説明する。塗膜箔2は、金属箔3と塗工材4とからなり、様々な所定の製造工程を経て電極1となる。電極1が正極の場合、塗工材4は、複数の正極活物質、これらの正極活物質に導電性を付する導電材のほか、正極活物質同士、及び正極活物質と導電材と金属箔3(集電体)とを結着するバインダ樹脂等を、塗工工程前に予め溶媒(水または有機溶剤)中に混ぜ合わせて作製されたペースト状の塗工液である。また、電極1が負極の場合、塗工材4は、複数の負極活物質のほか、これらの負極活物質同士、及び負極活物質と金属箔3(集電体)とを結着するバインダ樹脂等を、塗工工程前に予め溶媒(水または有機溶剤)中に混ぜ合わせて作製されたペースト状の塗工液である。
次に、塗工工程について説明する。塗工工程は、送出する金属箔3に塗工材4を塗工して塗膜箔2を形成する。具体的には、金属箔3は、図示しない搬送装置の巻き出し部により、図1に示すように、バックアップロール61(ロール)と送出ロール62(ロール)に掛け回された状態で移動し、巻取り部64に向けて送出方向Fに送出される。バックアップロール61は、ダイ63のダイスリット63aと対向する位置に、金属箔3を挟み、所定間隔で離間して配置されている。塗工工程では、金属箔3を所定速度で送出しながら、ダイ63に供給された塗工材4が、図1及び図2に示すように、バックアップロール61の外周面により、金属箔3の一面である未塗工面3bを支えた状態で、ダイスリット63aから一定の流量で吐出して、金属箔3の他面である塗工面3aに塗工される。かくして、塗工材4が、金属箔3の塗工面3aに、所定厚み(図2中、上下方向の大きさ)に塗工されることにより、金属箔3の塗工面3aに塗膜5を形成した塗膜箔2が得られる。
次に、乾燥工程について説明する。乾燥工程は、巻き出し部による送出で送出方向Fに沿って移動する塗膜箔2が、図1に示すように、送出経路のインライン上に沿って配置された乾燥装置10の乾燥炉20を通りながら、加熱により塗膜箔2を乾燥させる。
乾燥装置10は、大別して乾燥炉20と給気部40とを有している。乾燥炉20は、本実施形態では、図1に示すように、3箇所で区画して配置された4つの乾燥室(第1乾燥室21、第2乾燥室22、第3乾燥室23、第4乾燥室24)からなる。第1乃至第4乾燥室21,22,23,24では、隣り合う乾燥室は、乾燥室毎にそれぞれの雰囲気がなるべく一定に保たれるよう、隣り合う乾燥室間にある送出経路上の開口部を、移動する塗膜箔2が干渉しない程度に確保して、区画されている。
第1乾燥室21は、乾燥工程で塗膜箔2が最初に通過する乾燥室である。第2乾燥室22は、第1乾燥室21に次いで通過する乾燥室である。図3は、図1中、B−B矢視断面図であり、塗膜箔が通過する第1乾燥室内を示す図である。図4は、図1中、C−C矢視断面図であり、塗膜箔が通過する第2乾燥室内を示す図である。
第1乃至第4乾燥室21,22,23,24は、送出方向Fに沿う室内長を、各乾燥室とも同じにして形成されている。第1乾燥室21と第2乾燥室22では、図3及び図4に示すように、第1乾燥室21の容積V1が、送出経路に沿う送出方向Fに対して直交する断面の面積で、第1乾燥室21の断面積S1を第2乾燥室22の断面積S2よりも小さくして、第2乾燥室22の容積よりも小さくなっている。
第1乾燥室21には、赤外線ヒータ31が、参照する図2に示す塗膜箔2において、塗膜5の塗膜表面5a全面、及び金属箔3の未塗工面3b全面に、赤外線を均一に放射できるよう、室内の天井側と床側の両側(図1中、上下両側)に配設されている。乾燥工程では、常時送出された状態にある塗膜箔2が、第1乾燥室21内を通るときには、塗膜箔2が、熱風を送風しない雰囲気の下、赤外線ヒータ31により、300℃以上の高温で加熱されるようになっている。
また、第1乾燥室21内の内部の圧力(第1乾燥室の内圧Pi)と、第1乾燥室21の上流側で隣接する第1乾燥室21の外部の圧力(第1乾燥室の外圧Po)との差圧が零であること、または第1乾燥室の内圧Piが、許容誤差の範囲内で第1乾燥室の外圧Poより高いことの条件を満たすよう、第1乾燥室21の上流側(図1中、左側)開口部は、移動する塗膜箔2が干渉しない程度の大きさに形成されている。
また、第2乃至第4乾燥室22,23,24には、熱風を吹き出す送風ノズル42、43、44が、塗膜箔2において、塗膜5の塗膜表面5a全面、及び金属箔3の未塗工面3b全面に、吹き付けできるよう、室内の天井側と床側の両側に配設されている。乾燥工程において、第2乾燥室22以降の乾燥室(第2乃至第4乾燥室22,23,24)では、第1乾燥室21の通過後の塗膜箔2は、熱風HFを送風した雰囲気下に晒されるようになっている。
具体的には、給気部40は、送風機等の送風手段を備え、常温の空気を、連結する給気管42I、給気管43I及び給気管44Iを通じて、第2乾燥室22内の送風ノズル42に、第3乾燥室23内の送風ノズル43に、第4乾燥室24内の送風ノズル44にそれぞれ、風量調整可能に供給できるようになっている。給気管42I内にヒータ32が、給気管43I内にヒータ33が、給気管44I内にヒータ34が、それぞれ設けられている。
給気部40で送風される空気は、ヒータ32により所定の設定温度に加熱され、熱風となって送風ノズル42から第2乾燥室22内に吹付けられるようになっている。同様に、給気部40で送風される空気は、ヒータ33により、ヒータ32とは独立した所定の設定温度に加熱され、熱風となって送風ノズル43から第3乾燥室23内に吹付けられるようになっている。同様に、給気部40で送風される空気は、ヒータ34により、ヒータ32、33とは独立した所定の設定温度に加熱され、熱風となって送風ノズル44から第4乾燥室24内に吹付けられるようになっている。
また、熱風が送風された第2乃至第4乾燥室22,23,24から排気される排気熱HTにより、送出に用いるロールで、金属箔3と接触するバックアップロール61、及び塗膜箔2と接触する送出ロール62がそれぞれ加温され、塗膜箔2が、バックアップロール61及び送出ロール62に蓄熱された熱で予熱されるようになっている。
その一方で、第2乾燥室22には排気管52Eが配設され、送風ノズル42からの送風に伴い、第2乾燥室22内の排気が、排気管52Eから行われる。同様に、第3乾燥室23には排気管53Eが配設され、送風ノズル43からの送風に伴い、第3乾燥室23内の排気が、排気管53Eから行われる。同様に、第4乾燥室24には排気管54Eが配設され、送風ノズル44からの送風に伴い、第4乾燥室24内の排気が、排気管54Eから行われる。
排気管52Eと排気管53Eと排気管54Eとは、排気管50Eと並列で連結され、第2乃至第4乾燥室22,23,24からの排気EGが、排気管50Eを通じて、周知技術の熱交換器55の入力側に供給されるようになっている。熱交換器55の出力側は、排気熱経路56E及び排気熱経路57Eと連結している。排気熱経路56Eは、バックアップロール61の芯部、及び送出ロール62の芯部に対し、並列接続され、排気EGの排気熱HTを、熱交換器55からバックアップロール61の芯部と送出ロール62の芯部とに、それぞれ伝熱できるように構成されている。また、本実施形態では、排気熱経路57Eが、ダイ63と接続され、排気EGの排気熱HTを、ダイスリット63aから吐出される塗工材4を加熱できるように構成されている。これにより、塗工材4を金属箔3の塗工面3aに塗工するとき、ダイスリット63aから塗工材4がより高い温度で吐出することができ、塗工材4の高温化により塗工時の塗工材4の粘性がより低くできることから、塗膜5がより均一な目付け量で塗工面3aに形成された塗膜箔2を得ることができる。
次に、本実施形態の電極の製造方法の有意性を確認するため、実施例1乃至6に係る調査と、比較例1乃至8に係る調査とを行った。この確認調査について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、実施例1乃至6に係る電極の製造方法を説明する概略図である。図6は、実施形態に係る電極の製造方法について、実施例1乃至6と、その比較例1乃至8とに係る乾燥工程の設定条件、及び塗膜の剥離強度をまとめて示した表である。
はじめに、実施例1乃至6、及び比較例1乃至8に係る調査の共通条件について説明する。共通条件は、以下の通りである。
〔共通条件〕
A.塗膜箔
(1)製造対象の電極の正負/負極
(2)塗工材の成分割合/負極活物質:CMC:バインダSBR=98.3:0.7:1
(3)溶媒/有機溶剤系
(4)ペースト固形分率/54%
(5)塗工面、目付け量/片面、95g/m
(6)塗工速度/10m/min.
B.乾燥室
(7)数、室内長/3つ(第1乾燥室21、第2乾燥室22、第3乾燥室23)、各4m
(8)第2乾燥室22の高さ/図4に示すh2=50cm
(9)雰囲気温度/第1乾燥室21は350℃、第2乾燥室22は110℃、第3乾燥室23は130℃
(10)第2乾燥室22の内外の圧力差(差圧)/室内圧Piが室外圧Poより20Pa低い
(11)第3乾燥室23の内外の圧力差(差圧)/室内圧が室外圧より10Pa低い
(12)熱風/あり(第2乾燥室22、第3乾燥室23)
〔異なる条件〕
B.乾燥室
(13)第1乾燥室21の熱源/赤外線ヒータ31(図6等には「IR」と表示)、熱風
(14)第1乾燥室21で熱風ありの場合の温度/90℃
(15)第1乾燥室21の高さ/図3に示すh1=20、25、30、40、50cm
(16)第1乾燥室21の内外の圧力差(差圧)/室内圧Piと室外圧Poが同圧の場合、室内圧Piが室外圧Poより10または20Pa低い場合、室内圧Piが室外圧Poより5Pa高い場合
C.その他
(17)排気熱HTによるロール(バックアップロール61及び送出ロール62)の加熱の有無/加熱あり(60℃)、加熱なし
(18)塗膜箔の送出経路の位置/各乾燥室の高さ方向中央(図6には「中」と表示)、各乾燥室の高さ方向最上端から7cm下方の位置(図6には「上」と表示)
次に、確認調査の評価方法について説明する。確認調査の評価は、乾燥後の塗膜箔2をサンプリングして試験片を作製し、この試験片の塗膜5の塗膜表面5aに、例えば、表面に粘着性を有したテープ等の接着部材を貼付する。貼付後、この接着部材と試験片の金属箔3を互いに離間する向きに外力を作用させ、単位長さ当たりの試験片で、塗膜5が金属箔3の塗工面3aから剥離するときの外力の大きさ(剥離強度N/m)を取得する。
確認調査の評価判定は、本実施形態では、剥離強度2.0N/m程度を良否の判断基準としており、剥離強度の数値が2.0N/mより大きくなればなる程、金属箔3と塗膜5との密着力が高く、塗膜5が金属箔3にしっかりと安定して付いている。すなわち、金属箔3と塗膜5との密着力が高いということは、塗膜箔2の乾燥工程を行っている最中に、塗工材4の混ぜ合わせた溶媒に含まれるバインダ樹脂が、塗膜5の塗膜表面5a側に移動して固化せず、塗膜5が、均一な状態で徐々に乾燥されているからである。それ故に、塗膜箔2(電極1)が、塗膜箔の塗膜を急激に乾燥させることに起因して引き起こす偏析(マイグレーション)を、塗膜5で引き起こし難くなっていることを意味する。
次に、確認調査の結果を、図6及び図7に示す。図7は、実施例1,5、及び比較例1乃至6の塗膜の剥離強度について、図6に示した測定結果を再掲した表である。
図6に示す表から容易に理解できるように、比較例1乃至7に係る確認調査では、何れの調査も、評価判定の判断基準値2.0N/mを下回っていることが判る。その一方で、実施例1乃至6、及び比較例8では、何れの調査も、判断基準値2.0N/mを、1.5〜2倍以上の大きさで上回っていることが判る。
次に、確認調査の結果について考察する。はじめに、ロールの加熱の有無の条件以外の調査条件が同じである比較例1と比較例3とを比較すると、ロールを加熱した比較例3の剥離強度が、ロールを加熱しない比較例1の剥離強度より20%も上昇している。このことは、第1乾燥室21及び第2乾燥室22において、塗膜表面5a側から塗膜5を加熱すると共に、バックアップロール61及び送出ロール62で塗膜箔2を送出するときに、排気熱HTによる熱が金属箔3を介して塗膜裏面5b側から塗膜5に伝わり、塗膜5がより均一な状態で加熱されているためと考えられる。
次いで、第1乾燥室21の容積比の条件以外の調査条件が同じである比較例3と比較例6とを比較すると、比較例3と比較例6とも、剥離強度の差異がほとんどない。すなわち、比較例3及び比較例6において、第1乾燥室21の容積を単に小さくしただけでは、剥離強度が格段に大きくならない。そこで、第1乾燥室21の加熱方式、及び第1乾燥室21の差圧の条件以外の調査条件が同じである比較例6と比較例8とを比較すると、比較例8の剥離強度3.1N/mは、比較例6の剥離強度1.1N/mの約3倍もの大きさになっている。このことは、比較例8において、第1乾燥室21の加熱を赤外線ヒータ31で行っていることが主要因となっているものと考えられ、赤外線ヒータ31による加熱に有意性があることが立証されている。赤外線ヒータ31の有意性については、後に詳述するため、ここではその言及は避ける。
また、第1乾燥室21の差圧の違いよる要因も考えられる。第1乾燥室21の差圧の条件以外の調査条件が同じである比較例8と実施例1とを比較すると、実施例1の剥離強度4.2N/mは、比較例8の剥離強度3.1N/mより、30%以上上昇している。このことは、室内圧Piが室外圧Poより5Pa高くなっていることで、第1乾燥室21外の低温の外気が第1乾燥室21の室内に向けて流入せず、第1乾燥室21内の雰囲気が維持されているためであると考えられる。
また、塗膜箔の送出経路の位置の条件以外の調査条件が同じである実施例3と実施例6とを比較すると、塗膜箔2は、塗膜5を金属箔3の上側にして形成されているため、塗膜5と赤外線ヒータ31との距離がより小さくなる。そのため、塗膜5が、赤外線ヒータ31から放射される赤外線を効率良く吸収して加熱されるようになる。また、第1乾燥室21の断面S1が、乾燥工程で第1乾燥室21を送出する塗膜箔2により、塗膜箔2を境に不完全ながらも上下に仕切られ、第1乾燥室21のうち、塗膜箔2上側に占める部分の容積が、実質的に小さくなっていることから、溶媒が塗膜表面5aから急激に乾燥し難くなっているものと推察される。その結果、実施例6の剥離強度が、実施例3の剥離強度より大きくなる。
調査結果についての考察をまとめると、図6及び図7に示すように、
(a)第1乾燥室21の加熱方式に赤外線ヒータ31(IR)を採用すること
(b)第2乾燥室22に対する第1乾燥室21の容積比を60%以下にすること
(c)排気熱HTにより、バックアップロール61及び送出ロール62が加熱されていること
(d)第1乾燥室21において、室内圧Piと室外圧Poが同圧であるか、室内圧Piが室外圧Poより5Pa程度まで高くなっていること
の4つの要因を満たすと、剥離強度がより大きい塗膜箔2が得られることが判った。
前述した構成を有する本実施形態に係る電極の製造方法の作用・効果について説明する。
(1)送出する金属箔3に塗工材4を塗工して塗膜箔2を形成する塗工工程と、送出により移動する塗膜箔2が、送出経路のインライン上に沿って配置された乾燥装置10の乾燥炉20を通りながら、加熱により塗膜箔2を乾燥させる乾燥工程と、を有する電極の製造方法において、乾燥炉20は、複数箇所(実施形態で3箇所)で区画して配置された4つの乾燥室(第1乃至第4乾燥室21,22,23,24)からなり、また実施例では2箇所で区画して配置された3つの乾燥室(第1乃至第3乾燥室21,22,23)からなり、乾燥工程で塗膜箔2が最初に通過する第1乾燥室21と、第1乾燥室21に次いで通過する第2乾燥室22とを少なくとも有し、第1乾燥室21の容積V1が、送出経路に沿う送出方向Fに対して直交する断面S1の面積を第2乾燥室22の断面S2より小さくして、第2乾燥室22の容積V2よりも小さくなっていることを特徴とするので、塗工工程後、塗膜5に湿り気を持った状態の塗膜箔2が、乾燥工程において、加熱されている第1乾燥室21に入ると、塗工材4に含まれる溶媒(例えば、有機溶剤系溶媒、水系溶媒等)が、最初に第1乾燥室21内で塗膜から蒸発し始める。
このとき、第1乾燥室21をはじめ第1乃至第3乾燥室21,22,23等の各乾燥室において、乾燥工程では、乾燥室を流出入する空気の流れはそれぞれ定常状態で、乾燥室内において空気の流れが平衡状態にあることから、第1乾燥室21の容積V1が、第2乾燥室22の容積V2と比べ、上記断面S1の面積を上記断面S2の面積より小さくして小さくなっていると、第1乾燥室21内の空気中に蒸発する溶媒の濃度が、第2乾燥室22内の空気中に蒸発する溶媒の濃度よりも高くなる。
第1乾燥室21内では、蒸発した溶媒の濃度が、高い状態にあればある程、室内の溶媒による雰囲気は、より短い時間で飽和状態となり、この状態から先、第1乾燥室21内において、塗膜箔2の塗膜5に残存している溶媒が、塗膜5の塗膜表面5aから蒸発するのを抑制することができる。よって、塗膜箔2が、加熱された雰囲気下の第1乾燥室21を通過しても、湿った状態の塗膜5が第1乾燥室21で急激に乾燥してしまうことが起こり難くなり、塗膜5の急激な乾燥に起因したマイグレーションの発生を抑制することができる。
すなわち、塗膜箔2の塗膜5は、複数の活物質(電極1が、正極の場合は正極活物質、負極の場合は負極活物質)のほか、これらの活物質同士、及び活物質と金属箔3とを結着するバインダ樹脂等を、塗工工程前に予め溶媒(水または有機溶剤)中に混ぜ合わせて作製されたペースト状の塗工液からなる。塗膜箔2(塗膜5)が、加熱状態の雰囲気にある乾燥炉20内に入ると、塗膜5に含まれる溶媒が蒸発し、第1乾燥室21内の雰囲気は、蒸発した溶媒により、濃度が次第に高くなり、飽和状態に近付いていく。
その一方で、塗膜箔2が、加熱状態の雰囲気にある乾燥炉20内に入ると、塗膜5に含まれる溶媒が蒸発しながら、活物質同士のほか、活物質と金属箔3とがバインダ樹脂によって結着され、乾燥した状態の塗膜5が得られる。塗膜箔2が最初に第1乾燥室21を通過するとき、まず塗膜5の塗膜表面5a側に存在する溶媒が蒸発し始め、塗膜表面5a側の溶媒の濃度が次第に小さくなっていく。これに対し、塗膜5の厚み方向内部で、金属箔3の未塗工面3bと塗膜5の塗膜裏面5bとの界面近傍の塗膜5の塗膜裏面5b側に存在する溶媒の濃度は、第1乾燥室21に入る前の初期濃度に近い状態にあり、塗膜表面5a側と塗膜裏面5b側との間で溶媒の濃度差が生じてくる。
この溶媒の濃度差の大きさが大きく、かつこの濃度差が起きる時間が短い急激な乾燥速度で、塗膜5を乾燥させると、塗膜裏面5b側に残存する溶媒が、乾燥室内の雰囲気下で急激に蒸発してしまい、この急激な溶媒の蒸発に伴って、塗膜裏面5b側にあるバインダ樹脂も、塗膜表面5a側に移動してしまう。そして、塗膜裏面5b側に残存していた溶媒が蒸発し終えたところで、塗膜表面5a側に移動したバインダ樹脂が、塗膜表面5a側で固化してしまい、塗膜5において、バインダ樹脂による偏析(マイグレーション)が、塗膜表面5a側と塗膜裏面5b側との間で起きる。マイグレーションが生じると、特に金属箔3の未塗工面3bと塗膜5の塗膜裏面5bとの界面で、金属箔3と塗膜5(活物質等)との密着力が低下する。
本実施形態の電極の製造方法では、第1乾燥室21内の空気中に蒸発する溶媒の濃度が、第2乾燥室22内の空気中に蒸発する溶媒の濃度よりも高く、第1乾燥室21内では、蒸発した溶媒の濃度が、高い状態にあればある程、室内の溶媒による雰囲気は、より短い時間で飽和状態となる。第1乾燥室21内では、この状態から先、塗膜5に残存している溶媒が、塗膜5の塗膜表面5aから蒸発するのを抑制できるため、塗膜表面5a側に残存する溶媒の濃度の低下が小さく抑えられ、塗膜裏面5b側に残存する溶媒の濃度についても、第1乾燥室21に入る前の初期濃度に近い状態で、維持され易くなる。そのため、塗膜箔2が第1乾燥室21に入っても、塗膜5において、塗膜表面5a側に残存する溶媒の濃度と、塗膜裏面5b側に残存する溶媒の濃度との間で溶媒の濃度差が、より小さく抑制できている。
溶媒の濃度差を小さく抑制することにより、第1乾燥室21に入った塗膜箔2の塗膜5が、乾燥速度をより低くして乾燥できるため、塗膜5において、塗膜裏面5b側のバインダ樹脂が、塗膜裏面5b側に残存する溶媒の急激な蒸発に伴って塗膜表面5a側に移動するのを抑制することができる。すなわち、塗膜5において、塗膜裏面5b側に残存していた溶媒の急激な蒸発によって、塗膜表面5a側に移動したバインダ樹脂が塗膜表面5a側で固化して生じるマイグレーションが抑制され、金属箔3と塗膜5(活物質等)との密着力が低下するのを抑制することができる。
よって、塗膜箔2が、加熱された雰囲気下の第1乾燥室21を通過しても、湿った状態の塗膜5が第1乾燥室21で急激に乾燥してしまうことが起こり難くなり、塗膜5の急激な乾燥に起因したマイグレーションの発生を抑制することができる。特に、本実施形態の電極の製造方法は、このようなマイグレーションの発生を、電極1が正電極か負電極かによらず、また溶媒の種類によらず、抑制することができる。
また、第1乾燥室21は、送出方向Fに沿った第1乾燥室21の室内長を、少なくとも第2乾燥室22の室内長より小さくせず、断面S1の面積を断面S2の面積より小さくすることにより、容積V1を容積V2よりも小さく設定されている。そのため、塗膜箔2が第1乾燥室21を通過する時間が、塗膜5の加熱に必要な時間より短くなって、塗膜5を効果的に加熱できないということが生じず、塗膜5への加熱、乾燥を効率良く行うことができる。
また、従来、マイグレーションが起きないよう、塗膜の加湿後、熱風で塗膜を乾燥させていたため、乾燥装置には乾燥炉のほかに加湿器を設備し、塗膜の乾燥に、温度と湿度との複雑な制御が必要であったが、本実施形態の電極の製造方法は、塗膜5に加湿を必要とせず、例えば、第1乾燥室21の温度制御のみ等、塗膜5を乾燥させるのに必要な制御が複雑化しない。また、塗膜5を加湿する必要がないため、加湿器を設置しない分、乾燥装置10が小型化でき、加湿に伴う余分なコストが掛からず、塗膜5の乾燥を低コストで実現できる。
従って、金属箔3にペースト状の塗工材4を塗工した塗膜箔2に対し、マイグレーションを抑制しつつ効率良く乾燥させ、電極1を低コストで製造することができる、という優れた効果を奏する。
(2)(1)に記載する電極の製造方法において、第1乾燥室21は、塗工材4に含まれる溶媒で、塗膜箔2から蒸発した溶媒の濃度を、より飽和状態に近付けた雰囲気にすることを特徴とするので、塗膜箔2が第1乾燥室21を通過中に、塗膜表面5aからの溶媒の蒸発を抑制し、塗膜5に残存する溶媒を、塗膜5内部に含んだままの状態で、塗膜箔2を第2乾燥室22に送ることができる。
(3)(1)または(2)に記載する電極の製造方法において、第1乾燥室21では、熱風を送風しない雰囲気の下、赤外線ヒータ31により、塗膜箔2を加熱することを特徴とするので、赤外線ヒータ31から放射された赤外線を、塗膜5に吸収させてこの塗膜5を加熱すると、塗膜表面5aや塗膜5内部がより均一な温度分布で加熱され、塗膜5を一様に予熱することができる。
(4)(3)に記載する電極の製造方法において、第2乾燥室22以降の乾燥室(第3乾燥室23等)では、塗膜箔2が、熱風HFを送風した雰囲気下に晒されることを特徴とするので、本実施形態のように、第1乾燥室21を、温度300℃を超える高温で加熱した雰囲気に設定し、第2乾燥室22を、温度100℃近傍の熱風HFを送風する雰囲気に設定した乾燥炉20等で、塗膜箔2を乾燥させる場合、第2乾燥室22で、熱風HFを送風すると共に、この送風に伴う排気EGが行われると、第2乾燥室22内の圧力Piが、送風と排気EGを行わない第1乾燥室21内の圧力Piよりも低くなる。
溶媒が圧力の低い雰囲気下に晒されると、溶媒は、物性上、蒸発し易くなる。このことから、第1乾燥室21において、残存する溶媒の蒸発を抑制しつつ、高温の赤外線ヒータ31で均一に予熱した塗膜箔2(塗膜5)を、第1乾燥室21よりも低温で低圧の第2乾燥室22に通すことにより、塗膜5に残存する溶媒の湿り気を、マイグレーションを引き起こす急激な乾燥速度よりも緩やかな乾燥速度で、塗膜表面5aから塗膜5内部に向けて徐々に取り除くことができ、マイグレーションの発生を抑制して塗膜5を効率良く乾燥することができる。
(5)(4)に記載する電極の製造方法において、熱風HFが送風された乾燥室(第2乃至第4乾燥室22,23,24)から排気EGされる排気熱HTにより、送出に用いるロールで、金属箔3と接触するバックアップロール61、及び塗膜箔2と接触する送出ロール62を加温し、塗膜箔2を、バックアップロール61及び送出ロール62に蓄熱された熱で予熱することを特徴とするので、本実施形態のように、バックアップロール61及び送出ロール62に対し、排気熱HTを、バックアップロール61及び送出ロール62の各芯材からロール外周面に伝熱させて、熱がバックアップロール61及び送出ロール62に蓄熱されると、送出時に、バックアップロール61及び送出ロール62に蓄熱された熱が、バックアップロール61と接触する塗工中の金属箔3や、送出ロール62と接触する塗工後の塗膜箔2に伝わって塗膜5を温める。
このとき、バックアップロール61及び送出ロール62は、金属箔3の未塗工面3bや、塗膜箔2で塗膜5が形成される塗膜表面5aの反対側の面(金属箔3の未塗工面3b)と直に接触しながら回転する。これにより、バックアップロール61及び送出ロール62に蓄熱された熱が、塗工を直前とした金属箔3の未塗工面3b全面や、塗工後の塗膜箔2の塗膜5にそれぞれ均一に伝わり、塗工された塗膜5を、その面方向にムラなく加熱することができる。よって、第1乾燥室21で塗膜5を塗膜表面5a側から加熱するほかに、バックアップロール61及び送出ロール62に蓄熱された熱により、塗膜5を、塗膜表面5aとその反対側の塗膜裏面5bとの双方から加熱することで、塗膜5が、その厚み方向(図2中、上下方向)及び面方向(図2を示す紙面の垂直方向)に対し、より均一な状態で効率良く予熱され、塗膜5の乾燥が塗膜表面5a側から一方的に進行するのを、抑制することができる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載する電極の製造方法において、第1乾燥室21内の内部の圧力Piと、第1乾燥室21の上流側で隣接する第1乾燥室21の外部の圧力Poとの差圧が零であること、または第1乾燥室の内部の圧力Piが、許容誤差の範囲内で外部の圧力Poより高いことを特徴とするので、第1乾燥室21外部の外気が、第1乾燥室21の上流側で、塗膜箔2の送出経路上の開口部から第1乾燥室21内に流入するのを抑制することができる。これにより、第1乾燥室21において、蒸発する溶媒の濃度が、外気の流入で一時的に低くならず、速やかに飽和状態になり易い。また、外気の流入がないことで、塗膜箔2への予熱が促進できる。
すなわち、第1乾燥室21外部の外気は、第1乾燥室21内の空気中に蒸発した溶媒の濃度より低濃度である上、第1乾燥室21内の雰囲気より低温である。このような第1乾燥室21外部の外気が第1乾燥室21内に流入すると、第1乾燥室21で蒸発した溶媒の濃度は、流入前より低くなり、飽和状態となる濃度から遠ざかってしまう。また、低温の外気が第1乾燥室21内に流入することで、第1乾燥室21の雰囲気の温度が下がってしまう。その結果、塗膜箔2に残存する溶媒の蒸発が進み、塗膜5が急速に乾燥するのを十分に阻止できない上、低温の外気により、塗膜5の予熱が阻害されてしまい、好ましくないからである。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
例えば、本実施形態では、図1に示すように、塗膜箔2の送出経路の位置を、第1乃至第4乾燥室21,22,23,24とも、高さ方向(図1中、上下方向)中央に配置して、塗膜5が上下両側から同じように加熱されて乾燥するようにした。また、第1乾燥室21では、赤外線ヒータ31により、塗膜箔2(塗膜5)を300℃以上の高温で加熱した。図8は、変形例に係る電極の製造方法を説明する概略図である。
変形例は、前述した実施例6でも簡単に触れたが、第1乾燥室21において、塗膜箔2の送出経路の位置を、図3及び図8に示すように、第1乾燥室21の高さ方向(図3中、上下方向)の上側に配置し、塗膜5の塗膜表面5aを赤外線ヒータ31に近づけて配置している。これにより、第1乾燥室21において、赤外線ヒータ31により、塗膜箔2(塗膜5)を加熱する温度を、例えば、150℃程度等、比較的低温な温度にすることができる。勿論、第1乾燥室21では、室内圧Piと室外圧Poが同圧であるか、室内圧Piが室外圧Poより、一例として5Pa程度まで高くなっていることが重要である。また、第2乾燥室22では、室内圧Piと室外圧Poが同圧であるか、室内圧Piが室外圧Poより、一例として20Pa程度まで低くなっていることが重要である。また、図1及び図8に示したように、熱交換器55からの排気熱HTを、バックアップロール61及び送出ロール62のほか、排気熱経路57Eを通じてダイ63に伝熱させて、加熱する塗膜5の温度均一化を図る手段の一つになる。
1 電極
2 塗膜箔
3 金属箔
4 塗工材
10 乾燥装置
20 乾燥炉
21 第1乾燥室(乾燥室)
22 第2乾燥室(乾燥室)
23 第3乾燥室(乾燥室)
24 第4乾燥室(乾燥室)
31 赤外線ヒータ
61 バックアップロール(ロール)
62 送出ロール(ロール)
S1 第1乾燥室の断面
S2 第2乾燥室の断面
V1 第1乾燥室の容積
V2 第2乾燥室の容積
HF 熱風
EG 排気
F 送出方向
i 第1乾燥室内の圧力
o 第1乾燥室外の圧力

Claims (6)

  1. 送出する金属箔に塗工材を塗工して塗膜箔を形成する塗工工程と、前記送出により移動する前記塗膜箔が、送出経路のインライン上に沿って配置された乾燥装置の乾燥炉を通りながら、加熱により前記塗膜箔を乾燥させる乾燥工程と、を有する電極の製造方法において、
    前記乾燥炉は、複数箇所で区画して配置された複数の乾燥室からなり、前記乾燥工程で前記塗膜箔が最初に通過する第1乾燥室と、前記第1乾燥室に次いで通過する第2乾燥室とを少なくとも有し、
    前記第1乾燥室の容積が、前記送出経路に沿う送出方向に対して直交する断面の面積を小さくして、前記第2乾燥室の容積よりも小さくなっていること
    を特徴とする電極の製造方法。
  2. 請求項1に記載する電極の製造方法において、
    前記第1乾燥室は、前記塗工材に含まれる溶媒で、前記塗膜箔から蒸発した前記溶媒の濃度を、より飽和状態に近付けた雰囲気にすることを特徴とする電極の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載する電極の製造方法において、
    前記第1乾燥室では、熱風を送風しない雰囲気の下、赤外線ヒータにより、前記塗膜箔を加熱することを特徴とする電極の製造方法。
  4. 請求項3に記載する電極の製造方法において、
    前記第2乾燥室以降の前記乾燥室では、前記塗膜箔が、熱風を送風した雰囲気下に晒されることを特徴とする電極の製造方法。
  5. 請求項4に記載する電極の製造方法において、
    熱風が送風された前記乾燥室から排気される排気熱により、前記送出に用いるロールで、前記塗膜箔または前記金属箔の少なくともいずれかと接触する前記ロールを加温し、前記塗膜箔を、前記ロールに蓄熱された熱で予熱することを特徴とする電極の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載する電極の製造方法において、
    前記第1乾燥室内の内部の圧力と、前記第1乾燥室の上流側で隣接する前記第1乾燥室の外部の圧力との差圧が零であること、または
    前記第1乾燥室の前記内部の圧力が、許容誤差の範囲内で前記外部の圧力より高いこと
    を特徴とする電極の製造方法。
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